JPH0676009B2

JPH0676009B2 - 自動車のガラス構造

Info

Publication number: JPH0676009B2
Application number: JP63015531A
Authority: JP
Inventors: 耕治岸野
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1988-01-25
Filing date: 1988-01-25
Publication date: 1994-09-28
Anticipated expiration: 2009-09-28
Also published as: EP0326300A2; KR910006522B1; EP0326300B1; JPH01190529A; US4927207A; DE68906169T2; KR890011720A; EP0326300A3; DE68906169D1

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、自動車のガラス構造に関し、特に、車体側面
に取付けられるサイドドアのドアガラス等の如くガラス
が昇降動可能に設けられるものの改良に関する。

（従来の技術）従来より、この種のガラス構造においては、空力特性お
よび見映えの向上を図るために、ガラスの昇降方向に湾
曲した２次元ガラスがよく用いられている。この場合、
ガラスを昇降案内するガイドレールやドアサッシュ等
は、構造的には平面ガラスを昇降動可能とするガラス構
造の場合と殆ど変わらず、単にガラスの曲率と略同じ曲
率に湾曲形成するにすぎない。

また、最近、例えばフロントサイドドアのドアガラスと
して、その昇降方向に湾曲するだけでなく、昇降方向と
直交する方向にも湾曲した３次元ガラスを使用し、ドア
ガラスの上昇位置（閉じ位置）でドアガラスの前縁側上
部が後縁側上部よりも車体内方側に位置するようにな
し、空力特性や見映えをより高めるようにしたものが提
案されている（西ドイツ特許3037397号参照）。

（発明が解決しようとする問題点）ところが、上記３次元ガラスを使用するガラス構造の場
合、平面ガラスや２次元ガラスに比べてガラスの製造コ
ストが高くつくとともに、ガラスの前縁と後縁との曲率
が異なることなどから、ガイドレールやドアサッシュ等
も特殊な構造を用いなければならず、シール性等の点で
信頼性に欠けることが懸念される。

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目
的とするところは、２次元ガラスでもって上述の３次元
ガラスの場合と同様にガラスの上昇位置でその前縁およ
び後縁のいずれか一方を他方よりも車体内方側に位置さ
せるようになし、空力特性および見映えの向上を有効に
図ることにある。

（問題点を解決するための手段）上記目的を達成するため、本発明の解決手段は、ガラス
が車体側面に昇降動可能に設けられた自動車のガラス構
造において、上記ガラスとして昇降方向に湾曲した２次
元ガラスを使用する。そして、該２次元ガラスの曲率中
心軸を、少なくとも車体前後方向の水平ラインに対し上
下方向に傾斜させて設定して、２次元ガラスの上昇位置
では該２次元ガラスの前縁および後縁のいずれか一方が
他方よりも車体内方側に位置するように構成するもので
ある。

特に、上記のガラス構造を、アウタパネルとインナパネ
ルとを備えてなるサイドドアのドアガラスの構造として
適用する場合、ドアガラスを上述の如き構成とするとと
もに、サイドドア側の構造を次のような構成とする。す
なわち、上記サイドドアに２次元ドアガラスを昇降動さ
せる駆動手段を設けられているとともに、サイドドアの
内部に、少なくとも２次元ドアガラスの前後２箇所で該
ドアガラスをそれぞれ昇降案内するガイドレールを設け
る。そして、上記両ガイドレールは共に２次元ドアガラ
スの曲率と略同じ曲率に設定されている一方、両ガイド
レールの曲率中心位置は、２次元ドアガラスの前部と後
部との曲率中心の上下方向位置の相違に対応して異なっ
た位置に設定される構成とするものである。

（作用）上記の構成により、本発明では、昇降方向に湾曲した２
次元ガラスの曲率中心軸が、車体前後方向の水平ライン
に対し上下方向に傾斜して設定されていることによっ
て、上記水平ラインと略平行な２次元ガラスの上縁は、
該ガラスの上昇位置ではその前縁および後縁のいずれか
一方が他方よりも曲率中心軸の上方内側に変位して車体
内方側に位置するようになる。

このことは、特に、２次元ガラスが車体側面の前部に取
付けられるフロントサイドドアのドアガラスの場合、曲
率中心軸の傾斜を車体前方下向きにすると、ドアガラス
の前縁側上部がフロントピラー上部で車体内方により深
く食い込んだ状態となる。また、２次元ガラスが車体側
面の後部に取付けられるリヤサイドドアのドアガラスの
場合、曲率中心軸の傾斜を車体後方下向きにすると、ド
アガラスの後縁上部がリヤピラー上部で車体内方により
深く食い込んだ状態となる。

（実施例）以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図は本発明の第１実施例として自動車
における一般的なサッシュ式のフロントサイドドアのド
アガラス構造に適用した場合を示し、１はフロントサイ
ドドアのドアボデーであって、該ドアボデー１はアウタ
パネル２とインナパネル３とからなる。上記ドアパネル
１には窓枠を構成するドアサッシュ４が上方に突出して
設けられており、該ドアサッシュ４によって、第３図お
よび第４図に詳示するように、ドアガラス５がその周縁
部にてランチャンネル６を介して挟持された状態で支持
されかつシールされるようになっている。尚、第３図
中、７はドアサッシュ４に装着されたウェザーストリッ
プであって、フロントサイドドアの閉時に車体（センタ
ピラー）に対してシール当接するものである。

上記ドアサッシュ４の後側の脚部4aは、ドアガラス５の
昇降時にその後縁を昇降案内するガイドレール８を構成
している。該ガイドレール８は、ドアボデー１の内部に
まで延びていて、ドアガラス５をその全昇降行程に亘っ
て案内するようになっている。また、ドアサッシュ４前
側の傾斜した脚部4bにはドアガラス５の前縁を昇降案内
するガイドレール９が連結されており、該ガイドレール
９もドアボデー１内部の深い位置にまで延びている。

さらに、10は上記ドアボデー１のインナパネル３に組み
付けられドアガラス５を昇降動させるケーブル式の駆動
手段であって、該駆動手段10の構成は、図では詳示して
いないが、室内側の操作ハンドル11を回転させると、そ
の回転力がケーブル12によって上下方向の牽引力として
ドアガラス５に伝達されて該ドアガラス５が昇降動する
ように構成されている。尚、13はドアボデー１のインナ
パネル３に取付けられた略上下方向に延びるガイド部材
であって、該ガイド部材13は、第５図に詳示するよう
に、ドアガラス５の下部中央に取付けられたプレート14
の摺動子14a,…と協働してドアガラス５を昇降案内する
ようになっている。

第６図および第７図は本発明の第２実施例としてインナ
サッシュ式のフロントサイドドアのドアガラス構造に適
用した場合を示す。このインナサッシュ式のフロントサ
イドドアにおいて、窓枠を構成するドアサッシュ21は、
第８図に示すように、ドアガラス５が上昇位置に位置す
るとき（つまり窓枠を閉じた状態にあるとき）該ドアガ
ラス５の車室内側に位置してドアボデー１に設けられて
いるとともに、該ドアサッシュ21うはドアガラス５内面
の周縁部にシール当接するウェザーストリップ22が装着
されている。

また、第１実施例の場合と同様、上記ドアサッシュ21後
側の脚部21aはドアボデー１の内部に延びるガイドレー
ル８を構成しているとともに、ドアサッシュ21前側の斜
めに傾斜した脚部21bにはドアボデー１の内部深くにま
で延びるガイドレール９の上端が連結されている。一
方、ドアガラス５の後縁上部および前縁上部にはそれぞ
れ、第８図および第９図に詳示するように、上記ガイド
レール８、９に沿って摺動可能な摺動子23,23が取付け
られ、この摺動子23,23およびガイドレール8,9の協働に
よってドアガラス５が昇降案内されるようになってい
る。尚、24はドアボデー１とドアサッシュ21前側の脚部
21bとの間の隅角部に配設されたコーナ部材である。フ
ロントサイドドアのその他の構成は第１実施例の場合と
同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は
省略する。

第10図および第11図は本発明の第３実施例としてハード
トップ式のフロントサイドドアのドアガラス構造に適用
した場合を示す。このハードトップ式のフロントサイド
ドアにおいて、ドアガラス５を昇降動させる駆動手段31
は、ドアボデー１内に組み付けられたＸアーム式のもの
であって、駆動モータ32の作動によりＸ字状に連結され
たメインアーム33とサブアーム34とがその相対角を変え
るような運動をしてドアガラス５が昇降動するように構
成されている。

また、ドアボデー１の内部には、上記駆動手段31の配設
位置の前後両側にそれぞれ略上下方向に延びるガイドレ
ール35,36が配設されている。一方、ドアガラス５の下
縁前部には、第12図に詳示するように、上記前側のガイ
ドレール35に沿って摺動可能な摺動子37が取付部材38を
介して取付けられているとともに、ドアガラス５の下縁
後部には、第13図に詳示するように、上記後側のガイド
レール36内を転動可能なローラ39が支軸40を介して取付
けられており、よって、ドアガラス５はガイドレール3
5,36に沿って昇降案内されるようになっている。

そして、上記第１、第２および第３実施例のいずれのド
アガラス構造においても、ドアガラス５は、その昇降方
向（ガイドレール8,9または35,36の延設方向）に車室内
側に湾曲した２次元ガラスであり、該２次元ドアガラス
５の曲率中心軸Ｘは、車体前後方向の水平ラインに対し
て前方下向きに傾斜した設定されている。また、この２
次元ドアガラス５を昇降案内する前後二つのガイドレー
ル8,9または35,36も、共に２次元ドアガラス５に対応し
て、それらの延設方向に車室内側に湾曲して形成され、
その曲率は２次元ドアガラス５の曲率と略同じに設定さ
れている。一方、上記両ガイドレール8,9または35,36の
曲率中心位置は、２次元ドアガラスの前部と後部との曲
率中心の上下方向位置の相違に対応して異なった位置
に、つまり前側のガイドレール９または35の曲率中心位
置が後側のガイドレール８または36の曲率中心位置より
も下側に位置して設定されている。尚、第１および第２
実施例のドアガラス構造の場合、２次元ドアガラス５の
前後方向中央にて該ドアガラス５を昇降案内するガイド
部材13も、ガイドレール8,9と同じく２次元ドアガラス
５の曲率と略同じ曲率で室内内側に湾曲して形成されて
おり、その曲率中心位置は、両ガイドレール8,9の曲率
中心位置の略中間位置に設定されている。

次に、上記各実施例のドアガラス構造において、２次元
ドアガラス５の曲率中心軸を車体前後方向の水平ライン
に対して前方下向きに傾斜させた設定した理由を、第14
図ないし第16図を用いて説明する。第14図（ａ）および
（ｂ）は、それぞれ曲率半径Ｒの円筒面を有してなるガ
ラスの平面図および左側面図である。このガラス面上の
互いに平行な曲線L1,L2は、局面を平面に展開したとき
に直線となる曲線である。従って、ドアガラスの前縁お
よび後縁がこの両曲線L1,L2上に位置するように設定さ
れている場合、ドアガラスを昇降動させる際矢符Ａに示
す如くある程度前後方向にもスライドさせることができ
る。このため、従来、自動車のドアガラス構造におい
て、ドアガラスとして２次元ガラスを用いる場合は、ベ
ルトライン（ドアガラスの下縁位置）L3をガラスの曲率
中心軸（円筒の中心軸）Ｘと平行に設定するとともに、
ベルトラインL3と平行な直線L4上にドアガラスの上縁を
設定し、この両直線L3,L4と上記両曲線L1,L2とで囲まれ
た領域からドアガラスを仮想線L5で示す如く取出すよう
にしている。

ここで、上述の如きドアガラスの取出し方法に変えて、
第15図に示すように、ベルトラインL3および直線L4をガ
ラスの曲率中心軸Ｘに対して傾斜して設定し、この両直
線L3,L4と曲線L1,L2とで囲まれた領域からドアガラスを
取出す。この場合、ドアガラスの前縁および後縁は、上
述の場合と同様に曲線L1,L2上に位置して設定されてい
るので、ドアガラスの昇降時に該ドアガラスを前後方向
にもスライドさせることができるのは勿論である。

そして、第15図に示すガラスを、ベルトラインL3が水平
となるように回転させた状態（ガラスの曲率中心軸Ｘが
で左側に向かうに従って下方に位置する状態）を示した
のが第16図（ａ）である。また、第16図（ｂ）および
（ｃ）はそれぞれ第16図（ａ）に示す状態のガラスの左
側面図および上面図である。この第16図（ａ）〜（ｃ）
から判るように、直線L4と曲線L1との交点（ドアガラス
５の前縁上部側に相当する点）ａと、直線L4と曲線L2と
の交点（ドアガラス５の後縁上部に相当する点）ｂとを
比較した場合、交点ａは、交点ｂよりもガラスの曲率中
心軸Ｘから上側に離れているので、その分ガラスの湾曲
方向内側に位置する。尚、ベルトラインL3と曲線L1との
交点（ドアガラス５の前縁下部側に相当する点）ｃと、
ベルトラインL3と曲線L2との交点（ドアガラス５の後縁
下部側に相当する点）ｄとは、ガラスの湾曲方向に対し
て殆ど同じ位置にある。

以上の説明から判るように、２次元ドアガラス５の曲率
中心軸Ｘを車体前後方向の水平ラインに対して前方下向
きに傾斜させた設定したのは、該ドアガラス５の上昇位
置（窓枠を閉じる位置）でその前縁上部が後縁上部より
もドアガラス５の湾曲方向内側つまり車体内方側に位置
させるようにするためである。

そして、このように、ドアガラス５の前縁上部が後縁上
部よりも車体内方側に位置する場合、自動車は、第17図
および第18図に示すように、ドアガラス５がフロントピ
ラー50上部で車体内方に深く食い込んだタンブルフォー
ムのきついデザインが実現されることになり、外観上の
見映えおよび空力特性を向上させることができる。尚、
自動車の外観を比較するために、従来の２次元ドアガラ
スを備えた自動車を、第17図および第18図にそれぞれ対
応して第19図および第20図に示す。

また、上述の場合には、全体にタンブルをつけたものと
は異なり、センタピラー51の上部付近では従来の自動車
におけるドアガラス位置と同等位置にドアガラス５があ
るので、居住性が悪化することはない。

さらに、上記ドアガラス５は、その昇降方向にのみ湾曲
した２次元ガラスであるため、３次元ガラスの場合の如
くドアガラス５、ガイドレール8,9（または35,36）、ド
アサッシュ４（または21）、および駆動手段10（また
は）32等の設計や使用に特別な配慮を払う必要はなく、
昇降作動やシール性等の信頼性が高くなる。また、ドア
ガラス５の製造コストも、３次元ガラスに比べて安価な
ものである。

ここで、上記２次元ドアガラス５の製造方法、特に平板
ガラスから２次元ガラスに湾曲成形する加工方法の具体
例を、第21図を用いて説明する。第21図において、60は
所定幅を有して一方向に延びるベッドであって、該ベッ
ド60には熱風や冷風を上方に向かって吹出す多数の吹出
孔61,61,…が基盤目状に形成されている。62は該ベッド
60の長手方向に沿って配設されたワイヤであって、該ワ
イヤ62は、ベッド60上のガラスｗをクランプ63,63によ
って把持してベット60上の矢符方向に搬送するように構
成されている。上記ベッド60は、ガラスｗを載置する載
置位置S1および湾曲成形領域S2の載置位置S1に隣接した
上流側部位では平板状に形成され（第22図参照）、湾曲
成形領域S2の下流側部位では幅方向に湾曲しかつその曲
率がガラスｗの搬送方向下流に向うに従って次第に大き
くなるように形成されている（第23図および第24図参
照）。また、湾曲成形領域S2の下流側部位に隣接した冷
却領域S3でも上記下流側部位と略同じ曲率でもって幅方
向に湾曲して形成されている（第25図参照）。

そして、ガラスの湾曲成形加工をする場合、上記ベッド
60の載置位置S1で略平行四辺形状の平板ガラスｗをベッ
ド60上に載置し、クランプ63,63により該平板ガラスｗ
を挟持した後、ワイヤ62により平板ガラスｗをベッド60
の湾曲成形領域S2側へ搬送する。尚、ベッド60上にガラ
スｗの載置する際、本発明に係わる自動車のドアガラス
構造では２次元ドアガラス５の曲率中心軸Ｘを車体前後
方向の水平ラインに対して上下方向に傾斜させる構成と
したことに対応して、平板ガラスｗの中心線L6をベッド
60の中心線L7に対して傾斜させた状態で載置する。

上記ベッド60の湾曲成形領域S2では、その吹出孔61,61,
…から熱風65を吹出すことによりベッド60上のガラスｗ
を加熱する。この際、上記ガラスｗは、熱風65によって
ベッド60と一定のクリアランスを保った状態となる。そ
して、ベッド60はガラスｗの搬送方向下流に向うに従っ
て曲率が次第に大きくなる曲面に形成されているので、
ガラスｗは、湾曲成形領域S2の下流側に搬送されるに従
って次第に曲率の大きな２次元ガラスに湾曲成形され
る。

続いて、ベッドｗの冷却領域S3では、その吹出孔61,61,
…から冷風66を吹出することによって、２次元ガラスに
成形されたガラスｗを急冷して強化する。以上により、
平板ガラスから２次元ガラスに湾曲成形する一連の加工
が終了する。

尚、本発明は上記第１〜第３実施例に限定されるもので
はなく、その他種々の変形例を包含するものである。例
えば、上記各実施例では、フロントサイドドアのドアガ
ラス構造において、２次元ドアガラス５の曲率中心軸Ｘ
を、いずれも車体前後方向の水平ラインに対して前方下
向きにのみ傾斜させる構成にしたが、この前方下向きの
傾斜とするとともに、前方に行くに従い車体内側に変位
するように傾斜させる構成としてもよい。この場合、ド
アガラスの車体前方から見た状態は、例えば第24図に示
すようになり、ドアガラスの前縁全体が後縁よりも車体
内方側に位置し、ウインドシールドからの回り込みを処
理し易くなるという効果がある。尚、第26図中には、第
16図（ｂ）との比較のためにドアガラスの４隅角部に対
応した符号を付して示す。

また、上記各実施例では、本発明を、自動車のフロント
サイドドアのドアガラス構造に適用した場合について述
べたが、自動車のリヤサイドドアのドアガラス構造、あ
るいはドアガラス以外に車体側面に昇降可能に設けられ
るガラス構造にも適用することができる。そのうち、リ
ヤサイドドアのドアガラス構造に適用する場合には、２
次元ドアガラスの曲率中心軸を、フロントサイドドアの
ドアガラス構造の場合とは逆に、車体前後方向の水平ラ
インに対して後方下向きに傾斜させて設定し、ドアガラ
スの上昇位置でドアガラスの後縁上部が前縁上部よりも
車体内側に位置する構成とする。

（発明の効果）以上の如く、本発明における自動車のガラス構造によれ
ば、２次元カラスでもって３次元ガラスの場合と同様に
ガラス上昇位置でその前縁および後縁のいずれか一方を
他方よりも車体内方に位置させることができるので、ガ
ラス製造コストの低廉化およびシール性面等での信頼性
を確保しながら、空力特性および見映えの向上を有効に
高めることができる。

特に、サイドドアのドアガラスの構造に適用した場合、
センタピラー付近での車幅を広く確保して居住性を良好
にすることができるとともに、フロントピラーまたはリ
ヤピラーの上部にドアガラスが深く食い込んだタンブル
フォームのきついデザインを実現することができ、見映
え等の向上を大幅に図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本発明の第１実施例を示し、第１
図はフロントサイドドアの正面図、第２図は同側面図で
ある（但し、第１図および第２図においては、ドアガラ
ス構造を示すために各構成部材が透視された状態で示
す）。第３図、第４図および第５図はそれぞれ第１図の
III−III線、IV−IV線およびＶ−Ｖ線における拡大断面
図である。第６図ないし第９図は本発明の第２実施例を
示し、第６図は第１図相当図、第７図は第２図相当図で
あり、第８図および第９図はそれぞれ第６図のVIII−VI
II線およびIX−IX線における拡大断面図である。第10図
ないし第13図は本発明の第３実施例を示し、第10図は第
１図相当図、第11図は第２図相当図であり、第12図およ
び第13図はそれぞれ第10図のXII−XII線およびXIII−XI
II線における拡大断面図である。第14図ないし第16図は
ドアガラスの曲率中心軸を傾斜させた理由を説明するた
めの説明図であり、第14図（ａ）、第15図および第16図
（ａ）はそれぞれ円筒面を有してなるガラスの平面図、
第14図（ｂ）は第14図（ａ）の左側面図、第16図（ｂ）
および（ｃ）はそれぞれ第16図（ａ）の左側面図および
上面図である。第17図および第18図はそれぞれ本発明に
係わるフロントサイドドアのドアガラス構造を備えた自
動車の正面図および平面図であり、第19図および第20図
はそれぞれ従来の自動車の正面図および平面図である。
第21図は２次元ガラスの湾曲成形加工に用いる装置の概
略平面図であり、第22図、第23図、第24図および第25図
はそれぞれ第21図のＡ−Ａ線、Ｂ−Ｂ線、Ｃ−Ｃ線およ
びＤ−Ｄ線における断面図である。第26図は変形例を示
すフロントサイドドアのドアガラスを車体前方から見た
模式図である。１……ドアボデー、２……アウタパネル、３……インナ
パネル、５……ドアガラス、8,9,35,36……ガイドレー
ル、10,31……駆動手段、Ｘ……曲率中心軸。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ガラスが車体側面に昇降動可能に設けられ
た自動車のガラス構造において、上記ガラスは昇降方向
に湾曲した２次元ガラスであり、該２次元ガラスの曲率
中心軸は、少なくとも車体前後方向の水平ラインに対し
上下方向に傾斜して設定されていて、２次元ガラスの上
昇位置では該２次元ガラスの前縁および後縁のいずれか
一方が他方よりも車体内方側に位置するように構成され
ていることを特徴とする自動車のガラス構造。
【請求項２】２次元ガラスは、アウタパネルとインナパ
ネルとを備えてなるサイドドアのドアガラスであり、上
記サイドドアには２次元ドアガラスを昇降動させる駆動
手段が設けられているとともに、サイドドアの内部には
少なくとも２次元ドアガラスの前後２箇所で該ドアガラ
スをそれぞれ昇降案内するガイドレールが設けられてお
り、上記両ガイドレールは共に２次元ドアガラスの曲率
と略同じ曲率に設定されている一方、両ガイドレールの
曲率中心位置は、２次元ドアガラスの前部と後部との曲
率中心の上下方向位置の相違に対応して異なった位置に
設定されている請求項（１）記載の自動車のガラス構
造。