JPH0694127A - ピストンピンの軸受構造 - Google Patents
ピストンピンの軸受構造Info
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- JPH0694127A JPH0694127A JP4246528A JP24652892A JPH0694127A JP H0694127 A JPH0694127 A JP H0694127A JP 4246528 A JP4246528 A JP 4246528A JP 24652892 A JP24652892 A JP 24652892A JP H0694127 A JPH0694127 A JP H0694127A
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- Japan
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- piston
- pin
- piston pin
- pin hole
- hole
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16J—PISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
- F16J1/00—Pistons; Trunk pistons; Plungers
- F16J1/10—Connection to driving members
- F16J1/14—Connection to driving members with connecting-rods, i.e. pivotal connections
- F16J1/16—Connection to driving members with connecting-rods, i.e. pivotal connections with gudgeon-pin; Gudgeon-pins
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2201/00—Metals
- F05C2201/02—Light metals
- F05C2201/021—Aluminium
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】熱膨張差に起因する打音の低減に有利なピスト
ンピンの軸受構造を提供すること。 【構成】ピストン3のピン孔35の内径、コネクチング
ロッド4のピン孔45の内径、ピストンピン1の外径
は、ピストン軸方向(矢印Y1方向)で短径に設定さ
れ、ピストン軸直角方向(矢印X1方向)で長径に設定
されている。ピストン3及びコネクチングロッド4はア
ルミ系合金製であり、ピストンピン1は窒化珪素製であ
る。材質の熱膨張差に起因してピン孔35、45におい
てクリアランスが生じるが、矢印Y1方向におけるクリ
アランスは小さくなる。
ンピンの軸受構造を提供すること。 【構成】ピストン3のピン孔35の内径、コネクチング
ロッド4のピン孔45の内径、ピストンピン1の外径
は、ピストン軸方向(矢印Y1方向)で短径に設定さ
れ、ピストン軸直角方向(矢印X1方向)で長径に設定
されている。ピストン3及びコネクチングロッド4はア
ルミ系合金製であり、ピストンピン1は窒化珪素製であ
る。材質の熱膨張差に起因してピン孔35、45におい
てクリアランスが生じるが、矢印Y1方向におけるクリ
アランスは小さくなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピストンピンの軸受構造
に関する。本発明は例えばピストンピンがセラミックス
製である場合に適用できる。
に関する。本発明は例えばピストンピンがセラミックス
製である場合に適用できる。
【0002】
【従来の技術】内燃機関等の様なピストンを用いる装置
では駆動音の低減が、近年、特に要請されている。とこ
ろで、内燃機関では、図6に示す様に、ピストン100
のピン孔101にピストンピン200が嵌合されてい
る。ピストン100の駆動に伴いピストン100が昇温
すると、熱膨張差に起因して、ピン孔101の内周面と
ピストンピン200の外周面との間にクリアランスが生
成され易い。
では駆動音の低減が、近年、特に要請されている。とこ
ろで、内燃機関では、図6に示す様に、ピストン100
のピン孔101にピストンピン200が嵌合されてい
る。ピストン100の駆動に伴いピストン100が昇温
すると、熱膨張差に起因して、ピン孔101の内周面と
ピストンピン200の外周面との間にクリアランスが生
成され易い。
【0003】特に、ピストン100がアルミ系合金製
で、ピストンピン200がセラミックス製である場合に
は、セラミックスにより軽量化が図られるものの、熱膨
張差によるクリアランスが生成され易い。アルミ系合金
の熱膨張係数は一般的に(18〜24)×10-6/°C
と大きく、セラミックスの熱膨張係数は一般に(3〜
9)×10-6/°Cと小さいからである。
で、ピストンピン200がセラミックス製である場合に
は、セラミックスにより軽量化が図られるものの、熱膨
張差によるクリアランスが生成され易い。アルミ系合金
の熱膨張係数は一般的に(18〜24)×10-6/°C
と大きく、セラミックスの熱膨張係数は一般に(3〜
9)×10-6/°Cと小さいからである。
【0004】クリアランスが生成された状況を図7、図
8に誇張して示す。図7に示す様に、ピン孔101にお
いてクリアランス300が生成されたとする。この場合
に、ピストン100の上下死点付近では、ピストンピン
200に対する負荷方向が変わるため、図7、図8に示
す様に、ピン孔101の内周面にピストンピン2003
衝撃的に当たり、打音が発生することがある。
8に誇張して示す。図7に示す様に、ピン孔101にお
いてクリアランス300が生成されたとする。この場合
に、ピストン100の上下死点付近では、ピストンピン
200に対する負荷方向が変わるため、図7、図8に示
す様に、ピン孔101の内周面にピストンピン2003
衝撃的に当たり、打音が発生することがある。
【0005】また、実開昭61−141860号公報に
は、断面楕円形状のピン孔に、断面真円状のピストンピ
ンを嵌合する構造が開示されている。このものでは、ピ
ン孔が断面楕円形状であり、ピストンピンが断面真円形
状であるため、クリアランスが積極的に形成され、この
クリアランスによりピストンピンのある程度の塑性変形
が許容され、これによりピン孔をもつボス部の亀裂防止
効果が期待されている。しかしクリアランスが積極的に
形成されるため、打音の要因となり易い。
は、断面楕円形状のピン孔に、断面真円状のピストンピ
ンを嵌合する構造が開示されている。このものでは、ピ
ン孔が断面楕円形状であり、ピストンピンが断面真円形
状であるため、クリアランスが積極的に形成され、この
クリアランスによりピストンピンのある程度の塑性変形
が許容され、これによりピン孔をもつボス部の亀裂防止
効果が期待されている。しかしクリアランスが積極的に
形成されるため、打音の要因となり易い。
【0006】また、実開昭60−103761号公報に
は、セラミックス製のピストンピンと、アルミ系合金製
のピストンと、その中間の熱膨張係数をもつブッシュと
を用い、ピストンのピン孔の内周面とピストンピンとの
境界域にブッシュを介在させた構造が開示されている。
このものでは、ピストンが熱膨張した場合であっても、
ブッシュによりクリアランスが少なく、打音低減効果が
期待されている。しかしブッシュを必要とする不具合が
ある。
は、セラミックス製のピストンピンと、アルミ系合金製
のピストンと、その中間の熱膨張係数をもつブッシュと
を用い、ピストンのピン孔の内周面とピストンピンとの
境界域にブッシュを介在させた構造が開示されている。
このものでは、ピストンが熱膨張した場合であっても、
ブッシュによりクリアランスが少なく、打音低減効果が
期待されている。しかしブッシュを必要とする不具合が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した実情
に鑑みなされたものであり、その目的は、熱膨張差に起
因する打音の低減、回避に有利なピストンピンの軸受構
造を提供することにある。
に鑑みなされたものであり、その目的は、熱膨張差に起
因する打音の低減、回避に有利なピストンピンの軸受構
造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するため手段】本発明者は上記した目的の
もとに鋭意開発を進めた。そして、熱膨張の絶対量は基
本的にはその径に比例するため、クリアランスを小さく
するには、ピストンピン及びピン孔の径を短かくすれば
よい。しかし、ピストンピンの強度や面圧の関係で不利
となる。そこで本発明者は、ピストンの駆動方向が打音
形成方向であり、この方向におけるクリアランスの大小
が、打音の発生に大きく影響することに着目した。そし
て、ピストンピン及びピン孔の径を、打音形成方向にお
いて短径に、それと直交するピストン軸直角方向におい
て長径に設定することにより、本発明を開発した。
もとに鋭意開発を進めた。そして、熱膨張の絶対量は基
本的にはその径に比例するため、クリアランスを小さく
するには、ピストンピン及びピン孔の径を短かくすれば
よい。しかし、ピストンピンの強度や面圧の関係で不利
となる。そこで本発明者は、ピストンの駆動方向が打音
形成方向であり、この方向におけるクリアランスの大小
が、打音の発生に大きく影響することに着目した。そし
て、ピストンピン及びピン孔の径を、打音形成方向にお
いて短径に、それと直交するピストン軸直角方向におい
て長径に設定することにより、本発明を開発した。
【0009】即ち、本発明に係るピストンピンの軸受構
造は、ピストンピンと、ピストンピンの外周面と対面す
る内周面で形成されたピン孔を備え、ピストンピンより
も大きな熱膨張係数をもつ嵌合相手部とで構成され、嵌
合相手部のピン孔の内径、及び、ピストンピンのうち少
なくともピン孔の内周面に対向する外周面の外径は、ピ
ストン軸方向で短径にピストン軸直角方向で長径に設定
されていることを特徴とするものである。
造は、ピストンピンと、ピストンピンの外周面と対面す
る内周面で形成されたピン孔を備え、ピストンピンより
も大きな熱膨張係数をもつ嵌合相手部とで構成され、嵌
合相手部のピン孔の内径、及び、ピストンピンのうち少
なくともピン孔の内周面に対向する外周面の外径は、ピ
ストン軸方向で短径にピストン軸直角方向で長径に設定
されていることを特徴とするものである。
【0010】本発明では、ピストンピンは例えばセラミ
ックスで形成できる。セラミックスは酸化物系、非酸化
物系のいずれでも良く、具体的には窒化珪素、ジルコニ
ア、アルミナ、炭化珪素等を採用できる。嵌合相手部
は、ピストンピンの外周面と対面する内周面で形成され
たピン孔をもつものである。嵌合相手部は、ピストンピ
ンよりも大きな熱膨張係数をもつ。従ってピストンピン
がセラミックス製である場合には、一般的には、嵌合相
手部はアルミ系合金、チタン系等の金属製である。嵌合
相手部は、ピストン、コネクチングロッド、あるいは、
ブッシュとすることができる。
ックスで形成できる。セラミックスは酸化物系、非酸化
物系のいずれでも良く、具体的には窒化珪素、ジルコニ
ア、アルミナ、炭化珪素等を採用できる。嵌合相手部
は、ピストンピンの外周面と対面する内周面で形成され
たピン孔をもつものである。嵌合相手部は、ピストンピ
ンよりも大きな熱膨張係数をもつ。従ってピストンピン
がセラミックス製である場合には、一般的には、嵌合相
手部はアルミ系合金、チタン系等の金属製である。嵌合
相手部は、ピストン、コネクチングロッド、あるいは、
ブッシュとすることができる。
【0011】本発明では、ピストン軸方向とは、ピスト
ンが駆動する方向を意味する。ピストン軸直角方向と
は、ピストンの駆動方向と直交する方向を意味する。嵌
合相手部のピン孔の内径は、ピストン軸方向で短径にピ
ストン軸直角方向で長径に設定されている。従ってピン
孔の横断面形状は、一般的には楕円形状、長円形状であ
る。同様に、ピストンピンの外周面の外径も、ピン孔に
適応する様に、ピストン軸方向で短径にピストン軸直角
方向で長径に設定されている。
ンが駆動する方向を意味する。ピストン軸直角方向と
は、ピストンの駆動方向と直交する方向を意味する。嵌
合相手部のピン孔の内径は、ピストン軸方向で短径にピ
ストン軸直角方向で長径に設定されている。従ってピン
孔の横断面形状は、一般的には楕円形状、長円形状であ
る。同様に、ピストンピンの外周面の外径も、ピン孔に
適応する様に、ピストン軸方向で短径にピストン軸直角
方向で長径に設定されている。
【0012】短径及び長径の比率は適宜設定できるが、
短径を1とした場合、長径を例えば2〜5にできるが、
必ずしもこの比率に限られるものではない。
短径を1とした場合、長径を例えば2〜5にできるが、
必ずしもこの比率に限られるものではない。
【0013】
【作用】打音形成方向であるピストン軸方向において、
ピン孔のクリアランスは小さくなる。
ピン孔のクリアランスは小さくなる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図3を参照し
て説明する。ピストンピン1はセラミックス(窒化珪
素)で形成されており、金属製のものに比べて軽量化が
図られている。ピストンピン1は、その全長にわたり、
横断面形状が楕円形状とされている。従ってピストンピ
ン1の短径A1は長径B1よりも短く設定されている。
具体的には、短径A1は7mm、長径B1は30mmと
されている。なお、ピストンピン1は、セラミックス焼
結体の外表面をダイヤモンド等の研磨具で研磨して形成
されている。
て説明する。ピストンピン1はセラミックス(窒化珪
素)で形成されており、金属製のものに比べて軽量化が
図られている。ピストンピン1は、その全長にわたり、
横断面形状が楕円形状とされている。従ってピストンピ
ン1の短径A1は長径B1よりも短く設定されている。
具体的には、短径A1は7mm、長径B1は30mmと
されている。なお、ピストンピン1は、セラミックス焼
結体の外表面をダイヤモンド等の研磨具で研磨して形成
されている。
【0015】嵌合相手部としてのピストン3は、ピスト
ンピン1よりも熱膨張係数が大きなアルミ系合金(材質
AC8A)で形成されている。ピストン3の上部には、
リングが装着されるリング状の溝30、31、32が形
成されている。ピストン3の側部のボス部34には、ピ
ン孔35が形成されている。ピン孔35は楕円形状とさ
れており、ピストンピン1の横断面形状と適応する様に
されている。
ンピン1よりも熱膨張係数が大きなアルミ系合金(材質
AC8A)で形成されている。ピストン3の上部には、
リングが装着されるリング状の溝30、31、32が形
成されている。ピストン3の側部のボス部34には、ピ
ン孔35が形成されている。ピン孔35は楕円形状とさ
れており、ピストンピン1の横断面形状と適応する様に
されている。
【0016】図2に示す様に、嵌合相手部としてのコネ
クチングロッド4は、クランクシャフトに嵌合する軸受
部40をもつ大端部41と、先端側の小端部42と、大
端部41と小端部42とをつなぐロッド部43とで形成
されている。小端部42にはピン孔45が形成されてい
る。ピン孔45は横断面で楕円形状とされており、同じ
く、ピストンピン1の横断面形状と適応する様にされて
いる。なお、コネクチングロッド4はアルミ系合金製で
ある。
クチングロッド4は、クランクシャフトに嵌合する軸受
部40をもつ大端部41と、先端側の小端部42と、大
端部41と小端部42とをつなぐロッド部43とで形成
されている。小端部42にはピン孔45が形成されてい
る。ピン孔45は横断面で楕円形状とされており、同じ
く、ピストンピン1の横断面形状と適応する様にされて
いる。なお、コネクチングロッド4はアルミ系合金製で
ある。
【0017】そして図3に示す様に、ピストン3のボス
部34間の空間部にコネクチングロッド4の小端部42
が嵌められ、ピン孔35及びピン孔45が対面した状態
で、ピン孔35及びピン孔45にピストンピン1が嵌合
され、ピストンピン1はスナップリング1cで係止され
ている。この状態では、ピストンピン1の短径A1はピ
ストン軸方向、つまり打音形成方向と合致する。ピスト
ン3のピン孔35の短径、コネクチングロッド4のピン
孔45の短径も同様である。
部34間の空間部にコネクチングロッド4の小端部42
が嵌められ、ピン孔35及びピン孔45が対面した状態
で、ピン孔35及びピン孔45にピストンピン1が嵌合
され、ピストンピン1はスナップリング1cで係止され
ている。この状態では、ピストンピン1の短径A1はピ
ストン軸方向、つまり打音形成方向と合致する。ピスト
ン3のピン孔35の短径、コネクチングロッド4のピン
孔45の短径も同様である。
【0018】この様に本実施例では、ピストンピン1及
びピン孔35の径は、打音形成方向であるピストン軸方
向(矢印Y1方向)において短径化されている。そのた
め、熱膨張差が生じたとしても、打音形成方向において
ピン孔35のクリアランスは小さく済む。よって、ピス
トン3とピストンピン1とで生じる打音の低減に有利で
ある。
びピン孔35の径は、打音形成方向であるピストン軸方
向(矢印Y1方向)において短径化されている。そのた
め、熱膨張差が生じたとしても、打音形成方向において
ピン孔35のクリアランスは小さく済む。よって、ピス
トン3とピストンピン1とで生じる打音の低減に有利で
ある。
【0019】同様にコネクチングロッド4のピン孔45
についても、熱膨張差が生じたとしても、打音形成方向
であるピストン軸方向(矢印Y1方向)においてピン孔
45のクリアランスは小さく済む。よって、コネクチン
グロッド4とピストンピン1とで生じる打音の低減に有
利である。しかもピストンピン1、ピン孔35、45が
共に楕円形状のため、ピストンピン1の外周面とピン孔
35、45の内周面とが当たる際における、衝突面積が
増加するので、かかる意味でも打音低減に有利であり、
ピストンピン1の保護にも有利である。
についても、熱膨張差が生じたとしても、打音形成方向
であるピストン軸方向(矢印Y1方向)においてピン孔
45のクリアランスは小さく済む。よって、コネクチン
グロッド4とピストンピン1とで生じる打音の低減に有
利である。しかもピストンピン1、ピン孔35、45が
共に楕円形状のため、ピストンピン1の外周面とピン孔
35、45の内周面とが当たる際における、衝突面積が
増加するので、かかる意味でも打音低減に有利であり、
ピストンピン1の保護にも有利である。
【0020】更に上記した様に打音形成方向におけるピ
ン孔35、45のクリアランスが小さくなるので、その
方向における油膜の形成も容易となり、焼付き、摩擦の
低減にも有利である。更に、油膜によるダンパー効果も
期待でき、この意味でも打音の低減に有利である。更
に、ピン孔35、45における面圧は基本的にはその周
方向長さに比例するが、この点本実施例では、ピストン
ピン1の外径及びピン孔35、45の内径は、ピストン
軸直角方向(矢印X1方向)において長径に設定されて
いるため、ピストンピン1の外周面の周方向長さ、ピン
孔35、45の内周面の周方向長さが確保される。その
ため、面圧は、断面が真円形状の従来構造と同程度得ら
れる。
ン孔35、45のクリアランスが小さくなるので、その
方向における油膜の形成も容易となり、焼付き、摩擦の
低減にも有利である。更に、油膜によるダンパー効果も
期待でき、この意味でも打音の低減に有利である。更
に、ピン孔35、45における面圧は基本的にはその周
方向長さに比例するが、この点本実施例では、ピストン
ピン1の外径及びピン孔35、45の内径は、ピストン
軸直角方向(矢印X1方向)において長径に設定されて
いるため、ピストンピン1の外周面の周方向長さ、ピン
孔35、45の内周面の周方向長さが確保される。その
ため、面圧は、断面が真円形状の従来構造と同程度得ら
れる。
【0021】更にまた、ピストンピン1の強度はその図
心を通る断面2次メーメントに比例するが、この点本実
施例では、ピストンピン1の外径は矢印X1方向で長径
に設定されているため、断面2次モーメントも確保され
るので、強度も確保される。 (試験例)比較例と実施例とを比較した。比較例1のピ
ストンピンは、直径が20mmの断面真円形状をなし、
合金鋼(SCr15)製である。比較例2のピストンピ
ンは、直径が20mmの断面真円形状をなし、窒化珪素
(Si3 N4 )製である。実施例のピストンピンは、短
径が7mm、長径が30mmの断面楕円形状をなし、窒
化珪素(Si3 N4 )製である。表1に示す様に、ピス
トンのピン孔におけるクリアランスは、20°Cで、実
施例及び比較例1、2共に−2μmに設定した。200
°Cに昇温されると、このクリアランスは、比較例1で
は27μmであったが、比較例2では63μmと大きく
なった。この点実施例では26μmと小さくて済む。
心を通る断面2次メーメントに比例するが、この点本実
施例では、ピストンピン1の外径は矢印X1方向で長径
に設定されているため、断面2次モーメントも確保され
るので、強度も確保される。 (試験例)比較例と実施例とを比較した。比較例1のピ
ストンピンは、直径が20mmの断面真円形状をなし、
合金鋼(SCr15)製である。比較例2のピストンピ
ンは、直径が20mmの断面真円形状をなし、窒化珪素
(Si3 N4 )製である。実施例のピストンピンは、短
径が7mm、長径が30mmの断面楕円形状をなし、窒
化珪素(Si3 N4 )製である。表1に示す様に、ピス
トンのピン孔におけるクリアランスは、20°Cで、実
施例及び比較例1、2共に−2μmに設定した。200
°Cに昇温されると、このクリアランスは、比較例1で
は27μmであったが、比較例2では63μmと大きく
なった。この点実施例では26μmと小さくて済む。
【0022】また、コネクチングロッドの小端部のピン
孔におけるクリアランスは、20°Cで、実施例及び比
較例1、2共に15μmに設定した。150°Cに昇温
されると、このクリアランスは、比較例1では28μm
であったが、比較例2では54μmと大きくなった。こ
の点実施例では29μmと小さくて済む。更に、表1に
示す様に、ピストンピンの周方向長さは、比較例1、2
では63mm、実施例では64mmであり、三者は同程
度である。また、ピストンピンの図心を通る断面2次モ
ーメントは、比較例1、2では7854、試験例では8
082である。
孔におけるクリアランスは、20°Cで、実施例及び比
較例1、2共に15μmに設定した。150°Cに昇温
されると、このクリアランスは、比較例1では28μm
であったが、比較例2では54μmと大きくなった。こ
の点実施例では29μmと小さくて済む。更に、表1に
示す様に、ピストンピンの周方向長さは、比較例1、2
では63mm、実施例では64mmであり、三者は同程
度である。また、ピストンピンの図心を通る断面2次モ
ーメントは、比較例1、2では7854、試験例では8
082である。
【0023】この比較結果から理解できる様に、実施例
のピストンピン1では、打音形成方向におけるピン孔3
5、45のクリアランスを小さくしつつ、比較例1、2
と同程度の強度、面圧が得られる。
のピストンピン1では、打音形成方向におけるピン孔3
5、45のクリアランスを小さくしつつ、比較例1、2
と同程度の強度、面圧が得られる。
【0024】
【表1】
【0025】(他の実施例)図4、図5は他の実施例を
示す。図4はピストンピン6の横断面形状を示す。図5
はピストン3のピン孔39の横断面形状を示す。この例
では、図4に示す様にピストンピン6の外周面60は、
第1中心点60aを中心として同径で描いた第1円弧6
0bと、第2中心点60cを中心として同径で描いた第
2円弧60dと、これらをつなぐ接線状の外面60e、
60fとで形成されている。また図5に示す様にピン孔
39の内周面390は、第1中心点390aを中心とし
て同径で描いた第1円弧390bと、第2中心点390
cを中心として同径で描いた第2円弧390dと、これ
らをつなぐ接線状の内面390eと、接線状の内面39
0fとで形成されている。コネクチングロッド4の小端
部42に設けるピン孔も、図5に示すピン孔39と同様
な形状にできる。この例においても前記実施例と同様な
作用効果が得られる。
示す。図4はピストンピン6の横断面形状を示す。図5
はピストン3のピン孔39の横断面形状を示す。この例
では、図4に示す様にピストンピン6の外周面60は、
第1中心点60aを中心として同径で描いた第1円弧6
0bと、第2中心点60cを中心として同径で描いた第
2円弧60dと、これらをつなぐ接線状の外面60e、
60fとで形成されている。また図5に示す様にピン孔
39の内周面390は、第1中心点390aを中心とし
て同径で描いた第1円弧390bと、第2中心点390
cを中心として同径で描いた第2円弧390dと、これ
らをつなぐ接線状の内面390eと、接線状の内面39
0fとで形成されている。コネクチングロッド4の小端
部42に設けるピン孔も、図5に示すピン孔39と同様
な形状にできる。この例においても前記実施例と同様な
作用効果が得られる。
【0026】また図1〜図3に示す実施例では、ピスト
ンピン1がセラミックス製であり、ピストン3がアルミ
系合金製である。しかしこれに限らず、ピストンピン及
びピストンは互いに熱膨張係数の異なるセラミックス製
であってもよい。また、ピストンピン及びピストンは互
いに熱膨張係数が異なる金属製であってもよい。或い
は、ピストンピンは、セラミックス体の表面に、アルミ
系等の金属やナイロン系等の樹脂等の表面層を被覆した
ものでもよい。
ンピン1がセラミックス製であり、ピストン3がアルミ
系合金製である。しかしこれに限らず、ピストンピン及
びピストンは互いに熱膨張係数の異なるセラミックス製
であってもよい。また、ピストンピン及びピストンは互
いに熱膨張係数が異なる金属製であってもよい。或い
は、ピストンピンは、セラミックス体の表面に、アルミ
系等の金属やナイロン系等の樹脂等の表面層を被覆した
ものでもよい。
【0027】要するに、ピストンの熱膨張係数がピスト
ンピンの熱膨張係数よりも大きく、熱膨張差に起因して
両者の間にクリアランスが発生し易い場合に適用できる
ものである。なお、ピストンピンとコネクチングロッド
との関係についても同様である。ちなみに、セラミック
スであっても、ジルコニアは窒化珪素よりも熱膨張係数
が大きい。また金属であっても、アルミ系合金は鉄、鋼
よりも熱膨張係数が大きい。更に同じ材質であっても、
繊維等の補強材が含まれている場合には、その配向方向
等によっても熱膨張係数が異なる。
ンピンの熱膨張係数よりも大きく、熱膨張差に起因して
両者の間にクリアランスが発生し易い場合に適用できる
ものである。なお、ピストンピンとコネクチングロッド
との関係についても同様である。ちなみに、セラミック
スであっても、ジルコニアは窒化珪素よりも熱膨張係数
が大きい。また金属であっても、アルミ系合金は鉄、鋼
よりも熱膨張係数が大きい。更に同じ材質であっても、
繊維等の補強材が含まれている場合には、その配向方向
等によっても熱膨張係数が異なる。
【0028】また図1〜図3に示す実施例では、ピスト
ンピン1はピン孔35、45に直接挿入されているが、
ピストンピン1の外周面とピン孔35、45の内周面と
の間に筒状ブッシュを介在させることもできる。なお本
発明はディーゼル機関、ガソリン燃料機関等を問わず、
ピストン装置であれば適用できる。
ンピン1はピン孔35、45に直接挿入されているが、
ピストンピン1の外周面とピン孔35、45の内周面と
の間に筒状ブッシュを介在させることもできる。なお本
発明はディーゼル機関、ガソリン燃料機関等を問わず、
ピストン装置であれば適用できる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、ピストンピン及びピン
孔は、打音形成方向であるピストン軸方向において短径
化されているので、この方向における、ピストンピンの
外周面とピン孔の内周面との間のクリアランスは小さく
なり、ピストンの駆動に伴う打音の低減や回避に有利で
ある。
孔は、打音形成方向であるピストン軸方向において短径
化されているので、この方向における、ピストンピンの
外周面とピン孔の内周面との間のクリアランスは小さく
なり、ピストンの駆動に伴う打音の低減や回避に有利で
ある。
【0030】更に打音形成方向においてクリアランスが
小さいので、その方向における、ピストンピンの外周面
とピン孔の内周面との間の油膜の形成が容易となる。よ
って焼付き、摩擦の低減や回避に有利である。更に油膜
によるダンパー効果も期待できる。この意味でも打音防
止に一層有利である。更に本発明によれば、ピストンピ
ンの外径及びピン孔の内径は、ピストン軸直角方向で長
径に設定されているため、面圧、強度も確保される。
小さいので、その方向における、ピストンピンの外周面
とピン孔の内周面との間の油膜の形成が容易となる。よ
って焼付き、摩擦の低減や回避に有利である。更に油膜
によるダンパー効果も期待できる。この意味でも打音防
止に一層有利である。更に本発明によれば、ピストンピ
ンの外径及びピン孔の内径は、ピストン軸直角方向で長
径に設定されているため、面圧、強度も確保される。
【図1】ピストンピンの横断面形状と共に、ピストンを
示す正面図である。
示す正面図である。
【図2】ピストンピンの横断面形状と共に、コネクチン
グロッドを示す正面図である。
グロッドを示す正面図である。
【図3】ピストンにピストンピンを介してコネクチング
ロッドを取付けた状態を示す断面図である。
ロッドを取付けた状態を示す断面図である。
【図4】他の実施例に係るピストンピンの断面図であ
る。
る。
【図5】他の実施例に係るピン孔の断面図である。
【図6】従来例に係るピストン付近の正面図である。
【図7】ピストンピンがピン孔の内周面に当たる状況を
誇張して模式的に示す断面図である。
誇張して模式的に示す断面図である。
【図8】ピストンピンがピン孔の内周面に当たる状況を
誇張して模式的に示す断面図である。
誇張して模式的に示す断面図である。
図中、1はピストンピン、3はピストン(嵌合相手
部)、35はピン孔、4はコネクチングロッド(嵌合相
手部)、42は小端部、45はピン孔を示す。
部)、35はピン孔、4はコネクチングロッド(嵌合相
手部)、42は小端部、45はピン孔を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】ピストンピンと、 該ピストンピンの外周面と対面する内周面で形成された
ピン孔を備え、該ピストンピンよりも大きな熱膨張係数
をもつ嵌合相手部とで構成され、 該嵌合相手部のピン孔の内径、及び、該ピストンピンの
うち少なくとも該ピン孔の内周面に対向する外周面の外
径は、ピストン軸方向で短径にピストン軸直角方向で長
径に設定されていることを特徴とするピストンピンの軸
受構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4246528A JPH0694127A (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | ピストンピンの軸受構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4246528A JPH0694127A (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | ピストンピンの軸受構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0694127A true JPH0694127A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=17149752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4246528A Pending JPH0694127A (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | ピストンピンの軸受構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0694127A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100589422B1 (ko) * | 2004-02-26 | 2006-06-14 | 현대자동차주식회사 | 모션 안정화를 위한 피스톤의 장착 구조 |
CN104053931A (zh) * | 2012-01-19 | 2014-09-17 | 马勒国际有限公司 | 活塞 |
JP2020511617A (ja) * | 2017-03-02 | 2020-04-16 | フェデラル−モグル ニュルンベルク ゲーエムベーハー | 内燃エンジン用のガジョンピン、システム、エンジン、およびこのタイプのガジョンピンの使用 |
JP2020104207A (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-09 | 株式会社安永 | コネクティングロッドの加工装置、及びコネクティングロッドの製造方法 |
-
1992
- 1992-09-16 JP JP4246528A patent/JPH0694127A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100589422B1 (ko) * | 2004-02-26 | 2006-06-14 | 현대자동차주식회사 | 모션 안정화를 위한 피스톤의 장착 구조 |
CN104053931A (zh) * | 2012-01-19 | 2014-09-17 | 马勒国际有限公司 | 活塞 |
JP2020511617A (ja) * | 2017-03-02 | 2020-04-16 | フェデラル−モグル ニュルンベルク ゲーエムベーハー | 内燃エンジン用のガジョンピン、システム、エンジン、およびこのタイプのガジョンピンの使用 |
JP2020104207A (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-09 | 株式会社安永 | コネクティングロッドの加工装置、及びコネクティングロッドの製造方法 |
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