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JPH0669988B2 - エステル化合物及びこれを含む液晶組成物 - Google Patents

エステル化合物及びこれを含む液晶組成物

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Publication number
JPH0669988B2
JPH0669988B2 JP2073192A JP7319290A JPH0669988B2 JP H0669988 B2 JPH0669988 B2 JP H0669988B2 JP 2073192 A JP2073192 A JP 2073192A JP 7319290 A JP7319290 A JP 7319290A JP H0669988 B2 JPH0669988 B2 JP H0669988B2
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JP
Japan
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liquid crystal
fluoro
compound
phase
acid
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Application number
JP2073192A
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伸之 白鳥
伊佐 西山
篤 ▲吉▼沢
利弘 平井
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、安定なサーモトロピックな液晶状態をとり
得、例えば、液晶テレビ等のディスプレイ用、光プリン
ターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等、液
晶やエレクトロケミクロミズムを利用するオプトエレク
トロニクス関連素子の素材として有用な液晶材料として
利用できる新規な含フッ素エステル化合物及びこの化合
物を含む液晶組成物に関するものである。
(従来の技術) 現在、液晶化合物が表示材料として種々の機器で応用さ
れ、時計、電卓、小型テレビ等に実用化されている。こ
れらは、ネマチック液晶材料を主成分としたセルを用
い、TN型あるいはSTN型と呼ばれる表示方式のものが採
用されている。この場合のセルは、液晶化合物の誘電異
方性Δεと電場Eとの弱い相互作用(ΔεE2/2)に基づ
く作動であり、電場に対する応答速度が数十 m secと遅
いことが欠点としてあげられている。そのため、テレビ
に用いた場合に、駆動方式として画素ごとにスイッチン
グ素子を配置、付加したアクティブマトリクス方式が主
として用いられ、大画面化を図る上での障害の一つにな
っている。しかし、1975年R.B. Meyerらによって合成さ
れた4−(4−nデシルオキシベンジルデンアミノ)ケ
イ皮酸−2−メチルブチルエステル(DOBAMBC)を代表
例とする強誘電性液晶の出現と、それを用いたN.A. Cla
rkらの提案した新しい表示方式(Applied Phys.Lett.19
80,36,899)により、μ secオーダーの高速応答性及び
電場を切っても液相分子の配向が変わらない特性(メモ
リー性)を有する液晶セル可能となった。これらの材料
を用いた表示素子を使えば、スイッチング素子などを用
いないマルチプレクッス駆動である単純マトリクス方式
による液晶ディスプレイが可能となり、アクティブマト
リクスのものに比べ、生産性やコスト、信頼性さらに大
画面などの面ではるかに有利なものとなる。
このため、現在まで多くの強誘電性液晶材料が合成さ
れ、提案されてきた。これらの強誘電性液晶材料が表示
材料として用いられているためには、いくつかの物性が
要求されるが、その中でも基本的なものとしては、室温
近傍の広い温度範囲でスメクチックC相を示し、大きな
自発分極を有し、化学的に安定しているという点であ
る。しかしながら、初期の強誘電性液晶は、自発分極が
10nC/cm2以下と小さく、また分子内にシッフ塩基をもつ
ものが多かったため、化学的に不安定であった。
ところで、最近、化学的に安定なエステル化合物による
大きな自発分極の発現が報告されている。例えば、次
式、 の化合物は、78.7〜103.3℃の温度領域でキラルスメク
チックC相の、また103.3〜120.8℃の温度領域でコレス
テリック相の液晶となるが、この液晶の83℃における自
発分極は89nC/cm2である(特開昭61−43号公報)。
一方、キラルスメクチックC相を示す温度を低くするた
めに、2環の化合物が合成されている。例えば、次式、 のビフェニル化合物は、昇降時44℃からキラルスメクチ
ックC相を示す(特開昭59−118744号公報)。
さらに、室温近傍で安定にキラルスメクチックC相を示
すフェニルピリミジン系化合物が報告されている。例え
ば、次式、 の化合物は、40.7〜82.8℃の温度領域でキラルスメクチ
ックC相の、82.8〜89.1℃でスメクチックA相の液晶と
なる(特開昭61−200973号公報)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら上記エステル化合物は、キラルスメクチッ
クC相の温度範囲が高いという欠点を有している。ま
た、上記ビフェニル化合物はキラルスメクチックC相が
モノトロピックであり、不安定である。さらに、上記フ
ェニルピリミジン系化合物は応答時間が43℃で1500μs
と遅く、自発分極がかなり小さいと推定される。
すなわち、高速応答性を要求される表示装置等の液晶材
料には、大きな自発分極を有すること、低粘性を有する
こと、あるいは室温近傍を含む広い温度範囲でキラルス
メクチックC相を示すこと等の物性が要求されるが、現
在までのところこれらの物性は充分に満足する材料は未
だないのが実状である。
しかしながら、近年、不斉炭素上にフッ素やトリフルオ
ロメチル基等を導入した化合物が数多く報告されてい
る。例えば、Heppkeらは、不斉炭素上にフッ素を導入し
た次式、 の化合物がキラルスメクチックC相で自発分極が400nC/
cm2以上を示すことを報告している(第12回国際液晶会
議予稿集)。
また、不斉炭素上にトリフルオロメチル基を導入した次
式の化合物、 は、93.1℃〜115.5℃でキラルスメクチックC相を示
し、自発分極も166nC/cm2を示すことを報告している
(特開昭64−3154号公報)。
本発明は、かかる化合物の液晶物性を向上させるために
鋭意検討を進めた結果、該化合物は、不斉炭素上にフッ
素及びメチル基を導入することにより、単体において安
定なキラルスメクチックC相を示すとともに、大きな自
発分極を有することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、
本発明の目的は液晶として有用なエステル化合物及びこ
れを含む液晶組成物を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、下記の一般式(I)、 (式中、R1およびR2は同じものでも異っているものでも
よく、XはF,Cl,CH3のいづれかを示す)で表わされるエ
スエル化合物及びこれを含む液晶組成物からなるもので
ある。
上記式(I)中のR1,R2で示されるアルキル基は実用的
な製造上の見地から、各々炭素数1〜18のものが好まし
い。
尚、特には、上記式中、R2が結合している炭素が不斉炭
素で、この炭素を中心に光学活性が付与されると、単独
あるいは他の化合物との混合により強誘電性液晶とな
り、好ましいものとなる。
上記式(I)の代表的化合物の例とその理化学的性質を
示すと次の通りである。
3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2
−フルオロ−メチルヘプタノイルオキシ)ビフェニル IR(KBr,cm-1): 2900,2850,1760,1740,1600,1500,1270, 12001 H−NMR(CDCl3中、TMS基準,δ値ppm): 6.93〜8.33(m,11H),4.13(t,2H),0.50〜2.47(m,29
H) 3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−
(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)ビフ
ェニル IR(KBr,cm-1): 2900,2850,1770,1730,1610,1520,1490, 1460,1440,1300,1210,1130,10701 H−NMR(CDCl3中、TMS基準,δ値ppm): 7.00〜8.10(m,11H),4.10(t,2H),0.80〜2.20(m,29
H) 3−メチル−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2
−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)ビフェニ
IR(KBr,cm-1): 2900,2850,1760,1720,1600,1490,1460, 1260,1180,10601 H−NMR(CDCl3中、TMS基準,δ値ppm): 6.80〜8.20(m,11H),4.05(t,2H),2.25(s,3H),0.80
〜2.20(m,29H) 尚、一般式(I)で示した化合物中のR1及びR2のアルキ
ル基の炭素鎖の長さは、その化合物が液晶状態を取り得
る温度域、あるいはその化合物の自発分極等の物性に影
響を持つものであり、目的によって適宜選択され得るも
のである。この化合物は単独で用いることは勿論、他の
液晶材料と混合して用いることができることは言うまで
もない。
上記一般式(I)の化合物は以下の方法によって得られ
る。
尚、上記反応式で用いた(IV)および(V)式の化合物
は次のようにして、(II)式の化合物より誘導すること
ができる。
即ち、光学活性な2−メチル−1,2−エポキシアルカン
(II)にアミン−フッ素水素錯体又は四フッ化ケイ素を
作用させ、光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−
アルカノール(III)を得る(特願昭64−56058号公
報)。これを過マンガン酸カリウム等の酸化剤を用いて
酸化して(IV)式の化合物を得(特願平1−278471公
報)、さらにこの酸を塩化チオニル等の塩素化剤を作用
させることにより(V)式の化合物に変換することがで
きる。
(実施例) 本発明を下記の実施例及び比較例により具体的に説明す
る。
実施例1 3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2
−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)ビフェニ
ルの合成 3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸クロリドの合
成 3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸3.0g(0.01mo
l)に、塩化チオニル10.0g(0.08mol)を加え、50℃で
時間撹拌した。反応終了後、過剰の塩化チオニルを留去
し、目的物3.1gを得た。
3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−ヒド
ロキシビフエニルの合成 p,p′−ビフェノール5.6g(0.03mol)を70mlの乾燥ピリ
ジンに溶解し、上記の方法で合成した3−クロロ−4−
オクチルオキシ安息香酸クロリド3.1g(0.01mol)を滴
下し、室温で1晩撹拌した。反応終了後、6規定塩酸水
溶液でpHを1以下とした後に、析出した固体を濾取し、
エタノールから再結晶して白色固体2.0g(44%)を得
た。
3−クロロ−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2
−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)ビフェニ
ルの合成 上記の方法で合成した3−クロロ−4−オクチルオキシ
安息香酸−4′−ヒドロキシビフェニル1.0g(2.2m mo
l)、(−)−2−フルオロ−2−メチルヘプタン酸0.3
6g(2.2m mol)、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド0.45g(2.2m mol)および4−ジメチルアミノピリ
ジン50mg(0.2m mol)を乾燥ジクロロメタン20mlに溶解
し、室温で1晩撹拌した。反応終了後、析出した固体を
濾別し、濾液を1規定塩酸水溶液、水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)
で精製し、エタノールから再結晶して白色固体160mg(1
2%)を得た。この化合物は、前記の理化学的性質を有
していた。
液晶性の評価 上記化合物を、ポリイミドを塗布し、ラビング処理を施
した透明電極付ガラスからなる厚さ3μのセルに注入
し、ホットステージで温度制御を行いながら、偏光顕微
鏡観察を行った。温度変化は1分間に2℃の割合で行っ
た。
降温過程では、97.8℃で液体からキラルスメクチックC
相になり、64.3℃で結晶になった。一方、昇温過程で
は、85.8℃で結晶からキラルスメクチックC相になっ
た。
また、セルに100Hz、40Vの三角波を印加し、分極反転電
流を測定したところ、71.3℃で241nC/cm2という値を示
した。
実施例2 3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−
(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)ビフ
ェニルの合成 3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸クロリドの
合成 3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸2.0(7.5ml
mol)に、塩化チオニル6.5g(0.06mol)を加え、50℃
で3時間撹拌した。反応終了後、過剰の塩化チオニルを
留去し、目的物2.1gを得た。
3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−ヒ
ドロキシビフェニルの合成 p,p′−ビフェノール4.2g(0.02mol)を60mlの乾燥ピリ
ジンに溶解し、これに、上記の方法で合成した3−フル
オロ−4−オクチルオキシ安息香酸クロリド2.1g(7.5m
mol)を滴下し、室温で1晩撹拌した。反応終了後、6
規定塩酸水溶液でpHを1以下とした後に、析出した固体
を濾取し、エタノールから再結晶して白色固体1.7g(51
%)を得た。
3−フルオロ−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−
(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)ビフ
ェニルの合成 上記の方法で合成した3−フルオロ−4−オクチルオキ
シ安息香酸−4′−ヒドロキシビフェニル0.92g(2.1m
mol)、(−)−2−フルオロ−2−メチルヘプタン酸
0.34g(2.1m mol)、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジ
イミド0.44g(2.1m mol)および4−ジメチルアミノピ
リジン30mg(0.2m mol)を乾燥ジクロロメタン20mlに溶
解し、室温で1晩撹拌した。反応終了後、析出した固体
を濾別し、濾液を1規定塩酸水溶液で、水で洗浄後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾
別後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエ
ン)で精製し、エタノールから再結晶して白色固体90mg
(7%)を得た。この化合物は、前記の理化学的性質を
有していた。
液晶性の評価 上記化合物を、ポリイミドを塗布し、ラビング処理を施
した透明電極付ガラスからなる厚さ3μのセルに注入
し、ホットステージで温度制御を行いながら、偏光顕微
鏡観察を行った。温度変化は、1分間に2℃の割合で行
った。降温過程では、116.6℃で液体からキラルスメク
チックC相になり、81.0℃で結晶になった。一方、昇温
過程では、97.9℃で結晶からキラルスメクチックC相に
なった。
また、セルに100Hz、40Vの三角波を印加し、分極反転電
流を測定したところ、81.6℃で229nC/cm2という値を示
した。
実施例3 3−メチル−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2
−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)ビフェニ
ルの合成 3−メチル−4−オクチルオキシ安息香酸クロリドの合
成 3−メチル−4−オクチルオキシ安息香酸2.5g(9.4m m
ol)に、塩化チオニル2.5g(9.4mol)を加え、50℃で3
時間撹拌した。反応終了後、過剰の塩化チオニルを留去
し、目的物2.3gを得た。
3−メチル−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−ヒド
ロキシビフェニルの合成 p,p′−ビフェノール4.5g(0.02mol)を50mlの乾燥ピリ
ジンに溶解し、これに、上記の方法で合成した3−メチ
ル−4−オクチルオキシ安息香酸クロリド2.3g(8.1m m
ol)を滴下し、室温で1晩撹拌した。反応終了後、6規
定塩酸水溶液でpHを1以下とした後に、析出した固体を
濾取し、エタノールから再結晶して白色固体1.8g(51
%)を得た。
3−メチル−4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2
−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)ビフェニ
ルの合成 上記の方法で合成した3−メチル−4−オクチルオキシ
安息香酸−4′−ヒドロキシビフェニル1.2g(2.7m mo
l)、(−)−2−フルオロ−2−メチルヘプタン酸0.4
3g(2.7m mol)、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド0.6g(2.7m mol)および4−ジメチルアミノピリジ
ン100mg(0.3m mol)を乾燥ジクロロメタン30mlに溶解
し、室温で1晩撹拌した。反応終了後、析出した固体を
濾別し、濾液を1規定塩酸水溶液、水で洗浄後無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精
製し、エタノールから再結晶して白色固体820mg(51
%)を得た。この化合物は、前記の理化学的性質を有し
ていた。
液晶性の評価 上記化合物を、ポリイミドを塗布し、ラビング処理を施
した透明電極付ガラスからなる厚さ3μのセルに注入
し、ホットステージで温度制御を行いながら、偏光顕微
鏡観察を行った。温度変化は、1分間に2℃の割合で行
った。降温過程では、76.4℃で液体からコレステリック
相になり、71.0℃でキラルスメクチックC相になり、3
7.4℃で結晶になった。
また、セルに100Hz40Vの三角波を印加し、分極反転電流
を測定したところ、41.0℃で273nC/cm2という値を示し
た。
実施例4 液相組成物の作成 スメクチックC相を示すが、強誘電性ではない液晶組成
物としてフェニルピリミジン系液晶組成物を用いた。
この組成物の相転移挙動は、以下に示す通りである。
上記組成物に実施例1で得た化合物6wt%添加したとこ
ろ、以下に示す相転移挙動を示した。
尚、液晶性の評価は、実施例1と同様にして行なった。
また、この組成物の応答時間は61μ sec(10Vpp/μm25
℃)であった。
実施例5 液晶組成物の作成 スメクチックC相を示すが、強誘電性ではない液晶組成
物としてフェニルピリミジン系液晶組成物を用いた。
この組成物の相転移挙動は、以下に示す通りである。
上記組成物に実施例2で得た化合物6wt%添加したとこ
ろ、以下に示す相転移挙動を示した。
尚、液晶性の評価は、実施例1と同様にして行なった。
また、この組成物の応答時間は、36μ sec(10Vpp/μm2
5℃)であった。
実施例6 液晶組成物の作成 スメクチックC相を示すが、強誘電性ではない液晶組成
物としてフェニルピリミジン系液晶組成物を用いた。
この組成物の相転移挙動は、以下に示す通りである。
上記組成物に実施例3で得た化合物を6wt%添加したと
ころ、以下に示す相転移挙動を示した。
尚、液晶性の評価は、実施例1と同様にして行なった。
また、この組成物の応答時間は、59.1μ sec(10Vpp/μ
m25℃)であった。
比較例 比較化合物として下記の化合物を合成した。
4′−(2−フルオロ−2−メチルブタノイルオキシ)
−4−オクチルオキシビフェニル IR(KBr,cm-1): 2920,2850,1770,1610,1500,1460,1290, 1230,1210,11201 H−NMR(CDCl3中、TMS基準,δ値ppm): 7.67(d,2H),7.53(d,2H),7.26(d,2H) 7.00(d,2H),4.00(t,2H),0.80〜2.50(m,23H) かかる化合物の合成法は次の通りである。
(S)−(−)−3−ヒドロキシ−2−フルオロ−2−
メチルプロピオン酸モノエチルエスエルの合成 乾燥塩化メチレン40mlに、N,N−ジメチルホルムアミド
3.4ml及びオキサリルクロリド7.0mlを加え、窒素気流化
0℃で1時間撹拌した。塩化メチレンを留去後、残渣を
乾燥アセトニトリル30ml、乾燥テトラヒドロフラン30ml
に溶解し、次いでこれに(S)−(−)−2−フルオロ
−2−メチルマロン酸モノエチルエステル6.0g(0.03mo
l)を乾燥テトラヒドロフラン10mlに溶かしたものを窒
素基硫下−30℃で滴下し、−30℃で1時間撹拌し、しか
る後−78℃に冷却した。
次に、上記反応液に、30mlの乾燥テトラヒドロフランに
溶かした水素化ホウ素ナトリウム3.7g(0.1mol)を−78
℃で滴下し、−20℃にて4時間撹拌した。その後、再
度、−78℃まで冷却し、3規定の塩酸水溶液を加えて室
温に戻し、エーテルで抽出し、1規定塩酸水溶液、5%
炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別
後、減圧蒸留して、無色透明体2.3g(45%)を得た。
(S)−(−)−3−(p−トルエンスルホニル)−2
−フルオロ−2−メチルプロピオン酸モノエチルエスエ
ルの合成 上記の方法で合成した(S)−(−)−3−ヒドロキシ
−2−フルオロ−2−メチルプロピオン酸モノエチルエ
ステル2.3g(0.02mol)及びトシルクロリド2.9g(0.02m
ol)を20mlの乾燥ピリジン20mlに溶解し、室温で1晩撹
拌した。反応終了後、1規定の塩酸水溶液を加え、酢酸
エチルで抽出し、さらに1規定の塩酸水溶液、水で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウ
ムを濾別後、シリカゲルクロマトグラフィー(展開液ト
ルエン:酢酸エチル=5:1(V/V)によって精製し、淡黄
色の液体3.8g(82%)を得た。
(S)−(−)−2−フルオロ−2−メチルブタン酸モ
ノエチルエステルの合成 ヨウ化銅4.8g(0.025mol)を乾燥エーテル10ml中に加
え、窒素気流下−25〜−30℃に冷却し、ブチルリチウム
3.6mlを滴下した。次に、−15〜−20℃で乾燥エーテル1
0mlに溶解した(S)−(−)−3−(p−トルエンス
ルホニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピオン酸モ
ノエチルエスエル3.8g(0.01mol)を滴下し、0〜5℃
で10時間撹拌した。反応終了後、固体を濾別し、1規定
塩酸水溶液、水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去し、残渣
をそのまま次の反応に使用した。
(S)−(−)−2−フルオロ−2−メチルブタン酸の
合成 上述の方法で合成した(S)−(−)−2−フルオロ−
2−メチルブタン酸モノエチルエステル950mg(6.4mo
l)をアセトン10mlに溶解し、水酸化ナトリウム400mg
(9.6m mol)を加えて、室温で4時間撹拌した。反応終
了後、氷冷下水15mlを加えた後、エーテルで洗浄し、水
相を6規定の塩酸水溶液を用いてpHを1以下とした。し
かる後で、エーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、エーテルを留去
し、無色透明な液体440mg(57%)を得た。
4′−(2−フルオロ−2−メチルブタノイルオキシ)
−4−オクチルオキシビフェニルの合成 上記の方法で合成した(S)−(−)−2−フルオロ−
2−メチルブタン酸200mg(1.7m mol)、4′−ヒドロ
キシ−4−オクチルオキシビフェニル500mg(1.7m mo
l)、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド350mg
(1.7m mol)、および4−ジメチルアミノピリジン20mg
を用いて、実施例1と同様の操作を行い、目的化合物を
白色固体30mgとして得た。
液晶性の評価 実施例1に記載の方法で液晶性の評価を行ったところ、
降温過程では、77.5℃で等方性液体からスメクチックA
相に変わり、69.4℃で同定不能な高次のスメクチック相
になった。昇温過程では、69.5℃で結晶からスメクチッ
クA相になった。
(発明の効果) 本発明の化合物は、安定なサーモトロピックの液晶状態
を取り得、自発分極が大きくて応答速度が速い強誘電性
液晶となる等、オプトエレクトロニクス関連素子の素材
として極めて優れた効果を奏するものである。
従って本発明は、例えば、液晶テレビ等のディスプレイ
用、プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバ
ルブ等、液晶エレクトロケミクロミズムを利用するオプ
トエレクトロニクス関連素子の素材として有用な液晶材
料といえる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式 (式中、R1およびR2はアルキル基で、同じものでも異な
    っているものでもよく、XはF,Cl,CH3のいづれかを示
    す)で表わされるエステル化合物。
  2. 【請求項2】前記一般式(I)で表わされる化合物が光
    学活性を有する請求項1記載のエステル化合物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のエステル化合物を
    含有することを特徴とする液晶組成物。
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