JPH0640176A - 熱転写印刷用被転写シート - Google Patents
熱転写印刷用被転写シートInfo
- Publication number
- JPH0640176A JPH0640176A JP4022225A JP2222592A JPH0640176A JP H0640176 A JPH0640176 A JP H0640176A JP 4022225 A JP4022225 A JP 4022225A JP 2222592 A JP2222592 A JP 2222592A JP H0640176 A JPH0640176 A JP H0640176A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dye
- transfer sheet
- coating
- transfer
- sheet according
- Prior art date
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- Pending
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41M—PRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
- B41M5/00—Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
- B41M5/26—Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
- B41M5/40—Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used characterised by the base backcoat, intermediate, or covering layers, e.g. for thermal transfer dye-donor or dye-receiver sheets; Heat, radiation filtering or absorbing means or layers; combined with other image registration layers or compositions; Special originals for reproduction by thermography
- B41M5/42—Intermediate, backcoat, or covering layers
- B41M5/44—Intermediate, backcoat, or covering layers characterised by the macromolecular compounds
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41M—PRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
- B41M2205/00—Printing methods or features related to printing methods; Location or type of the layers
- B41M2205/02—Dye diffusion thermal transfer printing (D2T2)
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41M—PRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
- B41M2205/00—Printing methods or features related to printing methods; Location or type of the layers
- B41M2205/36—Backcoats; Back layers
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41M—PRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
- B41M5/00—Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
- B41M5/26—Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
- B41M5/40—Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used characterised by the base backcoat, intermediate, or covering layers, e.g. for thermal transfer dye-donor or dye-receiver sheets; Heat, radiation filtering or absorbing means or layers; combined with other image registration layers or compositions; Special originals for reproduction by thermography
- B41M5/42—Intermediate, backcoat, or covering layers
- B41M5/423—Intermediate, backcoat, or covering layers characterised by non-macromolecular compounds, e.g. waxes
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- Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
- Pens And Brushes (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】水性インキを使用して効果的に筆記することの
できるかつ水活性化接着剤(water-activated adhesive)
を接着させることのできる表面を提供する裏面被膜(bac
kcoat)を有する被転写体(receiver)に関する。 【構成】裏面被膜はポリアルキレングリコールと、該ポ
リアルキレングリコールの末端ヒドロキシル基と反応性
の多官能性有機架橋剤との反応生成物である架橋有機重
合体からなる。この熱転写印刷用被転写シートは水性イ
ンキによって筆記することができ、かつ、水活性化接着
剤を接着させることのできる表面を提供する。上記裏面
被膜には再転写の問題を回避するためにアルカリ金属塩
を含有させておらず、かつ、上記裏面被膜は取扱い特性
を改善するために、架橋重合体中に粒状材料を含有させ
ることによりその表面を梨地状にし得る。
できるかつ水活性化接着剤(water-activated adhesive)
を接着させることのできる表面を提供する裏面被膜(bac
kcoat)を有する被転写体(receiver)に関する。 【構成】裏面被膜はポリアルキレングリコールと、該ポ
リアルキレングリコールの末端ヒドロキシル基と反応性
の多官能性有機架橋剤との反応生成物である架橋有機重
合体からなる。この熱転写印刷用被転写シートは水性イ
ンキによって筆記することができ、かつ、水活性化接着
剤を接着させることのできる表面を提供する。上記裏面
被膜には再転写の問題を回避するためにアルカリ金属塩
を含有させておらず、かつ、上記裏面被膜は取扱い特性
を改善するために、架橋重合体中に粒状材料を含有させ
ることによりその表面を梨地状にし得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写印刷(thermal tra
nsfer printing) に関する;特に本発明は水性インキを
使用して効果的に筆記することのできるかつ水活性化接
着剤(water-activated adhesive) を接着させることの
できる表面を提供する裏面被膜(backcoat)を有する被転
写体(receiver)に関する。
nsfer printing) に関する;特に本発明は水性インキを
使用して効果的に筆記することのできるかつ水活性化接
着剤(water-activated adhesive) を接着させることの
できる表面を提供する裏面被膜(backcoat)を有する被転
写体(receiver)に関する。
【0002】
【従来の技術及びその解決すべき課題】熱転写印刷は1
種又はそれ以上の熱転写性染料を熱的刺激に応答して染
料担持シート(dyesheet)から被転写体(receiver)へ移行
させる印刷法の総称である。染料担持シートの全印刷帯
域に亘って均一に展延された、かつ、1種又はそれ以上
の熱転写性染料を含有する染料担持被膜(dyecoat) とこ
れを支持している薄い支持体とからなる染料担持シート
を使用して、染料担持被膜を被転写シート(receiver sh
eet)の染料受容表面に圧着させながら染料担持シートの
選択された、不連続の帯域(discrete area) を加熱し、
それによって、染料を被転写シートの対応する帯域に転
写させることにより印刷を行い得る。転写されるパター
ンの形は、加熱を受ける不連続帯域の数と位置によって
決定される。多色染料担持被膜(different coloured dy
ecoat)を使用して、同じ方法で連続的に印刷を行うこと
により全色印刷物(full colour print) を製造すること
ができ、そして、上記多色染料担持被膜は、通常、同一
の染料担持シート上の、反複して繰返される不連続の均
一な印刷サイズの帯域として提供される。
種又はそれ以上の熱転写性染料を熱的刺激に応答して染
料担持シート(dyesheet)から被転写体(receiver)へ移行
させる印刷法の総称である。染料担持シートの全印刷帯
域に亘って均一に展延された、かつ、1種又はそれ以上
の熱転写性染料を含有する染料担持被膜(dyecoat) とこ
れを支持している薄い支持体とからなる染料担持シート
を使用して、染料担持被膜を被転写シート(receiver sh
eet)の染料受容表面に圧着させながら染料担持シートの
選択された、不連続の帯域(discrete area) を加熱し、
それによって、染料を被転写シートの対応する帯域に転
写させることにより印刷を行い得る。転写されるパター
ンの形は、加熱を受ける不連続帯域の数と位置によって
決定される。多色染料担持被膜(different coloured dy
ecoat)を使用して、同じ方法で連続的に印刷を行うこと
により全色印刷物(full colour print) を製造すること
ができ、そして、上記多色染料担持被膜は、通常、同一
の染料担持シート上の、反複して繰返される不連続の均
一な印刷サイズの帯域として提供される。
【0003】高解像写真状印刷物は適当な印刷装置、例
えば、ビデオ、コンピュウター、電子静止カメラ(elect
ronic still camera) 又は同様の信号発生装置から誘導
される電子信号によって制御されるプログラム可能熱印
刷ヘッド又はレーザープリンターを使用する熱転写印刷
により製造し得る。典型的な熱印刷ヘッドは、例えば、
電子信号に従って非常に短い熱パルス(hot pulse) を提
供することにより、1mm 当り、6 個又はそれ以上のピク
セル( 画素)を印刷するために設けられた、個々に作動
し得る小型ヒーターの列を有する。
えば、ビデオ、コンピュウター、電子静止カメラ(elect
ronic still camera) 又は同様の信号発生装置から誘導
される電子信号によって制御されるプログラム可能熱印
刷ヘッド又はレーザープリンターを使用する熱転写印刷
により製造し得る。典型的な熱印刷ヘッドは、例えば、
電子信号に従って非常に短い熱パルス(hot pulse) を提
供することにより、1mm 当り、6 個又はそれ以上のピク
セル( 画素)を印刷するために設けられた、個々に作動
し得る小型ヒーターの列を有する。
【0004】被転写シートは一方の側に染料受容表面を
有する支持体(substrate) からなる。それ自体、染料受
容性重合体である支持体については、染料受容表面は、
単に、支持体表面を特に平滑な表面組織(surface textu
re) のものにすることによって形成させ得る。しかしな
がら、多くの場合、被転写シートは支持体と、この支持
体によって支持されている、染料受容性組成物からなる
被転写被膜(receivercoat) とからなる;被転写被膜は
染料分子に対して親和性を有する材料を含有しておりそ
して染料分子は、被転写被膜に圧着された染料担持シー
トのある帯域を印刷時に加熱した時、被転写被膜中に容
易に拡散し得る。
有する支持体(substrate) からなる。それ自体、染料受
容性重合体である支持体については、染料受容表面は、
単に、支持体表面を特に平滑な表面組織(surface textu
re) のものにすることによって形成させ得る。しかしな
がら、多くの場合、被転写シートは支持体と、この支持
体によって支持されている、染料受容性組成物からなる
被転写被膜(receivercoat) とからなる;被転写被膜は
染料分子に対して親和性を有する材料を含有しておりそ
して染料分子は、被転写被膜に圧着された染料担持シー
トのある帯域を印刷時に加熱した時、被転写被膜中に容
易に拡散し得る。
【0005】支持体としては種々のシート状材料を使用
し得る;例えば、セルロース繊維紙( 通常、重合体被膜
を有する)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムのごとき熱可塑性フィルム、パールフィルム(pearl
film)のごとき充填剤入り及び/ 又は気孔入り(voided)
熱可塑性フィルム又はこれらのシートの一つ又はそれ以
上の積層物を使用し得る。
し得る;例えば、セルロース繊維紙( 通常、重合体被膜
を有する)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムのごとき熱可塑性フィルム、パールフィルム(pearl
film)のごとき充填剤入り及び/ 又は気孔入り(voided)
熱可塑性フィルム又はこれらのシートの一つ又はそれ以
上の積層物を使用し得る。
【0006】多くの被転写シートは支持体の画像受容面
(image-receiving side)から離れている面上に一層又は
それ以上の重合体裏面被膜も有する。この裏面被膜は多
数の異なる役割を果たすために設けられ得る;例えば、
裏面被膜は隣接するシートの一方を他方のシート上でよ
り容易に滑動させ、シート同志の粘着を防止することを
可能にする取扱い特性(handling property) を改善する
ために設けられる。被転写シートをかかるシートのカセ
ット又は堆積物( スタック)(stack)から印刷ステーショ
ンに一枚づつ供給する自動プリンターにおいては、取扱
い特性が良好であることが特に重要であり、かかる取扱
い特性の改善は帯電防止剤をドープした架橋重合体マト
リックスからなる帯電防止性裏面被膜を設けることによ
って達成される。
(image-receiving side)から離れている面上に一層又は
それ以上の重合体裏面被膜も有する。この裏面被膜は多
数の異なる役割を果たすために設けられ得る;例えば、
裏面被膜は隣接するシートの一方を他方のシート上でよ
り容易に滑動させ、シート同志の粘着を防止することを
可能にする取扱い特性(handling property) を改善する
ために設けられる。被転写シートをかかるシートのカセ
ット又は堆積物( スタック)(stack)から印刷ステーショ
ンに一枚づつ供給する自動プリンターにおいては、取扱
い特性が良好であることが特に重要であり、かかる取扱
い特性の改善は帯電防止剤をドープした架橋重合体マト
リックスからなる帯電防止性裏面被膜を設けることによ
って達成される。
【0007】また、或いは更に、被転写シートはブロッ
キング( 粘着)を減少させるための梨地表面(textured
surface)を有する裏面被膜を有し得る;この梨地表面
は、典型的には、架橋重合体マトリックス、適当なもの
としては、前記したごとく帯電防止剤をドープした架橋
重合帯マトリックス中に部分的に粒状材料を埋封するこ
とにより形成される。非常に効果的な帯電防止性裏面被
膜の例は例えばEP-A409,526 号明細書に記載されてい
る。
キング( 粘着)を減少させるための梨地表面(textured
surface)を有する裏面被膜を有し得る;この梨地表面
は、典型的には、架橋重合体マトリックス、適当なもの
としては、前記したごとく帯電防止剤をドープした架橋
重合帯マトリックス中に部分的に粒状材料を埋封するこ
とにより形成される。非常に効果的な帯電防止性裏面被
膜の例は例えばEP-A409,526 号明細書に記載されてい
る。
【0008】熱転写印刷によって得られ得る写真状画像
は、多方面の電子画像形成(electronic imaging)技術に
多くの写真市場を提供している。即ち、例えば、瞬間的
印刷能力(immediate printing capability) は、例え
ば、即席写真撮影室(instantphotograph booth) ,犯罪
的又は科学的証拠の記録又は臨時的な他の少量の用途に
ついて有用である。デイスプレイ及び休日通知ハガキ(h
oliday postcard)は電子画像形成における信号を混合さ
せる能力も利用することができ、この能力を利用するこ
とによって、例えば、予め記録された背景( バックグラ
ンド)にポートレイト( 肖像)を二重焼き付けする(sup
erimpose) ことができる。これらの用途の全て及びその
他の用途において、従来の多くの被転写シートの裏面は
疎水性であるため、水性インキ及び接着剤を受容する能
力がなく、このことが使用者にとって非常に不便なもの
になっている。例えば、かかる材料上に貼付したパスポ
ート写真の場合には、普通の水性インキを使用して裏面
に記名する(endorse) ことができず、また、挨拶状に文
字等を書く別の手段を見付けたとしても、郵便切手を貼
ることができないであろう。これらの問題は、支持体表
面が露出されているか又は裏面被膜で被覆されているか
に拘りなしに、多くの既知の被転写シートにおいて生じ
得る。
は、多方面の電子画像形成(electronic imaging)技術に
多くの写真市場を提供している。即ち、例えば、瞬間的
印刷能力(immediate printing capability) は、例え
ば、即席写真撮影室(instantphotograph booth) ,犯罪
的又は科学的証拠の記録又は臨時的な他の少量の用途に
ついて有用である。デイスプレイ及び休日通知ハガキ(h
oliday postcard)は電子画像形成における信号を混合さ
せる能力も利用することができ、この能力を利用するこ
とによって、例えば、予め記録された背景( バックグラ
ンド)にポートレイト( 肖像)を二重焼き付けする(sup
erimpose) ことができる。これらの用途の全て及びその
他の用途において、従来の多くの被転写シートの裏面は
疎水性であるため、水性インキ及び接着剤を受容する能
力がなく、このことが使用者にとって非常に不便なもの
になっている。例えば、かかる材料上に貼付したパスポ
ート写真の場合には、普通の水性インキを使用して裏面
に記名する(endorse) ことができず、また、挨拶状に文
字等を書く別の手段を見付けたとしても、郵便切手を貼
ることができないであろう。これらの問題は、支持体表
面が露出されているか又は裏面被膜で被覆されているか
に拘りなしに、多くの既知の被転写シートにおいて生じ
得る。
【0009】
【課題を解決するための手段】EP-A 409,526号明細書に
記載されている帯電防止性裏面被膜はアルカリ金属塩帯
電防止剤をドープした種々の架橋重合体マトリックスか
らなる。今般、本発明者は、上記欧州特許公開明細書中
に記載されている架橋重合体マトリックスの幾つか( 全
てではない)を使用して、水性インキを使用した場合に
おける良好な筆記性(writability) と水性接着剤を使用
した場合の接着性とを有する裏面被膜を得ることができ
ることを知見した。更に、本発明者は、良好な筆記性を
与える架橋重合体を選択することにより、アルカリ金属
塩を省略した場合には、通常、取扱い特性の低下が( も
しあったとしても) 驚くべきほど少ないこと( このこと
は上記欧州特許公開明細書中に記載されている他の重合
体マトリックスについては認められない) 及びかかる金
属塩の省略により、再転写抵抗性(retransfer resisita
nce)が改善されるという驚くべき利点も得られることを
知見した。
記載されている帯電防止性裏面被膜はアルカリ金属塩帯
電防止剤をドープした種々の架橋重合体マトリックスか
らなる。今般、本発明者は、上記欧州特許公開明細書中
に記載されている架橋重合体マトリックスの幾つか( 全
てではない)を使用して、水性インキを使用した場合に
おける良好な筆記性(writability) と水性接着剤を使用
した場合の接着性とを有する裏面被膜を得ることができ
ることを知見した。更に、本発明者は、良好な筆記性を
与える架橋重合体を選択することにより、アルカリ金属
塩を省略した場合には、通常、取扱い特性の低下が( も
しあったとしても) 驚くべきほど少ないこと( このこと
は上記欧州特許公開明細書中に記載されている他の重合
体マトリックスについては認められない) 及びかかる金
属塩の省略により、再転写抵抗性(retransfer resisita
nce)が改善されるという驚くべき利点も得られることを
知見した。
【0010】本発明の第1の要旨によれば、一方の側に
染料受容表面を有し、他方の側に裏面被膜(backcoat)を
担持している支持体からなる熱転写印刷用被転写シート
(receiver sheet)において、上記裏面被膜がポリアルキ
レングリコールと、該ポリアルキレングリコールの末端
ヒドロキシル基と反応性の多官能性有機架橋剤との反応
生成物である架橋有機重合体からなること及び上記裏面
被膜はアルカリ金属塩を含有していないことを特徴とす
る熱転写印刷用被転写シートが提供される。
染料受容表面を有し、他方の側に裏面被膜(backcoat)を
担持している支持体からなる熱転写印刷用被転写シート
(receiver sheet)において、上記裏面被膜がポリアルキ
レングリコールと、該ポリアルキレングリコールの末端
ヒドロキシル基と反応性の多官能性有機架橋剤との反応
生成物である架橋有機重合体からなること及び上記裏面
被膜はアルカリ金属塩を含有していないことを特徴とす
る熱転写印刷用被転写シートが提供される。
【0011】最初に、再転写抵抗性(retransfer resist
ance) の改善について検討すると、染料拡散熱転写(dye
diffusion thermal transfer)は、プリンターによって
熱が加えられた時、染料が一方の重合体系から他方の重
合体系に拡散するのに十分な移動性を有することに基づ
いている。被転写層(receiver layer)と同様に、裏面被
膜も、通常、重合体を基材としており、裏面被膜が例え
ば貯蔵中に、長時間、染料含有印刷物と接触した場合、
染料の再転写(retransfer)が、若干、生起し得る;この
場合、印刷画像を形成している染料分子が染料受容表面
から再拡散し(rediffuse) 、貯蔵中、染料受容表面が保
持されている、かつ、隣接する被転写シートの裏面被膜
中へ移行する。この現象は比較的低温の周囲条件下にお
いても生起しかつ熱転写印刷物を例えば筒(envelope)、
紙袋(wallet)又は箱内で相互に接触させて貯蔵した場合
に通常観察される望ましくない副作用である。
ance) の改善について検討すると、染料拡散熱転写(dye
diffusion thermal transfer)は、プリンターによって
熱が加えられた時、染料が一方の重合体系から他方の重
合体系に拡散するのに十分な移動性を有することに基づ
いている。被転写層(receiver layer)と同様に、裏面被
膜も、通常、重合体を基材としており、裏面被膜が例え
ば貯蔵中に、長時間、染料含有印刷物と接触した場合、
染料の再転写(retransfer)が、若干、生起し得る;この
場合、印刷画像を形成している染料分子が染料受容表面
から再拡散し(rediffuse) 、貯蔵中、染料受容表面が保
持されている、かつ、隣接する被転写シートの裏面被膜
中へ移行する。この現象は比較的低温の周囲条件下にお
いても生起しかつ熱転写印刷物を例えば筒(envelope)、
紙袋(wallet)又は箱内で相互に接触させて貯蔵した場合
に通常観察される望ましくない副作用である。
【0012】架橋ポリアルキレングリコールの存在下で
使用した場合に、リチウム塩及び他のアルカリ金属塩が
再転写を促進する理由は明らかではないが、本発明者が
試験を行った全ての組成物において、アルカリ金属塩を
省略した場合には再転写の生起する傾向が減少している
ことが認められた。
使用した場合に、リチウム塩及び他のアルカリ金属塩が
再転写を促進する理由は明らかではないが、本発明者が
試験を行った全ての組成物において、アルカリ金属塩を
省略した場合には再転写の生起する傾向が減少している
ことが認められた。
【0013】アルカリ金属塩を省略することにより得ら
れる別の驚くべき効果は、重合体マトリックスが架橋ポ
リアルキレングリコールである場合には、良好な取扱い
特性が保持され、通常、取扱い特性の低下が少ないこと
が容易に観察されることである。取扱い特性が極めて良
好であると思われない場合においても、被転写シートの
ロールから自動的に供給するのに困難性は認められずそ
して得られた印刷物は使用者に好都合な取扱い特性を有
していた。このことは、リチウム塩及び他のアルカリ金
属塩を添加することによって取扱い特性の大きな改善を
おこなっている、EP-A 409,526号明細書に特に記載され
ている酢酸ビニルと塩化ビニルとビニルアルコール(VRO
H)との架橋ターポリマーについては認められなかったこ
とである。
れる別の驚くべき効果は、重合体マトリックスが架橋ポ
リアルキレングリコールである場合には、良好な取扱い
特性が保持され、通常、取扱い特性の低下が少ないこと
が容易に観察されることである。取扱い特性が極めて良
好であると思われない場合においても、被転写シートの
ロールから自動的に供給するのに困難性は認められずそ
して得られた印刷物は使用者に好都合な取扱い特性を有
していた。このことは、リチウム塩及び他のアルカリ金
属塩を添加することによって取扱い特性の大きな改善を
おこなっている、EP-A 409,526号明細書に特に記載され
ている酢酸ビニルと塩化ビニルとビニルアルコール(VRO
H)との架橋ターポリマーについては認められなかったこ
とである。
【0014】本発明で使用するのに好ましいポリアルキ
レングリコールはポリエチレングリコールである。ポリ
プロピレングリコールを使用した場合にも有用な結果は
得られるが、この系列が進むに従って防湿性が減少し、
被膜の強度が低下する。ポリエチレングリコールは約3
5,000までの分子量( 重量平均分子量)のものを容易に
入手し得るが、高分子材料を使用した場合に生じ得る塗
装の問題を回避するために、本発明においては約10,000
又はそれ以下の平均分子量のポリエチレングリコールを
使用することが好ましく、高水準の架橋を保持するため
には、約2000又はそれ以下の分子量が特に好ましい。(
“約”という用語は、引用されている公称数値の両側に
ついて製造業者が包含させている範囲を意味する。)分
子量の非常に低いポリエチレングリコール、特に、ジエ
チレングリコール及びトリエチレングリコールは特に適
当である。
レングリコールはポリエチレングリコールである。ポリ
プロピレングリコールを使用した場合にも有用な結果は
得られるが、この系列が進むに従って防湿性が減少し、
被膜の強度が低下する。ポリエチレングリコールは約3
5,000までの分子量( 重量平均分子量)のものを容易に
入手し得るが、高分子材料を使用した場合に生じ得る塗
装の問題を回避するために、本発明においては約10,000
又はそれ以下の平均分子量のポリエチレングリコールを
使用することが好ましく、高水準の架橋を保持するため
には、約2000又はそれ以下の分子量が特に好ましい。(
“約”という用語は、引用されている公称数値の両側に
ついて製造業者が包含させている範囲を意味する。)分
子量の非常に低いポリエチレングリコール、特に、ジエ
チレングリコール及びトリエチレングリコールは特に適
当である。
【0015】ポリアルキレングリコールの末端ヒドロキ
シル基と反応することのできる通常の架橋剤は、一般的
に低い保存寿命を有する非常に反応性の化合物である
が、あるものはその官能基をブロックし得る。特に効果
的でありかつ使用するのに好都合であることが認められ
た、容易に入手し得る架橋剤は多官能性 N-(アルコキシ
メチル) アミノ樹脂である。多官能性 N-(アルコキシメ
チル) アミノ樹脂の例としては尿素、グアナミン及びメ
ラミン樹脂のアルコキシメチル誘導体が挙げられる。低
級アルキル誘導体( 即ち、C 4ブトキシ誘導体まで) は
商業的に入手され、いずれも効果的に使用し得るが、よ
り揮発性の副生物( メタノール) を後に除去することが
より容易であるという理由から、メトキシ誘導体が最も
好ましい。後者の例である、American Cyanamid 社から
サイメル( Cymel )の商品名で種々の銘柄のものが市販
されているメトキシ誘導体はヘキサメトキシメチルメラ
ミンであり、これは適当な粘度を得るために部分的に予
備重合した形( オリゴマー)で使用することが適当であ
る。ヘキサメトキシメチルメラミンは、置換基からの立
体障害に基づいて3 〜6 官能性であり、適当な酸触媒、
例えばp-トルエンスルホン酸(PTSA)を使用して高度に架
橋した材料を形成することができる。
シル基と反応することのできる通常の架橋剤は、一般的
に低い保存寿命を有する非常に反応性の化合物である
が、あるものはその官能基をブロックし得る。特に効果
的でありかつ使用するのに好都合であることが認められ
た、容易に入手し得る架橋剤は多官能性 N-(アルコキシ
メチル) アミノ樹脂である。多官能性 N-(アルコキシメ
チル) アミノ樹脂の例としては尿素、グアナミン及びメ
ラミン樹脂のアルコキシメチル誘導体が挙げられる。低
級アルキル誘導体( 即ち、C 4ブトキシ誘導体まで) は
商業的に入手され、いずれも効果的に使用し得るが、よ
り揮発性の副生物( メタノール) を後に除去することが
より容易であるという理由から、メトキシ誘導体が最も
好ましい。後者の例である、American Cyanamid 社から
サイメル( Cymel )の商品名で種々の銘柄のものが市販
されているメトキシ誘導体はヘキサメトキシメチルメラ
ミンであり、これは適当な粘度を得るために部分的に予
備重合した形( オリゴマー)で使用することが適当であ
る。ヘキサメトキシメチルメラミンは、置換基からの立
体障害に基づいて3 〜6 官能性であり、適当な酸触媒、
例えばp-トルエンスルホン酸(PTSA)を使用して高度に架
橋した材料を形成することができる。
【0016】本発明の好ましい裏面被膜はその表面が梨
地状であり(textured)、この梨地状表面は2 〜10μm の
粒子径を有する粒状材料を架橋重合体中に埋封すること
によって形成される。粒状材料は小粒子と大粒子との混
合物−これらの粒子の少なくとも90%は 2〜 3μm と 7
〜10μm の粒子径範囲を有する−からなり、そして、こ
れらの粒子は2:1 〜1:5 の小粒子と大粒子の比率に従っ
て、二つの粒子径範囲の間に分布している。適当な粒状
材料は約 2μm の平均直径を有するシロイド(Syloid)24
4 (Grace社製品) 及び約 8〜10μm の平均直径を有する
ガシル(Gasil)EBN(Crossfield社製品) のごときシリカ
粒子であるが、アルミナ及び粒状重合体材料のごとき他
の粒子も、前記したごとき粒子径範囲にある種々の粒子
の混合物として使用し得る。
地状であり(textured)、この梨地状表面は2 〜10μm の
粒子径を有する粒状材料を架橋重合体中に埋封すること
によって形成される。粒状材料は小粒子と大粒子との混
合物−これらの粒子の少なくとも90%は 2〜 3μm と 7
〜10μm の粒子径範囲を有する−からなり、そして、こ
れらの粒子は2:1 〜1:5 の小粒子と大粒子の比率に従っ
て、二つの粒子径範囲の間に分布している。適当な粒状
材料は約 2μm の平均直径を有するシロイド(Syloid)24
4 (Grace社製品) 及び約 8〜10μm の平均直径を有する
ガシル(Gasil)EBN(Crossfield社製品) のごときシリカ
粒子であるが、アルミナ及び粒状重合体材料のごとき他
の粒子も、前記したごとき粒子径範囲にある種々の粒子
の混合物として使用し得る。
【0017】本発明者はかかる梨地表面(textured surf
ace)、特に、より大きな粒子径の粒状材料を使用したも
のは、ざらつき(tooth) を改善して、鉛筆及びボールペ
ンによる筆記性を与えることを認めた。かかる梨地表面
は、製造時には、被転写シートの長いウエブの巻取特性
(winding property)に対しても利点をもたらし得る。か
かる梨地表面の粗面性(roughness) は、また、印刷時に
被転写シートがプリンターによって移送されている際
に、スリップ( すべり) を減少させるのにも役立ち、そ
して、印刷前又は印刷後に堆積させた時、切断した被転
写シートの、一方のシートの他方シート上での滑動(sli
ding) を促進することによって、取扱特性を改善し得
る。
ace)、特に、より大きな粒子径の粒状材料を使用したも
のは、ざらつき(tooth) を改善して、鉛筆及びボールペ
ンによる筆記性を与えることを認めた。かかる梨地表面
は、製造時には、被転写シートの長いウエブの巻取特性
(winding property)に対しても利点をもたらし得る。か
かる梨地表面の粗面性(roughness) は、また、印刷時に
被転写シートがプリンターによって移送されている際
に、スリップ( すべり) を減少させるのにも役立ち、そ
して、印刷前又は印刷後に堆積させた時、切断した被転
写シートの、一方のシートの他方シート上での滑動(sli
ding) を促進することによって、取扱特性を改善し得
る。
【0018】裏面被膜の重合体マトリックス( これは架
橋熱硬化材料の他に熱可塑性重合体も包含し得る)に対
する粒状材料の比率は広い範囲で変動させ得るが、その
場合においても有益な効果は得られる。適当な範囲は組
成物の全重合体含有量の0.5〜約50%である。0.5 %以
下の量では効果が小さく従って十分な量を含有する組成
物が好ましい;上限値は被膜に必要な強度によって決定
される。粒状材料を余りに多く添加した場合には被膜が
脆弱になり、最適量は使用した粒状材料により変動する
であろう。粒子径の小さい粒子の添加量を増大させる
と、次第にマット状の仕上げになりかつインキ吸収性が
良好になり、一方、粒子径の大きい粒子の添加量を増大
させると、前記したごとく、ざらつきが大きくなる。
橋熱硬化材料の他に熱可塑性重合体も包含し得る)に対
する粒状材料の比率は広い範囲で変動させ得るが、その
場合においても有益な効果は得られる。適当な範囲は組
成物の全重合体含有量の0.5〜約50%である。0.5 %以
下の量では効果が小さく従って十分な量を含有する組成
物が好ましい;上限値は被膜に必要な強度によって決定
される。粒状材料を余りに多く添加した場合には被膜が
脆弱になり、最適量は使用した粒状材料により変動する
であろう。粒子径の小さい粒子の添加量を増大させる
と、次第にマット状の仕上げになりかつインキ吸収性が
良好になり、一方、粒子径の大きい粒子の添加量を増大
させると、前記したごとく、ざらつきが大きくなる。
【0019】特に好ましい被転写シートは、裏面被膜が
梨地表面を有しかつ(a) ポリアルキレングリコールと多
官能性 N-(アルコキシメチル) アミノ樹脂との反応生成
物である架橋重合体と(b) 架橋重合体中に分散させたか
つ架橋重合体の0.5 〜50重量%の量の、2 〜10μm の粒
子径を有する粒状材料とから本質的になるものである。
梨地表面を有しかつ(a) ポリアルキレングリコールと多
官能性 N-(アルコキシメチル) アミノ樹脂との反応生成
物である架橋重合体と(b) 架橋重合体中に分散させたか
つ架橋重合体の0.5 〜50重量%の量の、2 〜10μm の粒
子径を有する粒状材料とから本質的になるものである。
【0020】重合体組成物は、熱硬化型重合体であるか
又は熱可塑性重合体である他の重合体材料をを含有し得
る;しかしながら、得られる裏面被膜の筆記性と粘着性
とを保持するためには、架橋ポリアルキレングリコール
反応生成物が重合体組成物の約半分又はそれ以上を占め
ることが好ましい。裏面被膜の脆弱性を改善するのに特
に有用な重合体、特に、裏面被膜を緊密に巻かれたロー
ル状にする場合に使用するのに有用な重合体はポリメチ
ルメタクリレートのごとき熱可塑性重合体である。しか
しながら、ある用途に使用するために特定の特性を改善
することが要求されないかぎり、裏面被膜の構成成分は
全体的にポリアルキレングリコールの架橋反応生成物か
らなることが好ましく、それによって、この架橋反応生
成物によってもたらされる利益が最大になる。
又は熱可塑性重合体である他の重合体材料をを含有し得
る;しかしながら、得られる裏面被膜の筆記性と粘着性
とを保持するためには、架橋ポリアルキレングリコール
反応生成物が重合体組成物の約半分又はそれ以上を占め
ることが好ましい。裏面被膜の脆弱性を改善するのに特
に有用な重合体、特に、裏面被膜を緊密に巻かれたロー
ル状にする場合に使用するのに有用な重合体はポリメチ
ルメタクリレートのごとき熱可塑性重合体である。しか
しながら、ある用途に使用するために特定の特性を改善
することが要求されないかぎり、裏面被膜の構成成分は
全体的にポリアルキレングリコールの架橋反応生成物か
らなることが好ましく、それによって、この架橋反応生
成物によってもたらされる利益が最大になる。
【0021】前記したごとく、再転写は染料拡散熱転写
において生ずる問題である;この再転写は染料が被転写
体中に拡散することができ、従って、染料が被転写体か
ら再び拡散することによって生起するものである。従っ
て、再転写は他の形式の熱転写法においては経験するこ
とのない問題である;例えば、染料蒸気を周囲の雰囲気
から染料受容表面上に凝縮させる昇華転写法(sublimati
on transfer)又はインキ担持シート( インキシート)(in
k sheet)が、溶融可能な樹脂中に染料又は顔料が分散し
ているインキ含有被膜( インキコート) (ink coat)を有
しており、上記インキ含有被膜が溶融した時、染料又は
顔料を樹脂と共に被転写体表面に移行させる溶融転写法
(melt transfer)[しばしば、マス転写法(mass transfe
r) と称される]においては再転写の問題は生ずること
がない。
において生ずる問題である;この再転写は染料が被転写
体中に拡散することができ、従って、染料が被転写体か
ら再び拡散することによって生起するものである。従っ
て、再転写は他の形式の熱転写法においては経験するこ
とのない問題である;例えば、染料蒸気を周囲の雰囲気
から染料受容表面上に凝縮させる昇華転写法(sublimati
on transfer)又はインキ担持シート( インキシート)(in
k sheet)が、溶融可能な樹脂中に染料又は顔料が分散し
ているインキ含有被膜( インキコート) (ink coat)を有
しており、上記インキ含有被膜が溶融した時、染料又は
顔料を樹脂と共に被転写体表面に移行させる溶融転写法
(melt transfer)[しばしば、マス転写法(mass transfe
r) と称される]においては再転写の問題は生ずること
がない。
【0022】染料拡散熱転写法においては染料が被転写
体中に拡散する能力が要求されるので、染料拡散熱転写
法で使用される被転写体の多くは、上記したごとき他の
熱転写法で使用される被転写体と異なり、かかる拡散特
性を有する特殊な被転写被膜が設けられている。かかる
染料の拡散は濃度勾配(concentration gradient)によっ
て生起させることができ、従って、本発明による裏面被
膜の、染料分子の再転写に対する抵抗性は、被転写被膜
を設けることによって染料拡散転写法に対して特に適合
させた被転写シートに対して特に適切なものである。従
って、本発明の好ましい被転写体は、染料受容表面が支
持体上に設けられた被転写被膜によって提供されてお
り、そして、該被転写被膜は、染料分子に対して親和性
を有する材料を含有するかつ濃度勾配によって生起させ
た場合に染料分子が拡散し得る染料受容性組成物からな
る、被転写体である。
体中に拡散する能力が要求されるので、染料拡散熱転写
法で使用される被転写体の多くは、上記したごとき他の
熱転写法で使用される被転写体と異なり、かかる拡散特
性を有する特殊な被転写被膜が設けられている。かかる
染料の拡散は濃度勾配(concentration gradient)によっ
て生起させることができ、従って、本発明による裏面被
膜の、染料分子の再転写に対する抵抗性は、被転写被膜
を設けることによって染料拡散転写法に対して特に適合
させた被転写シートに対して特に適切なものである。従
って、本発明の好ましい被転写体は、染料受容表面が支
持体上に設けられた被転写被膜によって提供されてお
り、そして、該被転写被膜は、染料分子に対して親和性
を有する材料を含有するかつ濃度勾配によって生起させ
た場合に染料分子が拡散し得る染料受容性組成物からな
る、被転写体である。
【0023】本発明の第1の要旨による被転写シート
は、例えば、プリンターによって必要な時に適当な長さ
の被転写シートを引出すことのできるカセット内で、芯
上にロールとして巻付けられた、長いストリップの形状
で使用するのに特に適当である。本発明の被転写シート
の多くは個々の印刷サイズ部分に切断しそして自動供給
プリンターに適合するカートリッジ内に収容した被転写
体の堆積物として販売するか、又は、補充包装製品(ref
ill pack) として販売し得る。しかしながら、後者の場
合には、裏面被膜用重合体材料が主として又は好ましく
は全体的に架橋ポリアルキレングリコールからなる被転
写シートを選択することが好ましい。
は、例えば、プリンターによって必要な時に適当な長さ
の被転写シートを引出すことのできるカセット内で、芯
上にロールとして巻付けられた、長いストリップの形状
で使用するのに特に適当である。本発明の被転写シート
の多くは個々の印刷サイズ部分に切断しそして自動供給
プリンターに適合するカートリッジ内に収容した被転写
体の堆積物として販売するか、又は、補充包装製品(ref
ill pack) として販売し得る。しかしながら、後者の場
合には、裏面被膜用重合体材料が主として又は好ましく
は全体的に架橋ポリアルキレングリコールからなる被転
写シートを選択することが好ましい。
【0024】ロール供給装置に対して特に適合するもの
にするために、本発明の第2の要旨によれば、多重印刷
を行うための長さ(multiple-print rength) を有する、
ロール状に巻かれたかつ連続供給式熱転写プリンター中
で使用するために包装された、伸長したストリップの形
状を有する被転写シートが提供される。これによって、
予かじめ切断したシート(precut sheet)をその一方を他
方の上で滑動させることを必要とせずに、また、プリン
ターに粘着しかつプリンターを閉塞することなしに、被
転写シートを、必要な時に、印刷ステーションに供給す
ることが可能となる;そして、一旦、印刷が行われた後
には、裏面被膜中にアルカリ金属塩帯電防止剤が存在し
ていないため、再転写性が低いという利点が得られる。
更に、一旦、被転写体に熱転写印刷が行われた後には、
本発明の裏面被膜においては、印刷物がプリンターから
出た直後にあるいはその後の任意の時点で、印刷物の裏
面に水性インキで筆記することが可能である。
にするために、本発明の第2の要旨によれば、多重印刷
を行うための長さ(multiple-print rength) を有する、
ロール状に巻かれたかつ連続供給式熱転写プリンター中
で使用するために包装された、伸長したストリップの形
状を有する被転写シートが提供される。これによって、
予かじめ切断したシート(precut sheet)をその一方を他
方の上で滑動させることを必要とせずに、また、プリン
ターに粘着しかつプリンターを閉塞することなしに、被
転写シートを、必要な時に、印刷ステーションに供給す
ることが可能となる;そして、一旦、印刷が行われた後
には、裏面被膜中にアルカリ金属塩帯電防止剤が存在し
ていないため、再転写性が低いという利点が得られる。
更に、一旦、被転写体に熱転写印刷が行われた後には、
本発明の裏面被膜においては、印刷物がプリンターから
出た直後にあるいはその後の任意の時点で、印刷物の裏
面に水性インキで筆記することが可能である。
【0025】本発明の第3の要旨によれば、染料受容表
面が染料受容性組成物によって提供されており、そし
て、被転写体が染料拡散熱転写によって印刷されてお
り、その結果、染料受容性組成物が該組成物中に拡散し
た、移行された画像形成性染料を含有していることを特
徴とする被転写体シートが提供される。
面が染料受容性組成物によって提供されており、そし
て、被転写体が染料拡散熱転写によって印刷されてお
り、その結果、染料受容性組成物が該組成物中に拡散し
た、移行された画像形成性染料を含有していることを特
徴とする被転写体シートが提供される。
【0026】本発明を図面を参照して更に説明する。
【0027】図1に示す被転写シートは二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレートフィルムからなる支持体1を有す
る。この支持体の一方の側( 即ち、染料受容表面側)に
導電性下層被膜(undercoat) 2が被覆されている。下層
被膜2の表面上に被転写層(receptive layer) 3が被覆
されている。染料受容表面の反対側に本発明の裏面被膜
4が被覆されている。
チレンテレフタレートフィルムからなる支持体1を有す
る。この支持体の一方の側( 即ち、染料受容表面側)に
導電性下層被膜(undercoat) 2が被覆されている。下層
被膜2の表面上に被転写層(receptive layer) 3が被覆
されている。染料受容表面の反対側に本発明の裏面被膜
4が被覆されている。
【0028】図2においては、図1に示す被転写シート
のストリップ21が示されている;このストリップは芯
22の周囲に巻付けられて、連続式被転写体供給装置を
備えたプリンター中で使用するのに適当なロール23を
形成している。
のストリップ21が示されている;このストリップは芯
22の周囲に巻付けられて、連続式被転写体供給装置を
備えたプリンター中で使用するのに適当なロール23を
形成している。
【0029】
【実施例】本発明を種々の塗料組成物を使用して作成し
た一連の被転写シートによって例示する;これらの被転
写シートは図面に示されるものの定尺物(cut length)で
ある。実施例2以外の各実施例においては、支持体とし
て乳白色メリネックス(Melinex)990二軸延伸ポリエステ
ルフィルム(ICI) の大きなウエブを使用した。最初に裏
面被膜を被覆しついで導電性下層被膜を被覆し、その上
に被転写層を被覆した。
た一連の被転写シートによって例示する;これらの被転
写シートは図面に示されるものの定尺物(cut length)で
ある。実施例2以外の各実施例においては、支持体とし
て乳白色メリネックス(Melinex)990二軸延伸ポリエステ
ルフィルム(ICI) の大きなウエブを使用した。最初に裏
面被膜を被覆しついで導電性下層被膜を被覆し、その上
に被転写層を被覆した。
【0030】実施例1及び1a 前記ウエブに第1の被膜として裏面被膜を被覆した。ウ
エブの片面を化学的にエッチングして機械的な定着部(k
ey) を設けた。実施例1においては下記の成分から裏面
被膜用塗料組成物を調製した: ジゴール(Digol) 5.7 重量部 サイメル(Cymel)303 15 〃 〃 アミンーブロックPTSA 10 〃 〃 ダイアコン(Diakon)MG102 22 〃 〃 ガシル(Gasil)EBN 2 〃 〃 シロイド(Syloid)244 8 〃 〃 (Gasil EBN 及びSyloid244 は、それぞれ、Grosfield
社及びGrace 社から市販されているシリカ粒子の商標で
あり、Diakon MG102はICI 社から市販されているポリメ
チルメタクリレートである。)裏面被膜用塗料組成物は
2種の液体として調製した;これらは熱硬化性プレカー
サー溶液及び酸触媒を含有する充填剤分散体である。使
用する直前に2種の液体を混合して上記の組成物を得
た。この組成物を前記でエッチングした表面に機械塗布
し、乾燥しついで硬化させて厚さ1.5 〜2 μm の裏面被
膜を形成させた。
エブの片面を化学的にエッチングして機械的な定着部(k
ey) を設けた。実施例1においては下記の成分から裏面
被膜用塗料組成物を調製した: ジゴール(Digol) 5.7 重量部 サイメル(Cymel)303 15 〃 〃 アミンーブロックPTSA 10 〃 〃 ダイアコン(Diakon)MG102 22 〃 〃 ガシル(Gasil)EBN 2 〃 〃 シロイド(Syloid)244 8 〃 〃 (Gasil EBN 及びSyloid244 は、それぞれ、Grosfield
社及びGrace 社から市販されているシリカ粒子の商標で
あり、Diakon MG102はICI 社から市販されているポリメ
チルメタクリレートである。)裏面被膜用塗料組成物は
2種の液体として調製した;これらは熱硬化性プレカー
サー溶液及び酸触媒を含有する充填剤分散体である。使
用する直前に2種の液体を混合して上記の組成物を得
た。この組成物を前記でエッチングした表面に機械塗布
し、乾燥しついで硬化させて厚さ1.5 〜2 μm の裏面被
膜を形成させた。
【0031】支持体の被転写層側については、下記の成
分からなる導電性下層被膜用組成物を調製した: メタノール ( 溶剤) PVP K90 20 重量部 サイメル303 40 〃 〃 K-フレックス(K-Flex) 5 〃 〃 ジゴール 15 〃 〃 PTSA 20 〃 〃 LiOH H20 3.2 〃 〃 ( K-FlexはKing Industries 社から市販されているポリ
エステルポリオールであり、PVP はポリビニルピロリド
ンである;両者とも、塗装適性を調整するために添加さ
れる。)この組成物は、最初、反応性成分を含有する別
個の溶液として調製し、使用する直前に混合した。つい
で、この溶液を支持体の、裏面被膜と反対の側に機械塗
布し、乾燥しついで110 ℃で硬化させて厚さ約 1μm の
乾燥被膜を形成させた。
分からなる導電性下層被膜用組成物を調製した: メタノール ( 溶剤) PVP K90 20 重量部 サイメル303 40 〃 〃 K-フレックス(K-Flex) 5 〃 〃 ジゴール 15 〃 〃 PTSA 20 〃 〃 LiOH H20 3.2 〃 〃 ( K-FlexはKing Industries 社から市販されているポリ
エステルポリオールであり、PVP はポリビニルピロリド
ンである;両者とも、塗装適性を調整するために添加さ
れる。)この組成物は、最初、反応性成分を含有する別
個の溶液として調製し、使用する直前に混合した。つい
で、この溶液を支持体の、裏面被膜と反対の側に機械塗
布し、乾燥しついで110 ℃で硬化させて厚さ約 1μm の
乾燥被膜を形成させた。
【0032】被転写層用塗料組成物においてもサイメル
303 と導電性下層被膜と相溶性の酸触媒系とを使用し
た;その組成は下記の通りである: トルエン/MEK 60/40溶剤混合物 バイロン(Vylon)200 100 重量部 テゴマー(Tegomer) HSi 2210 0.7 〃 〃 サイメル303 1.4 〃 〃 チヌビン(Tinuvin)900 1.0 〃 〃 ナキュア(Nacure)2530 0.2 〃 〃 (Tegomer HSi 2210 は酸性条件下、サイメル303 により
架橋して、印刷時に有効な剥離系を形成し得る、Goldsc
hmidt 社から市販されているビス−ヒドロキシアルキル
ポリジメチルシロキサンである。)この塗料組成物は3
種の官能性溶液を混合することによって調製した;第1
の溶液は染料受容性バイロンとチヌビンUV吸収剤を含有
する溶液であり、第2の溶液はサイメル架橋剤を含有す
る溶液でありそして第3の溶液はテゴマーシリコーン剥
離剤と、テゴマーとサイメルの架橋重合を促進するため
のナキュア溶液とを含有する溶液である。インライン塗
装装置を使用して、被転写層用塗料組成物を導電性下層
被膜上に被覆し、乾燥しついで140 ℃で硬化させて厚さ
約 4μm の染料受容性層を形成させた。
303 と導電性下層被膜と相溶性の酸触媒系とを使用し
た;その組成は下記の通りである: トルエン/MEK 60/40溶剤混合物 バイロン(Vylon)200 100 重量部 テゴマー(Tegomer) HSi 2210 0.7 〃 〃 サイメル303 1.4 〃 〃 チヌビン(Tinuvin)900 1.0 〃 〃 ナキュア(Nacure)2530 0.2 〃 〃 (Tegomer HSi 2210 は酸性条件下、サイメル303 により
架橋して、印刷時に有効な剥離系を形成し得る、Goldsc
hmidt 社から市販されているビス−ヒドロキシアルキル
ポリジメチルシロキサンである。)この塗料組成物は3
種の官能性溶液を混合することによって調製した;第1
の溶液は染料受容性バイロンとチヌビンUV吸収剤を含有
する溶液であり、第2の溶液はサイメル架橋剤を含有す
る溶液でありそして第3の溶液はテゴマーシリコーン剥
離剤と、テゴマーとサイメルの架橋重合を促進するため
のナキュア溶液とを含有する溶液である。インライン塗
装装置を使用して、被転写層用塗料組成物を導電性下層
被膜上に被覆し、乾燥しついで140 ℃で硬化させて厚さ
約 4μm の染料受容性層を形成させた。
【0033】被覆ウエブの試験結果は、高度に架橋させ
た裏面被膜は他の2種の塗料を被覆する際に使用される
溶剤と温度に対して安定であることを示した。
た裏面被膜は他の2種の塗料を被覆する際に使用される
溶剤と温度に対して安定であることを示した。
【0034】実施例1a については、裏面被膜用塗料組
成物中に第3の成分、即ち、全組成物中に 1重量部の硝
酸リチウムを存在させるのに十分な量の硝酸リチウムの
溶液を含有させたこと以外、前記と同様の方法で別の被
転写ウエブを作成した。
成物中に第3の成分、即ち、全組成物中に 1重量部の硝
酸リチウムを存在させるのに十分な量の硝酸リチウムの
溶液を含有させたこと以外、前記と同様の方法で別の被
転写ウエブを作成した。
【0035】取扱い特性、筆記性及び粘着性試験は、以
下において実施例1,1a,2及び2aについて述べるごとき方
法で行った。
下において実施例1,1a,2及び2aについて述べるごとき方
法で行った。
【0036】実施例2 乳白色支持体の代わりに透明二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを使用したこと以外、前記実施例と同一の方法を繰
返した。各々の場合、最初に支持体の一方の側に裏面被
膜を被覆しついで他方の側に導電性下層被膜を被覆し
た;これらの両者は、それぞれ、実施例 1及び1aと同一
の組成を有していた。しかしながら、被転写被膜用組成
物は変更した;その組成は下記の通りである: トルエン/MEK 60/40溶剤混合物 バイロン200 100 重量部 テゴマー HSi 2210 1.37 〃 〃 サイメル303 1.8 〃 〃 チヌビン900 2.0 〃 〃 ナキュア2530 0.2 〃 〃 被転写被膜を被覆しついで実施例 1と同様の方法で乾燥
しそして硝酸リチウム( 実施例 2a 参照) を含有する比
較用透明シートも前記と同様にして作成した。実施例
1,1a,2 及び2aから得られたシートの試料を評価した。
ルムを使用したこと以外、前記実施例と同一の方法を繰
返した。各々の場合、最初に支持体の一方の側に裏面被
膜を被覆しついで他方の側に導電性下層被膜を被覆し
た;これらの両者は、それぞれ、実施例 1及び1aと同一
の組成を有していた。しかしながら、被転写被膜用組成
物は変更した;その組成は下記の通りである: トルエン/MEK 60/40溶剤混合物 バイロン200 100 重量部 テゴマー HSi 2210 1.37 〃 〃 サイメル303 1.8 〃 〃 チヌビン900 2.0 〃 〃 ナキュア2530 0.2 〃 〃 被転写被膜を被覆しついで実施例 1と同様の方法で乾燥
しそして硝酸リチウム( 実施例 2a 参照) を含有する比
較用透明シートも前記と同様にして作成した。実施例
1,1a,2 及び2aから得られたシートの試料を評価した。
【0037】評価試験−筆記性及び粘着性 被転写ウエブの各々を標準サイズに切断し、その堆積物
から熱転写プリンターに供給した。単一のシートを順
次、堆積物から供給し、全色印刷画像(full colour ima
ge) を印刷した。印刷中、取扱い性に問題はなく、実施
例1の被転写シートを実施例1a の被転写シートに変え
た場合、又は実施例2の被転写シートを実施例2a の被
転写シートに変えた場合、取扱い特性における改善の程
度は実質的に小さかった。
から熱転写プリンターに供給した。単一のシートを順
次、堆積物から供給し、全色印刷画像(full colour ima
ge) を印刷した。印刷中、取扱い性に問題はなく、実施
例1の被転写シートを実施例1a の被転写シートに変え
た場合、又は実施例2の被転写シートを実施例2a の被
転写シートに変えた場合、取扱い特性における改善の程
度は実質的に小さかった。
【0038】印刷物の筆記性についての試験を硬度HBの
鉛筆と水性インキを充填したペンを使用して行った。両
者の筆記用具の場合について、被転写シートの上記セッ
トのいずれにおいても筆記するのに困難性は認められな
かった。
鉛筆と水性インキを充填したペンを使用して行った。両
者の筆記用具の場合について、被転写シートの上記セッ
トのいずれにおいても筆記するのに困難性は認められな
かった。
【0039】かかる被転写シートが郵便ハガキに使用し
得るか否かを試験するために、郵便切手を濡らし、裏面
被膜に貼付けた。乾燥した時、切手は容易に剥離せず、
破損した。
得るか否かを試験するために、郵便切手を濡らし、裏面
被膜に貼付けた。乾燥した時、切手は容易に剥離せず、
破損した。
【0040】対照として、標準的架橋重合体裏面被膜を
有する市販の被転写シートに前記と同様にして印刷を行
った。鉛筆によって筆記はできたが、水性インキは凝集
し、摩擦落ちし(run off) 、最初に乾燥したインキは判
読し得る筆跡(blob)を残さなかった。これらの市販の被
転写シートは郵便切手貼付試験(post stamp test) にも
合格せず、乾燥すると脱落した。
有する市販の被転写シートに前記と同様にして印刷を行
った。鉛筆によって筆記はできたが、水性インキは凝集
し、摩擦落ちし(run off) 、最初に乾燥したインキは判
読し得る筆跡(blob)を残さなかった。これらの市販の被
転写シートは郵便切手貼付試験(post stamp test) にも
合格せず、乾燥すると脱落した。
【0041】評価試験−再転写 印刷物を全部が同様に対面するように堆積させ、一つの
印刷物の印刷面が、この印刷物上に載っている印刷物の
裏面被膜に重なるようにした。この堆積物を45℃、相対
湿度85%の促進老化試験の条件下に数日放置した。実施
例 1及び 2の被転写シートではその裏面被膜上に極めて
僅かな変色しか認められなかった。実施例1a及び2aの被
転写シートでは,特別な変色は示さなかったが、顕著な
再転写の発生が認められた。
印刷物の印刷面が、この印刷物上に載っている印刷物の
裏面被膜に重なるようにした。この堆積物を45℃、相対
湿度85%の促進老化試験の条件下に数日放置した。実施
例 1及び 2の被転写シートではその裏面被膜上に極めて
僅かな変色しか認められなかった。実施例1a及び2aの被
転写シートでは,特別な変色は示さなかったが、顕著な
再転写の発生が認められた。
【0042】実施例 3〜9 及び3a〜9a 後記の表に別の裏面被膜用塗料組成物を示す。これらの
組成物は、広範囲のポリアルキレングリコールを使用し
得ることを示すために選択されたものである;これらの
ポリアルキレングリコールは、高い分子量を有するもの
から、分子量の低いジエチレングリコールまでの範囲
の、ポリプロピレングリコール及び一連のポリエチレン
グリコールを包含している。表中の百分率は帯電防止剤
を含む組成物( 但し、酸触媒は除く) に基づく重量%で
ある。実施例 3〜9 の組成物の調製においては、ポリア
ルキレングリコール溶液と多官能性架橋剤溶液とを別個
に調製し、これらを、使用する直前に前記実施例と同様
の方法で混合した。比較例3a〜9aの組成物の調製におい
ては、アルカリ金属塩を含有する溶液を更に調製し、こ
れを、使用の直前に他の2種の溶液と混合した。後記の
表においては、下記の略号と商品名を使用した:
組成物は、広範囲のポリアルキレングリコールを使用し
得ることを示すために選択されたものである;これらの
ポリアルキレングリコールは、高い分子量を有するもの
から、分子量の低いジエチレングリコールまでの範囲
の、ポリプロピレングリコール及び一連のポリエチレン
グリコールを包含している。表中の百分率は帯電防止剤
を含む組成物( 但し、酸触媒は除く) に基づく重量%で
ある。実施例 3〜9 の組成物の調製においては、ポリア
ルキレングリコール溶液と多官能性架橋剤溶液とを別個
に調製し、これらを、使用する直前に前記実施例と同様
の方法で混合した。比較例3a〜9aの組成物の調製におい
ては、アルカリ金属塩を含有する溶液を更に調製し、こ
れを、使用の直前に他の2種の溶液と混合した。後記の
表においては、下記の略号と商品名を使用した:
【0043】PPG はポリプロピレングリコールを表す。
PEG はポリエチレングリコールを表す。トリゴール(Tri
gol)はトリエチレングリコールを表す。ジゴール(Digo
l) はジエチレングリコールを表す。トリフレート(Trif
late)はリチウムトリフルオロメタンサルフェートを表
す。KFBSはカリウムノナフルオロ−1−ブタンスルホネ
ートを表す。PTSAはp-トルエンスルホン酸( アミンでブ
ロック)を表す。
PEG はポリエチレングリコールを表す。トリゴール(Tri
gol)はトリエチレングリコールを表す。ジゴール(Digo
l) はジエチレングリコールを表す。トリフレート(Trif
late)はリチウムトリフルオロメタンサルフェートを表
す。KFBSはカリウムノナフルオロ−1−ブタンスルホネ
ートを表す。PTSAはp-トルエンスルホン酸( アミンでブ
ロック)を表す。
【0044】
【0045】上記の表に示されている組成物により、組
成物中で使用される基材重合体プレカーサー、比較例に
ついては帯電防止剤及び酸触媒が提供される。被転写体
支持体に塗布しついで乾燥する工程を行う直前に溶液を
混合する場合には、上記の組成物に、所望ならば( そし
て好ましくは)、充填剤分散体を添加し得る。充填剤は
実施例 1に示すごとき種類のものの混合物であるか又は
単一の種類のものであり得る。
成物中で使用される基材重合体プレカーサー、比較例に
ついては帯電防止剤及び酸触媒が提供される。被転写体
支持体に塗布しついで乾燥する工程を行う直前に溶液を
混合する場合には、上記の組成物に、所望ならば( そし
て好ましくは)、充填剤分散体を添加し得る。充填剤は
実施例 1に示すごとき種類のものの混合物であるか又は
単一の種類のものであり得る。
【0046】印刷後、水性インキを使用して裏面被膜上
に筆記を行うことを試みた。試験した試料のいずれにつ
いても、実際上、問題はなかった。この試験の結果は全
ての試料についてその価値( 品質) の順序を決定するの
には余りにも主観的なものであるが、裏面被膜重合体と
して架橋ジエチレングリコールを使用した場合には特に
良好な結果が得られることは確実である。これに対し
て、非被覆メリネックス990 のシートでは同一のインキ
を使用して筆記することができなかった。
に筆記を行うことを試みた。試験した試料のいずれにつ
いても、実際上、問題はなかった。この試験の結果は全
ての試料についてその価値( 品質) の順序を決定するの
には余りにも主観的なものであるが、裏面被膜重合体と
して架橋ジエチレングリコールを使用した場合には特に
良好な結果が得られることは確実である。これに対し
て、非被覆メリネックス990 のシートでは同一のインキ
を使用して筆記することができなかった。
【0047】実施例 1及び2 におけるごとく、試料のい
くつかについて水活性化接着剤(water-activated adhes
ive)を受容する能力を試験した。郵便切手( 又はその非
印刷端部ストリップ)を水で濡らし、裏面被膜に圧着し
た。いずれの試料においても接着は良好であった。
くつかについて水活性化接着剤(water-activated adhes
ive)を受容する能力を試験した。郵便切手( 又はその非
印刷端部ストリップ)を水で濡らし、裏面被膜に圧着し
た。いずれの試料においても接着は良好であった。
【0048】再転写性について評価した場合、得られた
結果はアルカリ金属塩を含有していない試料はかかる金
属塩を含有するものより再転写の発生が少ないことを示
した。
結果はアルカリ金属塩を含有していない試料はかかる金
属塩を含有するものより再転写の発生が少ないことを示
した。
【0049】実施例10 本実施例はシリカ以外の粒状材料の使用を例示するもの
である。実施例 1に記載したごとき被転写体ウエブを製
造する際に、被転写体層と帯電防止性内部層は変化させ
ず、裏面被膜用塗料組成物として下記の組成を有するも
のを使用した(この組成物を最初に塗布し、乾燥しつい
で硬化させた) : PEG 600 38重量部 サイメル 303 38 〃 ペルゴパク(Pergopak) M3 15 〃 ガシル EBN 5 〃 フタル酸 4 〃 Pergopak M3 はMartinswerk 社製造の微粉砕尿素ホルム
アルデヒド重合体であり、粒状材料の全体を構成する。
しかしながら、鉛筆及びボールペンを使用して効果的に
筆記するのに十分なざらつきを与えるために、より大き
いシリカ粒子(ガシル EBN) も若干、含有させた。かか
る組成物は良好な水湿潤性を有するため、水性インキを
使用して良好に筆記を行い得るかつ水活性化接着剤を付
着させることのできる表面が得られた。
である。実施例 1に記載したごとき被転写体ウエブを製
造する際に、被転写体層と帯電防止性内部層は変化させ
ず、裏面被膜用塗料組成物として下記の組成を有するも
のを使用した(この組成物を最初に塗布し、乾燥しつい
で硬化させた) : PEG 600 38重量部 サイメル 303 38 〃 ペルゴパク(Pergopak) M3 15 〃 ガシル EBN 5 〃 フタル酸 4 〃 Pergopak M3 はMartinswerk 社製造の微粉砕尿素ホルム
アルデヒド重合体であり、粒状材料の全体を構成する。
しかしながら、鉛筆及びボールペンを使用して効果的に
筆記するのに十分なざらつきを与えるために、より大き
いシリカ粒子(ガシル EBN) も若干、含有させた。かか
る組成物は良好な水湿潤性を有するため、水性インキを
使用して良好に筆記を行い得るかつ水活性化接着剤を付
着させることのできる表面が得られた。
【図1】 本発明の被転写シートの断面の略図である。
【図2】 本発明の被転写シートのロールの断面の略図
である。
である。
1 支持体 2 下層被膜 3 被転写層 4 裏面被膜 21 被転写シートストリップ 22 芯 23 ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチヤード・アントニー・ハン イギリス国.サフオーク.イプスウイツ チ.ウツドストーン・アベニユ.22
Claims (11)
- 【請求項1】 一方の側に染料受容表面を有し、他方の
側に裏面被膜を担持している支持体からなる熱転写印刷
用被転写シートにおいて、上記裏面被膜がポリアルキレ
ングリコールと、該ポリアルキレングリコールの末端ヒ
ドロキシル基と反応性の多官能性有機架橋剤との反応生
成物である架橋有機重合体からなること及び上記裏面被
膜はアルカリ金属塩を含有していないことを特徴とする
熱転写印刷用被転写シート。 - 【請求項2】 ポリアルキレングリコールはポリエチレ
ングリコールである請求項1に記載の被転写シート。 - 【請求項3】 ポリエチレングリコールはジエチレング
リコール及びトリエチレングリコールから選ばれる請求
項2に記載の被転写シート。 - 【請求項4】 裏面被膜の架橋重合体はポリアルキレン
グリコールと、架橋剤としての多官能性 N-(アルコキシ
メチル) アミノ樹脂との酸触媒反応生成物である請求項
1に記載の被転写シート。 - 【請求項5】 架橋剤はヘキサメトキシメチルメラミン
又はそのオリゴマーである請求項4に記載の被転写シー
ト。 - 【請求項6】 裏面被膜を架橋重合体中に埋封された粒
状材料により梨地状にした請求項4に記載の被転写シー
ト。 - 【請求項7】 裏面被膜は (a) ポリアルキレングリコールと多官能性 N-(アルコキ
シメチル) アミノ樹脂との反応生成物である架橋重合体
と (b) 架橋重合体中に分散させたかつ架橋重合体の0.5 〜
50重量%の量の、2 〜10μm の粒子径を有する粒状材料
とから本質的になる請求項4に記載の被転写シート。 - 【請求項8】 粒状材料は小粒子と大粒子との混合物−
これらの粒子の少なくとも90%は 2〜 3μm と 7〜10μ
m の粒子径範囲を有する−からなり、そして、これらの
粒子は2:1 〜1:5 の小粒子と大粒子の比率に従って、二
つの粒子径範囲の間に分布している請求項6又は請求項
7に記載の被転写シート。 - 【請求項9】 染料受容表面は支持体上に担持された被
転写被膜によって提供されており、そして、該被転写被
膜は、染料分子に対して親和性を有する材料であってか
つ濃度勾配によって生起させた場合に染料分子が拡散し
得る材料を含有する染料受容性組成物からなる請求項1
〜8のいずれかに記載の被転写シート。 - 【請求項10】 多重印刷を行うための長さを有する、
ロール状に巻かれたかつ熱転写プリンター中で使用する
ために包装された、伸長したストリップの形状を有する
請求項1〜8のいずれかに記載の被転写シート。 - 【請求項11】 染料受容表面が染料受容性組成物によ
って提供されており、そして、被転写体が染料拡散熱転
写によって印刷されており、その結果、染料受容性組成
物が該組成物中に拡散した、移行された画像形成性染料
を含有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
かに記載の被転写シート。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
GB9102801:9 | 1991-02-11 | ||
GB919102801A GB9102801D0 (en) | 1991-02-11 | 1991-02-11 | Thermal transfer printing receiver |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0640176A true JPH0640176A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=10689810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4022225A Pending JPH0640176A (ja) | 1991-02-11 | 1992-02-07 | 熱転写印刷用被転写シート |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0499369B1 (ja) |
JP (1) | JPH0640176A (ja) |
AT (1) | ATE123709T1 (ja) |
DE (1) | DE69202874T2 (ja) |
GB (1) | GB9102801D0 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5462911A (en) * | 1993-09-24 | 1995-10-31 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Thermal transfer image-receiving sheet |
US9255170B2 (en) | 2013-01-11 | 2016-02-09 | Samsung Display Co., Ltd. | Block copolymer, method of forming the same, and method of forming pattern |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5774164A (en) * | 1994-10-27 | 1998-06-30 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Thermal transfer image-receiving sheet |
US6660397B2 (en) * | 2002-02-21 | 2003-12-09 | Toray Plastics (America), Inc. | Thermoplastic sheet with scratch resistant surface and method of making same |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0409526B1 (en) * | 1989-07-21 | 1995-09-13 | Imperial Chemical Industries Plc | Thermal transfer receiver |
US5011814A (en) * | 1990-02-27 | 1991-04-30 | Eastman Kodak Company | Thermal dye transfer receiving element with polyethylene oxide backing layer |
-
1991
- 1991-02-11 GB GB919102801A patent/GB9102801D0/en active Pending
-
1992
- 1992-01-24 AT AT92300627T patent/ATE123709T1/de not_active IP Right Cessation
- 1992-01-24 EP EP92300627A patent/EP0499369B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1992-01-24 DE DE69202874T patent/DE69202874T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1992-02-07 JP JP4022225A patent/JPH0640176A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5462911A (en) * | 1993-09-24 | 1995-10-31 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Thermal transfer image-receiving sheet |
US5705451A (en) * | 1993-09-24 | 1998-01-06 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Thermal transfer image-receiving sheet |
US6352957B2 (en) | 1993-09-24 | 2002-03-05 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Thermal transfer image-receiving sheet |
US9255170B2 (en) | 2013-01-11 | 2016-02-09 | Samsung Display Co., Ltd. | Block copolymer, method of forming the same, and method of forming pattern |
US9725550B2 (en) | 2013-01-11 | 2017-08-08 | Samsung Display Co., Ltd. | Block copolymer, method of forming the same, and method of forming pattern |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69202874T2 (de) | 1995-11-16 |
GB9102801D0 (en) | 1991-03-27 |
DE69202874D1 (de) | 1995-07-20 |
ATE123709T1 (de) | 1995-06-15 |
EP0499369A1 (en) | 1992-08-19 |
EP0499369B1 (en) | 1995-06-14 |
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