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JPH07261377A - 化学増幅型レジスト溶液 - Google Patents

化学増幅型レジスト溶液

Info

Publication number
JPH07261377A
JPH07261377A JP6048634A JP4863494A JPH07261377A JP H07261377 A JPH07261377 A JP H07261377A JP 6048634 A JP6048634 A JP 6048634A JP 4863494 A JP4863494 A JP 4863494A JP H07261377 A JPH07261377 A JP H07261377A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
acid
resin
resist
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6048634A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Kobayashi
英一 小林
Toshiyuki Ota
利幸 大田
Akira Tsuji
昭 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP6048634A priority Critical patent/JPH07261377A/ja
Publication of JPH07261377A publication Critical patent/JPH07261377A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 β−メトキシイソ酪酸メチルを含有する溶剤
の溶液であることを特徴とする化学増幅型レジスト溶
液。 【効果】 感度及び解像度等に優れるレジスト被膜を与
える。特に大口径化された基板へスピンコート法により
塗布して得られるレジスト被膜は、塗布むら、曇りが実
質的になくその表面は平滑である。また、微細加工を安
定的に行なうことができ、保存安定性に優れ、良好なパ
ターン形状を与える。さらに、本発明の化学増幅型レジ
スト溶液は、i線等の紫外線、エキシマレーザー等の遠
紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷
電粒子線等の放射線のいずれにも対応でき、今後さらに
微細化が進行すると予想される集積回路製造用の化学増
幅型レジスト被膜を形成するための溶液として有利に使
用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化学増幅型レジスト溶液
に関する。さらに詳しくは、紫外線、遠紫外線、X線、
荷電粒子線等の放射線を用いて半導体の超微細加工を行
なう際に好適に使用することができる化学増幅型レジス
ト溶液に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の製造に代表される微細加工の
分野においては、集積回路のより高い集積度を得るため
に、リソグラフィーにおける加工サイズを一層微細化す
る技術が開発され、実用化されている。近年では、0.
5μm以下の微細加工を安定的に行なうことのできる技
術が必要とされている。そのため、用いられるレジスト
においても、0.5μm以下のパターンを精度良く形成
することが必要であり、種々のレジストが検討されてい
る。それらのうち特に注目されているのが、放射線の照
射によって生成する酸の触媒作用により、放射線照射部
の現像液に対する溶解性を変化させる反応を起こさせる
レジストである。この種のレジストは、通常、化学増幅
型レジストと称されている。
【0003】この化学増幅型レジストを実際に集積回路
の製造プロセスに使用する場合、通常、感放射線性成
分、被膜形成性樹脂成分等のレジストを構成する感放射
線性成分を溶媒に溶解したレジスト溶液を調製し、この
溶液を微細加工に供される基板上に回転塗布やロールコ
ーターにより塗布して、レジスト被膜を形成する。その
ため、レジスト溶液の塗布性、保存安定性等の性能は、
高度な微細加工を安定的に行なう上で必要不可欠な性能
である。
【0004】すなわち、上記レジスト被膜から、該レジ
スト被膜に放射線を照射することにより微細加工に適し
たパターンが形成される。この形成されたパターンの形
状は微細加工の精度に重要な影響を与え、矩形の断面を
有するパターンが好ましい。
【0005】また、従来からリソグラフィーに用いられ
ている、ノボラック樹脂とナフトキノンジアジド基を含
有する感光剤を使用したレジストにおいては、レジスト
溶液を調製する際の溶媒として、エチレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテートを用いることが知られてい
る。しかし、化学増幅型レジストについては、レジスト
溶液を調製する際の溶媒として、エチレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテートを用いると、保存安定性の
面で問題がある。すなわち、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテートを溶媒として用いると、レジス
ト溶液調製後、時間の経過により、レジスト被膜の感度
及び形成されるパターン形状がバラツクという問題があ
る。
【0006】さらに、近年の集積回路の高集積度化に伴
い、集積回路製造時の歩留まりや効率を向上させるた
め、シリコンウェハーの口径が、例えば4インチから6
インチあるいは8インチと大口径化されてきている。化
学増幅型レジストの溶剤として、従来から一般的なエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテートを用いた
化学増幅型レジスト溶液を大口径化された基板に対して
スピンコート法により塗布した場合、得られるレジスト
被膜には放射状または斑点状の塗布むらが発生するこ
と、曇りが発生すること、被膜の表面平滑性が不充分で
あること等の塗布性の点から改良すべき問題点があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、i線
(365nm)に代表される紫外線、KrFエキシマレ
ーザー(248nm)に代表される遠紫外線、シンクロ
トロン放射線に代表されるX線及び電子線に代表される
荷電粒子線等の放射線に対する感度及び解像度に優れる
レジスト被膜を与える新規な化学増幅型レジスト溶液を
提供することである。本発明の他の目的は、大口径化さ
れたシリコンウェハー基板へスピンコート法によって塗
布することにより形成されるレジスト被膜に塗布むら及
び曇りが実質的になくかつ該被膜の表面平滑性が良好で
あるような化学増幅型レジスト溶液を提供することであ
る。
【0008】本発明の他の目的は、微細加工を安定して
行なうことができ、矩形の断面を有する良好なパターン
形状を与える得るレジスト被膜を形成することができる
化学増幅型レジスト溶液を提供することである。
【0009】本発明のさらなる他の目的は、レジスト溶
液を調製した後、長時間経過した後においても、良好な
感度を有しかつ優れたパターン形状を再現性良く与え得
るレジスト被膜を形成することができる化学増幅型レジ
スト溶液を、すなわち保存安定性に優れた化学増幅型レ
ジスト溶液を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、溶剤の
成分としてβ−メトキシイソ酪酸メチルを含有する溶剤
の溶液であることを特徴とする化学増幅型レジスト溶液
が提供されて、本発明の上記目的が達成される。以下、
本発明を詳述するが、それにより本発明の別の目的、構
成並びに利点及び効果が明らかとなろう。
【0011】本発明において、化学増幅型レジストと
は、基板上のレジスト被膜に放射線を照射することによ
りレジスト被膜の放射線照射部に酸が発生し、発生した
酸の触媒作用によって生じる化学変化により、レジスト
被膜の放射線照射部分が現像液に対する溶解性が変化す
ることを利用して基板上にレジストパターンを形成する
ことができるレジストをいう。
【0012】本発明の化学増幅型レジスト溶液として、
下記のタイプA〜タイプCのレジスト溶液を挙げること
ができる。
【0013】タイプAのレジスト溶液 下記(a)〜(c)の成分を含有するポジ型レジストの
溶液である。 (a)酸分解性基含有樹脂 この酸分解性基含有樹脂は、酸分解性基を高分子鎖内に
含有することによりアルカリ現像液に不溶ないし難溶で
あって、酸と接触し膜中に存在する水により加水分解
し、アルカリ可溶性の基を発生することによりアルカリ
可溶性に変化する樹脂である。 (b)感放射線性酸発生剤 この成分は、放射線の照射により酸を発生する成分であ
る。 (c)β−メトキシイソ酪酸メチルを含有する溶剤
【0014】タイプBのレジスト溶液 下記(a)〜(d)の成分を含有するポジ型レジストの
溶液である。 (a)アルカリ可溶性樹脂 (b)感放射線性酸発生剤 (c)溶解制御剤 この溶解制御剤とは、酸と接触する前は上記(a)アル
カリ可溶性樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性を制御
する化合物であって、酸と接触することにより膜中に存
在する水により自らが加水分解し、その結果(i) 加水分
解する前に溶解制御剤が有する、上記(a)アルカリ可
溶性樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性を制御する効
果を低下もしくは消失するか、または(ii)上記(a)ア
ルカリ可溶性樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性をむ
しろ促進させるようになる、化合物である。この溶解制
御剤の使用によりアルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性
を制御することができる。 (d)β−メトキシイソ酪酸メチルを含有する溶剤
【0015】タイプCのレジスト溶液 下記(a)〜(d)の成分を含有するネガ型レジストの
溶液である。 (a)アルカリ可溶性樹脂 (b)感放射線性酸発生剤 (c)架橋剤 この成分は、酸の存在により上記(a)アルカリ可溶性
樹脂と反応して該樹脂を架橋するように作用する化合物
である。 (d)β−メトキシイソ酪酸メチルを含有する溶剤
【0016】以下、これらのレジスト溶液の構成成分に
ついて説明する。感放射線性酸発生剤 本発明のレジスト溶液のいずれのタイプにおいても用い
られる感放射線性酸発生剤、すなわち放射線に感応して
酸を発生する化合物としては、例えばオニウム塩化合
物、ハロゲン含有化合物、スルホン化合物、スル
ホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物等を挙
げることができる。より具体的には以下の化合物を挙げ
ることができる。
【0017】オニウム塩化合物 オニウム塩としては、例えばヨードニウム塩、スルホニ
ウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウ
ム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。好まし
いオニウム塩化合物は、ジフェニルヨードニウムトリフ
レート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、
ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネー
ト、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェ
ニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフ
ェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ト
リフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート及び
(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムト
ルエンスルホネートであり、特にトリフェニルスルホニ
ウムトリフレート及びジフェニルヨードニウムヘキサフ
ルオロアンチモネートが好ましい。
【0018】ハロゲン含有化合物 ハロゲン含有化合物としては、例えばハロアルキル基含
有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物
等を挙げることができる。好ましいハロゲン含有化合物
は、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−
s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン等の(ポリ)トリクロロメチル−s−
トリアジン誘導体及び1,1−ビス(4−クロロフェニ
ル)−2,2,2−トリクロロエタンである。
【0019】スルホン化合物 スルホン化合物としては、例えばβ−ケトスルホン、β
−スルホニルスルホン、これらのα−ジアゾ化合物等を
挙げることができる。好ましいスルホン化合物は、フェ
ナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホ
ン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(フェニ
ルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルス
ルホニル)ジアゾメタン及び4−トリスフェナシルスル
ホンである。
【0020】スルホン酸エステル化合物 スルホン酸エステル化合物としては、例えばアルキルス
ルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、
アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を
挙げることができる。好ましいスルホン酸エステル化合
物は、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリ
フレート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステ
ル、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセ
ン−2−スルホネート、N−トリフルオロメチルスルホ
ニルオキシジフェニルマレイミド及びトリフルオロメチ
ルスルホニルオキビシクロ−[2.2.1]−ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボキシイミド等であり、特にピ
ロガロールメタンスルホン酸トリエステルが好ましい。
【0021】キノンジアジド化合物 キノンジアジド化合物としては、例えばポリヒドロキシ
化合物の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル化
合物等を挙げることができる。好ましいキノンジアジド
化合物は、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホ
ニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニ
ル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル
基及び1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル
基の1,2−キノンジアジドスルホニル基を有する化合
物であり、特に1,2−ナフトキノンジアジド−4−ス
ルホニル基及び/又は1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルホニル基を有する化合物が好ましい。
【0022】このようなキノンジアジド化合物の具体例
としては、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、
2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,
4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、3’−メトキシ
−2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベ
ンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6−ヘキサヒド
ロキシベンゾフェノン等で例示される(ポリ)ヒドロキ
シフェニルアリールケトンの1,2−キノンジアジドス
ルホン酸エステル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニ
ル)プロパン等で例示されるビス[(ポリ)ヒドロキシ
フェニル]アルカンの1,2−キノンジアジドスルホン
酸エステル類;
【0023】4,4’−ジヒドロキシトリフェニルメタ
ン、4,4’,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタ
ン、2,2’,5,5’−テトラメチル−2”,4,4’−
トリヒドロキシトリフェニルメタン、3,3’,5,5’
−テトラメチル−2”,4,4’−トリヒドロキシトリフ
ェニルメタン、4,4’,5,5’−テトラメチル−2,
2’,2”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、2,
2’,5,5’−テトラメチル−4,4’,4”−トリヒド
ロキシトリフェニルメタン、1,1,1−トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−
ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル〕
エタン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,
3,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン等で
例示される(ポリ)ヒドロキシトリフェニルアルカンの
1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル類;2,4,
4−トリメチル−2’,4’,7−トリヒドロキシ−2−
フェニルフラバン、2,4,4−トリメチル−2’,4’,
5’,6,7−ペンタヒドロキシ−2−フェニルフラバン
等で例示される(ポリ)ヒドロキシフェニルフラバンの
1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル類等を挙げ
ることができる。
【0024】特に好ましいキノンジアジド化合物は、下
記構造式(1)で表わされる、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−メチルエチル}フェニル〕エタンの
1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステ
ルである。
【0025】
【化1】
【0026】[ここで、3個のZは、各々独立に、水素
原子または式(2)
【0027】
【化2】
【0028】で表わされる置換基であり、少なくとも1
つは式(2)で表わされる置換基である。] 構造式(1)で表わされる1,2−ナフトキノンジアジ
ド−4−スルホン酸エステルの混合物において、Zが式
(2)で表わされる置換基である割合は、平均75〜9
5%、好ましくは平均80〜90%である。
【0029】特に好ましい感放射線性酸発生剤として
は、具体的に以下の式(3)〜式(8)の化合物を挙げ
ることができる。
【0030】
【化3】
【0031】これらの感放射線性酸発生剤は、単独で又
は2種以上を混合して使用することができる。
【0032】酸分解性基含有樹脂 タイプAのレジスト溶液における酸分解性基含有樹脂
は、例えば後述するアルカリ可溶性樹脂中のフェノール
性水酸基及びカルボキシル基で例示される酸性官能基の
水素原子を1種又は2種以上の酸分解性基で置換するこ
とによって得ることができるアルカリ現像液に不溶ない
し難溶の樹脂である。ここで、アルカリ現像液に不溶な
いし難溶の樹脂とは、タイプAのレジスト溶液を用いて
形成されるレジスト被膜に放射線を照射した後、レジス
トパターンを形成するために用いられるアルカリ現像液
による現像条件下で、タイプAのレジスト溶液の代わり
に酸分解性基含有樹脂のみからなる溶液から形成された
被膜を現像したときに、この被膜の現像前の膜厚の50
%以上が現像後に残存する樹脂である。
【0033】酸分解性基は、酸の存在下に膜中の水分に
より加水分解し、その結果アルカリ可溶性を示す官能基
を形成して樹脂をアルカリ可溶性にする基である。その
ような基としては、、例えば置換メチル基、1−置換エ
チル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、
アルコキシカルボニル基、アシル基及び環式酸分解性基
を挙げることができる。
【0034】前記置換メチル基としては、例えばメトキ
シメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、
エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベン
ジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシ
ル基、ブロモフェナシル基、メトキシフェナシル基、
(メチルチオ)フェナシル基、シクロプロピルメチル
基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメ
チル基、ブロモベンジル基、ニトロベンジル基、メトキ
シベンジル基、メチルチオベンジル基、エトキシベンジ
ル基、エチルチオベンジル基及びピペロニル基を挙げる
ことができる。
【0035】前記1−置換エチル基としては、例えば1
−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1
−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エ
チルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−
フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,
1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル
基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルエ
チル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエ
チル基及びα−メチルフェナシル等を挙げることができ
る。
【0036】前記1−分岐アルキル基としては、例えば
イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基及び
1,1−ジメチルブチル基を挙げることができる。
【0037】前記シリル基としては、例えばトリメチル
シリル基、エチルジメチルシリル基、ジエチルメチルシ
リル基、トリエチルシリル基、ジメチルイソプロピルシ
リル基、メチルジイソプロピルシリル基、トリイソプロ
ピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ジ−t−
ブチルメチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、ジ
メチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基及
びトリフェニルシリル基を挙げることができる。
【0038】前記ゲルミル基としては、例えばトリメチ
ルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、ジエチルメ
チルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、ジメチルイソ
プロピルゲルミル基、メチルジイソプロピルゲルミル
基、トリイソプロピルゲルミル基、t−ブチルジメチル
ゲルミル基、ジ−t−ブチルメチルゲルミル基、トリ−
t−ブチルゲルミル基、ジメチルフェニルゲルミル基、
メチルジフェニルゲルミル基及びトリフェニルゲルミル
基を挙げることができる。
【0039】前記アルコキシカルボニル基としては、例
えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イ
ソプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基
及びt−ペンチルオキシカルボニル基を挙げることがで
きる。
【0040】前記アシル基としては、例えばアセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘ
キサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリ
ル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル
基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スク
シニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル
基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、ア
クリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、
クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロ
イル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル
基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル
基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル
基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テ
ノイル基、ニコチノイル基及びイソニコチノイル等を挙
げることができる。
【0041】前記環式酸分解性基としては、例えばシク
ロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘキセニル基、オキソシクロヘキセニル基、4−
メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、
テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル
基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒ
ドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル
基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、S,S
−ジオキシド基、2−1,3−ジオキソラニル基、2−
1,3−ジチオラニル基、ベンゾ−2−1,3−ジオキソ
ラニル基及びベンゾ−2−1,3−ジチオラニル基を挙
げることができる。その他の酸分解性基としてトルエン
スルホニル基及びメシル基を挙げることができる。
【0042】これらの酸分解性基のうち、t−ブチル
基、ベンジル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒ
ドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒド
ロチオピラニル基及びテトラヒドロチオフラニル基が好
ましい。
【0043】酸分解性基含有樹脂中の酸性官能基と酸分
解性基との合計数に対する酸分解性基の数の割合は、好
ましくは15〜100%、さらに好ましくは20〜10
0%、特に好ましくは20〜80%である。
【0044】また、酸分解性基含有樹脂のゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換
算重量平均分子量(以下、「Mw」と略称することがで
きる)は、好ましくは1,000〜150,000、さら
に好ましくは3,000〜100,000である。
【0045】酸分解性基含有樹脂は、例えば予め製造さ
れた1種以上のアルカリ可溶性樹脂に1種以上の酸分解
性基を導入することによって、また、1種以上の酸分解
性基を有する単量体を重合又は共重合することによって
製造することができる。これらの酸分解性基含有樹脂
は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ
る。
【0046】タイプAのレジスト溶液における酸分解性
基含有樹脂と感放射線性酸発生剤との配合割合は、酸分
解性基含有樹脂100重量部当り、感放射線性酸発生剤
が、好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましく
は0.1〜15重量部、特に好ましくは0.5〜15重量
部である。特にタイプAのレジスト溶液では、感放射線
性酸発生剤はオニウム塩またはスルホン酸エステルが好
ましく、0.05〜20重量部、特に0.5〜12重量部
が好ましい。感放射線性酸発生剤の配合量が上記範囲で
あることにより、放射線の照射により発生した酸の触媒
作用による化学変化をより有効に起こすことが可能であ
ると共に、タイプAのレジスト溶液を塗布して得られる
被膜に塗布むらが発生すること及び現像時にスカムが発
生することをより効果的に抑制することが可能である。
【0047】アルカリ可溶性樹脂 タイプB及びタイプCのレジスト溶液において使用され
るアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液に可溶な樹脂
である。この樹脂はアルカリ現像液と親和性を示す官能
基、例えばフェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸
性官能基を有する。
【0048】このようなアルカリ可溶性樹脂としては、
例えばヒドロキシスチレン、ヒドロキシ−α−メチルス
チレン、ビニル安息香酸、カルボキシメチルスチレン、
カルボキシメトキシスチレン、(メタ)アクリル酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メ
サコン酸及びケイ皮酸で例示される酸性官能基を有する
少なくとも1種の単量体を重合もしくは共重合して得ら
れる付加重合により製造された樹脂、ノボラック樹脂に
代表される縮合重合により製造された樹脂等を挙げるこ
とができる。
【0049】アルカリ可溶性樹脂が付加重合により製造
された樹脂である場合は、該樹脂は前記酸性官能基を有
する単量体に存在する重合性多重結合が開裂した繰返し
単位のみから構成されていてもよいが、アルカリ現像液
に可溶である限りでは、必要に応じて、他の繰返し単位
をさらに含有することができる。
【0050】このような他の繰返し単位を与える単量体
としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、メト
キシスチレン、t−ブトキシスチレン、アセトキシスチ
レン、ビニルトルエン、無水マレイン酸、(メタ)アク
リロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、
フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリ
ル、イタコンニトリル、(メタ)アクリルアミド、クロ
トンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコン
アミド、シトラコンアミド、イタコンアミド、ビニルア
ニリン、ビニルピリジン、ビニル−ε−カプロラクタ
ム、ビニルピロリドン及びビニルイミダゾールを挙げる
ことができる。
【0051】また、アルカリ可溶性樹脂が縮合重合によ
り製造された樹脂である場合、該樹脂は、例えばノボラ
ック樹脂単位のみから構成されていてもよいが、生成し
た樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、他の縮
合重合により生成する単位をさらに有することもでき
る。このような樹脂は、1種以上のフェノール類と1種
以上のアルデヒド類とを、場合により他の縮合重合成分
と共に、酸性触媒の存在下、水媒質中若しくは水と親水
性溶媒との混合媒質中で縮合重合又は共縮合重合するこ
とによって製造することができる。
【0052】前記フェノール類としては、例えばo−ク
レゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−
キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノ
ール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、
2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチ
ルフェノール等を挙げることができる。前記アルデヒド
類としては、例えばホルムアルデヒド、トリオキサン、
パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアル
デヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒ
ド等を挙げることができる。
【0053】アルカリ可溶性樹脂中における酸性官能基
を有する繰返し単位の含有率は、必要に応じて含有され
る他の繰返し単位の種類により一概に規定できないが、
通常、15〜100モル%、さらに好ましくは20〜1
00モル%である。
【0054】アルカリ可溶性樹脂のMwは、タイプB又
はタイプCのレジスト溶液の所望の特性に応じて変わる
が、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ま
しくは3,000〜100,000である。アルカリ可溶
性樹脂は、炭素−炭素不飽和結合を含有する繰返し単位
を有する場合、水素添加して用いることもできる。
【0055】タイプB又はタイプCのレジスト溶液にお
いて、アルカリ可溶性樹脂は単独で又は2種以上を混合
して使用することができる。
【0056】溶解制御剤 タイプBのレジスト溶液において使用される溶解制御剤
は、酸と接触する前は上記(a)アルカリ可溶性樹脂の
アルカリ現像液に対する溶解性を制御する化合物であっ
て、酸と接触することにより膜中に存在する水により自
らが加水分解し、その結果(i) 加水分解する前に溶解制
御剤が有する、上記(a)アルカリ可溶性樹脂のアルカ
リ現像液に対する溶解性を制御する効果を低下もしくは
消失するか、または(ii)上記(a)アルカリ可溶性樹脂
のアルカリ現像液に対する溶解性をむしろ促進させるよ
うになる、化合物である。
【0057】このような溶解制御剤としては、フェノー
ル性水酸基、カルボキシル基等で例示される酸性官能基
の水素原子を、前述した酸分解性基含有樹脂が含有する
酸分解性基により置換した化合物を挙げることができ
る。前述した酸分解性基含有樹脂は、タイプBのレジス
ト溶液において溶解制御剤として用いることができる。
【0058】溶解制御剤は、低分子化合物あるいは前述
の酸分解性基で置換した高分子化合物であることができ
る。好ましい溶解制御剤としては、ビスフェノールA、
ビスフェノールF及びビスフェノールSで例示される多
価フェノール性化合物あるいはヒドロキシフェニル酢酸
で例示されるカルボン酸化合物に前記酸分解性基を導入
した化合物等を挙げることができる。
【0059】具体的には、以下の化学式(9)及び(1
0)で示される化合物を挙げることができる。
【0060】
【化4】
【0061】タイプBのレジスト溶液において、溶解制
御剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することが
でき、また、低分子化合物と高分子化合物とを併用する
こともできる。
【0062】タイプBのレジスト溶液におけるアルカリ
可溶性樹脂、感放射線性酸発生剤及び溶解制御剤の配合
割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当り、感放射
線性酸発生剤が、好ましくは0.05〜20重量部、さ
らに好ましくは0.1〜15重量部、特に好ましくは0.
5〜10重量部であり、溶解制御剤が、好ましくは5〜
150重量部、さらに好ましくは5〜100重量部、特
に好ましくは5〜50重量部である。特にタイプBのレ
ジスト溶液では、感放射線性酸発生剤はオニウム塩が好
ましく、その時0.05〜20重量部、特に0.5〜10
重量部が好ましい。
【0063】各成分の重量割合が上記範囲を満たすこと
により、放射線の照射により発生した酸による化学変化
をより有効に起こすことが可能であり、タイプBのレジ
スト溶液を塗布する際に塗布むらが生ずることが一層抑
制され、現像時にスカムが発生することが少ない。ま
た、溶解制御剤に基づく所望の作用がより効果的に得ら
れ、タイプBのレジスト溶液の成膜性及び膜強度も一層
適切な水準となる。
【0064】なお、溶解制御剤はタイプAのレジスト溶
液に添加することもでき、この場合の添加量は、酸分解
性基含有樹脂100重量部に対して、50重量部以下が
好ましい。
【0065】架橋剤 次に、タイプCのレジスト溶液において使用される架橋
剤は、酸の存在下で、例えば放射線の照射により生じた
酸の存在下で、アルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物
である。このような架橋剤としては、アルカリ可溶性樹
脂と酸の存在下に反応して架橋結合を生成し得る基(以
下、「架橋性基」と称することができる)を分子内に少
なくとも1個有する化合物を挙げることができる。
【0066】前記架橋性基としては、例えば下記式(1
1)〜(15)
【0067】
【化5】
【0068】(ここで、lは1又は2であり、lが1の
とき、Xは単結合、−O−、−S−、−CO−O−及び
−NH−から選ばれるいずれかであり、lが2のとき、
Xは3価のNであり、Yは−O−又は−S−であり、m
は0から3の整数、nは1〜3の整数、n+mは4以下
を示す。)
【0069】
【化6】
【0070】(ここで、kは0又は1以上の整数、Zは
−O−、−CO−O−又は−CO−から選ばれるいずれ
かであり、R1及びR2は、相互に同一でも異なってもよ
く、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R3は炭
素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基
又は炭素数7〜14のアラルキル基を示す。)
【0071】
【化7】
【0072】(ここで、R4、R5及びR6は相互に同一
でも異なってもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアル
キル基を示す。)
【0073】
【化8】
【0074】(ここで、kは0又は1以上の整数、R1
及びR2は、相互に同一でも異なってもよく、水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基、R7及びR8は炭素数1
〜5のアルコキシ基又はアルコキシアルキル基を示
す。)
【0075】
【化9】
【0076】(ここで、kは0又は1以上の整数、R1
又はR2は、相互に同一でも異なってもよく、水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基、R9は酸素、硫黄及び
窒素から選ばれるいずれかのヘテロ原子を有し、R9
結合している窒素原子を含めて3〜8員環を形成し得る
2価の有機基を示す。)で示される基等を挙げることが
できる。
【0077】このような架橋性基の具体例としては、グ
リシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジ
ルアミノ基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベ
ンジルオキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエ
チルアミノメチル基、ジメチロールアミノメチル基、ジ
エチロールアミノメチル基、モルホリノメチル基、アセ
トキシメチル基、ベンゾイロキシメチル基、ホルミル
基、アセチル基、ビニル基及びイソプロペニル基が挙げ
られる。
【0078】前記架橋性基を有する化合物、すなわち架
橋剤の具体例としては、ビスフェノールA系エポキシ化
合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノ
ールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化
合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキ
シスチレン)系エポキシ化合物、メチロール基含有メラ
ミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合
物、メチロール基含有尿素化合物、メチロール基含有フ
ェノール化合物、アルコキシアルキル基含有メラミン化
合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合
物、アルコキシアルキル基含有尿素化合物、アルコキシ
アルキル基含有フェノール化合物、カルボキシメチル基
含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグ
アナミン化合物、カルボキシメチル基含有尿素化合物及
びカルボキシメチル基含有フェノール化合物を挙げるこ
とができる。
【0079】これらの架橋剤のうち、メチロール基含有
フェノール化合物、メトキシメチル基含有メラミン化合
物、メトキシメチル基含有フェノール化合物、アセトキ
シメチル基含有フェノール化合物等が好ましく、さらに
好ましいのはメトキシメチル基含有メラミン化合物であ
る。メトキシメチル基含有メラミン化合物の市販品に
は、CYMEL300、CYMEL301、CYMEL
303、CYMEL305(商品名、三井サイアナミッ
ド製)等があり、具体例としては下記式(16)で表わ
される化合物(c)を挙げることができる。
【0080】
【化10】
【0081】上記以外の架橋剤として、さらに、アルカ
リ可溶性樹脂中の酸性官能基に前記架橋性基を導入し、
架橋剤としての性質を付与した樹脂も好適である。その
場合の架橋性基の導入率は、アルカリ可溶性樹脂中の全
酸性官能基量に対して、通常、5〜60モル%、好まし
くは10〜50モル%、さらに好ましくは15〜40モ
ル%に調節される。タイプCのレジスト溶液において、
これら架橋剤は、単独で又は2種以上を混合して使用す
ることができる。
【0082】タイプCのレジスト溶液におけるアルカリ
可溶性樹脂、感放射線性酸発生剤及び架橋剤の配合割合
は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当り、感放射線性
酸発生剤が、好ましくは0.05〜20重量部、さらに
好ましくは0.1〜15重量部、特に好ましくは0.5〜
10重量部であり、架橋剤が、好ましくは5〜95重量
部、さらに好ましくは15〜85重量部、特に好ましく
は20〜75重量部である。さらに感放射線性酸発生剤
としては、ハロゲン含有化合物が好ましく、この場合
0.05〜20重量部、特に0.5〜10重量部が好まし
い。上記割合を満たすことにより、放射線の照射により
発生した酸触媒による化学変化をより有効に起こすこと
が可能となり、レジスト溶液を塗布して形成される被膜
に発生する塗布むらの発生および現像時のスカムの発生
がより減少し、また架橋もより適切に進行し、残膜率の
低下、パターンの蛇行、パターンの膨潤等の問題の発生
もより少なく、現像性も一層適切となる。
【0083】各種添加剤
【0084】本発明の化学増幅型レジスト溶液には必要
に応じて、界面活性剤、増感剤等の各種添加剤を配合す
ることができる。
【0085】前記界面活性剤は、化学増幅型レジスト溶
液の塗布性やストリエーション、レジストの現像性等を
改良する作用を示す。このような界面活性剤としては、
例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオ
レイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレ
ングリコールジステアレートのほか、商品名で、KP3
41(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、No.
95(共栄社油脂化学工業製)、エフトップEF30
1、EF303、EF352(トーケムプロダクツ
製)、メガファックスF171、F172、F173
(大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、
FC431(住友スリーエム製)、アサヒガードAG7
10、サーフロンS−382、SC−101、SC−1
02、SC−103、SC−104、SC−105及び
SC−106(旭硝子製)等が挙げられる。これらの界
面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。
【0086】界面活性剤の配合量は、化学増幅型レジス
ト溶液中の酸分解性基含有樹脂、アルカリ可溶性樹脂等
の全樹脂成分100重量部当り、通常、界面活性剤の有
効成分で換算して2重量部以下である。
【0087】前記増感剤は、放射線のエネルギーを吸収
して、そのエネルギーを感放射線性酸発生剤に伝達し、
それにより酸の生成量を増加する作用を示すもので、本
発明の化学増幅型レジスト溶液から形成されるレジスト
被膜の見掛けの感度を向上させる効果を有する。好まし
い増感剤としては、ケトン類、ベンゼン類、アセトフェ
ノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル
類、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセ
ン類及びフェノチアジン類を挙げることができる。これ
らの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用す
ることができる。増感剤の配合量は、化学増幅型レジス
ト溶液中の酸分解性基含有樹脂、アルカリ可溶性樹脂等
の全樹脂成分100重量部当り、通常、50重量部以
下、好ましくは30重量部以下である。
【0088】また、本発明の化学増幅型レジスト溶液に
染料あるいは顔料を配合することにより、露光部の潜像
を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和で
き、また接着助剤を配合することにより、基板との接着
性を改善することができる。さらに、他の添加剤として
は、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等が挙
げられる。ハレーション防止剤の具体例として4−ヒド
ロキシ−4’−メチルカルコンを挙げることができる。
【0089】また、形状改良剤として、特開平5−23
2706号公報に記載されている含窒素化合物を使用す
ることにより、本発明のレジスト溶液について、PED
改良効果をさらに改善することができる。このような形
状改良剤としては、例えば4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル、ニコチン酸アミドを挙げることができる。
この場合、形状改良剤の使用量は、化学増幅型レジスト
溶液中の酸分解性基含有樹脂、アルカリ可溶性樹脂等の
全樹脂成分100重量部に対して、通常、0.001〜
10重量部が好ましく、特に好ましくは0.01〜5重
量部である。
【0090】溶剤 本発明の化学増幅型レジスト溶液に使用される溶剤は、
β−メトキシイソ酪酸メチルを含有する溶剤である。
【0091】この溶剤を用いることにより本発明の化学
増幅型レジスト溶液は、優れた保存安定性を有する。す
なわち、例えばタイプA〜Cのレジスト溶液を調製後、
長時間経過した後においても、これらのレジスト溶液か
ら形成されるレジスト被膜は良好な感度が維持されると
共にレジストパターン形状を再現性良く与えることがで
きる。
【0092】本発明の化学増幅型レジスト溶液は、溶剤
としてβ−メトキシイソ酪酸メチル以外の溶剤を含むこ
とができる。しかし、溶剤中にはβ−メトキシイソ酪酸
メチルが30重量%以上占めることが好ましく、特には
50重量%以上、とりわけ70重量%以上占めることが
好ましい。最も好ましいのは、溶剤が実質的にβ−メト
キシイソ酪酸メチルのみからなる場合である。
【0093】本発明の化学増幅型レジスト溶液が含むこ
とができる他の溶剤としては、例えば、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレ
ングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコール
モノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコール
モノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコール
モノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、
ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレン
グリコールジアルキルエーテル類;
【0094】プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモ
ノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチル
エーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プ
ロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレング
リコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジ
アルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノア
ルキルエーテルアセテート類;
【0095】乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピ
ル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチ
ル等の乳酸エステル類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸
n−プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸n−ブチル、ギ
酸イソブチル、ギ酸n−アミル、ギ酸イソアミル、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロ
ピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミ
ル、酢酸イソアミル、酢酸n−ヘキシル、プロピオン酸
メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピ
ル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチ
ル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチ
ル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブ
チル、酪酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル
類;
【0096】ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−
メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸
エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキ
シプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチ
ル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブ
チルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセ
テート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネー
ト、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセ
ト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、
ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
【0097】トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチ
ルブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4
−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−メ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラ
クトン等のラクトン類等を挙げることができる。
【0098】これらの溶剤は、単独で又は2種以上を混
合して使用することができる。
【0099】また、全溶剤の配合量は、化学増幅型レジ
スト溶液の中に含まれる酸分解性基含有樹脂、アルカリ
可溶性樹脂等の全樹脂成分100重量部に対して、通
常、20〜3000重量部、好ましくは50〜3000
重量部、さらに好ましくは100〜2000重量部であ
る。
【0100】本発明の化学増幅型レジスト溶液は、例え
ば固形分濃度5〜50重量%の溶液を、孔径0.2μm
程度のフィルターで濾過することによって調製される。
【0101】本発明の化学増幅型レジスト溶液からレジ
ストパターンを形成する際には、該組成物を、回転塗
布、流延塗布、ロール塗布等の手段によって、例えばシ
リコンウエハー、厚さ約0.2μmのアルミニウムで被
覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レ
ジスト被膜を形成し、所望のパターンを形成するように
該レジスト被膜に放射線を照射する。その際に使用する
放射線は、使用する感放射線性酸発生剤の種類に応じ
て、i線等の紫外線;KrFエキシマレーザー等の遠紫
外線;シンクロトロン放射線等のX線;電子線等の荷電
粒子線を適宜選択して使用する。
【0102】本発明の化学増幅型レジスト溶液を用いて
レジストパターンを形成する際には、作業雰囲気中に含
まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、レジスト
被膜上に保護膜を設けることもできる。
【0103】また、レジスト被膜のみかけの感度を向上
させるために、放射線の照射後に焼成を行うことが好ま
しい。その加熱条件は、通常30〜200℃、好ましく
は50〜150℃である。
【0104】次いで、アルカリ現像液で現像することに
より、所定のレジストパターンを形成させる。前記アル
カリ現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸
ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピ
ルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、
トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8
−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、
1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等
のアルカリ性化合物を、通常、1〜10重量%、好まし
くは2〜5重量%の濃度となるように溶解したアルカリ
性水溶液が使用される。
【0105】また、前記現像液には、例えばメタノー
ル、エタノール等の水溶性有機溶剤及び界面活性剤を適
量添加することもできる。
【0106】なお、このようにアルカリ性水溶液からな
る現像液を使用する場合には、一般に、現像後、水で洗
浄する。
【0107】
【実施例】以下実施例及び比較例を挙げて、本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に
何ら制約されるものではない。実施例中、各種の特性
は、次のようにして評価した。
【0108】Mw 東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、
G3000HXL 1本、G4000XL 1本)を用い、
流量1.0ml/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カ
ラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標
準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ法により
測定した。塗膜形成性(塗布性) 化学増幅型レジスト溶液を、6インチのシリコンウェハ
ー上にスピンコートし、90℃で2分間の焼成をした後
に、形成されたレジスト被膜を観察した。塗布むら、曇
り及び異物がなく、表面平滑性が高い場合を良好とし
た。
【0109】感度 0.5μmのラインアンドスペースパターンが設計通り
にパターン形成できる放射線照射量を感度とした。単位
はmJ/cm2で示した。膜減り量 レジスト溶液の保存安定性を評価するために、テンコー
ル社製α−ステップにて現像前後のレジスト被膜の膜厚
を測定して算出した。膜減り量が初期の塗布膜厚に対し
10%以上の場合、不良と判定した。
【0110】合成例1 ポリヒドロキシスチレン30gをテトラヒドロフランに
溶解して、t−ブトキシカリウム10gを添加し、攪拌
下、0℃において、ジ−t−ブチルジカルボネート60
gを滴下し、4時間反応させた。反応終了後、この溶液
を水中に滴下し、析出した樹脂を真空乾燥器にて50℃
で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが15,000
で、NMR測定の結果からフェノール性水酸基の水素原
子の29%がt−ブトキシカルボニル基で置換された構
造であった。この樹脂を樹脂(I)とする。
【0111】合成例2 p−t−ブトキシスチレン300g、スチレン30g及
びアゾビスイソブチロニトリル1.6gをジオキサン3
30に溶解し、内温を70℃に保ちながら窒素雰囲気下
で12時間反応させた。反応後、再沈処理を行い未反応
モノマーを除去し、ポリ(p−t−ブトキシスチレン−
スチレン)共重合樹脂を得た。引き続き、この樹脂を酸
により加水分解し、Mwが18,000のポリ(p−ヒ
ドロキシスチレン−スチレン)共重合樹脂180gを得
た。NMRで共重合比を求めたところ、p−ヒドロキシ
スチレン:スチレン=85:15(モル比)であった。
この樹脂を樹脂(II)とする。
【0112】合成例3 ビニルフェノール20g、t−ブチルアクリレート20
g及びスチレン8.5gをジオキサン50gに溶解し、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0gを加えて
窒素ガスで30分間バブリングを行った後、バブリング
を継続しながら60℃に加熱し7時間重合を行った。重
合後、溶液を多量のヘキサン中に凝固させて樹脂を回収
した。この樹脂をアセトンに溶解した後、再度ヘキサン
中に凝固を行う操作を数回繰り返して、未反応単量体を
完全に除去し、一晩50℃、減圧下に樹脂を乾燥した。
得られた樹脂は白色で、収率は55%であった。NMR
分析の結果、樹脂の組成はビニルフェノール、t−ブチ
ルアクリレート及びスチレンがほぼ2:2:1の割合で
共重合したものであり、Mwは24,000であった。
この樹脂を樹脂(III)とする。
【0113】合成例4 ビニルフェノール26gとアクリル酸t−ブチル17g
及びプロピレングリコールモノメチルエーテル50gを
加え均一溶液とした後、窒素ガスで30分間バブリング
を行い、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス
(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)1.
9g(全モノマー量に対して2モル%)を加えて、バブ
リングを継続しながら内温を40℃に保ち7時間共重合
を行った。共重合後、共重合溶液を多量のヘキサンと混
合することによって樹脂を凝固させた。この樹脂をアセ
トンに溶解した後、再度ヘキサン中で凝固させる操作を
数回繰り返して、未反応モノマーを完全に除去し、50
℃の減圧下で樹脂を乾燥した。得られた樹脂は白色で、
収率は55%であった。NMR分析の結果、樹脂の組成
は、ビニルフェノールとアクリル酸t−ブチルが6:4
の割合(モル比)で共重合したものであり、Mwは2
2,000であった。この樹脂を樹脂(IV)とする。
【0114】合成例5 ポリヒドロキシスチレン24gをアセトン100ml中
に溶解し、ブロモ酢酸t−ブチル9.7g及び炭酸カリ
ウム7.6gを添加したのち、攪拌還流下で8時間反応
させた。次いで反応溶液を酢酸エチルで抽出し、5重量
%酢酸水溶液及び水で洗浄を行った。溶剤を減圧留去し
た後、再度樹脂をアセトンに溶解し、多量の水で凝固せ
しめることにより白色の樹脂を得た。樹脂の乾燥重量は
30gであり、Mwは12,000であった。NMR測
定の結果、この樹脂はフェノール性水酸基の23%がt
−ブトキシカルボニルメチル基で置換された構造を有す
るものであった。この樹脂を(V)とする。
【0115】合成例6 ビスフェノールA15gをテトラヒドロフランに溶解
し、その全水酸基のモル数に対して2倍量のジ−t−ブ
チルジカーボネートと0.3倍量のトリエチルアミンを
添加し、還流下6時間反応させた。その後、反応溶液を
水中に滴下し、生じた沈澱を真空乾燥器にて50℃で一
晩乾燥させた。このようにして前記式(9)で示される
溶解制御剤(a)を得た。
【0116】合成例7 合成例6において、ビスフェノールAに代えて、前述の
構造式(b)で示される化合物のt−ブトキシカルボニ
ル基が水素原子である化合物を用い、合成例6と同様の
操作を行なうことにより、前記式(10)で示される溶
解制御剤(b)を得た。
【0117】実施例1〜13及び比較例1〜8 表1に示される溶剤に、表1に示される他の成分を混合
し、さらに実施例1〜13では4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテルを(樹脂100重量部に対し)0.5重
量部添加し、均一に溶解した後、0.2μmのフィルタ
ーで精密濾過することにより異物を除去して、化学増幅
型レジスト溶液を得た。得られた化学増幅型レジスト溶
液を、6インチのシリコンウェハー上に回転塗布した後
に、100℃で2分間焼成を行い、形成された膜厚1μ
mのレジスト被膜にマスクを介して放射線照射した。こ
こで、放射線照射にはアドモンサイエンス社製のKrF
エキシマレーザー照射装置(MBK−400TL−N)
を用いた。その後110℃で2分間焼成を行い、テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液
で60秒間、23℃にて現像し、次いで水で30秒間リ
ンスすることにより、レジストパターンを形成した。な
お、化学増幅型レジスト溶液を用いたレジストパターン
の形成は、同一溶液について調製直後と調製30日後の
ものについて行った。得られた結果を表2に示した。
【0118】表1中の感放射線性酸発生剤、溶解制御
剤、架橋剤及び溶剤は次のとおりである。感放射線性酸発生剤
【0119】:前記式(3)で示される化合物 :前記式(4)で示される化合物 :前記式(5)で示される化合物 :前記式(6)で示される化合物 :前記式(7)で示される化合物 :前記式(8)で示される化合物
【0120】溶解制御剤 (a):前記式(9)で示される溶解制御剤 (b):前記式(10)で示される溶解制御剤架橋剤 (c):前記式(16)で示される化合物溶剤 MBM :β−メトキシイソ酪酸メチル EL :乳酸エチル(2−ヒドロキシプロピオン酸
エチル) EEP :3−エトキシプロピオン酸エチル PGDME:プロピレングリコールジメチルエーテル MMP :3−メトキシプロピオン酸メチル BA :酢酸ブチル ECA :エチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート
【0121】また表1中、樹脂(VI)は水素添加ポリ
(ヒドロキシスチレン)(商品名PHM−C、丸善石油
化学(株)製)を示す。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
【発明の効果】本発明の化学増幅型レジスト溶液は、感
度及び解像度等に優れるレジスト被膜を与える。特に大
口径化された基板へスピンコート法により塗布して得ら
れるレジスト被膜は、塗布むら、曇りが実質的になくそ
の表面は平滑である。また、微細加工を安定的に行なう
ことができ、保存安定性に優れ、良好なパターン形状を
与える。さらに、本発明の化学増幅型レジスト溶液は、
i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー等の遠紫外
線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒
子線等の放射線のいずれにも対応でき、今後さらに微細
化が進行すると予想される集積回路製造用の化学増幅型
レジスト被膜を形成するための溶液として有利に使用で
きる。
【0125】以上、詳述した本発明の化学増幅型レジス
トを、その好ましい態様を含めて付記する。 1. 溶剤の成分としてβ−メトキシイソ酪酸メチルを含
有する溶剤の溶液であることを特徴とする化学増幅型レ
ジスト溶液。 2. 溶剤がβ−メトキシイソ酪酸メチルを30重量%以
上含有する上記1に記載の化学増幅型レジスト溶液。 3. 溶剤がβ−メトキシイソ酪酸メチルを50重量%以
上含有する上記2に記載の化学増幅型レジスト溶液。 4. 溶剤が実質的にβ−メトキシイソ酪酸メチルのみか
らなる上記3に記載の化学増幅型レジスト溶液。
【0126】5. 下記(a)成分、(b)成分及び
(c)成分 (a)酸分解性基を高分子鎖に有してアルカリ現像液に
不溶ないし難溶であり、酸との接触により該酸分解性基
が加水分解してアルカリ可溶性に変化する酸分解性基含
有樹脂、(b)放射線の照射により酸を発生する感放射
線性酸発生剤、(c)溶剤、の溶液である上記1〜4の
いずれかに記載の化学増幅系レジスト溶液。 6. (a)成分100重量部当り、(b)成分が0.0
5〜20重量部、(c)成分が20〜3,000重量部
の割合である上記5に記載の化学増幅型レジスト溶液。
【0127】7. 下記(a)成分、(b)成分、(c)
成分及び(d)成分 (a)アルカリ可溶性樹脂、(b)放射線の照射により
酸を発生する感放射線性酸発生剤、(c)酸と接触する
前は上記(a)アルカリ可溶性樹脂のアルカリ現像液に
対する溶解性を制御し、酸と接触することにより膜中に
存在する水により自らが加水分解し、その結果(i) 加水
分解する前に溶解制御剤が有する、上記(a)アルカリ
可溶性樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性を制御する
効果を低下もしくは消失するか、または(ii)上記(a)
アルカリ可溶性樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性を
むしろ促進させるようになる、溶解制御剤、(d)溶
剤、の溶液である上記1〜4のいずれかに記載の化学増
幅型レジスト溶液。 8. (a)成分100重量部当り、(b)成分が0.0
5〜20重量部、(c)成分が5〜150重量部、
(d)成分が20〜3,000重量部の割合である上記
7に記載の化学増幅型レジスト溶液。
【0128】9. 下記(a)成分、(b)成分、(c)
成分及び(d)成分 (a)アルカリ可溶性樹脂、(b)放射線の照射により
酸を発生する感放射線性酸発生剤、(c)酸の存在によ
り上記(a)アルカリ可溶性樹脂と反応して該樹脂を架
橋する架橋剤、(d)溶剤、の溶液である上記1〜4の
いずれかに記載の化学増幅型レジスト溶液。 10. (a)成分100重量部当り、(b)成分が0.
05〜20重量部、(c)成分が5〜95重量部、
(d)成分が20〜3,000重量部の割合である上記
9に記載の化学増幅型レジスト溶液。 11. 化学増幅型レジスト溶液がシリコンウェハー上に
高集積回路のレジストパターンを形成するためのレジス
ト被膜を形成するためのものである上記1〜10に記載
の化学増幅型レジスト溶液。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤の成分としてβ−メトキシイソ酪酸
    メチルを含有する溶剤の溶液であることを特徴とする化
    学増幅型レジスト溶液。
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