JPH0740579A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高濃度で、しかもかぶりの無い高画質の画像
を形成できるような手段を備えた画像形成装置を提供す
ること。 【構成】 本画像形成装置は、アパチャ電極１は、厚さ
１２．５ミクロンのポリイミド製の絶縁シート２の上面
に、厚さ１ミクロンの制御電極３が設けられ、且つ各制
御電極３に直径４０ミクロンの開口部４が５つ設けられ
る。更に、開口部４は、アパチャ電極１を貫くように設
けられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンタ、プ
ロッタ、ファクシミリなどに利用し得る画像形成装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、画像形成装置の１つとして、複数
の開口部が形成されたトナー流制御手段を用いて、その
トナー流制御手段に対して画像データに基いて電圧を印
加し、トナー粒子が前記開口部を通過し得るよう制御し
て、通過したトナー粒子により支持体上に画像を形成す
るものが、例えば、米国特許第３６８９９３５号の明細
書において開示されている。

【０００３】また、例えば特願平４−２５４４９４号に
添付された明細書及び図面に於いて、画像形成装置は、
図７に示されるような、絶縁体よりなる平板５２と、こ
の平板５２の一方の面に形成される互いに絶縁された複
数の制御電極５３とからなり、前記各制御電極５３毎に
前記２者を貫いて１列の開口部が形成されたアパチャ電
極５１と、制御電極５３に選択的に電位を与える手段
と、印加された電位によって開口部５４を通過するトナ
ー粒子の流れが変調されるよう帯電したトナー粒子を供
給する手段と、支持体とアパチャ電極とを相対的に移動
させて支持体を粒子流路中に位置決めする手段とから構
成されている。この画像記録装置は、トナーの開口部通
過量を稼ぐために、開口部５４の面積が大きくなるよう
に小判穴形状をしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の画像形成装置は、開口部面積を大きくし
てトナーの開口部通過量を稼ごうとしているが、開口部
の中心では、制御電極に印加される制御電圧による制御
電界が非常に小さくなるために、記録濃度が低くなった
り、かぶりが発生したり、トナー流の制御性が非常に悪
くなっていた。

【０００５】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、高濃度で、しかもかぶりの無い
高画質の画像形成装置を提供することを目的としてい
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の画像形成装置は、開口部と、この開口部の周
辺に設けられる制御電極とを備えたトナー流制御手段
と、このトナー流制御手段に接触して設けられ、トナー
をトナー流制御手段に供給するトナー担持体を備えたト
ナー供給装置と、このトナー供給装置の反対側に、トナ
ー流制御手段に対向して設けられる背面電極とから構成
されるものであって、前記トナー流制御手段の１つの制
御電極に、複数の開口部が設けられている。

【０００７】

【作用】上記の構成を有する本発明の画像形成装置は、
トナー流制御手段の開口部内部に、低い制御電圧で、大
きな制御電界が形成されることが可能となるので、トナ
ー流の制御性が高くなる。さらに、開口部が多数形成さ
れるので、トナー流の通過量も増えて、高濃度の記録が
達成される。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照しながら説明する。

【０００９】図１は、本発明を実施した画像形成装置の
概要を示す図であり、トナー流制御手段としてのアパチ
ャ電極１の上側には、１ｍｍの間隙を有して、円柱状の
背面電極ローラ６がシャーシ（図示せず）に回動可能に
配設されており、前記間隙に挿入される支持体Ｐを搬送
し得るように構成されている。また、前記アパチャ電極
１の下側には、そのアパチャ電極１の長手方向に沿っ
て、トナー供給装置１０が配設されており、更には、前
記背面電極ローラ６によって搬送される支持体Ｐの進行
先には定着装置２７が配設されている。

【００１０】次に、上記各構成要素の詳細を説明する
と、前記トナー供給装置１０は、装置全体のハウジング
を兼ねるトナーケース１５と、そのトナーケース１５内
に収納されるトナー１４と、供給ローラ１２と、トナー
担持ローラ１１と、トナー層規制ブレード１３とから構
成されている。ここにおいて、前記トナー担持ローラ１
１はトナー１４を担持し、アパチャ電極１に向かって搬
送するものであり、前記供給ローラ１２は、トナー担持
ローラ１１に対してトナー１４を供給するものである。

【００１１】そして、前記供給ローラ１２とトナー担持
ローラ１１は、トナーケース１５に図示する矢印方向に
回転可能に支持されており、両者は接した状態で平行に
配設されている。また、前記トナー層規制ブレード１３
は、トナー担持ローラ１１に担持されるトナー１４の量
がローラ面上で均一になるよう調整するとともに、その
トナー１４を均一に帯電させるためのものであり、トナ
ー担持ローラ１１に圧接されている。

【００１２】前記アパチャ電極１は、図２に示すように
厚さ１２．５ミクロンのポリイミド製の絶縁シート２の
上面に、厚さ１ミクロンの制御電極３が設けられ、且つ
各制御電極３に直径４０ミクロンの開口部４が５つ設け
られる。更に、前記５個の開口部４は、一直線上に配置
されていると共に、アパチャ電極１を貫くように設けら
れる。そして、前記アパチャ電極１は、図１に示すよう
に支持体Ｐ側に制御電極３を対向させた状態で、絶縁シ
ート２の開口部位置でトナー担持ローラ１１に対して圧
接されている。

【００１３】ここにおいて、前記アパチャ電極１の開口
部４とトナー担持ローラ１１との位置関係の詳細を説明
すると、図３に示すように、各開口部４は各々の中心線
３０がトナー担持ローラ１１の周面の最上部分と、トナ
ー担持ローラ１１の中心軸３２とを通過するように配置
されている。これによれば、各開口部４は、トナー担持
ローラ１１の周面の最上部分を基準として、左右に均等
に配置されることにより、各開口部４を通過するトナー
１４の分布を開口部内の全域で均一にすることができ
る。また、開口部４の壁面とトナー１４の飛翔方向とが
平行であるため、安定してトナーを飛翔させることがで
きる。

【００１４】更には、アパチャ電極１自体は、図３に示
すようにトナー担持ローラ１１に対して、開口部４を中
心として左右に同じ角度だけたわむように圧接されてい
る。これにより、アパチャ電極１とトナー担持ローラ１
１との接触面積を大きくすることができるとともに、開
口部４の下部周辺を左右均一に圧接することができるた
め、トナーの濃度むらが発生することを極力抑えること
ができる。

【００１５】また、前記制御電極３とトナー担持ローラ
１１の間には、制御電圧印加回路５が接続されている。
この制御電圧印加回路５は、画像信号に基いて制御電極
３に対して−３０Ｖ、もしくは＋１０Ｖの電圧を印加す
るように構成されている。

【００１６】更には、前記背面電極ローラ６とトナー担
持ローラ１１との間には直流電源７が接続されており、
この直流電源は前記背面電極ローラ６に対して＋１ｋＶ
の電圧を印加し得るようになっている。

【００１７】次に、上述のように構成される画像形成装
置の動作を説明する。

【００１８】まず始めに、トナー担持ローラ１１と供給
ローラ１２の図１に示す矢印方向の回転により、供給ロ
ーラ１２から送られてくるトナー１４はトナー担持ロー
ラ１１に擦りつけられ、マイナスに帯電させられてトナ
ー担持ローラ１１上に担持される。担持されたトナー１
４は、層規制ブレード１３によって薄層化されるととも
に帯電された後、トナー担持ローラ１１の回転によって
アパチャ電極１に向かって搬送される。そして、トナー
担持ローラ１１上のトナーはアパチャ電極１の絶縁シー
ト２に擦られつつ開口部４の下に供給される。

【００１９】ここで、画像信号に応じて、その画像部分
に対応する制御電極３には、制御電圧印加回路５から＋
１０Ｖの電圧が印加される。その結果、画像部分に対応
する開口部４の近傍には、制御電極３とトナー担持ロー
ラ１１の間の電位差により、制御電極３よりトナー担持
ローラ１１に向かう電気力線が形成される。それによ
り、マイナスに帯電されたトナーは電位の高い方向に静
電力を受け、トナー担持ローラ１１上から開口部４を通
過して制御電極３側に引き出される。引き出されたトナ
ー１４は、更に、背面電極６に印加されている電圧によ
って支持体Ｐとアパチャ電極１との間に形成される電界
により、支持体Ｐに向かって飛翔し、支持体Ｐ上に堆積
して画素を形成する。

【００２０】また、非画像部分に対応する制御電極３に
は、制御電圧印加回路５から−３０Ｖの電圧が印加され
る。その結果、画像部分に対応する開口部４の近傍に
は、制御電極３とトナー担持ローラ１１の間の電位差に
より、トナー担持ローラ１１から制御電極３に向かう電
気力線が形成される。それにより、マイナスに帯電され
たトナーは電位の高い方向に静電力を受け、トナー担持
ローラ１１上のトナーは開口部４を通過しない。

【００２１】更には、支持体Ｐは、その面上にトナー１
４により１列の画素が形成される間に、開口部列と垂直
の方向に１画素分送られる。そして、上記のプロセスを
繰り返すことにより支持体Ｐの全面にトナー像が形成さ
れる。その後、形成されたトナー像は、定着装置２７に
よって支持体Ｐ上に定着される。

【００２２】上記のように構成される画像形成装置にお
いて、絶縁性トナーを用いれば、トナー担持ローラ１１
と制御電極３の間の絶縁性が保たれ、開口部４が絶縁破
壊することがない。

【００２３】上記のプロセスにおいて、制御電極３によ
る制御電界は、制御電極３と開口部４の内部、およびそ
の開口部４と対向するトナー担持ローラ１１のトナー担
持面との間に形成されるので、担持されるトナー１１に
直接、制御電界を印加できるため、制御効率がよい。

【００２４】また、供給されるトナー１４の一部が、ア
パチャ電極１との摺動で機械的な力等を受け、非画像部
に対応する開口部４内に進入しても、開口部４内部の電
界で開口部４を通過しないよう制御できるため、トナー
の制御性が良い。

【００２５】更には、トナー担持ローラ１１とアパチャ
電極１はトナー層を挟んで対向しているので、比較的近
距離に配置することができることにより、制御電圧を低
くでき、安価な駆動素子を使用することができる。

【００２６】また、アパチャ電極１の絶縁性シート２は
トナー担持ローラ１１側に向けられているので、トナー
供給系の不具合でトナー担持ローラ１１上にトナー１４
が存在しない場合でも、制御電極３とトナー担持ローラ
１１が接触して電気的に短絡し、駆動素子を壊すことは
ない。

【００２７】また、アパチャ電極１とトナー担持ローラ
１１上のトナー１４とは、開口部４の入口部分で接触し
ていることにより、開口部４の入口部分に堆積するトナ
ー１４は、トナー担持ローラ１１により順次供給される
トナーにより押し流されるため、トナー１４が堆積、架
橋して開口部４を塞ぐことが無い。

【００２８】さて、ここで、本実施例の効果を有限要素
法による電界シミュレーションの結果を用いて説明す
る。図４は、この電界シミュレーションに用いる設定条
件を示す図である。０ボルト（アース）印加されたトナ
ー担持ローラ上に１０μｍのトナー層が存在して、この
トナー層の上にアパチャ電極が配置される。トナー層と
アパチャー電極の絶縁層の比誘電率は、それぞれ２と４
とした。アパチャ電極の制御電極には、トナー流を遮蔽
するトナー遮蔽電圧としてマイナス３０ボルトが印加さ
れるようにする。トナー担持ローラから０．５ミリ上方
に、対向電極が設けられ、１キロボルトが印加される。
このような条件のもとで、開口部径が、４０μｍ、６０
μｍ、８０μｍと変化した場合の開口部中心軸における
電位分布を比較する。

【００２９】図５は、上記シミュレーションの結果を示
す図である。横軸に、担持ローラからの距離、縦軸に、
開口部中心軸上の電位をプロットし、電位曲線を示した
ものである。この電位曲線の傾きが、電界のつよさを示
すもので、傾きが大きいほど電界が強く、更に、電位曲
線の傾きが、電界の方向を示し、トナーに加わる力の大
きさと方向を読みとることができる。

【００３０】この図５によれば、開口部径が８０μｍだ
と、開口部内部では、傾きが一様にプラスであるので、
トナー流を遮蔽するような電界は、形成されないことが
わかる。また、開口部径が６０μｍになると、わずか
に、開口部付近で、負の傾きをもっているために、トナ
ー流の遮蔽が可能となることがわかる。更に、開口部径
が４０μｍとなると、開口部付近で、負の傾きをもって
いるために、より強いトナー流遮蔽電界が形成されるこ
とがいえる。まとめると、開口部径が小さいほど、強い
トナー流遮蔽電界が形成されることがわかる。従って、
本実施例では、直径４０μｍの小さな開口部を設けるこ
とによって、高いトナー流の制御性が得られ、低い制御
電圧でのトナー流の制御が可能となる。更に、小さな開
口部が多数設けられているために、多くのトナーが開口
部を通過することが可能となるので、高濃度の記録が、
高い記録スピードで得られる。

【００３１】尚、本発明は、以上詳述した実施例に限定
されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲におい
て、種々の変更を加えることが可能である。

【００３２】例えば、図６に示されるように、１つの制
御電極４３に設けられる開口部４４が、紙送り方向に重
なるように配置したアパチャ電極４１を用いることも可
能である。このアパチャ電極４１によれば、記録に、縦
筋などのむらが生じないようになる効果がある。

【００３３】また、従来のアパチャ電極の開口部の内部
に、メッシュ状の電極をとりつけることによっても、同
様の効果がある。

【００３４】更に、上記実施例においては、トナー流制
御手段としてアパチャ電極を用いたが、例えば、米国特
許第５０３６３４１号の明細書に記載されるような編目
状の電極体を用いることも可能である。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の画像形成装置は、小さな開口部を設けることによ
って、高いトナー流の制御性が得られ、低い制御電圧で
のトナー流の制御が可能となる。更に、小さな開口部が
多数設けられているために、多くのトナーが開口部を通
過することが可能となるので、高濃度の記録が、高い記
録スピードで得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像形成装置の構成を具体化した一実
施例を示す図である。

【図２】本発明の画像形成装置に用いられるアパチャ電
極の構成を示す斜視図である。

【図３】本発明の画像形成装置に用いられるアパチャ電
極とトナー担持ローラとの構成を模式的に示す図であ
る。

【図４】本発明の画像形成装置の動作を説明するため
の、電界シミュレーションのモデル図である。

【図５】本発明の画像形成装置の動作を説明するための
電界シミュレーションの結果を示す図である。

【図６】アパチャ電極の他の実施例を示す斜視図であ
る。

【図７】従来の画像形成装置に用いられたアパチャ電極
の構成を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ アパチャ電極 ２ 絶縁性シート ３ 制御電極 ４ 開口部 ５ 制御電圧印加回路 ６ 背面電極ローラ ７ 直流電源 １１ トナー担持ローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口部と、この開口部の周辺に設けられ
   る制御電極とを備えたトナー流制御手段と、 このトナー流制御手段に接触して設けられ、トナーをト
   ナー流制御手段に供給するトナー担持体を備えたトナー
   供給装置と、 このトナー供給装置の反対側に、トナー流制御手段に対
   向して設けられる背面電極とから構成される画像形成装
   置に於いて、 前記トナー流制御手段の１つの制御電極に、複数の開口
   部が設けられたことを特徴とする画像形成装置。