JPH0730347U - エンジン - Google Patents
エンジンInfo
- Publication number
- JPH0730347U JPH0730347U JP6344093U JP6344093U JPH0730347U JP H0730347 U JPH0730347 U JP H0730347U JP 6344093 U JP6344093 U JP 6344093U JP 6344093 U JP6344093 U JP 6344093U JP H0730347 U JPH0730347 U JP H0730347U
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylinder liner
- ring
- hardness
- nitride layer
- wear
- Prior art date
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- Pending
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- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 EGR条件下におけるシリンダライナの摩耗
を低減して、エンジンの長寿命化を図る。 【構成】 トップリング4はマルテンサイト系ステンレ
ス鋼からなり、その外周摺動面にCrN皮膜7を有す
る。CrN皮膜の厚さは30μm、硬さはHv130
0、配向は(200)である。CrN皮膜7の下地とし
て窒化層8を形成してある。シリンダライナ2は合金鋳
鉄からなり、その内周摺動面に窒化層13を有する。窒
化層13の厚さは4.5μm、硬さはHv870であ
る。
を低減して、エンジンの長寿命化を図る。 【構成】 トップリング4はマルテンサイト系ステンレ
ス鋼からなり、その外周摺動面にCrN皮膜7を有す
る。CrN皮膜の厚さは30μm、硬さはHv130
0、配向は(200)である。CrN皮膜7の下地とし
て窒化層8を形成してある。シリンダライナ2は合金鋳
鉄からなり、その内周摺動面に窒化層13を有する。窒
化層13の厚さは4.5μm、硬さはHv870であ
る。
Description
【0001】
本考案は所定の表面処理を施したトップリングとシリンダライナを有するエン ジンに関し、特に耐久性を要求されるディーゼルエンジンに利用して好適なもの である。
【0002】
ディーゼルエンジンにおいて、EGR条件下でピストンリングおよびシリンダ ライナの摩耗が促進されること、特に低温腐食雰囲気におけるシリンダライナの 摩耗が激しいことが問題となっている。このことは、特に耐久性が求められる中 大型のディーゼルエンジンにEGRを採用することの障害となっている。
【0003】 このシリンダライナの腐食摩耗対策として、シリンダライナの内周面に窒化処 理を施すことや、シリンダライナ自体の材質の改良が試みられている。
【0004】 内周面を窒化したシリンダと組み合わせる最も一般的なピストンリングはCr めっきリングである(特公昭59−50465号公報、特開平5−86966号 公報参照)。その他、窒化リング(特開平2−104653号公報)、Fe−C r溶射リング(特開昭61−73870号公報)、焼結リング(特公昭63−5 0429号公報)あるいは鋼製リング(特公昭56−2152号公報)なども提 案されている。
【0005】
しかしながら、上記のいずれによってもシリンダライナの摩耗の問題は解決さ れていない。同様に、シリンダライナの材質の改良も十分な成果が挙がっていな い。他方、最近、ピストンリングの外周面にイオンプレーティングによる各種の 硬質皮膜を施すことが注目されているが、現在使用されているのは、CrN皮膜 を施したピストンリングとレーザ焼入れを施したシリンダの組合せの例が唯一あ るだけである。
【0006】 本考案は、EGR条件下におけるシリンダライナの摩耗を低減して、エンジン の長寿命化を図ることを目的としている。
【0007】
上記の課題を解決する本考案の特徴は、外周摺動面にCrN皮膜を有するトッ プリングと、内周摺動面に窒化層を有する鋳鉄製シリンダライナとを組み合わせ ることにある。
【0008】 トップリングの外周摺動面におけるCrN皮膜の硬さはHv800未満である と、耐摩耗性が不十分であり、Hv2100を越えると、ピストンリングの加工 中の欠けが急増する。したがって、CrN皮膜の硬さはHv800〜2100の 範囲とするのが好ましい。また、シリンダライナの窒化層の硬さはHv700未 満であると、耐摩耗性が不十分であるため、シリンダライナの窒化層の硬さはH v700以上とするのが好ましい。
【0009】
上記構成により、EGR条件下でのシリンダライナの摩耗が少なくなるため、 エンジンの耐久性を高めることができる。
【0010】
図1は本考案の一実施例であるディーゼルエンジンのピストンリング部分を示 す縦断面図である。
【0011】 シリンダブロック1のボアにシリンダライナ2が挿入固定されており、このシ リンダライナ2にピストン3が挿入されている。ピストン3は外周面に3つのリ ング溝が形成されており、これらの3つのリング溝にトップリング4、セカンド リング5およびコイルエキスパンダ付きオイルリング6がそれぞれ装着されてお り、各リング4,5,6の表面には耐摩耗性表面処理が施されている。
【0012】 トップリング4はマルテンサイト系ステンレス鋼からなるバレルフェース形の リングで、その外周摺動面にはCrN皮膜7が形成されている。 CrN皮膜の厚さ:30μm 硬さ:Hv1300 配向:(200)
【0013】 なお、CrN皮膜7の下地として、ガス窒化による窒化層8が形成されており 、この窒化層8は最表面の硬くて脆い窒素化合物層を研磨加工により除去してあ る。
【0014】 セカンドリング5はマルテンサイト系ステンレス鋼からなるテーパアンダカッ ト形のリングで、その外周面には硬質Crめっき9が形成されている。
【0015】 コイルエキスパンダ付きオイルリング6は断面略I字形の鋼製オイルリング1 0とこれを付勢する鋼製コイルエキスパンダ11とからなり、オイルリング10 の全表面にはガス窒化による窒化層12が形成されている。
【0016】 シリンダライナ2は合金鋳鉄からなり、その内周摺動面に窒化層13を有して いる。なお、この窒化層13は、最表面の硬くて脆い窒素化合物層を研磨加工に より除去せずに残してある。シリンダライナ2の詳細は以下の通りである。
【0017】 シリンダライナの組成 C :3.10% Si:2.35% Mn:0.69% P :0.21% S :0.011% Cr:0.34% B :0.059% Cu:0.95%
【0018】 シリンダライナの内径 110mmφ
【0019】 窒化条件、硬さおよび厚さ 窒化方法:ガス窒化法 窒化ガス:NH3 ガスとN2 ガスの混合ガス(NH3 :N2 =1:1) 窒化温度:590℃ 窒化時間:30分 窒化層硬さ:Hv870 窒化層厚さ:4.5μm
【0020】 以下に、本考案におけるトップリング4とシリンダライナ2の組合せを他の組 合せと比較するために行ったディーゼルエンジンのEGR率20%でのエンジン 実験とその結果について説明する。
【0021】 試験に供したトップリングとシリンダライナの表面処理を表1に示す。
【0022】 表1
【0023】 比較例2のCrN皮膜は本考案のものと同じであり、比較例1の窒化条件、硬 さおよび厚さは本考案のものと同じである。
【0024】 比較例1のシリンダライナの組成は本考案のシリンダライナの組成と同じであ る。比較例2および比較例3のシリンダライナも合金鋳鉄からなるが、組成は以 下の通りである。 C :3.20% Si:2.47% Mn:0.72% P :0.14% S :0.011% Cr:0.13% B :0.03% Cu:0.37%
【0025】 試験後のシリンダライナ内周面におけるリング上死点近傍の最大摩耗量と、ト ップリング外周面の摩耗量を測定した。表1の比較例3におけるトップリングお よびシリンダライナの摩耗量を各々1としたときの相対摩耗比を図2に示す。こ れによれば、PVD処理によるCrN皮膜を有するトップリングと窒化したシリ ンダライナの組合せは、シリンダライナの摩耗を大きく低減することがわかる。 さらに、トップリング自身の摩耗も他の組合せと比較して大きくないこともわか る。したがって、本考案のトップリングとシリンダライナの組合せが最も優れて いることが示されている。
【0026】
以上説明したように本考案のエンジンによれば、EGR条件下のシリンダライ ナの摩耗が少なく、中大型のエンジンにEGRを採用することが可能になる。
【図1】本考案の一実施例であるディーゼルエンジンの
ピストンリング部分を示す縦断面図である。
ピストンリング部分を示す縦断面図である。
【図2】エンジン実験による摩耗結果を示すグラフであ
る。
る。
【符号の説明】 1 シリンダブロック 2 シリンダライナ 3 ピストン 4 トップリング 5 セカンドリング 6 コイルエキスパンダ付きオイルリング 7 CrN皮膜 8 窒化層 9 硬質Crめっき 10 オイルリング 11 コイルエキスパンダ 12 窒化層 13 窒化層
Claims (2)
- 【請求項1】 外周摺動面にCrN皮膜を有するトップ
リングと、内周摺動面に窒化層を有する鋳鉄製シリンダ
ライナとを備えたことを特徴とするエンジン。 - 【請求項2】 前記CrN皮膜の硬度がHv800〜2
100であり、前記窒化層の硬度がHv700以上であ
ることを特徴とする請求項1記載のエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6344093U JPH0730347U (ja) | 1993-11-01 | 1993-11-01 | エンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6344093U JPH0730347U (ja) | 1993-11-01 | 1993-11-01 | エンジン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0730347U true JPH0730347U (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=13229328
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6344093U Pending JPH0730347U (ja) | 1993-11-01 | 1993-11-01 | エンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0730347U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11229958A (ja) * | 1998-02-13 | 1999-08-24 | Nippon Piston Ring Co Ltd | 内燃機関用ピストンリングの組合せ |
WO2011064888A1 (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-03 | 日本ピストンリング株式会社 | ピストンリング |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1993
- 1993-11-01 JP JP6344093U patent/JPH0730347U/ja active Pending
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US11047479B2 (en) | 2009-11-30 | 2021-06-29 | Nippon Piston Ring Co., Ltd. | Method for producing piston ring with recess |
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