JPH07118168A - IgE産生抑制剤 - Google Patents
IgE産生抑制剤Info
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- JPH07118168A JPH07118168A JP5261355A JP26135593A JPH07118168A JP H07118168 A JPH07118168 A JP H07118168A JP 5261355 A JP5261355 A JP 5261355A JP 26135593 A JP26135593 A JP 26135593A JP H07118168 A JPH07118168 A JP H07118168A
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Abstract
白、具体的には高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖や
ヒトIgEとの結合が可能な高親和性免疫グロブリンE
受容体α鎖可溶性断片を有効成分とするIgE産生抑制
剤である。 【効果】 本発明により、アレルギー反応をその根源に
おいて遮断する臨床上有用なIgE産生抑制剤が提供さ
れる。
Description
可能なペプチドの新規用途に関する。より詳細には、高
親和性免疫グロブリンE受容体α鎖(FcεRIα)や
ヒトIgEとの結合が可能な高親和性免疫グロブリンE
受容体α鎖可溶性断片(sFcεRIα)からなるIg
E産生抑制剤に関する。
在するB細胞は、表面に免疫グロブリン(Ig)を保有
しており、これが抗原特異的レセプターになっている。
B細胞は抗原の刺激により抗体産生細胞に分化するが、
このとき、ヘルパーT細胞の助けを必要とするもの(T
依存性抗体産生)としないもの(T非依存性抗体産生)
があり、おのおのの反応をひき起こす抗原の種類が異な
っており、これらに反応するB細胞もサブセットに分け
ることができると考えられる。B細胞が抗体産生細胞に
分化すると、例えば、IgE抗体等が産生される。
ロブリンであり、抗IgE血症として、気管支喘息、花
粉症、アトピー性皮膚炎、非アレルギー性の木村氏病、
その他の肺疾患に関連するもの、自己免疫疾患に関する
ものなどがあり、臨床上大きな問題となっている。
するFab部分と対応する受容体と結合するFc部分が
あり、IgEは肥満細胞や好塩基球とこのFc部分で結
合するので、細胞親和性抗体(cytotrophic antibody)
と言われている。高親和性免疫グロブリンE受容体(F
cεRI)は、肥満細胞、好塩基球などの細胞表面に発
現されており、高親和性(Ka=109 〜1010M -1)をも
ってIgEのFc部分と特異的に結合する糖蛋白分子で
ある。FcεRIに結合したIgEに、対応する多価抗
原が結合すると、細胞が活性化されて脱顆粒(degranul
ation )が起こり、その結果、ヒスタミン、セトロニ
ン、SRS−A(スロー リアクティングサブスタンス
オブ アナフィラキシー,Slow Reacting Substance
of Anaphylaxis)などの生理活性物質が放出される。こ
れらは血管透過性の亢進、平滑筋収縮、粘液分泌亢進
等、いわゆるI型特有のアレルギー疾患をひき起こす。
変性抗原が知られている。尿素変性抗原は、サプレッサ
ーT細胞を増加させてヘルパーT細胞の機能を抑制し、
B細胞が抗体産生細胞に分化するのを阻害し、その結果
としてIgE抗体産生反応を低下させる作用を有するも
のである。このようなIgE産生抑制物質のその他の例
として、代表的には、トシル酸スプラタスト等が挙げら
れる。しかし、これらのIgE産生抑制物質には副作用
がある等の問題があり、実用化には到っていない。
の予防・治療剤として、I型アレルギー反応の発現機序
の発端である肥満細胞や好塩基球の細胞膜上で、高親和
性をもってIgEのFc部分と特異的に結合してFcε
RIへのIgEの結合を阻害するペプチドを開発した。
このペプチドは、IgEとの結合が可能であるが、この
ペプチドがB細胞に直接作用してB細胞におけるIgE
の産生を抑制する作用については、これまで知られてい
なかった。
Eの産生を抑制してI型特有のアレルギー反応をその根
源において遮断する、臨床上有用なIgE産生抑制剤を
提供することにある。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ヒトIgEと
の結合が可能なペプチドを予防的に投与することによ
り、IgEの産生を抑制し、I型特有のアレルギー疾患
の発症を抑制することができること、又、この疾患が起
こってからでもヒトIgEとの結合が可能なペプチドを
投与すればIgEの産生が抑制されることによりその症
状が改善される可能性を見出した。
れたものであり、ヒトIgEとの結合が可能なペプチド
を有効成分とするIgE産生抑制剤に関する。
能なペプチドとは、ヒトIgEに特異的に結合し、その
機能を阻害するペプチドをいう。具体的には、高親和性
免疫グロブリンE受容体α鎖(FcεRIα)やヒトI
gEとの結合が可能な高親和性免疫グロブリンE受容体
α鎖可溶性断片(sFcεRIα)を含むペプチドが挙
げられる。
結合した2個のγ鎖のサブユニットから成る4量体構造
をした糖蛋白質であり、IgEとの高親和性結合にはα
鎖の細胞外領域のみが関与していることが明らかにされ
ている〔Blank. U et al., J. Biol. Chem., 266, 2639
(1991)〕。
とであり、sFcεRIαはα鎖の細胞外領域に相当す
る。本発明に用いられるヒトIgEとの結合が可能なペ
プチドは、少なくともα鎖の細胞外領域、即ちsFcε
RIαを含んでいればよいのであって、FcεRIαを
用いても、FcεRI自体を用いてもなんら問題はな
い。また、遺伝子工学的手法により人工的に改変された
変異体やDDS化された誘導体、例えばアルブミンのコ
ンジュゲートであっても、ヒトIgEとの結合が可能な
ものであれば用い得るが、特にsFcεRIαが好まし
い。また、これらはヒト由来のものが好ましい。
学的手法により製造が可能である。Blank.Uらは
ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)欠損CHO細胞を用
いてsFcεRIαを発現することに成功している(上
記文献)。
制御できるプロモーターを上流部に付加したsFcεR
Iα遺伝子及びウロキナーゼ(UK)プロモーターを付
加したDHFR遺伝子を組み込んでなるプラスミドを用
いて形質転換させた動物細胞、(2)動物細胞での発現
を制御できるプロモーターを上流部に付加したsFcε
RIα遺伝子をコードするDNAを担持させたプラスミ
ド及びUKプロモーターを上流部に付加したDHFRを
コードするDNAを担持させたプラスミドを同時に用い
て形質転換させた動物細胞、(3)上記(1)または
(2)の動物細胞を培養することによるsFcεRIα
の大量製造方法を確立している(後記製造例参照)。
製造は上記動物細胞を用いる方法のほか大腸菌や酵母を
用いる方法で製造してもよい。
チドからなるIgE産生抑制剤は、気管支喘息、花粉
症、アトピー性皮膚炎、非アレルギー性の木村氏病、そ
の他の肺疾患に関連するもの、自己免疫疾患に関するも
の等の抗IgE血症等の患者に対して、全身療法、局所
療法いずれにおいても適用可能である。
ば、注射用生理食塩水や注射用蒸留水に溶解して非経口
投与、好ましくは静脈内投与される。剤型としては、液
状製剤や凍結乾燥製剤が挙げられ、これらは公知の方法
で調製できる。
や粘膜(気管支粘膜、鼻粘膜、眼粘膜)などの局所に投
与できる剤型、例えば、スプレー剤、点眼剤、点鼻剤、
軟膏剤として投与される。具体的には、スプレー剤の場
合は、本発明に用いられるヒトIgEとの結合が可能な
ペプチドを適切なる溶媒に溶解して公知の方法で調製
し、噴霧器に充填し、例えばエアロゾルとして通常の吸
入療法により投与される。点眼剤、点鼻剤は、注射用蒸
留水に有効成分としてヒトIgEとの結合が可能なペプ
チドを溶解し、必要に応じ助剤として、緩衝液、等張化
剤、増粘剤、保存剤、安定剤、界面活性剤、防腐剤等を
加え、pHを4〜9に調製することにより得られる。噴
霧用点鼻剤は例えば特開昭63−101318号公報に
記載の方法で調製できる。
例えばカルボキシビニルポリマーをゲル化剤とし、水酸
化ナトリウム等の塩基性増粘化剤を用いて増粘させて得
られるゲル基材に有効成分としてヒトIgEとの結合が
可能なペプチドを混合し、必要に応じて助剤を加え、p
Hを4〜9に調製することにより得られる。
ことができる。投与量は疾患の種類や、患者の状態等に
より異なるが、予防的には約100μg/kg以上、対
症療法的には約500μg/kg以上の投与が例示され
る。また、他剤との併用も可能である。
プチドは、T依存性抗体産生性及びT非依存性抗体産生
性のいずれのB細胞においても、活性化B細胞の膜型I
gEと結合して細胞内に取り込まれることにより、特異
的にIgE抗体の産生を抑制してI型特有のアレルギー
反応をその根源において遮断する。本発明により、臨床
上有用なIgE産生抑制剤が提供される。
実施例、試験例を挙げるが、本発明はこれらによって何
ら制限されるものではない。
0)を上流部に付加したヒトsFcεRIαをコードす
るDNAを組み込んで構成されるプラスミドの構築]Bla
nk らの報告[Blank. U et al., J. Biol. Chem. 266,
2639 (1991)] に従い、プラスミドpko[Doren, K.V.
et al., J. Virol, 50, 606, (1984)] にヒトFcεR
Iαのリーダー配列−ヒトsFcεRIα遺伝子を組み
込んだプラスミドFcεRI/pMT1(図1)を構築
した。尚、ヒトsFcεRIα遺伝子をコードするDN
A配列およびそれから演繹されるアミノ酸配列はNuclei
c Acids Research, Volume 16 Number 8, 3584 (1988)
に開示されている。
ドするDNAを組み込んで構成されるなるプラスミドの
構築]Biosci. Biotech. Biochem., 56 (4), 600-604, 1
992に従い、UKプロモーター,DHFRcDNA, SV4
0ポリA付加シグナルを含むプラスミドpTT06を構
築した(図2参照)。
胞の樹立 (i) 材料; ・プラスミドDNA FcεRI/pMT1:pkoにヒトFcεRIαのリ
ーダー配列−ヒトsFcεRIα遺伝子を組み込んだプ
ラスミド。 pTT06:UKプロモーター(ウロキナーゼ遺伝子転
写開始点を含む上流約800bpの5’調節領域)に支
配されるDHFR遺伝子発現ユニットからなるプラスミ
ド。 ・細胞; CHO DXB−11細胞株(DHFR欠損株) G. Urlaub et al., Proc, Natl. Acad. Sci. USA, 77,
4216-4220 (1980)に記載の方法で調製、増殖させた。 ・メトトレキセート(MTX);Sigma 社製(+)Amet
hopterinを0.14 M NaCl, 0.02 M HEPES (ナカライテス
ク)に溶解し、2mMストック液を調製した。これを培地
に、目的の濃度になるように添加し使用した。
セイ α変法イーグルMEM,10%FCS で継代しているDHFR欠
損CHO DXB-11細胞をトリプシン(0.25%) 処理によりディ
ッシュからはがし、107 cell/ml となるよう Hanks液に
懸濁した。この懸濁液0.5 ml,5×106 個の細胞にプラ
スミドDNA(1μgのpTT06と40μgのFcε
RI/pMT1)を同時にエレクトロポレーション法に
より導入した。α変法イーグルMEM(リボ核酸・デオ
キシリボ核酸含まず),10%FCSで培養後、生じたコ
ロニーを拾いあげて順次拡大し、これらトランスフェク
タントの培養上清中のヒトsFcεRIα活性を以下の
に記載の方法に従い測定し、高い活性が見られた株に
ついてMTXによるDNA増幅を行った。
に存在するFcεRIへの 125I標識マウスIgEの結
合阻害で測定した。以下にその材料と方法を示す。 (材料) ・細胞;ラット好塩基球細胞株RBL−2H3は、10%
FCS、100U/ml ペニシリンおよび100 μg/mlストレプ
トマイシンを含むイーグルMEM中で培養した。 ・IgE;抗ジニトロフェニルマウスモノクローナルI
gE(Hi-DNP-E-26-82)、または抗トリニトロフェニル
(TNP)マウスモノクローナルIgEを用いた。抗T
NPマウスモノクローナルIgEは、マウスハイブリド
ーマIGELb4(ATCC No.TIB141)の
培養上清またはマウス腹水より精製した。 ・IgEのヨード標識;バイオラッド社製Enzymobeads
法を用いた。0.2 Mリン酸緩衝液 (pH7.2) 50 μl、マ
ウスモノクローナルIgE(2.14mg/ml) 10 μl、Enzy
mobeads 試薬50μl、Na 125I25μl(95MBq)、1%
β−Dグルコース水溶液25μlを混和し、室温で15〜20
分間反応させた。150 μlの10mg/ml チロシン、10%
グリセリンおよび0.1 %キシレンシアノールを含むリン
酸緩衝生理的食塩水と混和した後、PD−10カラム
(ファルマシア製)を用いたゲル濾過法にて蛋白を回収
した。 (方法) IgE結合アッセイ; (1) CHO細胞は、10%FCS 添加α変法イーグルME
M(リボ核酸・デオキシリボ核酸含まず)で維持するの
で、この培養液で希釈したサンプルを調製した(125-25
0 μl) 。 (2) 3%牛血清アルブミンおよび0.1 % NaN3 添加ダ
ルベッコリン酸緩衝生理的食塩水(PBS/3% BS
A)で希釈した 125I標識IgEを(1) のサンプルに添
加した。総体積は500 μlで、 125I標識IgEの濃度
は100ng/mlである。この混合物を室温で3〜6時間イン
キュベートした。 (3) PBS/3% BSA中に懸濁したRBL−2H
3細胞(3〜8×107 /ml)50 μlを添加し、氷中で1
〜2時間インキュベートした。また、標識IgEの細胞
への非特異的吸着を調べるための非標識IgE添加群で
は、前もって150μlのRBL−2H3細胞懸濁液と15
μlの2.1mg/ml非標識IgEを混和しておき、この混合
液55μlを(2) の混合液に添加した。 (4) 1000rpm, 5分間遠心により細胞を沈澱させ、上清
を捨てた。 (5) 細胞を、PBS/3% BSAにて一度洗浄した
のち、結合した放射活性をガンマカウンターにて測定し
た。 (6) 添加物なしの放射活性として10% FCS 添加α変法
イーグルMEM(リボ核酸・デオキシリボ核酸含まず)
を加えた際のcpm を用い、以下の式に従い結合阻害率を
測定した。
5 cells/dishとなるように10nM MTX含有選択培地8〜10
ml入り10cmディッシュに植え込んだ。約3日毎に培地交
換を行い、2〜4週間培養を続けていると充分な細胞数
の10nM MTX耐性細胞が得られるので、次の段階のMTX
濃度の培地に継代した。このように10nMMTX濃度からス
タートして50nM, 100nM, 200nM, 500nM,1μM,2μ
M,4μM,10μMと順次MTX濃度を上げて遺伝子増
幅を行った。
ング でMTX の増幅を行ったヒトsFcεRIα産生株のう
ちの幾つかについて限界希釈法によるクローニングを行
った。すなわち、各濃度のMTX 耐性細胞を10%FCSおよび
2〜10μM MTX を含むα変法イーグルMEM(リボ核酸
・デオキシリボ核酸含まず)中で培養し、96ウェルプレ
ートに播種した。増殖が観察されたウェルより細胞を回
収して24ウェルプレート、さらに10cmディッシュへ順次
拡大し、コンフルエントになった段階での上清中のヒト
sFcεRIα産生量を調べた。
細胞株の培養上清983ml に、1/20容積の1mM Tris, pH8.
0 および10mMベンザミジン、10mMエチレンジアミン4酢
酸、0.02%アジ化ナトリウムを添加し、0.22μm のフィ
ルターで濾過した試料をIgE Sepharose 4Bカラム
〔マウスハイブリドーマIGELb4(ATCC No.TIB141)培養
上清から精製した抗トリニトロフェニルIgE10mgを0.
1M炭酸水素ナトリウム中で活性化CH Sepharose (Pharma
cia) 1g に結合させたもの〕を用いて精製した。カラム
を0.02%アジ化ナトリウムを含むPBSで洗浄後、カラ
ムに結合した蛋白を0.2M酢酸、0.2M塩化ナトリウム、0.
02%アジ化ナトリウム、pH2.8 で溶出した。得られた精
製ヒトsFcεRIαを10mM重炭酸アンモニウムに対し
て透析した後、200 μlをSpeedVacで乾燥させ、SDS
電気泳動で調べると、クーマジーブルー染色で還元およ
び非還元両方の条件下で分子量50kDa付近に明確な
バンドが検出され、このバンド以外の蛋白は検出されな
かった。この蛋白はラジオイムノアッセイで放射性標識
IgEの好塩基球細胞(RBL−2H3細胞;前出)へ
の結合を阻害する活性を有していた。かかる精製ヒトF
cεRIαの濃度は、Bradford法 [Bradford, M.M., An
al. Biochem. 72, 248(1976)] によって定量した。
物 精製ヒトsFcεRIα100mg及びブドウ糖100
mgを注射用蒸留水に溶解し、ヒトsFcεRIαの濃
度が2mg/mlになるように調製した。これを0.4
5μmのメンブランフィルターで濾過後、濾液を無菌的
に5mlバイアル瓶に分注し、チッソガスを充填した
後、密封して静脈内注射剤(スプレー剤用組成物)とし
た。
gおよびパラオキシ安息香酸メチル20mgを注射用蒸
留水に溶解し、リン酸緩衝液にてpHを6.5に調整
し、全量を1000mlとした。これを0.45μmの
メンブランフィルターで濾過後、濾液を無菌的に点眼瓶
に分注し、点眼剤とした。
ポール940)2%水溶液25.0重量部に水酸化ナト
リウム2%水溶液25重量部を攪拌しながら徐々に加
え、さらに攪拌してゲル状とした。これに精製ヒトsF
cεRIα2重量部を適当量の精製水に溶かして加え、
さらに精製水を加え全量を100重量部とし、均一に攪
拌して軟膏剤とした。
IgE産生の抑制試験 (方法)健康成人の末梢血単核細胞(PBMC)を酸性
バッファー(pH4.0)で処理した後、ペトリディッ
シュを用いて付着性の単球を除去した。さらに、ヒツジ
赤血球を用いたロゼット法および抗CD3モノクローナ
ル抗体を用いたパンニング法によりB細胞を分離精製し
た。インターロイキン4(IL−4,100U/ml)
あるいはポークウィードマイトゲン(PWM,0.1μ
g/ml)を用いてPBMCを、またIL−4+抗CD
40モノクローナル抗体(1μg/ml)あるいはIL
−4+ハイドロコーチゾン(HC,1μM)を用いてB
細胞をそれぞれ14日間刺激した。培養上清中の各免疫
グロブリンはアイソタイプ特異的な固相サンドイッチR
IA法により測定した。なお、IgEの測定には、精製
ヒトsFcεRIαの添加によって濃度依存的な抑制作
用を示さない2種類の抗IgEモノクローナル抗体を用
いた。
IL−4で3日間、あるいはIL−4+抗CD40モノ
クローナル抗体で10日間刺激した後、各細胞から総R
NAを抽出し、Cε2−Cε4に特異的なcDNAプロ
ーブを用いてノーザンブロット解析を行った。また、B
細胞表面の各種マーカーは蛍光活性化細胞選択装置(F
ACS)により解析した。尚、精製ヒトsFcεRIα
のIgE結合実験にはIgEと結合しない抗sFcεR
Iαモノクローナル抗体を用いた。
よびIL−4+抗CD40モノクローナル抗体あるいは
IL−4+HCで刺激したB細胞からのIgE産生はい
ずれも1〜100ng/mlの精製sFcεRIαによ
って濃度依存的に抑制され、特に10ng/mlと10
0ng/mlの精製sFcεRIαによるIgE産生の
抑制は統計学的に有意(p<0.05,paired
t−test)であった(図3)。精製sFcεRIα
はT細胞依存的、非依存的ないずれの系によるIgE産
生も抑制するので、その標的細胞はB細胞であることが
示された。実際、IL−4+抗CD40モノクローナル
抗体の刺激による分泌型CεmRNA(2.2kb)の
発現は10〜100ng/mlの精製sFcεRIαに
よって抑制されたが、IL−4単独刺激によるgermline
CεmRNA(1.8kb)の発現には影響が認められ
なかった(図4)。
−4刺激したB細胞表面各種マーカー、すなわち、低親
和性IgEレセプターであるFcεRII(CD2
3)、CD40、HLA−DR、IgM及びIL−4レ
セプター等の発現には影響を与えず、また可溶化CD2
3(sCD23)の遊離も抑制しなかった。また、精製
ヒトsFcεRIαは、抗CD23モノクローナル抗体
によるB細胞におけるIgE産生の抑制にも影響を与え
なかった。しかし、29kdのsCD23によって増強
されたB細胞におけるIgE産生は、精製ヒトsFcε
RIαにより、増強前のIgE産生量以下にまで抑制さ
れた。また、精製ヒトsFcεRIαは健康成人のT細
胞、B細胞、NK細胞および単球に結合せず、IgE非
産生性のB細胞株(RPMI1788、RPMI886
6、Daudi など) とも結合しないが、IgE産生性ヒト
ミエローマ細胞(U266)とは結合し、またこの結合
は過剰のIgEによって解除された。
gE,IgMおよびIgA産生は1〜100ng/ml
の精製sFcεRIαによって抑制されなかった(図
5)。以上の結果から、精製sFcεRIαはIgEク
ラス特異的に抗体産生を抑制する新規分子であることが
示された。
す。
ル抗体、あるいはIL−4+HCで刺激したヒトリンパ
球における、精製sFcεRIαによるIgE産生への
影響を示す。
るCεmRNAの発現への影響を示す。
cεRIαによるIgG、IgM、IgA産生への影響
を示す。
Claims (10)
- 【請求項1】 ヒトIgEとの結合が可能なペプチドを
有効成分として含有することを特徴とするIgE産生抑
制剤。 - 【請求項2】 ヒトIgEとの結合が可能なペプチドが
高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖を含むペプチドで
ある請求項1記載のIgE産生抑制剤。 - 【請求項3】 高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖が
ヒト由来である請求項2記載のIgE産生抑制剤。 - 【請求項4】 ヒトIgEとの結合が可能なペプチドが
高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖の可溶性断片を含
むペプチドである請求項1記載のIgE産生抑制剤。 - 【請求項5】 高親和性免疫グロブリンE受容体α鎖の
可溶性断片がヒト由来である請求項4記載のIgE産生
抑制剤。 - 【請求項6】 剤型が注射剤である請求項1〜5記載の
IgE産生抑制剤。 - 【請求項7】 剤型がスプレー剤である請求項1〜5記
載のIgE産生抑制剤。 - 【請求項8】 剤型が点眼剤である請求項1〜5記載の
IgE産生抑制剤。 - 【請求項9】 剤型が点鼻剤である請求項1〜5記載の
IgE産生抑制剤。 - 【請求項10】 剤型が軟膏剤である請求項1〜5記載
のIgE産生抑制剤。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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