JPH0664436A - 車両用サスペンション装置 - Google Patents
車両用サスペンション装置Info
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- JPH0664436A JPH0664436A JP22014692A JP22014692A JPH0664436A JP H0664436 A JPH0664436 A JP H0664436A JP 22014692 A JP22014692 A JP 22014692A JP 22014692 A JP22014692 A JP 22014692A JP H0664436 A JPH0664436 A JP H0664436A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vehicle
- liquid chamber
- geometry
- suspension
- braking
- Prior art date
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- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60G—VEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
- B60G7/00—Pivoted suspension arms; Accessories thereof
- B60G7/006—Attaching arms to sprung or unsprung part of vehicle, characterised by comprising attachment means controlled by an external actuator, e.g. a fluid or electrical motor
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 車両用サスペンション装置において、制駆動
時におけるピッチ角抑制と通常走行時における乗り心地
向上との両立を図ること。 【構成】 車両の制動時、アンチダイブジオメトリを強
めるようにトランスバースリンク2の取付位置を変更す
るべくコンプレッションロッドブッシュ7に第1液室
8,第2液室9及び連通管10を設けた。
時におけるピッチ角抑制と通常走行時における乗り心地
向上との両立を図ること。 【構成】 車両の制動時、アンチダイブジオメトリを強
めるようにトランスバースリンク2の取付位置を変更す
るべくコンプレッションロッドブッシュ7に第1液室
8,第2液室9及び連通管10を設けた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制動時あるいは駆動時
に車両のピッチングを抑える制御が行なわれる車両用サ
スペンション装置に関する。
に車両のピッチングを抑える制御が行なわれる車両用サ
スペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トランスバースリンク及びストラ
ットをサスペンション部材とする車両用フロントサスペ
ンション装置としては、例えば、1988年12月発行
の『日産サービス周報第615号』のC55〜C56ペ
ージに記載のものが知られている。
ットをサスペンション部材とする車両用フロントサスペ
ンション装置としては、例えば、1988年12月発行
の『日産サービス周報第615号』のC55〜C56ペ
ージに記載のものが知られている。
【0003】この従来装置で制動時のフロントサスペン
ションの動きは、図18のようにQF点を中心とする回
転運動になる。したがって、前輪に作用する制動力BF
はQF点を支点とするため、QFに向かう力BF1 と接
地点に向かう力BF2 に分れる。そして、このBF2 が
制動時にフロントサスペンションに加わる力と反対方向
に作用するためノーズダイブを抑える。このノーズダイ
ブを抑えるサスペンション配置をアンチダイブジオメト
リといい、ストラットの取り付け角度とトランスバース
リンクの取り付け角度により決まる。
ションの動きは、図18のようにQF点を中心とする回
転運動になる。したがって、前輪に作用する制動力BF
はQF点を支点とするため、QFに向かう力BF1 と接
地点に向かう力BF2 に分れる。そして、このBF2 が
制動時にフロントサスペンションに加わる力と反対方向
に作用するためノーズダイブを抑える。このノーズダイ
ブを抑えるサスペンション配置をアンチダイブジオメト
リといい、ストラットの取り付け角度とトランスバース
リンクの取り付け角度により決まる。
【0004】また、アッパーリンク及びロアリンクをサ
スペンション部材とする車両用リヤサスペンション装置
としては、例えば、1988年12月発行の『ニッサン
サービス周報第615号』のC−60ページに記載のも
のが知られている。
スペンション部材とする車両用リヤサスペンション装置
としては、例えば、1988年12月発行の『ニッサン
サービス周報第615号』のC−60ページに記載のも
のが知られている。
【0005】この従来装置で発進加速時にリヤサスペン
ションの動きは、図19のようにQR点を中心とする回
転運動になる。したがって、発進加速時の駆動トルク反
力ARはAR1 と接地点に向かう力AR2 に分れる。そ
して、このAR2 が発進加速時にリヤ側が沈み込むスカ
ットに対しスカットを抑える力として作用する。このよ
うに、スカットを抑えるサスペンション配置をアンチス
カットジオメトリといい、アッパーリンクの取り付け角
度とロアリンクの取り付け角度により決まる。
ションの動きは、図19のようにQR点を中心とする回
転運動になる。したがって、発進加速時の駆動トルク反
力ARはAR1 と接地点に向かう力AR2 に分れる。そ
して、このAR2 が発進加速時にリヤ側が沈み込むスカ
ットに対しスカットを抑える力として作用する。このよ
うに、スカットを抑えるサスペンション配置をアンチス
カットジオメトリといい、アッパーリンクの取り付け角
度とロアリンクの取り付け角度により決まる。
【0006】なお、前輪または後輪が浮き上がるリフト
を抑えるサスペンション配置をアンチリフトジオメトリ
といい、上記アンチダイブジオメトリとアンチスカット
ジオメトリ等と併せて一般にアンチピッチングジオメト
リと称する。
を抑えるサスペンション配置をアンチリフトジオメトリ
といい、上記アンチダイブジオメトリとアンチスカット
ジオメトリ等と併せて一般にアンチピッチングジオメト
リと称する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両用サスペンション装置にあっては、制駆
動時のアンチピッチングジオメトリがサスペンション部
材の取り付け設定により一義的に決まってしまうもので
あるため、下記に述べる問題がある。
うな従来の車両用サスペンション装置にあっては、制駆
動時のアンチピッチングジオメトリがサスペンション部
材の取り付け設定により一義的に決まってしまうもので
あるため、下記に述べる問題がある。
【0008】アンチピッチングジオメトリを強めに設定
にすると、制駆動時のピッチ角が小さく抑えられるもの
の乗り心地が悪化する。逆に、アンチピッチングジオメ
トリを弱めに設定すると、乗り心地が向上するものの制
駆動時にピッチ角が大きくでてしまう。
にすると、制駆動時のピッチ角が小さく抑えられるもの
の乗り心地が悪化する。逆に、アンチピッチングジオメ
トリを弱めに設定すると、乗り心地が向上するものの制
駆動時にピッチ角が大きくでてしまう。
【0009】ここで、乗り心地の悪化は、不整路の凹凸
やハーシュネス等で、接地点に前後力入力が発生した場
合、アンチピッチングジオメトリにより車体に持ち上げ
力あるいは持ち下げ力が発生するために起こる。
やハーシュネス等で、接地点に前後力入力が発生した場
合、アンチピッチングジオメトリにより車体に持ち上げ
力あるいは持ち下げ力が発生するために起こる。
【0010】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、車両用サスペンション装置において、制
駆動時におけるピッチ角抑制と通常走行時における乗り
心地向上との両立を図ることを課題とする。
されたもので、車両用サスペンション装置において、制
駆動時におけるピッチ角抑制と通常走行時における乗り
心地向上との両立を図ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の車両用サスペンション装置では、車両の制動時
あるいは駆動時の少なくとも一方において、アンチピッ
チングジオメトリを強めるようにサスペンション部材の
取付位置を変更するアンチピッチングジオメトリ変更手
段を設けた。
本発明の車両用サスペンション装置では、車両の制動時
あるいは駆動時の少なくとも一方において、アンチピッ
チングジオメトリを強めるようにサスペンション部材の
取付位置を変更するアンチピッチングジオメトリ変更手
段を設けた。
【0012】すなわち、車輪を回転自在に支持するアク
スル部材と、前記アクスル部材に連結され、その取付位
置によりピッチングジオメトリを規定するサスペンショ
ン部材と、車両の制動時あるいは駆動時の少なくとも一
方において、アンチピッチングジオメトリを強めるよう
に前記サスペンション部材の取付位置を変更するアンチ
ピッチングジオメトリ変更手段とを備えている。
スル部材と、前記アクスル部材に連結され、その取付位
置によりピッチングジオメトリを規定するサスペンショ
ン部材と、車両の制動時あるいは駆動時の少なくとも一
方において、アンチピッチングジオメトリを強めるよう
に前記サスペンション部材の取付位置を変更するアンチ
ピッチングジオメトリ変更手段とを備えている。
【0013】ここで、アンチピッチングジオメトリ変更
手段とは、具体的に下記に列挙するような手段をいう。
手段とは、具体的に下記に列挙するような手段をいう。
【0014】(1) 制動時あるいは駆動時に圧縮される第
1液室と、第1液室に圧力伝達可能に連通しその膨張に
よりサスペンション部材の取付位置を変更する第2液室
とを有する液室付弾性体による手段。
1液室と、第1液室に圧力伝達可能に連通しその膨張に
よりサスペンション部材の取付位置を変更する第2液室
とを有する液室付弾性体による手段。
【0015】(2) 制動時あるいは駆動時に入力される力
によりサスペンション部材の取付位置を変更する異方性
の剛性を有する異方剛性弾性体による手段。
によりサスペンション部材の取付位置を変更する異方性
の剛性を有する異方剛性弾性体による手段。
【0016】(3) その膨張によりサスペンション部材の
取付位置を変更する液室を有する弾性体と、この弾性体
にブレーキ操作やアクセル操作に基づいて発生する液圧
を導く液圧管による手段。
取付位置を変更する液室を有する弾性体と、この弾性体
にブレーキ操作やアクセル操作に基づいて発生する液圧
を導く液圧管による手段。
【0017】(4) サスペンション部材の取付位置を変更
するパワーシリンダと、このパワーシリンダを制動時あ
るいは駆動時に作動させるパワーシリンダ作動制御手段
による手段。
するパワーシリンダと、このパワーシリンダを制動時あ
るいは駆動時に作動させるパワーシリンダ作動制御手段
による手段。
【0018】
【作用】車両の制動時あるいは駆動時の少なくとも一方
の時、アンチピッチングジオメトリ変更手段において、
アンチピッチングジオメトリを強めるようにサスペンシ
ョン部材の取付位置が変更される。
の時、アンチピッチングジオメトリ変更手段において、
アンチピッチングジオメトリを強めるようにサスペンシ
ョン部材の取付位置が変更される。
【0019】したがって、基本的にはサスペンション部
材の配置によりアンチピッチングジオメトリを弱めに設
定しておき、制動時あるいは駆動時にはサスペンション
部材の取付位置の積極的な変更によりアンチピッチング
ジオメトリを強めることで、制駆動時におけるピッチ角
抑制と通常走行時における乗り心地向上との両立が図ら
れることになる。
材の配置によりアンチピッチングジオメトリを弱めに設
定しておき、制動時あるいは駆動時にはサスペンション
部材の取付位置の積極的な変更によりアンチピッチング
ジオメトリを強めることで、制駆動時におけるピッチ角
抑制と通常走行時における乗り心地向上との両立が図ら
れることになる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0021】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0022】図1は前輪駆動車に適用された請求項1及
び請求項2記載の本発明に対応する第1実施例の車両用
フロントサスペンション装置を示す斜視図である。
び請求項2記載の本発明に対応する第1実施例の車両用
フロントサスペンション装置を示す斜視図である。
【0023】図1において、駆動輪である図外の前輪を
回転自在に支持するアクスル1(アクスル部材に相当)
は、トランスバースリンク2(サスペンション部材に相
当)により車体に対し揺動可能に支持され、ショックア
ブソーバとコイルスプリングを同軸に配置したストラッ
ト3により上下方向に加わる荷重を減衰するべく支持さ
れている。なお、アクスル1には前輪操舵機構からのタ
イロッド4が連結されている。
回転自在に支持するアクスル1(アクスル部材に相当)
は、トランスバースリンク2(サスペンション部材に相
当)により車体に対し揺動可能に支持され、ショックア
ブソーバとコイルスプリングを同軸に配置したストラッ
ト3により上下方向に加わる荷重を減衰するべく支持さ
れている。なお、アクスル1には前輪操舵機構からのタ
イロッド4が連結されている。
【0024】前記トランスバースリンク2は、車両前方
側車体支持部にリンク目玉部2aが形成され、このリン
ク目玉部2aと車体側のロッドとの間にリンクブッシュ
5が介装されている。また、車両後方側車体支持部にコ
ンプレッションロッド2bが設けられ、このコンプレッ
ションロッド2bと車体側ブラケット6との間にコンプ
レッションロッドブッシュ7(液室付弾性体に相当)が
介装されている。
側車体支持部にリンク目玉部2aが形成され、このリン
ク目玉部2aと車体側のロッドとの間にリンクブッシュ
5が介装されている。また、車両後方側車体支持部にコ
ンプレッションロッド2bが設けられ、このコンプレッ
ションロッド2bと車体側ブラケット6との間にコンプ
レッションロッドブッシュ7(液室付弾性体に相当)が
介装されている。
【0025】前記コンプレッションロッドブッシュ7に
は、コンプレッションロッド2bの内側位置の内部に制
動時に室容積が圧縮される第1液室8が形成され、コン
プレッションロッド2bの下側位置の内部に制動時に室
容積が膨張する第2液室9が形成されていて、第1液室
8と第2液室9とは連通管10により連通されていて、
その内部には作動流体が充填されている。
は、コンプレッションロッド2bの内側位置の内部に制
動時に室容積が圧縮される第1液室8が形成され、コン
プレッションロッド2bの下側位置の内部に制動時に室
容積が膨張する第2液室9が形成されていて、第1液室
8と第2液室9とは連通管10により連通されていて、
その内部には作動流体が充填されている。
【0026】次に、作用を説明する。
【0027】ブレーキ操作により制動力が前輪の接地点
に作用すると、トランスバースリンク2のアクスル側支
点を車両後方に押す制動力が作用し、コンプレッション
ロッド2bを車体に支持するコンプレッションロッドブ
ッシュ7は、図2に示すように、車両内側後方に向く合
力を受ける。
に作用すると、トランスバースリンク2のアクスル側支
点を車両後方に押す制動力が作用し、コンプレッション
ロッド2bを車体に支持するコンプレッションロッドブ
ッシュ7は、図2に示すように、車両内側後方に向く合
力を受ける。
【0028】この制動力による力を車両後方からみる
と、図3(イ) に示すように、コンプレッションロッド2
bがコンプレッションロッドブッシュ7を車両内側に押
し潰すような変形を与える力となり、第1液室8の室容
積を圧縮し、第1液室8から作動流体が連通管10へと
流出する。
と、図3(イ) に示すように、コンプレッションロッド2
bがコンプレッションロッドブッシュ7を車両内側に押
し潰すような変形を与える力となり、第1液室8の室容
積を圧縮し、第1液室8から作動流体が連通管10へと
流出する。
【0029】この流出した作動流体は、連通管10を介
して第2液室9へ流入し、第2液室9の室容積が流入作
動液により押し拡げられて膨張し、コンプレッションロ
ッド2bが図3(ロ) の破線位置から実線位置へと変位
し、トランスバースリンク2の車両後方側ピボット点を
車両上方に押し上げる。
して第2液室9へ流入し、第2液室9の室容積が流入作
動液により押し拡げられて膨張し、コンプレッションロ
ッド2bが図3(ロ) の破線位置から実線位置へと変位
し、トランスバースリンク2の車両後方側ピボット点を
車両上方に押し上げる。
【0030】一方、フロントサスペンションの制動時に
おけるアンチダイブジオメトリは、ストラット3の取付
角度とトランスバースリンク2の取付角度で決められ
る。
おけるアンチダイブジオメトリは、ストラット3の取付
角度とトランスバースリンク2の取付角度で決められ
る。
【0031】これに対し、制動時には、図4に示すよう
に、トランスバースリンク2の車両後方側ピボット点A
がA’というように、車両上方に押し上げられること
で、サスペンション瞬間中心QFが、前輪に近づく側Q
F’に移動し、アンチダイブジオメトリを強めることが
できる。すなわち、図4において、前輪に作用する制動
力BFは瞬間中心QFに向かう力BF1 と接地点に向か
う力BF2 に分れるが、瞬間中心QFがQF’へ移動す
るのに伴い、分力の大きさを決める角度θがθ’と大き
くなり、接地点に向かう力もBF2 からBF2'と大きく
なる。そして、このBF2'が制動時にフロントサスペン
ションに加わる力と反対方向に作用するためノーズダイ
ブを有効に抑える。
に、トランスバースリンク2の車両後方側ピボット点A
がA’というように、車両上方に押し上げられること
で、サスペンション瞬間中心QFが、前輪に近づく側Q
F’に移動し、アンチダイブジオメトリを強めることが
できる。すなわち、図4において、前輪に作用する制動
力BFは瞬間中心QFに向かう力BF1 と接地点に向か
う力BF2 に分れるが、瞬間中心QFがQF’へ移動す
るのに伴い、分力の大きさを決める角度θがθ’と大き
くなり、接地点に向かう力もBF2 からBF2'と大きく
なる。そして、このBF2'が制動時にフロントサスペン
ションに加わる力と反対方向に作用するためノーズダイ
ブを有効に抑える。
【0032】次に、効果を説明する。
【0033】(1)車両用フロントサスペンション装置
において、車両の制動時、アンチダイブジオメトリを強
めるようにトランスバースリンク2の取付位置を変更す
るべくコンプレッションロッドブッシュ7に第1液室
8,第2液室9及び連通管10を設けたため、制動時に
おいて接地点に向かう力BF2'を大きくすることによる
ピッチ角抑制と通常走行時において接地点に向かう力B
F2 を小さく抑えることによる乗り心地向上との両立を
図ることができる。
において、車両の制動時、アンチダイブジオメトリを強
めるようにトランスバースリンク2の取付位置を変更す
るべくコンプレッションロッドブッシュ7に第1液室
8,第2液室9及び連通管10を設けたため、制動時に
おいて接地点に向かう力BF2'を大きくすることによる
ピッチ角抑制と通常走行時において接地点に向かう力B
F2 を小さく抑えることによる乗り心地向上との両立を
図ることができる。
【0034】(2)アンチダイブジオメトリ変更手段と
して、制動時に圧縮される第1液室8と、第1液室8に
連通管10を介して連通し、その膨張によりトランスバ
ースリンク2の取付位置を変更する第2液室9とを有す
るコンプレッションロッドブッシュ7による手段とした
ため、専用の駆動源を要することない簡単な手段で、確
実に制動時にアンチダイブジオメトリへの変更を達成で
きる。
して、制動時に圧縮される第1液室8と、第1液室8に
連通管10を介して連通し、その膨張によりトランスバ
ースリンク2の取付位置を変更する第2液室9とを有す
るコンプレッションロッドブッシュ7による手段とした
ため、専用の駆動源を要することない簡単な手段で、確
実に制動時にアンチダイブジオメトリへの変更を達成で
きる。
【0035】(第2実施例)まず、構成を説明する。
【0036】図5は請求項1及び請求項2記載の本発明
に対応する第2実施例装置の要部であるコンプレッショ
ンロッドブッシュを示す図で、サスペンション装置とし
ては第1実施例と全く同様の車両用フロントサスペンシ
ョン装置に適用されている。
に対応する第2実施例装置の要部であるコンプレッショ
ンロッドブッシュを示す図で、サスペンション装置とし
ては第1実施例と全く同様の車両用フロントサスペンシ
ョン装置に適用されている。
【0037】この第2実施例装置では、第1液室8と第
2液室9とを連通路11で連通する例としている。
2液室9とを連通路11で連通する例としている。
【0038】したがって、コンプレッションロッドブッ
シュ7の内部にアンチダイブジオメトリ変更手段の全て
が収まり、連通管10を外部に露出している第1実施例
装置に比べて耐久信頼性が増す。
シュ7の内部にアンチダイブジオメトリ変更手段の全て
が収まり、連通管10を外部に露出している第1実施例
装置に比べて耐久信頼性が増す。
【0039】なお、他の構成及び作用効果に関しては、
第1実施例装置と同様であるので図示並びに説明を省略
する。
第1実施例装置と同様であるので図示並びに説明を省略
する。
【0040】(第3実施例)まず、構成を説明する。
【0041】図6は請求項1及び請求項3記載の本発明
に対応する第3実施例装置の要部であるコンプレッショ
ンロッドブッシュを示す図で、サスペンション装置とし
ては第1実施例と全く同様の車両用フロントサスペンシ
ョン装置に適用されている。
に対応する第3実施例装置の要部であるコンプレッショ
ンロッドブッシュを示す図で、サスペンション装置とし
ては第1実施例と全く同様の車両用フロントサスペンシ
ョン装置に適用されている。
【0042】この第3実施例装置では、コンプレッショ
ンロッドブッシュ7の車両内側下向き方向を高剛性と
し、車両内側上向き方向を低剛性というように、剛性に
異方性を持たせたもので、車両内側上向き方向に沿うコ
ンプレッションロッド2bの両側位置にスグリ12,1
3を形成した例としている。
ンロッドブッシュ7の車両内側下向き方向を高剛性と
し、車両内側上向き方向を低剛性というように、剛性に
異方性を持たせたもので、車両内側上向き方向に沿うコ
ンプレッションロッド2bの両側位置にスグリ12,1
3を形成した例としている。
【0043】したがって、制動時に車両内側方向に制動
力が作用すると車体ピボット点となるコンプレッション
ロッド2bは剛性に異方性により上方に変位し、第1,
第2実施例と同様に作用効果がスグリ12,13を形成
するだけのきわめて簡単な構成により発揮される。
力が作用すると車体ピボット点となるコンプレッション
ロッド2bは剛性に異方性により上方に変位し、第1,
第2実施例と同様に作用効果がスグリ12,13を形成
するだけのきわめて簡単な構成により発揮される。
【0044】なお、他の構成及び作用効果に関しては、
第1実施例装置と同様であるので図示並びに説明を省略
する。
第1実施例装置と同様であるので図示並びに説明を省略
する。
【0045】(第4実施例)まず、構成を説明する。
【0046】図7は請求項1及び請求項4記載の本発明
に対応する第4実施例装置の要部であるコンプレッショ
ンロッドブッシュ及びブレーキシステムを示す図で、サ
スペンション装置としては第1実施例と全く同様の車両
用フロントサスペンション装置に適用されている。
に対応する第4実施例装置の要部であるコンプレッショ
ンロッドブッシュ及びブレーキシステムを示す図で、サ
スペンション装置としては第1実施例と全く同様の車両
用フロントサスペンション装置に適用されている。
【0047】この第4実施例装置では、コンプレッショ
ンロッドブッシュ7の第2液室9に相当する位置に液室
14を設け、この液室14に車載のブレーキシステム1
5においてマスターシリンダとホイルシリンダとを連通
するブレーキ配管の途中に設けられたコントロールバル
ブ16からのブレーキ液圧分岐管17を連通した例とし
ている。
ンロッドブッシュ7の第2液室9に相当する位置に液室
14を設け、この液室14に車載のブレーキシステム1
5においてマスターシリンダとホイルシリンダとを連通
するブレーキ配管の途中に設けられたコントロールバル
ブ16からのブレーキ液圧分岐管17を連通した例とし
ている。
【0048】したがって、制動操作による制動時にブレ
ーキ液圧が発生すると、コントロールバルブ16からブ
レーキ液圧分岐管17を介して液室14にブレーキ液が
導かれ、液室14の膨張により車体ピボット点となるコ
ンプレッションロッド2bは上方に変位し、第1実施例
と同様の作用効果が制動操作時に発生するブレーキ液圧
を利用した簡単な構成により発揮される。
ーキ液圧が発生すると、コントロールバルブ16からブ
レーキ液圧分岐管17を介して液室14にブレーキ液が
導かれ、液室14の膨張により車体ピボット点となるコ
ンプレッションロッド2bは上方に変位し、第1実施例
と同様の作用効果が制動操作時に発生するブレーキ液圧
を利用した簡単な構成により発揮される。
【0049】また、コントロールバルブ16からブレー
キ液圧をとることにより本油圧系統が失陥してもブレー
キシステムのフェイルが防止される。
キ液圧をとることにより本油圧系統が失陥してもブレー
キシステムのフェイルが防止される。
【0050】なお、他の構成及び作用効果に関しては、
第1実施例装置と同様であるので図示並びに説明を省略
する。
第1実施例装置と同様であるので図示並びに説明を省略
する。
【0051】(第5実施例)まず、構成を説明する。
【0052】図8は前輪駆動車に適用された請求項1及
び請求項2記載の本発明に対応する第5実施例の車両用
フロントサスペンション装置を示す斜視図である。
び請求項2記載の本発明に対応する第5実施例の車両用
フロントサスペンション装置を示す斜視図である。
【0053】図8において、駆動輪である図外の前輪を
回転自在に支持するアクスル21(アクスル部材に相
当)は、ロアトランスバースリンク22(サスペンショ
ン部材に相当)及びアッパートランスバースリンク23
により車体に対し揺動可能に支持されている。なお、ア
クスル21には前輪操舵機構からのタイロッド24が連
結されている。
回転自在に支持するアクスル21(アクスル部材に相
当)は、ロアトランスバースリンク22(サスペンショ
ン部材に相当)及びアッパートランスバースリンク23
により車体に対し揺動可能に支持されている。なお、ア
クスル21には前輪操舵機構からのタイロッド24が連
結されている。
【0054】前記ロアトランスバースリンク22は、車
両前方側車体支持部にリンク目玉部22aが形成され、
このリンク目玉部22aと車体側のロッドとの間にリン
クブッシュ25(液室付弾性体に相当)が介装されてい
る。また、車両後方側車体支持部にコンプレッションロ
ッド22bが設けられ、このコンプレッションロッド2
2bと車体側ブラケット26との間にコンプレッション
ロッドブッシュ27(液室付弾性体に相当)が介装され
ている。
両前方側車体支持部にリンク目玉部22aが形成され、
このリンク目玉部22aと車体側のロッドとの間にリン
クブッシュ25(液室付弾性体に相当)が介装されてい
る。また、車両後方側車体支持部にコンプレッションロ
ッド22bが設けられ、このコンプレッションロッド2
2bと車体側ブラケット26との間にコンプレッション
ロッドブッシュ27(液室付弾性体に相当)が介装され
ている。
【0055】前記コンプレッションロッドブッシュ27
には、コンプレッションロッド22bの内側位置の内部
に制動時に室容積が圧縮される第1液室28が形成さ
れ、リンクブッシュ25には、下側位置の内部に制動時
に室容積が膨張する第2液室29が形成されていて、第
1液室28と第2液室29とは連通管30により連通さ
れていて、その内部には作動流体が充填されている。
には、コンプレッションロッド22bの内側位置の内部
に制動時に室容積が圧縮される第1液室28が形成さ
れ、リンクブッシュ25には、下側位置の内部に制動時
に室容積が膨張する第2液室29が形成されていて、第
1液室28と第2液室29とは連通管30により連通さ
れていて、その内部には作動流体が充填されている。
【0056】次に、作用を説明する。
【0057】ブレーキ操作により制動力が前輪の接地点
に作用すると、ロアトランスバースリンク22のアクス
ル側支点を車両後方に押す制動力が作用し、コンプレッ
ションロッド22bを車体に支持するコンプレッション
ロッドブッシュ27を車両内側に押し潰すような変形を
与える力となり、図10に示すように、第1液室28の
室容積を圧縮し、第1液室28から作動流体が連通管3
0へと流出する。
に作用すると、ロアトランスバースリンク22のアクス
ル側支点を車両後方に押す制動力が作用し、コンプレッ
ションロッド22bを車体に支持するコンプレッション
ロッドブッシュ27を車両内側に押し潰すような変形を
与える力となり、図10に示すように、第1液室28の
室容積を圧縮し、第1液室28から作動流体が連通管3
0へと流出する。
【0058】この流出した作動流体は、連通管30を介
して第2液室29へ流入し、第2液室29の室容積が流
入作動液により押し拡げられて膨張し、リンクブッシュ
25が弾性変形する。
して第2液室29へ流入し、第2液室29の室容積が流
入作動液により押し拡げられて膨張し、リンクブッシュ
25が弾性変形する。
【0059】つまり、図9に示すように、ロアトランス
バースリンク22のアクスル側支点Eに作用する制動力
は、ロアトランスバースリンク22の車両後方側ピボッ
ト点Fを車両内側に変位させ、この変位に伴ってロアト
ランスバースリンク22の車両前方側ピボット点Dを車
両下方に押し下げる。
バースリンク22のアクスル側支点Eに作用する制動力
は、ロアトランスバースリンク22の車両後方側ピボッ
ト点Fを車両内側に変位させ、この変位に伴ってロアト
ランスバースリンク22の車両前方側ピボット点Dを車
両下方に押し下げる。
【0060】一方、フロントサスペンションの制動時に
おけるアンチダイブジオメトリは、図4に示すように、
ストラットの取付角度とロアトランスバースリンク22
の取付角度で決められる。
おけるアンチダイブジオメトリは、図4に示すように、
ストラットの取付角度とロアトランスバースリンク22
の取付角度で決められる。
【0061】これに対し、制動時には、ロアトランスバ
ースリンク22の車両前方側ピボット点が車両下方に押
し上げられることで、第1実施例装置の場合と同様に、
サスペンション瞬間中心が前輪側へ移動し、アンチダイ
ブジオメトリを強めることができる。
ースリンク22の車両前方側ピボット点が車両下方に押
し上げられることで、第1実施例装置の場合と同様に、
サスペンション瞬間中心が前輪側へ移動し、アンチダイ
ブジオメトリを強めることができる。
【0062】効果に関しては、第1実施例装置と同様で
あるので省略する。
あるので省略する。
【0063】(第6実施例)まず、構成を説明する。
【0064】図11は後輪駆動車に適用された請求項1
及び請求項2記載の本発明に対応する第6実施例の車両
用リヤサスペンション装置を示す斜視図である。
及び請求項2記載の本発明に対応する第6実施例の車両
用リヤサスペンション装置を示す斜視図である。
【0065】図11において、駆動輪である図外の後輪
を回転自在に支持するアクスル31(アクスル部材に相
当)は、ロアA型リンク32(サスペンション部材に相
当)及びアッパーA型リンク33により車体に対し揺動
可能に支持されている。
を回転自在に支持するアクスル31(アクスル部材に相
当)は、ロアA型リンク32(サスペンション部材に相
当)及びアッパーA型リンク33により車体に対し揺動
可能に支持されている。
【0066】前記ロアA型リンク32は、車両前方側車
体支持部にフロントブッシュ34が介装され、車両後方
側車体支持部にリヤブッシュ35(液室付弾性体に相
当)が介装されている。
体支持部にフロントブッシュ34が介装され、車両後方
側車体支持部にリヤブッシュ35(液室付弾性体に相
当)が介装されている。
【0067】前記リヤブッシュ35には、車両外側位置
の内部に制動時に室容積が圧縮される第1液室36が形
成され、下側位置の内部に制動時に室容積が膨張する第
2液室37が形成されていて、第1液室36と第2液室
37とは連通管38により連通されていて、その内部に
は作動流体が充填されている。
の内部に制動時に室容積が圧縮される第1液室36が形
成され、下側位置の内部に制動時に室容積が膨張する第
2液室37が形成されていて、第1液室36と第2液室
37とは連通管38により連通されていて、その内部に
は作動流体が充填されている。
【0068】次に、作用を説明する。
【0069】ブレーキ操作により制動力が前輪の接地点
に作用すると、ロアA型リンク32のアクスル側支点を
車両後方に押す制動力が作用し、コンプレッションロッ
ド22bを車体に支持するリヤブッシュ35を車両内側
に押し潰すような変形を与える力となり、第1液室36
の室容積を圧縮し、第1液室36から作動流体が連通管
38へと流出する。この流出した作動流体は、連通管3
8を介して第2液室37へ流入し、第2液室37の室容
積が流入作動液により押し拡げられて膨張し、リヤブッ
シュ35が弾性変形し、ロアA型リンク32の車両後方
側ピボット点を車両下方に押し下げる。
に作用すると、ロアA型リンク32のアクスル側支点を
車両後方に押す制動力が作用し、コンプレッションロッ
ド22bを車体に支持するリヤブッシュ35を車両内側
に押し潰すような変形を与える力となり、第1液室36
の室容積を圧縮し、第1液室36から作動流体が連通管
38へと流出する。この流出した作動流体は、連通管3
8を介して第2液室37へ流入し、第2液室37の室容
積が流入作動液により押し拡げられて膨張し、リヤブッ
シュ35が弾性変形し、ロアA型リンク32の車両後方
側ピボット点を車両下方に押し下げる。
【0070】一方、リヤサスペンションの制動時におけ
るアンチリフトジオメトリは、アッパーA型リンク33
の取付角度とロアA型リンク32の取付角度で決められ
る。これに対し、制動時には、図13に示すように、ロ
アA型リンク32の車両後方側ピボット点が車両下方に
押し下げられることで、サスペンション瞬間中心がQR
からQR’というように後輪側へ移動し、アンチリフト
ジオメトリを強めることができる。すなわち、後輪に作
用する制動力BRは中心へ向かうBR1 と接地点に向か
う力BR2 に分れるが、瞬間中心QRがQR’へ移動す
るのに伴い、分力の大きさを決める角度αがα’と大き
くなり、接地点に向かう力もBR2 からBR2'と大きく
なる。そして、このBR2'が制動時にリヤサスペンショ
ンに加わるリフト力と反対方向に作用するためリヤリフ
トを有効に抑える。
るアンチリフトジオメトリは、アッパーA型リンク33
の取付角度とロアA型リンク32の取付角度で決められ
る。これに対し、制動時には、図13に示すように、ロ
アA型リンク32の車両後方側ピボット点が車両下方に
押し下げられることで、サスペンション瞬間中心がQR
からQR’というように後輪側へ移動し、アンチリフト
ジオメトリを強めることができる。すなわち、後輪に作
用する制動力BRは中心へ向かうBR1 と接地点に向か
う力BR2 に分れるが、瞬間中心QRがQR’へ移動す
るのに伴い、分力の大きさを決める角度αがα’と大き
くなり、接地点に向かう力もBR2 からBR2'と大きく
なる。そして、このBR2'が制動時にリヤサスペンショ
ンに加わるリフト力と反対方向に作用するためリヤリフ
トを有効に抑える。
【0071】次に、効果を説明する。
【0072】車両用リヤサスペンション装置において、
車両の制動時、アンチリフトジオメトリを強めるように
ロアA型リンク32の取付位置を変更するべくリヤブッ
シュ35に第1液室36,第2液室37及び連通管38
を設けたため、制動時において接地点に向かう力BR2'
を大きくすることによるピッチ角抑制と通常走行時にお
いて接地点に向かう力BR2 を小さく抑えることによる
乗り心地向上との両立を図ることができる。
車両の制動時、アンチリフトジオメトリを強めるように
ロアA型リンク32の取付位置を変更するべくリヤブッ
シュ35に第1液室36,第2液室37及び連通管38
を設けたため、制動時において接地点に向かう力BR2'
を大きくすることによるピッチ角抑制と通常走行時にお
いて接地点に向かう力BR2 を小さく抑えることによる
乗り心地向上との両立を図ることができる。
【0073】なお、この例で、駆動時に室容積が圧縮す
るように第1液室36を車両内側位置に配置すること
で、発進加速時等の駆動時に、アンチスカットジオメト
リを強めることができる。
るように第1液室36を車両内側位置に配置すること
で、発進加速時等の駆動時に、アンチスカットジオメト
リを強めることができる。
【0074】(第7実施例)まず、構成を説明する。
【0075】図14は請求項1及び請求項4記載の本発
明に対応する第7実施例装置の要部であるリヤブッシュ
を示す図で、サスペンション装置としては第6実施例と
全く同様の車両用リヤサスペンション装置に適用されて
いる。
明に対応する第7実施例装置の要部であるリヤブッシュ
を示す図で、サスペンション装置としては第6実施例と
全く同様の車両用リヤサスペンション装置に適用されて
いる。
【0076】この第7実施例装置では、リヤブッシュ3
5の第2液室37に相当する位置に液室39を設け、こ
の液室39に第4実施例と同様に、車載のブレーキシス
テムからのブレーキ液圧分岐管40を連通した例として
いる。
5の第2液室37に相当する位置に液室39を設け、こ
の液室39に第4実施例と同様に、車載のブレーキシス
テムからのブレーキ液圧分岐管40を連通した例として
いる。
【0077】したがって、制動操作による制動時にブレ
ーキ液圧が発生すると、ブレーキ液圧分岐管40を介し
て液室39にブレーキ液が導かれ、液室39の膨張によ
りロアA型リンク32の車両後方側車体ピボット点が下
方に変位し、第6実施例と同様の作用効果が制動操作時
に発生するブレーキ液圧を利用した簡単な構成により発
揮される。
ーキ液圧が発生すると、ブレーキ液圧分岐管40を介し
て液室39にブレーキ液が導かれ、液室39の膨張によ
りロアA型リンク32の車両後方側車体ピボット点が下
方に変位し、第6実施例と同様の作用効果が制動操作時
に発生するブレーキ液圧を利用した簡単な構成により発
揮される。
【0078】なお、他の構成及び作用効果に関しては、
第6実施例装置と同様であるので図示並びに説明を省略
する。
第6実施例装置と同様であるので図示並びに説明を省略
する。
【0079】(第8実施例)まず、構成を説明する。
【0080】図15は請求項1及び請求項5記載の本発
明に対応する第8実施例装置の要部であるリヤブッシュ
及びパワーシリンダを示す図で、サスペンション装置と
しては第6実施例と全く同様の車両用リヤサスペンショ
ン装置に適用されている。
明に対応する第8実施例装置の要部であるリヤブッシュ
及びパワーシリンダを示す図で、サスペンション装置と
しては第6実施例と全く同様の車両用リヤサスペンショ
ン装置に適用されている。
【0081】この第8実施例装置では、リヤブッシュ3
5が設けられるリンク側ブラケット32aと車体側プレ
ート41との間にそのストロークによりロアA型リンク
32の車両後方側車体ピボット点を変位させるパワーシ
リンダ42を設け、このパワーシリンダ42のピストン
上室とピストン下室には、油圧制御システムからの流量
制御油路43及びドレーン路44が接続されている。
5が設けられるリンク側ブラケット32aと車体側プレ
ート41との間にそのストロークによりロアA型リンク
32の車両後方側車体ピボット点を変位させるパワーシ
リンダ42を設け、このパワーシリンダ42のピストン
上室とピストン下室には、油圧制御システムからの流量
制御油路43及びドレーン路44が接続されている。
【0082】そして、前記油圧制御システムは、図16
に示すように、油圧系に、油圧ポンプ45と流量制御バ
ルブ46とリザーバ47と出力油路48と流量制御油路
43及びドレーン路44を有し、電子制御系に、前後加
速度センサ49とピッチングコントローラ50を有す
る。
に示すように、油圧系に、油圧ポンプ45と流量制御バ
ルブ46とリザーバ47と出力油路48と流量制御油路
43及びドレーン路44を有し、電子制御系に、前後加
速度センサ49とピッチングコントローラ50を有す
る。
【0083】次に、作用を説明する。
【0084】図17は前記ピッチングコントローラ50
で行なわれるパワーシリンダ42への流量制御作動の流
れを示すフローチャートで、ステップ51で前後加速度
が読み込まれ、ステップ52で前後加速度絶対値と定数
kとにより流量が演算され、ステップ53でステップ5
3の演算流量値が得られる制御信号が流量制御バルブ4
6に出力される。
で行なわれるパワーシリンダ42への流量制御作動の流
れを示すフローチャートで、ステップ51で前後加速度
が読み込まれ、ステップ52で前後加速度絶対値と定数
kとにより流量が演算され、ステップ53でステップ5
3の演算流量値が得られる制御信号が流量制御バルブ4
6に出力される。
【0085】したがって、大きな減速度が発生する制動
時や大きな加速度が発生する加速発進時には、パワーシ
リンダ42のピストン上室に大流量の作動油が供給さ
れ、パワーシリンダ42のピストンロッド42aがリン
ク側ブラケット32aを下方に押し下げ、リヤブッシュ
35を強制的に弾性変形させてロアA型リンク32の車
両後方側車体ピボット点を下方に変位させる。
時や大きな加速度が発生する加速発進時には、パワーシ
リンダ42のピストン上室に大流量の作動油が供給さ
れ、パワーシリンダ42のピストンロッド42aがリン
ク側ブラケット32aを下方に押し下げ、リヤブッシュ
35を強制的に弾性変形させてロアA型リンク32の車
両後方側車体ピボット点を下方に変位させる。
【0086】すなわち、制動時には第6実施例と同様に
アンチリフトジオメトリが強まる。また、発進加速時等
においては、アンチスカットジオメトリが強まる。
アンチリフトジオメトリが強まる。また、発進加速時等
においては、アンチスカットジオメトリが強まる。
【0087】ここで、アンチスカットジオメトリについ
て説明すると、図13に示すように、後輪に駆動トルク
反力ARは中心へ向かうAR1 と接地点に向かう力AR
2 に分れるが、ロアA型リンク32の車両後方側車体ピ
ボット点の下方変位により瞬間中心QRがQR’へ移動
するのに伴い、分力の大きさを決める角度βがβ’と大
きくなり、接地点に向かう力もAR2 からAR2'と大き
くなる。そして、このAR2'が発進加速時にリヤ側が沈
み込むスカットに対しスカットを抑える力として作用す
る。
て説明すると、図13に示すように、後輪に駆動トルク
反力ARは中心へ向かうAR1 と接地点に向かう力AR
2 に分れるが、ロアA型リンク32の車両後方側車体ピ
ボット点の下方変位により瞬間中心QRがQR’へ移動
するのに伴い、分力の大きさを決める角度βがβ’と大
きくなり、接地点に向かう力もAR2 からAR2'と大き
くなる。そして、このAR2'が発進加速時にリヤ側が沈
み込むスカットに対しスカットを抑える力として作用す
る。
【0088】以上説明したように、この第8実施例装置
では、パワーシリンダ42を車両の前後加速度に応じて
制動時にはアンチリフトジオメトリを強め、駆動時には
アンチスカットジオメトリを強めるように制御する装置
としたため、通常走行時の乗り心地向上とともに、制動
時並びに駆動時のいずれの場合にもピッチ角を小さく抑
えることができる。
では、パワーシリンダ42を車両の前後加速度に応じて
制動時にはアンチリフトジオメトリを強め、駆動時には
アンチスカットジオメトリを強めるように制御する装置
としたため、通常走行時の乗り心地向上とともに、制動
時並びに駆動時のいずれの場合にもピッチ角を小さく抑
えることができる。
【0089】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0090】例えば、独立懸架装置への適用に関し、実
施例で示した形式に限られるものではなく、その他の形
式の独立懸架装置に適用しても良い。
施例で示した形式に限られるものではなく、その他の形
式の独立懸架装置に適用しても良い。
【0091】また、実施例で示したように、連通管やブ
レーキ液圧分岐管により直接的に液体を連通させるので
はなく、最大変位量がストッパーにより規制されるフリ
ーピストンを介して間接的に連通させて液圧を伝達させ
るよう構成しても良い。
レーキ液圧分岐管により直接的に液体を連通させるので
はなく、最大変位量がストッパーにより規制されるフリ
ーピストンを介して間接的に連通させて液圧を伝達させ
るよう構成しても良い。
【0092】特にブレーキ液圧分岐管に前記変位量が規
制されるフリーピストンを設けた場合には、弾性体側の
失陥時に、ブレーキ液が流出するのを防止でき、ブレー
キ機能を確保することができる。
制されるフリーピストンを設けた場合には、弾性体側の
失陥時に、ブレーキ液が流出するのを防止でき、ブレー
キ機能を確保することができる。
【0093】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の車両用
サスペンション装置にあっては、車両の制動時あるいは
駆動時の少なくとも一方において、アンチピッチングジ
オメトリを強めるようにサスペンション部材の取付位置
を変更するアンチピッチングジオメトリ変更手段を設け
たため、制駆動時におけるピッチ角抑制と通常走行時に
おける乗り心地向上との両立を図ることができるという
効果が得られる。
サスペンション装置にあっては、車両の制動時あるいは
駆動時の少なくとも一方において、アンチピッチングジ
オメトリを強めるようにサスペンション部材の取付位置
を変更するアンチピッチングジオメトリ変更手段を設け
たため、制駆動時におけるピッチ角抑制と通常走行時に
おける乗り心地向上との両立を図ることができるという
効果が得られる。
【図1】第1実施例の車両用フロントサスペンション装
置を示す斜視図である。
置を示す斜視図である。
【図2】第1実施例装置での制動時にコンプレッション
ロッドブッシュが受ける力を示す平面図である。
ロッドブッシュが受ける力を示す平面図である。
【図3】第1実施例装置の通常走行時(イ) から制動時
(ロ) に移行した時のコンプレッションロッドブッシュの
変形状態を示す作用説明図である。
(ロ) に移行した時のコンプレッションロッドブッシュの
変形状態を示す作用説明図である。
【図4】第1実施例装置での制動時におけるアンチダイ
ブジオメトリの変化を説明するジオメトリ変化説明図で
ある。
ブジオメトリの変化を説明するジオメトリ変化説明図で
ある。
【図5】第2実施例装置のコンプレッションロッドブッ
シュを示す図である。
シュを示す図である。
【図6】第3実施例装置のコンプレッションロッドブッ
シュを示す図である。
シュを示す図である。
【図7】第4実施例装置のコンプレッションロッドブッ
シュ及びブレーキシステムを示す図である。
シュ及びブレーキシステムを示す図である。
【図8】第5実施例の車両用フロントサスペンション装
置を示す斜視図である。
置を示す斜視図である。
【図9】第5実施例装置での制動時のジオメトリ変化を
示す概略斜視図である。
示す概略斜視図である。
【図10】第5実施例装置での制動時におけるブッシュ
変形を示す概略図である。
変形を示す概略図である。
【図11】第6実施例の車両用リヤサスペンション装置
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図12】第6実施例装置のリヤブッシユを示す図であ
る。
る。
【図13】第6実施例装置での制動時におけるアンチリ
フトジオメトリの変化と第8実施例装置での駆動時にお
けるアンチスカットジオメトリの変化を説明するジオメ
トリ変化説明図である。
フトジオメトリの変化と第8実施例装置での駆動時にお
けるアンチスカットジオメトリの変化を説明するジオメ
トリ変化説明図である。
【図14】第7実施例装置のリヤブッシユを示す図であ
る。
る。
【図15】第8実施例装置のリヤブッシユ及びパワーシ
リンダを示す図である。
リンダを示す図である。
【図16】第8実施例装置のパワーシリンダへの油圧制
御システムを示す図である。
御システムを示す図である。
【図17】第8実施例装置のピッチングコントローラで
行なわれる流量制御作動の流れを示すフローチャートで
ある。
行なわれる流量制御作動の流れを示すフローチャートで
ある。
【図18】フロントサスペンションで制動時におけるア
ンチダイブジオメトリを説明する図である。
ンチダイブジオメトリを説明する図である。
【図19】リヤサスペンションで駆動時におけるアンチ
スカットジオメトリを説明する図である。
スカットジオメトリを説明する図である。
1 アクスル(アクスル部材) 2 トランスバースリンク(サスペンション部材) 3 ストラット 7 コンプレッションロッドブッシュ(液室付弾性体) 8 第1液室 9 第2液室 10 連通管
Claims (5)
- 【請求項1】 車輪を回転自在に支持するアクスル部材
と、 前記アクスル部材に連結され、その取付位置によりピッ
チングジオメトリを規定するサスペンション部材と、 車両の制動時あるいは駆動時の少なくとも一方におい
て、アンチピッチングジオメトリを強めるように前記サ
スペンション部材の取付位置を変更するアンチピッチン
グジオメトリ変更手段と、 を備えていることを特徴とする車両用サスペンション装
置。 - 【請求項2】 前記アンチピッチングジオメトリ変更手
段が、制動時あるいは駆動時に圧縮される第1液室と、
第1液室に圧力伝達可能に連通しその膨張によりサスペ
ンション部材の取付位置を変更する第2液室とを有する
液室付弾性体による手段であることを特徴とする請求項
1記載の車両用サスペンション装置。 - 【請求項3】 前記アンチピッチングジオメトリ変更手
段が、制動時あるいは駆動時に入力される力によりサス
ペンション部材の取付位置を変更する異方性の剛性を有
する異方剛性弾性体による手段であることを特徴とする
請求項1記載の車両用サスペンション装置。 - 【請求項4】 前記アンチピッチングジオメトリ変更手
段が、その膨張によりサスペンション部材の取付位置を
変更する液室を有する弾性体と、この弾性体にブレーキ
操作やアクセル操作に基づいて発生する液圧を導く液圧
管による手段であることを特徴とする請求項1記載の車
両用サスペンション装置。 - 【請求項5】 前記アンチピッチングジオメトリ変更手
段が、サスペンション部材の取付位置を変更するパワー
シリンダと、このパワーシリンダを制動時あるいは駆動
時に作動させるパワーシリンダ作動制御手段による手段
であることを特徴とする請求項1記載の車両用サスペン
ション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22014692A JPH0664436A (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 車両用サスペンション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22014692A JPH0664436A (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 車両用サスペンション装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0664436A true JPH0664436A (ja) | 1994-03-08 |
Family
ID=16746620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22014692A Pending JPH0664436A (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 車両用サスペンション装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0664436A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008114538A1 (en) | 2007-02-21 | 2008-09-25 | Advics Co., Ltd. | Motion control system for vehicle |
JP2009056856A (ja) * | 2007-08-30 | 2009-03-19 | Aisin Seiki Co Ltd | 車両の姿勢制御装置 |
-
1992
- 1992-08-19 JP JP22014692A patent/JPH0664436A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008114538A1 (en) | 2007-02-21 | 2008-09-25 | Advics Co., Ltd. | Motion control system for vehicle |
DE112008000568T5 (de) | 2007-02-21 | 2010-01-07 | Advics Co., Ltd., Kariya | Bewegungssteuersystem für ein Fahrzeug |
US8046130B2 (en) | 2007-02-21 | 2011-10-25 | Advics Co., Ltd. | Motion control system for vehicle |
DE112008000568B4 (de) * | 2007-02-21 | 2013-03-07 | Advics Co., Ltd. | Bewegungssteuersystem für ein Fahrzeug |
JP2009056856A (ja) * | 2007-08-30 | 2009-03-19 | Aisin Seiki Co Ltd | 車両の姿勢制御装置 |
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