JPH0641718A - 耐熱材料の表面処理方法 - Google Patents
耐熱材料の表面処理方法Info
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- JPH0641718A JPH0641718A JP4201515A JP20151592A JPH0641718A JP H0641718 A JPH0641718 A JP H0641718A JP 4201515 A JP4201515 A JP 4201515A JP 20151592 A JP20151592 A JP 20151592A JP H0641718 A JPH0641718 A JP H0641718A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 耐熱材料の表面を予備酸化して微細な酸化物
を形成した後、この表面にsol−gel法により、S
iO2を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添
加された保護膜を形成するようにした耐熱材料の表面処
理方法である。 【効果】 保護膜の密着性や膜安定性を向上させること
ができ、耐熱材料の耐酸化性を格段に向上できるという
優れた効果を奏する。 【効果】
を形成した後、この表面にsol−gel法により、S
iO2を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添
加された保護膜を形成するようにした耐熱材料の表面処
理方法である。 【効果】 保護膜の密着性や膜安定性を向上させること
ができ、耐熱材料の耐酸化性を格段に向上できるという
優れた効果を奏する。 【効果】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジェットエンジンなど
の熱機関に用いられる金属間化合物等の耐熱材料の表面
の耐酸化性を改善する耐熱材料の表面処理方法に関する
ものである。
の熱機関に用いられる金属間化合物等の耐熱材料の表面
の耐酸化性を改善する耐熱材料の表面処理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ジェットエンジンなどの熱機関
にあっては、その効率がそれに用いる材料の性能に大き
く依存するため、その材料の耐酸化性などの高温環境化
での特性が重要であり、NiベースやCoベースの合金
などの耐熱材料が用いられている。今後、一層の効率向
上のため、現在の材料よりも優れている金属間化合物の
利用が検討されている。しかしこれらの金属間化合物、
例えばTiAlは温度が約700℃までは耐酸化性に優
れるが、より高温環境下では耐酸化性が劣るため、表面
の耐酸化性を改善するための表面処理を行なう必要があ
る。このような表面処理法としては従来より各種の方法
が知られているが、その一つとして、耐熱材料の表面に
酸化物などの保護膜を形成する方法がある。
にあっては、その効率がそれに用いる材料の性能に大き
く依存するため、その材料の耐酸化性などの高温環境化
での特性が重要であり、NiベースやCoベースの合金
などの耐熱材料が用いられている。今後、一層の効率向
上のため、現在の材料よりも優れている金属間化合物の
利用が検討されている。しかしこれらの金属間化合物、
例えばTiAlは温度が約700℃までは耐酸化性に優
れるが、より高温環境下では耐酸化性が劣るため、表面
の耐酸化性を改善するための表面処理を行なう必要があ
る。このような表面処理法としては従来より各種の方法
が知られているが、その一つとして、耐熱材料の表面に
酸化物などの保護膜を形成する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した保護膜の形成
方法も各種あり、近年、sol−gel法により膜を作
製することが試みられている。そのsol−gel法
は、低温合成が可能であると共に、種々の形状の材料に
適用が可能で、かつ保護膜の作製が比較的容易である等
の利点を有する。
方法も各種あり、近年、sol−gel法により膜を作
製することが試みられている。そのsol−gel法
は、低温合成が可能であると共に、種々の形状の材料に
適用が可能で、かつ保護膜の作製が比較的容易である等
の利点を有する。
【0004】このため、金属間化合物の表面に保護膜を
sol−gel法により被覆形成することが試みられる
が、しかし、sol−gel法により保護膜を形成した
金属間化合物の耐酸化性は、未処理の金属間化合物に比
してある程度向上しただけで、期待した以上の効果は得
られなかった。即ち、金属間化合物からなる耐熱材料の
表面にsol−gel法により保護膜を形成するだけで
は、保護膜の密着性が悪いために高温環境下では保護膜
が剥離し、その結果、耐酸化性改善の効果が十分に得ら
れなかった。
sol−gel法により被覆形成することが試みられる
が、しかし、sol−gel法により保護膜を形成した
金属間化合物の耐酸化性は、未処理の金属間化合物に比
してある程度向上しただけで、期待した以上の効果は得
られなかった。即ち、金属間化合物からなる耐熱材料の
表面にsol−gel法により保護膜を形成するだけで
は、保護膜の密着性が悪いために高温環境下では保護膜
が剥離し、その結果、耐酸化性改善の効果が十分に得ら
れなかった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、耐酸化性を格段に向上させることを可能とした耐熱
材料の表面処理方法を提供することを目的としている。
で、耐酸化性を格段に向上させることを可能とした耐熱
材料の表面処理方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはsol−g
el法を用いて耐熱材料の耐酸化性を向上させるために
種々研究開発を実施した結果、本発明を完成するに至っ
たのであり、本発明の耐熱材料の表面処理方法は、耐熱
材料の表面を予備酸化して微細な酸化物を形成した後、
この表面にsol−gel法により、SiO2を主体と
し、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添加された保護
膜を形成するようにしたものである。
el法を用いて耐熱材料の耐酸化性を向上させるために
種々研究開発を実施した結果、本発明を完成するに至っ
たのであり、本発明の耐熱材料の表面処理方法は、耐熱
材料の表面を予備酸化して微細な酸化物を形成した後、
この表面にsol−gel法により、SiO2を主体と
し、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添加された保護
膜を形成するようにしたものである。
【0007】
【作用】耐熱材料の表面を予備酸化して微細な酸化物を
形成した後、この表面にsol−gel法により、Si
O2を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添加
された保護膜を形成することで、保護膜の密着性が向上
するため、保護膜が耐熱材料から剥離することがほとん
どなくなる。これにより、耐熱材料の表面が保護膜によ
って保護され、耐熱材料の耐酸化性が格段に向上する。
特に本発明においては、SiO2を主体とし、Y2O3と
ZrO2の一方又は両方が添加された保護膜を形成する
ようにしたことにより保護膜の密着性や膜安定性が向上
し、耐酸化性が一層良好となる。
形成した後、この表面にsol−gel法により、Si
O2を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添加
された保護膜を形成することで、保護膜の密着性が向上
するため、保護膜が耐熱材料から剥離することがほとん
どなくなる。これにより、耐熱材料の表面が保護膜によ
って保護され、耐熱材料の耐酸化性が格段に向上する。
特に本発明においては、SiO2を主体とし、Y2O3と
ZrO2の一方又は両方が添加された保護膜を形成する
ようにしたことにより保護膜の密着性や膜安定性が向上
し、耐酸化性が一層良好となる。
【0008】
【実施例】本発明による耐熱材料の表面処理方法では、
まずジェットエンジンなどの熱機関の材料として用いら
れる金属間化合物(TiAl,NbAl等)などの耐熱
材料の表面に予備酸化を行なう。
まずジェットエンジンなどの熱機関の材料として用いら
れる金属間化合物(TiAl,NbAl等)などの耐熱
材料の表面に予備酸化を行なう。
【0009】予備酸化は、耐熱材料の表面が微細な酸化
物に覆われる程度に熱処理を行う。この予備酸化条件
は、例えば大気圧下で600℃以上の温度で1時間程度
行い薄い酸化層を形成させる。この場合、減圧すなわち
低酸素分圧下で加熱するのが好ましい。そして、予備酸
化後の耐熱材料の表面上に、sol−gel法によりS
iO2を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添
加された材料からなる保護膜を形成する。保護膜の主体
をなすSiO2に添加されるY2O3やZrO2は、保護膜
の機械的特性をSiO2単独の膜よりも向上させて保護
膜と基材との密着性を向上させ、保護膜の安定性を改善
するためのものであり、それぞれの添加量は、Y2O3が
0.1〜3体積(vol.)%、ZrO2が1〜3体積%
とされる。これらの添加量が各々の範囲より少ないと、
Y2O3やZrO2の添加効果が十分でなく、得られる材
料の耐酸化性がSiO2単独との有意の差が無くなり、
また添加量が各々の範囲より多いと過剰添加となり、却
って保護膜の機械的特性が悪くなり材料の耐酸化性が悪
化する場合がある。
物に覆われる程度に熱処理を行う。この予備酸化条件
は、例えば大気圧下で600℃以上の温度で1時間程度
行い薄い酸化層を形成させる。この場合、減圧すなわち
低酸素分圧下で加熱するのが好ましい。そして、予備酸
化後の耐熱材料の表面上に、sol−gel法によりS
iO2を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添
加された材料からなる保護膜を形成する。保護膜の主体
をなすSiO2に添加されるY2O3やZrO2は、保護膜
の機械的特性をSiO2単独の膜よりも向上させて保護
膜と基材との密着性を向上させ、保護膜の安定性を改善
するためのものであり、それぞれの添加量は、Y2O3が
0.1〜3体積(vol.)%、ZrO2が1〜3体積%
とされる。これらの添加量が各々の範囲より少ないと、
Y2O3やZrO2の添加効果が十分でなく、得られる材
料の耐酸化性がSiO2単独との有意の差が無くなり、
また添加量が各々の範囲より多いと過剰添加となり、却
って保護膜の機械的特性が悪くなり材料の耐酸化性が悪
化する場合がある。
【0010】sol−gel法は、金属アルコキシドに
アルコール、水及び必要に応じて加水分解触媒(例えば
塩酸)等を添加した溶液中で反応(加水分解や重縮合等
の反応)を起こさせて酸化物粒子を含むゾルを経てゲル
をつくり、ゲル粉末の成形体を加熱することによってガ
ラス等をつくる方法である。金属アルコキシドは、金属
をM、アルキル基をR、金属の価数をnとすると、M
(OR)nで表わされ、加水分解を受け易く、また加水
分解後重縮合して酸化物をつくるものである。また、加
水分解の温度及び時間は、反応が十分に進行する程度
に、例えば、約50℃以上及び約1時間以上にするのが
よく、好ましくは55℃以上及び約3時間以上にするの
が良い。加水分解温度及び時間がこれら未満であると、
形成された保護膜が剥離する場合があるからであり、こ
れは加水分解・重合反応が十分に進行しないためである
と考えられる。
アルコール、水及び必要に応じて加水分解触媒(例えば
塩酸)等を添加した溶液中で反応(加水分解や重縮合等
の反応)を起こさせて酸化物粒子を含むゾルを経てゲル
をつくり、ゲル粉末の成形体を加熱することによってガ
ラス等をつくる方法である。金属アルコキシドは、金属
をM、アルキル基をR、金属の価数をnとすると、M
(OR)nで表わされ、加水分解を受け易く、また加水
分解後重縮合して酸化物をつくるものである。また、加
水分解の温度及び時間は、反応が十分に進行する程度
に、例えば、約50℃以上及び約1時間以上にするのが
よく、好ましくは55℃以上及び約3時間以上にするの
が良い。加水分解温度及び時間がこれら未満であると、
形成された保護膜が剥離する場合があるからであり、こ
れは加水分解・重合反応が十分に進行しないためである
と考えられる。
【0011】本発明にあっては、生成する保護膜の材料
がSiO2を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方
が添加された材料とする関係上、sol−gel法に使
用する材料として、Si,Y,Zrのそれぞれの金属ア
ルコキシドが好適に用いられる。また添加元素の内、Y
(イットリウム)については酢酸塩などの有機酸塩類も
用いることができる。これら各金属アルコキシド等の原
料化合物は、アルコール、水及び塩酸などの加水分解触
媒と混合し攪拌しながら上述した条件で反応させると共
に、この溶液中に予備酸化後のTiAl等の耐熱材料基
材を浸漬し、0.5〜3mm/秒、望ましくは1〜2m
m/秒の引き上げ速度で基材を引き上げて、この基材上
にコーティングゲルフィルムを作製する。そして必要に
応じて複数回のコーティングを行った後、これを数百度
で加熱することにより、基材上に厚さ約0.1〜0.5μ
mのSiO2を主体とする保護膜を形成する。
がSiO2を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方
が添加された材料とする関係上、sol−gel法に使
用する材料として、Si,Y,Zrのそれぞれの金属ア
ルコキシドが好適に用いられる。また添加元素の内、Y
(イットリウム)については酢酸塩などの有機酸塩類も
用いることができる。これら各金属アルコキシド等の原
料化合物は、アルコール、水及び塩酸などの加水分解触
媒と混合し攪拌しながら上述した条件で反応させると共
に、この溶液中に予備酸化後のTiAl等の耐熱材料基
材を浸漬し、0.5〜3mm/秒、望ましくは1〜2m
m/秒の引き上げ速度で基材を引き上げて、この基材上
にコーティングゲルフィルムを作製する。そして必要に
応じて複数回のコーティングを行った後、これを数百度
で加熱することにより、基材上に厚さ約0.1〜0.5μ
mのSiO2を主体とする保護膜を形成する。
【0012】保護膜を形成した耐熱材料は、耐熱材料基
材の表面が保護膜によって保護され、耐熱材料の耐酸化
性が格段に向上する。特に本発明においては、SiO2
を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添加さ
れた保護膜を形成するようにしたことにより、保護膜の
密着性や膜安定性が向上するので耐酸化性が格段に優れ
る耐熱材料が得られる。以下、実験例により本発明の効
果を明確にする。
材の表面が保護膜によって保護され、耐熱材料の耐酸化
性が格段に向上する。特に本発明においては、SiO2
を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添加さ
れた保護膜を形成するようにしたことにより、保護膜の
密着性や膜安定性が向上するので耐酸化性が格段に優れ
る耐熱材料が得られる。以下、実験例により本発明の効
果を明確にする。
【0013】(実験例1)耐熱材料の基材として、Ti
Al(1.8Mo)の板材を用いた。基材の表面仕上げ
は#600とした。この基材に、5×10-5Torrの
減圧雰囲気中、1000℃で5時間の予備酸化処理を行
った。
Al(1.8Mo)の板材を用いた。基材の表面仕上げ
は#600とした。この基材に、5×10-5Torrの
減圧雰囲気中、1000℃で5時間の予備酸化処理を行
った。
【0014】一方、sol−gel法の溶液として、表
1に示す各成分を混合した3種類(比較例1、実施例1
及び実施例2)の溶液を作製した。
1に示す各成分を混合した3種類(比較例1、実施例1
及び実施例2)の溶液を作製した。
【0015】
【表1】
【0016】これらの溶液は、各材料を混合して攪拌
し、55℃で3時間の加水分解を行ってsol−gel
溶液を作製した。ついで、上述した予備酸化処理を行っ
た耐熱材料の基材を、それぞれのsol−gel溶液に
浸漬し、引き上げ速度1.5mm/秒で引き上げて基材表
面にコーティングゲルフィルムを作製した。ついでこれ
らコーティングゲルフィルムを作製した基材を700℃
で30分間焼結し、基材表面に保護膜を生成させて耐熱
材料を作製した。
し、55℃で3時間の加水分解を行ってsol−gel
溶液を作製した。ついで、上述した予備酸化処理を行っ
た耐熱材料の基材を、それぞれのsol−gel溶液に
浸漬し、引き上げ速度1.5mm/秒で引き上げて基材表
面にコーティングゲルフィルムを作製した。ついでこれ
らコーティングゲルフィルムを作製した基材を700℃
で30分間焼結し、基材表面に保護膜を生成させて耐熱
材料を作製した。
【0017】ここで得られた3種の耐熱材料(比較例
1、実施例1及び実施例2)と、基材自体(無処理(予
備酸化と保護膜形成を行わないもの);比較例2)及び
基材に予備酸化を行わないで比較例1と同様に保護膜を
形成した材料(比較例3)の5種類の材料を用いて耐熱
性試験を行った。各材料を900℃大気雰囲気中、50
時間置いた後、重量増加を測定して酸化増量を求めた。
それぞれの材料の酸化増量を図1に示した。
1、実施例1及び実施例2)と、基材自体(無処理(予
備酸化と保護膜形成を行わないもの);比較例2)及び
基材に予備酸化を行わないで比較例1と同様に保護膜を
形成した材料(比較例3)の5種類の材料を用いて耐熱
性試験を行った。各材料を900℃大気雰囲気中、50
時間置いた後、重量増加を測定して酸化増量を求めた。
それぞれの材料の酸化増量を図1に示した。
【0018】図1から明らかなように、本発明に係る実
施例1および実施例2の耐熱材料は優れた耐酸化性を有
しており、特に本実験ではY添加の実験例1での耐酸化
性が良好であった。
施例1および実施例2の耐熱材料は優れた耐酸化性を有
しており、特に本実験ではY添加の実験例1での耐酸化
性が良好であった。
【0019】(実験例2)本発明において用いるsol
−gel溶液を作製する際の最適な加水分解条件を調べ
た。上記表1に示した組成を基本組成とし、イットリウ
ム化合物としてY(OC3H5)3を0.1mol添加した
溶液と、ジルコニウム化合物としてZr(OCH3)4を
1mol添加した溶液を作製し、これらの溶液を攪拌し
ながら、55℃で1〜5時間加水分解を行い、1時間毎
に溶液の粘度を測定し、sol−gel溶液作製のため
の加水分解時間を調べた。その結果を図2に示した。図
2の結果から、原料溶液の加水分解反応が十分に進行す
る時間は3時間又はそれ以上であった。
−gel溶液を作製する際の最適な加水分解条件を調べ
た。上記表1に示した組成を基本組成とし、イットリウ
ム化合物としてY(OC3H5)3を0.1mol添加した
溶液と、ジルコニウム化合物としてZr(OCH3)4を
1mol添加した溶液を作製し、これらの溶液を攪拌し
ながら、55℃で1〜5時間加水分解を行い、1時間毎
に溶液の粘度を測定し、sol−gel溶液作製のため
の加水分解時間を調べた。その結果を図2に示した。図
2の結果から、原料溶液の加水分解反応が十分に進行す
る時間は3時間又はそれ以上であった。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐熱材料の表面を予備酸化した後、この表面にSiO2
を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添加さ
れた保護膜を形成することにより、保護膜の密着性や膜
安定性を向上させることができ、耐熱材料の耐酸化性を
格段に向上できるという優れた効果を奏する。
耐熱材料の表面を予備酸化した後、この表面にSiO2
を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両方が添加さ
れた保護膜を形成することにより、保護膜の密着性や膜
安定性を向上させることができ、耐熱材料の耐酸化性を
格段に向上できるという優れた効果を奏する。
【図1】図1は本発明の実験例において作製した各耐熱
材料の耐酸化性比較試験の結果を示すグラフである。
材料の耐酸化性比較試験の結果を示すグラフである。
【図2】図2は同じく実験例で用いたsol−gel溶
液の加水分解時間検討試験の結果を示すグラフである。
液の加水分解時間検討試験の結果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 耐熱材料の表面を予備酸化して微細な酸
化物を形成した後、この表面にsol−gel法によ
り、SiO2を主体とし、Y2O3とZrO2の一方又は両
方が添加された保護膜を形成するようにした耐熱材料の
表面処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4201515A JPH0641718A (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 耐熱材料の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4201515A JPH0641718A (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 耐熱材料の表面処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641718A true JPH0641718A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16442327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4201515A Withdrawn JPH0641718A (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 耐熱材料の表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0641718A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002520911A (ja) * | 1998-07-03 | 2002-07-09 | ノキア モービル フォーンズ リミテッド | ワイヤレスアプリケーションプロトコルに基づく機密セッションの設定 |
JP2007208897A (ja) * | 2006-02-06 | 2007-08-16 | Sony Corp | 情報処理装置、情報記録媒体製造装置、情報記録媒体、および方法、並びにコンピュータ・プログラム |
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JP2010521891A (ja) * | 2007-03-12 | 2010-06-24 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | ネットワークとは無関係の位置特定サービス |
-
1992
- 1992-07-28 JP JP4201515A patent/JPH0641718A/ja not_active Withdrawn
Patent Citations (5)
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Non-Patent Citations (1)
Title |
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JPN6015012400; Open Mobile Alliance: UserPlane Location Protocol Version 2.0, OMA-TS-ULP-V2_0-20080627-C, 20080627, p.24-26, 203-215, 223-249, 397-399, Open Mobile Alliance[online] * |
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