JPH0716231Y2 - 売上データ処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は電子式キャッシュレジスタ等の売上データ処
理装置に関する。

［従来の技術］ 従来、電子式キャッシュレジスタ（ECR）においては、
一般に担当者１人で使用することを前提として設計され
ており、また、２人制方式を採用したECRにおいては、
１人の担当者が売上データの登録を行い、他の担当者が
金銭授受を行うように設計されている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、２人制方式のECRにおいては、金銭授受
を他の担当者に委ねる為、それだけ作業効率を向上する
ことができるが、買上げ商品の商品コード等を入力して
登録を行う登録操作は、一般的なECRと同様に、担当者
１人で行なわなければならない。

その結果、店が混雑し、複数の客が会計を待っている状
態では、後の客は先の客に登録が終り、レシートが発行
されるまで待されることになる。

このような場合に対処する為には複数台のECRを設置す
ればよいが、店舗スペースが限られている小規模な店に
とっては、最善策とは言えず、商品陳列スペースを削減
しなければならない等の問題があった。

この考案の課題は、１台の売上データ処理装置であって
も２人以上の担当者が同時平行して登録を行うことがで
きるようにすることである。

［課題を解決するための手段］ この考案の手段は、次の通りである。

データ入力手段１（第１図の機能ブロック図を参照、以
下同じ）は、商品コード等の売上データを入力するもの
で、商品ラベル等からバーコード（商品コード）を光学
的に読取るバーコードリーダやキーボード等で、このデ
ータ入力手段１が複数個設けられている。

データ記憶手段２は各データ入力手段１に対応して設け
られ、対応するデータ入力手段１から入力された売上デ
ータを記憶する印字バッファ等である。

登録終了キー３は各データ入力手段１に対応して設けら
れた小計キー等である。

判別手段４はデータ入力手段１から入力された売上デー
タがどのデータ入力手段１から入力されたものかを判別
する。

記憶制御手段５はこの判別手段４で判別されたデータ入
力手段１からの売上データを対応するデータ記憶手段２
に記憶させる。

［作用］ この考案の手段の作用は次の通りである。

いま、データ入力手段１としてバーコードリーダが２個
用意されているものとする。ここで、例えば店が混雑
し、客の待ち行列が長くなったような場合には、２人の
担当者がデータ入力手段１としてのバーコードリーダを
夫々用いて登録を行う。

すると、判別手段４は入力された売上データがどのデー
タ入力手段１から入力されたものかを判別するが、この
場合、データ入力手段１から入力された売上データに入
力手段を識別する為の識別コードを付加するようにすれ
ば、その判別を容易かつ確実に行うことが可能である。

そして、記憶制御手段５は入力された売上データを当該
データ入力手段１に対応するデータ記憶手段２に転送記
憶させる。したがって、各データ記憶手段２には対応す
るデータ入力手段１から入力された売上データが順次格
納されてゆく。

しかして、一取引の登録が終了すると、いま使用したデ
ータ入力手段１に対応して設けられている登録終了キー
３を操作する。すると、登録終了キー３が操作された際
に当該登録終了キー３に対応するデータ記憶手段２内の
データが読み出されて印字等により出力される。

したがって、１台の売上データ処理装置によって２人以
上の担当者が同時に登録を行うことができるので、登録
作業を担当者の数に略比例して効率良く行うことが可能
となり、その結果、店舗スペース等を有効に活用するこ
ともできる。

［実施例］ 以下、第２図〜第８図を参照して一実施例を説明する。

第２図はECRの構成を示したブロック回路図である。

このECRにはハンディタイプのバーコードリーダ（ハン
ドスキャナ）11、12が２台設けられており、ECR本体に
有線接続されている。そして、各ハンドスキャナ11、12
にはスキャナ識別用の識別スイッチS1、S2が設けられい
る。しかして、ハンドスキャナ11、12を用いて商品ラベ
ル等をスキャニングすることによって商品ラベル等から
光学的に読み取ったバーコード（商品コード）はスイッ
チS1、S2の操作位置に応じて内部メモリ（図示せず）か
ら読み出されたスキャナ固有の識別コードを付加され、
対応する入力制御部13、14を介してCPU15に取り込まれ
る。

また、このECRには通常備えられているキー入力部16が
設けられており、操作キーに対応して出力されるキーコ
ードは、入力制御部17を介してCPU15に取り込まれる。

CPU15はコードバッファCB、フラグレジスタflag1、flag
2を有する構成となっている。ここで、コードバッファC
Bは入力された商品コードやキーコードを一時記憶する
入力バッファである。また、フラグレジスタflag1、fla
g2は、小計１キーKEあるいは小計２キーKFが操作された
際にどちらの小計キーが操作されたかを特定する為のフ
ラグがセットされるレジスタである。そして、CPU15はR
OM18に格納されているマイクロプログラムにしたがって
データ入力処理の他、登録処理を実行する。即ち、CPU1
5は入力された売上データをRAM19を用いて登録すると共
に、表示駆動部20、印字制御部21に送って表示部22に表
示出力させると共に、印字部23にセットされている登録
紙に印字出力させる。また、CPU15はキー入力部16に設
けられている後述の現金／預かり金キーが操作された際
に、ドロア24を開放させる他、必要に応じて釣銭計算を
実行すると共に、レシートを発行させる。

第３図はキー入力部16のキーボード構成を示し、このキ
ーボード上には売上個数等を置数する置数キーKA、現金
売り登録を締める現金／預り金キーKB、置数ミスを消去
するクリアキーKC、「数量×単価」で乗算登録を行った
り、時刻表示を行う乗算／時刻キーKD、ハンドスキャナ
11、12に対応して設けられた小計１キーKE、小計２キー
KF等を有する他、モード切換スイッチMSを有する構成と
なっている。なお、モード切換スイッチMSはその切換位
置に対応して「Ｐ（設定）」、「REG（登録）」、「OFF
（電源オフ）」、「Ｘ（点検）」、「Ｚ（精算）」の各
モードを切換える所謂コントロール・ロックである。

第４図は、RAM19の構成を示したメモリ構成図である。
このRAM19には、通常備えられているPLU（プライス・ル
ック・アップ）メモリ19−１および取引別メモリ19−２
の他に、ハンドスキャナ11、12を使用するキャッシャに
対応して２つの小計メモリ、即ち、、キャッシャ１小計
メモリ19−３、キャッシャ２小計メモリ19−４が設けら
れていると共に、２つの印字バッファ、即ちキャッシャ
１印字バッファ19−５、キャッシャ２印字バッファ19−
６が設けられている。

次に、本実施例の動作を説明する。

いま、店が混雑し、２人のキャッシャが別の客に対して
夫々PLU登録を行うものとする。この場合、モード切換
スイッチMSが登録モードにセットされている状態におい
て、キャッシャは他のキャッシャが現在登録中であるか
否かに拘らず、独自に登録を開始する。

いま、キャッシャがハンドスキャナ11（あるいはハンド
スキャナ12）を用いて商品ラベル等をスキャニングする
と、それによって読み取られた商品コードにスキャナ固
有の識別コードが付加されCPU15のコードバッファCBに
書き込まれる。

CPU15はコードバッファCBに商品コードが記憶されてい
れば第５図のフローチャートにしたがった登録処理を実
行開始するものであり、先ず、コードバッファCB内に商
品コードが記憶されているか否かをチェックする（ステ
ップA1）、この際コードバッファCBに商品コードが記憶
されていなければ何も処理は行なわれないがコードバッ
ファCB内に商品コードが記憶されてる場合には、ステッ
プA1でそのことが検出されてステップA2に進み、コード
バッファCB内の商品コードに基づいてRAM19内のPLUメモ
リ19−１を検索し、当該商品の売上個数や売上金額を類
型する。そして、当該商品コードがハンドスキャナ11か
ら入力されたものであるか、ハンドスキャナ12から入力
されたものであるかを識別コードに基づいて判別する
（ステップA3）。

いま、ハンドスキャナ11から商品コードが入力された場
合には、先ず、ステップA2で検索した商品単価を対応す
るキャッシャ１小計メモリ19−３に累計する（ステップ
A4）。次に、当該商品単価をその商品名と共に対応する
キャッシャ１印字バッファ19−５に書き込む（ステップ
A5）。

一方、ハンドスキャナ12から商品コードが入力された場
合も同様に、キャッシャ２小計メモリ19−４の内容を累
計すると共に、キャッシャ２印字バッファ19−６に商品
単価をその商品名と共に書き込む（ステップA6、A7）。

そして、上述した何れの場合においても、ステップA8に
進み、登録された商品情報（商品名や単価）を表示部22
に表示出力させる（第８図参照）。

なお、第８図はハンドスキャナ11、12による登録操作例
とそれに対応する表示および印字状態を示し、ハンドス
キャナ11、12から商品コードが入力される毎に、商品情
報が表示されることは通常のECRと同様であるが、本実
施例においては登録商品の商品情報をキャッシャ１印字
バッファ19−５、キャッシャ２印字バッファ19−６に書
き込むだけでレシート等への印字は行わない。

このように２人のキャッシャがハンドスキャナ11、12を
用いて登録を並行（混在）して行った場合には、キャッ
シャ別に小計額が小計メモリ19−３、19−４にセットさ
れると共に、キャッシャ別に売上データが印字バッファ
19−５、19−６にセットされる。

いま、ハンドスキャナ11に対する一取引分の登録が終了
した場合には、ハンドスキャナ11に対応して設けられて
いる小計１キーKEを操作する。すると、第６図のフロー
チャートにしたがった小計処理が実行される。先ず、ス
テップB1で小計１キーKEが操作されたことを認識する
と、それに対応するキャッシャ１小計メモリ19−３から
小計額を読み出して表示出力し（ステップB2）、次で小
計１キーKEに対応するフラグレジスタflag1にフラグ
“1"をセットする（ステップB3）．したがって、第８図
に示すように小計１キーKEが操作されると、ハンドスキ
ャナ11を用いて登録した商品の小計額が表示される。

次に、現金／預り金キーKBを操作すると、第７図のフロ
ーチャートにしたがった締め処理が実行される。先ず、
フラグレジスタflag1、flag2の何れに“1"がセットされ
ているか否かをチェックするが（ステップC1）、いま、
フラグレジスタflag1に“1"がセットされているので、
キャッシャ１小計メモリ19−３の内容を呼び出して（ス
テップC2）、それを取引別メモリ19−２内の現金売り金
額に累計すると共に、現金売り件数「１」を加算する
（ステップC4）、そして、この時の小計額を現金売り額
として「現売」のシンボルと共に表示させる（ステップ
C5）。そして、ステップC6に進んでステップC1と同様な
チェックを行うが、この場合、フラグレジスタflag1に
“1"がセットされているので、ステップC7に進み、キャ
ッシャ１印字バッファ19−５に記憶保持さているデータ
を全て読み出して印字出力させる。したがって、第８図
に示すような印字内容のレシートが発行される。なお、
キャッシャ１印字バッファ19−５の内容はその後、クリ
アされる（ステップC9）。

しかして、ハンドスキャナ12を用いた一取引分の登録が
終了すると、ハンドスキャナ12に対応して設けられてい
る小計２キーKFを操作する。これによって上述の場合と
同様に、第６図のフローチャートにしたがった小計処理
が実行される。これによって、キャッシャ２小計メモリ
19−４内の小計額が表示され（ステップB4）、次で、フ
ラグレジスタflag2に“1"がセットされる（ステップB
5）。

続いて、現金／預り金キーKBを操作すると、上述の場合
と同様に第７図のフローチャートにしたがった締め処理
が実行される。これによって、キャッシャ２小計メモリ
19−４から小計額が呼び出され（ステップC3）、それが
取引別メモリ19−２内の現金売り金額に累計されると共
に、現金売り件数に「１」が加算される（ステップC
4）。そして、この時の小計額が現金売り合計額として
「現売」のシンボルと共に表示される（ステップC5）。
その後、キャッシャ２印字バッファ19−６内のデータが
全て印字される（ステップC8）。したがって、第８図に
示すような印字内容のレシートが発行される。このよう
にしてキャッシャ２印字バッファ19−６内のデータが印
字されると、その内容はクリアされる（ステップC9）。

このように本実施例においては、ハンドスキャナ11を用
いた登録と、ハンドスキャナ12を用いた登録が混在して
いても、それぞれのキャッシャ毎にレシートの発行が可
能となる。

なお、上記実施例は２台のハンドスキャナを備えたが、
３台以上のハンドスキャンを設けてもよい。また、ハン
ドスキャナは有線式のものに限らず、無線式のものであ
ってもよい。

また、複数台のデータ入力手段としてはキーボードであ
ってもよく、更に、１台のキーボードと１台のハンドス
キャナを用いて並行して登録を行うようにしてもよい。

［考案の効果］ この考案は、１台の売上データ処理装置によって２人以
上の担当者が同時に並行して登録を行うことができるの
で、登録作業を効率良く行うことが可能であると共に、
複数台の売上データ処理装置を設置する必要がなく、店
舗スペースの点からも有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の機能ブロック図、第２図〜第８図は
実施例を示し、第２図はECRの基本的な構成を示すブロ
ック回路図、第３図はキー入力部16を構成するキーボー
ドを示した図、第４図はRAM19の構成図、第５図は商品
登録時の動作を示したフローチャート、第６図は小計１
キーKEあるいは小計２キーKFが操作された際の動作を示
すフローチャート、第７図は現金／預り金キーKBが操作
された際の動作を示すフローチャート、第８図は登録操
作例とそれに対応する表示および印字状態図である。 11、12……ハンドスキャナ、15……CPU、18……ROM、19
……RAM、19−５……キャッシャ１印字バッファ、19−
６……キャッシャ２印字バッファ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】売上データを入力する複数のデータ入力手
   段と、 この各データ入力手段に対応して設けられ、対応する前
   記データ入力手段から入力された売上データを記憶する
   データ記憶手段と、 前記データ入力手段に対応して設けられた登録終了キー
   と、 前記データ入力手段から入力された売上データがどのデ
   ータ入力手段から入力されたものかを判別する判別手段
   と、 この判別手段で判別された前記データ入力手段からの売
   上データを対応する前記データ記憶手段に記憶させる記
   憶制御手段と、 を備え、前記登録終了キーが操作された際に当該登録終
   了キーに対応する前記データ記憶手段内にデータを出力
   することを特徴とする売上データ処理装置。