JPH07119661B2 - 回転体装置に於ける不釣合修正方法とその装置 - Google Patents
回転体装置に於ける不釣合修正方法とその装置Info
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- JPH07119661B2 JPH07119661B2 JP27858488A JP27858488A JPH07119661B2 JP H07119661 B2 JPH07119661 B2 JP H07119661B2 JP 27858488 A JP27858488 A JP 27858488A JP 27858488 A JP27858488 A JP 27858488A JP H07119661 B2 JPH07119661 B2 JP H07119661B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は回転体装置に於ける不釣合修正方法とその装置
に関する。ここに回転体装置とは不釣合が問題となる回
転体を具備した装置を云う。
に関する。ここに回転体装置とは不釣合が問題となる回
転体を具備した装置を云う。
(従来の技術) 回転研削砥石等の回転体を具備した装置では回転体に不
釣合があると正確な加工が出来ないことから、従来より
運転状態での回転体不釣合を解消させるための種々の手
段が講じられており、その一つとして、回転体に対し複
数の修正重りを回転中心軸廻りの移動・固定自在に装着
したものがある。
釣合があると正確な加工が出来ないことから、従来より
運転状態での回転体不釣合を解消させるための種々の手
段が講じられており、その一つとして、回転体に対し複
数の修正重りを回転中心軸廻りの移動・固定自在に装着
したものがある。
かかる装置に於いて回転体の不釣合を修正するさいは、
先づ回転体の適当と思われる位置に修正重りを仮固定
し、その状態で回転体を手回し回転させる等として不釣
合回転しないかどうかその静的バランスを判断し、次い
でそれを通常使用状態で回転させてみて動的バランスを
確認するといったことを繰り返して、最終的に回転体の
不釣合を一定許容範囲内に収めるようにしていた。
先づ回転体の適当と思われる位置に修正重りを仮固定
し、その状態で回転体を手回し回転させる等として不釣
合回転しないかどうかその静的バランスを判断し、次い
でそれを通常使用状態で回転させてみて動的バランスを
確認するといったことを繰り返して、最終的に回転体の
不釣合を一定許容範囲内に収めるようにしていた。
(発明が解決しようとする課題) 上記したものでは操作者が感を頼りに繰り返し試行で釣
合重りの位置を決定することから、不釣合修正に多くの
手間及び時間(場合によっては数時間に及ぶことがあ
る。)を要すると共に熟練をも要求されるのであり、ま
たたとえ熟練者であっても精度の高い不釣合修正を行う
ことは殆ど不可能となるのである。
合重りの位置を決定することから、不釣合修正に多くの
手間及び時間(場合によっては数時間に及ぶことがあ
る。)を要すると共に熟練をも要求されるのであり、ま
たたとえ熟練者であっても精度の高い不釣合修正を行う
ことは殆ど不可能となるのである。
本考案は斯有る問題点に鑑みてなされたもので、熟練を
要せずして簡易迅速に回転体の不釣合修正を行うことを
可能とする回転体装置に於ける不釣合修正方法とその装
置を提供することを目的とする。
要せずして簡易迅速に回転体の不釣合修正を行うことを
可能とする回転体装置に於ける不釣合修正方法とその装
置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明に係る回転体装置に於ける不釣合修正方法は、回
転体に対し一定半径廻りの移動固定自在に設けられた複
数の各釣合重りを任意な一定位置に固定しておいて同回
転体を所定速度で回転させた状態で回転体全体の不釣合
ベクトルを測定し、次いで前記各重りの少なくとも一つ
を回転体の任意な他の一定位置に固定しておいて回転体
を同様に回転させた状態で再び回転体全体の不釣合ベク
トルを測定するようになし、一方では前記各状態にて複
数の釣合重りにより発生されるべき各遠心力ベクトルを
任意な一定比率で縮尺した各模擬合成ベクトルを各釣合
重りの重量又は質量に比例した数値、固定位置、公転速
度に基づいて算出し、次いで前記各状態の不釣合ベクト
ルの差として得られる変位ベクトルと前記各状態の模擬
合成ベクトルの差として得られる模擬変位ベクトルとの
比である変化率を算出し、しかして前記した不釣合ベク
トル、模擬合成ベクトル及び変化率の各情報から釣合重
りのないものとした回転体の固有の不釣合ベクトルを算
出し、さらに該固有の不釣合ベクトルを解消せしめる各
釣合重りの固定位置を回転中心軸廻りの角度として算出
させるようになすことを特徴とする。
転体に対し一定半径廻りの移動固定自在に設けられた複
数の各釣合重りを任意な一定位置に固定しておいて同回
転体を所定速度で回転させた状態で回転体全体の不釣合
ベクトルを測定し、次いで前記各重りの少なくとも一つ
を回転体の任意な他の一定位置に固定しておいて回転体
を同様に回転させた状態で再び回転体全体の不釣合ベク
トルを測定するようになし、一方では前記各状態にて複
数の釣合重りにより発生されるべき各遠心力ベクトルを
任意な一定比率で縮尺した各模擬合成ベクトルを各釣合
重りの重量又は質量に比例した数値、固定位置、公転速
度に基づいて算出し、次いで前記各状態の不釣合ベクト
ルの差として得られる変位ベクトルと前記各状態の模擬
合成ベクトルの差として得られる模擬変位ベクトルとの
比である変化率を算出し、しかして前記した不釣合ベク
トル、模擬合成ベクトル及び変化率の各情報から釣合重
りのないものとした回転体の固有の不釣合ベクトルを算
出し、さらに該固有の不釣合ベクトルを解消せしめる各
釣合重りの固定位置を回転中心軸廻りの角度として算出
させるようになすことを特徴とする。
そして回転体装置に於ける不釣合修正装置は、回転体に
対し回転中心軸廻りの移動・固定自在ならしめた複数の
釣合重りとこれら釣合重りの固定角度を判別するための
角度目盛とを設け、他方では回転体の回転位相を検出す
るための検出器から得られた位相信号と回転体の振動を
検出するための検出器から得られた振動波形信号とが直
接的に入力されるマイクロコンピュータを付属せしめ、
且つ該マイクロコンピュータは前記各検出器が検出した
各信号情報とコンピュータ制御装置の操作キーから入力
された釣合重りの固定角度情報や予め入力してある資料
とで、回転体の不釣合の修正される釣合重りの角度情報
が出力される構成としてなることを特徴とする。
対し回転中心軸廻りの移動・固定自在ならしめた複数の
釣合重りとこれら釣合重りの固定角度を判別するための
角度目盛とを設け、他方では回転体の回転位相を検出す
るための検出器から得られた位相信号と回転体の振動を
検出するための検出器から得られた振動波形信号とが直
接的に入力されるマイクロコンピュータを付属せしめ、
且つ該マイクロコンピュータは前記各検出器が検出した
各信号情報とコンピュータ制御装置の操作キーから入力
された釣合重りの固定角度情報や予め入力してある資料
とで、回転体の不釣合の修正される釣合重りの角度情報
が出力される構成としてなることを特徴とする。
(作用) 操作者は釣合重りを回転体の中心軸廻りの任意の位置に
仮固定して各釣合重りの固定角度を読み取った後、回転
体を使用状態と同様に回転させ、この状態での回転体の
振動状況をコンピュータに直接的に入力させるように操
作する。これにより該状態に於ける回転体全体の不釣合
ベクトルについての情報が得られる。
仮固定して各釣合重りの固定角度を読み取った後、回転
体を使用状態と同様に回転させ、この状態での回転体の
振動状況をコンピュータに直接的に入力させるように操
作する。これにより該状態に於ける回転体全体の不釣合
ベクトルについての情報が得られる。
この後一旦、回転体を停止させ釣合重りを異なる位置に
仮固定して前述同様に各釣合重りの固定角度を読み取っ
た後、再び回転体を使用状態と同様に回転させ、この状
態での回転体の振動状況をコンピュータに直接的に入力
させるように操作する。これにより該状態に於ける回転
体全体の不釣合ベクトルについての情報が得られる。
仮固定して前述同様に各釣合重りの固定角度を読み取っ
た後、再び回転体を使用状態と同様に回転させ、この状
態での回転体の振動状況をコンピュータに直接的に入力
させるように操作する。これにより該状態に於ける回転
体全体の不釣合ベクトルについての情報が得られる。
以上により得られた各重りの固定角度情報と回転体の振
動情報(即ち、回転体全体の不釣合ベクトルについての
情報)、及び各重りの公転半径や重量又は重量比(或い
は質量等でもよい)についての資料情報とから不釣合を
解消させるための各釣合重りの固定角度情報をコンピュ
ータに出力させるように操作する。
動情報(即ち、回転体全体の不釣合ベクトルについての
情報)、及び各重りの公転半径や重量又は重量比(或い
は質量等でもよい)についての資料情報とから不釣合を
解消させるための各釣合重りの固定角度情報をコンピュ
ータに出力させるように操作する。
しかして操作者はコンピュータから出力された固定角度
情報に従って各釣合重りを所定位置に固定し回転体の不
釣合ベクトルを解消させるのである。
情報に従って各釣合重りを所定位置に固定し回転体の不
釣合ベクトルを解消させるのである。
なお、各釣合重りを二つとなし且つ各々の公転半径や重
量等を同一としてあれば取扱や処理が簡略となる。
量等を同一としてあれば取扱や処理が簡略となる。
また、さらに高精度な不釣合修正を行いたい場合は上記
したと等価な手順をさらに数回繰り返して行うようにな
すのであり、これにより回転体の不釣合ベクトルの大き
さは0に向かって急速に収束する。
したと等価な手順をさらに数回繰り返して行うようにな
すのであり、これにより回転体の不釣合ベクトルの大き
さは0に向かって急速に収束する。
(実施例) 以下本発明の一具体例を図面により詳述する。
第1図は本発明に係る回転体装置の一例である研削盤を
示し、1は作業テーブル、2は回転研磨砥石3を組み付
けられてなる回転体で回転中心軸4廻りに高速回転す
る。
示し、1は作業テーブル、2は回転研磨砥石3を組み付
けられてなる回転体で回転中心軸4廻りに高速回転す
る。
しかして前記回転中心軸4と同体になされた部位の端面
には回転中心軸4を中心となさしめた円溝5が形成して
あって、該溝5内に複数の釣合重りW1、W2が回転中心軸
4廻りの移動・固定自在に嵌合されている。なお本例で
はこれら重りW1、W2は二つのみとし、且つ共に同一重量
(又は同一質量)としてある。また前記円溝5の周縁に
は第2図に示すように適宜な一定位置に基準マーク6を
付すと共に該マーク6を0度とする角度目盛が前記重り
W1、W2の在る角度位置を容易に判別し得るように設けて
ある。なお本例では釣合重りW1、W2に設けた操作ネジ7
を回動操作するだけで釣合重りW1、W2の固定状態と移動
可能状態とが変更できるようになしてある。
には回転中心軸4を中心となさしめた円溝5が形成して
あって、該溝5内に複数の釣合重りW1、W2が回転中心軸
4廻りの移動・固定自在に嵌合されている。なお本例で
はこれら重りW1、W2は二つのみとし、且つ共に同一重量
(又は同一質量)としてある。また前記円溝5の周縁に
は第2図に示すように適宜な一定位置に基準マーク6を
付すと共に該マーク6を0度とする角度目盛が前記重り
W1、W2の在る角度位置を容易に判別し得るように設けて
ある。なお本例では釣合重りW1、W2に設けた操作ネジ7
を回動操作するだけで釣合重りW1、W2の固定状態と移動
可能状態とが変更できるようになしてある。
8は研削盤用の操作盤と一体になしたマイクロコンピュ
ータである。ここにマイクロコンピュータ8とは演算処
理装置や記憶装置のほか、コンピュータ制御装置や出力
装置等を含めたものを云う。該コンピュータ8の前面8a
には研削盤の制御スイッチのみならずコンピュータ制御
装置の各種ファンクションキー、及びコンピュータの出
力装置としてのデイスプレイ及びプリンタ等を配列せし
めてある。また図示はしてないが、該コンピュータに直
結せしめた入力機器として、回転体の振動をその軸受等
を介して検出するようになした振動検出器と回転体の回
転位相を光又は磁気等により検出すようになした位相検
出装置とが設けてある(これについては特開昭60−2599
27号公報参照)。
ータである。ここにマイクロコンピュータ8とは演算処
理装置や記憶装置のほか、コンピュータ制御装置や出力
装置等を含めたものを云う。該コンピュータ8の前面8a
には研削盤の制御スイッチのみならずコンピュータ制御
装置の各種ファンクションキー、及びコンピュータの出
力装置としてのデイスプレイ及びプリンタ等を配列せし
めてある。また図示はしてないが、該コンピュータに直
結せしめた入力機器として、回転体の振動をその軸受等
を介して検出するようになした振動検出器と回転体の回
転位相を光又は磁気等により検出すようになした位相検
出装置とが設けてある(これについては特開昭60−2599
27号公報参照)。
次に上記した回転体装置の取扱例及びマイクロコンピュ
ータ8に行わしめる処理内容を流れに従って説明する。
なお、ここで釣号重りW1、W2は二つのみで且つ何れも同
一公転半径、同一重量(又は質量)とするが、たとえ、
これが3つ以上で且つ何れも異なる公転半径、重量等で
あったとしても処理が面倒になるのみで基本的思想に変
わりがあるものではない。
ータ8に行わしめる処理内容を流れに従って説明する。
なお、ここで釣号重りW1、W2は二つのみで且つ何れも同
一公転半径、同一重量(又は質量)とするが、たとえ、
これが3つ以上で且つ何れも異なる公転半径、重量等で
あったとしても処理が面倒になるのみで基本的思想に変
わりがあるものではない。
該装置の取扱及び処理フローは第3図に示すとおりであ
る、以下各ステップ毎に説明する。
る、以下各ステップ毎に説明する。
*第1ステップ:初期測定 先づ各釣合重りW1、W2を任意位置に固定させると共に各
重りW1、W2の固定角度位置を目盛で読み取り、該情報を
操作キーによりマイクロコンピュータ8に入力する。
重りW1、W2の固定角度位置を目盛で読み取り、該情報を
操作キーによりマイクロコンピュータ8に入力する。
その後、操作盤の操作により回転体2を通常使用回転数
で回転させ、該状態に於ける回転体2の振動変位及び位
相を振動検出器及び位相検出器を介することによりマイ
クロコンピュータに直接測定せしめ且つ記憶させる。
で回転させ、該状態に於ける回転体2の振動変位及び位
相を振動検出器及び位相検出器を介することによりマイ
クロコンピュータに直接測定せしめ且つ記憶させる。
ここで得られる情報を図示すると第4図のとおりであ
り、ここにa1は一方の釣合重りW1の固定角度、a2は他方
の釣合重りW2の固定角度、そしてμ1Vは回転体全体の不
釣合ベクトルである。しかしてμ1Vの大きさは回転体の
変動変位を示し、またθ1はその位相角度を示してい
る。
り、ここにa1は一方の釣合重りW1の固定角度、a2は他方
の釣合重りW2の固定角度、そしてμ1Vは回転体全体の不
釣合ベクトルである。しかしてμ1Vの大きさは回転体の
変動変位を示し、またθ1はその位相角度を示してい
る。
*第2ステップ:釣合重りW1、W2の移動固定操作盤の操
作により、一旦、回転体2の回転を停止させて釣合重り
W1、W2を第1ステップ時とは異なる任意な一定位置に固
定する。このさい、一方の釣合重りW1、W2のみを移動さ
せるもの或いは両方の釣合重りW1、W2を移動させるも任
意であるが、ここでは取扱を簡略にするため一方の釣合
重りW2のみを移動固定させることとする。なお、移動さ
れた後の釣合重りW2は以後W2′と呼ぶこととする。
作により、一旦、回転体2の回転を停止させて釣合重り
W1、W2を第1ステップ時とは異なる任意な一定位置に固
定する。このさい、一方の釣合重りW1、W2のみを移動さ
せるもの或いは両方の釣合重りW1、W2を移動させるも任
意であるが、ここでは取扱を簡略にするため一方の釣合
重りW2のみを移動固定させることとする。なお、移動さ
れた後の釣合重りW2は以後W2′と呼ぶこととする。
ここでは釣合重りW2′の固定角度を読み取り、該情報を
操作キーによりマイクロコンピュータ8に入力する。
操作キーによりマイクロコンピュータ8に入力する。
即ち、各釣合重りW1、W2′の位置は第5図に示すとおり
となり、a2′が釣合重りW2′の変更後の固定角度とな
る。
となり、a2′が釣合重りW2′の変更後の固定角度とな
る。
*第3ステップ:第二回目測定 第2ステップを終了した後、操作盤の操作により、回転
体2を再び通常使用状態で回転させ、該状態に於ける回
転体2の振動変位及び位相を前述同様に測定しマイクロ
コンピュータ8に記憶させる。
体2を再び通常使用状態で回転させ、該状態に於ける回
転体2の振動変位及び位相を前述同様に測定しマイクロ
コンピュータ8に記憶させる。
その測定された情報を図示すると第6図に示すとおりで
あり、ここにベクトルμ2Vが回転体3全体の不釣合ベク
トルでその大きさが回転体2の振動変位を示し、またθ
2がその位相角度を示している。
あり、ここにベクトルμ2Vが回転体3全体の不釣合ベク
トルでその大きさが回転体2の振動変位を示し、またθ
2がその位相角度を示している。
*第4ステップ:不釣合修正の演算 ここでは先づ、当初から明白である各釣合重りW1、W2の
重量(又は質量でもよい)と、上記各ステップで得られ
た各情報、即ち「a1(釣合重りW1の固定角度)、a2(釣
合重りW2の固定角度)、a2′(釣合重りW2の移動後の固
定角度)、μ1V(第1ステップで得られた回転体全体の
不釣合ベクトル)、θ1(μ1Vの位相角度)、μ2V(第
3ステップで得られた回転体2全体の不釣合ベクト
ル)、そしてθ2(μ2Vの位相角度)」とからなる各種
情報に基づいて、マイクロコンピュータ8に回転体3固
有の不釣合ベクトルの大きさ及び位相を演算せしめる。
ここに回転体3固有の不釣合ベクトルとは不釣合重り
W1、W2のないものとした回転体2の不釣合ベクトルを云
うのである。
重量(又は質量でもよい)と、上記各ステップで得られ
た各情報、即ち「a1(釣合重りW1の固定角度)、a2(釣
合重りW2の固定角度)、a2′(釣合重りW2の移動後の固
定角度)、μ1V(第1ステップで得られた回転体全体の
不釣合ベクトル)、θ1(μ1Vの位相角度)、μ2V(第
3ステップで得られた回転体2全体の不釣合ベクト
ル)、そしてθ2(μ2Vの位相角度)」とからなる各種
情報に基づいて、マイクロコンピュータ8に回転体3固
有の不釣合ベクトルの大きさ及び位相を演算せしめる。
ここに回転体3固有の不釣合ベクトルとは不釣合重り
W1、W2のないものとした回転体2の不釣合ベクトルを云
うのである。
しかして該演算の順序は次のとおりである。
ア:回転体2の通常使用状態に於いて各釣合重りW1、W2
が発生するところの遠心力に関係した仮想の模擬ベクト
ルをこれら重りW1、W2の重量(又は質量)に基づいて決
定する。即ち、いまここで必要なものは後述するところ
から明らかとなるように、W1、W2により発生される遠心
力そのもののベクトルではなくて、これらベクトルと相
似の関係になる模擬ベクトルで、これら遠心力そのもの
のベクトルを任意な一定比率で縮尺したものである。
が発生するところの遠心力に関係した仮想の模擬ベクト
ルをこれら重りW1、W2の重量(又は質量)に基づいて決
定する。即ち、いまここで必要なものは後述するところ
から明らかとなるように、W1、W2により発生される遠心
力そのもののベクトルではなくて、これらベクトルと相
似の関係になる模擬ベクトルで、これら遠心力そのもの
のベクトルを任意な一定比率で縮尺したものである。
そこで、これら模擬ベクトルを求めるべく先づこれら遠
心力の比を考えると、本例ではW1及びW2を同一重量と約
束してあることからこれに基づいて発生される実際の各
遠心力はW1及びW2の回転数及び回転半径が同一である限
り同一となり、両者の比は「1:1」となる。
心力の比を考えると、本例ではW1及びW2を同一重量と約
束してあることからこれに基づいて発生される実際の各
遠心力はW1及びW2の回転数及び回転半径が同一である限
り同一となり、両者の比は「1:1」となる。
したがって、何れか一方の模擬ベクトルを1の大きさ
(これはW1又はW2により発生される遠心力を任意な一定
比率で縮尺したものに相当する。)と決定することによ
り他方の模擬ベクトルもその大きさを1と決定すること
ができる。
(これはW1又はW2により発生される遠心力を任意な一定
比率で縮尺したものに相当する。)と決定することによ
り他方の模擬ベクトルもその大きさを1と決定すること
ができる。
しかして、これら模擬ベクトルを図示すると第7図に示
すとおりで、即ちW1Vが釣合重りW1に基づいて発生され
る遠心力に係る模擬ベクトルで、またW2Vが釣合重りW2
に基づいて発生される遠心力に係る模擬ベクトルであ
る。
すとおりで、即ちW1Vが釣合重りW1に基づいて発生され
る遠心力に係る模擬ベクトルで、またW2Vが釣合重りW2
に基づいて発生される遠心力に係る模擬ベクトルであ
る。
イ)各模擬ベクトルW1V及びW2Vからこれらを合成したも
のである模擬合成ベクトル(=F1V)を求める。
のである模擬合成ベクトル(=F1V)を求める。
これを図示すると第8図のとおりであり、R1はF1Vの位
相角である。
相角である。
ここからは、前記回転体2の回転中心を原点とし且つ該
原点を通る水平線をx軸、そして該原点を通る縦線をy
軸とするxy座標を想定することとする。
原点を通る水平線をx軸、そして該原点を通る縦線をy
軸とするxy座標を想定することとする。
そして、いまW1Vのx成分をX1、そしてy成分をY1とす
ると、 X1=COS(a1) Y1=SIN(a1) となる。
ると、 X1=COS(a1) Y1=SIN(a1) となる。
またW2Vのx成分をX2、そしてy成分をY2とすると、 X2=COS(a2) Y2=SIN(a2) となる。
しかして求めるべき模擬合成ベクトル(=F1V)は F1V=W1V+W2V であるから、F1Vのx成分及びy成分をF1X、F1Yとする
と、 F1X=X1+X2=COS(a1)+COS(a2) F1Y=Y1+Y2=SIN(a1)+SIN(a2) となる。
と、 F1X=X1+X2=COS(a1)+COS(a2) F1Y=Y1+Y2=SIN(a1)+SIN(a2) となる。
故に そしてF1Vの位相角(=R1)は、 R1=TAN-1(F1Y/F1X) =TAN-1〔SIN(a1)+SIN(a2)/COS(a1)+COS
(a2)〕 となる。
(a2)〕 となる。
ハ)次に回転体2の通常使用状態に於いて釣合重りW2′
が発生するところの遠心力に関係した模擬ベクトルを
W1、W2に刈る模擬ベクトルと同一縮尺で表すと、W2′の
重量(又は質量)及び回転半径がW1と同一であることか
ら、その大きさは1と決定できる。
が発生するところの遠心力に関係した模擬ベクトルを
W1、W2に刈る模擬ベクトルと同一縮尺で表すと、W2′の
重量(又は質量)及び回転半径がW1と同一であることか
ら、その大きさは1と決定できる。
即ち、釣合重りW2′に係る該模擬ベクトルは第9図の
W2′Vの如く表せる。
W2′Vの如く表せる。
ニ)模擬ベクトルW1Vと模擬ベクトルW2′Vからこれら
を合成したものである模擬合成ベクトル(=F2V)を求
める。これを図示すると第9図に示すとおりとなり、こ
こにR2はF2Vの位相角である。
を合成したものである模擬合成ベクトル(=F2V)を求
める。これを図示すると第9図に示すとおりとなり、こ
こにR2はF2Vの位相角である。
ここでW1Vのx成分(=X1)はCOS(a1)で、y成分(=
Y1)はSIN(a1)であることは前述したとおりである。
Y1)はSIN(a1)であることは前述したとおりである。
一方、W2′Vのx成分をX3、そしてy成分をY3とする
と、 X3=COS(a2′) Y3=SIN(a2′) となる。
と、 X3=COS(a2′) Y3=SIN(a2′) となる。
しかして求めるべき上記模擬合成ベクトル(=F2V)は F2V=W1V+W2′V であるから、F2Vのx成分及びy成分をF2X、F2Yとする
と、 F2X=X1+X3=COS(a1)+COS(a2′) F2Y=Y1+Y3=SIN(a1)+SIN(a2′) と表せる。
と、 F2X=X1+X3=COS(a1)+COS(a2′) F2Y=Y1+Y3=SIN(a1)+SIN(a2′) と表せる。
故に、 となる。
そしてF2Vの位相角(=R2)は、 R2=TAN-1(F2Y/F2X) =TAN-1〔SIN(a1)+SIN(a2′)/COS(a1)+COS
(a2′)〕 となる。
(a2′)〕 となる。
ホ)前記模擬合成ベクトルF2Vから前記模擬合成ベクト
ルF1Vを差し引いたものである仮想の模擬変位ベクトル
(=F21)を求める。なお、ここで必要なものはF21の大
きさであり、該F21を図示すると第10図に示すとおりで
ある。
ルF1Vを差し引いたものである仮想の模擬変位ベクトル
(=F21)を求める。なお、ここで必要なものはF21の大
きさであり、該F21を図示すると第10図に示すとおりで
ある。
しかして、F21=F2V−F1V であるから、 となる。
ヘ)ステップ3の測定結果から得た回転体2全体の不釣
合ベクトルμ2Vから、ステップ1の測定結果から得た回
転体2全体の不釣合ベクトルμ1Vを差し引いた実際の変
位ベクトル(=μ21)を求める。
合ベクトルμ2Vから、ステップ1の測定結果から得た回
転体2全体の不釣合ベクトルμ1Vを差し引いた実際の変
位ベクトル(=μ21)を求める。
ここでも必要なものはμ21の大きさであり、これを図示
すると第11図のとおりである。
すると第11図のとおりである。
しかして変位ベクトル(=μ21)は、 μ21=μ2V−μ1V と表される。またμ2Vの位相角はステップ3の測定結果
からθ2であり、μ1Vの位相角はステップ1の測定結果
からθ1である。
からθ2であり、μ1Vの位相角はステップ1の測定結果
からθ1である。
ここでμ2Vのx成分及びy成分をμ2X、μ2Yとすると、 μ2X=μ2VCOS(θ2) μ2Y=μ2VSIN(θ2) またμ1Vのx成分及びy成分をμ1X、μ1Yとすると、 μ1X=μ1VCOS(θ1) μ1V=μ1VSIN(θ1) となる。
したがって、 と表される。
ト)前記変化ベクトルμ21を前記模擬変化ベクトルF21
で除して変化率(=k)なるものを求める。
で除して変化率(=k)なるものを求める。
k=μ21/F21 ここでkの意味を第12図を参照して明らかにする。
図中、C1は半径が1である円を示し、CKは半径が1×
k′、即ちk′である円を示す。線分Y1,Y3で表される
ベクトルは回転体2を通常使用状態で回転させたさいに
釣合重りW1、W2により発生される実際の合成ベクトルで
前述模擬合成ベクトルF1Vに任意な数である前記k′を
乗じたものとする。また線分Y1,Y2で表されるベクトル
は回転体2を通常使用状態で回転させたさいに釣合重り
W1、W2′により発生される実際の合成ベクトルで前述模
擬合成ベクトルF2Vに前記k′を乗じたものとする。し
かして釣合重りW1、W2′がないものとした場合の回転体
2固有の不釣合ベクトル(これがいま求めようとしてい
る対象)はUVで示されるとすれば前述したW1V、W2V、
W2′V、F1V、F2V、F21、μ1V、μ2V、μ21は図に示す
ような相対関係とならなければならない。なお前記不釣
合ベクトルUVは釣合重りの位置に左右されることは有り
えないものである。かかる場合に於いて三角形S1S2S3と
三角形Y1Y2Y3とは合同であり、また三角形Y1Y2Y3と三角
形Y1Y21Y31とは相似である。したがって変位ベクトルμ
21と線分Y2・Y3で表されるベクトルは方向・大きさ共に
同一であり、且つ線分Y2・Y3で表されるベクトルを模擬
変位ベクトルF21で除した値は変位ベクトルμ21を模擬
変位ベクトルF21で除したものに等しく、その値は前記
k′と同一となる。即ち、このことは、先の変化率(=
k)を求めることがこの図に於けるk′を求めることに
等しいことを意味するのである。
k′、即ちk′である円を示す。線分Y1,Y3で表される
ベクトルは回転体2を通常使用状態で回転させたさいに
釣合重りW1、W2により発生される実際の合成ベクトルで
前述模擬合成ベクトルF1Vに任意な数である前記k′を
乗じたものとする。また線分Y1,Y2で表されるベクトル
は回転体2を通常使用状態で回転させたさいに釣合重り
W1、W2′により発生される実際の合成ベクトルで前述模
擬合成ベクトルF2Vに前記k′を乗じたものとする。し
かして釣合重りW1、W2′がないものとした場合の回転体
2固有の不釣合ベクトル(これがいま求めようとしてい
る対象)はUVで示されるとすれば前述したW1V、W2V、
W2′V、F1V、F2V、F21、μ1V、μ2V、μ21は図に示す
ような相対関係とならなければならない。なお前記不釣
合ベクトルUVは釣合重りの位置に左右されることは有り
えないものである。かかる場合に於いて三角形S1S2S3と
三角形Y1Y2Y3とは合同であり、また三角形Y1Y2Y3と三角
形Y1Y21Y31とは相似である。したがって変位ベクトルμ
21と線分Y2・Y3で表されるベクトルは方向・大きさ共に
同一であり、且つ線分Y2・Y3で表されるベクトルを模擬
変位ベクトルF21で除した値は変位ベクトルμ21を模擬
変位ベクトルF21で除したものに等しく、その値は前記
k′と同一となる。即ち、このことは、先の変化率(=
k)を求めることがこの図に於けるk′を求めることに
等しいことを意味するのである。
チ)しかして第12図を参照して容易に理解できるよう
に、次なる関係が成立する。
に、次なる関係が成立する。
即ち、 UV+k・F1V=μ1V UV+k・F2V=μ2V 故に UV=μ2V−k・F2V ・・・f1 μ1V=μ2V−k・F2V+k・F1V ・・・f2 ところで、回転体の不釣合を測定するような場合、一般
に装置の応答特性や部材の歪等に起因して遅れ誤差が発
生する。この故に、測定結果を使用しての計算を正確な
ものとするには該誤差を考慮しなければならない。
に装置の応答特性や部材の歪等に起因して遅れ誤差が発
生する。この故に、測定結果を使用しての計算を正確な
ものとするには該誤差を考慮しなければならない。
そこで、遅れ角度(=δθ)なるものを予め求めておく
のである。
のである。
ここで、いま該遅れ角(=δθ)を算出するために、上
記f1式を用いて計算上でのμ1Vの位相角(=θ1′)を
求めてみる。
記f1式を用いて計算上でのμ1Vの位相角(=θ1′)を
求めてみる。
即ち、 一方、μ1Vの位相角がいまθ1′としてあるので、μ1V
は次のように表される。
は次のように表される。
次いで、f3式とf4式とが等しいとおくことにより、
θ1′を求めることができる。
θ1′を求めることができる。
即ち、 θ1′=TAN-1〔μ2VSIN(θ2)/−kSIN(a2′) +kSIN(a2)/μ2VCOS(θ2) −kCOS(a2′)+kCOS(a2)〕 となる。
かくして求めたθ1′は、理論上ではθ1にならなけれ
ばならないにもかかわらず、それとは異なった値とな
る。即ち該誤差が前述のとおり装置の応答特性や部材の
歪等に起因して生じる虞れ誤差なのである。
ばならないにもかかわらず、それとは異なった値とな
る。即ち該誤差が前述のとおり装置の応答特性や部材の
歪等に起因して生じる虞れ誤差なのである。
故に、該遅れ角度(=δθ)は、 δθ=θ1−θ1′ と表される。
リ)しかして前記f1式を使用して目的とする回転体2固
有の不釣合ベクトルUVを求めるのである。
有の不釣合ベクトルUVを求めるのである。
即ち、UV=μ2V−k・F2V より以下の如くなる。
なお、ここでは前記遅れ角度(=δθ)を考慮してμ2V
の位相角を「θ2+δθ」としてある。
の位相角を「θ2+δθ」としてある。
そしてUVの位相角(=θ3)は次のようになる。
故に θ3TAN-1{〔μ2VSIN(θ2+δθ) −kSIN(a2′)+k・SIN(a1)/〔μ2VCOS(θ2 +δθ)−k・COS(a2′)+k・COS(a1)〕} 次いで、上記の如く求めた回転体2固有の不釣合ベクト
ルUVに釣り合うものとなる各釣合重りW1、W2の固定角度
を演算するのである。
ルUVに釣り合うものとなる各釣合重りW1、W2の固定角度
を演算するのである。
ここで、各釣合重りW1、W2は第13図に示すように基準点
0度からθ3進んだところにあるUVの位置からさらに18
0度進んだ位置P1を基準として互いに反対方向に同一角
度γだけ変位させた位置に固定するものと結束する。
0度からθ3進んだところにあるUVの位置からさらに18
0度進んだ位置P1を基準として互いに反対方向に同一角
度γだけ変位させた位置に固定するものと結束する。
しかして釣合重りW1、W2の固定角度の演算手順は以下の
とおりである。
とおりである。
ア)先づ各釣合重りW1、W2を前記γの位置に固定させた
状態で且つ回転体2を通常使用状態で回転されたときに
各釣合重りW1、W2により発生される遠心力のベクトルの
大きさを算出する。
状態で且つ回転体2を通常使用状態で回転されたときに
各釣合重りW1、W2により発生される遠心力のベクトルの
大きさを算出する。
第13図でW1VK及びW2VKが該ベクトルであり、γを使用す
るとその大きさは次のようになる。
るとその大きさは次のようになる。
即ち、 W1VK=W2VK=〔W1又はW2が回転体の通常使用状態で発生
する遠心力に係る模擬ベクトル(=1)〕×k=k となる。
する遠心力に係る模擬ベクトル(=1)〕×k=k となる。
なお、ここにkは前記した変化率である イ)そして上記ベクトルW1VK及びW2VKと、回転体固有の
不釣合ベクトルUVの関係から角度γを求める。
不釣合ベクトルUVの関係から角度γを求める。
即ち、これらの関係は、 −UV=W1VK+W2VK となる。
したがって、 |UV|=(1×k)・COS(γ)+(1+k)・COS(γ) =2k・COS(γ) となる。
故に釣合重りW1、W2の固定角度(=γ)は、γ=COS-1
(UV/2k)となる。
(UV/2k)となる。
ウ)さらに各釣合重りW1、W2の固定角度(=γ1又はγ
2)を基準位置6、即ち0度からの角度で表示させる場
合は、次の演算を行う。
2)を基準位置6、即ち0度からの角度で表示させる場
合は、次の演算を行う。
なお角度目盛は反時計方向fmを正に設定されるものとす
る。
る。
即ち、 釣合重りW1の固定角度(=γ1)は γ1=θ3+180度−γ で表され、 他方の釣合重りW2の固定角度(=γ2)は γ2=θ3+180度+γ で表される。
*第5ステップ:不釣合修正 上記の如くして求められた固定角度(=γ1又はγ2)
情報に従って各釣合重りW1、W2を移動固定させる。
情報に従って各釣合重りW1、W2を移動固定させる。
*第6ステップ:確認測定 再びステップ3と同様にして回転体2の振動変位及び位
相を測定する。
相を測定する。
当該ステップで測定された回転体2全体の不釣合ベクト
ル(=μ2V)が許容できるものであれば不釣合修正作業
はこれで終了する。
ル(=μ2V)が許容できるものであれば不釣合修正作業
はこれで終了する。
しかし、それが許容できない程度であれば、操作キーに
より、第5ステップが終了した時点での各釣合重りW1、
W2の固定角度情報を入力する等して、再びマイクロコン
ピュータ8に処理を続行させる。
より、第5ステップが終了した時点での各釣合重りW1、
W2の固定角度情報を入力する等して、再びマイクロコン
ピュータ8に処理を続行させる。
これにより、マイクロコンピュータ8はこの第6ステッ
プの測定結果と第3ステップの測定結果とから、前記し
た第4ステップに準じて、新たな変化率(=k)、遅れ
角度(=δθ)等を求めてさらに高精度な固定角度情報
を演算し、そして出力する。
プの測定結果と第3ステップの測定結果とから、前記し
た第4ステップに準じて、新たな変化率(=k)、遅れ
角度(=δθ)等を求めてさらに高精度な固定角度情報
を演算し、そして出力する。
そこで再び第5ステップに相当する操作、即ち該固定角
度情報に従って釣合重りw1、W2を移動固定し直す操作を
なし、続いて再び第6ステップに相当する操作を行うよ
うになすのであり、この後は不釣合ベクトル(=μ2V)
が許容できる大きさとなるまで同様の操作及び処理を繰
り返すのである。
度情報に従って釣合重りw1、W2を移動固定し直す操作を
なし、続いて再び第6ステップに相当する操作を行うよ
うになすのであり、この後は不釣合ベクトル(=μ2V)
が許容できる大きさとなるまで同様の操作及び処理を繰
り返すのである。
次に本発明装置を使用して不釣合修正を実地に行ったさ
いの記録を示す。
いの記録を示す。
第1ステップに於いて得られた入力情報 釣合重りw1の固定角度a1:50度 釣合重りw2の固定角度a2:280度 回転体2全体の不釣合の大きさ、即ち 回転体の2の振動変位μ1V:6.86μm μ1Vの位相角θ1:327度 第2ステップでの操作 釣合重りw2のみの固定角度を20度小さくした。
第3ステップに於いて得られた入力情報 釣合重りw1の固定角度a1:50度 釣合重りw2′の固定角度a2′:260度 回転体2全体の不釣合μ2Vの大きさ 即ち、回転体2の振動変位:5.17μm μ2Vの位相角θ2:323度 第4ステップで得られた出力情報 回転体2固有の不釣合UVの大きさ、即ち回転体2の振動
変位:2.64μm UVの位相角θ3:352.9度 釣合重りw1の固定角度γ1:98.9度 釣合重りw2の固定角度γ2:246.9度 第5ステップでの操作 各釣合重りw1、w2を第4ステップで得られた固定角度情
報γ1、γ2に従って固定し直した。
変位:2.64μm UVの位相角θ3:352.9度 釣合重りw1の固定角度γ1:98.9度 釣合重りw2の固定角度γ2:246.9度 第5ステップでの操作 各釣合重りw1、w2を第4ステップで得られた固定角度情
報γ1、γ2に従って固定し直した。
第6ステップに於いて得られた情報 回転体2全体の不釣合μ2Vの大きさ 即ち、回転体2の振動変位:1.98μm μ2Vの位相角θ2:238度 ここで、回転体2の振動変位(即ち、不釣合ベクトルμ
2Vの大きさ)が1.98μmであり未だ満足し得るものでは
ないので次の操作に進んだ。
2Vの大きさ)が1.98μmであり未だ満足し得るものでは
ないので次の操作に進んだ。
これにより、さらに精度高く釣合修正するための各釣合
重りw1、w1の固定角度情報γ1、γ2が次のように得ら
れた。
重りw1、w1の固定角度情報γ1、γ2が次のように得ら
れた。
釣合重りw1の固定角度γ1:56.6度 釣合重りw2の固定角度γ2:204.6度 そこで、第5ステップに相当する操作、即ち該固定角度
情報に従って、各釣合重りw1、w2の固定角度を固定し直
す操作を行った。
情報に従って、各釣合重りw1、w2の固定角度を固定し直
す操作を行った。
そして第6ステップ相当する操作を再び行い、次なる結
果を得た。
果を得た。
回転体2全体の不釣合μ2Vの大きさ 即ち、回転体2の振動変位:0.69μm μ2Vの位相角θ2:132度 しかして、該状態での回転体2の振動変位は0.69μmで
あり満足し得るものであるので、釣合修正作業を終了し
た。
あり満足し得るものであるので、釣合修正作業を終了し
た。
(発明の効果) 以上詳述した本発明よれば、不釣合修正において最も困
難を極めていた釣合重りの固定位置決定作業の殆どを所
定の演算によって行えることからマイクロコンピュータ
等の使用により簡易且つ迅速な不釣合修正が可能とな
り、また不釣合修正の際釣合重りの初期配置は任意で良
いため取扱いが便利であり、さらに各釣合重りの固定位
置を変化率等に基づいて計算するものとしたことから釣
合重りの重量測定と回転体の不釣合ベクトルの測定とが
異なる計量手段で計量されたものであってもこのことに
起因した誤差は全く生じないのであり、またこれを別な
観点から見れば釣合重りの重量測定単位と不釣合ベクト
ルの大きさ測定単位が異なるものであっても何等支障は
なく、汎用性に優れたものである。
難を極めていた釣合重りの固定位置決定作業の殆どを所
定の演算によって行えることからマイクロコンピュータ
等の使用により簡易且つ迅速な不釣合修正が可能とな
り、また不釣合修正の際釣合重りの初期配置は任意で良
いため取扱いが便利であり、さらに各釣合重りの固定位
置を変化率等に基づいて計算するものとしたことから釣
合重りの重量測定と回転体の不釣合ベクトルの測定とが
異なる計量手段で計量されたものであってもこのことに
起因した誤差は全く生じないのであり、またこれを別な
観点から見れば釣合重りの重量測定単位と不釣合ベクト
ルの大きさ測定単位が異なるものであっても何等支障は
なく、汎用性に優れたものである。
また本発明の装置によれば、回転体の回転・停止を数回
繰り返すこと、釣合重りを回転体の回転中心軸廻りに移
動させては固定する作業を数回繰り返すこと、及び釣合
重りの固定角度情報を入力等するために操作キーを取り
扱うことからなる限られた人為作業により、回転体全体
の不釣合を解消させるべき釣合重りの最終的な固定角度
情報を得ることが可能となり、しかも各釣合重りは回転
体の角度目盛を見ながら前記固定角度情報のとおり容易
に位置決めすることができるのであり、このため従来で
は大変な手間を要していた不釣合修正作業が何等熟練を
必要としないで極めて簡易に且つ短時間に行えるもので
ある。
繰り返すこと、釣合重りを回転体の回転中心軸廻りに移
動させては固定する作業を数回繰り返すこと、及び釣合
重りの固定角度情報を入力等するために操作キーを取り
扱うことからなる限られた人為作業により、回転体全体
の不釣合を解消させるべき釣合重りの最終的な固定角度
情報を得ることが可能となり、しかも各釣合重りは回転
体の角度目盛を見ながら前記固定角度情報のとおり容易
に位置決めすることができるのであり、このため従来で
は大変な手間を要していた不釣合修正作業が何等熟練を
必要としないで極めて簡易に且つ短時間に行えるもので
ある。
第1図は本発明装置の全体正面図、 第2図は回転体の正面図、 第3図は取扱・処理の流れ図、 第4図〜第12図はベクトルを示す図、 第13図は釣合重りの固定角度を説明する図である。 2……回転体、4……回転中心軸、8……マイクロコン
ピュータ、μ1V及びμ2V……回転体全体の不釣合ベクト
ル、μ21……変位ベクトル、k……変化率、F1V及びF2V
……模擬合成ベクトル、F21……模擬変位ベクトル、UV
……回転体固有の不釣合ベクトル、W1及びW2……釣合重
り。
ピュータ、μ1V及びμ2V……回転体全体の不釣合ベクト
ル、μ21……変位ベクトル、k……変化率、F1V及びF2V
……模擬合成ベクトル、F21……模擬変位ベクトル、UV
……回転体固有の不釣合ベクトル、W1及びW2……釣合重
り。
Claims (2)
- 【請求項1】回転体に対し一定半径廻りの移動固定自在
に設けられた複数の各釣合重りを任意位置に固定してお
いて同回転体を所定速度で回転させた状態で回転体全体
の不釣合ベクトルμ1Vを測定し、次いで前記各重りの少
なくとも一つを回転体の任意な他の一定位置に固定して
おいて回転体を同様に回転させた状態で再び回転体全体
の不釣合ベクトルμ2Vを測定するようになし、一方では
前記各状態にて複数の釣合重りにより発生されるべく各
遠心力を任意な一定比率で縮尺した各模擬合成ベクトル
F2V、F1Vを各釣合重りの重量又は質量に比例した数値及
び同重りの固定位置や公転速度に基づいて算出し、次い
で前記各状態の不釣合ベクトルの差として得られる変位
ベクトルμ21と前記各状態の模擬合成ベクトルの差とし
て得られる模擬変位ベクトルF21との比である変化率k
を算出し、しかして前記した不釣合ベクトル、模擬合成
ベクトル及び変化率の各情報に基づいて、釣合重りのな
いものとした回転体固有の不釣合ベクトルを算出し、更
に該固有の不釣合ベクトルを解消せしめる各釣合重りの
固定位置を回転体の回転中心軸廻りの角度として算出さ
せるようになすことを特徴とする回転体装置に於ける不
釣合修正方法。 - 【請求項2】回転体に対し回転中心軸廻りの移動・固定
自在ならしめた複数の釣合重りとこれら釣合重りの固定
角度を判別するための角度目盛りを設け、他方では回転
体の回転位相を検出するための検出器から得られた位相
信号と回転体の振動を検出するための検出器から得られ
た振動波形信号とが直接的に入力されるものとしたマイ
クロコンピュータを付属せしめ、且つマイクロコンピュ
ータは前記各検出器が検出した各信号情報とコンピュー
タ制御装置の操作キーから入力された釣合重りの固定角
度情報や予め入力してある資料から、釣合重りが任意な
異なる配置となされた各配置状態での回転体の回転中の
不釣合ベクトルμ1V、μ2V、前記各配置状態に於て釣合
重りにより発生されるべき遠心力を任意な一定比率で縮
尺した模擬合成ベクトルF1V、F2V、及び前記不釣合ベク
トル同士の差として得られる変位ベクトルμ21と前記模
擬合成ベクトル同士の差として得られる模擬変位ベクト
ルF21との比である変化率kを算出し、これらの情報に
基づいて回転体の不釣合の修正される釣合重りの角度情
報が出力される構成としてあることを特徴とする回転体
装置に於ける不釣合修正装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27858488A JPH07119661B2 (ja) | 1988-11-03 | 1988-11-03 | 回転体装置に於ける不釣合修正方法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27858488A JPH07119661B2 (ja) | 1988-11-03 | 1988-11-03 | 回転体装置に於ける不釣合修正方法とその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02126128A JPH02126128A (ja) | 1990-05-15 |
JPH07119661B2 true JPH07119661B2 (ja) | 1995-12-20 |
Family
ID=17599298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27858488A Expired - Lifetime JPH07119661B2 (ja) | 1988-11-03 | 1988-11-03 | 回転体装置に於ける不釣合修正方法とその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07119661B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3930299A1 (de) * | 1989-09-11 | 1991-03-14 | Hofmann Gmbh & Co Kg Maschinen | Verfahren und vorrichtung zum unwuchtausgleich an einer schleifscheibe |
JP5288320B2 (ja) * | 2007-04-18 | 2013-09-11 | 株式会社Ihi | 高速回転体の回転バランス計測装置及び方法 |
CN107246935B (zh) * | 2017-05-19 | 2019-08-06 | 哈尔滨工业大学 | 星载旋转相机在线动平衡控制方法及系统 |
-
1988
- 1988-11-03 JP JP27858488A patent/JPH07119661B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02126128A (ja) | 1990-05-15 |
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