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JPH07320713A - 電池用セパレータ - Google Patents

電池用セパレータ

Info

Publication number
JPH07320713A
JPH07320713A JP6110065A JP11006594A JPH07320713A JP H07320713 A JPH07320713 A JP H07320713A JP 6110065 A JP6110065 A JP 6110065A JP 11006594 A JP11006594 A JP 11006594A JP H07320713 A JPH07320713 A JP H07320713A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
separator
polymer
polymer matrix
battery separator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6110065A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukitoshi Takeshita
幸俊 竹下
Toshihiro Ichino
敏弘 市野
Shiro Nishi
史郎 西
Mikio Takeshima
幹夫 竹島
Takahisa Masashiro
尊久 正代
Junichi Yamaki
準一 山木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP6110065A priority Critical patent/JPH07320713A/ja
Publication of JPH07320713A publication Critical patent/JPH07320713A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Cell Separators (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リチウム電池などの高エネルギー密度を有す
る電池に適用できる、安全性が高く、デンドライトの成
長を抑制することが可能で、しかも十分なイオン伝導性
を有し、製造方法が簡単でコストが安く、強度的信頼性
のある電池用セパレータの提供。 【構成】 高分子マトリックス9と、該高分子マトリッ
クス9内に、高分子マトリックス9と相分離し、連続し
て三次元網目状に形成されたイオン伝導路10から構成
されることを特徴とする電池用セパレータ8。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電池用セパレータに関
し、より詳しくは、リチウムなどのアルカリ金属性負極
を持ち、高いエネルギー密度を有する電池などに適用で
きる、充放電特性に優れ、安全性の高い電池用セパレー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ金属、特にリチウムを負極に用
いた電池は、高いエネルギー密度を有するため、小型電
子機器の電源として様々な分野で用いられる。図3は、
リチウムを負極に用いた従来の電池の構成例を示す概略
縦断面図であり、図3中符号1は正極、2は負極、3は
正極と負極を分離するためのセパレータ、4は電解液、
5は負極2に発生した針状のデンドライトである。ま
た、図4は、上記セパレータ3の構成例を示す概略横断
面図であり、図4中符号7はセパレータ3の表裏面を貫
通するように形成された直径0.1〜100μmの孔で
ある。この場合、正極1を構成する材料としては、例え
ば、非晶質V25とアセチレンブラックとポリテトラフ
ルオロエチレンの混合物が使用されており、また、負極
2を構成する材料としてはリチウムなどのアルカリ金属
が使用されている。また、セパレータ3としては、ポリ
プロピレンなどからなる厚さ20〜100μm程のプラ
スチック薄膜が使用されている。
【0003】ここで、セパレータ3として用いられてい
るプラスチック薄膜は、ポリプロピレン、ポリエチレン
等のプラスチックシートを延伸することにより、多孔質
の薄膜を得て、作製されていた。従って、このようにし
て作製されたプラスチック薄膜からなるセパレータ3で
は、図4に示すように、セパレータ3の表裏面を貫通す
るようにして孔7が多数形成され、この孔7に電解液4
が満たされ、これがイオン伝導路となっている。そし
て、解離した金属イオンは、負極2と正極1の間を、上
記孔7を通って移動することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする問題】ところで、リチウムな
どのアルカリ金属を負極に用いた電池では、充放電サイ
クルを繰り返す際、図3に示すように、負極2に微細な
針状結晶であるデンドライト5が発生する(「新しい二
次電池の開発と材料」 山木 第39頁 1994 シ
ーエムシー)。しかしながら、この針状のデンドライト
5は充放電繰り返しに伴い、成長・溶解を繰り返すこと
により、負極2から切り離され、電気的接触の無いリチ
ウム量が増加し、放電容量が低下するという問題があっ
た。また、デンドライト5はセパレータ3に形成された
孔7の中に析出、成長し、その結果成長したデンドライ
ト5が正極1に達してショートを引き起こすなどの、致
命的な欠陥があった。このため、デンドライトの成長を
抑制することが可能で、しかも十分なイオン伝導性を有
し、製造方法が簡単でコストが安く、強度的信頼性のあ
る電池用セパレータの実現が強く望まれていた。
【0005】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たものであり、リチウム電池などの高エネルギー密度を
有する電池に適用できる、安全性が高く、デンドライト
の成長を抑制することが可能で、しかも十分なイオン伝
導性を有し、製造方法が簡単でコストが安く、強度的信
頼性のある電池用セパレータを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記発明の目的を達成す
るため、本発明者らは、種々の既存の電池用セパレータ
に関して鋭意研究努力を重ねた結果、デンドライトの成
長が抑制され、十分なエネルギー密度を有する電池を実
現するためには、セパレータとして、デンドライトが発
生し、さらにこのデンドライトが成長するような孔のな
いこと、更に十分なイオン伝導性を有するものであるこ
と、製造方法が簡単でコストが安く、しかも強度的信頼
性のあるものであること、等が不可決であることが望ま
れる。その結果、以下に示すような手段を講じ、デンド
ライトの成長を抑制することが可能で、しかも十分なイ
オン伝導性を有し、製造方法が簡単でコストが安く、強
度的信頼性のある電池用セパレータを実現した。
【0007】本発明では、高分子マトリックスと、該高
分子マトリックス内に、高分子マトリックスと相分離
し、連続して三次元網目状に形成されたイオン伝導路か
らなる電解液含浸型の高分子固体電解質に着目し、該高
分子電解質を電池用セパレータとして用いることを特徴
としている。このような電解液含浸型の高分子固体電解
質は、十分なイオン伝導性、簡便な製造方法、優れた強
度的信頼性を有している。
【0008】
【作用】本発明の電池用セパレータにあっては、高分子
マトリックスと、該高分子マトリックス内に、高分子マ
トリックスと相分離し、連続して三次元網目状に形成さ
れたイオン伝導路から構成されたことより、従来のセパ
レータのような孔がなく、従って、デンドライトは電池
用セパレータが物理的障害となって成長を妨げられ、正
極に達することが防止されるため、デンドライトが正極
に達することに起因するショートを引き起こすことがな
い。また、このようにデンドライトの成長が妨げられる
ことから、デンドライトが負極から切り離され、電気的
接触の無いリチウム量が増加することがない。また、解
離した金属イオンは、イオン伝導路中を容易に移動でき
るため、イオン伝導度の面で何ら支障はない。さらに、
イオン伝導路が高分子マトリックスと相分離しているた
め、極性溶媒は極性部材中に含浸してイオン伝導路を形
成するが、高分子マトリックスへは含浸しないため、極
性溶媒の含浸量が多くても高分子マトリックスは可塑化
しない。
【0009】以下、本発明を詳しく説明する。図1は、
本発明の電池用セパレータを用いた電池の構成例を示す
概略縦断面図であり、図1中符号8は正極1と負極2の
間に設けられた本発明の電池用セパレータの例である。
また、図2は上記電池用セパレータ8の構成例を示す概
略横断面図であり、図2中符号9は高分子マトリック
ス、10は高分子マトリックス9と相分離し、連続して
三次元網目状に形成されたイオン伝導路である。
【0010】本発明における高分子マトリックス9は高
分子微粒子がお互いに融着して構成された融着体であ
る。また、該高分子微粒子としては、イオン伝導路10
を高分子マトリックス9から安定に相分離させるもので
あれば特に限定されないが、好ましくは、以下に示す低
極性の高分子、すなわち、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリブチルメタクリ
レート、ポリブチルアクリレート、ポリ(2−ヘキシル
アクリレート)、ポリブチルフタレート、ポリビニルブ
チルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホル
マール、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロ
キサン、ポリメチルフェニルシロキサン等の安価な炭化
水素系高分子またはこれらの成分を含む共重合体などが
好適であり、これら低極性の高分子は、単独あるいは複
合した形で用いられる。特に、ブタジエン、イソプレン
等の共役ジエン系成分を含むゴム系の低極性高分子、例
えばスチレン−ブタジエン系共重合体、スチレン−イソ
プレン系共重合体等からなる高分子微粒子を高分子マト
リックス9とした電池用セパレータ8は、柔軟で、ゴム
弾性を持つため、極めて好適である。
【0011】また、機械的強度を保持する観点から、高
分子マトリックス9が架橋構造を持つものであることが
好適である。ここでの架橋は、高分子間を付加反応、縮
合反応、開環反応等により、共有結合で結合して形成さ
れる。また、イオン結合、配位結合等により架橋させる
ことも可能である。高分子微粒子内における上記架橋
は、機械的強度の大きな電池用セパレータ8を提供し、
高分子微粒子間の上記架橋は、連続相を形成し、三次元
網目状のイオン伝導路10の全駆体を提供することがで
きる。また、このような高分子マトリックス9の高分子
微粒子の粒径としては、0.01〜50μmが好適であ
る。
【0012】本発明におけるイオン伝導路10は、極性
部材に、アルカリ金属塩と極性溶媒からなる金属塩電解
液を含浸させたものであることを特徴としており、イオ
ン伝導路10内においては、解離した金属イオンが自由
に移動することになる。ここで、極性部材としては、そ
の製造工程上の制限から、極性溶媒に可溶あるいは膨潤
する高分子(a)、界面活性剤(b)、上記低極性の高
分子微粒子に一部または全部が共有結合することにより
固定された極性有機成分(c)、またはこれら(a)〜
(c)のうちの二種以上を組み合わせた混合物(d)を
用いることができる。
【0013】上記極性溶媒に可溶あるいは膨潤する高分
子(a)としては、ポリエチレンオキサイド、ポリオキ
シプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリ
ル、ポロメタクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、
ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸金属塩、メチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン、ポリ−4−ビニルピリジン、ポリスチレン
スルホン酸などあるいはこれらの成分を含む共重合体を
単独あるいは複合した形で、用いることができるが、極
性溶媒に可溶あるいは膨潤する高分子であれば、特に限
定されるものではない。
【0014】上記界面活性剤(b)としては、脂肪酸及
びその金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸及びその金
属塩、アルキル硫酸及びその金属塩、ジオクチルスルホ
コハク酸及びその金属塩、ポリオキシエチレンステアリ
ン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
リル酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブ
ロック共重合体、ポリエーテル変性シリコンオイル等を
単独あるいは複合した形で用いることができるが、界面
活性作用を有するものであれば、特に限定されるもので
はない。
【0015】上記極性有機成分(c)としては、特に限
定されないが、例えば、アクリル酸及びその金属塩、メ
タクリル酸及びその金属塩、エタクリル酸及びその金属
塩、イタコン酸及びその金属塩、スチレン−スルホン酸
及びその金属塩、エチレンスルホン酸及びその金属塩、
不飽和脂肪酸及びその金属塩等を適用することができ
る。これらの極性有機成分(c)は、共重合、グラフト
重合という形で、あるいは上記高分子微粒子主成分の官
能基に直接反応して共重合の形で高分子微粒子に組み込
まれて結合する。また、高分子微粒子の主成分を硫酸等
で酸化処理し、カルボキシル基あるいはその金属塩置換
基を導入してもよい。なお、このような極性有機成分
(c)は、必ずしも共重合の形で高分子微粒子に結合し
ている必要はなく、そのままでも極性部材となり得る。
【0016】更に、これら極性溶媒に可溶あるいは膨張
する高分子(a)、界面活性剤(b)及び極性有機成分
(c)を任意の組み合わせの複合した形の混合物(d)
として使用することもできる。
【0017】上記金属塩電解液を構成するアルカリ金属
塩は、セパレータのリチウム電池への適用を考えると、
LiClO4,LiAlCl4,LiBF4,LiPF6
LiAsF6,LiNbF6,LiSCN,LiCl,L
i(CF3SO3),Li(C65SO3)等のリチウム
塩及びこれらの混合物を適用することができるが、これ
らに限定されるものではなく、他のリチウム塩について
も適用可能である。また、このようなアルカリ金属塩を
溶解して金属塩電解液を構成するための極性溶媒もセパ
レータのリチウム電池への適用を考えると、プロピレン
カーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラク
トン、ジメチルカーボネート、ジメチルスルホキシド、
アセトニトリル、スルホラン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、1,2−ジエトキシエタン、
1,2−エトキシメトキシエタン、1,2−ジメトキシ
エタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロ
フラン、ジオキソラン、メチルアセテート等の非プロト
ン性溶媒などが適用でき、これらは単独あるいは混合物
の形で用いられる。
【0018】この電池用セパレータ8は、極性部材と金
属塩電解液からなるイオン伝導路10が、高分子マトリ
ックス9を構成する高分子微粒子の間に、該高分子マト
リックス9と相分離し、連続して三次元網目状に形成さ
れた構成としたものであるので、従来のセパレータのよ
うに、セパレータを貫通するような孔がなく、従って、
デンドライト5は電池用セパレータ8が物理的障害とな
って成長を妨げられ、正極1に達することが防止される
ため、ショートを引き起こすことがなく、より安全性が
高いものとなる。また、このようにデンドライト5の成
長が妨げられることから、デンドライト5が負極2から
切り離されることに起因する放電容量の低下を防止する
ことができる。また、解離した金属イオンが、イオン伝
導路10中を容易に移動することができるため、充分な
イオン伝導度を有するものとなる。さらに、イオン伝導
路10が高分子マトリックス9と相分離しているため、
極性溶媒は極性部材中に含浸してイオン伝導路10を形
成するが、高分子マトリックス9へは含浸しないため、
極性溶媒の含浸量が多くても高分子マトリックス9は可
塑化せず、電池用セパレータ8の機械的強度を維持する
ことができ、強度的信頼性のあるものとなる。また、こ
の電池用セパレータ8は、製造方法が簡単であるのでコ
ストが安い。従って、このような電池用セパレータ8
を、リチウムなどのアルカリ金属性負極を持ち、高エネ
ルギー密度を有する電池に用いることにより、デンドラ
イト5の成長が抑制され、充放電性に優れ、安全で、十
分なエネルギー密度を有し、製造方法が簡単で、コスト
が安く、優れた強度的信頼性を有する電池を実現するこ
とができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。 〔実施例1〕カルボキシル変性したスチレン/ブタジエ
ン系共重合体ラテックス(日本ゼオン社製 Nipol
2570x5,商品名)と、カルボキシル変性したア
クリロニトリル/ブタジエン系共重合体ラテックス(日
本ゼオン社製 Nipol1571,商品名)を固形重
量比が70/30になるように混合した。次いで、この
混合ラテックスを所要量ガラス板に塗布し、70℃の空
気中に3時間保持した後、105℃の窒素雰囲気中で2
時間熱処理して乾燥させ、凝集フィルムを得た。この凝
集フィルムを洗浄後、105℃、真空下(0.01to
rr以下)で24時間乾燥させ、ゴム状の高分子フィル
ムを得た。得られた高分子フィルムの厚さは約50μm
であった。この高分子フィルムをLiClO4/γ−ブ
チロラクトン1M電解液に浸漬し、高分子マトリックス
中の極性部材に該電解液を含浸させて、イオン伝導路を
形成し、目的とするセパレータを得た。
【0020】この場合、低極性のスチレン/ブタジエン
系共重合体微粒子の凝集体からなる高分子マトリックス
の中に、該高分子マトリックスと相分離したイオン伝導
路となる高極性のアクリロニトリル/ブタジエン系共重
合体微粒子の凝集体およびカルボキシル基または界面活
性剤からなる極性部材が連続的に三次元網目状に形成さ
れることになる。
【0021】このセパレータに関する、イオン伝導率の
指標である抵抗値、引張破断荷重、動的弾性率の評価結
果を表1に示す。これらの特性の測定法及び測定条件
は、以下のとおりである。但し、引張破断荷重及び動的
弾性率の測定に用いた試験片の厚さは、測定上の制限か
ら300〜400μmと厚めにした。 抵抗値の評価 装置:プリシジョン LCR メーター(HEWLET
T PACKARD社製 4284A,商品名) 交流インピーダンス法、20Hz〜1MHz 電極:半径0.5mmステンレス円形電極
【0022】引張破断荷重の評価 装置:引張万能試験機(インストロン社製 MODEL
4204,商品名) 引張速度:20mm/min 試験片:ダンベル型試験片(平行部標線間隔15mm、
幅3mm)
【0023】動的弾性率の評価 装置:レオメトリックダイナミックスぺクトロメーター
(レオメトリックファーイースト社製 RMS−80
0,商品名) 周波数:0.016〜16Hz 試験片形状:幅6mm、長さ64mm 温湿度:室温、60%
【0024】(実施例2〜実施例4)実施例1で使用し
たスチレン/ブタジエン系共重合体ラテックスと、アク
リロニトリル/ブタジエン系共重合体ラテックスを固形
重量比が各々50/50、30/70、10/90とな
るように混合した。この3種類のラテックス混合液を用
い、実施例1と同様の方法で高分子フィルムを得、該高
分子フィルムをLiClO4/γ−ブチロラクトン1M
電解液に浸漬し、目的とするセパレータを得た。上記3
種類のセパレータの特性(抵抗値、引張破断荷重、動的
弾性率)を実施例1と同様にして調べた。その評価結果
を表1に示す。
【0025】(実施例5〜実施例6)実施例1で使用し
たスチレン/ブタジエン系共重合体ラテックスと、アク
リロニトリル/ブタジエン系共重合体ラテックスを固形
重量比が50/50となるように混合した。このラテッ
クス混合液を用い、実施例1と同様の方法で高分子フィ
ルムを得、該高分子フィルムを次のように調製した電解
液に浸漬し、目的とするセパレータを得た。 実施例5:LiClO4/ジメトキシエタン+γ−ブチ
ロラクトン(1:1)1M電解液 実施例6:LiClO4/ジメトキシエタン+プロピレ
ンカーボネート(1:1)1M電解液 上記2種類のセパレータの特性(抵抗値、引張破断荷
重、動的弾性率)を実施例1と同様にして調べた。その
評価結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】上記表1中、Sはスチレン/ブタジエン共
重合体、Nはアクリロニトリル/ブタジエン共重合体、
S/Nは(スチレン/ブタジエン共重合体)と(アクリ
ロニトリル/ブタジエン共重合体)の固形重量比、Lは
過塩素酸リチウム(LiClO4)、BLはγ−ブチロ
ラクトン、Dはジメトキシエタン、PCはプロピレンカ
ーボネイトを表す。
【0028】(実施例7〜実施例10)実施例1〜4で
作製したセパレータの有用性を確認するため、該セパレ
ータを用いて電池を構成し、電池特性を評価した。電池
構成及び電池特性評価法を以下に示す。電池特性の評価
結果を表2に示す。
【0029】電池構成 正極:正極活物質として微粒子粉末の非晶質V25(9
5mol%V25/5mol%P25)と電子伝導剤と
してのアセチレンブラック粉末(電気化学工業社製)を
混合したものを実施例で記述した所定の重量比の(アク
リロニトリル/ブタジエン系共重合体ラテックス)/
(スチレン/ブタジエン系共重合体ラテックス)に加え
(混合比:非晶質V25 60wt% アセチレンブラ
ック10wt% ラテックス固形分 30wt%)、攪
拌、乾燥(70℃・3時間、105℃・窒素中・3時
間、105℃・真空中・24時間)し、正極フィルムを
得、これをLiClO4/γ−ブチロラクトン1M液中
に浸漬することにより厚さ150μmの正極シートを得
た。 電解液:LiClO4/γ−ブチロラクトン1M電解液
を使用した。 負極:厚さ70μmのリチウム金属箔を使用した。 電池:上記正極シート、実施例で得られたセパレータ、
負極シートの順に重ねて、電解液を注入したのちステン
レス器内に密封しコイン型(直径20mm、厚さ2.8
mm)電池を作製した。作製はすべてアルゴン雰囲気の
グローブボックス内で行った。
【0030】電池特性の評価法 電圧範囲 :3.5〜1.8V 充放電電流:500μA/cm2 サイクル数:1回の放電容量が安定容量の1/2になる
までの充放電回数
【0031】(実施例11〜実施例12)実施例5〜6
で作製したセパレータの有用性を確認するため、該セパ
レータを用いて電池を構成し、電池特性を評価した。そ
の結果を表2に示す。電解液は以下のものを使用し、そ
の他の電池構成および電池特性評価法は実施例7〜10
と同様にした。 実施例11:LiClO4/ジメトキシエタン+γ−ブ
チロラクトン(1:1)1M電解液 実施例12:LiClO4/ジメトキシエタン+プロピ
レンカーボネート(1:1)1M電解液
【0032】(実施例13〜実施例18)実施例1〜6
で作製したセパレータの有用性を、正極に以下に示すペ
レットを用いて確認した。 正極:微粒子粉末の非晶質V25(70wt%)と電子
伝導剤としてのアセチレンブラック粉末(電気化学工業
社製)(25wt%)とポリテトラフルオロエチレン
(5wt%)を混合したペレット(厚さ300μm)を
用いた。その他の電池構成および電池特性評価法は実施
例7〜12と同様であり、電池特性の評価結果を表3に
示す。
【0033】(比較例)正極は、微粒子粉末の非晶質V
25(95mol%V25/5mol%P25)(70
wt%)と、アセチレンブラック粉末(電気化学工業社
製)(25wt%)及びポリテトラフルオロエチレン
(5wt%)を混合しシートを作製した。負極にリチウ
ム金属箔、電解液にLiClO4/プロピレンカーボネ
ート+メトキシエタンを、セパレータにセルガード45
10(商品名;セラニーズ社製 貫通孔を有する厚さ5
0μmの薄膜)を用いて電池を作製し、電池特性を評価
した。その結果を表3に示す。ここでの電池の作製法及
び電池特性の評価法は実施例7〜12に準じた。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】上記表2および表3中、放電容量は正極活
物質重量当たりのものであり、サイクル数は1回の放電
容量が安定容量の1/2になるまでの充放電サイクル数
であり、N/SはNとSの固形重量比、Liはリチウム
金属箔を表す。
【0037】上記表2および表3に示した結果から明か
なように、実施例のセパレータを用いた電池と比較し
て、比較例のセパレータを用いた電池は、充放電サイク
ル数が小さく、電池容量の低下が早く起こることがわか
る。これはデンドライトが成長することにより、電池反
応に関与しないリチウム成分が増えたことに起因してい
る。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の電池用セパ
レータは、高分子マトリックスと、該高分子マトリック
ス内に、高分子マトリックスと相分離し、連続して三次
元網目状に形成されたイオン伝導路から構成されたもの
であるので、従来のセパレータのような孔がないため、
デンドライトは電池用セパレータが物理的障害となって
成長が抑制され、正極に達することが防止されるため、
安全性が高いものとなる。また、このようにデンドライ
トの成長が妨げられることから、デンドライトが負極か
ら切り離されることに起因する放電容量の低下を防止す
ることができる。また、解離した金属イオンが、イオン
伝導路中を容易に移動することができるため、十分なイ
オン伝導度を有するものとなる。さらに、イオン伝導路
が高分子マトリックスと相分離しているため、極性溶媒
は極性部材中に含浸してイオン伝導路を形成するが、高
分子マトリックスへは含浸しないため、極性溶媒の含浸
量が多くても高分子マトリックスは可塑化せず、セパレ
ータの機械的強度を維持することができ、強度的信頼性
のあるものとなる。また、本発明の電池用セパレータ
は、製造方法が簡単でコストが安い。従って、本発明の
電池用セパレータを、リチウムなどのアルカリ金属性負
極を持ち、高エネルギー密度を有する電池のセパレータ
に用いることにより、デンドライトの成長が抑制され、
充放電特性に優れ、より安全で、十分なエネルギーを密
度を有し、コストが安く、優れた強度的信頼性を有する
電池を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電池用セパレータを用いた電池の構
成例を示す概略縦断面図である。
【図2】 本発明の電池用セパレータの構成例を示す概
略横断面図である。
【図3】 従来の電池の構成例を示す概略縦断面図であ
る。
【図4】 従来のセパレータの構成例を示す概略横断面
図である。
【符号の説明】
8・・・電池用セパレータ、9・・・高分子マトリックス、1
0・・・イオン伝導路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹島 幹夫 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 正代 尊久 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 山木 準一 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子マトリックスと、該高分子マトリ
    ックス内に、高分子マトリックスと相分離し、連続して
    三次元網目状に形成されたイオン伝導路から構成される
    ことを特徴とする電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 上記イオン伝導路が、金属塩電解液と、
    極性部材からなることを特徴とする請求項1記載の電池
    用セパレータ。
  3. 【請求項3】 上記極性部材が、極性溶媒に可溶あるい
    は膨潤する高分子(a)、界面活性剤(b)、上記高分
    子マトリックスに一部または全部が共有結合することに
    より固定された極性有機成分(c)、またはこれら
    (a)〜(c)のうちの二種以上を組み合わせた混合物
    (d)からなることを特徴とする請求項2記載の電池用
    セパレータ。
  4. 【請求項4】 上記極性有機成分(c)が、カルボキシ
    ル基またはその金属塩置換基であることを特徴とする請
    求項3記載の電池用セパレータ。
  5. 【請求項5】 上記高分子マトリックスが、高分子微粒
    子の融着体であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の電池用セパレータ。
  6. 【請求項6】 上記高分子微粒子が、架橋成分を含有し
    てなることを特徴とする請求項5記載の電池用セパレー
    タ。
  7. 【請求項7】 上記高分子微粒子が、ゴム部材であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の電池用セパレータ。
  8. 【請求項8】 上記ゴム部材が、スチレンーブタジエン
    系共重合体またはスチレンーイソプレン系共重合体であ
    ることを特徴とする請求項7記載の電池用セパレータ。
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