JPH0648325B2 - 光ファイバ及びその製造方法 - Google Patents
光ファイバ及びその製造方法Info
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- JPH0648325B2 JPH0648325B2 JP63176941A JP17694188A JPH0648325B2 JP H0648325 B2 JPH0648325 B2 JP H0648325B2 JP 63176941 A JP63176941 A JP 63176941A JP 17694188 A JP17694188 A JP 17694188A JP H0648325 B2 JPH0648325 B2 JP H0648325B2
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- fiber
- carbon
- glass
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- Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高強度にして、長期的に強度低下の少ない光フ
アイバ及びその製造方法に関するものである。
アイバ及びその製造方法に関するものである。
[従来の技術] 石英系光フアイバでは引張り応力を付加した状態で放置
しておくと、長時間後に破断するという欠点(疲労と呼
ばれる)がある。
しておくと、長時間後に破断するという欠点(疲労と呼
ばれる)がある。
この疲労を防ぐ第1の方法として、石英ガラスより熱膨
張係数が小さく、薄いガラス層を最外層として形成し、
伝送特性を劣化させることなく、光フアイバ表面に熱膨
張係数の差より生じる圧縮応力を働かせ、強度の向上と
疲労の抑制を図ろうとする光フアイバ構造が従来より提
案されている。
張係数が小さく、薄いガラス層を最外層として形成し、
伝送特性を劣化させることなく、光フアイバ表面に熱膨
張係数の差より生じる圧縮応力を働かせ、強度の向上と
疲労の抑制を図ろうとする光フアイバ構造が従来より提
案されている。
第5図は従来の表面圧縮層を形成した光フアイバの一例
の断面図であり、51はSiO2−GeO2ガラス・コア、52は石
英ガラス・クラツド、53はSiO2−TiO2ガラスからなる最
外層である。
の断面図であり、51はSiO2−GeO2ガラス・コア、52は石
英ガラス・クラツド、53はSiO2−TiO2ガラスからなる最
外層である。
また、上記第1の方法の改良法としてクラツド層の最外
層をボロンを含有した石英ガラスとし、その外周にSiO2
−TiO2ガラス層を設けた例も提案されている[エス.エ
ム.オウ等、S.M.Oh,Predieu and X.G.Glavas,Opt.Let
t.7(1982)p.241]。
層をボロンを含有した石英ガラスとし、その外周にSiO2
−TiO2ガラス層を設けた例も提案されている[エス.エ
ム.オウ等、S.M.Oh,Predieu and X.G.Glavas,Opt.Let
t.7(1982)p.241]。
石英系光フアイバの疲労を防ぐ第2の方法は、光フアイ
バガラスの表面エネルギーを常に大きい状態に保つこと
で傷の成長を防ぐ方法であって、具体的には、例えば第
6図に示すようにドープトシリカからなるコア61とシリ
カからなるクラツド62を有するフアイバ60の外周に、水
分の透過しにくいグラフアイト膜63をCVD法により被
覆し、光フアイバの表面への水分の吸着を防ぐものであ
り、この例では外層としてシリコン層64及び熱可塑性樹
脂層65が設けられている。(米国特許第4,183,6
21号明細書)。
バガラスの表面エネルギーを常に大きい状態に保つこと
で傷の成長を防ぐ方法であって、具体的には、例えば第
6図に示すようにドープトシリカからなるコア61とシリ
カからなるクラツド62を有するフアイバ60の外周に、水
分の透過しにくいグラフアイト膜63をCVD法により被
覆し、光フアイバの表面への水分の吸着を防ぐものであ
り、この例では外層としてシリコン層64及び熱可塑性樹
脂層65が設けられている。(米国特許第4,183,6
21号明細書)。
[発明が解決しようとする課題] 石英系光フアイバの疲労を防ぐ上記第1の方法による、
第5図のフアイバではTiO2はSiO2より蒸気圧が高く、光
フアイバの紡糸時にSiO2−TiO2からなる最外層からTiO2
が蒸発するために、目的とする表面の圧縮応力がさほど
大きくならないという問題がある。前記のエス・エム・
オウ等の報告においては、第5図の光フアイバでは、強
度は約0.3GPa増加したにすぎず、疲労も僅かしか抑
制されないことが報告されている。
第5図のフアイバではTiO2はSiO2より蒸気圧が高く、光
フアイバの紡糸時にSiO2−TiO2からなる最外層からTiO2
が蒸発するために、目的とする表面の圧縮応力がさほど
大きくならないという問題がある。前記のエス・エム・
オウ等の報告においては、第5図の光フアイバでは、強
度は約0.3GPa増加したにすぎず、疲労も僅かしか抑
制されないことが報告されている。
該報告では、前記したようにこのクラツド層の最外層を
石英ガラスより熱膨張係数の大きなボロンを含有した石
英ガラスとし、その外側にSiO2−TiO2ガラス層を設けた
例が示されているが、このものもその効果は十分に大き
なものではない。
石英ガラスより熱膨張係数の大きなボロンを含有した石
英ガラスとし、その外側にSiO2−TiO2ガラス層を設けた
例が示されているが、このものもその効果は十分に大き
なものではない。
またガラスの最高強度は破壊じん性値と密接な関係があ
るが、SiO2−TiO2ガスス層の破壊じん性値は石英ガラス
より低いため、第1の方法による第5図の光フアイバの
最高強度は原理的に向上しないという欠点がある。
るが、SiO2−TiO2ガスス層の破壊じん性値は石英ガラス
より低いため、第1の方法による第5図の光フアイバの
最高強度は原理的に向上しないという欠点がある。
さらに、第1の方法では線引き中にフアイバガラス表面
よりコアに向かって拡散するTiO2(TiO2となっているも
のもある),BiO3によって、伝送損失が増加する問題も
ある。BiO3が赤外域で大きな吸収を持つことはよく知ら
れている。
よりコアに向かって拡散するTiO2(TiO2となっているも
のもある),BiO3によって、伝送損失が増加する問題も
ある。BiO3が赤外域で大きな吸収を持つことはよく知ら
れている。
一方、第2の方法によるフアイバは、グラフアイト膜63
が水分を透過しにくいという好ましい性質を持ってい
る。しかし、このグラフアイト膜をCVD法によって作
成するためには1000℃以上という高温を必要とする
ために、成膜時にフアイバ表面とカーボンとが以下の反
応式によって SiO2+C → SiC+O2↑ 反応することが避けられず、フアイバ表面の滑らかさが
失われ、初期強度(すなわち最高強度)の低下が避けら
れないという欠点がある。
が水分を透過しにくいという好ましい性質を持ってい
る。しかし、このグラフアイト膜をCVD法によって作
成するためには1000℃以上という高温を必要とする
ために、成膜時にフアイバ表面とカーボンとが以下の反
応式によって SiO2+C → SiC+O2↑ 反応することが避けられず、フアイバ表面の滑らかさが
失われ、初期強度(すなわち最高強度)の低下が避けら
れないという欠点がある。
本発明は、最高強度が低下せず、伝送損失を増加させ
ず、尚且つ長期的な強度低下つまり疲労の少ない光フア
イバ及びその製造方法を新規に提供することを目的とし
ている。
ず、尚且つ長期的な強度低下つまり疲労の少ない光フア
イバ及びその製造方法を新規に提供することを目的とし
ている。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は研究を重ねた結果、水分の透過を防ぐ膜と
して水素を含むカーボン膜を採用すれば上記の目的を達
成した光フアイバが得られることを見いだし、さらに、
このような光フアイバを有利に実現できる製造方法にも
到達できた。
して水素を含むカーボン膜を採用すれば上記の目的を達
成した光フアイバが得られることを見いだし、さらに、
このような光フアイバを有利に実現できる製造方法にも
到達できた。
すなわち、本発明はコア及びクラツドを有する石英系ガ
ラスフアイバの外側に、B水素を含むカーボン層を有し
てなる光フアイバを提供するものである。水素を含むカ
ーボン層が炭素原子1原子当たり水素原子を0.3〜1
原子を含む上記光フアイバが特に好ましい。
ラスフアイバの外側に、B水素を含むカーボン層を有し
てなる光フアイバを提供するものである。水素を含むカ
ーボン層が炭素原子1原子当たり水素原子を0.3〜1
原子を含む上記光フアイバが特に好ましい。
さらに本発明はコア及びクラツドを有する石英系ガラス
フアイバの外側に、炭化水素の熱分解反応を利用して水
素を含むカーボン層を形成することを特徴とする上記光
フアイバの製造方法をも提供する。本発明の特に好まし
い実施態様としては、該石英系ガラスフアイバを600
℃以上で1000℃以下の温度範囲内で加熱し、この加
熱された石英系ガラスフアイバの外周に炭化水素ガスを
流すことにより熱分解する上記方法が挙げられる。また
本発明においては水素を含むカーボン層を形成する工程
の直前に、該石英系ガラスフアイバをAr等のプラズマ中
でのスパツタリング処理及び/又はメチル化処理してお
くことが、所期の効果を増大できるので特に好ましい。
フアイバの外側に、炭化水素の熱分解反応を利用して水
素を含むカーボン層を形成することを特徴とする上記光
フアイバの製造方法をも提供する。本発明の特に好まし
い実施態様としては、該石英系ガラスフアイバを600
℃以上で1000℃以下の温度範囲内で加熱し、この加
熱された石英系ガラスフアイバの外周に炭化水素ガスを
流すことにより熱分解する上記方法が挙げられる。また
本発明においては水素を含むカーボン層を形成する工程
の直前に、該石英系ガラスフアイバをAr等のプラズマ中
でのスパツタリング処理及び/又はメチル化処理してお
くことが、所期の効果を増大できるので特に好ましい。
以下に本発明を図面を参照して詳細に説明する。
第1図は本発明の光フアイバの一具体例の断面図であっ
て、1は石英系ガラスからなるコア、2は石英系ガラス
からなるクラツドであり、この石英系ガラスフアイバの
外側に、水分の透過を防止するための炭化水素を熱分解
することにより形成された水素を含むカーボン層3を有
する点に本発明の特徴がある。
て、1は石英系ガラスからなるコア、2は石英系ガラス
からなるクラツドであり、この石英系ガラスフアイバの
外側に、水分の透過を防止するための炭化水素を熱分解
することにより形成された水素を含むカーボン層3を有
する点に本発明の特徴がある。
本発明の光フアイバを製造するには、紡糸された石英系
ガラスフアイバの外側に水素を含むカーボン層を合成す
るが、炭化水素を原料としてCVD法により該炭化水素
の熱分解を利用して合成する。例えば石英系ガラスフア
イバを外部加熱手段を備えた反応管中を通過させ、この
反応管内に炭化水素ガスを導入することにより熱分解さ
せ、水素を含むカーボン層を石英系ガスフアイバ外周に
成長させる等の方法によればよい。
ガラスフアイバの外側に水素を含むカーボン層を合成す
るが、炭化水素を原料としてCVD法により該炭化水素
の熱分解を利用して合成する。例えば石英系ガラスフア
イバを外部加熱手段を備えた反応管中を通過させ、この
反応管内に炭化水素ガスを導入することにより熱分解さ
せ、水素を含むカーボン層を石英系ガスフアイバ外周に
成長させる等の方法によればよい。
本発明に用いることのできる炭化水素としては、例えば
CH4,C3H8等の直鎖型飽和炭化水素、C2H6,C2H4等の
直鎖型不飽和炭化水素、C6H6等の芳香族炭化水素、CH
Cl=CHCl等のハイドロクロロカーボン等が挙げら
れる。
CH4,C3H8等の直鎖型飽和炭化水素、C2H6,C2H4等の
直鎖型不飽和炭化水素、C6H6等の芳香族炭化水素、CH
Cl=CHCl等のハイドロクロロカーボン等が挙げら
れる。
本発明の光フアイバにおけるカーボン層の膜厚は500
Å〜2000Åの範囲内であることが好ましい。500
Å未満ではH2分子の透過を十分に阻止することができ
ず、2000Åを越えると膜合成時にガラスフアイバが
カーボン粒子で傷つけられるのが避けられないし、徐々
にではあるがSiCとCが反応してガラスフアイバの表
面がボロボロになるため、光フアイバの最高強度が小さ
くなってしまうので好ましくない。
Å〜2000Åの範囲内であることが好ましい。500
Å未満ではH2分子の透過を十分に阻止することができ
ず、2000Åを越えると膜合成時にガラスフアイバが
カーボン粒子で傷つけられるのが避けられないし、徐々
にではあるがSiCとCが反応してガラスフアイバの表
面がボロボロになるため、光フアイバの最高強度が小さ
くなってしまうので好ましくない。
本発明の光フアイバにおいては、この水素を含むカーボ
ン層の外側に更に通常の樹脂被覆層を設けることができ
る。
ン層の外側に更に通常の樹脂被覆層を設けることができ
る。
[作用] ガラスが乾燥空気と接している状態ではガラス表面は−
Si−O−Si−O−となっていて表面エネルギーが大
きいが、水分が存在すると、−Si−O‥H−O−Hの
ように水素結合が生じて表面エネルギーが小さくなる。
ところで、「破壊により解放される弾性エネルギーが破
壊により生じる表面エネギーよりも大きい場合に破壊が
進行する」という、いわゆるグリフス理論がこの場合う
まく当て嵌まり、ガラスと水が境界を構成すると破壊
(疲労)し易くなることが分かっている。
Si−O−Si−O−となっていて表面エネルギーが大
きいが、水分が存在すると、−Si−O‥H−O−Hの
ように水素結合が生じて表面エネルギーが小さくなる。
ところで、「破壊により解放される弾性エネルギーが破
壊により生じる表面エネギーよりも大きい場合に破壊が
進行する」という、いわゆるグリフス理論がこの場合う
まく当て嵌まり、ガラスと水が境界を構成すると破壊
(疲労)し易くなることが分かっている。
本発明の光フアイバは炭化水素を熱分解することにより
形成された水素を含むカーボン層を有することにより、
水分のガラス表面への透過を防止できるので、ガラスの
表面エネルギーが大きい状態を保てるので、疲労が少な
く、初期強度を保つことができる。
形成された水素を含むカーボン層を有することにより、
水分のガラス表面への透過を防止できるので、ガラスの
表面エネルギーが大きい状態を保てるので、疲労が少な
く、初期強度を保つことができる。
また、本発明の光フアイバは製法の上でも、ガラス強度
の低下を防止できる点で従来法によるものより有利であ
る。即ち、本発明では炭化水素を原料として用いて、こ
れを熱分解して水素を含むカーボン膜を合成する方法に
よるので、既に説明したガラスフアイバ表面のカーボン
による還元反応 SiO2+C → SiC + O2↑ が起こらない1000℃以下で合成できるので、得られ
た光フアイバの最高強度が低下しない。
の低下を防止できる点で従来法によるものより有利であ
る。即ち、本発明では炭化水素を原料として用いて、こ
れを熱分解して水素を含むカーボン膜を合成する方法に
よるので、既に説明したガラスフアイバ表面のカーボン
による還元反応 SiO2+C → SiC + O2↑ が起こらない1000℃以下で合成できるので、得られ
た光フアイバの最高強度が低下しない。
本発明の光フアイバの炭化水素を熱分解することにより
形成された水素を含むカーボン膜において、水素原子の
量は炭素原子1に対して0.3〜1が好ましい。1を越
えると膜の水分透過防止効果が小さくなり、また膜が硬
くなり光フアイバにマイクロベンドロスを生じるので好
ましくない。一方、0.3未満の膜を合成するには10
00℃以上の加熱を要するが1000℃以上での加熱で
は上記の還元反応がおきて、フアイバがボロボロになる
ため好ましくない。
形成された水素を含むカーボン膜において、水素原子の
量は炭素原子1に対して0.3〜1が好ましい。1を越
えると膜の水分透過防止効果が小さくなり、また膜が硬
くなり光フアイバにマイクロベンドロスを生じるので好
ましくない。一方、0.3未満の膜を合成するには10
00℃以上の加熱を要するが1000℃以上での加熱で
は上記の還元反応がおきて、フアイバがボロボロになる
ため好ましくない。
水素を含むカーボン膜合成工程直前にガラスフアイバの
ガラス表面をメチル化して疎水処理を施しておくと、万
が一水分が水素を含むカーボン膜を透過して来てもガラ
ス表面と水分・水素とが水素結合せず、ガラスの表面エ
ネルギーが減少しないので、光フアイバの疲労を抑える
ことができる。疎水化はジメチルジクロルシラン雰囲気
で光フアイバを500℃に加熱することにより行うこと
が好ましい。
ガラス表面をメチル化して疎水処理を施しておくと、万
が一水分が水素を含むカーボン膜を透過して来てもガラ
ス表面と水分・水素とが水素結合せず、ガラスの表面エ
ネルギーが減少しないので、光フアイバの疲労を抑える
ことができる。疎水化はジメチルジクロルシラン雰囲気
で光フアイバを500℃に加熱することにより行うこと
が好ましい。
また熱分解によるカーボン膜合成直前又は疎水化処理直
前にAr等のプラズマス中で光フアイバをスパツタリング
して表面を清浄にすることが有効である。
前にAr等のプラズマス中で光フアイバをスパツタリング
して表面を清浄にすることが有効である。
従って疎水化は、線引直後又はプラズマスパツタリング
の直後でカーボン膜合成前に行うことが好ましい。
の直後でカーボン膜合成前に行うことが好ましい。
[実施例] 実施例1 第2図に示す装置を用いて光フアイバ用プリフオームを
溶融・紡糸してガラスファイバとし、しかる後にクラツ
ドガラスの外側に水素を含むカーボン層をCVD法によ
り成長させ、さらにその上を紫外線硬化樹脂で被覆し
て、本発明の光フアイバ素線を製造した。図中1は光フ
アイバ用プリフオーム、2は紡糸炉であり、ここで外径
30mmφの光フアイバ用プリフオームを外径125mmφ
のガラスフアイバ11とした。ガラスの線速は3m/sec
であった。このガラスフアイバ11は紡糸炉2直下の赤外
線加熱装置6を持つカーボンコーテイング装置5内に送
り込まれた。カーボンコーテイング装置5の入口・出口
には、ガラスフアイバ11の温度を測定する装置3,4が備
え付けられている。入口側測定装置3で測定したフアイ
バ温度は850℃であった。赤外線加熱装置6のパワー
は出口側測定装置4で測定したフアイバ温度が800℃
になるように調節した。カーボンコーテイング装置5に
は、反応ガス入口7,出口8が設けられている。反応ガ
ス入口7はフアイバ出口近くに、反応ガス出口8はフア
イバ入口近くに設けられている。反応ガス入口7からは
CH4を1500cc/secで導入した。カーボンコーテ
イング装置5の内径は20mm、長さは500mmである。
カーボンコーテイング装置5を通過した水素を含むカー
ボン層を被覆された被覆フアイバは、通常の紫外線樹脂
被覆装置9を経て、ここで紫外線硬化アクリル樹脂を6
2.5μmの層厚で被覆され、次に巻き取り装置10で巻
き取られた。以上により得られた本発明の光フアイバの
構造、特性を調べたところ、次のような結果が得られ
た。
溶融・紡糸してガラスファイバとし、しかる後にクラツ
ドガラスの外側に水素を含むカーボン層をCVD法によ
り成長させ、さらにその上を紫外線硬化樹脂で被覆し
て、本発明の光フアイバ素線を製造した。図中1は光フ
アイバ用プリフオーム、2は紡糸炉であり、ここで外径
30mmφの光フアイバ用プリフオームを外径125mmφ
のガラスフアイバ11とした。ガラスの線速は3m/sec
であった。このガラスフアイバ11は紡糸炉2直下の赤外
線加熱装置6を持つカーボンコーテイング装置5内に送
り込まれた。カーボンコーテイング装置5の入口・出口
には、ガラスフアイバ11の温度を測定する装置3,4が備
え付けられている。入口側測定装置3で測定したフアイ
バ温度は850℃であった。赤外線加熱装置6のパワー
は出口側測定装置4で測定したフアイバ温度が800℃
になるように調節した。カーボンコーテイング装置5に
は、反応ガス入口7,出口8が設けられている。反応ガ
ス入口7はフアイバ出口近くに、反応ガス出口8はフア
イバ入口近くに設けられている。反応ガス入口7からは
CH4を1500cc/secで導入した。カーボンコーテ
イング装置5の内径は20mm、長さは500mmである。
カーボンコーテイング装置5を通過した水素を含むカー
ボン層を被覆された被覆フアイバは、通常の紫外線樹脂
被覆装置9を経て、ここで紫外線硬化アクリル樹脂を6
2.5μmの層厚で被覆され、次に巻き取り装置10で巻
き取られた。以上により得られた本発明の光フアイバの
構造、特性を調べたところ、次のような結果が得られ
た。
膜厚;フアイバの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で
撮映したところ、150nmであった。
撮映したところ、150nmであった。
水素含有量;カーボン層を燃焼させて、発生する水分量
を測定したところ、カーボン1原子当り0.5原子の水
素原子があった。
を測定したところ、カーボン1原子当り0.5原子の水
素原子があった。
フアイバ強度;フアイバを20m取り、その一端を固定
し、多端を荷重を計りながら1m/secの速さで引っ張
り、最終的に破断させ、破断時の荷重を測定する引張り
試験を20回(フアイバ20本分)行った。このデータに
より、荷重P(引張り強度PGa)の時何%のフアイバが破
断していたか(破断確率)をワイブル確率紙上にプロツ
トしたものを、第3図にAとして示す。第3図のBはカ
ーボン層を持たない通常のフアイバ(比較品)について
同様に試験した結果である。本発明品のAは比較品のB
に比べて疲労が少ないことが分かる。なお、n値(ワイ
ブル確率紙上に表れた傾きから求められるワイブル分布
の形状パラメータで、この場合は疲労しにくさを示す)
180、初期強度(破断確率100%への外挿値)4.
8GPaであった。
し、多端を荷重を計りながら1m/secの速さで引っ張
り、最終的に破断させ、破断時の荷重を測定する引張り
試験を20回(フアイバ20本分)行った。このデータに
より、荷重P(引張り強度PGa)の時何%のフアイバが破
断していたか(破断確率)をワイブル確率紙上にプロツ
トしたものを、第3図にAとして示す。第3図のBはカ
ーボン層を持たない通常のフアイバ(比較品)について
同様に試験した結果である。本発明品のAは比較品のB
に比べて疲労が少ないことが分かる。なお、n値(ワイ
ブル確率紙上に表れた傾きから求められるワイブル分布
の形状パラメータで、この場合は疲労しにくさを示す)
180、初期強度(破断確率100%への外挿値)4.
8GPaであった。
実施例2 実施例1と同じ装置で水素を含むカーボン層を持つ本発
明の光フアイバ素線が作製したが、紡糸炉とカーボンコ
ーテイング装置との間の距離及び赤外線加熱装置の出力
を調節することにより、カーボンコーテイング装置の入
口及び出口でのフアイバ温度を表に示すように変化させ
た。得られたフアイバのそれぞれについて、水素量(炭
素原子に対する比),n値,初期強度,損失,膜厚の各
項目につき測定を行った。この結果も表に併せて示す。
明の光フアイバ素線が作製したが、紡糸炉とカーボンコ
ーテイング装置との間の距離及び赤外線加熱装置の出力
を調節することにより、カーボンコーテイング装置の入
口及び出口でのフアイバ温度を表に示すように変化させ
た。得られたフアイバのそれぞれについて、水素量(炭
素原子に対する比),n値,初期強度,損失,膜厚の各
項目につき測定を行った。この結果も表に併せて示す。
上記の表から次のことが分かる。
即ち、フアイバ加熱温度が1000℃を越すと、初期強
度の低下がみられ、一方100℃未満ではn値が低くな
りマイクロベンドによるロス増加がある。従って、60
0〜1000℃の温度範囲内に加熱して炭化水素を分解
することが好ましいことが分かるが、この条件で得られ
る水素を含むカーボン膜中に水素原子量/炭素原子量は
0.3〜1である。膜厚は合成時の温度が高い程暑くな
る。
度の低下がみられ、一方100℃未満ではn値が低くな
りマイクロベンドによるロス増加がある。従って、60
0〜1000℃の温度範囲内に加熱して炭化水素を分解
することが好ましいことが分かるが、この条件で得られ
る水素を含むカーボン膜中に水素原子量/炭素原子量は
0.3〜1である。膜厚は合成時の温度が高い程暑くな
る。
実施例3 第4図の装置を用いて、光フアイバ用プリフオームを溶
融・紡糸し、ガラスフアイバとし、しかも後クラツドガ
ラスの外側に水素を含むカーボン層をCVD法により成
長させ、さらにその上に紫外線硬化樹脂で被覆して本発
明の光フアイバ素線を製造した。紡糸炉2で線速3m/
secで紡糸された外径125μmのガラスフアイバ11
は、Arガス0.1 torrに保たれたArスパツタリング装
置12に導入され、しかる後カーボンコーテイング装置13
へ導入される。カーボンコーテイング装置13は2個の反
応容器14,15より成り立っており、該反応容器14内では
ジメチルジクロルシランを用いてフアイバ表面の疎水化
(メチル化)を行った。なお、第4図において1〜4及
び6〜11の符号の意味するところは第2図と同じであ
り、16はメチル化用ガス入口、17は同出口である。
融・紡糸し、ガラスフアイバとし、しかも後クラツドガ
ラスの外側に水素を含むカーボン層をCVD法により成
長させ、さらにその上に紫外線硬化樹脂で被覆して本発
明の光フアイバ素線を製造した。紡糸炉2で線速3m/
secで紡糸された外径125μmのガラスフアイバ11
は、Arガス0.1 torrに保たれたArスパツタリング装
置12に導入され、しかる後カーボンコーテイング装置13
へ導入される。カーボンコーテイング装置13は2個の反
応容器14,15より成り立っており、該反応容器14内では
ジメチルジクロルシランを用いてフアイバ表面の疎水化
(メチル化)を行った。なお、第4図において1〜4及
び6〜11の符号の意味するところは第2図と同じであ
り、16はメチル化用ガス入口、17は同出口である。
この方法で得た本発明の光フアイバにおいては、ガラス
フアイバと水素を含むカーボンコーテイング層は完全に
化学的結合によりつながっている。以上で得られた光フ
アイバの構造、特性は以下の通りであった。
フアイバと水素を含むカーボンコーテイング層は完全に
化学的結合によりつながっている。以上で得られた光フ
アイバの構造、特性は以下の通りであった。
膜厚;150nm 水素量;カーボン1原子当り0.5個 フアイバ強度;n値250 初期強度4.8GPa [発明の効果] 本発明は最高強度(初期強度)が低下せず、従来のTiO2
やBiO3を含有する層を持つものにみられた伝送損失の増
加がなく、しかも長期的な強度低下即ち疲労の少ないフ
アイバの新規な構造を提供できる。また本発明の製造方
法は本発明の構造をフアイバの特性を損なうことなく有
利に実現できるものである。
やBiO3を含有する層を持つものにみられた伝送損失の増
加がなく、しかも長期的な強度低下即ち疲労の少ないフ
アイバの新規な構造を提供できる。また本発明の製造方
法は本発明の構造をフアイバの特性を損なうことなく有
利に実現できるものである。
第1図は本発明の光フアイバを説明する断面図、第2図
は本発明の方法が実施態様を説明する図、第3図は本発
明の実施例2で作製した本発明品の引張り強度(GPa)と
破壊確率(%)の関係Aと、比較品の同関係Bを示す
図、第4図は本発明の方法の別の実施態様であって、予
めArスパツタリング処理とメチル化処理を施す例の説明
図、第5図及び第6図は従来の光フアイバを説明する断
面図である。 1…光フアイバ用プリフオーム、2…紡糸炉、3…入口
側温度測定装置、4…出口側温度測定装置、5…カーボ
ンコーテイング装置、6…赤外線加熱装置、7…反応ガ
ス入口、8…反応ガス出口、9…紫外線硬化樹脂被覆装
置、10…巻き取り装置、11…ガラスフアイバ、12…Arス
パツタリング装置、13…カーボンコーテイング装置、14
…メチル化用反応容器、15…カーボンコーテイング用反
応容器、16…メチル化用ガス入口、17…メチル化用ガス
出口。
は本発明の方法が実施態様を説明する図、第3図は本発
明の実施例2で作製した本発明品の引張り強度(GPa)と
破壊確率(%)の関係Aと、比較品の同関係Bを示す
図、第4図は本発明の方法の別の実施態様であって、予
めArスパツタリング処理とメチル化処理を施す例の説明
図、第5図及び第6図は従来の光フアイバを説明する断
面図である。 1…光フアイバ用プリフオーム、2…紡糸炉、3…入口
側温度測定装置、4…出口側温度測定装置、5…カーボ
ンコーテイング装置、6…赤外線加熱装置、7…反応ガ
ス入口、8…反応ガス出口、9…紫外線硬化樹脂被覆装
置、10…巻き取り装置、11…ガラスフアイバ、12…Arス
パツタリング装置、13…カーボンコーテイング装置、14
…メチル化用反応容器、15…カーボンコーテイング用反
応容器、16…メチル化用ガス入口、17…メチル化用ガス
出口。
Claims (6)
- 【請求項1】コア及びクラッドを有する石英系ガラスフ
アイバの外側に、炭化水素を熱分解することにより形成
された水素を含むカーボン層を有してなる光フアイバ。 - 【請求項2】水素を含むカーボン層は炭素原子1原子当
たり水素原子を0.3〜1原子含むことを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載の光フアイバ。 - 【請求項3】コア及びクラッドを有する石英系ガラスフ
アイバの外側に、炭化水素を熱分解することにより水素
を含むカーボン層を成長させることを特徴とする光フア
イバの製造方法。 - 【請求項4】該石英系ガラスフアイバを600℃以上で
1000℃以下の温度範囲内で加熱し、この加熱された
石英系ガラスフアイバの外周に炭化水素を流して熱分解
することを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の光フ
アイバの製造方法。 - 【請求項5】該石英系ガラスフアイバは、水素を含むカ
ーボン層を成長させる直前にプラズマスパツタリング処
理されていることを特徴とする特許請求の範囲第3又は
4項に記載の光フアイバの製造方法。 - 【請求項6】該石英系ガラスフアイバは、線引き直後又
はプラズマスパツタリング処理直後で水素を含むカーボ
ン層を成長させる直前にメチル化処理されていることを
特徴とする特許請求の範囲第3乃至5項のいずれに記載
の光フアイバの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63176941A JPH0648325B2 (ja) | 1988-07-18 | 1988-07-18 | 光ファイバ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63176941A JPH0648325B2 (ja) | 1988-07-18 | 1988-07-18 | 光ファイバ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0227308A JPH0227308A (ja) | 1990-01-30 |
JPH0648325B2 true JPH0648325B2 (ja) | 1994-06-22 |
Family
ID=16022415
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63176941A Expired - Lifetime JPH0648325B2 (ja) | 1988-07-18 | 1988-07-18 | 光ファイバ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0648325B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0235404A (ja) * | 1988-07-26 | 1990-02-06 | Fujikura Ltd | 光ファイバ |
JP2644018B2 (ja) * | 1988-12-13 | 1997-08-25 | 株式会社フジクラ | 光ファイバの製造方法 |
US5628940A (en) * | 1994-07-11 | 1997-05-13 | Reno & Son, Inc. | Process for applying low-cement castable refractory material |
JPH0925175A (ja) * | 1995-05-11 | 1997-01-28 | Asahi Glass Co Ltd | 不定形耐火物の吹付け施工方法 |
US5783510A (en) * | 1995-07-04 | 1998-07-21 | Asahi Glass Company Ltd. | Monolithic refractory composition wall |
JP3046251B2 (ja) * | 1996-10-15 | 2000-05-29 | 大光炉材株式会社 | 緻密質流し込み耐火組成物の湿式吹付け施工方法 |
JP4728009B2 (ja) * | 2005-02-16 | 2011-07-20 | オリンパス株式会社 | ファイバ製造方法およびファイバ |
EP2340451A2 (en) * | 2008-09-26 | 2011-07-06 | Corning Incorporated | High numerical aperture multimode optical fiber |
JP2011102964A (ja) | 2009-10-14 | 2011-05-26 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光ファイバおよび光ファイバ製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4512629A (en) * | 1982-03-30 | 1985-04-23 | Hewlett-Packard Company | Optical fiber with hermetic seal and method for making same |
JPH0646251B2 (ja) * | 1985-05-22 | 1994-06-15 | 株式会社フジクラ | 光フアイバ |
JPS6283339A (ja) * | 1985-10-08 | 1987-04-16 | Yokogawa Hewlett Packard Ltd | 光フアイバ被膜形成方法 |
EP0308143B1 (en) * | 1987-09-18 | 1993-11-24 | AT&T Corp. | Hermetically sealed optical fibers |
-
1988
- 1988-07-18 JP JP63176941A patent/JPH0648325B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0227308A (ja) | 1990-01-30 |
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