JPH07258496A - 架橋性樹脂組成物および架橋成形体 - Google Patents
架橋性樹脂組成物および架橋成形体Info
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- JPH07258496A JPH07258496A JP5548294A JP5548294A JPH07258496A JP H07258496 A JPH07258496 A JP H07258496A JP 5548294 A JP5548294 A JP 5548294A JP 5548294 A JP5548294 A JP 5548294A JP H07258496 A JPH07258496 A JP H07258496A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 耐溶剤性に優れ且つ可撓性を有する架橋成形
体の提供。 【構成】 (a)フッ素含有樹脂 10
0重量部 (b)シラン変性オレフィン重合体 5〜
300重量部、および (c)オレフィン重合体と酢酸ビニル単量体またはアル
キルアクリレート単量体をグラフト反応条件に付して得
られる改質重合体 5〜50重量部 を含有する架橋性樹脂組成物、およびその架橋成形体。
体の提供。 【構成】 (a)フッ素含有樹脂 10
0重量部 (b)シラン変性オレフィン重合体 5〜
300重量部、および (c)オレフィン重合体と酢酸ビニル単量体またはアル
キルアクリレート単量体をグラフト反応条件に付して得
られる改質重合体 5〜50重量部 を含有する架橋性樹脂組成物、およびその架橋成形体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素含有樹脂、シラ
ン変性オレフィン重合体、およびオレフィン重合体と酢
酸ビニル単量体またはアルキルアルキレート単量体をグ
ラフト反応条件に付して得られる改質重合体を含有する
架橋性樹脂組成物、ならびに該組成物からの架橋成形体
に関するものである。
ン変性オレフィン重合体、およびオレフィン重合体と酢
酸ビニル単量体またはアルキルアルキレート単量体をグ
ラフト反応条件に付して得られる改質重合体を含有する
架橋性樹脂組成物、ならびに該組成物からの架橋成形体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術と課題】フッ素含有樹脂は、一般的に耐溶
剤性に優れ、吸水性もなく、耐候性、耐熱性、耐摩耗
性、非粘着性等が優れている。例えば、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)は、フッ素含有樹脂の代表的
なものであり、耐熱性が優れていることから化学装置の
配管の内面被覆用材料やパッキング用材料等として、ま
た、表面の潤滑性に優れることから無給油の軸受や摺動
材として広く使用されている。
剤性に優れ、吸水性もなく、耐候性、耐熱性、耐摩耗
性、非粘着性等が優れている。例えば、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)は、フッ素含有樹脂の代表的
なものであり、耐熱性が優れていることから化学装置の
配管の内面被覆用材料やパッキング用材料等として、ま
た、表面の潤滑性に優れることから無給油の軸受や摺動
材として広く使用されている。
【0003】しかしながら、PTFEは融点が高く、加
熱溶融しにくいため、成形性が悪く、焼結成形法により
成形しなければならない欠点を有している。そのため、
テトラフルオロエチレン以外のフッ素含有不飽和単量体
や他の不飽和単量体を用いてのテトラフルオロエチレン
との共重合体、あるいはテトラフルオロエチレンを用い
ないフッ素含有樹脂により、PTFEの成形性を改良
し、熱可塑性でしかもPTFEの特性を有するものが得
られるようになってきた。しかし、これらのフッ素含有
樹脂は、上記特性に優れるものの高価であるため、汎用
には安価な素材との複合が有用であると考えられる。フ
ッ素含有樹脂と相溶性のある素材として、ポリアルキル
メタクリレート類が知られているが、複合化された材料
は可撓性に乏しいため、柔軟性が要求される被覆材、チ
ューブ等の用途には充分ではなかった。
熱溶融しにくいため、成形性が悪く、焼結成形法により
成形しなければならない欠点を有している。そのため、
テトラフルオロエチレン以外のフッ素含有不飽和単量体
や他の不飽和単量体を用いてのテトラフルオロエチレン
との共重合体、あるいはテトラフルオロエチレンを用い
ないフッ素含有樹脂により、PTFEの成形性を改良
し、熱可塑性でしかもPTFEの特性を有するものが得
られるようになってきた。しかし、これらのフッ素含有
樹脂は、上記特性に優れるものの高価であるため、汎用
には安価な素材との複合が有用であると考えられる。フ
ッ素含有樹脂と相溶性のある素材として、ポリアルキル
メタクリレート類が知られているが、複合化された材料
は可撓性に乏しいため、柔軟性が要求される被覆材、チ
ューブ等の用途には充分ではなかった。
【0004】一方、フッ素含有樹脂の複合化の試みとし
て、該樹脂と相溶性のある、特定の酢酸ビニルまたはア
クリルアルキレートをグラフトした改質エチレン重合体
を配合したフッ素含有樹脂組成物が提案されている(特
公平4−20940号、特公昭4−73459号公
報)。しかし、これら改質エチレン重合体は極性が高い
ため、複合化したものはフッ素含有樹脂単体に比べる
と、耐溶剤性が低下する問題がある。
て、該樹脂と相溶性のある、特定の酢酸ビニルまたはア
クリルアルキレートをグラフトした改質エチレン重合体
を配合したフッ素含有樹脂組成物が提案されている(特
公平4−20940号、特公昭4−73459号公
報)。しかし、これら改質エチレン重合体は極性が高い
ため、複合化したものはフッ素含有樹脂単体に比べる
と、耐溶剤性が低下する問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した欠
点を改良することを目的として鋭意検討を行った結果、
フッ素含有樹脂に特定の変性ポリオレフィンを配合した
架橋性フッ素含有樹脂組成物が耐溶剤性に優れ且つ可撓
性を有する架橋成形体が得られるとの知見を得て本発明
を完成するに至ったものである。即ち、本発明によれ
ば、 (a)フッ素含有樹脂 100重量部 (b)シラン変性オレフィン重合体 5〜
300重量部、および (c)オレフィン重合体と酢酸ビニル単量体またはアル
キルアルキレート単量体をグラフト反応条件に付して得
られる改質重合体 5〜50重量部 を含有することを特徴とする架橋性樹脂組成物、および
該架橋性樹脂組成物をシラノール縮合触媒の存在下に水
雰囲気に曝して架橋させてなる架橋成形体が提供され
る。
点を改良することを目的として鋭意検討を行った結果、
フッ素含有樹脂に特定の変性ポリオレフィンを配合した
架橋性フッ素含有樹脂組成物が耐溶剤性に優れ且つ可撓
性を有する架橋成形体が得られるとの知見を得て本発明
を完成するに至ったものである。即ち、本発明によれ
ば、 (a)フッ素含有樹脂 100重量部 (b)シラン変性オレフィン重合体 5〜
300重量部、および (c)オレフィン重合体と酢酸ビニル単量体またはアル
キルアルキレート単量体をグラフト反応条件に付して得
られる改質重合体 5〜50重量部 を含有することを特徴とする架橋性樹脂組成物、および
該架橋性樹脂組成物をシラノール縮合触媒の存在下に水
雰囲気に曝して架橋させてなる架橋成形体が提供され
る。
【0006】[発明の具体的説明] (1)フッ素含有樹脂 本発明で用いるフッ素含有樹脂としては、例えば、ポリ
フッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリ
フルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン
共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重
合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン共
重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体等市販のものが適宜使用され
るが、中でもポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン
等が好ましい。さらに、フッ素含有樹脂と相溶性のある
他の重合体をブレンドして用いることも可能であり、そ
の例としては、ポリフッ化ビニリデンとポリメチルメタ
クリレートとの配合物が知られている。勿論、通常配合
される各種可塑剤、安定剤、無機フィラー添加剤や顔料
等を配合することも可能である。
フッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリ
フルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン
共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重
合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン共
重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体等市販のものが適宜使用され
るが、中でもポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン
等が好ましい。さらに、フッ素含有樹脂と相溶性のある
他の重合体をブレンドして用いることも可能であり、そ
の例としては、ポリフッ化ビニリデンとポリメチルメタ
クリレートとの配合物が知られている。勿論、通常配合
される各種可塑剤、安定剤、無機フィラー添加剤や顔料
等を配合することも可能である。
【0007】(2)シラン変性オレフィン重合体 本発明で用いるシラン変性オレフィン重合体は、分子中
にアルコキシシラン基を含有するオレフィン重合体であ
って、該アルコキシシラン基によりポリマ−同士が架橋
されるものである。シラン変性オレフィン重合体の好ま
しい例は、アルコキシシラン基含有ビニル化合物で変性
されたオレフィン重合体である。具体的には、ビニルト
リメトキシシラン、γ−メタクロイルオキシプロピルト
リメトキシシランをオレフィン重合体にグラフト共重合
させたもの、またはアルコキシシラン基含有ビニル化合
物とエチレンとをランダム共重合させたものである。こ
れらのシラン変性オレフィン重合体については、例えば
特公昭48-1711号、特開昭59-36115号および特開昭55-96
11号公報に詳細に記載されており、また市場で入手する
ことができる。
にアルコキシシラン基を含有するオレフィン重合体であ
って、該アルコキシシラン基によりポリマ−同士が架橋
されるものである。シラン変性オレフィン重合体の好ま
しい例は、アルコキシシラン基含有ビニル化合物で変性
されたオレフィン重合体である。具体的には、ビニルト
リメトキシシラン、γ−メタクロイルオキシプロピルト
リメトキシシランをオレフィン重合体にグラフト共重合
させたもの、またはアルコキシシラン基含有ビニル化合
物とエチレンとをランダム共重合させたものである。こ
れらのシラン変性オレフィン重合体については、例えば
特公昭48-1711号、特開昭59-36115号および特開昭55-96
11号公報に詳細に記載されており、また市場で入手する
ことができる。
【0008】ここで用いられるオレフィン重合体として
は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1の如き炭素数2〜20程度のオレフィ
ンの単独または共重合体、あるいはこれらオレフィンの
過半重量と共重合性ビニルモノマーとの共重合体であ
る。共重合性ビニルモノマーとしては、例えば酢酸ビニ
ルのようなビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル
酸メチル、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和有機
酸類(それらのエステル、塩、無水物を含む)等を挙げ
ることができる。ここでいう共重合体とはランダム、ブ
ロック、グラフト各共重合体を含む。また、これらオレ
フィン重合体は2種以上を併用することもできる。これ
らシラン変性オレフィン重合体の好ましい例としては、
フッ素含有樹脂との相溶性および可撓性が良好であるこ
とから、シラン変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、シ
ラン変性エチレン−アクリル酸メチル共重合体、シラン
変性エチレン−メタクリル酸メチル共重合体が挙げられ
る。
は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1の如き炭素数2〜20程度のオレフィ
ンの単独または共重合体、あるいはこれらオレフィンの
過半重量と共重合性ビニルモノマーとの共重合体であ
る。共重合性ビニルモノマーとしては、例えば酢酸ビニ
ルのようなビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル
酸メチル、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和有機
酸類(それらのエステル、塩、無水物を含む)等を挙げ
ることができる。ここでいう共重合体とはランダム、ブ
ロック、グラフト各共重合体を含む。また、これらオレ
フィン重合体は2種以上を併用することもできる。これ
らシラン変性オレフィン重合体の好ましい例としては、
フッ素含有樹脂との相溶性および可撓性が良好であるこ
とから、シラン変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、シ
ラン変性エチレン−アクリル酸メチル共重合体、シラン
変性エチレン−メタクリル酸メチル共重合体が挙げられ
る。
【0009】(3)改質重合体 本発明の組成物の1成分を構成する改質重合体は、オレ
フィン重合体と酢酸ビニル単量体またはアルキルアクリ
レート単量体をグラフト反応条件に付して得られるもの
である。 1)原材料 (a)オレフィン重合体 本発明で用い得るオレフィン重合体としては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1などの炭素数2〜20程度のオレフィンの単独また
は共重合体、あるいはこれらオレフィンの過半重量と共
重合性ビニル単量体との共重合体を挙げることができ
る。共重合性ビニル単量体としては、例えば酢酸ビニル
のごときビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸グリシジル、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽
和有機酸類またはその誘導体(それらのエステル、塩、
無水物を含む)等を挙げることができる。ここで言う共
重合体はランダム、ブロック、グラフト各共重合体を含
む。また、これらのオレフィン重合体は2種以上を混合
して用いることもできる。
フィン重合体と酢酸ビニル単量体またはアルキルアクリ
レート単量体をグラフト反応条件に付して得られるもの
である。 1)原材料 (a)オレフィン重合体 本発明で用い得るオレフィン重合体としては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1などの炭素数2〜20程度のオレフィンの単独また
は共重合体、あるいはこれらオレフィンの過半重量と共
重合性ビニル単量体との共重合体を挙げることができ
る。共重合性ビニル単量体としては、例えば酢酸ビニル
のごときビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸グリシジル、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽
和有機酸類またはその誘導体(それらのエステル、塩、
無水物を含む)等を挙げることができる。ここで言う共
重合体はランダム、ブロック、グラフト各共重合体を含
む。また、これらのオレフィン重合体は2種以上を混合
して用いることもできる。
【0010】(b)酢酸ビニル単量体またはアルキルア
クリレート単量体 改質重合体を製造する際に使用される酢酸ビニル単量体
またはアルキルアクリレート(以下、両単量体を「ビニ
ル単量体」ということがある)は、通常市販のものを用
いることができる。アルキルアクリレート単量体の具体
例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル等
が挙げられる。また、これら酢酸ビニル単量体、アルキ
ルアクリレート単量体のみでなく、これらビニル単量体
の過半重量にこれと共重合可能な他のビニル単量体を混
合したものを用いてもよい。ここで他のビニル単量体と
しては、プロピオン酸ビニル、パーサチック酸ビニル等
のビニルエステル類;アクリル酸、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチ
ル、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸
ジ(2−エチルヘキシル)などの不飽和有機酸またはそ
の誘導体;スチレン、2,5−ジクロロスチレン等の不
飽和芳香族単量体;アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等の不飽和ニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン等の不飽和モノないしジハライド等がある。これらビ
ニル単量体の内、好ましいものとしては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルが挙げられ
る。
クリレート単量体 改質重合体を製造する際に使用される酢酸ビニル単量体
またはアルキルアクリレート(以下、両単量体を「ビニ
ル単量体」ということがある)は、通常市販のものを用
いることができる。アルキルアクリレート単量体の具体
例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル等
が挙げられる。また、これら酢酸ビニル単量体、アルキ
ルアクリレート単量体のみでなく、これらビニル単量体
の過半重量にこれと共重合可能な他のビニル単量体を混
合したものを用いてもよい。ここで他のビニル単量体と
しては、プロピオン酸ビニル、パーサチック酸ビニル等
のビニルエステル類;アクリル酸、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチ
ル、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸
ジ(2−エチルヘキシル)などの不飽和有機酸またはそ
の誘導体;スチレン、2,5−ジクロロスチレン等の不
飽和芳香族単量体;アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等の不飽和ニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン等の不飽和モノないしジハライド等がある。これらビ
ニル単量体の内、好ましいものとしては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルが挙げられ
る。
【0011】該ビニル単量体は前記オレフィン重合体1
00重量部に対して、通常10〜50重量部、好ましく
は15〜30重量部が添加される。添加は一括または分
割して添加することができる。上記のようなオレフィン
重合体およびビニル単量体をグラフト反応条件に付すに
当たっては、放射線による反応以外は通常ラジカル発生
剤を用いる。
00重量部に対して、通常10〜50重量部、好ましく
は15〜30重量部が添加される。添加は一括または分
割して添加することができる。上記のようなオレフィン
重合体およびビニル単量体をグラフト反応条件に付すに
当たっては、放射線による反応以外は通常ラジカル発生
剤を用いる。
【0012】(c)ラジカル発生剤 改質重合体を製造する際に使用されるラジカル発生剤と
しては、汎用のものが使用できるが、後に記載する好ま
しいグラフト反応方法との関係で、分解温度が50℃以
上であって、かつ油溶性であるものが好ましい。ここで
「分解温度」とは、ベンゼン1リットル中にラジカル発
生剤0.1モルを添加し、ある温度で10時間放置した
ときにラジカル発生剤の分解率が50%となるとき温度
である。いわゆる「10時間の半減期を得るための分解
温度」を意味する。この分解温度が低いものを用いる
と、ビニル単量体の重合が異常に進行してしまうことが
あり、オレフィン重合体中にビニル単量体のポリマーが
分散相として微細分散しているような、均質な改質重合
体が得られない欠点がある。しかし、この分解温度が高
いものと低いものを適宜組み合わせて段階的ないし連続
的に分解を行わせ、効率よくグラフト反応させることも
できる。
しては、汎用のものが使用できるが、後に記載する好ま
しいグラフト反応方法との関係で、分解温度が50℃以
上であって、かつ油溶性であるものが好ましい。ここで
「分解温度」とは、ベンゼン1リットル中にラジカル発
生剤0.1モルを添加し、ある温度で10時間放置した
ときにラジカル発生剤の分解率が50%となるとき温度
である。いわゆる「10時間の半減期を得るための分解
温度」を意味する。この分解温度が低いものを用いる
と、ビニル単量体の重合が異常に進行してしまうことが
あり、オレフィン重合体中にビニル単量体のポリマーが
分散相として微細分散しているような、均質な改質重合
体が得られない欠点がある。しかし、この分解温度が高
いものと低いものを適宜組み合わせて段階的ないし連続
的に分解を行わせ、効率よくグラフト反応させることも
できる。
【0013】この様なラジカル発生剤としては、例えば
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシピバレ−ト、o−メチルベンゾイルパーオ
キサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘ
キサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−
ブチル−ジパーオキシフタレート、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド等の有機過酸化物:アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)等のアゾ化合物等がある。
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシピバレ−ト、o−メチルベンゾイルパーオ
キサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘ
キサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−
ブチル−ジパーオキシフタレート、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド等の有機過酸化物:アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)等のアゾ化合物等がある。
【0014】ラジカル発生剤の使用量は、用いるビニル
単量体の量に対して0.01〜10重量%程度の範囲内
で、ラジカル発生剤の種類、反応条件により適宜加減す
る。使用量がこの量未満では、反応が円滑に進まず、一
方、この量超過では改質重合体中にゲルが生成しやすく
本発明の効果が発現されにくくなる。
単量体の量に対して0.01〜10重量%程度の範囲内
で、ラジカル発生剤の種類、反応条件により適宜加減す
る。使用量がこの量未満では、反応が円滑に進まず、一
方、この量超過では改質重合体中にゲルが生成しやすく
本発明の効果が発現されにくくなる。
【0015】2)改質重合体の製造 これら各原料成分をグラフト重合反応に付して改質重合
体を製造するのであるが、以下に説明する水性懸濁グラ
フト手法によって製造することが、ゲル分をコントロー
ルすることが容易な点で特に好ましい方法である。即
ち、オレフィン重合体粒子、ビニル単量体及びラジカル
発生剤を含む水性懸濁液を、この開始剤の分解が実質的
に起こらない温度に昇温し、該単量体を該オレフィン重
合体粒子にその含浸されていない遊離モノマーの量が2
0重量%未満となるように含浸させたのち、この水性懸
濁液をさらに昇温させてモノマーの重合を完結させる方
法が好ましくので、この方法について説明する。
体を製造するのであるが、以下に説明する水性懸濁グラ
フト手法によって製造することが、ゲル分をコントロー
ルすることが容易な点で特に好ましい方法である。即
ち、オレフィン重合体粒子、ビニル単量体及びラジカル
発生剤を含む水性懸濁液を、この開始剤の分解が実質的
に起こらない温度に昇温し、該単量体を該オレフィン重
合体粒子にその含浸されていない遊離モノマーの量が2
0重量%未満となるように含浸させたのち、この水性懸
濁液をさらに昇温させてモノマーの重合を完結させる方
法が好ましくので、この方法について説明する。
【0016】i)含浸工程 水性媒体中でオレフィン重合体粒子にビニル単量体を含
浸させる代表的な方法は、オレフィン重合体粒子の水性
懸濁液に、好ましくはラジカル発生剤(及び必要に応じ
てその他の添加剤)が溶存しているビニル単量体を加え
て撹拌するか、または、ラジカル発生剤が溶存したビニ
ル単量体の水性分散液にオレフィン重合体粒子を加えて
撹拌する方法により始まる。含浸工程では、工業的には
上記ラジカル発生剤が実質的に分解しない温度に昇温し
て効率よく含浸が行われるべきであり、一般には室温〜
100℃で操作するのが好ましい。オレフィン重合体は
ビニル単量体と比較的相溶性があるので、グラフト重合
反応開始前に20重量%未満のビニル単量体が遊離して
いても重合中にこれがオレフィン重合体粒子に含浸する
ので、遊離のビニル単量体のみが重合して得られるビニ
ル単量体の重合体粒子が、改質重合体粒子と独立して析
出することはない。含浸時間は2〜8時間程度が普通で
ある。
浸させる代表的な方法は、オレフィン重合体粒子の水性
懸濁液に、好ましくはラジカル発生剤(及び必要に応じ
てその他の添加剤)が溶存しているビニル単量体を加え
て撹拌するか、または、ラジカル発生剤が溶存したビニ
ル単量体の水性分散液にオレフィン重合体粒子を加えて
撹拌する方法により始まる。含浸工程では、工業的には
上記ラジカル発生剤が実質的に分解しない温度に昇温し
て効率よく含浸が行われるべきであり、一般には室温〜
100℃で操作するのが好ましい。オレフィン重合体は
ビニル単量体と比較的相溶性があるので、グラフト重合
反応開始前に20重量%未満のビニル単量体が遊離して
いても重合中にこれがオレフィン重合体粒子に含浸する
ので、遊離のビニル単量体のみが重合して得られるビニ
ル単量体の重合体粒子が、改質重合体粒子と独立して析
出することはない。含浸時間は2〜8時間程度が普通で
ある。
【0017】水性懸濁液中の改質重合体粒子及びビニル
単量体との水に対する使用量は、水100重量部に対し
て5〜100重量部程度であるのが普通である。この様
な水性懸濁液は単に撹拌を充分に行うだけでも安定に懸
濁状態に維持することができるが、適当な懸濁安定剤を
使用すればより容易かつ安定に懸濁液を調整することが
できる。この場合の懸濁安定剤としては、具体的には、
例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒド
ロキシセルロース等の水溶性高分子物質、アルキルベン
ゼンスルホネート等のような陰イオン性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面
活性剤、あるいは酸化マグネシウム、リン酸カルシウム
等の水不溶性の無機塩等が単独あるいは混合して水に対
して0.01〜10重量%程度の量で使用される。オレ
フィン重合体粒子にビニル単量体(及びラジカル発生剤
等)を含浸させる際に、可塑剤、滑剤、酸化防止剤等の
補助資材を同時に含浸させることができる(これらの補
助資材はオレフィン重合体に既に添加されている場合も
あり、またグラフト重合反応後に配合することもでき
る)。
単量体との水に対する使用量は、水100重量部に対し
て5〜100重量部程度であるのが普通である。この様
な水性懸濁液は単に撹拌を充分に行うだけでも安定に懸
濁状態に維持することができるが、適当な懸濁安定剤を
使用すればより容易かつ安定に懸濁液を調整することが
できる。この場合の懸濁安定剤としては、具体的には、
例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒド
ロキシセルロース等の水溶性高分子物質、アルキルベン
ゼンスルホネート等のような陰イオン性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面
活性剤、あるいは酸化マグネシウム、リン酸カルシウム
等の水不溶性の無機塩等が単独あるいは混合して水に対
して0.01〜10重量%程度の量で使用される。オレ
フィン重合体粒子にビニル単量体(及びラジカル発生剤
等)を含浸させる際に、可塑剤、滑剤、酸化防止剤等の
補助資材を同時に含浸させることができる(これらの補
助資材はオレフィン重合体に既に添加されている場合も
あり、またグラフト重合反応後に配合することもでき
る)。
【0018】ii)グラフト重合工程 この様にして調製した水性懸濁液を昇温して、使用した
ラジカル発生剤が適当な速度で分解する温度以上に到ら
せれば、含浸されたビニル単量体は重合して改質重合体
粒子が生成する。重合進行中の水性懸濁液は、適当に撹
拌することが好ましい。重合温度は一般に50〜100
℃の範囲で適宜選択すべきであるが、重合工程を通じて
一定である必要はない。重合温度が100℃を超えると
ゲル化を起こし易くなるばかりでなく、撹拌により粒子
の割裂細粒化や粒子同士の融着塊状化も起こし易くな
る。
ラジカル発生剤が適当な速度で分解する温度以上に到ら
せれば、含浸されたビニル単量体は重合して改質重合体
粒子が生成する。重合進行中の水性懸濁液は、適当に撹
拌することが好ましい。重合温度は一般に50〜100
℃の範囲で適宜選択すべきであるが、重合工程を通じて
一定である必要はない。重合温度が100℃を超えると
ゲル化を起こし易くなるばかりでなく、撹拌により粒子
の割裂細粒化や粒子同士の融着塊状化も起こし易くな
る。
【0019】重合時間は2〜10時間程度であるのが普
通である。重合後、通常のビニルモノマー(例えばスチ
レン)の水性懸濁重合の後処理と同様の処理を行えば、
使用したオレフィン重合体粒子の形状がほぼそのまま保
持された改質重合体粒子が得られる。従って、改質前に
用いるオレフィン重合体は、粉末状でもよいが、後の成
形加工時のハンドリングを考慮すると粒子状である方が
便利である。即ち、粒子寸法は、通常成形材料として用
いられる程度のものである方が生成される改質重合体を
そのまま成形材料に用いることができて好ましく、一般
には平均粒径1〜8mm、好ましくは3〜7mm程度であ
る。その寸法は、改質処理前後でさして変化が認められ
ない。得られた改質重合体は、ビニル単量体が1重量%
以上、好ましくは2重量%以上から100重量%までの
量でグラフト共重合されたものである。
通である。重合後、通常のビニルモノマー(例えばスチ
レン)の水性懸濁重合の後処理と同様の処理を行えば、
使用したオレフィン重合体粒子の形状がほぼそのまま保
持された改質重合体粒子が得られる。従って、改質前に
用いるオレフィン重合体は、粉末状でもよいが、後の成
形加工時のハンドリングを考慮すると粒子状である方が
便利である。即ち、粒子寸法は、通常成形材料として用
いられる程度のものである方が生成される改質重合体を
そのまま成形材料に用いることができて好ましく、一般
には平均粒径1〜8mm、好ましくは3〜7mm程度であ
る。その寸法は、改質処理前後でさして変化が認められ
ない。得られた改質重合体は、ビニル単量体が1重量%
以上、好ましくは2重量%以上から100重量%までの
量でグラフト共重合されたものである。
【0020】(3)組成物の配合および成形 本発明の組成物を構成する各成分の配合割合は、(a)フ
ッ素含有樹脂100重量部、(b)シラン変性オレフィン
重合体5〜300重量部および(c)改質重合体5〜50
重量部であり、好ましくは(a)フッ素含有樹脂100重
量部、(b)シラン変性オレフィン重合体15〜200重
量部および(c)改質重合体7〜40重量部、さらに好ま
しくは、(a)フッ素含有樹脂100重量部、(b)シラン
変性オレフィン重合体20〜150重量部および(c)改
質重合体10〜30重量部である。シラン変性オレフィ
ン重合体の量が上記範囲未満では架橋の効果、即ち耐溶
剤性の改良効果が十分に発現されず、また上記範囲超過
ではフッ素含有樹脂の特性が発現されず好ましくない。
一方、改質重合体の量が上記範囲未満ではフッ素含有樹
脂とシラン変性オレフィン重合体との相溶性を十分に発
現できないので均一な成形体が得られず、上記範囲超過
では耐溶剤性の改良効果が十分に発現されず好ましくな
い。
ッ素含有樹脂100重量部、(b)シラン変性オレフィン
重合体5〜300重量部および(c)改質重合体5〜50
重量部であり、好ましくは(a)フッ素含有樹脂100重
量部、(b)シラン変性オレフィン重合体15〜200重
量部および(c)改質重合体7〜40重量部、さらに好ま
しくは、(a)フッ素含有樹脂100重量部、(b)シラン
変性オレフィン重合体20〜150重量部および(c)改
質重合体10〜30重量部である。シラン変性オレフィ
ン重合体の量が上記範囲未満では架橋の効果、即ち耐溶
剤性の改良効果が十分に発現されず、また上記範囲超過
ではフッ素含有樹脂の特性が発現されず好ましくない。
一方、改質重合体の量が上記範囲未満ではフッ素含有樹
脂とシラン変性オレフィン重合体との相溶性を十分に発
現できないので均一な成形体が得られず、上記範囲超過
では耐溶剤性の改良効果が十分に発現されず好ましくな
い。
【0021】本発明の組成物には、上記(a)、(b)
および(c)の必須成分の他に付加的成分を本発明の効
果を損なわない範囲の量で添加することができる。付加
的成分としては、例えば他の熱可塑性樹脂、ゴム物質、
無機フィラー、顔料、可塑剤、各種安定剤(光安定剤、
アンチブロック剤、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤な
ど)等である。
および(c)の必須成分の他に付加的成分を本発明の効
果を損なわない範囲の量で添加することができる。付加
的成分としては、例えば他の熱可塑性樹脂、ゴム物質、
無機フィラー、顔料、可塑剤、各種安定剤(光安定剤、
アンチブロック剤、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤な
ど)等である。
【0022】上記の成分をドライブレンドして直接成形
してもよいが、一般には予めロール、バンバリーミキサ
ー、押出機等通常の混練機で混練して組成物とした後成
形に供される。成形は、熱可塑性樹脂で汎用的に行われ
ている手段、例えば射出成形、中空成形、圧縮成形、押
出成形などを用いることができる。
してもよいが、一般には予めロール、バンバリーミキサ
ー、押出機等通常の混練機で混練して組成物とした後成
形に供される。成形は、熱可塑性樹脂で汎用的に行われ
ている手段、例えば射出成形、中空成形、圧縮成形、押
出成形などを用いることができる。
【0023】(4)架橋成形体 上記で製造された架橋性のフッ素含有樹脂組成物をシラ
ノール縮合触媒の存在下で水雰囲気下に曝して架橋させ
ることにより、架橋成形体を製造することができる。シ
ラノール縮合触媒としては、前記した特公昭48−17
11号公報などに開示されているように、例えばジブチ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル
錫ジオクトエート等を挙げることができる。該触媒は、
成形前に前記架橋性フッ素含有樹脂組成物に配合する
か、または溶液又は分散液として成形後の架橋性フッ素
含有樹脂に塗布又は含浸させることができる。該触媒の
使用量は、一般的には架橋性フッ素含有樹脂組成物10
0重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは
0.1〜5重量部である。架橋性フッ素含有樹脂組成物
を所望の形状に成形した後、該成形体を常温〜200
℃、通常は常温〜100℃の水(液状または蒸気状)に
10秒〜1週間、通常は1分〜1日間接触させることに
より、架橋成形体を製造することができる。
ノール縮合触媒の存在下で水雰囲気下に曝して架橋させ
ることにより、架橋成形体を製造することができる。シ
ラノール縮合触媒としては、前記した特公昭48−17
11号公報などに開示されているように、例えばジブチ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル
錫ジオクトエート等を挙げることができる。該触媒は、
成形前に前記架橋性フッ素含有樹脂組成物に配合する
か、または溶液又は分散液として成形後の架橋性フッ素
含有樹脂に塗布又は含浸させることができる。該触媒の
使用量は、一般的には架橋性フッ素含有樹脂組成物10
0重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは
0.1〜5重量部である。架橋性フッ素含有樹脂組成物
を所望の形状に成形した後、該成形体を常温〜200
℃、通常は常温〜100℃の水(液状または蒸気状)に
10秒〜1週間、通常は1分〜1日間接触させることに
より、架橋成形体を製造することができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。 [改質オレフィン重合体の製造] 参考例1 50リットル容量のオートクレーブに純水20kg、懸
濁剤の第三リン酸カルシウム0.6kgおよびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを混入して水性
媒質とし、これに粒径3〜4mmのエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(MFR:150g/10分、酢酸ビニル含
量:28重量%)7kgを加え、撹拌して懸濁させた。
別にt−ブチルパーオキシピバレート64.5g及びベ
ンゾイルパーオキサイド3.6gを酢酸ビニル3kgに
溶解し、これを先の懸濁系に添加し、オートクレーブ内
に窒素を導入して系内を0.5kg/cm2に加圧した。更に
オートクレーブ内を50℃に昇温し、この温度で撹拌し
ながら3時間放置して重合開始剤を含む酢酸ビニルをエ
チレン−酢酸ビニル共重合体粒子中に含浸させた。次に
この懸濁液を63℃に昇温し、この温度で撹拌しながら
8時間放置して重合を行い、更に70℃に昇温して2時
間、80℃に昇温して1時間維持して重合を完結した。
冷却後、内容固形物を取り出して水洗し、改質エチレン
−酢酸ビニル共重合体粒子10kgを得た。
に説明する。 [改質オレフィン重合体の製造] 参考例1 50リットル容量のオートクレーブに純水20kg、懸
濁剤の第三リン酸カルシウム0.6kgおよびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを混入して水性
媒質とし、これに粒径3〜4mmのエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(MFR:150g/10分、酢酸ビニル含
量:28重量%)7kgを加え、撹拌して懸濁させた。
別にt−ブチルパーオキシピバレート64.5g及びベ
ンゾイルパーオキサイド3.6gを酢酸ビニル3kgに
溶解し、これを先の懸濁系に添加し、オートクレーブ内
に窒素を導入して系内を0.5kg/cm2に加圧した。更に
オートクレーブ内を50℃に昇温し、この温度で撹拌し
ながら3時間放置して重合開始剤を含む酢酸ビニルをエ
チレン−酢酸ビニル共重合体粒子中に含浸させた。次に
この懸濁液を63℃に昇温し、この温度で撹拌しながら
8時間放置して重合を行い、更に70℃に昇温して2時
間、80℃に昇温して1時間維持して重合を完結した。
冷却後、内容固形物を取り出して水洗し、改質エチレン
−酢酸ビニル共重合体粒子10kgを得た。
【0025】参考例2 50リットル容量のオートクレーブに純水20kg、懸
濁剤の第三リン酸カルシウム0.6kgおよびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを混入して水性
媒質とし、これに粒径3〜4mmのエチレン−アクリル
酸メチル共重合体(MFR:20g/10分、アクリル
酸メチル含量:25重量%)7kgを加え、撹拌して懸
濁させた。別にt−ブチルパーオキシピバレート64.
5g及びベンゾイルパーオキサイド3.6gをアクリル
酸メチル3kgに溶解し、これを先の懸濁系に添加し、
オートクレーブ内に窒素を導入して系内を0.5kg/cm2
に加圧した。更にオートクレーブ内を50℃に昇温し、
この温度で撹拌しながら3時間放置して重合開始剤を含
むアクリル酸メチルをエチレン−アクリル酸メチル共重
合体粒子中に含浸させた。次にこの懸濁液を63℃に昇
温し、この温度で撹拌しながら8時間放置して重合を行
い、更に70℃に昇温して2時間、80℃に昇温して1
時間維持して重合を完結した。冷却後、内容固形物を取
り出して水洗し、改質エチレン−アクリル酸メチル共重
合体粒子10kgを得た。
濁剤の第三リン酸カルシウム0.6kgおよびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを混入して水性
媒質とし、これに粒径3〜4mmのエチレン−アクリル
酸メチル共重合体(MFR:20g/10分、アクリル
酸メチル含量:25重量%)7kgを加え、撹拌して懸
濁させた。別にt−ブチルパーオキシピバレート64.
5g及びベンゾイルパーオキサイド3.6gをアクリル
酸メチル3kgに溶解し、これを先の懸濁系に添加し、
オートクレーブ内に窒素を導入して系内を0.5kg/cm2
に加圧した。更にオートクレーブ内を50℃に昇温し、
この温度で撹拌しながら3時間放置して重合開始剤を含
むアクリル酸メチルをエチレン−アクリル酸メチル共重
合体粒子中に含浸させた。次にこの懸濁液を63℃に昇
温し、この温度で撹拌しながら8時間放置して重合を行
い、更に70℃に昇温して2時間、80℃に昇温して1
時間維持して重合を完結した。冷却後、内容固形物を取
り出して水洗し、改質エチレン−アクリル酸メチル共重
合体粒子10kgを得た。
【0026】実施例1〜3 ポリフッ化ビニリデン(ペンウオルト社製カイナー72
0)、シラン変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(三菱
油化社製「リンクロン」XVF750N)および参考例1で得
られた改質エチレン−酢酸ビニル共重合体を表−1に示
す割合で混合し、30mm径二軸押出機にて200℃で
溶融混練し、架橋性フッ素含有樹脂組成物を製造した。
得られた組成物100重量部に対して、ジブチル錫シラ
ウレート0.05重量部の割合で混合し、20mmシー
ト押出シート成形機(L/D=28)にて厚さ1mmの
シートを成形した後、得られたシートを80℃の蒸気浴
中に放置して架橋成形体とした。得られた架橋成形体、
およびアセトン中に常温で7日間放置した後の成形体に
ついて、引張強度(JIS K6758準拠)、引張伸
び(JIS K6758準拠)、弾性率(JIS K71
06準拠)および寸法変化率(JIS K6301準
拠)を測定した。結果を表−1に示す。
0)、シラン変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(三菱
油化社製「リンクロン」XVF750N)および参考例1で得
られた改質エチレン−酢酸ビニル共重合体を表−1に示
す割合で混合し、30mm径二軸押出機にて200℃で
溶融混練し、架橋性フッ素含有樹脂組成物を製造した。
得られた組成物100重量部に対して、ジブチル錫シラ
ウレート0.05重量部の割合で混合し、20mmシー
ト押出シート成形機(L/D=28)にて厚さ1mmの
シートを成形した後、得られたシートを80℃の蒸気浴
中に放置して架橋成形体とした。得られた架橋成形体、
およびアセトン中に常温で7日間放置した後の成形体に
ついて、引張強度(JIS K6758準拠)、引張伸
び(JIS K6758準拠)、弾性率(JIS K71
06準拠)および寸法変化率(JIS K6301準
拠)を測定した。結果を表−1に示す。
【0027】実施例4 改質エチレン−酢酸ビニル共重合体の代わりに、参考例
2で製造した改質エチレン−アクリル酸メチル共重合体
を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋成形体を製
造し、その物性を評価した。結果を表−1に示す。
2で製造した改質エチレン−アクリル酸メチル共重合体
を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋成形体を製
造し、その物性を評価した。結果を表−1に示す。
【0028】比較例1 改質エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いない以外は実
施例1と同様にして、架橋成形体を製造し、その物性を
評価した。結果を表−1に示す。
施例1と同様にして、架橋成形体を製造し、その物性を
評価した。結果を表−1に示す。
【0029】比較例2 シラン変性エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いない以
外は実施例1と同様にして、架橋成形体を製造し、その
物性を評価した。結果を表−1に示す。
外は実施例1と同様にして、架橋成形体を製造し、その
物性を評価した。結果を表−1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】ポリフッ化ビニリデン単体は、上記比較例
3の物性評価結果から明らかなように、剛性が高いため
に、可撓性の要求される分野には適用することができな
い。ポリフッ化ビニリデンを軟質化する手法として、比
較例2に示したように、ポリフッ化ビニリデンと相溶性
のある改質重合体でアロイ化することにより、軟質化す
ることができるが、耐溶剤性が低下する。一方、ポリフ
ッ化ビニリデンの耐溶剤性を改良するために、比較例1
に示したように、シラン変成オレフィン重合体を配合す
ると、ポリフッ化ビニリデンとの相溶性がないために、
伸びが低下する。従って、可撓性および耐溶剤性の良好
な架橋成形体を得るには、成分(a)、(b)および
(c)を含有する本発明組成物の使用が必要であること
は、実施例1〜4の結果から容易に理解される。
3の物性評価結果から明らかなように、剛性が高いため
に、可撓性の要求される分野には適用することができな
い。ポリフッ化ビニリデンを軟質化する手法として、比
較例2に示したように、ポリフッ化ビニリデンと相溶性
のある改質重合体でアロイ化することにより、軟質化す
ることができるが、耐溶剤性が低下する。一方、ポリフ
ッ化ビニリデンの耐溶剤性を改良するために、比較例1
に示したように、シラン変成オレフィン重合体を配合す
ると、ポリフッ化ビニリデンとの相溶性がないために、
伸びが低下する。従って、可撓性および耐溶剤性の良好
な架橋成形体を得るには、成分(a)、(b)および
(c)を含有する本発明組成物の使用が必要であること
は、実施例1〜4の結果から容易に理解される。
【0032】
【発明の効果】本発明のフッ素含有樹脂組成物から製造
された成形体は、耐薬品性および可撓性に優れているの
で、その用途範囲は広いが、特に燃料(ガソリン)用チ
ューブなどの耐溶剤チューブに好適な材料である。
された成形体は、耐薬品性および可撓性に優れているの
で、その用途範囲は広いが、特に燃料(ガソリン)用チ
ューブなどの耐溶剤チューブに好適な材料である。
Claims (2)
- 【請求項1】 (a)フッ素含有樹脂 100重
量部 (b)シラン変性オレフィン重合体 5〜
300重量部、および (c)オレフィン重合体と酢酸ビニル単量体またはアル
キルアルキレート単量体をグラフト反応条件に付して得
られる改質重合体 5〜50重量部 を含有することを特徴とする架橋性樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の架橋性樹脂組成物をシラ
ノール縮合触媒の存在下に水雰囲気に曝して架橋させて
なる架橋成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5548294A JPH07258496A (ja) | 1994-03-25 | 1994-03-25 | 架橋性樹脂組成物および架橋成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5548294A JPH07258496A (ja) | 1994-03-25 | 1994-03-25 | 架橋性樹脂組成物および架橋成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07258496A true JPH07258496A (ja) | 1995-10-09 |
Family
ID=12999847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5548294A Pending JPH07258496A (ja) | 1994-03-25 | 1994-03-25 | 架橋性樹脂組成物および架橋成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07258496A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006001588A1 (en) | 2004-04-08 | 2006-01-05 | Lg Chem. Ltd. | Polyethylene pipe having better melt pro- cessibility and high resistance to stress and method of preparing the same using metallocene catalyst |
-
1994
- 1994-03-25 JP JP5548294A patent/JPH07258496A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006001588A1 (en) | 2004-04-08 | 2006-01-05 | Lg Chem. Ltd. | Polyethylene pipe having better melt pro- cessibility and high resistance to stress and method of preparing the same using metallocene catalyst |
US7304118B2 (en) | 2004-04-08 | 2007-12-04 | Lg Chem, Ltd. | Polyethylene pipe having better melt processibility and high resistance to stress and method of preparing the same using metallocene catalyst |
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