JPH07185186A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗濯兼脱水槽の内壁に向けてシャワー状に給
水できる洗濯機において、少ない水量で、ばらつきの少
ない所定のすすぎ性能を得る。 【構成】 洗濯物を投入し洗濯、脱水する洗濯兼脱水槽
をもーた４により駆動し、洗濯兼脱水槽の内壁に向けて
第１の給水弁７よりシャワー状に給水する。モータ４お
よび第１の給水弁７の動作を制御する制御手段１３は、
第１の給水弁７による給水と脱水回転を交互に繰り返す
ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗濯物上にシャワー状
に給水しながらすすぎを行う洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、地球環境保護や省資源に対する人
々の意識が高まっている。洗濯機に対しても、節水、節
洗剤や時間短縮が強く要望されている。

【０００３】従来、洗濯機の主となるすすぎ方式は、水
をためた洗濯兼脱水槽の中で布を撹拌するためすすぎ、
または水をためた洗濯兼脱水槽の中で布を撹拌しながら
注水をつづける注水すすぎであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のい
ずれのすすぎの場合も、衣類全体が水にひたるまで水位
を上げるために多量のすすぎ水が必要である。それゆえ
水量を少なくすると衣類全体が水にひたらず、節水すす
ぎができないという問題があった。

【０００５】この問題の解決案として、布に飽和給水量
の範囲内のすすぎ水を供給し、その後脱水するという方
法が既に提案されている。しかし、この方法で布への水
の供給が不均一になった場合には、従来のためすすぎに
対してすすぎ効果がばらついたり、不十分になるという
問題があった。

【０００６】さらに、布に均一に水を供給するために、
シャワー状に給水する方法が提案されているが、この場
合、給水水栓の水圧が低すぎるとシャワー水が衣類に届
かずすすぎ性能が低下するという問題がある。また、給
水水栓の水圧が高すぎると、シャワー水が布に跳ね返っ
て周辺に飛び散るという問題を有していた。

【０００７】一方、所定のすすぎ性能を確保するために
繰り返しすすぎが必要となるが、複数回の給水、脱水を
行うために全行程にかかる時間が長くなるという問題を
有していた。

【０００８】本発明は上記課題を解決するもので、少量
の水でばらつきの少ない所定のすすぎ性能を得ることを
第１の目的としている。

【０００９】また、給水水栓の水圧が変動してもシャワ
ーが確実に布に届く場合のみシャワーすすぎを行うよう
にすることを第２の目的としている。

【００１０】また、シャワー給水時に給水水栓の水圧が
高くても水が布に跳ね返って飛び散らないようにするこ
とを第３の目的としている。

【００１１】さらに、脱水終了前の惰性回転時につぎの
シャワー給水を行い、全行程にかかる時間を短縮するこ
とを第４の目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は上記第１の目的
を達成するために、洗濯物を投入し洗濯、脱水する洗濯
兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、前
記洗濯兼脱水槽の内壁に向けてシャワー状に給水するシ
ャワー給水手段と、前記モータおよびシャワー給水手段
の動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、
前記シャワー給水手段による給水と脱水回転を交互に繰
り返すように構成したことを第１の課題解決手段として
いる。

【００１３】また、第２の目的を達成するために、上記
第１の課題解決手段に加えて、給水時の流量を測定する
給水流量測定手段を備え、制御手段は、前記給水流量測
定手段によって測定された流量が第１の所定値以上の場
合にはシャワー給水と脱水回転を繰り返すシャワーすす
ぎを行い、第１の所定値未満の場合には洗濯兼脱水槽内
に水をためて撹拌するすすぎを行うようにしたことを第
２の課題解決手段としている。

【００１４】また、第３の目的を達成するために、上記
第１の課題解決手段に加えて、給水時の流量を測定する
給水流量測定手段と、給水水栓に連通してシャワー給水
手段とは別の第２の給水手段を備え、制御手段は、シャ
ワー給水手段からの給水流量が第２の所定値を越える場
合は第２の給水手段を同時に給水動作するようにしたこ
とを第３の課題解決手段としている。

【００１５】さらに、第４の目的を達成するために、上
記第１の課題解決手段に加えて、モータからの信号を通
して洗濯兼脱水槽の脱水回転数を検知する回転数検知手
段を備え、制御手段は、前記回転数検知手段によって検
知された回転数が所定範囲内の惰性回転時にシャワー給
水手段による給水動作を開始するようにし、シャワー給
水が終了した後につぎの脱水行程へ移行するようにした
ことを第４の課題解決手段としている。

【００１６】

【作用】本発明は上記した第１の課題解決手段により、
脱水後の洗濯物に直接シャワー水を供給するので、必要
な給水量は洗濯物の飽和給水量の範囲内であり、洗濯兼
脱水槽に水をためるよりはるかに少量の水ですすぎを行
うことができる。また、脱水回転の遠心力を利用して洗
剤を洗濯物から除去し、しかも複数回繰り返して行うこ
とで所定のすすぎ性能を確保できる。

【００１７】また、第２の課題解決手段により、給水水
栓の水圧に応じてすすぎ方法を選ぶことができる。つま
り、給水水栓の水圧の大小を給水流量に置き換えて判定
し、給水流量が、シャワー給水が可能な値（第１の所定
値）以上であればシャワーすすぎ、シャワー給水が可能
な値（第１の所定値）未満のときはためすすぎを選ぶこ
とができる。

【００１８】また、第３の課題解決手段により、シャワ
ー給水の給水流量を調整することができる。つまり、シ
ャワー給水手段と同一の給水水栓に連通する第２の給水
手段を設け、シャワー給水流量が水の飛び散りが起こる
値（第２の所定値）未満であればシャワー給水手段のみ
を使用して給水を行い、水の飛び散りが起こる値（第２
の所定値）以上であればシャワー給水手段と第２の給水
手段を併用して給水を行う。これにより、給水流量を調
節でき適度な流量を保たせながら洗濯物に水をかけるこ
とができる。

【００１９】さらに、第４の課題解決手段により、回転
数検知手段によって検知された洗濯兼脱水槽の回転数が
惰性回転の範囲内にあるときにシャワー給水を行い、洗
濯物に均等にシャワー水をかけることが可能である。ま
た、惰性回転状態の間にシャワー給水を完了すれば、回
転停止後すぐにつぎの脱水行程へ移行できるので、給
水、脱水の行程移行にかかる時間の短縮が可能となる。

【００２０】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例を図１および図
２を参照しながら説明する。

【００２１】図２に示すように、外槽１は、内部に洗濯
兼脱水槽２を回転自在に配設しており、洗濯兼脱水槽２
の底部には撹拌翼３を回転自在に設けている。モータ４
は、洗濯時には減速装置５を介して撹拌翼３を駆動し、
脱水時には洗濯兼脱水槽２を駆動する。回転数検知手段
６は、モータ４の回転数を検知することにより洗濯兼脱
水槽２の回転数を検知するもので、速度発電機などによ
り構成している。

【００２２】第１の給水弁（シャワー給水手段）７は、
洗濯兼脱水槽２の内壁に向けてシャワー状に給水するも
のであり、第２の給水弁（第２の給水手段）８は、シャ
ワー給水手段７とは別に洗濯兼脱水槽２内に給水するも
のである。給水流量測定手段９は、シャワー給水手段７
および第２の給水手段８からの給水量を測定する。排水
弁１０は、洗濯兼脱水槽２内の洗濯水を排水する。制御
装置１１は洗濯機本体１２の上面に設けている。

【００２３】制御装置１１は図１に示すように構成して
おり、制御手段１３は、操作表示手段１４により入力さ
れた設定内容に基づいて、洗い、すすぎ、脱水の各行程
を逐次制御するもので、パワースイッチング手段１５を
介して、モータ４、第１の給水弁７、第２の給水弁８お
よび排水弁１０を逐次制御する。記憶手段１４は、制御
手段１３による逐次制御に必要なデータを記憶してい
る。

【００２４】布量検知手段１６は、洗濯兼脱水槽２内の
洗濯物の量を検知するもので、モータ４の通電を遮断し
た後の惰性回転中のモータ４の逆起電力により洗濯物の
量を検知し、その出力を制御手段１３に入力するように
している。水位検知手段１７は、洗濯兼脱水槽２内の水
位を検知し、その出力を制御手段１３に入力している。
なお、１８はモータ４の進相用コンデンサ、１９は電源
スイッチ、２０は商用電源である。

【００２５】制御手段１３は、第１の給水弁７による給
水と脱水回転を交互に繰り返すようにし、また、給水流
量測定手段９によって測定された流量が第１の所定値以
上の場合には、シャワー給水と脱水回転を繰り返すシャ
ワーすすぎを行い、第１の所定値未満の場合には、洗濯
兼脱水槽２内に水をためて撹拌するすすぎを行うように
している。また、第１の給水弁７からの給水流量が第２
の所定値を越える場合は、第２の給水弁８を同時に給水
動作するようにし、さらに、回転数検知手段６によって
検知された回転数が所定範囲内の惰性回転時に、第１の
給水弁７による給水動作を開始するようにし、シャワー
給水が終了した後につぎの脱水行程へ移行するようにし
ている。

【００２６】上記構成において図３を参照しながら動作
を説明すると、ステップ２１で洗濯給水時に給水流量測
定手段９により給水流量を測定し、測定値を記憶手段１
４に記憶しておく。そしてステップ２２へ進み洗濯行
程、排水行程を行う。ステップ２３では、ステップ２１
において測定した給水流量値に基づいて、制御手段１３
がすすぎ方式を決定する。つまり、給水流量があらかじ
め定められた第１の所定値以上の場合にはシャワーすす
ぎを行い、第１の所定値未満の場合はためすすぎを行
う。ためすすぎに決定した場合にはステップ２９へ進
む。また、シャワーすすぎに決定した場合には、さら
に、シャワー給水時に第１の給水弁７と第２の給水弁８
との併用比率を決定した上でステップ２４へ進み、パワ
ースイッチング手段１５を介してモータ４を駆動して脱
水を開始する。

【００２７】所定時間の脱水を行った後、ステップ２５
でモータ４への通電を停止する。つづいてステップ２６
へ進み、モータ通電停止後の惰性回転時に回転数検知手
段６によって洗濯兼脱水槽２回転数を検知する。回転数
が所定の範囲内の値になった時点で（惰性回転時）、ス
テップ２７へ進み、第１の給水弁７と第２の給水弁８と
をステップ２３で決定した併用比率に応じて作動させ、
洗濯兼脱水槽２の内壁にある洗濯物に向けてシャワー状
に給水を行う。ステップ２８では、ある程度のすすぎ性
能を確保するためにシャワーすすぎを繰り返すかどうか
を布量やシャワー給水量などに基づいて判断する。

【００２８】シャワーすすぎを繰り返すと決定した場合
は、ステップ２４へ戻り再び脱水回転とシャワー給水を
行う。シャワーすすぎを繰り返さない場合は、ステップ
２９に進み中間脱水を行う。その後、ステップ３０で
は、ためすすぎを選んでいる場合は勿論、たとえシャワ
ーすすぎを選んで行った場合でも、すすぎ行程の仕上げ
段階として１回以上のためすすぎを行う。さらに、ステ
ップ３１で最終脱水を行って全行程を終了する。

【００２９】本実施例によるすすぎの使用水量を従来の
ためすすぎの使用水量と比較して図４に示している。図
４のＡが従来のためすすぎを行う場合であるが、洗濯物
全体が水にひたるまで水位を上げるために、多量のすす
ぎ水が必要となる。しかも、２回繰り返しすすぎを行う
と使用水量は２倍になる。図４のＢは本実施例によるシ
ャワーすすぎを行う場合の使用水量の一例である。シャ
ワー給水量は洗濯物の飽和給水量以下であるので、ため
すすぎと比べて非常に少ない水量ですすぎを行うことが
できる。さらに、２回目以降の繰り返しすすぎの場合
も、１回目の使用水量に係わらずに給水量を自由に設定
できる。また、すすぎの仕上げ段階としてためすすぎを
行っても、すすぎ全体で使用する水量を、ためすすぎの
場合と比べてかなり節約できる。

【００３０】また、すすぎ性能の評価の一つとして、す
すぎ後の洗濯物に残留する洗剤量の分析結果を図５(a)
(b)に示している。図５(a)は従来のためすすぎ２回の場
合を示しており、図５(b)はシャワーすすぎ２回とその
後ためすすぎ１回を行った場合を示している。最終的な
洗剤残留率ではＲcはＲ2よりも低い値をとり、シャワー
すすぎは、従来の繰り返しためすすぎと同程度もしくは
それを上回るすすぎ性能を確保している。このように、
シャワーすすぎは、洗濯物に水を含ませ脱水回転の遠心
力を利用して、水と一緒に洗剤を洗濯物から除去すると
いう方法で、使用水量を少なくしてしかも効率よくすす
ぎを行うことができる。

【００３１】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
によれば、洗濯物を投入し洗濯、脱水する洗濯兼脱水槽
と、前記洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、前記洗濯兼
脱水槽の内壁に向けてシャワー状に給水するシャワー給
水手段と、前記モータおよびシャワー給水手段の動作を
制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記シャ
ワー給水手段による給水と脱水回転を交互に繰り返すよ
うに構成したから、洗濯兼脱水槽に水をためてすすぎを
行うよりもはるかに少ない水量で、ばらつきの少ない所
定のすすぎ性能を得ることができる。

【００３２】また、給水時の流量を測定する給水流量測
定手段を備え、制御手段は、前記給水流量測定手段によ
って測定された流量が第１の所定値以上の場合にはシャ
ワー給水と脱水回転を繰り返すシャワーすすぎを行い、
第１の所定値未満の場合には洗濯兼脱水槽内に水をため
て撹拌するすすぎを行うようにしたから、給水水栓の水
圧が変動してもシャワーが確実に布に届く場合のみシャ
ワーすすぎを行うようにし、給水水栓の水圧の大小に応
じて適切なすすぎをすることができる。

【００３３】また、給水時の流量を測定する給水流量測
定手段と、給水水栓に連通してシャワー給水手段とは別
の第２の給水手段を備え、制御手段は、シャワー給水手
段からの給水流量が第２の所定値を越える場合は第２の
給水手段を同時に給水動作するようにしたから、シャワ
ー給水時に給水水栓の水圧が高くても水が布に跳ね返っ
て飛び散らないようにし、シャワー給水時に起こる水の
飛び散りを防ぐことができる。

【００３４】さらに、モータからの信号を通して洗濯兼
脱水槽の脱水回転数を検知する回転数検知手段を備え、
制御手段は、前記回転数検知手段によって検知された回
転数が所定範囲内の惰性回転時にシャワー給水手段によ
る給水動作を開始するようにし、シャワー給水が終了し
た後につぎの脱水行程へ移行するようにしたから、給
水、脱水の行程の移行にかかる時間を短縮することがで
き、なお、かつシャワー水を洗濯物に対して均等にかけ
てすすぎ性能のばらつきを小さい範囲にとどめることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の洗濯機のブロック回路図

【図２】同洗濯機の縦断面図

【図３】同洗濯機の要部の動作フローチャート

【図４】同洗濯機におけるすすぎ時使用水量の一例を示
す図

【図５】同洗濯機におけるすすぎ性能を示す図

【符号の説明】

２ 洗濯兼脱水槽 ４ モータ ７ 第１の給水弁（シャワー給水手段） １３ 制御手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 文夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 今井 俊次 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯物を投入し洗濯、脱水する洗濯兼脱
   水槽と、前記洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、前記洗
   濯兼脱水槽の内壁に向けてシャワー状に給水するシャワ
   ー給水手段と、前記モータおよびシャワー給水手段の動
   作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記
   シャワー給水手段による給水と脱水回転を交互に繰り返
   すように構成した洗濯機。
2. 【請求項２】 給水時の流量を測定する給水流量測定手
   段を備え、制御手段は、前記給水流量測定手段によって
   測定された流量が第１の所定値以上の場合にはシャワー
   給水と脱水回転を繰り返すシャワーすすぎを行い、第１
   の所定値未満の場合には洗濯兼脱水槽内に水をためて撹
   拌するすすぎを行うようにした請求項１記載の洗濯機。
3. 【請求項３】 給水時の流量を測定する給水流量測定手
   段と、給水水栓に連通してシャワー給水手段とは別の第
   ２の給水手段を備え、制御手段は、シャワー給水手段か
   らの給水流量が第２の所定値を越える場合は第２の給水
   手段を同時に給水動作するようにした請求項１記載の洗
   濯機。
4. 【請求項４】 モータからの信号を通して洗濯兼脱水槽
   の脱水回転数を検知する回転数検知手段を備え、制御手
   段は、前記回転数検知手段によって検知された回転数が
   所定範囲内の惰性回転時にシャワー給水手段による給水
   動作を開始するようにし、シャワー給水が終了した後に
   つぎの脱水行程へ移行するようにした請求項１記載の洗
   濯機。