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JPH0672012B2 - 表層脱アルミニウムゼオライトおよびその製造法 - Google Patents

表層脱アルミニウムゼオライトおよびその製造法

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JPH0672012B2
JPH0672012B2 JP3768285A JP3768285A JPH0672012B2 JP H0672012 B2 JPH0672012 B2 JP H0672012B2 JP 3768285 A JP3768285 A JP 3768285A JP 3768285 A JP3768285 A JP 3768285A JP H0672012 B2 JPH0672012 B2 JP H0672012B2
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zeolite
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organic compound
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aluminum
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武 石井
肇 岡崎
哲史 池田
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SHINNENRYOYU KAIHATSU GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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    • B01J29/04Catalysts comprising molecular sieves having base-exchange properties, e.g. crystalline zeolites
    • B01J29/06Crystalline aluminosilicate zeolites; Isomorphous compounds thereof
    • B01J29/40Crystalline aluminosilicate zeolites; Isomorphous compounds thereof of the pentasil type, e.g. types ZSM-5, ZSM-8 or ZSM-11, as exemplified by patent documents US3702886, GB1334243 and US3709979, respectively

Landscapes

  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は選択的表層脱アルミニウムゼオライトおよびそ
の製造法に関するものである。更に詳しくは、本発明は
ゼオライトの脱アルミニウムに際して該ゼオライト結晶
子の表層部のアルミニウム原子を選択的に除去したゼオ
ライトの製造法およびそのゼオライトに関するものであ
る。
〔技術的背景と問題点〕
従来、ゼオライトを触媒として使用する場合、酸量、酸
強度、細孔径をそれぞれの用途にあつた量、強さ、大き
さに調節するために、ゼオライト結晶格子中のアルミニ
ウム原子の一部を系外に除去する脱アルミニウム作業が
該ゼオライトにしばしば施される。
ゼオライトがシリカ、アルミナ、アルカリ金属、水およ
び有機化合物有から合成される有機化合物含有ゼオライ
トにあつては、通常、該ゼオライトを350℃以上の温度
で焼成後、脱アルミニウム剤と接触させることにより該
ゼオライト格子中のアルミニウム原子の一部を除去する
方法がとられてきた。
しかし、従来の方法ではアルミニウム原子はゼオライト
結晶子の全層にわたつてほぼ均一に除去される。該結晶
子とは多結晶体の構成要素でそれ自体を単結晶とみなす
ことができる微結晶をいう。触媒として用いる場合、ゼ
オライト結晶格子中のアルミニウム原子が結晶子の全層
にわたつて均一に分布していることは、より良い分子形
状選択性を該ゼオライト触媒に与えるという観点からは
好ましくなく、むしろアルミニウム原子の濃度が該ゼオ
ライト結晶子の表層部で低く、内層部で高いように設
計、調製されたゼオライト触媒を用いる方が好ましい。
たとえば炭化水素油の接触脱ろうにおいては、ゼオライ
ト結晶子の内層部に分布するアルミニウム原子は直鎖状
パラフインのみを選択的に分解し効率のよい脱ろう効果
を与える酸点として作用するが、ゼオライト結晶子の表
層部に分布するアルミニウム原子は直鎖状パラフインの
みならず他の成分も分解し、十分な脱ろう効果を与えな
い。
前記分子形状選択性とは触媒の細孔の大きさが適当であ
れば、大きすぎて細孔内に入れない分子と入れる分子の
両方が存在し、入れない分子は入れる分子に比べて反応
する機会は非常に少なくなる。一方、生成物に関して
も、狭い細孔内ではその細孔以上の大きさの分子は生成
されないばかりでなく、細孔の大きさ以下の分子どうし
でも、より小さい分子の方が生成しやすくなる。このよ
うに細孔構造と分子の形状という関係が、触媒の選択性
を決めている。この触媒を分子形状選択性触媒と呼んで
いる。
〔従来の技術〕
ゼオライト結晶子の表層部に分布するアルミニウム原子
を選択的に除去する方法としては、ゼオライト細孔にワ
ツクスを充満後脱アルミニウム剤で処理する方式や脱ア
ルミニウム処理を迅速に行う方式などがあるが、ゼオラ
イト結晶子内層部からもかなりのアルミニウム原子が同
時に除去され、所期の目的を十分に達成できない。
かかる理由からゼオライト結晶子表層部のアルミニウム
原子を選択的に除去する方法の開発が望まれている。
〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明はこのような従来の欠点を解決するためになされ
たもので、ゼオライト結晶子の表層部から選択的にアル
ミニウム原子を除去することにより優れた分子形状選択
性を有するゼオライト触媒を製造することを目的とす
る。
〔問題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、シリカ源、アルミナ源、アルカリ
源、水および有機化合物からなるゲル状反応混合物を水
熱合成条件下におくことにより得られる有機化合物含有
未焼成のゼオライトを脱アルミニウム剤と温度0〜400
℃で接触させ、次いで温度300〜1000℃で加熱焼成する
ことを特徴とする選択的表層脱アルミニウムゼオライト
の製造法およびシリカ源、アルミナ源、アルカリ源、水
および有機化合物からなるゲル状反応混合物を水熱合成
条件下におくことにより得られる有機化合物含有未焼成
のゼオライトを脱アルミニウム剤と温度0〜400℃で接
触させ、次いで温度300〜1000℃で加熱焼成して得たゼ
オライト結晶子の表層部のアルミニウム濃度がゼオライ
ト結晶子全体のアルミニウム濃度の70%以下であること
を特徴とする選択的表層脱アルミニウムゼオライトを提
供する。
本発明でいうゼオライトとは有機化合物含有結晶性アル
ミノシリケートゼオライトであり、一般にメタン型構造
のSiO4四面体とAlO4四面体が互いに頂点の酸素原子を共
有して、三次元網目構造が結合した結晶体で、AlO4四面
体にはアルカリ金属カチオン、および有機塩基が結合し
て電気的に中和しており、約5〜15Åの孔開口を有する
ゼオライトである。
該ゼオライトは例えば以下のようにして製造することが
できる。
酸化物のモル比で表わして下記の組成 Al2O3/SiO3=0〜0.2 H2O/SiO2=5〜200 M/SiO2=0.01〜3.0 R/SiO2=0.02〜0.5 (上式中Mはアルカリ金属イオン、Rは有機化合物であ
る。)、を有するシリカ、アルミナ、水、有機化合物お
よびアルカリ金属を含む反応混合物を水熱合成して得ら
れる。
また前記水熱合成して得られた反応混合物を、50〜300
℃、好ましくは100〜200℃の温度において1時間〜60日
間、好ましくは6〜24時間加熱することによつて結晶化
し、結晶性アルミノシリケートゼオライトを生成する。
次に該有機化合物含有ゼオライトが母液から過、洗浄
後、50〜200℃、好ましくは100〜150℃で0.5〜50時間、
好ましくは2〜10時間通常乾燥して得られる。
本発明では未焼成ゼオライトは前記の水熱合成直後のも
のあるいはこれを洗浄、乾燥後のものを用いることがで
きる。
前記のアルミナ源、シリカ源はゼオライト製造に通常用
いられるものであればよく、例としてはアルミネート、
アルミナ、シリケート、シリカヒドロゾル、シリカゲ
ル、ケイ酸、水酸化物およびハロゲン塩である。また前
記の有機化合物の例としては四級アルキルアンモニウム
化合物、第1級、第2級、第3級のアルキルアミン類、
アルコールアミン、アルコール類、エーテル類、アミド
類があげられるがとくにテトラn−プロピルアンモニウ
ム化合物、テトラn−プチルアンモニウム化合物、テト
ラエチルアンモニウム化合物あるいはコリン等の有機塩
基化合物が好んで用いられる。またNa+、K+、Li+などアル
カリ金属カチオンあるいはNH4 +を通常結晶鉱化剤として
用い結晶化を促進することができるが、有機化合物の添
加量を増すことによりアルカリ金属カチオンの添加を省
くことも可能である。
本発明における有機化合物含有ゼオライトの例として
は、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−34、Nu−1、シリカライ
ト、モルデナイト、Y型ゼオライトなどがあげられる。
本発明におけるゼオライトの選択的脱アルミニウムは通
常は下記のようにおこなわれる。
有機化合物含有未焼成ゼオライトと脱アルミニウム剤と
の接触温度は0〜400℃、好ましくは50〜350℃の範囲で
ある。接触時間は10分〜100時間、好ましくは30分〜20
時間の範囲である。次に、前記のように接触処理したゼ
オライトの加熱焼成温度は300〜1000℃、好ましくは400
〜700℃である。加熱時間は10分以上、好ましくは1〜2
0時間である。加熱焼成は空気中で行うことが好まし
い。
本発明における脱アルミニウム剤の例としては、塩酸、
硫酸、硝酸、りん酸をはじめとする鉱酸類、EDTAをはじ
めとする各種金属キレート剤、四塩化けい素、フツ化ア
ルミニウムなどがあげられる。
脱アルミニウム剤として鉱酸を用いる場合は、通常未焼
成の有機化合物含有ゼオライトを0.1〜20規定、好まし
くは1〜20規定の濃度の鉱酸溶液と0〜200℃、好まし
くは50〜200℃で10分〜10日、好ましくは0.5〜5時間接
触させて、該有機化合物含有ゼオライト結晶子の表層部
のアルミニウム原子を選択的に除去する。
脱アルミニウム剤として四塩化けい素を用いる場合は、
通常未焼成の有機化合物含有ゼオライトを50〜400℃、
好ましくは200〜350℃で10分〜100時間、好ましくは30
分〜10時間四塩化けい素の蒸気と接触させて、該有機化
合物含有ゼオライト結晶子の表層部のアルミニウム原子
を選択的に除去する。
固体酸として用いる場合には通常接触処理および加熱焼
成処理をしたゼオライトをさらに0.01〜10規定、好まし
くは0.1〜1規定の鉱酸あるいはアンモニウム塩と0〜1
00℃、好ましくは25〜75℃で10分〜10日、好ましくは0.
5〜5時間接触させ、次いで300〜1000℃、好ましくは40
0〜700℃で焼成する。
前記のようにして得られたゼオライト結晶子の表層部の
アルミニウム濃度はゼオライト結晶子全体(バルクとい
う)のアルミニウム濃度の70%以下、好ましくは60%以
下である。
前記の表層部とはゼオライト結晶子の外表面近傍部を意
味し、具体的にはゼオライト結晶子の外表面および細孔
入口部を指す。表層部がゼオライト結晶子全体(バル
ク)に対して占める容積比率は0.1〜30%である。
脱アルミニウムゼオライト中のバルクなアルミニウム濃
度は通常の分析法により定量できるが、好ましくは担持
ゼオライトをHF水で処理後HCl水に溶解し、原子吸光法
あるいは比色分析法により定量するか、あるいはX線マ
イクロアナライザ(EPMA)を用いる螢光X線スペクトル
法により非破壊的に定量することができる。
一方、ゼオライト結晶子の表層部におけるアルミニウム
の濃度は、種々の固体表面分析方により通常は測定され
るが、オージエ電子スペクトル法あるいはX線光電子ス
ペクトル装置(XPS)を用いるX線光電子スペクトル法
が好ましく用いられる。
本発明で調製された選択的脱アルミニウムゼオライトを
触媒として用いる多くの場合、耐熱性、耐久性に優れた
ある母体物質に混入して使うのが望ましい。該ゼオライ
ト物質はしばしばベントナイトおよびカオリンなどの天
然粘土に混入される。これらの物質は触媒の結合剤とし
て働き、機械強度の高い良好な圧潰強さを有する触媒を
提供する。本発明によつて製造されるゼオライトと複合
される物質としては、モンモリロナイト、カオリン、シ
リカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコ
ニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア、シリカ−チ
タニアおよびシリカ−アルミナ−トリア、シリカ−アル
ミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシア、シ
リカ−マグネシア−ジルコニアなどの多孔性母体物質が
ある。これらの複合化触媒において該ゼオライトが占め
る割合は通常5〜90wt%である。
本発明において選択的脱アルミニウムゼオライトに水素
化機能を有する金属、例えばPt、Pd、Rh、Ru、Fe、Ni、
Mo、W等を担持して二元機能触媒にすることができる。
本発明の方法による選択的脱アルミニウムゼオライトを
触媒として用いる場合、反応に先立つて該ゼオライトを
不活性ガス中あるいは空気中で焼成あるいは/さらにH2
還元あるいは/さらに硫化処理を行つてもよい。
本発明の方法によつて得られる選択的脱アルミニウムゼ
オライトの触媒としての用法例には、潤滑油あるいは燃
料油の流動点や粘度を下げるための接触脱ろうおよびト
ルエンのメチル化、不均化、あるいはキシレンの異性化
反応があげられる。
また、二元機能触媒としての用法例には、ナフサ留分中
のn−パラフインの選択的水素化分解や潤滑油あるいは
燃料油の流動点や粘度を下げるための水素化脱ろうがあ
る。
〔発明の効果〕 本発明の方法で得られる触媒は、ゼオライト結晶子の表
層部から選択的にアルミニウム原子が除去されているた
めに、種々の反応において優れた形状選択性を発揮し製
品得率を高めることができる。
実施例1 Al2(SO4)3・18H2O7.13gr、濃硫酸20.5gr、水200ccおよ
び臭化テトラプロピルアンモニウム((n-Pr)4NBr)24.9
grよりなる水溶液と水ガラス3号(SiO2/NaOH/H2O=29/
9/62(重量比率)228grと水146ccよりなる水溶液を別個
に調製した。これらをNaCl86.7gr、水344ccよりなる水
溶液に混合液のpHが9.5〜10.0の範囲に入るように良く
攪拌しながら滴々加えていき、不均一なゲル状混合物を
得た。このゲル状混合物を内容積1のステンレス製オ
ートクレーブに充填し密閉後150℃で16hr加熱攪拌し
た。反応生成物を別洗浄後120℃で5時間乾燥して、6
6grの粗白色粉末状固体物質を得た。X線回折分析の結
果該固体物質はZSM−5と同等のゼオライト(1)であ
り、元素分析よりテトラプロピルアンモニウムカチオン
を含有していることがわかつた。
(比較製法−1) 前記のゼオライト(1)22grを秤取し、500℃で5時間
エアー中で焼成した。次いで1Mol/lのNH4NO3水溶液200c
cを用いて70℃でNH4 +の導入操作を3回行い、500℃で5
時間焼成してH−ZSM−5触媒Aを得た。
(比較製法−2) 前記のゼオライト(1)22grを秤取し、500℃で5時間
エアー中で焼成した。次いで、SiCl4蒸気と370℃で1.5
時間接触させて脱アルミニウムを行つた。さらに、1Mol
/lのNH4NO3水溶液200ccを用いて70℃でNH4 +の導入操作
を3回行い、500℃で5時間焼成して脱アルミニウムH
−ZSM−5触媒Bを得た。
(製法−3) 前記のゼオライト(1)22grを秤取し、SiCl4蒸気と370
℃で1.5時間接触させて脱アルミニウムを行つた。次い
で、500℃で5時間エアー中で焼成した。さらに、1Mol/
lのNH4NO3水溶液200ccを用いて70℃でNH4 +の導入操作を
3回行い、500℃で5時間焼成して脱アルミニウムH−Z
SM−5触媒Cを得た。
以上のようにして調製された3種のゼオライト触媒A、
B、Cの結晶子の表層およびバルクのアルミニウム濃度
を測定した。表層濃度はXPSを用いるX線光電子スペク
トル法にり、バルク濃度はEPMAを用いる螢光X線スペク
トル法により測定した。結果を表1に示す。
便宜上アルミニウム濃度はSi/Al原子比で表わしてあ
る。Si/Al原子比が大きいほど、アルミニウム濃度は逆
に小さくなる。SiCl4処理のない触媒AのSi/Al原子比は
表層、バルクともほぼ等しく58〜60の値を示している。
テトラプロピルアンモニウムカチオン含有ゼオライト
(1)を常法に従い、まずエアー焼成を行い、次いでSi
Cl4処理、イオン交換を行い得られた触媒Bでは、Si/Al
原子比は若干大きくなつており脱アルミニウムが起つた
ことを示している。しかし、表層、バルク間に差がほと
んど見られず、脱アルミニウムがゼオライト結晶子の全
層で均一に起つたことを示唆している。
一方、テトラプロピルアンモニウムカチオン含有ゼオラ
イト(1)を本発明の方法に従い、まずSiCl4処理を行
い、次いでエアー焼成、イオン交換を行つて得られた触
媒Cでは、バルクのSi/Al原子比はほとんど変化してな
いが表層のSi/Al原子比が大きく増加している。これは
製法3では表層のアルミニウムが選択的に除去されてい
ることを示している。
次に上記の触媒A、B、Cを用いてトルエンのメチル化
反応を行ない、p−キシレンの選択製を評価した。反応
はトルエン/メタノール=2/1(モル比)、温度400℃、
常圧下、WHSV=13.9の条件で行つた。結果を表2に示
す。
SiCl4処理により脱アルミニウム処理の施された触媒
B、Cではp−キシレンの選択性が向上していること、
均一脱アルミニウム品である触媒Bではトルエン転化率
が触媒Aに比べ低下しているが表層脱アルミニウム品で
ある触媒Cでは殆ど変らないことがわかる。
従つて、本発明の方法に従つて調製した表層脱アルミニ
ウムゼオライト触媒Cは活性および分子形状選択性に優
れた触媒であることがわかる。
実施例2 Al2(SO4)3・18H2O19.6gr、濃硫酸20.5gr、水153ccおよ
び臭化テトラプロピルアンモニウム((n-Pr)4NBr)17.1
grよりなる水溶液と水ガラス3号(SiO2/NaOH/H2O)29/
9/62重量比)228grを水103ccよりなる水溶液を別個に調
製した。これらを266ccの水中に混合液のpHが9.5〜10.0
の範囲に入るように良く攪拌しながら滴々加えていき、
不均一なゲル状混合物を得た。このゲル状混合物を内容
積1のステンレス製オートクレーブに充填し、密閉後
175℃で16時間加熱攪拌した。反応生成物を別洗蒸後1
20℃で5時間乾燥して68grの粗白色粉末状固体物質を得
た。該固体物質はX線回折分析の結果、合成モルデナイ
トに同等のゼオライト(2)であり、元素分析より、テ
トラプロピルアンモニウムカチオンを含有していること
がわかつた。
(比較製法−1) 前記のゼオライト(2)22grを秤取し、500℃で5時間
エアー中で焼成した。次いで1Mol/lのNH4NO3水溶液200c
cを用いて70℃でNH4 +の導入操作を3回行い、500℃で5
時間焼成したH−モルデナイト触媒Dを得た。
(比較製法−2) 前記のゼオライト(2)22grを秤取し、500℃で5時間
エアー中で焼成した。次いで、6規定塩酸水溶液と100
℃で7時間接触させて脱アルミニウムを行つた。さら
に、1Mol/lのNH4NO3水溶液200ccを用いて70℃でNH4 +
導入操作を3回行い、500℃で5時間焼成して脱アルミ
ニウムH−モルデナイト触媒Eを得た。
(製法−3) 前記のゼオライト(2)22grを秤取し、6規定塩酸水溶
液と100℃で7時間接触させて脱アルミニウムを行つ
た。次いで、500℃で5時間エアー中で焼成した。さら
に、1Mol/lのNH4NO3水溶液200ccを用いて70℃でNH4 +
導入操作を3回行い、500℃で5時間焼成して脱アルミ
ニウムH−モルデナイト触媒Fを得た。
以上のようにして調製された3種のゼオライト触媒D、
E,Fの結晶子の表層およびバルクのアルミニウム濃度を
測定した。表層濃度はXPSを用いるX線光電子スペクト
ル法により、バルク濃度はEPMAを用いる螢光X線スペク
トル法により測定した。結果を表3に示す。
HCl処理のない触媒DのSi/Al原子比は表層、バルクとも
ほぼ等しく5〜6の値を示している。
テトラプロピルアンモニウムカチオン含有ゼオライト
(2)を常法に従い、まずエアー焼成を行い、次いでHC
l処理、イオン交換を行い得られた触媒Eでは、Si/Al原
子比は大きくなつており脱アルミニウムが起つたことを
示している。しかし、表層、バルク間に差がほとんどみ
られず、脱アルミニウムがゼオライト結晶子の全層で均
一に起つたことを示唆している。
一方、テトラプロピルアンモニウムカチオン含有ゼオラ
イト(2)を本発明の方法に従い、まずHCl処理を行
い、次いでエアー焼成、イオン交換を行つて得られた触
媒Fでは、バルクのSi/Al原子比はほとんど変化してな
いが表層のSi/Al原子比が大きく増加している。これは
製法3では表層のアルミニウムが選択的に除去されてい
ることを示している。
さらに上記の触媒D、E、Fにイオン交換法を用いて常
法に従い0.3wt%の白金を担持し、500℃エアー焼成、40
0℃水素還元を経て二元機能触媒D′、E′、F′を得
た。次に、上記の触媒D′、E′、F′を用いて水素化
脱ろう実験を行つた。脱ろうの反応条件は次のように設
定した。
反応圧力(Kg/cm2G) 40 液空間速度(hr-1) 1.0 水素流量(SCF/bbl) 5,000 反応温度は165℃以上留出油の流動点が−15℃となるよ
うに設定した原料油には次の性状の脱硫減圧軽油を用い
た。
蒸留、℃ 10% 342 50% 370 90% 411 硫黄分、wt% 0.41 流動点、℃ 18 反応結果を表4に示す。
均一脱アルミニウム触媒E′ではD′と同じ流動点の脱
ろう油を得るのに20℃高い反応温度が必要であり、その
結果、脱ろう油収率が5%減少している。
一方、表層脱アルミニウム触媒F′ではD′と同じ流動
点の脱ろう油を得るのにほぼ同じ反応温度でよく、かつ
脱ろう油収率は6%増加している。
従つて、本発明の方法に従つて調製した表層脱アルミニ
ウムゼオライトをベースとする二元機能触媒F′は分子
形状選択性に優れた触媒であることがわかる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカ源、アルミナ源、アルカリ源、水お
    よび有機化合物からなるゲル状反応混合物を水熱合成条
    件下におくことにより得られる有機化合物含有未焼成の
    ゼオライトを脱アルミニウム剤と温度0〜400℃で接触
    させ、次いで温度300〜1000℃で加熱焼成することを特
    徴とする選択的表層脱アルミニウムゼオライトの製造
    法。
  2. 【請求項2】前記脱アルミニウム剤が鉱酸、金属キレー
    ト剤、四塩化けい素およびフツ化アルミニウムの群から
    選ばれた特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  3. 【請求項3】シリカ源、アルミナ源、アルカリ源、水お
    よび有機化合物からなるゲル状反応混合物を水熱合成条
    件下におくことにより得られる有機化合物含有未焼成の
    ゼオライトを脱アルミニウム剤と温度0〜400℃で接触
    させ、次いで温度300〜1000℃で加熱焼成して得たゼオ
    ライト結晶子の表層部のアルミニウム濃度がゼオライト
    結晶子全体のアルミニウム濃度の70%以下であることを
    特徴とする選択的表層脱アルミニウムゼオライト。
  4. 【請求項4】前記脱アルミニウム剤が鉱酸、金属キレー
    ト剤、四塩化けい素およびフツ化アルミニウムの群から
    選ばれた特許請求の範囲第3項記載の選択的表層脱アル
    ミニウムゼオライト。
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