JPH0734194A - 薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板およびその製造法 - Google Patents
薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板およびその製造法Info
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Abstract
において、破胴が起きず、しかも加工性に優れた薄肉化
深絞り缶用途に適した鋼板およびその製造法を提供す
る。 【構成】C:0.01〜0.08%、Si≦0.05
%。Mn≦0.9%、P≦0.04%、S≦0.04
%、Al:0.015〜0.10%、N:0.0020
〜0.015%、Nb:0.001〜0.02%、残部
Feおよび不可避的不純物からなる熱延鋼板を、冷間圧
延、連続焼鈍、伸び率が0.5〜2.0%の調質圧延を
順次行い、前記調質圧延後の結晶粒径が6.0μm以下
である薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板。
Description
材料に関し、特に深絞り加工性に優れ、肌荒れ性が良
く、耐食性の優れた薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板お
よびその製造法に関するものである。
缶の成形法として、表面処理鋼板を成形した後の缶の内
外に有機塗料を施す方法と、成形前の金属板にあらかじ
め樹脂フィルムを被覆し、樹脂フィルムを一種の成形潤
滑剤とし、缶側壁となる部分の金属板を薄肉化する、い
わゆる薄肉化絞り缶成形法とがある。後者の例として、
本発明者らは先に、金属板の平均結晶粒径及び平均表面
粗さを特定することにより、製缶後の耐肌荒れ性および
耐食性に優れた薄肉化絞り缶用の金属板を提案した(特
開平4−314535号参照)。
材料に関し、特に深絞り加工性に優れ、肌荒れ性が良
く、耐食性の優れた薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板お
よびその製造法に関するものである。
あらかじめ樹脂フィルムを被覆した金属板を用いて薄肉
化絞り缶を成形すると、完成後の缶側壁が極めて肌荒れ
しやすいという問題がある。すなわち、ダイスとポンチ
のクリアランスが缶側壁の厚みより大きく、加工時にお
いて缶側壁がポンチとダイスに拘束されず、いわゆる自
由表面となっているので、DI(Draw and I
roning)成形法と比べ缶側壁が肌荒れしやすいと
いう問題がある。この肌荒れ状態が生ずると、原板とフ
ィルムの密着力が減少し、フィルム剥離の一因ともな
る。また肌荒れは、輸送中の缶同士の接触などの外部か
らの衝撃が引き金になり、フィルム面に微細なクラック
を生じさせ、ひいては耐食性の劣化を招くという問題も
ある。通常、薄肉化深絞り缶は被覆金属板を円板状に打
ち抜き、これを二段階の絞り加工によって成形される。
この二段目の絞り加工(再絞り加工)時においては、フ
ランジ部に高いしわ押え力を加え、缶側壁の絞り−張り
出し加工を行なうことにより、缶側壁の厚みを減少させ
ている。上記の加工法において、再絞り加工は極めて過
酷な成形法であるため、連続成形時に破胴が起こりやす
いという問題があった。このような破胴が起こると高速
製缶加工の生産性を損なうため、破胴が起こりにくく、
しかも加工性に優れた薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板
を開発することは急務であった。本発明は上記問題点を
解決することを目的とし、肌荒れ性、耐食性が優れ、連
続高速製缶加工時において、破胴が起きず、しかも加工
性に優れた薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板およびその
製造法を提供することを目的とする。
に適した鋼板は、C:0.01〜0.08%、Si≦
0.05%、Mn≦0.9%、P≦0.04%、S≦
0.04%、Al:0.015〜0.10%、N:0.
0020〜0.015%、Nb:0.001〜0.02
%、残部Feおよび不可避的不純物からなる熱延鋼板
を、冷間圧延、連続焼鈍、伸び率が0.5〜2.0%の
調質圧延を順次行い、前記調質圧延後の結晶粒径が6.
0μm以下であることを特徴とする。また、C:0.0
1〜0.08%、Si≦0.05%、Mn≦0.9%、
P≦0.04%、S≦0.04%、Al:0.015〜
0.10%、N:0.0020〜0.015%、Nb:
0.001〜0.02%、残部Feおよび不可避的不純
物からなる熱延鋼板を、冷間圧延、連続焼鈍、圧下率が
20〜50%のDR圧延を順次行い、前記DR圧延後の
結晶粒径が6.0μm以下である鋼板も好適に用いられ
る。さらに、本発明の薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板
の製造法は、C:0.01〜0.08%、Si≦0.0
5%、Mn≦0.9%、P≦0.04%、S≦0.04
%、Al:0.015〜0.10%、N:0.0020
〜0.015%、Nb:0.001〜0.02%、残部
Feおよび不可避的不純物からなる熱延鋼板を、冷間圧
延、連続焼鈍、伸び率が0.5〜2.0%の調質圧延、
を順次行う、ことを特徴とする。また、C:0.01〜
0.08%、Si≦0.05%、Mn≦0.9%、P≦
0.04%、S≦0.04%、Al:0.015〜0.
10%、N:0.0020〜0.015%、Nb:0.
001〜0.02%、残部Feおよび不可避的不純物か
らなる熱延鋼板を、冷間圧延、連続焼鈍、圧下率が20
〜50%のDR圧延を、順次行う製造法も好適に用いら
れる。
を被覆し、円板状に打ち抜き、これを二段階の絞りの高
速製缶加工を行っても、加工性に優れ破胴が起きず、し
かも肌荒れ性、耐食性に優れた薄肉化深絞り缶を成形で
きる。
%、Mn≦0.8%、P≦0.04%、S≦0.04
%、Al:0.015〜0.10%、N:0.0020
〜0.015%、Nb:0.001〜0.015%、残
部Feおよび不可避的不純物より成る。以下に鋼成分に
規制理由を述べる。Cは少ない方が伸び性が良く、深絞
り性に有利であるが、反面少なすぎると結晶粒微細化の
効果が十分でなくなる。0.01%より少なくなると結
晶粒が粗大化していまい、0.08%を越えると連続焼
鈍では加工性が損なわれるため、Cの範囲をを0.01
〜0.08%とした。Siは、缶用材料としては耐食性
に有害な元素であるが、Alキルド鋼としては、不可避
的に含有される元素であり、上限を0.04%とした。
Mnは不純物であるSによる熱延中の赤熱脆性を防止す
るために必要な成分であるが、一方0.9%を超えると
スラブ圧延中に割れを生ずるので、上限を0.9%とし
た。Pは結晶微細化成分であり、また原板の強度を高め
ることから一定の割合で添加されるが、一方で耐食性を
阻害する。本発明用途の缶用鋼板としてはPが0.00
4%を越えると耐食性、特に耐孔明性が著しく低下する
ため限値を0.04%とした。Sは熱延中の赤熱脆性を
生じる不純物成分であり、極力少ないことが望ましい
が、不可避的に含有されるものであり、上限を0.04
%とした。Alは製鋼に際し、脱酸材として鋼浴中に添
加され、スラグとして除かれる。添加量が少ないと安定
した脱酸効果が得られないため0.015%を下限とし
た。0.10%以上の添加は技術上の効果が少なく、経
済上好ましくないので上限を0.10%とした。Nは
0.002%より少なくなると結晶化の効果がなくな
り、0.015%を越える添加は製鋼時に添加するフェ
ロ窒化物の歩留の低下が著しく、安定性に欠ける。さら
に連続鋳造時の表面に割れが生じ易く、鋳造欠陥となる
ため上限を0.015%とした。Nbは結晶粒の細粒化
とNbCの形成のため添加されるので、0.001%未
満では細粒化の効果が得られず、一方0.020%を超
えると固溶Nb量が増して逆に加工性の劣化を招くこと
から0.001〜0.020%とした。
のではないが、スラブ加熱温度はNの積極的分解固溶お
よび熱間圧延温度の安定的確保の見地から1100℃以
上とするのが望ましい。熱間圧延仕上温度をAr3点以
下にすると、熱延鋼板の組織が混粒化するとともに粗大
化するので熱間圧延仕上げ温度はAr3点以上とした。
巻取温度は熱延時のコイルの幅方向、長手方向の品質安
定を考慮して450℃を下限とし、巻取温度が650℃
を越えると熱延時、および連続焼鈍時に結晶粒が大きく
なり、肌荒れが生じるため、巻取温度は650℃を上限
した。
の粗大化もしくは混粒化し、結晶粒を十分細粒化するこ
とができないので、冷間圧延の圧下率は75%を下限と
することが望ましい。
焼鈍温度が高すぎると結晶粒が粗大化し、加工後の肌荒
れが大きくなってしまうので750℃を上限とすること
が望ましい。
lingの略)は、伸び率が0.5〜2.0%の範囲で
あれば、ストレッチャストレインの発生が防止されるた
め、この範囲が適当である。
が、圧下率は20〜50%とする。20%未満では、十
分な缶強度が得られず、50%を越えると鋼板が高強度
となり、缶成形加工に困難を来す。ここでDR圧延と
は、Double Reduce Rolling の
略であり、調質圧延よりも、より積極的に板厚を減少さ
せ、板強度を増加させる圧延法である。本発明では、上
記調質圧延とDR圧延とを含めて、二次冷延とする。
は、シ−ト状およびコイル状の鋼板、鋼箔およびそれら
の鋼板に表面処理を施したものがあげられる。特に、下
層が金属クロム、上層がクロム水和酸化物の2層構造を
もつ電解クロム酸処理鋼板あるいは極薄錫めっき鋼板、
ニッケルめっき鋼板、亜鉛めっき鋼板およびこれらのめ
っき鋼板にクロム水和酸化物あるいは上層がクロム水和
酸化物、下層が金属クロム層からなる2層構造をもつ表
面処理をほどこしたものがポリエステル樹脂との接触性
に優れている。
する。図1は平均結晶粒径と製缶加工後の缶側壁の肌荒
れ性との関係を示したものである。図1から平均結晶粒
径が大きくなると製缶加工後の表面の肌荒れ性が劣化す
ることがわかる。平均結晶粒径が6μmを越えると、表
面の肌荒れ性が劣化し、缶としての見栄えや特性が損な
われる。このため平均結晶粒径は6μmを越えないこと
とする。また図2は平均結晶粒径と耐食性との関係を示
したものである。図2からも平均結晶粒径が6μmを越
えない範囲で耐食性がよいことがわかる。なお、耐食性
の評価は次のようにした。製缶加工後の缶を130℃で
20分の熱処理を行い、水を充填し、37℃、2週間経
時後の缶内面の腐食(黒化)程度を目視で評価した。
連続焼鈍を実施しており結晶粒径が6.0μm以下であ
り、肌荒れ性、耐食性、加工性とも優れている。比較例
No,8、9は箱焼鈍を実施しているため結晶粒が大き
くなっているため肌荒れ性、耐食性が劣っている。比較
例No,10はC量が少なく結晶粒が大きいため肌荒れ
性、耐食性が劣っている。比較例No,11、12、1
4はNbが未添加のため細粒化せず肌荒れ性、耐食性が
劣っている。比較例の,13はC量が多く加工性が劣っ
ている。肌荒れ性の評価は、薄肉化深絞り缶成形後の缶
内面の缶側壁の表面粗さを測定し、Raが1μm以下を
◎(最良)とし、1〜1.5μmを○(良)とし、1.
5〜2μmを△(やや不良)とし、2μm以上を×(不
良)として評価した。また耐食性の評価は薄肉化深絞り
缶成形後、130℃×20分の熱処理を行い、水を充填
し、37℃で2週間経時後の缶内面の腐食(黒化)程度
を目視で評価した。表面が全く黒化していないものを◎
(最良)とし、黒化の程度が微小なものを○(良)と
し、黒化の範囲が小のもの(直径5mm以下)を△(や
や不良)とし、大(直径5mm以上)を×(不良)とし
て評価した。加工性の評価は、薄肉化深絞り缶成形時に
しわ押さえ圧を上げていって、破胴するするまでのしわ
押さえ圧の大小で評価した。しわ押さえ圧が5トン以下
で破胴したものを△(やや不良)とし、5〜7トンで破
胴したものを○(良)とし、7トン以上で破胴したもの
を◎(最良)とした。
性に優れ、連続高速製缶加工時において、破胴が起き
ず、しかも加工性に優れた薄肉化深絞り缶用途に適した
鋼板を提供することができる。なお、本発明の製造法に
より提供される鋼板は、缶用途として鋼板単独でも使用
可能であるが、この鋼板に表面処理をして、ぶりき、T
FS、ニッケルめっき鋼板等としても利用できる。さら
に、これらの表面処理鋼板にポリエステル等の樹脂フィ
ルムを被覆してもよい。また、鋼板にエポキシ等の塗料
をコーティングしたものも薄肉化深絞り缶用途に適用で
きる。
との関係を示したものである。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.01〜0.08%、Si≦0.
05%、Mn≦0.9%、P≦0.04%、S≦0.0
4%、Al:0.015〜0.10%、N:0.002
0〜0.015%、Nb:0.001〜0.02%、残
部Feおよび不可避的不純物からなる熱延鋼板を、冷間
圧延、連続焼鈍、伸び率が0.5〜2.0%の調質圧延
を順次行い、前記調質圧延後の結晶粒径が6.0μm以
下である薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板。 - 【請求項2】 C:0.01〜0.08%、Si≦0.
05%、Mn≦0.9%、P≦0.04%、S≦0.0
4%、Al:0.015〜0.10%、N:0.002
0〜0.015%、Nb:0.001〜0.02%、残
部Feおよび不可避的不純物からなる熱延鋼板を、冷間
圧延、連続焼鈍、圧下率が20〜50%のDR圧延を順
次行い、前記DR圧延後の結晶粒径が6.0μm以下で
ある薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板。 - 【請求項3】 C:0.01〜0.08%、Si≦0.
05%、Mn≦0.9%、P≦0.04%、S≦0.0
4%、Al:0.015〜0.10%、N:0.002
0〜0.015%、Nb:0.001〜0.02%、残
部Feおよび不可避的不純物からなる熱延鋼板を、冷間
圧延、連続焼鈍、伸び率が0.5〜2.0%の調質圧
延、を順次行う、薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板の製
造法。 - 【請求項4】 C:0.01〜0.08%、Si≦0.
05%、Mn≦0.9%、P≦0.04%、S≦0.0
4%、Al:0.015〜0.10%、N:0.002
0〜0.015%、Nb:0.001〜0.02%、残
部Feおよび不可避的不純物からなる熱延鋼板を、冷間
圧延、連続焼鈍、圧下率が20〜50%のDR圧延を、
順次行う、薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板の製造法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19782793A JP2623432B2 (ja) | 1993-07-14 | 1993-07-14 | 薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19782793A JP2623432B2 (ja) | 1993-07-14 | 1993-07-14 | 薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0734194A true JPH0734194A (ja) | 1995-02-03 |
JP2623432B2 JP2623432B2 (ja) | 1997-06-25 |
Family
ID=16381004
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19782793A Expired - Fee Related JP2623432B2 (ja) | 1993-07-14 | 1993-07-14 | 薄肉化深絞り缶用途に適した鋼板およびその製造法 |
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-
1993
- 1993-07-14 JP JP19782793A patent/JP2623432B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9034119B2 (en) | 2009-03-27 | 2015-05-19 | Jfe Steel Corporation | Steel sheet for cans with excellent surface properties after drawing and ironing and method for producing the same |
JP2013032596A (ja) * | 2012-10-26 | 2013-02-14 | Jfe Steel Corp | 缶用鋼板の母材に用いる熱延鋼板およびその製造方法 |
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KR20170029635A (ko) * | 2014-08-29 | 2017-03-15 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 캔용 강판 및 그 제조 방법 |
JP2016130361A (ja) * | 2015-01-09 | 2016-07-21 | Jfeスチール株式会社 | 缶用鋼板及び缶用鋼板の製造方法 |
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