JPH07223459A - 自動車用ヘッドアップディスプレイ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 車室内の空間を有効に利用して、車内に情報
投光装置を収納するための特殊な収納構造をわざわざ設
けることなく、ヘッドアップディスプレイを容易に設置
可能とすること。運転中の前方注視の視線と表示を見る
ときの視線とのずれを小さくして、運転中の視線の移動
を少なくする。 【構成】 光学的情報表示手段Ｄとその表示面から出射
した情報表示光を所定の方向に投光する光学部材Ａとを
備えた情報投光装置Ｋと、前記情報投光装置Ｋから投光
された情報表示光を視認位置に向かわせるコンバイナＣ
とは、車内に着脱可能な支持部材６により支持されてお
り、前記情報投光装置Ｋは運転座席のルームミラーと前
後方向に重ねて配置され、前記コンバイナＣはルームミ
ラーの側縁外方に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、乗り物の運転手が前方
外界の情景を見ながら運転する際に、その運転手が見て
いる前方の外界の情景に種々の情報を重ねて表示するヘ
ッドアップディスプレイに関する。このようなヘッドア
ップディスプレイを用いれば、運転手は一々外界から視
線をそらせて計器類を見る必要がなくなるので、外界か
ら視線をそらせている間に生じる不慮の事故を防ぐこと
ができる。

【０００２】

【従来の技術】前記従来の自動車用ヘッドアップディス
プレイは、液晶ディスプレイ、ＣＲＴディスプレイ、プ
ラズマディスプレイまたは発光ダイオードディスプレイ
等の光学的情報表示手段とこの光学的情報表示手段から
出射した光を前記コンバイナに入射させる光学部材とを
有する情報投光装置を備えている。前記光学的情報表示
手段の表示面には、速度情報やブレーキ圧情報等が表示
されるようになっている。これらの表示情報は、前記光
学部材を通って運転手の視野前方に配置したハーフミラ
ー等のコンバイナに入射してから運転手の方向に反射ま
たは回折するように構成されている。前記コンバイナは
外界の情景から出射した光線を運転手の方向に透過させ
るようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の自動車用ヘ
ッドアップディスプレイの情報投光装置の配置場所とし
ては、自動車のダッシュボード内部または天井下面など
が考えられている。しかしながら、前記従来の自動車用
ヘッドアップディスプレイの情報投光装置を車内に配置
するためには、車内に前記情報投光装置を収納するのに
適した収納構造を設ける必要があった。また、自動車の
フロントガラスをコンバイナとして使用する場合にはコ
ンバイナと情報投光装置とが別体のため光軸合わせに手
間がかかるという問題点、およびフロントガラスのコン
バイナとして使用する部分に特殊コーティングを施さな
ければならないという問題点等もあった。また、フロン
トガラスの下側部分をコンバイナとして利用し、車体の
ボンネットを背景にした表示が行われている。この場
合、運転中の前方注視の視線と表示を見るときの視線と
のずれが大きく、視線の移動量がおおきくなるという問
題点もあった。

【０００４】本発明は前述の事情に鑑み、下記（Ｏ0
1），（Ｏ01）の記載内容を課題とする。 （Ｏ01）車室内の空間を有効に利用して、車内に情報投
光装置を収納するための特殊な収納構造をわざわざ設け
ることなく、ヘッドアップディスプレイを容易に設置可
能とすること。 （Ｏ02）運転中の前方注視の視線と表示を見るときの視
線とのずれを小さくして、運転中の視線の移動を少なく
すること。

【０００５】

【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。な
お、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。

【０００６】（本発明）前記課題を解決するために、本
発明の自動車用ヘッドアップディスプレイ（Ｈ）は、情
報が表示される表示面を有する光学的情報表示手段
（Ｄ）と前記表示面から出射した情報表示光（Ｌ）を所
定の方向に投光する光学部材（Ａ）とを備えた情報投光
装置（Ｋ）と、運転手の前方に設けられ、前方の外界の
情景を運転手が視認できるように前記外界からの光線を
前方から後方に透過させるとともに、前記情報投光装置
（Ｋ）から投光された情報表示光（Ｌ）を視認位置に向
かわせるコンバイナ（Ｃ）とを備えた自動車用のヘッド
アップディスプレイ（Ｈ）において、下記の要件を備え
たことを特徴とする、（Ｙ01）前記情報投光装置（Ｋ）
およびコンバイナ（Ｃ）は同一の支持部材（６）により
支持されたこと、（Ｙ02）前記情報投光装置（Ｋ）を運
転座席のルームミラー（２）と前後方向に重ねて配置す
るとともに前記コンバイナ（Ｃ）をルームミラー（２）
の外縁外方に配置したこと。

【０００７】（本発明の実施態様１）前記本発明の実施
態様１は、前記本発明の自動車用ヘッドアップディスプ
レイ（Ｈ）において下記の要件（Ｙ001）を備えたこと
を特徴とする、（Ｙ001）前記コンバイナ（Ｃ）の前方
のフロントガラス上部に外部情景光の透過を制限するス
モークを入れたこと。

【０００８】

【作用】

（本発明の作用）次に、前述の特徴を備えた本発明の作
用を説明する。前述の特徴を備えた本発明の自動車用ヘ
ッドアップディスプレイ（Ｈ）では、支持部材（６）に
より支持された前記情報投光装置（Ｋ）は、運転座席の
ルームミラー（２）と前後方向に重ねて配置される。ま
た、前記支持部材（６）に支持されたコンバイナ（Ｃ）
はルームミラー（２）の外縁の外方に配置される。前記
ルームミラー（２）に隣接し且つルームミラー（２）と
前後方向に重なる位置（空間）は情報投光装置（Ｋ）を
配置しても運転に必要な視野を狭めることにはならな
い。情報投光装置（Ｋ）の光学的情報表示手段（Ｄ）の
表示面から出射した情報表示光（Ｌ）は、情報投光装置
（Ｋ）の光学部材（Ａ）により所定の方向に投光され
る。この情報表示光（Ｌ）は、運転手の前方のルームミ
ラー（２）の外縁の外方に設けられた前記コンバイナ
（Ｃ）に入射する。

【０００９】前記コンバイナ（Ｃ）は、前方の外界の情
景を運転手が視認できるように前記外界からの光線を前
方から後方に透過させるとともに、前記情報投光装置
（Ｋ）から投光された情報表示光（Ｌ）を視認位置に向
かわせる。運転手はルームミラー（２）の外縁外方に配
置されたコンバイナ（Ｃ）の方向を見ることにより前記
表示情報を視認することができる。前記コンバイナ
（Ｃ）の位置は、ほぼルームミラー（２）の方向と一致
しており、運転中に前方を注視する視線の方向とのずれ
が小さい。このため、わずかな視線の移動で自動車前方
の情景および前記表示情報を視認することができる。し
たがって運転中前記表示情報を視認する際に、前方の情
景から視線をそらせている時間が短くなるので、運転の
安全性を高めることができる。前記情報投光装置（Ｋ）
およびコンバイナ（Ｃ）は同一の支持部材（６）により
支持されているので光軸の調節が容易である。

【００１０】（本発明の実施態様１の作用）前記本発明
の自動車用ヘッドアップディスプレイ（Ｈ）の実施態様
１では、前記コンバイナ（Ｃ）の前方のフロントガラス
上部に入射する外部情景光の透過が制限されるので、外
部情景光の輝度が高過ぎることによって表示情報が視認
しずらくなるようなことが防止される。

【００１１】

【実施例】次に図面を参照しながら、本発明のヘッドア
ップディスプレイの１実施例を説明するが、本発明は以
下の実施例に限定されるものではない。 （実施例１）図１は本発明の実施例１の自動車用ヘッド
アップディスプレイを装着した自動車の全体説明図であ
る。図２は同実施例１の車体内部の配置状態を示す図で
ある。図３は同実施例１の自動車用ヘッドアップディス
プレイの車体内部に装着する方法の説明図である。図４
は同実施例１の内部構造の説明図である。

【００１２】図１，２，３において、自動車１のルーム
ミラー２の裏面側（車体に関して前方側）には自動車用
ヘッドアップディスプレイＨが配置されている。図３か
ら分かるように、自動車用ヘッドアップディスプレイＨ
はケース６を有しておりこのケース６の上面には接続用
コネクタ６aが設けられ、右端面には開口６bが設けられ
ている。また、ケース６の上部前側の外縁に沿って係止
具７，７が設けられている。この係止具７，７はルーム
ミラー２の裏面側からルームミラー２の上縁に係止され
る。

【００１３】図４において、前記自動車用ヘッドアップ
ディスプレイＨのケース６の内部には、液晶表示パネル
１１およびその裏面側に光源（図示せず）が配置されて
いる。前記液晶表示パネル１１および光源（図示せず）
により光学的情報表示手段Ｄが構成されている。また、
液晶表示パネル１１の後面側には、前記液晶表示パネル
１１および光源（図示せず）を駆動するための回路ボー
ド等によって構成された表示回路１２が配置されてい
る。この表示回路１２には、自動車の車体側に配置され
た車速センサ、オイルセンサ等（図示せず）の信号が車
体の側壁および天井等に引き回された信号伝送ケーブル
（図示せず）、並びにケース６に設けた接続用コネクタ
６aを介して接続されている。液晶表示パネル１１の前
方側には凹レンズＡ1および凸レンズＡ2等から構成され
たレンズ系（光学部材）Ａが配置されている。前記光学
的情報表示手段Ｄおよびレンズ系Ａ等から情報投光装置
Ｋが構成されている。また、図４において前記ケース６
の右端面に設けられた前記開口６bには透明なガラス
（図示せず）が配置されている。

【００１４】前記ケース６には、その右端外側に、前記
開口６bから出射する情報表示光を運転手の方向に反射
するとともに外界から入射する外部情景光を透過させる
コンバイナＣが設けられている。このコンバイナＣはケ
ース６の右端の前側の外縁に回転可能に且つ回転位置を
調節可能に支持されている。前記ケース６、係止具７，
７、情報投光装置ＫおよびコンバイナＣによりヘッドア
ップディスプレイＨが構成されている。

【００１５】（実施例１の作用）次に、前述の構成を備
えた前記実施例１の作用を説明する。前記自動車用ヘッ
ドアップディスプレイＨは、運転座席のルームミラーと
前後方向に重ねて配置されるので、運転に必要な視野を
狭めることにはならない。情報投光装置Ｋの光学的情報
表示手段Ｄの表示面から出射した情報表示光Ｌは、情報
投光装置Ｋのレンズ系（光学部材）Ａにより所定の方向
に投光される。この情報表示光Ｌは、運転手の前方のル
ームミラー２の外縁の外方に設けられた前記コンバイナ
Ｃに入射する。

【００１６】前記コンバイナＣは、前方の外界の情景を
運転手が視認できるように前記外界からの光線を前方か
ら後方に透過させるとともに、前記情報投光装置Ｋから
投光された情報表示光Ｌを視認位置（運転手の目の位
置）に向かわせる。運転手はルームミラー２の外縁外方
に配置されたコンバイナＣの方向を見ることにより前記
表示情報を視認することができる。運転手から見た前記
コンバイナＣの位置は、ほぼルームミラー２の方向と一
致しており、運転中に前方を注視する視線の方向とのず
れが小さい。このため、わずかな視線の移動で自動車前
方の情景および前記表示情報を視認することができる。
したがって運転中前記表示情報を視認する際に、前方の
情景から視線をそらせている時間が短くなるので、運転
の安全性を高めることができる。また、前記ルームミラ
ー２は運転手の目の位置に近いので、ルームミラー２の
近くに配置されたコンバイナＣは、面積が小さくても運
転手は比較的大きな表示画像を視認することができる。

【００１７】（実施例２）次に、図５により本発明の自
動車用ヘッドアップディスプレイの実施例２について説
明する。なお、この実施例２の説明において、前記実施
例１の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付
して、その詳細な説明を省略する。この実施例２は、下
記の点で前記実施例１と相違しているが、他の点では前
記実施例１と同様に構成されている。 （Ｓ01） 前記実施例１においては自動車用ヘッドアッ
プディスプレイＨは、そのケース６の上部前側の外縁に
沿って係止具７，７が設けられ、ルームミラー２の裏面
側からルームミラー２の上縁に係止されるていたのに対
し、この実施例２の自動車用ヘッドアップディスプレイ
Ｈは、ケース６の上部後側の外縁に沿って係止具７，７
が設けられ、ルームミラー２の表面側からルームミラー
２の上縁に係止される点。 （Ｓ02） ケース６の運転手に面した側面が鏡面とされ
てルームミラーとして使用できるようにされた点。 この実施例２も前記実施例１と同様の作用を奏する。

【００１８】（変更例）以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。

【００１９】（Ｈ01） 図６に示すように、フロントガ
ラス上部にスモークを入れて、フロントガラス上部の外
光輝度を下げることにより、表示情報を見易くすること
が可能である。

【００２０】

【発明の効果】前述の本発明のＸは、下記の効果を奏す
ることができる。 （Ｅ01）車室内の空間を有効に利用して、車内に情報投
光装置を収納するための特殊な収納構造をわざわざ設け
ることなく、ヘッドアップディスプレイを容易に設置す
ることができる。 （Ｅ02）運転中の前方注視の視線と表示を見るときの視
線とのずれを小さくして、運転中の視線の移動を少なく
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は本発明の実施例１の自動車用ヘッドア
ップディスプレイを装着した自動車の全体説明図であ
る。

【図２】 図２は同実施例１の車体内部の配置状態を示
す図である。

【図３】 図３は同実施例１の自動車用ヘッドアップデ
ィスプレイの車体内部に装着する方法の説明図である。

【図４】 図４は同実施例１の内部構造の説明図であ
る。

【図５】 図５は本発明の実施例２の自動車用ヘッドア
ップディスプレイの説明図である。

【図６】 図６は本発明の自動車用ヘッドアップディス
プレイの変更実施例の説明図である。

【符号の説明】

Ａ…光学部材、Ｃ…コンバイナ、Ｄ…光学的情報表示手
段、Ｈ…自動車用ヘッドアップディスプレイ、Ｋ…情報
投光装置、Ｌ…情報表示光、２…ルームミラー、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 情報が表示される表示面を有する光学的
   情報表示手段と前記表示面から出射した情報表示光を所
   定の方向に投光する光学部材とを備えた情報投光装置
   と、運転手の前方に設けられ、前方の外界の情景を運転
   手が視認できるように前記外界からの光線を前方から後
   方に透過させるとともに、前記情報投光装置から投光さ
   れた情報表示光を視認位置に向かわせるコンバイナとを
   備えた自動車用のヘッドアップディスプレイにおいて、
   下記の要件を備えたことを特徴とする自動車用ヘッドア
   ップディスプレイ、（Ｙ01）前記情報投光装置およびコ
   ンバイナは同一の支持部材により支持されたこと、（Ｙ
   02）前記情報投光装置を運転座席のルームミラーと前後
   方向に重ねて配置するとともに前記コンバイナをルーム
   ミラーの外縁外方に配置したこと。