JPH0643511Y2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents
スクロール型圧縮機Info
- Publication number
- JPH0643511Y2 JPH0643511Y2 JP1989005802U JP580289U JPH0643511Y2 JP H0643511 Y2 JPH0643511 Y2 JP H0643511Y2 JP 1989005802 U JP1989005802 U JP 1989005802U JP 580289 U JP580289 U JP 580289U JP H0643511 Y2 JPH0643511 Y2 JP H0643511Y2
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- movable scroll
- base end
- end wall
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Description
【考案の詳細な説明】 本考案は、固定スクロールと、この固定スクロールに対
向して自転不能に公転する可動スクロールとの間に可動
スクロールの公転に基づいて容積減少する密閉空間を形
成するスクロール型圧縮機に関するものである。
向して自転不能に公転する可動スクロールとの間に可動
スクロールの公転に基づいて容積減少する密閉空間を形
成するスクロール型圧縮機に関するものである。
[従来の技術] 特開昭59-28082号公報に開示されるこの種の圧縮機で
は、ハウジングを構成する固定基板と可動スクロールの
基端壁との対向面上に複数の凹部を対向して設け、この
対向凹部間に自転阻止用素子を介在して自転阻止機構が
構成されている。即ち、可動スクロールの公転半径は対
向凹部の一方における自転阻止用素子の可動領域の径と
他方における自動阻止用素子の可動領域の径との和に規
制されるようになっている。従って、可動スクロールの
スラスト方向荷重のみならずラジアル方向荷重も受け止
めることになり、これにより可動スクロールの自転阻止
が行われる。このような自転阻止機構を構成する自転阻
止用素子は可動スクロールの偏心軸の周囲、即ち可動ス
クロールの基端壁の周縁に近い位置に配置される。
は、ハウジングを構成する固定基板と可動スクロールの
基端壁との対向面上に複数の凹部を対向して設け、この
対向凹部間に自転阻止用素子を介在して自転阻止機構が
構成されている。即ち、可動スクロールの公転半径は対
向凹部の一方における自転阻止用素子の可動領域の径と
他方における自動阻止用素子の可動領域の径との和に規
制されるようになっている。従って、可動スクロールの
スラスト方向荷重のみならずラジアル方向荷重も受け止
めることになり、これにより可動スクロールの自転阻止
が行われる。このような自転阻止機構を構成する自転阻
止用素子は可動スクロールの偏心軸の周囲、即ち可動ス
クロールの基端壁の周縁に近い位置に配置される。
[考案が解決しようとする課題] このような自転阻止機構によって自転することなく公転
する可動スクロールの軽量化は圧縮機全体の軽量化に対
する寄与程度が大きい。可動スクロールの軽量化にはア
ルミニウム系の材質を用いることがコストの点からも有
利である。しかしながら、アルミニウム系の材質を用い
た可動スクロールの軽量化は前記した自転阻止機構の存
在によって次のような問題をもたらす。
する可動スクロールの軽量化は圧縮機全体の軽量化に対
する寄与程度が大きい。可動スクロールの軽量化にはア
ルミニウム系の材質を用いることがコストの点からも有
利である。しかしながら、アルミニウム系の材質を用い
た可動スクロールの軽量化は前記した自転阻止機構の存
在によって次のような問題をもたらす。
即ち、可動スクロールの渦巻部の中央部付近では圧縮反
力が大きく、可動スクロールの基端壁の中央部には大き
なスラスト荷重が加わる。可動スクロールの基端壁に対
する圧縮反力は前記した自転阻止機構を介して固定基板
に受け止められるが、自転阻止機構が基端壁の外周近傍
に位置しているために基端壁の中央部に加わる圧縮反力
が自転阻止機構の自転阻止用素子を支点としたてこ作用
となる。そのため、強度の劣る可動スクロールの基端壁
が撓み変形し、可動スクロールの渦巻部の終端部の先端
面が固定スクロールの基端壁に異常に強く押し付けられ
る。これによりこの摺接部位における異常な摺接によっ
て異音が発生したり、摩耗損傷が激しくなる。さらに可
動スクロールの基端壁の撓み変形は渦巻部の垂直度を狂
わせ、圧縮効率の低下に繋がる両スクロールの渦巻部間
の接触精度の低下も誘発される。
力が大きく、可動スクロールの基端壁の中央部には大き
なスラスト荷重が加わる。可動スクロールの基端壁に対
する圧縮反力は前記した自転阻止機構を介して固定基板
に受け止められるが、自転阻止機構が基端壁の外周近傍
に位置しているために基端壁の中央部に加わる圧縮反力
が自転阻止機構の自転阻止用素子を支点としたてこ作用
となる。そのため、強度の劣る可動スクロールの基端壁
が撓み変形し、可動スクロールの渦巻部の終端部の先端
面が固定スクロールの基端壁に異常に強く押し付けられ
る。これによりこの摺接部位における異常な摺接によっ
て異音が発生したり、摩耗損傷が激しくなる。さらに可
動スクロールの基端壁の撓み変形は渦巻部の垂直度を狂
わせ、圧縮効率の低下に繋がる両スクロールの渦巻部間
の接触精度の低下も誘発される。
可動スクロールの撓み変形を抑制するために基端壁及び
渦巻部の壁厚増加を図る手段もあるが、壁厚増加は荷重
増加に繋がり、しかも圧縮室の容量を確保しつつ渦巻部
の壁厚増加を行なうには可動スクロールの拡径化を図ら
ねばならず、圧縮機全体の大型化が避けられない。
渦巻部の壁厚増加を図る手段もあるが、壁厚増加は荷重
増加に繋がり、しかも圧縮室の容量を確保しつつ渦巻部
の壁厚増加を行なうには可動スクロールの拡径化を図ら
ねばならず、圧縮機全体の大型化が避けられない。
特開昭63-248991号公報では可動スクロールの基端壁の
周縁部が全周にわたって固定スクロールの対向端面に常
時重なり合う構成が図示されており、この重合構成を前
記した自転阻止機構を備えた圧縮機に適用すれば可動ス
クロールの撓み変形を防止することはできる。しかしな
がら、この重合構成では可動スクロールの基端壁の可動
領域の半径が大きくなり、圧縮機の大型化が避けられな
い。
周縁部が全周にわたって固定スクロールの対向端面に常
時重なり合う構成が図示されており、この重合構成を前
記した自転阻止機構を備えた圧縮機に適用すれば可動ス
クロールの撓み変形を防止することはできる。しかしな
がら、この重合構成では可動スクロールの基端壁の可動
領域の半径が大きくなり、圧縮機の大型化が避けられな
い。
本考案は可動スクロールの軽量化の観点に立って圧縮機
の大型化を回避しつつ可動スクロールの撓み変形を防止
し得るスクロール型圧縮機を提供することを目的とする
ものである。
の大型化を回避しつつ可動スクロールの撓み変形を防止
し得るスクロール型圧縮機を提供することを目的とする
ものである。
[課題を解決するための手段] そのため本考案では可動スクロールをアルミニウム製と
し、可動スクロールの基端壁に立設された渦巻部の終端
部を基端壁の周縁から内側へ引き込んで離し、固定スク
ロール側の固定部位には可動スクロールの周縁部の摺接
対象となる摺接段差を環状に設け、摺接段差の内周半径
R2は可動スクロールの基端壁の半径R1と公転半径r0との
差より大きく、同基端壁の半径R1と公転半径r0との和よ
り小さく設定し、可動スクロールの基端壁の周縁部と摺
接段差との間には可動スクロールの公転に伴って互いの
一部のみが重なり合う摺接関係を設定した。
し、可動スクロールの基端壁に立設された渦巻部の終端
部を基端壁の周縁から内側へ引き込んで離し、固定スク
ロール側の固定部位には可動スクロールの周縁部の摺接
対象となる摺接段差を環状に設け、摺接段差の内周半径
R2は可動スクロールの基端壁の半径R1と公転半径r0との
差より大きく、同基端壁の半径R1と公転半径r0との和よ
り小さく設定し、可動スクロールの基端壁の周縁部と摺
接段差との間には可動スクロールの公転に伴って互いの
一部のみが重なり合う摺接関係を設定した。
[作用] 両スクロールの渦巻部の中央部における高い圧縮反力に
よってアルミニウム製の可動スクロールの基端壁が自転
阻止用素子を支点として撓もうとする。可動スクロール
の渦巻部の終端部が可動スクロールの公転に伴って固定
スクロールの渦巻部から遠ざかっている場合には可動ス
クロールの渦巻部の終端部付近における基端壁の周縁部
が摺接段差に重合しており、この重合作用によって渦巻
部の終端部が固定スクロールの基端壁側へ変位すること
が阻止される。可動スクロールの渦巻部の終端部が固定
スクロールの渦巻部に接近している場合には終端部付近
における基端壁の周縁部が摺接段差から外れるが、渦巻
部の終端部付近の基端壁には固定スクロール側の渦巻部
先端が当接しており、この当接作用によって渦巻部の終
端部が固定スクロール側へ変位することが阻止される。
従って、可動スクロールは常時撓み変形を阻止されてお
り、しかも可動スクロールの基端壁の周縁部と摺接段差
との部分的な重合構成によって可動スクロールの可動領
域の拡径化が抑制されている。
よってアルミニウム製の可動スクロールの基端壁が自転
阻止用素子を支点として撓もうとする。可動スクロール
の渦巻部の終端部が可動スクロールの公転に伴って固定
スクロールの渦巻部から遠ざかっている場合には可動ス
クロールの渦巻部の終端部付近における基端壁の周縁部
が摺接段差に重合しており、この重合作用によって渦巻
部の終端部が固定スクロールの基端壁側へ変位すること
が阻止される。可動スクロールの渦巻部の終端部が固定
スクロールの渦巻部に接近している場合には終端部付近
における基端壁の周縁部が摺接段差から外れるが、渦巻
部の終端部付近の基端壁には固定スクロール側の渦巻部
先端が当接しており、この当接作用によって渦巻部の終
端部が固定スクロール側へ変位することが阻止される。
従って、可動スクロールは常時撓み変形を阻止されてお
り、しかも可動スクロールの基端壁の周縁部と摺接段差
との部分的な重合構成によって可動スクロールの可動領
域の拡径化が抑制されている。
[実施例] 以下、本考案を具体化した一実施例を第1〜4図に基づ
いて説明する。
いて説明する。
第1図に示すように1はリヤハウジングを兼ねるアルミ
ニウム製の固定スクロールであり、固定スクロール1と
フロントハウジング2とが接合固定されていると共に、
固定スクロール1の外周壁3の先端部内周面には環状の
固定基板4がフロントハウジング2先端面に接するよう
に嵌入固定されている。フロントハウジング2内には回
転軸5が回転可能に収容されており、回転軸5の大径部
5aの内端面上の偏心位置には偏心軸6が固定基板4の中
央部の通路を通って固定スクロール1の外周壁3の包囲
領域内に突設されている。
ニウム製の固定スクロールであり、固定スクロール1と
フロントハウジング2とが接合固定されていると共に、
固定スクロール1の外周壁3の先端部内周面には環状の
固定基板4がフロントハウジング2先端面に接するよう
に嵌入固定されている。フロントハウジング2内には回
転軸5が回転可能に収容されており、回転軸5の大径部
5aの内端面上の偏心位置には偏心軸6が固定基板4の中
央部の通路を通って固定スクロール1の外周壁3の包囲
領域内に突設されている。
偏心軸6には円弧板からなるバランスウェイト7及びブ
ッシュ8が回動可能に支持されていると共に、ブッシュ
8にはアルミニウム製の可動スクロール9が固定スクロ
ール1と対向接合して回転可能に支持されており、両ス
クロール1,9の基端壁1a,9a及び渦巻部1b,9bにより圧縮
室が形成されている。
ッシュ8が回動可能に支持されていると共に、ブッシュ
8にはアルミニウム製の可動スクロール9が固定スクロ
ール1と対向接合して回転可能に支持されており、両ス
クロール1,9の基端壁1a,9a及び渦巻部1b,9bにより圧縮
室が形成されている。
可動スクロール9に対する固定基板4の対向面には固定
リング10が止着されており、固定リング10には円形状の
複数の公転位置規制孔10aが等間隔位置に透設されてい
る。可動スクロール9の円板状の基端壁9aの背面には可
動リング11が止着されていると共に、可動リング11には
円形状の公転位置規制孔11aが公転位置規制孔10aと対応
して等間隔位置に透設されている。各公転位置規制孔10
a,11aにはこれより小径の円板状シュー12A,12Bが挿入さ
れており、対向するシュー12A,12B間にはボール13が介
在されており、前記円板状シュー12A,12B及びボール13
により自転阻止用素子が構成されている。
リング10が止着されており、固定リング10には円形状の
複数の公転位置規制孔10aが等間隔位置に透設されてい
る。可動スクロール9の円板状の基端壁9aの背面には可
動リング11が止着されていると共に、可動リング11には
円形状の公転位置規制孔11aが公転位置規制孔10aと対応
して等間隔位置に透設されている。各公転位置規制孔10
a,11aにはこれより小径の円板状シュー12A,12Bが挿入さ
れており、対向するシュー12A,12B間にはボール13が介
在されており、前記円板状シュー12A,12B及びボール13
により自転阻止用素子が構成されている。
両シュー12A,12B及びボール13は圧縮反作用によって固
定基板4と可動スクロール9との間で圧縮嵌合し、見掛
けの上で一体化する。シュー12A,12Bは公転位置規制孔1
0a,11a内に円形状の可動領域を持ち、シュー12A,12Bの
可動直径は偏心軸6の公転半径に一致するように設定さ
れている。従って、第2,3図に示すように全てのシュー1
2A,12Bが偏心軸6の公転によって同一方向にて公転位置
規制孔10a,11a間に挟みこまれながら公転位置規制孔10
a,11aの周縁を周回し、可動スクロール9が自転するこ
となく公転する。
定基板4と可動スクロール9との間で圧縮嵌合し、見掛
けの上で一体化する。シュー12A,12Bは公転位置規制孔1
0a,11a内に円形状の可動領域を持ち、シュー12A,12Bの
可動直径は偏心軸6の公転半径に一致するように設定さ
れている。従って、第2,3図に示すように全てのシュー1
2A,12Bが偏心軸6の公転によって同一方向にて公転位置
規制孔10a,11a間に挟みこまれながら公転位置規制孔10
a,11aの周縁を周回し、可動スクロール9が自転するこ
となく公転する。
自転を阻止されつつ公転する可動スクロール9の公転位
置を規制する固定基板4の近傍における外周壁3には冷
媒ガス導入用の入口1cが設けられており、両スクロール
1,9間の圧縮室へ導入される。そして、両スクロール1,9
間にて圧縮された冷媒ガスは吐出弁14により開放可能に
閉塞されている吐出口1dから固定スクロール1の基端壁
1aの背面側の吐出室15内へ吐出される。
置を規制する固定基板4の近傍における外周壁3には冷
媒ガス導入用の入口1cが設けられており、両スクロール
1,9間の圧縮室へ導入される。そして、両スクロール1,9
間にて圧縮された冷媒ガスは吐出弁14により開放可能に
閉塞されている吐出口1dから固定スクロール1の基端壁
1aの背面側の吐出室15内へ吐出される。
固定スクロール1の渦巻部1bの先端面には支持溝1eが渦
巻部1bの始端部から終端部近くにわたって形成されてお
り、支持溝1eにはこれと同一長のシール部材16が嵌入さ
れている。同様に、可動スクロール9の渦巻部9bの先端
面には支持溝9cが渦巻部9bの始端部から終端部近くにわ
たって形成されており、支持溝9cにはこれと同一長のシ
ール部材17が嵌入されている。シール部材16は可動スク
ロール9の基端壁9aに接すると共に、シール部材17は固
定スクロール1の基端壁1aに接し、可動スクロール9の
公転に伴って両シール部材16,17は基端壁9a,1aと摺接す
る。
巻部1bの始端部から終端部近くにわたって形成されてお
り、支持溝1eにはこれと同一長のシール部材16が嵌入さ
れている。同様に、可動スクロール9の渦巻部9bの先端
面には支持溝9cが渦巻部9bの始端部から終端部近くにわ
たって形成されており、支持溝9cにはこれと同一長のシ
ール部材17が嵌入されている。シール部材16は可動スク
ロール9の基端壁9aに接すると共に、シール部材17は固
定スクロール1の基端壁1aに接し、可動スクロール9の
公転に伴って両シール部材16,17は基端壁9a,1aと摺接す
る。
可動スクロール9の円板状の基端壁9aに立設された渦巻
部9bの終端部9dは基端壁9aの円周縁から内側へ引き込ん
で離されており、固定スクロール1の外周壁3には摺接
段差3aがシール部材16の摺接面と面一となるように円環
状に設けられている。そして、基端壁9aの半径をR1、摺
接段差3aの内周半径をR2、可動スクロール9の公転半径
をr0とした場合、これら各半径の間には次式(1)の関
係が設定されている。
部9bの終端部9dは基端壁9aの円周縁から内側へ引き込ん
で離されており、固定スクロール1の外周壁3には摺接
段差3aがシール部材16の摺接面と面一となるように円環
状に設けられている。そして、基端壁9aの半径をR1、摺
接段差3aの内周半径をR2、可動スクロール9の公転半径
をr0とした場合、これら各半径の間には次式(1)の関
係が設定されている。
R1+r0>R2>R1−r0 ……(1) 即ち、可動スクロール9の公転に伴って基端壁9aの周縁
部と摺接段差3aとの一部が互いに重合摺接してゆき、第
3,4図に示すように渦巻部9bの終端部9dが固定スクロー
ル1の渦巻部1bの終端部から離間した状態では終端部9d
付近の周縁部と摺接段差3aの一部とが摺接する。渦巻部
9bの終端部9dが固定スクロール1の渦巻部1bの終端部か
ら離間した状態では両渦巻部1b,9bの中央部の高い圧縮
反力による基端壁9aの撓み力は終端部9d付近においては
基端壁9aの周縁部と摺接段差3aとの重合摺接によって受
け止められる。これにより基端壁9aの撓み力による終端
部9dの固定スクロール1側への変位が防止され、終端部
9dの先端が固定スクロール1の基端壁1aに異常に強く押
し付けられることはない。終端部9dが固定スクロール1
の渦巻部1bの終端部に近付いた状態では終端部9d付近に
おける基端壁9aの周縁部が摺接段差3aから外れるが、終
端部9d付近の撓み変形は固定スクロール1の渦巻部1bの
終端部と可動スクロール9の基端壁9aとの摺接によって
阻止される。従って、アニミニウム製の終端部9dの先端
とアルミニウム製の基端壁1aとの間で異常な摺接が生じ
ることはなく、異常摩耗及び異常音の発生がなくなる。
部と摺接段差3aとの一部が互いに重合摺接してゆき、第
3,4図に示すように渦巻部9bの終端部9dが固定スクロー
ル1の渦巻部1bの終端部から離間した状態では終端部9d
付近の周縁部と摺接段差3aの一部とが摺接する。渦巻部
9bの終端部9dが固定スクロール1の渦巻部1bの終端部か
ら離間した状態では両渦巻部1b,9bの中央部の高い圧縮
反力による基端壁9aの撓み力は終端部9d付近においては
基端壁9aの周縁部と摺接段差3aとの重合摺接によって受
け止められる。これにより基端壁9aの撓み力による終端
部9dの固定スクロール1側への変位が防止され、終端部
9dの先端が固定スクロール1の基端壁1aに異常に強く押
し付けられることはない。終端部9dが固定スクロール1
の渦巻部1bの終端部に近付いた状態では終端部9d付近に
おける基端壁9aの周縁部が摺接段差3aから外れるが、終
端部9d付近の撓み変形は固定スクロール1の渦巻部1bの
終端部と可動スクロール9の基端壁9aとの摺接によって
阻止される。従って、アニミニウム製の終端部9dの先端
とアルミニウム製の基端壁1aとの間で異常な摺接が生じ
ることはなく、異常摩耗及び異常音の発生がなくなる。
又、基端壁9aの撓み変形の抑制によって渦巻部9bの垂直
度が狂うことはなく、固定スクロール1の渦巻部1bと可
動スクロール9の渦巻部9bとの間の摺接精度は良好に保
たれる。
度が狂うことはなく、固定スクロール1の渦巻部1bと可
動スクロール9の渦巻部9bとの間の摺接精度は良好に保
たれる。
基端壁9aの撓み変形の抑制は基端壁9aの周縁部と摺接段
差3aとが全周で重合する構成によってもできるが、全周
にわたる重合構成は基端壁9a及び摺接段差3aの拡径化を
必要とし、圧縮機全体の大型化に繋がる。式(1)で表
されるように基端壁9aの周縁部と摺接段差3aとの重合が
常に部分的なものとなるような関係を半径R1,R2及び公
転半径r0の間に設定したので、基端壁9a及び摺接段差3a
の拡径化、即ち圧縮機の大型化を回避しつつ可動スクロ
ール9の撓み変形を防止することができる。
差3aとが全周で重合する構成によってもできるが、全周
にわたる重合構成は基端壁9a及び摺接段差3aの拡径化を
必要とし、圧縮機全体の大型化に繋がる。式(1)で表
されるように基端壁9aの周縁部と摺接段差3aとの重合が
常に部分的なものとなるような関係を半径R1,R2及び公
転半径r0の間に設定したので、基端壁9a及び摺接段差3a
の拡径化、即ち圧縮機の大型化を回避しつつ可動スクロ
ール9の撓み変形を防止することができる。
基端壁9aの周縁部と摺接段差3aとの部分的な重合による
可動スクロール9の撓み変形の防止は可動スクロール9
の渦巻部9bの壁厚低減を可能とし、この壁厚低減分に相
当する可動スクロール9及び固定スクロール1の縮径化
を図って圧縮機の小型化をもたらすことができる。
可動スクロール9の撓み変形の防止は可動スクロール9
の渦巻部9bの壁厚低減を可能とし、この壁厚低減分に相
当する可動スクロール9及び固定スクロール1の縮径化
を図って圧縮機の小型化をもたらすことができる。
本考案は勿論前記実施例にのみ限定されるものではな
く、例えば第5図に示す実施例も可能である。固定スク
ロール1の外周壁3の周面は半径線r1から半径線r2にわ
たる角度領域θ1では半径rの円弧に形成してあり、半
径線r2から半径線r1にわたる角度領域θ2(<θ1)では
インボリュート曲線に形成されている。従って、外周壁
3の周面は角度領域θ2では半径rの円から外方へはみ
出す。半径線r1は可動スクロール9の渦巻部9bの終端の
公転領域よりも若干伸開角増大方向へずれた位置に設定
されている。半径線r2は半径rの外周円とインボリュー
ト曲線の内壁面1fとの間の壁厚が必要厚以上となってい
る境であり、鎖線で示すように外周壁3の外周面全てを
半径rの円とした場合には角度領域θ2では外周壁3の
壁厚が必要厚以下となる。角度領域θ2における外周壁
3の外周面の形状を半径rの円から外方へはみ出す略イ
ンボリュート曲線としたことにより、角度領域θ2のは
み出し部位3bにおいても必要な壁厚を溝端面を大径のエ
ンドミルにてインボリュート曲線に精密加工することが
できる。しかも外周壁3の円周から外方へはみ出すはみ
出し部位3bが全体の一部であることから固定スクロール
1全体の大径化を抑制することができ、圧縮機全体の大
径化が回避される。
く、例えば第5図に示す実施例も可能である。固定スク
ロール1の外周壁3の周面は半径線r1から半径線r2にわ
たる角度領域θ1では半径rの円弧に形成してあり、半
径線r2から半径線r1にわたる角度領域θ2(<θ1)では
インボリュート曲線に形成されている。従って、外周壁
3の周面は角度領域θ2では半径rの円から外方へはみ
出す。半径線r1は可動スクロール9の渦巻部9bの終端の
公転領域よりも若干伸開角増大方向へずれた位置に設定
されている。半径線r2は半径rの外周円とインボリュー
ト曲線の内壁面1fとの間の壁厚が必要厚以上となってい
る境であり、鎖線で示すように外周壁3の外周面全てを
半径rの円とした場合には角度領域θ2では外周壁3の
壁厚が必要厚以下となる。角度領域θ2における外周壁
3の外周面の形状を半径rの円から外方へはみ出す略イ
ンボリュート曲線としたことにより、角度領域θ2のは
み出し部位3bにおいても必要な壁厚を溝端面を大径のエ
ンドミルにてインボリュート曲線に精密加工することが
できる。しかも外周壁3の円周から外方へはみ出すはみ
出し部位3bが全体の一部であることから固定スクロール
1全体の大径化を抑制することができ、圧縮機全体の大
径化が回避される。
このような利点を有するスクロール型圧縮機においても
外周壁3に摺接段差3cを設けると共に、渦巻部9bの終端
部9d付近における基端壁9aの周縁部にはみ出しフランジ
9eを設け、角度領域θ1では前記した式(1)の関係を
設定しておくことによって基端壁9aの周縁部と摺接段差
3cとの間の部分的な重合構成が可能である。従って、圧
縮機全体の大型化を回避しつつ可動スクロール9の撓み
変形を回避することができる。
外周壁3に摺接段差3cを設けると共に、渦巻部9bの終端
部9d付近における基端壁9aの周縁部にはみ出しフランジ
9eを設け、角度領域θ1では前記した式(1)の関係を
設定しておくことによって基端壁9aの周縁部と摺接段差
3cとの間の部分的な重合構成が可能である。従って、圧
縮機全体の大型化を回避しつつ可動スクロール9の撓み
変形を回避することができる。
又、ハウジング内に固定スクロールを収容した圧縮機に
も本考案を適用可能であり、固定スクロールあるいはハ
ウジングの周壁に摺接段差を設けることによって可動ス
クロールの撓み変形を回避することができる。さらには
可動スクロール側のみをアルミニウム系として軽量化を
図った圧縮機、あるいは前記実施例におけるシール部材
16,17を省略した圧縮機にも本考案を適用することがで
きる。
も本考案を適用可能であり、固定スクロールあるいはハ
ウジングの周壁に摺接段差を設けることによって可動ス
クロールの撓み変形を回避することができる。さらには
可動スクロール側のみをアルミニウム系として軽量化を
図った圧縮機、あるいは前記実施例におけるシール部材
16,17を省略した圧縮機にも本考案を適用することがで
きる。
[考案の効果] 以上詳述したように本考案は、可動スクロールの基端壁
の周縁部と固定スクロール側の固定部位の摺接段差との
間には可動スクロールの公転に伴って互いに一部のみが
重なり合う摺接関係を設定したので、全周にわたって重
なり合う構成の場合よりも可動スクロール及び摺接段差
の径を小さくして可動スクロールの撓み変形を抑制する
ことができ、これにより圧縮機全体の大型化を回避しつ
つ異常摩耗を防止することができると共に、渦巻部の垂
直度を保って圧縮効率の低下を防止し得るという優れた
効果を奏する。
の周縁部と固定スクロール側の固定部位の摺接段差との
間には可動スクロールの公転に伴って互いに一部のみが
重なり合う摺接関係を設定したので、全周にわたって重
なり合う構成の場合よりも可動スクロール及び摺接段差
の径を小さくして可動スクロールの撓み変形を抑制する
ことができ、これにより圧縮機全体の大型化を回避しつ
つ異常摩耗を防止することができると共に、渦巻部の垂
直度を保って圧縮効率の低下を防止し得るという優れた
効果を奏する。
第1〜4図は本考案を具体化した一実施例を示し、第1
図は側断面図、第2図は第1図のA−A線断面図、第3
図は第1図のB−B線断面図、第4図は第1図のC−C
線断面図、第5図は別例を示す縦断面図である。 固定スクロール1、固定部位としての外周壁3、摺接段
差3a,3c、可動スクロール9、基端壁9a、渦巻部9b、終
端部9d、はみ出しフランジ9e。
図は側断面図、第2図は第1図のA−A線断面図、第3
図は第1図のB−B線断面図、第4図は第1図のC−C
線断面図、第5図は別例を示す縦断面図である。 固定スクロール1、固定部位としての外周壁3、摺接段
差3a,3c、可動スクロール9、基端壁9a、渦巻部9b、終
端部9d、はみ出しフランジ9e。
Claims (1)
- 【請求項1】可動スクロール(9)の基端壁に対向する
固定基板(4)と可動スクロール(9)の基端壁(9a)
との対向面上に公転位置規制孔(10a,11a)を設けると
共に、対向する公転位置規制孔(10a,11a)間に自転阻
止用素子(12A,12B,13)を介在した自転阻止機構を備
え、この自転阻止機構によって自転不能に公転する可動
スクロール(9)と固定スクロール(1)との間に可動
スクロール(9)の公転に基づいて容積減少する密閉空
間を形成するスクロール型圧縮機において、可動スクロ
ール(9)をアルミニウム製とし、可動スクロール
(9)の基端壁(9a)に立設された渦巻部(9b)の終端
部(9d)を基端壁(9a)の周縁から内側へ引き込んで離
し、固定スクロール(1)側の固定部位には可動スクロ
ール(9)の周縁部の摺接対象となる摺接段差(3a,3
c)を環状に設け、摺接段差(3a,3c)の内周半径R2は可
動スクロール(9)の基端壁(9a)の半径R1と公転半径
r0との差より大きく、同基端壁(9a)の半径R1と公転半
径r0との和より小さく設定し、可動スクロール(9)の
基端壁(9a)の周縁部と摺接段差(3a,3c)との間には
可動スクロール(9)の公転に伴って互いの一部のみが
重なり合う摺接関係を設定したスクロール型圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989005802U JPH0643511Y2 (ja) | 1989-01-20 | 1989-01-20 | スクロール型圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989005802U JPH0643511Y2 (ja) | 1989-01-20 | 1989-01-20 | スクロール型圧縮機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0296488U JPH0296488U (ja) | 1990-08-01 |
JPH0643511Y2 true JPH0643511Y2 (ja) | 1994-11-14 |
Family
ID=31209490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1989005802U Expired - Lifetime JPH0643511Y2 (ja) | 1989-01-20 | 1989-01-20 | スクロール型圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0643511Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105637221B (zh) * | 2013-10-08 | 2017-09-08 | 三电控股株式会社 | 涡旋型流体设备 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007032386A (ja) * | 2005-07-26 | 2007-02-08 | Sanden Corp | スクロール型流体機械 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5928082A (ja) * | 1982-08-07 | 1984-02-14 | Sanden Corp | 旋回ピストン式流体機械 |
JPS5935601B2 (ja) * | 1982-04-13 | 1984-08-29 | アキレス株式会社 | 異色の意匠底を有する射出成型靴の製造方法とその装置 |
JPS63192979A (ja) * | 1987-02-03 | 1988-08-10 | Matsushita Refrig Co | スクロ−ル型圧縮機 |
JPS63289280A (ja) * | 1987-05-20 | 1988-11-25 | Tokico Ltd | スクロ−ル式流体機械 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5935601U (ja) * | 1982-08-31 | 1984-03-06 | 三菱重工業株式会社 | 回転式流体機械 |
-
1989
- 1989-01-20 JP JP1989005802U patent/JPH0643511Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5935601B2 (ja) * | 1982-04-13 | 1984-08-29 | アキレス株式会社 | 異色の意匠底を有する射出成型靴の製造方法とその装置 |
JPS5928082A (ja) * | 1982-08-07 | 1984-02-14 | Sanden Corp | 旋回ピストン式流体機械 |
JPS63192979A (ja) * | 1987-02-03 | 1988-08-10 | Matsushita Refrig Co | スクロ−ル型圧縮機 |
JPS63289280A (ja) * | 1987-05-20 | 1988-11-25 | Tokico Ltd | スクロ−ル式流体機械 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105637221B (zh) * | 2013-10-08 | 2017-09-08 | 三电控股株式会社 | 涡旋型流体设备 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0296488U (ja) | 1990-08-01 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |