JPH0731858U - ドラフトローラのクリーニング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単でドラフトローラのメンテナンス
を容易に行なうことができ、且つ、クリーニング部材に
風綿等が付着するのを防止可能なドラフトローラのクリ
ーニング装置をを得る。 【構成】 クリーニング部材をドラフトクレードルに揺
動自在に支持し、且つ、該クリーニング部材を付勢部材
で加圧してドラフトローラに圧接すると共に、クリーニ
ング部材をドラフトローラより間欠的に離反させるカム
をドラフトローラに設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はドラフト装置におけるドラフトローラのクリーニング装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、紡績機のドラフト装置においてスライバをドラフトする場合、ドラフト ローラにはスライバより離脱した短繊維が風綿となって付着し易く、多量に付着 すると、ドラフトむら，糸切れ等が発生するので定期的にドラフトローラを清掃 し、風綿を除去する必要があった。

【０００３】 そこでこの風綿を除去するために、ドラフト装置の各ドラフトローラ対の各ト ップローラ、或いは各ボトムローラに、回動する無端クリーニングベルトを圧接 してドラフトローラに付着した風綿を該クリーニングベルトに転位付着させて除 去するクリーニング装置が知られているが、このようなクリーニング装置を各ト ップローラに設ける場合においては、クリーニングベルトに付着堆積した風綿を 再度掻き取り除去するためのコム、及び、クリーニングベルトを適宜のテンショ ンにて張架し、駆動するための複数のプーリや駆動手段をドラフトクレードルに 設けなければならないので装置が複雑化し、トップローラのメンテナンスを行い ずらいという問題を有していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、従来のクリーニング装置のこのような点に鑑みて、構造が簡単でド ラフトローラのメンテナンスを容易に行なうことができ、且つ、クリーニング部 材に風綿等が付着するのを防止可能なドラフトローラのクリーニング装置を提供 することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

クリーニング部材をドラフトクレードルに揺動自在に支持し、且つ、該クリー ニング部材を付勢部材で加圧してドラフトローラに圧接すると共に、クリーニン グ部材をドラフトローラより間欠的に離反させるカムをドラフトローラに設けた 。

【０００６】

【作用】

クリーニング部材は付勢部材により加圧されドラフトローラに当接し、トップ ローラ周面に付着している風綿を掻き取り除去する。そしてクリーニング部材が トップローラと共に回転するカムにより該トップローラより間欠的に離反される 際、クリーニング部材に掻き取られた風綿は振り落とされる。

【０００７】

【実施例】

実施例について図面と共に説明する。

【０００８】 図１及び図２は本考案クリーニング装置１を４線式ドラフト装置２のトップロ ーラに実施した一例を示すものである。図において、ドラフト装置２は、バック ローラ対３，サードローラ対４，エプロンベルト５を装架したミドルローラ対６ ，フロントローラ対７の４線からなり、該ドラフト装置２のフロントローラ対７ の直後には空気紡績装置８が設けられている。９はスライバガイドである。

【０００９】 ドラフト装置２の各トップローラ３ｔ，４ｔ，６ｔ，７ｔは夫々ドラフトクレ ードル２０に回転自在に支持されており、該ドラフトクレードル２０は、図示し ない機枠にブラケット２２で固定した支軸２１により揺動自在に支持されている 。そして、ドラフトクレードル２０を下降させ、各トップローラ３ｔ，４ｔ，６ ｔ，７ｔを各ボトムローラ３ｂ，４ｂ，６ｂ，７ｂに圧接した状態でレバー２３ を回動してフック２４を、フレームにブラケット２６で支持されているフックロ ーラ２５に係合することによりドラフトクレードル２０は固定される。

【００１０】 クリーニング装置１は、上記ドラフト装置２の、各トップローラのうち、風綿 が付着しにくいフロントトップローラ７ｔを除いた残りのトップローラ３ｔ，４ ｔ，６ｔ毎に設けた３個のクリーニング部材１１で、当該トップローラ周面を清 掃するものであり、それらはドラフトクレードル２０のサイドプレート２７に固 定した共通の基板１０に支持され、１つのクリーニングユニットを形成している 。尚、エプロンベルト５を装架したミドルトップローラ６ｔは、該エプロンベル ト５の周面をクリーニングの対象とする。

【００１１】 クリーニング部材１１は平板状であり、先端側下面にはクリーニングパッド１ ２が貼着されており、その基端側において支軸１３に揺動自在に支持されている 。支軸１３は、先述の基板１０より平行に突設した３本よりなり、それらは、先 端側では支持部材１４に支持され、該支持部材１４と支軸１３、及び、基板１０ で梯子状のフレームを形成している。また、支軸１３には付勢部材としてスプリ ング１５が支持されている。

【００１２】 スプリング１５の一端は折曲されクリーニング部材１１に掛止され、他端は基 板１０の下部に折曲して形成した係止部１６に係止されており、該スプリング１ ５によりクリーニング部材１１は図中下方向に付勢され、該クリーニング部材１ １下面のクリーニングパッド１２において各トップローラ３ｔ，４ｔ，６ｔに圧 接される。

【００１３】 そして、上記各トップローラ３ｔ，４ｔ，６ｔのローラ芯体には、クリーニン グ部材１１の側部に折曲して形成した係止片１７に当接するカム１８を設けてい る。また、上記係止片１７の支軸１３側の端部は先述の係止部１６の一端の上方 に重なり合って位置している。

【００１４】 次に実施例に基づいて作用を説明する。

【００１５】 ドラフト装置３の各トップローラ３ｔ，４ｔ，６ｔ周面に付着した風綿は、該 各周面にスプリング１５の付勢により圧接しているクリーニング部材１１のクリ ーニングパッド１２により掻き取られ除去される。この際、クリーニング部材１ １は、係止片１７に、各トップローラ３ｔ，４ｔ，６ｔと共に回転するカム１８ が当接することにより各トップローラ３ｔ，４ｔ，６ｔ周面から間欠的に離反さ れ、その際、クリーニング部材１１に溜った風綿は一斉に振り落とされ除去され る。

【００１６】 そして、各トップローラ３ｔ，４ｔ，６ｔ，７ｔの交換等のメンテナンス作業 を行う際、ドラフトクレードル２０を上挙すれば、各トップローラ４ｔ，５ｔ， ６ｔ，７ｔは、各ボトムローラ４ｂ，５ｂ，６ｂ，７ｂへの圧接状態を解除され るが、図示しないテンション装置の加圧によりドラフトクレードル３０に対して 相対的に降下する。これに伴い、各クリーニング部材１１も各トップローラ４ｔ ，５ｔ，６ｔ，７ｔに追従して降下するが、クリーニング部材１１と一体の係止 片１７が係止部１６に係止されることにより、その揺動が規制され、クリーニン グ部材１１の下落ちは阻止されるので、各トップローラ３ｔ，４ｔ，６ｔの交換 作業を容易に行なうことが可能となる。

【００１７】 また、各クリーニング部材１１は、共通の基板１０に突設した３本の支軸１３ に揺動自在に支持され、且つ、各支軸１３の先端を支持部材１４で支持して１つ のクリーニングユニットを形成しているのでドラフトクレードル２０への取付け が容易であり、且つ、構造が強固である。

【００１８】

【考案の効果】

本考案ドラフトローラのクリーニング装置は、上述のとおりクリーニング部材 をドラフトクレードルに揺動自在に支持し、且つ、付勢部材で加圧してドラフト ローラに圧接すると共に、クリーニング部材をドラフトローラより間欠的に離反 させるカムをドラフトローラに設けたので、簡単な構造でドラフトローラより掻 き取った風綿がクリーニング部材に付着するのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例のクリーニング装置を備えたドラ
フト装置を示す斜視図である。

【図２】本考案実施例のクリーニング装置を備えたドラ
フト装置を示す側面図である。

【符号の説明】 １ クリーニング装置 ２ ドラフト装置 ３ｔ，４ｔ，６ｔ，７ｔ トップローラ １０ 基板 １１ クリーニング部材 １２ クリーニングパッド １３ 支軸 １４ 支持部材 １５ スプリング １６ 係止部 １７ 係止片 １８ カム ２０ ドラフトクレードル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 クリーニング部材をドラフトクレードル
   に揺動自在に支持し、且つ、該クリーニング部材を付勢
   部材で加圧してドラフトローラに圧接すると共に、クリ
   ーニング部材をドラフトローラより間欠的に離反させる
   カムをドラフトローラに設けたことを特徴とするドラフ
   トローラのクリーニング装置。