JPH0718647Y2 - 移載装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はコンベヤ上を搬送されてくる物品を、梱包、包
装あるいは行先別の仕分けのため別のコンベヤに移し変
える移載装置に関するものである。

［従来の技術］ コンベヤ上を搬送されてくる物品を、仕分け、包装、梱
包あるいは保管のため別ラインのコンベヤに移載するに
は、通常、プッシャと移載ロボットを用いて行われてい
る。単に仕分け、包装または梱包するだけであれば、物
品を直接または段ボール箱につめたものを仕分け作業等
の工程に移送すればよいが、物品を自動倉庫に保管し入
出庫指令に応じて搬送を繰り返す場合には、物品または
段ボール箱つめの物品を剛性のあるプラスチック製の収
納箱（通い箱）に収納して取扱う必要がある。

［考案が解決しようとする課題］ 書類、帳票類その他小物などを段ボール箱につめた物品
を、プラスチック製の収納箱（通い箱）に収納するに
は、移載ロボットにより物品を把持して収納箱内に納め
ることも可能であるが、把持力が不足するときには物品
を収納箱内またはその付近に落下させることがあり、把
持力が大きすぎると押しつぶすことがあって物品を傷め
るおそれがある。そこで、やむを得ず人手によって物品
（または段ボール箱つめの物品）を収納箱に収納するこ
とは行われている。人手による収納作業は、多く時間を
要し非能率的であり、改善が望まれていた。

本考案は前記要望に応じてなされたもので、その目的と
するところは、人手を要せず自動的に搬送物品を剛性の
ある収納箱に納めると同時に別ラインのコンベヤ上に移
載させる移載装置を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 前記目的を達成するために、本考案の移載装置は、第１
の搬送ラインを流れてくる搬送物を、プッシャの作動に
より第２の搬送ラインの上方に移動させて、リフタによ
って上昇待機する中敷上に支持させたのち、リフタの下
降によって中敷ごと収納箱内に収納して搬送させるよう
にしたものである。

すなわち、第１の搬送ラインにより搬送されてくる搬送
物を、第１の搬送ラインと平行しかつ高さレベルが下位
にあってストレージ機能のある駆動ローラコンベヤで構
成された第２の搬送ラインに順次移載する装置であっ
て；前記第１、第２の搬送ラインの上面にまたがって配
置され、第１の搬送ラインの搬送方向と直交する方向に
搬送物を押進して第２の搬送ライン側に移動させるプッ
シャと；第１の搬送ラインからの搬送物を第２の搬送ラ
イン上において引き受けるための中敷を有する上面開口
形収納箱と；前記プッシャの押進エンド側に当たる第２
の搬送ラインの下部に配置され、かつプッシャによって
押進された搬送物のレベルと第２の搬送ラインの搬送面
との間を昇降可能としたリフタとからなり；前記リフタ
は、リフタの上昇時に前記第２の搬送ラインのコンベヤ
ローラ間隙に挿入されてプッシャの押進エンド側に進出
した搬送物を支持しうるレベルに中敷をせり上げる複数
のリフタピンを備え；前記収納箱はリフタピンを貫挿し
うる孔付き底板を備え、収納箱内に配置された中敷の下
面には、リフタの上昇時に前記底板を貫いてせり上がる
リフタピンの先端を嵌合させる受け孔が形成されている
ことを特徴とする。

収納箱の底板には中敷下面のリフタピン嵌合用受け孔に
対応する位置に、リフタピン貫通用の透孔が形成されて
いる。

［作用］ 第１の搬送ラインを流れてくる搬送物を、プッシャの作
動により高さレベルが下にある第２の搬送ラインの上方
に移動させて、リフタによって上昇待機する中敷上に支
持させたのち、リフタの下降によって中敷ごと収納箱内
に正確に収納すると同時に第２の搬送ラインに移載して
搬送させる。

［実施例］ 以下図示の実施例の基づき本考案を具体的に説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２図は平面
図である。図中符号10は移載装置で、駆動ローラコンベ
ヤで構成される第１の搬送ライン11と、第２の搬送ライ
ン12と、第１及び第２の搬送ライン11及び12の上面にま
たがって配置され、第１の搬送ラインの搬送方向と直交
する方向に搬送物を押進して第２の搬送ライン側に移動
させるプッシャ13と、第２の搬送ライン12の側部に配置
したリフタ14と、第２の搬送ライン12上を走行するプラ
スチック製の上面開口形収納箱（通い箱）36及び収納箱
36に納めた中敷15と、を主要部分としている。

第２の搬送ライン12は、アキュームレート機能を有する
駆動ローラコンベヤで構成され、前記第１の搬送ライン
11と平行に、しかも前記第１の搬送ラインより低い位置
（収納箱36の高さより大きなレベル差をもつ位置）に配
置されている。

プッシャ13は、前記各ライン11、12を抱持するように配
置した架台に取付けられている。この架台は、フレーム
16の四隅に立てた支柱25の上部にビーム17、17を架け渡
したもので、一対のビーム17、17上にガイドレール18、
18を敷設すると共に、このレール上にガイド19、19を介
してスライド部材20を載置する。このスライド部材20の
上面には、減速機構付モータＭを下向きに配置し、この
モータＭの出力軸に取付けたピニオン21とビーム17の一
側面に設けたラック22とを噛み合せると共に、スライド
部材20の下部には第２の搬送ライン11上に向けて緩衝用
のパッド24付きの押圧部材23が垂設されている。前記モ
ータＭの回動により、スライド部材20がガイドレール1
8、18に沿って移動し、スライド部材20に取付けた押圧
部材23で第１の搬送ライン上の搬送物Ｇを第２の搬送ラ
イン側に押進するようになっている。

リフタ14は、プッシャの押進エンド側に当たる第２の搬
送ライン12の下部に配置され、かつプッシャ13によって
押進された搬送物のレベルと第２の搬送ライン12の搬送
面との間を昇降可能としたもので、第２の搬送ライン上
を流れてくる収納箱36内の中敷15を第１の搬送ライン11
の高さまで持上げ、プッシャ13で押圧移動された搬送物
Ｇを中敷15上に乗せ、ついでリフタの下降により搬送物
を支持した中敷15ごと第２の搬送ライン上の収納箱36に
収容するものである。

すなわち、第１図に示すように、第２の搬送ライン側支
柱25に取付板26を介してエアシリンダ27を固定し、この
ピストンロッド28の先端には支柱25に取付けたガイドレ
ール29に沿って昇降可能なブラケット30を取付ける。こ
のブラケット30には第２の搬送ライン12の下面にむけて
アーム31を取付固定し、さらにこのアーム31の上面の四
隅には、収納箱の底板37（第４図、第５図）を貫いて中
敷15をせり上げるリフタピン32を立設する。

このリフタピン32は、第４図に示すように先端に中敷15
と嵌合する突部32aが形成されており、通常は第２の搬
送ライン12の各ローラ12a、12a間に位置しており、第２
のラインを搬送されてくる中敷15が所定の位置に進出し
たとき、センサ33（第１図）からの信号によりライン上
に設置したストッパ12bが立上がって中敷15を停止させ
る。ついで、前記シリンダ27が作動しピストンロッド28
が収縮してアーム31が上昇し、同時にリフタピン32が前
記ローラ12a、12a間から突出するように構成されてい
る。

なお、第１図において符号11aは第１の搬送ライン側部
から第２の搬送ライン側に張り出させたすべり板、34は
シリンダ27の取付板26の前面に固定したストッパ、35は
第２の搬送ライン12の搬送面両側に配置した位置決めガ
イド、43はケーブルベヤ、44はビーム17の上面における
ガイドレール18、18の両端近くに設けたストッパボルト
である。

前記収納箱36は、上面が開口したプラスチック製の長方
体で、底板37から開口端までの高さは第６図に示すよう
に第２の搬送ライン12の搬送面から第２の搬送ライン11
の搬送面の高さＨにほぼ等しいか、あるいは若干低めで
ある。また、底板37には前記リフタ14のアーム31に突出
配置した４本のリフタピン32と対接する位置に各リフタ
ピン32が貫通しうる大きさの透孔38が形成されている。
また収納箱36の側壁39の外側上端には補強を兼ねる取手
40が三条に亘って周設されている。

一方、中敷15は、収納箱36の底板37上に載置されるもの
で、底板37よりも若干小さなプレート上で下面側には補
強を兼ねる多数のスペーサ41が突出形成されている。ま
た、この中敷15は、収納箱36の底板37に形成した４つの
透孔38と対応する位置に、リフタピン32の先端突部32a
と嵌合するテーパ状または坐ぐり孔状の４つの受け孔42
が形成されている（第５図）。

次に上記移載装置の動作について説明する。

まず、中敷15を収容した収納箱（通い箱）36が第２の搬
送ライン12上を搬送され、リフタ14の位置に達したと
き、センサ33で感知しコンベヤライン12に配置したスト
ッパ12bを作動させて停止させる。このとき、収納箱36
の底板37にあけた各透孔38がそれぞれリフタピン32の真
上にあるよう静止させる（第２図）。

ついで、リフタ14のエアシリンダ27を作動させてピスト
ンロッド28を収縮させると、これにブラケット30を介し
て取付けたアーム31が上昇すると共に、４本のリフタピ
ン32が第２の搬送ライン12のローラ12a、12aの間から上
昇し、収納箱36の底板37に設けた透孔38を貫通して中敷
15の受け孔42と嵌合する。さらに、シリンダ27を作動さ
せてアーム31を上昇させると、中敷15はリフタンピン32
に支えられながら収納箱36内を上昇し、中敷15の上面が
第１の搬送ライン11の搬送面と同一レベルに達するの
で、その位置で停止させておく（第６図）。

一方、第１の搬送ライン11上を搬送されてきた搬送物を
プッシャ13の位置で停止させる。このような状態でプッ
シャ13を駆動する。すなわち、プッシャ13のスライド部
材20上面に配置したモータＭを回動させると、モータＭ
の出力軸に取付けたピニオン21が回転し、このピニオン
21はビーム17に固定したラック22と噛合しているので、
スライド部材20はラック22に沿って第２の搬送ライン12
側にスライドする。同時にスライド部材20の下面に取付
けた押圧部材23は、搬送物Ｇを第２の搬送ラインの上面
に待機していた中敷15上に移載させる（第７図）。

移載が完了したらモータＭを逆回転させてプッシャ13を
待機位置に復帰させる。ついで、リフタ14のシリンダ27
を作動させてピストンロッドを伸長させると搬送物Ｇを
載置した中敷15はリフタピン32に支持されながら収納箱
36内を下降し、収納箱36の底板37上に載置される。

さらに、ピストンロッド28を伸長させるとリフタピン先
端36aと中敷15に設けた受け孔42との嵌合が外れ、リフ
タピン32は収納箱36の底板37に設けた透孔38を抜け出て
ローラ12a、12間の下面待機位置に復帰する（第８
図）。リフタピン32が待機位置にもどると、収納箱36を
第２のライン12上に停止させているストッパ12bが解除
され、搬送物Ｇを載置している中敷15を収納した収納箱
36ごと第２の搬送ラインで自動仕分け装置または保管設
備等に向けて搬送させる（第８図）。

なお、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、
考案の要旨を変更しない限りにおいて種々の修正あるい
は設計変更をなしうることはいうまでもない。

［考案の効果］ 上記のように本考案によれば、第１の搬送ラインを流れ
てくる搬送物を、プッシャの作動により高さレベルが下
にある第２の搬送ラインの上方に移動させて、リフタに
よって上昇待機する中敷上に支持させたのち、リフタの
下降によって中敷ごと収納箱内に収納するようにしたの
で、段ボール箱につめた物品等を傷めることなく、仕分
けや自動倉庫利用の保管に適するプラスチック製の収納
箱（通い箱）に収納すると同時に第２の搬送ラインに移
載させることができる。また、第１、第２の搬送ライン
の上面にまたがる位置にプッシャを配置し、プッシャの
押進エンド側に当たる第２の搬送ラインの下部にリフタ
を設けて搬送物を中敷付き収納箱に移載しながら収納す
るので構造が簡単であり、廉価な移載装置を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２図は同上
平面図、第３図は同上正面図、第４図はリフタの要部を
示す斜視図、第５図は中敷を示す断面図、第６図ないし
第８図は作動状態を示す図である。 10…移載装置、11…第１の搬送ライン、11a…すべり
板、12…第２の搬送ライン、12a…ローラ、12b、34…ス
トッパ、14…リフタ、15…中敷、16…フレーム、17…ビ
ーム、18…ガイドレール、19…ガイド、20…スライド部
材、21…ピニオン、22…ラック、23…押圧部材、24…バ
ッド、25…支柱、26…取付板、27…エアシリンダ、28…
ピストンロッド、29…ガイドレール、30…ブラケット、
31…アーム、32…リフタピン、33…センサ、35…位置決
めガイド、36…収納箱（通い箱）、37…底板、38…透
孔、39…側壁、40…取手、41…スペーサ、42…リフタピ
ン嵌合用受け孔。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】第１の搬送ライン（11）により搬送されて
   くる搬送物を、第１の搬送ライン（11）と平行しかつ高
   さレベルが下位にあってストレージ機能のある駆動ロー
   ラコンベヤで構成された第２の搬送ライン（12）に順次
   移載する装置であって、 前記第１、第２の搬送ラインの上面にまたがって配置さ
   れ、第１の搬送ライン（11）の搬送方向と直交する方向
   に搬送物を押進して第２の搬送ライン（12）側に移動さ
   せるプッシャ（13）と、 第１の搬送ライン（11）からの搬送物を第２の搬送ライ
   ン（12）上において引き受けるための中敷（15）を有す
   る上面開口形収納箱（36）と、 前記プッシャ（13）の押進エンド側に当たる第２の搬送
   ライン（12）の下部に配置され、かつプッシャ（13）に
   よって押進された搬送物のレベルと第２の搬送ライン
   （12）の搬送面との間を昇降可能としたリフタ（14）と
   からなり、 前記リフタは、リフタの上昇時に前記第２の搬送ライン
   のコンベヤローラ間隙に挿入されて、プッシャの押進エ
   ンド側に進出した搬送物を支持しうるレベルに中敷（1
   5）をせり上げる複数のリフタピン（32）を備え、 前記収納箱（36）はリフタリフタピン（32）を貫挿しう
   る孔付き底板（37）を備え、収納箱内に配置された中敷
   （15）の下面には、リフタの上昇時に前記底板（37）を
   貫いてせり上がるリフタピン（32）の先端を嵌合させる
   受け孔（42）が形成されていることを特徴とする移載装
   置。
2. 【請求項２】収納箱（36）の底板（37）には中敷（15）
   下面のリフタピン嵌合用受け孔（42）に対応する位置
   に、リフタピン貫通用の透孔（38）が形成されている請
   求項１に記載の移載装置。