JPH0680193A - 中間壁を有するタンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 タンク内部に配設されたじゃま板または分割
壁１３，１４は、タンクジャケット１０の内壁に、三角
形断面のリング１５，２１を介して連結されている。中
間壁の外径はタンクの内径に比べて著しく小さく、その
ため、中間壁をタンク内に容易に挿入することができ
る。プロファイルリング１５の１つの脚部１６は中間壁
１３の湾曲の延長部を構成し、これに対して、他の脚部
１７は中間壁１３の凸面側とタンクジャケット１０との
間のガセット状の領域を閉じる。 【効果】 この発明のタンクは、中間壁がタンク内部に
問題なく挿入されて、ガセット状の領域が生じないよう
に溶接によりジャケット壁に連結できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はタンクに関し、特に中
間壁を有するタンクに関する。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ほぼ円筒
状のジャケットとこのジャケットの内面に溶接された湾
曲した中間壁とを有するタンクは、米国特許明細書４，
７８９，１７０により公知である。各中間壁は、タンク
頭部と同様の状態で湾曲しており、輸送される液体の過
度のうねりを防止するためのじゃま板として働く。この
うねりは、特に内容物がタンクに部分的に充填されてい
る場合には、輸送用車輌に望ましくない反力がかかる結
果となる。

【０００３】この種の公知のタンクの製造においては、
じゃま板または分割壁などであり得る中間壁は、タンク
をタンク頭部により閉じる前に、タンクの軸方向に挿入
してジャケットの内壁に溶接される。

【０００４】問題は、中間壁の直径がタンクの正味の直
径よりも若干小さくなければならないということであ
る。すなわち、タンク製造の際にジャケットの内面に非
円形すなわち均一でない部分が発生している場合がある
にもかかわらず、中間壁をタンクの内部に挿入可能性で
なければならないからである。

【０００５】この状態では、タンクはその少なくとも一
端側がなお開口しているため、しかも、タンクをフラッ
トに置いておけばタンクの横断面が楕円形に変形するた
めに、ちょうど適合する形状の中間壁を挿入する場合
は、タンクを縦方向に引き伸ばす必要が生じ、このこと
が組み立て作業をさらに複雑なものとする。

【０００６】しかし、前記のような手段をとるとして
も、中間壁の外縁とタンクのジャケットの内面との間の
隙間をなくすることができず、このような隙間により適
切な溶接が困難か不可能である。

【０００７】安定性の理由で、中間壁はタンク頭部と同
様の状態に湾曲している。タンク内部の空間を複数の可
能な耐圧力チャンバに完全に区分しようとする場合に
は、特にこのことが必要である。この場合には、中間壁
の凸面側において、タンクジャケットと中間壁の周縁部
との間にガセット状の領域が形成される。この領域にお
いて、不純物が沈積し腐食が発生する。

【０００８】したがって、このガセット領域を全体が円
錐状のリングにより閉じることが一般的に行なわれてい
る。このリングはその大縁がジャケット表面に溶接さ
れ、その小縁が中間壁の凸面側に溶接される。このよう
なリングは、また、中間壁の凸面側に位置するタンクチ
ャンバに過度の圧力がかかる場合には、圧力の理由によ
り有利である。

【０００９】バスケット形に湾曲した中間壁の場合に
は、同じくバスケット形に湾曲したタンク頭部の場合と
同様に、最大応力のかかるナックルゾーンによって壁の
厚みが決まる。したがって、公知のタンクにおいては、
中間壁の球状に湾曲した大きな中央部分は、普通、重量
が極めて大きい。

【００１０】他のタンクがドイツ公開特許明細書３，４
４５，２２１により公知である。このタンクにおいて
は、全体がフラットな設計の中間壁は矩形断面のリング
によりジャケットの内壁に連結されている。各リングの
１つの脚部がタンクに、他の脚部が中間壁に固定されて
いる。

【００１１】この発明の目的は、中間壁を有するタンク
であって、前記中間壁がタンク内部に問題なく挿入され
て、前記のガセット状の領域が生じないように溶接によ
りジャケット壁に連結されるようなタンクを提供すると
ころにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段と作用】前記の目的はこの
発明において次のようなタンクにより解決される。すな
わち、ほぼ円筒状のジャケットと、このジャケットの内
面に固定された湾曲した中間壁とを有するタンクにおい
て、前記の中間壁は角付の形材よりなるリングに固定さ
れており、前記リングは、１つの頂点がタンクの内側に
向くようにタンクジャケットに溶接されていることを特
徴とするタンクである。

【００１３】このプロファイルリングすなわち形材リン
グにより、中間壁の外径寸法はタンクの内径に比べて著
しく小さくなり、それにより、中間壁を問題なくタンク
内に挿入することができる。プロファイルリング自身は
１つの位置において開口したバンドリングとして挿入す
ることができ、タンク内に挿入された後においてでも正
確な周方向の長さに切断することができる。このリング
がタンクの内壁に溶接される方向において、その脚部の
１つが中間壁の周縁部の延長部を構成し、他の脚部がガ
セット領域をシールするための前記した追加的な円錐状
のリングとしての機能を果たす。

【００１４】中間壁はプロファイルリングと湾曲したデ
ィスクとから構成されているので、この領域において発
生する大きな応力に耐えるようにリングを充分な強度を
有するように構成しても、中間壁自体の厚みを過剰に大
きくすることにはならず、したがって、その重量も過剰
に大きくなることがない。

【００１５】好ましい実施態様においては、リングは帽
子（ハット）状の断面を有しており、その円筒状フラン
ジの外縁においてタンクジャケットに溶接されている。
変更例として、リングはＴ字形の断面を有していてもよ
く、その場合には、その中央腹板の下縁と横方向脚部の
外縁とがタンクジャケットに溶接される。これらの実施
態様においては、特に安定した断面形状のリングが得ら
れる。また、前記の変更例においては、プロファイルリ
ングを中間壁にネジ止めすることができる。

【００１６】さらに他の実施態様においては、中間壁の
周縁部はリングの１つの脚部と実質的に平行に伸びる。
この構造により、中間壁は２つの溶着部によりリングに
連結される。その１つはプロファイルリングの頂点にお
いて構成され、他は中間壁の外縁において構成される。

【００１７】

【実施例】図１に示すタンクは、ほぼ円筒状のタンクジ
ャケット１０を有しており、このタンクジャケット１０
の各端部は湾曲した頭部１１により閉じられている。軸
方向の中間位置において、マンホール１２が突出してい
る。

【００１８】タンクの内部には、タンク頭部１１と同様
な湾曲をした２つの中間壁１３，１４が挿入されてい
る。この湾曲は、完全に球状またはバスケット状とする
ことができる。図示の実施例においては、中間壁１３，
１４は、輸送中における液体タンク内容物の過度のうね
りを防止するじゃま板を構成している。このじゃま板は
不図示のとぎれ部を有しており、これを介して３つのタ
ンクチャンバが連通している。

【００１９】他の実施例においては、中間壁１３，１４
を完全に閉じた分割壁として構成することができる。こ
の壁は、タンク全体の空間を３つの個別のチャンバに分
割する。この場合には、３つのタンクチャンバは、それ
ぞれ、自身のマンホールと、個別的に内容物を充填しか
つ排出するための他の設備を有している。

【００２０】中間壁１３は角張ったリング１５を介して
タンクジャケットに固定されている。このリングの頂点
はタンクの内側を向いている。図２に詳細を示すよう
に、リング１５の２つの脚部１６，１７の端部はタンク
ジャケット１０に溶接されている。中間壁１３の外径
は、タンクジャケット１０の内径に比べて著しく小さい
が、リング１５の内縁の直径よりも大である。したがっ
て、中間壁１３の周縁部１８はリング１５の脚部１６に
重なる。

【００２１】中間壁１３は次の第１と第２の溶着部１
９，２０によりリング１５に連結されている。第１の溶
着部１９は中間壁１３の外縁と脚部１６との間にあり、
第２の溶着部２０は中間壁１３の凸面状の外面とリング
１５の頂点との間に形成される。

【００２２】溶着部１９，２０の領域において、リング
１５の脚部１６と中間壁１３との間に隙間が生ずること
を避けるために、脚部１６の外面が中間壁１３の周縁部
１８の外面とほぼ一列をなすようにリング１５の断面形
状が選択される。

【００２３】これに加えて、またはこれに代えて、周縁
部１８を中間壁１３の湾曲した主部に関して折り曲げる
ことにより、脚部１６と一列をなすようにすることがで
きる。この点は図２に示されている。すなわち、図２に
おいては、中間壁１３の全体が半径Ｒで球面状に湾曲し
ているが、角部を有するリング１５の頂点の近傍にあ
る、周縁部１８への移行部はこれより幾分小さい半径ｒ
を有している。

【００２４】図３の実施例は、帽子（ハット）形の断面
を有する角付リング２１を用いている点で図２と相違す
る。図３においては、リング２１は、自身の円筒状フラ
ンジ２２の周縁に沿ってタンクジャケット１０に溶接さ
れている。

【００２５】図４の実施例においては、プロファイルリ
ング２３はＴ字形断面を有しており、その中央腹板２４
の外線と横方向腹板の１つの脚部２５の外縁によりタン
クジャケット１０に溶接されている。中間壁１４は、他
の脚部２６に、特にうねり防止用中間壁において要求さ
れるセイフティスプリングワッシャ２７によりネジ止め
されている。これは、前記のネジ止め構造に作用する荷
重が変化することを考慮してのことである。

【００２６】さらに、ワッシャ２８，２９が設けられて
いる。これは、支持領域を拡張し、これにより、実質的
な力を、中間壁１４の周辺部とプロファイルリング２３
の脚部２６にもっと均一に分散するためである。図４に
おいて、中間壁１４の側部にあるワッシャ２８は周辺部
全体にわたって伸びる連続した円錐状のリングである。

【００２７】図１のタンクを組み立てる場合には、中間
壁１３，１４とプロファイルリング１５，２１とは、タ
ンクジャケット１０の少なくとも一端側がまだ開口して
いる時に、このタンクジャケット１０の中に挿入され
る。この状態では、リング１５，２１は少なくとも１つ
の位置において開口しており、組み立て現場においてタ
ンク内で正確な長さに切断することができ、その後、ジ
ャケットの内壁に溶接することができる。これに続い
て、各リング１５，２１の当接する端部同士が一緒に溶
接される。その後、中間壁１３，１４はそれぞれリング
１５，２１に溶接される。最後に、タンクジャケット１
０の端部が２つの頭部１１により閉じられる。

【００２８】プロフィルリング１５，２１とタンクジャ
ケット１０の内側との間の重ね合わせ溶接は、簡単な制
御孔から点検することができる。

【００２９】

【発明の効果】この発明のタンクは、中間壁がタンク内
部に問題なく挿入されて、ガセット状の領域が生じない
ように溶接によりジャケット壁に連結できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】タンクの縦断面図。このタンクは２つの中間壁
を有し、これら壁は異なった形状のリングによりタンク
ジャケットの内面に連結されている。

【図２】図１のＩＩの部分の拡大図。

【図３】図１のＩＩＩの部分の拡大図。

【図４】変更例を示す図３と同様の図。

【符号の説明】

１０……タンクジャケット １３……中間壁 １４……中間壁 １５……リング １６……リングの脚部 １８……中間壁の周縁部 ２１……リング ２２……円筒状フランジ ２３……リング ２４……中央腹板 ２５……横方向脚部 ２６……自由な横方向脚部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ円筒状のジャケット（１０）と、こ
   のジャケットの内面に固定された湾曲した中間壁（１
   ３；１４）とを有するタンクにおいて、前記の中間壁
   （１３；１４）は角付の形材よりなるリング（１５；２
   １；２３）に固定されており、前記リングは、１つの頂
   点がタンクの内側に向くようにタンクジャケット（１
   ０）に溶接されていることを特徴とするタンク。
2. 【請求項２】 前記リング（２１）が帽子（ハット）形
   の断面を有し、その円筒状フランジ（２２）の外縁にお
   いてタンクジャケット（１０）に溶接されていることを
   特徴とする請求項１に記載のタンク。
3. 【請求項３】 前記リング（２３）がＴ字形断面を有
   し、その中央腹板（２４）の下縁と横方向脚部（２５）
   の外縁とがタンクジャケット（１０）に溶接されている
   ことを特徴とする請求項１に記載のタンク。
4. 【請求項４】 前記の中間壁（１４）がリング（２３）
   の自由な横方向脚部（２６）にネジ止めされていること
   を特徴とする請求項３に記載のタンク。
5. 【請求項５】 前記中間壁（１３；１４）の周縁部（１
   ８）が前記リング（１５；２１；２３）の脚部（１６；
   ２６）とほぼ平行に伸びていることを特徴とする請求項
   １〜４のいずれか１項に記載のタンク。