JPH0659195A

JPH0659195A - 内視鏡用光学系装置

Info

Publication number: JPH0659195A
Application number: JP4233027A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiro Sakamoto; 和広坂本
Original assignee: Fuji Photo Optical Co Ltd
Current assignee: Fujinon Corp
Priority date: 1992-08-07
Filing date: 1992-08-07
Publication date: 1994-03-04

Abstract

(57)【要約】【目的】遮光手段により、プリズムにおいて正規でな
い反射により生じるゴーストをなくすようにする。【構成】対物レンズ系１２からの光束を入射し、この
光束をＣＣＤ１９へ導くためのプリズム１６において、
プリズム１６で設定された反射光路以外の反射光路によ
りＣＣＤ１９に入射する光１００を遮断する遮光手段を
設ける。この遮光手段として、入射面に配置した遮光板
２０又は遮光コーティング膜、又は鏡胴の保持具、或い
はレンズ保持具に一体に形成した遮光板、更にはローパ
スフィルタに形成した遮光膜等を採用することができ
る。その他にも、プリズム１６の内部の不必要な光線１
００を遮断する位置に空気溝を形成することも可能であ
り、これらの遮光手段によって、ゴーストを生じさせる
光線１００が除去される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は内視鏡用光学系装置、特
に観察窓から得られた像をプリズムを用いて固体撮像素
子に結像させるための光学系装置の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子内視鏡（電子スコープ）を被観察体
内へ挿入し、この被観察体内の画像をモニタに表示する
電子内視鏡装置が周知であり、この画像は、先端部の観
察窓、対物レンズ等で捉えられた像を固体撮像素子であ
る、例えばＣＣＤ（Charge Coupled Device)へ導くこと
によって形成される。

【０００３】図６には、従来の電子内視鏡の光学系装置
の構成が示されており、図において、電子内視鏡の先端
に配置される観察窓１には対物レンズ系２が連結され、
この対物レンズ系２の後段にプリズム３が配置される。
また、このプリズム３には、カバーガラス４を介してＣ
ＣＤ５が取り付けられ、このＣＣＤ５では図示Ｅのイメ
ージエリア内に結像するように構成される。従って、観
察窓１、対物レンズ系２に入射した水平方向の光束はプ
リズム３によって、垂直方向に曲げられてＣＣＤ５のイ
メージエリアＥに到達することになり、このイメージエ
リアＥに結像された被観察体内の画像が信号処理された
後にモニタ上に表示されることになる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
内視鏡装置では、図６に示されるように、上記プリズム
３に入射した光束は斜面３Ａで反射した後にＣＣＤ５の
イメージエリアＥに到達するのが正規の光路となる。し
かしながら、例えば上記プリズム３の外周部を通過した
一部の光線１００は斜面３Ａで反射した後に入射面３Ｂ
の後面で更に反射して、ＣＣＤ５のイメージエリアＥに
到達することになり、これによってゴーストが発生する
という問題があった。

【０００５】即ち、図７に示されるように、最近ではＣ
ＣＤ５の小型化、高密度化によって、光学系部材で形成
される入射光エリア（視野領域）２００に内接するよう
にＣＣＤ５のイメージエリアＥが設定され（鎖線６はモ
ニタ画面）。従って、これに応じてプリズム３の大きさ
も小さく形成されており、これによって電子内視鏡の細
径化が図られている。しかし、この場合にはイメージエ
リアＥよりも上記入射光エリア２００が広いので、上記
図６の光線１００のように、本来は不必要な光線もプリ
ズム３に入射することになり、この不要な光線１００が
入射面３Ｂの後面で反射してイメージエリアＥに到達す
る。これによって、図７のようにイメージエリアＥの端
部にゴースト３００が発生し、見づらい画像となってし
まう。

【０００６】上記の場合、プリズム３において上記図７
に示されるイメージエリアＥ以外の部分をカットすれば
良いことになるが、このプリズム３において有効光束の
境界に限りなく近くまで加工及び組立てをすることは、
プリズム３の製作上困難であり、しかも前段の対物レン
ズ系２が保持された鏡胴と接続するために外周スペース
が必要ともなる。従って、プリズム３の外周カットによ
り上記の問題を解決することは不可能である。

【０００７】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、プリズムにおいて正規でない反射
により生じるゴーストをなくすことができる内視鏡用光
学系装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第１請求項記載の発明は、先端部観察窓に連結され
た対物レンズ系と、この対物レンズ系からの光束を入射
し、この光束を固体撮像素子へ導くためのプリズムと、
を有する内視鏡用光学系装置において、上記プリズムの
外周部を通る光であって、プリズムで設定された反射光
路以外の反射光路により固体撮像素子に入射する光を遮
断する遮光手段を設けたことを特徴とする。

【０００９】第２請求項記載の発明は、上記遮光手段
を、遮光板又は遮光膜で構成された遮光マスクとし、こ
の遮光マスクを上記プリズムの入射面又はその前段に設
けて構成したことを特徴とする。第３請求項記載の発明
は、上記遮光手段を、上記プリズムの前段に設けられた
ローパスフィルタに遮光膜を形成して構成したことを特
徴とする。第４請求項記載の発明は、上記遮光手段を、
上記正規の反射光路以外の光路を遮断するための空気溝
を上記プリズムに形成して構成したことを特徴とする。

【００１０】

【作用】上記の構成によれば、プリズムの入射面或いは
前段において不必要な光線の光路を遮断する位置に遮光
マスクが設けられるが、この遮光マスクとしては、入射
面に配置した遮光板又は遮光コーティング膜とすること
ができ、また鏡胴の保持具、或いはレンズ保持具に一体
に形成した遮光板、更にはローパスフィルタに形成した
遮光膜とすることができる。また更に、プリズムの内部
において、不必要な光線の光路を遮断する位置に空気溝
を形成してもよく、これらの構成によって、ゴーストを
生じさせる光線が除去される。

【００１１】

【実施例】図１には、第１実施例に係る電子内視鏡の光
学系装置の構成が示されており、図示されるように、光
学系装置では、観察窓１１に連結して対物レンズ系１２
が配設される。この対物レンズ系１２内には、絞り１３
が配置され、これら観察窓１１及び対物レンズ系１２は
筒状のレンズ保持具１４にて保持されて鏡胴を構成す
る。また、この鏡胴は筒状の鏡胴保持具１５に保持さ
れ、この鏡胴保持具１５の後段にプリズム１６が取り付
けられ、このプリズム１６の底面側にカバーガラス１８
を介してＣＣＤ１９が接続される。このＣＣＤ１９にお
いては、従来と同様に、イメージエリアＥに被観察体像
を結像するようになっている。

【００１２】第１実施例では、このような構成の光学系
装置の上記プリズム１６の入射面に、遮光板２０を配設
する。この遮光板２０は、図２に示されるように、上記
ＣＣＤ１９のイメージエリアＥに対応した大きさの長方
形開口２１を有し、外周枠部によって正規の反射光路以
外の反射光路を形成する光線を遮断するようになってい
る。実施例の場合は、図示のように、プリズム１６の上
部のみにゴーストを生じさせる光線１００があって、下
部にはこのような光線が存在しないので、下側に遮光板
を設ける必要はないが、製造・組立て上の容易さを考慮
して下側に渡って遮光板２０が形成される。

【００１３】これによれば、正規の光路を通る光線１１
０及び１２０はプリズム１６の斜面１６Ａで反射された
後、ＣＣＤ１９のイメージエリアＥに到達するが、正規
の光路以外の光線、即ちプリズム１６の入射面１６Ｂで
再度反射する光線１００は、遮光板２０で遮断される。
従って、従来のように、画面の端等にゴーストを生じさ
せることもない。また、上記遮光板２０に代えて、プリ
ズム１６の入射面１６Ｂに遮光膜をコーティングによっ
て形成することが可能であり、この遮光コーティング膜
によっても同様の遮蔽効果を得ることができる。

【００１４】図３には、本発明の第２実施例の構成が示
されており、この第２実施例は従来の構成部材に遮光板
を一体に形成したものである。即ち、プリズム１６の前
段に配置されている鏡胴保持具１５の端部に、図示のよ
うに内側へ突出する遮光板２３が一体に形成されてお
り、これによっても上記と同様に、正規の光路以外の光
路を形成する光線１００を遮断することができる。ま
た、鎖線で示されるように、鏡胴を構成するレンズ保持
具１４に遮光板２４を一体に形成することも可能であ
る。

【００１５】図４には、第３実施例の構成が示されてお
り、この第３実施例はローパスフィルタに遮光膜を形成
したものである。即ち、図示されるように、プリズム１
６の前段に、例えば縦方向の光を通す偏光板、干渉板、
横方向の光を通す偏光板が張合わされたローパスフィル
タ２６が設けられ、このローパスフィルタ２６にて不要
な入射光を除去することが行われる。第３実施例では、
このローパスフィルタ２６の入射面に遮光膜２７がコー
ティングによって形成される。これによっても、ゴース
トを生じさせる光線１００を遮断することが可能とな
る。

【００１６】図５には、第４実施例の構成が示されてお
り、この第４実施例はプリズム１６自体に空気溝の遮光
手段を設けたものである。即ち、図示されるように、プ
リズム１６における正規の光路以外の光路中に、実施例
の場合は光線１００が通る光路中に配置されるように、
プリズム１６の斜面１６ＡからＶ字溝２８が形成され
る。これによれば、Ｖ字溝２８の内部が空気層となるの
で、このＶ字溝２８の空気層によって光線１００が遮断
される。また、上記のＶ字溝２８に代えて、プリズム１
６の入射面１６Ｂから光線１００を遮断する位置にＶ字
溝２９を形成することが可能である。なお、上記Ｖ字溝
２８，２９の溝形状は、Ｕ字でも、その他の形状でもよ
い。

【００１７】例えば、図５の鎖線で示されるように、プ
リズム１６の斜面１６Ａに直角三角形状の溝３０を形成
し、斜面１６Ａにおいて光線１００が反射する部分のみ
をカットするようにしてもよい。

【００１８】また、上記実施例のプリズム１６は直角三
角形となっているが、内視鏡では他の形状のプリズム１
６を用いることができる。この場合は、ゴーストを生じ
させる光路が上記実施例と異なることになるが、外周光
で正規の光路以外の光を遮光する位置に遮光板を設ける
ことによって、ゴーストを有効に除去することが可能で
ある。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プリズムの入射面に配置した遮光板又は遮光コーティン
グ膜、また鏡胴の保持具、或いはレンズ保持具に一体に
形成された遮光板、更にはローパスフィルタに形成した
遮光膜、また更にプリズムの内部で不要な光線を遮断す
る位置に形成された空気溝等の遮光手段を設けたので、
この遮光手段によって、従来において画面の端部に生じ
ていたゴーストをなくすことが可能となる。しかも、電
子内視鏡の細径化を促進できるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る内視鏡用光学系装置
の構成を示す断面図である。

【図２】第１実施例の遮光板の構成を示す図である。

【図３】本発明の第２実施例の構成を示す断面図であ
る。

【図４】本発明の第３実施例の構成を示す断面図であ
る。

【図５】本発明の第４実施例の構成を示す断面図であ
る。

【図６】従来における内視鏡用光学系装置の構成を示す
断面図である。

【図７】観察窓の入射光エリアとＣＣＤのイメージエリ
アの関係を示す図である。

【符号の説明】

１，１１ … 観察窓、２，１２ … 対物レンズ系、３，１６ … プリズム、５，１９ … ＣＣＤ、２０，２３，２４ … 遮光板、２７ … 遮光膜、２８，２９ … Ｖ字溝、３０ … 溝。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】先端部観察窓に連結された対物レンズ系
と、この対物レンズ系からの光束を入射し、この光束を
固体撮像素子へ導くためのプリズムと、を有する内視鏡
用光学系装置において、上記プリズムの外周部を通る光
であって、プリズムで設定された反射光路以外の反射光
路により固体撮像素子に入射する光を遮断する遮光手段
を設けたことを特徴とする内視鏡用光学系装置。
【請求項２】上記遮光手段は、遮光板又は遮光膜で構
成された遮光マスクとし、この遮光マスクを上記プリズ
ムの入射面又はその前段に設けて構成したことを特徴と
する上記第１請求項記載の内視鏡用光学系装置。
【請求項３】上記遮光手段は、上記プリズムの前段に
設けられたローパスフィルタに遮光膜を形成して構成し
たことを特徴とする上記第２請求項記載の内視鏡用光学
系装置。
【請求項４】上記遮光手段は、上記正規の反射光路以
外の光路を遮断するための空気溝を上記プリズムに形成
して構成したことを特徴とする上記第１請求項記載の内
視鏡用光学系装置。