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JPH0718725B2 - 熱式流量センサの信号処理方法 - Google Patents

熱式流量センサの信号処理方法

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JPH0718725B2
JPH0718725B2 JP1111109A JP11110989A JPH0718725B2 JP H0718725 B2 JPH0718725 B2 JP H0718725B2 JP 1111109 A JP1111109 A JP 1111109A JP 11110989 A JP11110989 A JP 11110989A JP H0718725 B2 JPH0718725 B2 JP H0718725B2
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JP
Japan
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flow rate
air flow
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sensor
temperature
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信剛 谷口
幸信 西村
節宏 下村
考司 谷本
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、流体の流量を検出する熱式流量センサに関
するもので、特に、流量変化に対する応答性を改善する
信号処理方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の熱式流量センサとしては、内燃機関の吸入空気流
量を検出する熱式空気流量センサがよく知られており、
代表的なものとして吸気通路内に配設された白金線の温
度が一定となるよう白金線への通電電流を制御し、この
電流値に対応して空気流量信号を得るホットワイヤ式空
気流量センサが公知である。又、該白金線の代りにアル
ミナ基板やフイルムに白金を蒸着した熱式空気流量セン
サがホツトワイヤ式空気流量センサの廉価版として最近
注目されている。
ところで、これらの熱式空気流量センサにおいては、定
温度に制御された温度依存抵抗への通電電流を検知して
空気流量を計測するものであるため、該温度依存抵抗な
らびにその保持部材への熱伝導及び蓄熱により計測すべ
き空気流量が変化した時出力応答が遅れ、検出特性に誤
差を生じることが知られている。
第7図(a)はこの種の熱式空気流量センサ(1)を示すもの
で、(11)は空気が流れる通路を兼ねる管状のハウジング
であり、空気の流れる方向を矢印で示している。RHは空
気流量を検出する為の温度依存抵抗で、第7図(b)に示
すようにアルミナ基板(14)の上に白金を印刷あるいは蒸
着した後トリミングして形成されたもので、他の抵抗
RK,RMとともに空気通路内に配設されている。RH,RM
RK,R1,R2は周知のブリッジ回路構成で抵抗値検出装置
を形成し、差動増巾器(12)によつて閉ループを形成して
RHの温度又は抵抗値が一定となるよう制御される。この
ため、空気流量に対応してRHの通電電流が決定され、該
電流値とRMの抵抗値の積から出力電圧(13)を得ることが
できる。
次に、このような熱式空気流量センサ(1)の空気流量変
化時の応答遅れについて説明する。第8図は空気流量を
ステップ状に変化させた時の熱式空気流量センサの応答
を示す図であり、その特性はA点を節とする折れ線に略
等しい応答を示す。ここでは横軸はステツプ変化後の経
過時間、縦軸は空気流量変化率を示す。A点までの時間
遅れは、主として白金抵抗RHの熱応答及び回路の応答遅
れにより生じ、A点での目標値との偏差及びA点から目
標値へ収れんするまでの時間は主として白金抵抗RHの保
持部材であるアルミナ基板(14)への熱伝導,蓄熱により
生じるものである。第9図は上記動作を説明するための
図であり、アルミナ基板(14)に対し白金抵抗RHの位置を
基準に距離を横軸にとつた時のアルミナ基板(14)の温度
分布を示す。白金抵抗RH部付近の温度は前述の回路によ
り空気温度に対し十分高い一定の温度に制御されてい
る。ここで、白金抵抗RHにおいて発生した熱は空気中へ
放出されるとともに白金抵抗RH部からアルミナ基板(14)
へ伝熱・蓄熱されることになる。該閉ループ回路はこの
熱損失を補つて白金抵抗RHへの電流を制御する。従つ
て、所定の空気流量に対する熱式空気流量センサ(1)の
出力はアルミナ基板(14)への伝熱蓄熱分を含んだものと
なるが、アルミナ基板(14)の熱の平衡がとれた状態での
特性即ち定常状態では正確な流量特性が得られる。とこ
ろが、空気流老が変化する場合は上記熱平衡がとれない
為流量特性に誤差を生ずることになる。第9図のl1は空
気流量が少ない時の温度分布でありl2は空気流量が大き
い時を示す。ここでl2がl1の下方になるのは流れる空気
流量によつてアルミナ基板(14)の冷却効果が異なる為で
ある。小流量から大流量へ空気流量をステツプ変化させ
た時は最終的には温度分布がl2になるが、初期はl2に対
応する空気流量であるのにl1の温度分布となり白金抵抗
RHへの供給電流、即ち、熱式空気流量センサ(1)出力は
本来の出力より少なくなる。即ち、空気流量の変化があ
つた時は変化前の空気流量に対応する温度分布と変化後
の空気流量に対応する温度分布の差に対応した初期流量
誤差を生じ、温度分布が変化後の空気流量に対する定常
状態になるまでの時間誤差が漸減しながら継続すること
になる。この度合いは第7図に示す熱式空気流量センサ
(1)では、保持部材であるアルミナ基板(14)の伝熱・蓄
熱の影響が大きく、内燃機関の燃料噴射装置で実用化可
能な程度の応答性・耐久性をもつセンサとすべく白金抵
抗RHの面積、アルミナ基板(14)の厚みなどを考慮して製
作してものでも初期流量該差が最大30%、誤差の継続時
間が500ms程度となり、このような応答遅れは内燃機関
の燃料制御上許容し難いものである。
このような欠点を改善する方法として例えば特開昭63−
134919号公報に示されるように熱式空気流量センサの構
造を工夫して空気流量変化に対する応答特性を改善する
ものが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来の熱式空気流量センサに
おいては、センサ自体の構造が複雑化して製造が困難な
ものとなり、あるいは価格が高くなるなどの問題があつ
た。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、構造が簡単で廉価な熱式流量センサを用い、
信号処理によつて応答性を改善するとともに吸入空気が
振動流となることにより生ずる計測誤差を除去するよう
にした信号処理方法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、温度依存抵抗と該抵抗を支持する保持部材
とかなる熱式流量センサを備えたものにおいて、流量が
定常状態を維持した平衡状態にあるときの流量に対応し
た第1の演算値を予じめ設定しておき、流量に対応した
値から第1の演算値を求めるとともに、流量が変化した
ときの上記第1の演算値からのずれに対応した第2の演
算値を求め、これら第1、第2の演算値により空気流量
センサの瞬時出力を補正するようにしたものである。
〔作用〕
この発明のおける信号処理方法は、平衡状態にあるとき
の流量に対応して設定された第1の演算値とこの第1の
演算値とのずれに対応して演算される第2の演算値とに
より流量センサの瞬時出力を補正するように構成された
もので、温度依存抵抗及び抵抗保持部材の温度特性に伴
なう応答遅れを解消させることが可能となるとともに吸
入空気が脈動流となることにより生ずる計測誤差を除去
させることが可能となる。
〔実施例〕
以下、この発明を一実施例である熱式空気流量センサを
用いた燃料噴射装置について説明する。第1図におい
て、(1)は上述の第7図に示された形式の熱式空気流量
センサ、(2)は該空気流量センサ(1)を収容する吸気通
路、(3)は吸入空気量を調整するスロットルバルブ、(4)
はサージタンク、(5)はインテークマニホールド、(6)は
エンジン、(7)はエンジン(6)における気筒毎のインテー
クマニホールドに取付けられたインジエクタ、(8)はエ
ンジン(6)のカムシヤフト軸に取付けられたデイストリ
ビユータ内に設けられ、クランク軸の回転位置を検出す
るクランク角センサ、(9)は空気流量センサ(1)からの空
気流量信号及びクランク角センサ(8)からのエンジン回
転数信号を主に図示しない各種センサなどによる補正演
算を行ないインジェクタ(7)の噴射パルス巾を制御する
信号処理器で、第2図に示すように熱式空気流量センサ
(1)の出力電圧信号をデイジタル交換するA/D変換器(91)
と、クランク角センサ(8)の出力信号を波形整形するデ
イジタルインタフエース(92)と、これらの出力を受けて
演算処理を行なう中央処理装置(CPU)(93)と、プログ
ラムおよびデータなどが記憶されたROM(94)と、データ
を一時記憶するRAM(95)と、出力信号を発生する駆動回
路(96)とから構成されている。基本の演算処理方法とし
ては、空気流量センサのA/D値、クランク角センサから
の回転数信号などを用い後述する空気流量の補正演算を
行ない、これらの信号、演算値により周知の方法で燃料
噴射パルス巾を計算して駆動回路(96)によりインジエク
タ(7)を制御することになる。
ところで、このような燃料噴射装置に用いられる熱式空
気流量センサ(1)は上述したようにアルミナ基板(14)の
伝熱・蓄熱特性により応答遅れが避けられないものであ
り、本発明による応答性改善処理が必要となる。
以下、この発明の一実施例である信号処理方法を第3
図、第4図を用いて説明する。
まず、信号処理器(9)は所定の時間間隔で発生する定時
間信号に基づき、ステップ101において、空気流量セン
サ(1)から得られる瞬時の出力電圧値をA/D変換し、該変
換値により予じめ測定された電圧−流量特性(図示せ
ず)を参照して瞬時空気流量Qを求める。
次に、ステップ102において、空気流量センサ(1)が定常
状態、すなわち熱的に平衡状態にあるときの瞬時空気流
量Qに対するデータCQmaxを予じめ設定されたテーブル
を参照して求める。このテーブルは、内燃機関に用いら
れる実用空気流量計測域が数g/秒〜100g/秒程度の場
合、第3図(b)に示すように低流量で0.3、中流量以上で
0となり、しかも、低・中流量域で空気流量Qの増加に
伴なって減少する値を持つように構成されている。
この第1の演算値CQmaxは空気流量Qに対応して変化す
るアルミナ基板(14)の温度特性を表わすものと考えられ
る。
次に、ステップ103において、第3図(c)に示された処理
ルーチンにより演算された第2の演算値CQをRAM(95)
より読み出す。この第2の演算値CQは次のルーチンによ
り設定される。すなわち、図において、例えば100msに
設定された定時間割込信号が入力されると、ステップ30
1において、空気流量Qに対応する新しい値CQmaxが直前
の値と等しいか否かを判別し、両者が一致している場合
は平衡状態にあるものとてその値CQmaxを第2の演算値C
Qとして保持する。また、両者が不一致である場合、ス
テップ302において、直前の値CQが第1演算値CQmaxより
大であるか否かを判定し、大である場合にはステップ30
3において、所定値△Cを減算し、小である場合にはス
テツプ304において、所定値△Cを加算する。このよう
にして一定時間毎に第2の演算値CQを第1の演算値CQma
xに近づけるように演算処理を行なわせ、第1の演算値C
Qmaxとの大小関係に応じた第2の演算値CQをRAM(95)に
記憶させることができる。
次に、ステップ104において、第1の演算値CQmaxと第2
の演算値CQとから補正係数Cを求め、ステップ105にお
いて、この補正係数Cの瞬時空気流量Qに乗算すること
により補正された実質空気流量Qが算出されることに
なる。
第4図は、このような空気流量センサ(1)を用い空気流
量が急激に増減した場合のタイムチヤートを示すもの
で、時間toにスロットルバルブ(3)を急激に開放してそ
の開度状態(大流量状態)を維持し、その後、t3時にス
ロツトルバルブ(3)を急激に閉鎖状態に復帰させた場合
を示している。ここで、第4図(a)の実線は実際の吸入
空気量の変化を示し、点線は空気流量センサ(1)によ
り示される瞬時吸入空気量Qの変化を示している。すな
わち、空気量センサ(1)の出力Qはセンサ自体の応答特
性により変化した後、A点(t1時)において、第8図に
示すようなアルミナ基板(14)の温度特性に伴なつて応答
性が低下し、実際の空気流量を示す信号が得られるt2
までの時間遅れが生じる。このt1〜t2の時間は数100m秒
〜1秒とt0〜t1時の50m秒に比して無視できないもので
ある。一方、空気流量センサ(1)の出力Qに伴なつて第
1の演算値CQmaxは第4図(b)に点線で示すように変化
し、また、第2の演算値CQも第3図(c)に示す演算の結
果実線で示すように変化する。したがつて、補正係数C
は第4図(c)に示すように第1,第2の演算値CQmax,CQの
偏差に応じて変動することになり、この補正係数Cを空
気流量センサ(1)の出力Qに乗算することによつて実際
の吸入空気量に近似した吸入空気量Qを表わす信号
を得ることができる。
このように、空気流量センサ(1)の出力に対してこの出
力が平衡状態において発生する第1の演算値CQmaxを予
じめ記憶させておき、この第1の演算値CQmaxの変化及
び第1の演算値CQmaxとの大小関係に応じて変化する第
2の演算値CQを形成させるとともにこれらの演算値によ
つて補正係数Cを算出させ、空気流量センサ(1)の出力
に補正係数Cを乗算させて補正させるように構成したた
め、温度依存抵抗を支持する保持部材による熱的影響を
解消することができ、空気流量を検出する際の応答特性
を改善することが可能となる。
ところで、このような空気流量センサ(1)を用いる内燃
機関において、スロットル角度が大きい高負荷時に内燃
機関の吹き返しにより吸入空気流に脈動を生じた場合、
第5図(b)に示すように脈動流平均値とセンサ出力平均
値との間で誤差を生ずることがある。これは、空気流量
センサ(1)におけるアルミナ基板(14)の温度分布の時定
数が脈動流に対し十分大きいのに比べ、白金抵抗RHの時
定数が冷却時と加熱時に大きく異なるために生ずるもの
である。このため、脈動流の生ずる高負荷時に第6図に
示すように吸気管内圧力と吸入空気流量との直線性が損
なわれることになり、空燃比エラーを生じて出力低下等
の悪影響を生ずる恐れがある。このような脈動流によつ
て生ずる欠点を除去するため、この発明においては、空
気流量センサ(1)の瞬時出力を用いて補正演算を行なわ
せるように構成している。すなわち、第5図に示すよう
に内燃機関の高負荷運転域で空気流が定常的に脈動流と
なつている場合、瞬時空気流量Qの変動に対して第1、
第2の演算値CQmax,CQを求めるとともに補正係数Cを求
め、この補正係数Cを瞬時空気流量Qに乗算することに
よつて実質空気流量Qを求めることができ、脈動流に
応じた吸入空気流量を検出することが可能となる。
したがつて、吸気管内圧力と吸入空気流量との直線性を
保つことができ、空燃比エラーによる出力低下等の悪影
響を防止することができる。
なお、上述の実施例においては、第1の演算値を空気流
量センサ(1)の出力に応じて予じめ設定するように構成
したが、この第1の演算値は空気流量に対応した値にす
ぎないものであり、内燃機関において空気流量を表わす
パラメータとして用いられているブースト値と回転数あ
るいはスロツトル開度と回転数とによつて第1の演算値
を求めるように構成してもよい。又、実施例では熱式空
気流量センサの流量値を補正するように構成したが、流
量センサの出力値又はこの出力値をA/D変換した値を用
いるようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば熱式流量センサにおけ
る温度依存抵抗及びその保持部材の熱応答遅れを信号処
理により補正することが可能となるとともに吸気管内圧
力と吸入空気流量との直線性を改善することが可能とな
り、構造が簡単で安価な熱式流量センサを用いた流量測
定を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例である内燃機関の燃料噴射
装置を示す基本構成図、第2図は第1図における燃料噴
射装置の信号処理器を示すブロツク図、第3図は本発明
の信号処理方法を示すフローチヤートおよび特性図、第
4図、第5図はタイムチヤートを示す図、第6図は内燃
機関の動作特性を示す図、第7図は内燃機関の熱式空気
流量センサを示すブロツク図、第8図は空気流量をステ
ツプ変化させた時の該センサの空気流量変化率を示す
図、第9図はセンサの熱応答遅れを説明する図である。 図中、(1)は空気流量センサ、(3)はスロツトルバルブ、
(6)はエンジン、(7)はインジエクタ、(8)はクランク角
センサ、(9)は信号処理器、RHは温度依存抵抗、(14)は
保持部材であるアルミナ基板、CQmaxは第1の演算値、C
Qは第2の演算値を示す。 なお、図中、同一符号は同一あるいは相当する部分を示
すものとする。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度に依存して抵抗値が変動する温度依存
    抵抗とこの温度依存抵抗を支持する保持部材とを有し、
    上記温度依存抵抗を介して形成される出力信号に基づ
    き、内燃機関の吸入空気量を検出する熱式流量センサを
    備えたものにおいて、上記吸入空気量が定常状態を維持
    した平衡状態にあるときの上記流量に対応した第1の演
    算値を予じめ設定しておき、定時間信号に基づき上記流
    量に対応した値から上記第1の演算値を求めるととも
    に、所定の時間毎に上記第1の演算値からのずれに対応
    して該第1の演算値から所定値を加減算してなる第2の
    演算値を求め、これら第1,第2の演算値により上記流量
    センサで検出される瞬時出力を補正するようにしたこと
    を特徴とする熱式流量センサの信号処理方法。
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