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JPH0630798A - ヒトの性別決定法 - Google Patents

ヒトの性別決定法

Info

Publication number
JPH0630798A
JPH0630798A JP5135167A JP13516793A JPH0630798A JP H0630798 A JPH0630798 A JP H0630798A JP 5135167 A JP5135167 A JP 5135167A JP 13516793 A JP13516793 A JP 13516793A JP H0630798 A JPH0630798 A JP H0630798A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
product
seq
dna
sample
human
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5135167A
Other languages
English (en)
Inventor
Rebecca Reynolds
レイノルズ レベッカ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
F Hoffmann La Roche AG
Original Assignee
F Hoffmann La Roche AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by F Hoffmann La Roche AG filed Critical F Hoffmann La Roche AG
Publication of JPH0630798A publication Critical patent/JPH0630798A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6879Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for sex determination
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/156Polymorphic or mutational markers

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒト由来のDNA試料に基いてヒトの性を決
定する方法であって、(a)試料から生成物を次のプラ
イマー:CTGGAGAGCCACAAGCTGAC
(配列番号:1)及びTTGCTGTGGACTGCC
AAGAG(配列番号:2)によるポリメラーゼ連鎖反
応法を用いて増幅し、(b)前記生成物をHaeIII 制
限酵素により消化し、そして(c)前記消化された生成
物を可視化する、段階を含んで成る方法。 【効果】 簡単で正確に極微量の試料を用いてヒトの性
を決定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は性決定方法並びにこの方
法において使用するための特異的プローブ及びプライマ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】性の決定は、生物学的試料の法医学分
析、及び生体外受精に伴う性関連疾患の可能性を決定す
るための移植前胚の性別決定を含めて、多くの科学的過
程の重要な観点である。本発明の性決定分析は雄性の異
型(heteromorphic)(XY)性に依存す
る。すなわち、例えば精巣決定因子(testes−d
etermining factor)(TDF)として
知られる性決定遺伝子は異型(heteromorph
ic)個体のゲノムに位置すると信じられ、そして精巣
に分化するための両性発育可能性生殖腺原基(bipo
tential gonndal primordi
n)を生じさせると信じられる〔Page,D.C.
ら、Cell 51,1091−1104(198
7)〕。従って、TDFは多くの既知の性決定試験のた
めの基礎である。
【0003】他の性決定法は、Ferguson−Sm
ith,M.A.によりBrit.Med.J.29
,635−636(1988)に記載された「量/X
−不活性化」(dosage/X−inactivat
ion)モデルに基く。さらに詳しくは、この方法は、
X染色体上のZFY遺伝子及び関連遺伝子が機能的に相
互交換可能な蛋白質を生産するという前提に基いてい
る。すなわち、XY細胞は該遺伝子の2つの活性なコピ
ーを有するであろう。他方、XX細胞は「X−不活性
化」のために1つのみの活性なコピーを有するであろ
う。従って、該遺伝子の2つの活性なコピーを有する胚
は雄性として発達し、他方該遺伝子の1つの活性なコピ
ーを有するものは雌性として発達するであろう。
【0004】この「量/X−不活性化」モデルはSch
neider−Gadicke,A.ら〔Cell
,1247−1258(1989)〕により不定され
た。Schneider−GadickeはZFY遺伝
子のヒトX相同染色体(Xhomolog)(ZFXと称
する)をクローン化し、そしてこのX染色体遺伝子がZ
FY蛋白質のそれに密接に関連する亜鉛フィンガードメ
インを有する蛋白質をコードすることを見出した。ヒト
−ゲッ歯動物雑種細胞系の転写分析により、ZFXは
「X−不活性化」をのがれることが見出された。
【0005】他の性決定法は、ユニバーサルプライマー
(すなわち、多くの種、例えばヒト、ウシ、ヒツジ及び
ヤギに対して有用なプライマー)及びPCRを用いて、
ZFY遺伝子及びZFX遺伝子に対応する雄性又は雌性
ゲノムDNAから447塩基対(bp)又は445bp
の断片を増幅する〔Aasen,E.及びMedran
o,J.F.,Bio/Technology ,1
279−1281(1990)〕。次に、該断片の制限
断片長多型(RFLP)分析が、制限酵素のパネル(A
luI,EcoRI,HaeIII,HinfI,Msp
I,PstI,SacI及びSalI)の消化に基く4
種における性間の特異的結合パターンを示した。ヒトに
おいて、RFLP分析が示したところによれば、ZFX
断片は雄性及び雌性の両者において400bp及び45
bpの断片を生成する一個のHaeIII 部位を有してい
たが、ZFY断片は2つのHaeIII 部位を有し、31
7bp,84bp及び46bpの断片をもたらした。従
って、ヒト雄性試料は、400,317,84及び46
/45塩基対の4つの断片により同定される。
【0006】さらに、性染色体異数性(aneuplo
idy)のPCRに基く診断は、Mutter,G.
L.及びPomponio,R.J.によりNucle
icAcids Research 19,4203−
4207(1991)により記載されている。この方法
はX及びY染色体上の相同であるがしかし別々の遺伝子
に対して向けられた1つのプライマーを用い、そして性
染色体特異的制限断片長多形による406塩基対生成物
を生成させる。この方法は、X及びY染色体の両者が存
在する場合に性染色体平衡異常(imbalance)
を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】性同定の既知の方法を
用いることにより、不明瞭で不正確な結果の機会が常に
存在する。本発明により解決しようとする課題は、現在
使用されているものよりも正確な性同定法を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の性決定法は、ヒ
トX及びY染色体の領域に対して特異的なプライマーに
よるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いる。次に、
特異的多形制限部位を用いて雌性試料から雄性試料を区
別する。1つの態様においては、本発明はヒト由来のD
NA試料に基くヒトの性の決定方法に関し、この方法
は、 (a)試料から生成物を、プライマーRR10: (CTGGAGAGCCACAAGCTGAC) (配列番号:1)、 及びプライマーRR12: (TTGCTGTGGACTGCCAAGAG) (配列番号:2) によるPCRを用いて増幅し; (b)前記生成物をHaeIII 制限酵素を用いて消化
し;そして (c)前記消化された生成物を可視化する; 段階を含んで成る。約209bpの生成物が増幅段階か
ら生ずる。次に、HaeIII 消化により、試料が雌性か
らのものであれば約172bp及び37bpの断片が生
じ、そして試料が雄性からのものであれば約172b
p、約37bp、約88bp及び約84bpの断片が生
ずる。88bp及び84bpの断片は、ゲル上で可視化
されれば、単一バンド又は二重バンドとして現われる。
【0009】他の態様において、本発明の性決定方法
は、 (a)ヒトDNA試料中の次のヌクレオチド配列: CTGGAGAGCC ACAAGCTGAC CAGCAAGGCA GAGAAGGCCA TTGAATGTGA TGAGTGTGGG AAGCATTTTT CTCATGCAGG GGCTTTGTTT ACTCACAAAA TGGTGCATAA GGAAAAAGGG GCCAACAAAA TGCACAAGTG TAAATTCTGT GAATATGAGA CAGCTGAACA GGGGTTATTG AATCGCCACC TCTTGGCAGT CCACAGCAA (配列番号:3) を有する209bp生成物を増幅し; (b)前記生成物をHaeIII 制限酵素で消化し;そし
て前記消化された生成物を可視化する;段階を含んで成
る。この方法は、PCRに加えて他の増幅方法の使用を
期待している。この様な他の増幅方法の例にはリガーゼ
連鎖反応(LCR)及びポリメラーゼ・リガーゼ連鎖反
応(PLCR)が含まれる。
【0010】さらなる態様において、本発明は性決定の
ための逆ドットブロット方式において使用される。この
方式においては、増幅され標識された生成物の異る領域
への固定化されたプローブが試料中の雄性及び雌性DN
Aの存在又は不存在を示し、又は混合された試料中の雄
性及び雌性DNAの相対比率を示す。
【0011】
【具体的な説明】本発明の種々の対象、利点及び新規な
性質が次の詳細な説明から一層容易に明らかになるであ
ろう。本発明は、ヒトからのDNAを含む生物学的試料
に基く、ヒトの性の決定方法に関する。本発明の理解を
促進するため、幾つかの用語を下に定義する。
【0012】「遺伝子」なる用語は、回収可能な生物活
性ポリペプチド又は前駆体の生産のために必要な制限配
列及びコード配列を含むDNA配列を意味する。このポ
リペプチドは全長コード配列によりコードされてもよ
く、又はその生物活性(例えばその酵素活性)が保持さ
れる限りコード配列の任意の部分によりコードされてい
てもよい。
【0013】用語「オリゴヌクレオチド」なる語は、こ
こで用いられる場合、2以上の、好ましくは3より多く
の、そして通常は10より多くのデオキシリボヌクレオ
チド又はリボヌクレオチドから構成される分子として定
義される。正確なサイズは多くの因子に依存し、これは
今度はオリゴヌクレオチドの最終機能又は用途に依存す
る。オリゴヌクレオチドは合成されてもよく、又はクロ
ーニングによってもよい。
【0014】「プライマー」なる用語は、ここで使用さ
れる場合、プライマー伸長が開始される条件下に置かれ
た際に合成の開始点として機能することができるオリゴ
ヌクレオチドを意味する。核酸鎖に対して相補的である
プライマー伸長生成物の合成は、増幅反応のために必要
な試薬、すなわち4種類の異るヌクレオチドトリホスフ
ェート及び熱安定性ポリメラーゼ酵素の存在下で、適当
な緩衝液中適当な温度において開始される。「緩衝液」
は補助因子(例えば二価金属イオン)及び塩(適当なイ
オン強度を与えるため)を含み、所望のpHに調整されて
いる。
【0015】プライマーは、増幅の最大効率のためには
単本鎖であるが、それに代って二本鎖であってもよい。
二本鎖の場合、プライマーは伸長生成物の調製のために
使用される前に、その鎖を分離するためにまず処理され
る。プライマーは通常、オリゴデオキシリボヌクレオチ
ドである。プライマーは、ポリメラーゼ酵素の存在下で
の伸長生成物の合成を開始する(prime)ために十
分に長くなければならない。プライマーの正確な長さは
多くの因子、例えばプライマー源及び望まれる結果に依
存するであろう。また反応時間はプライマーのヌクレオ
チド配列に依存して、鋳型へのプライマーの適切なアニ
ーリングを保証するように調整されなければならない。
標的配列の複雑さに依存して、オリゴヌクレオチドプラ
イマーは典型的には15〜35ヌクレオチドを含有す
る。短いプライマー分子は一般に、鋳型との十分に安定
な複合体を形成するために、より低い温度を要求する。
【0016】プライマーは、鋳型の特定の配列の鎖に対
して「実質的に」相補的であるように選択される。プラ
イマーは、プライマー伸長が起こるために鋳型とハイブ
リダイズするのに十分に相補的でなければならない。プ
ライマー配列は、鋳型の正確な配列を反映する必要はな
い。例えば、非相補的核酸断片がプライマーの5′−末
端に取り付けられていて、プライマー配列の残りが鎖に
対して実質的に相補的であってもよい。プライマー配列
がハイブリダイズするのに十分に鋳型の配列に対する相
補性を有しそしてそれによってプライマーの伸長生成物
の合成のための鋳型プライマー複合体を形成する限り、
非相補的塩基又はより長い配列がプライマー中に散在し
ていてもよい。
【0017】「制限エンドヌクレアーゼ」及び「制限酵
素」なる用語は、特定のヌクレオチド配列において又は
その近傍において二本鎖DNAを切断する細菌酵素を意
味する。さらに、本発明は、好ましくは標識された形で
の前記プライマーRR10及びRR12それ自体、該プ
ライマーの診断的道具としての使用、並びに該オリゴヌ
クレオチド及び好ましくは増幅反応のために必要な試薬
を含んで成るキットに関する。
【0018】前記のごとく、ヒトの生物学的試料の性決
定は法医学的調査において非常に重要である。本発明
は、既知の方法を超える多くの利点を有するこの様な性
決定方法に関する。本発明の利点は、X及びY染色体に
共通なHaeIII 部位並びにY染色体中にのみ存在する
HaeIII 部位を用いての、ヒトX及びY亜鉛フィンガ
ー蛋白質の保存された領域の同定に由来する。この保存
された領域は比較的小さい領域(約209bp)であ
る。後で非常に詳細に説明するように、HaeIII 制限
部位の存在はこの方法における非常に重要な因子であ
り、そしてそれ故に、この保存された領域を、HaeII
I が存在する限り縮小又は拡大することができ、そして
HaeIII 消化から生ずる断片は識別可能である。
【0019】209bpの保存された領域がHaeIII
制限酵素により消化される場合、これはX染色体からの
37bp(ヌクレオチド1−37)及び172bp(ヌ
クレオチド38−209)の識別可能な断片をもたらす
であろう。保存された領域が雌性(XX)からであれ
ば、これら2つの断片のみが観察されるであろう。しか
しながら、保存された領域が雄性(XY)からのもので
あれば、HaeIII 消化は172bp、37bp、88
bp及び84bpの識別可能な断片をもたらすであろ
う。
【0020】X染色体は前記209bp上に単一のHa
eIII 制限部位を有し、従って前記保存された領域を1
72bp及び37bpの断片に開裂させる。しかしなが
ら、Y染色体は前記172bp断片中に追加のHaeII
I 制限部位を有し、従ってこの断片をさらに88bp断
片及び84bp断片に開裂させる。従って、本発明にお
ける雄性及び雌性生物学的試料の区別のための基礎は、
Y染色体の保存された領域における追加のHaeIII 部
位である。
【0021】本発明のために予想される最も一般的な用
途は法医学分析においてであり、この場合しばしば分析
されるべき試料は非常に少量である。従って、HaeII
I 消化後に識別可能な断片を得るために十分な生成物
(保存された領域)を形成するために、増幅段階がしば
しば必要である。ヒトの生物学的試料のための適当な増
幅技法にはPCR,LCR及びPLCRが含まれ、PC
Rが好ましい技法である。PCRは米国特許No. 4,6
83,195及びNo. 4,683,202(両者を引用
により本明細書に組み入れる)に記載されている周知の
増幅技法である。要約すれば、PCR増幅法は、次の段
階を含んで成る。
【0022】(a)試料中の各核酸鎖を4種類の異るヌ
クレオシドトリホスフェート及び増幅されるべき各特定
の配列(この場合、207bpの保存された領域)のた
めの2つのオリゴヌクレオチドプライマーと接触せし
め、ここで各プライマーは、該特定の配列の異る鎖に実
質的に相補的であって、1つのプライマーから合成され
た伸長生成物がその相補体から分離されたときの他方の
プライマーの伸長生成物の合成のためのプライマーとし
て機能することができるように選択され、前記接触は相
補的核酸鎖への各プライマーのハイブリダイゼーション
を許容する温度において行われ; (b)各核酸鎖を、段階(a)と同時に又はその後で、
特定の核酸配列の各鎖に相補的なプライマー伸長生成物
を形成するためにヌクレオシドトリホスフェートの結合
を可能にする熱安定性DNAポリメラーゼと接触せし
め; (c)段階(b)からの混合物を、前記酵素の活性を促
進しそして増幅されるべき各異る鉛について、各核酸鎖
鋳型に相補的である各プライマーの伸長生成物を合成す
るが、しかし相補的鎖鋳型から各伸長生成物を分離する
ほどには高くない効果的な温度に保持し; (d)段階(c)からの混合物を、プライマー伸長生成
物をそれらがその上で合成された鋳型から分離して単鎖
分子を生成せしめるがしかし前記酵素を不可逆的に変性
させるほどには高くない有効温度において且つその様に
有効な時間にわたって加熱し; (e)段階(d)において生成した単離分子の各々への
プライマーのハイブリダイゼーションを促進するのに効
果的な時間及び効果的な温度において段階(d)からの
混合物を冷却し;そして (f)前記酵素の活性を促進しそして増幅されるべき各
異る配列について段階(d)において生成した各核酸鋳
型に相補的である各プライマーの延長生成物を合成する
がしかし該相補鎖鋳型から各延長生成物を分離する程に
は高くない有効温度において段階(e)からの混合物を
保持する。段階(e)及び(f)における有効時間及び
有効温度は、段階(e)及び(f)が同時に行う得るよ
うに一致していてもよい。段階(e)及び(f)は、所
望のレベルの増幅が得られるまで反復される。
【0023】本発明において、PCR法において使用さ
れる2つのプライマーは、 である。
【0024】RR10及びRR12のごときオリゴヌク
レオチドプライマーは、例えばホスホトリエステル法又
はホスホジエステル法、あるいはこれらの自動化された
態様のごとき任意の適当な手段を用いて製造することが
できる。この様な1つの自動化された態様においては、
ジエチルホスホラミダイトが出発材料として使用され、
そしてこれはBeaucayeら、1981、Tetr
ahedron Letters 22:1859−1
862により記載されているようにして合成することが
できる。修飾された固体支持体上でオリゴヌクレオチド
を合成するための1つの方法は、米国特許No. 4,45
8,066に記載されており、これを引用により本明細
書に組み入れる。また、生物学的起源から単離されたプ
ライマー(例えば、制限エンドヌクレアーゼ消化物)か
ら単離されたプライマーを使用することもできる。
【0025】PCR法のために十分な試料が存在すれ
ば、プライマーRR10(配列番号:1)及びプライマ
ーRR12(配列番号:2)を用いるPCR増幅のヒト
生物学的試料への適用が、209bp生成物(配列番
号:3)をもたらす。現在、雄性の明瞭な確認を得るた
めには少なくとも0.5ngのDNAを有することが好ま
しく、そして雌性の明瞭な確認を得るためには1〜2ng
のDNAを有することが好ましい。DNA試料のこの少
ない量は、幾つかの周知の性同定技法、例えばAkan
e,A.らによりFevensic Science
International 49,81(1991)
において教示された性同定技法のために必要な250ng
を超えるDNA試料の要求と好都合に対比される。さら
に、小形の209bpの生成物は非常に分解した法医学
試料によってさらに影響を受けないことが見出された
が、他方より長い生成物は分解した試料における損傷に
対してより感受性であろう。
【0026】前記のごとく、LCR及びPLCRのごと
き他の増幅法を本発明において使用することもできる。
要約すれば、リガーゼ連鎖反応は、隣接する複数のプラ
イマー、及び該プライマーがDNAの相補鎖にハイブリ
ダイズした後に該プライマーを連結するための熱安定性
リガーゼを用いる(Landeyren.U.ら、Sc
ience 241,1077(1988)及びBar
any,F.,Proc.Natl.Acad.Sc
i.U.S.A.88,189(1991)を参照のこ
と。これらを引用により本明細書に組み入れる)。オリ
ゴヌクレオチド生成物は、第一のセット及び標的に相補
的な第二のセットの隣接するオリゴヌクレオチドの存在
下での連結(ligation)反応の熱循環により、
指数的に増幅される。好ましくは、適切なハイブリダイ
ゼーションのためにオリゴヌクレオチドは約20〜25
ヌクレオチドであるべきである。さらに、2つのオリゴ
ヌクレオチドの溶融温度又はその近傍で反応を行うこと
により連結の特異性が増強される。1サイクルの連結生
成物が連結の次のサイクルのための標的となるので、生
成物の指数的増幅が起こる。Barang,F.により
Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.
88,189(1991)により教示されるように、適
当な熱安定性リガーゼはテルムス・アクアチクス(Th
ermus aquaticus)HB8株DNAのプ
ラスミドライブラリー(アメリカン・タイプ・カルチュ
アー・コレクションからATCC27634として入手
できる)から単離することができる。連結用のオリゴヌ
クレオチドは前記のPCRにおいて使用されるプライマ
ーと同様にして調製することができる。LCRの各サイ
クルは、標的DNA試料及びT.アクアチクスのリガー
ゼの存在下での約94℃にて約1分間、及びそれに続く
65℃にて約4分間のオリゴヌクレオチドのインキュベ
ーションを含んで成る。一般に、20〜30サイクルが
本発明を用いる性決定のための十分な量のDNAを生成
する。
【0027】その名が示すように、ポリメラーゼ・リガ
ーゼ連鎖反応(PLCR)はPCRの特徴とリガーゼ連
鎖反応(LCR)の特徴を併せ持つ。PLCRは一部対
応遺伝子特異的PCRの特異性を増加させるため技法と
して開発されたものであり、この方法においては、用い
られる低濃度のdNTP(〜5μM)が増幅の程度を制
限した。PLCRにおいては、DNAが変性され、隣接
しているのではなく相補的な4種類のオリゴヌクレオチ
ドプライマーがdNTP、熱安定性DNAポリメラーゼ
及び熱安定性リガーゼと共に添加される。
【0028】プライマーが標的DNAに非隣接的にアニ
ールし、そして熱安定性DNAポリメラーゼが下流プラ
イマーの3′−末端への適切なdNTPの付加を生じさ
せ、非−隣接プライマー間のギャップを満たし、そして
プライマーを隣接させる。次に、熱安定性リガーゼが2
つの隣接するオリゴヌクレオチドプライマーを連結す
る。
【0029】任意の適当な技法を用いての増幅段階の
後、増幅された生成物(保存された領域)を単離し、そ
してHaeIII 消化にかける。HaeIII 制限エンドヌ
クレアーゼはNew England Biolabs
及び他の供給者から得ることができる。一般に、約10
U/μlの0.5μlのHaeIII 酵素を用いて約5μ
l〜約10μlのPCR生成物を消化する。消化は一般
に約37℃にて2時間〜一夜行われる。HaeIII 緩衝
液(やはり、New England Biolabs
〔NEB〕,Bererly MA,米国から入手可能
である)がしばしば消化段階において使用される。
【0030】生成物の消化の後、消化プロフィールを決
定するために断片を可視化しなければならない。ゲル電
気泳動、等電点沈澱、高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)、及びプライマーが蛍光標識により標識されて
いる場合には遺伝子スキャンナーを含めて、多くの技法
が利用可能である。HaeIII 消化断片を可視化するた
めの好ましい方法は、アガロースゲル(好ましくは、3
%NuSieve/1%アガロースゲル)又は9%アク
リルアミドゲルを用いてのゲル電気泳動による。9%ア
クリルアミドゲルの使用が最も好ましい方法である。H
aeIII 消化された生成物を約2μlの試料染料負荷緩
衝液と混合し、そして次にこの混合物をゲルに負荷す
る。ゲルを1XTBE(0.089M Tris/硼
酸、2mMEDTA)中で泳動させ、そして完全な生成物
の消化を示すために少なくとも1つの未消化の試料も泳
動させるべきである。
【0031】図1に示すように、RR10/RR12増
幅生成物のゲル上での可視化が172bp及び37bp
のバンドをもたらす。しかしながら、雄性由来の試料は
88bp及び84bpに追加のバンドを有するであろ
う。これらのY−特異的消化生成物は、3%NuSie
ve/1%アガロースゲル上で単一バンドとして現わ
れ、そして9%アクリルアミドゲル上で二重バンド(d
oublet)として現われる。図1はアクリルアミド
ゲルを示し、そしてそれ故に雄性サンプルは88/84
bp二重バンドを示す。
【0032】本発明は、2以上の個体からの混合試料の
ための非常に鋭敏な測定法である。特に、本発明は、雌
性DNAの量10に対して雄性DNAが1の量で存在す
る混合物中の雄性DNAの検出を可能にする。しかしな
がら、予想されるように、雄性はX染色体も含有するの
で、同じ程度(すなわち1:10)で雄性DNA試料を
含有する雌性DNAは識別することができない。具体的
には、雌性DNAに対して5倍以上過剰の雄性DNAが
存在すれば、混合試料は非混合雄性DNA試料と本質的
に同じようである。
【0033】雌性及び雄性DNAの質量混合物は、88
/84bp二重バンドとそのもとになった172bp断
片の相対強度を注目することにより、雄性DNA試料か
ら視覚的に識別され得る。未混合の雄性DNA試料にお
いては、同数のX及びY染色体が存在し、従って172
bp断片強度と88/84bp二重バンドの強度とは匹
敵するはずである。同等の雌性及び雄性DNAを含有す
る混合物においては、1つのY染色体に対して3つのX
染色体が存在し、そしてそれ故に172bpバンドは二
重バンドに比べて顕しく暗いであろう。これらの相違
は、蛍光標識されたプライマー、及び適当なスキャンナ
ー、例えばGeneScannerを用いることによ
り、あるいは単にゲルの写真の陰性結果をスキャンニン
グすることにより定量化することができる。
【0034】性を決定するために、増幅生成物を可視化
するための他の技法は逆ドットブロット分析である。こ
れは周囲の技法であり、この技法においては標識及び標
示体が増幅生成物に結合される。プローブ及び生成物が
相補的である場合、プローブと生成物はハイブリダイズ
し、そして所望の生成物の存在が生成物上の標示体及び
標識の活性化により示される。逆ロットブロット技法の
具体例はさらに詳細にSaiki R.ら、Proc.
Natl.Acad.Sci.U.S.A 86,62
30−6234(1986)に説明されており、これを
引用により本明細書に組み入れる。
【0035】一般に、プローブは、ターミナルトランス
フェラーゼを用いて又はプローブの化学合成の間に付加
されたポリ(dT)テイルにより、ナイロン膜のごとき
固体支持体上に固定化される。また、増幅された生成物
は一般にビオチン化され、そしてそれ故にアビジン−西
洋ワサビパーオキシダーゼ接合体と結合するであろう。
次に、西洋ワサビパーオキシダーゼが無色の色素を着色
沈澱物に変換し、試料中の目的生成物の存在を示す。
【0036】本発明の好ましい態様においては、209
bpのビオチン化増幅生成物をPCR法により生成せし
めるために、ビオチン化されたプライマーRR10及び
RR12が使用される。次に、その生成物が3種類の固
定化されたプローブ、すなわち、(1)配列番号:3の
ヌクレオチド30〜48により示される生成物の領域に
対して相補的なヌクレオチド配列AGAGAAGGCC
ATTGAATGT(配列番号:4)を含んで成るCプ
ローブ(X及びY染色体の両者に共通)、(2)配列番
号:3のヌクレオチド112−131(ここで、ヌクレ
オチド120はA残基であり、従ってHaeIII 部位の
欠失を示す)により示される生成物の領域に対して相補
的なヌクレオチド配列GAAAAAGGAGCCAAC
AAAAT(配列番号:5)を含んで成るXプローブ、
及び(3)配列番号:3のヌクレオチド112−131
(ここで、120がC残基であり、従ってHaeIII 部
位の存在を示す)により示される生成物の領域に対して
相補的なヌクレオチド配列ATTTTGTTGGCCC
CTTTTTC(配列番号:6)を含んで成るYプロー
ブに暴露される。配列番号:5で示されるXプローブ及
び配列番号:6で示されるYプローブは生成物の反対の
鎖にハイブリダイズする。
【0037】次に、プローブをアビジン−西洋ワサビパ
ーオキシダーゼ及び無色の色素に暴露する。いずれかの
生成物が3つのプローブのいずれかにハイブリダイズし
ておれば、それらのプローブは、無色の色素の着色沈澱
への変換によって可視化される。図2に示すように、各
プローブ部位における沈澱の程度が観察者をして試料を
識別することを可能にする。すなわち、 (1)雌性DNAのみが存在する; (2)雄性DNAのみが存在する; (3)雄性及び雌性DNAがおよそ質量で存在する; (4)雄性DNAに比べて雌性DNAが多く存在する;
及び (5)雌性DNAに比べて雄性DNAが多く存在する。
【0038】本発明の性同定系は他の系に比べて多くの
利点を有する。第一に、生成物がX及びY両染色体から
作られる。幾つかの他の系はY特異的配列のみを使用
し、その結果Y生成物の不存在は雌性DNAの存在以外
のなにかによることがあり得る。例えば、PCR阻害物
が存在し、そのために偽の雌性同定をもたらすことであ
ろう。
【0039】第二に、本発明においてはX及びY生成物
の両者を生成せしめるために同じプライマーが使用さ
れ、そしてそれらの増幅生成物は同じサイズである。他
の系は、異る増幅効率を有するであろう複数のプライマ
ー対を用い、あるいは異る長さの生成物を生成する一対
のプライマーを用い、小さい方の生成物の優先的増幅を
もたらすであろう。これらのタイプの系は不明瞭な結果
をもたらすであろう。
【0040】第三に、本発明の標的配列(209bpの
保存された領域)は各染色体上に単一コピーとして存在
し、X及びY配列の相対量を定量化することができる。
他の幾つかの系はシグナルを増強するためにX−及びY
−特異的反復配列内のプライマーを使用するが、反復配
列の数が可変的であり、そして定量化が不可能である。
【0041】本発明の幾つかの態様における小さい欠点
は、性を決定するために増幅の後に制限消化段階が必要
であるが他の幾つかの系は増幅後ゲル上で直接にタイプ
分けできることである。しかしながらこの欠点は、本発
明を逆ブロット方式で使用することにより克服される。
従って、本発明を、既存のタイプ分けストリップ、例え
ばRoche AmpritypeTMHLADQα F
orensic DNA Amplification
and Typing Kit中に存在するそれに加
え、次に直接タイプ分けが行われる。
【0042】本発明において使用されるプライマー対
(RR10及びRR12)はDQα条件下で働き、そし
て単にプライマーをビオチン化しそしてそれらをRoc
heAmplitypeTMDQαプレミックスに添加す
ることにより、DQαと同時増幅され得る。要約すれ
ば、上に詳細に説明したように、(又は対照ドットは、
X及びY染色体に共通のHaeIII 部位を含有する領域
又は配列番号:3上の任意の他の非−多形性領域に対す
るプローブを有するであろう。Xドット及びYドットは
多形性HaeIII 部位領域に対して相補的なプローブを
有するであろう。
【0043】雌性DNA試料から生じたPCR生成物は
Cドット及びXドットとのみハイブリダイズし、そして
同じ強度のドットをもたらすであろう。これに対して、
雄性試料から生じたPCR生成物はCドット、Xドット
及びYドットにハイブリダイズするであろう。Xドット
及びYドットは同じ強度であり、そしてCドットは同じ
条件下で半分暗いであろう。
【0044】これらの相対強度が達成され得るから、ド
ットパターンのこれらのタイプを提供する混合試料を未
混合試料から区別することが可能である。さらに、雌性
及び雄性DNAの質量を含有する混合物(X:Yが3:
1であるから)を他の混合物から区別することができ
る。DQα AmplitypeTM系において本発明を
用いる追加の利点は、混合されたケースワーク試料をよ
り大きな信頼性をもって識別することができることであ
る。さらに詳しくは、同じDQαタイプが内皮細胞(雌
性)画分及び性的暴行の証拠から単離された粒子画分の
両者に現われる幾つかの例が存在する。しかしながら、
本発明の使用者は、内皮細胞画分のタイプ分けに使用さ
れたのと同じストリップ上にY染色体ドットが現われれ
ば、雄性DNAが両画分に存在するという主張を合法的
に行うことができる。さらに、犠牲者及び攻撃者がDQ
αタイプを共有する場合、Y染色体ドットが存在すれ
ば、精子画分中のタイプを攻撃者に帰属させることがで
きる。
【0045】
【実施例】次の実施例は例示のみのために提供され、そ
して本発明の範囲を限定することを意図するものではな
い。特にことわらない限り、固体混合物中の固体、液体
中の液体、及び液体中の固体について与えられる%は、
それぞれ重量/重量、容量/容量、及び重量/容量基準
による。さらに、特にことわらない限り、記載される試
薬及び装置の供給者は強制的であることを意味しない。
当業者は、類似の試薬及び装置を他の供給者から選択す
ることができる。
【0046】実施例1RR10/RR12プライマー
対によるPCRを用いる性同定測定 次のプロトコールは、X及びY染色体の特定のzfx及
びzfy領域のPCR増幅のための段階並びに生物学的
試料提供者の性の決定のために使用された制限酵素診断
測定を記載する。すべての一般的及びPCR−特異的試
料取扱法が用いられる。
【0047】I.PCR増幅 各50mlの増幅反応混合物は次のものを含んだ。 5μl 10X 反応混合物 0.5μl 10μM RR10(配列番号:1) 0.5μl 10μM RR12(配列番号:2) これらをプレミックスし、そして6μlを各チューブに
加える。
【0048】44μl DNA試料+水(15μl以下
のChelex抽出されたDNA)必要とされる10X
反応混合物の体積が決定された(例えば、20反応/1
0μl10X反応混合物)。各測定のための新鮮な混合
物を、100μl10X反応混合物について次の処方に
従って調製した(成分の比率を維示しながら全体積を増
加又は減少させることができる):μl 25 蒸留水 25 2M KCl 25 0.1M MgCl2 10 1M Tris−HCl(pH8.5) 10 18.8mM dMTP(それぞれ) Taqu DNAポリメラーゼ(50/ml) 100 増幅反応混合物には、DNA試料を除くすべての成分が
提供された。2滴の鉱油を添加し、そして次に油を通し
てDNA試料を加えた。陰性対照反応(DNAを添加し
ない)も用意した。
【0049】試料は次の様にして増幅した。 32サイクル: 94℃ 1分間 60℃ 1分間 72℃ 1分間 +72℃にて10分間 II. 制限酵素消化 12μlずつのHaeIII 消化反応混合物は次のものを
含有した。
【0050】10μl RR10/RR12 PCR生
成物+水(5〜10μlのPCR生成物) 1.2μl 10×HaeIII 緩衝液(NEB) 0.3μl 水 0.5μl HaeIII (10U/μl;NEB) 上記3者をプレミックスし、そして2μlを各反応混合
物に加えた。
【0051】すべての成分を0.5mlチューブ中表示さ
れたPCR生成分領域に入れた。次に、消化反応混合物
を37℃にて一夜インキュベートした。 III.ゲル上での可視化 チューブを短時間回転させて液を集め、そして次に2μ
lの試料色素負荷緩衝液を加えた。完全な反応混合物を
9%アクリルアミドゲル上に負荷した(泳動ブロムフェ
ノールブルー(BPB)色素原点から10cm)。ゲルを
1×TBE中で泳動させた。完全な生成物消化を示すた
め、1つの未切断試料をこのゲル上に含めた。
【0052】RR10/RR12増幅試料はHaeIII
消化の後、172bp及び37bpのバンド並びに88
〜84bpの二重バンドを示した。従って、この試料は
雄性からのものであると結論された。実施例2雌性及び雄性DNAの混合物を含有する試料
の測定 雌性及び雄性DNAの混合物を測定するために実施例1
の方法を用いた。雌性対雄性DNA及び雄性対雌性DN
Aの下記の比率を試験した。
【0053】 1:1 2.5:1 5:1 10:1 20:1 50:1 100:1 各比率についてのDNAの全量は、別々の実験において
5ng及び50ngであった。9%アクリルアミドゲル上で
の可視化(図3及び図4を参照のこと)の後、雌性DN
Aの量10に対して雄性DNA成分が1の量で存在する
点まで、88/84bp二重バンドの存在により雄性D
NAの存在が検出され得たことが見出された。
【0054】実施例3雌性DNAと混合された雄性試
料の測定 周知の常法を用いてRR10(配列番号:1)及びRR
12(配列番号:2)を蛍光標識する。次に、これらの
蛍光標識されたプライマーを、実施例1に記載したPC
R増幅プロトコールにおいて、混合された雄性DNA及
び雌性DNA試料に加える。増幅された生成物の制限酵
素消化も実施例1に記載した方法に従って行う。消化さ
れた蛍光標識された生成物を遺伝子スキャンナーにより
可視化し、そして88/84bp二重バンドと172b
p断片の量を定量し、雄性DNAの量4に対して雌性D
NAが1の量で存在することが示される。
【0055】実施例4逆ドットブロット性決定分析 ヒトDNA試料の望ましい209bp保存領域を、RR
10及びRR12プライマーがビオチン化されている点
を除き実施例1に説明したようにして増幅する。Inn
is,M.A.らにより「RCR Protocol
s:A Guide to Methods and
Applications」Academic Pre
ss,Inc.(1990)に記載されている方法を用
いてプライマーをビオチン化する。具体的には、1mlの
4M塩化リチウムを約0.8μmolのプライマーに加
える。混合物を短時間音波処理し、そして次に1.5ml
のエッペンドルフチューブに移し、そしてマイクロフュ
ージ中で約2分間回転させる。上清を0.45μmのシ
リンジフィルターを通して12mlのシラン処理ガラスネ
ジ栓付チューブに入れる。次に、冷純アルコールとアセ
トンの1:1混合物5mlを、前記濾過された上清と混合
し、そしてフリーザー中で1時間冷却する。この混合物
を4000xgにて10〜15分間遠心し、そして上清
を捨てる。スルホ−N−ヒドロキシサクシンイミドエス
テルを用いて、1mlの0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液
(pH7.6)中に溶解したPierce Chemic
al Co.からの75μmolのLC−NHS−ビオ
チンの溶液を前記ペレットに加える。混合物を撹拌して
ペレットを溶解し、そして溶液を一夜静置する。次に、
20mlの0.1M酢酸トリエチルアンモニウム(TEA
A)(pH7.4)により前平衡化したSephadexTM
G−25カラムの頂部に反応混合物をピペット輸送する
ことにより過剰のビオチンを除去する。次に、カラムに
1.5mlの0.1MTEAAを適用した後に溶出液を集
める。次に、保護カートリッジ(Alltech As
sociation,Inc.,Deerfield
IL,米国)を有するPRP−1カラム(7×305m
m、The Hamilton Co.,Reno N
V,米国)を用い、2ml/分の流速で次の2種類の溶
剤: 溶剤A:5%アセトニトリルを含有する0.M TEA
A(pH7.4) 溶剤B:アセトニトリル を用いる高圧液体クロマトグラフィーにより精製する。
【0056】HPLCのためのグラジエントは、 平衡化のために30分間、 30分間にわたり5→10% 溶剤B、及び 10分間にわたる10→50% 溶剤B である。未修飾プライマーの後に約25分間で大きなピ
ークとして溶出するビオチン化プライマーを検出するた
めに260nmにおける紫外線照射を用いる。
【0057】X及びY染色体生成物を、固定化されたプ
ローブを含有するナイロン膜ストリップ上で、DQαと
同じ条件下で可視化する。これらのハイブリダイゼーシ
ョン技法及び条件は当業界において良く知られており、
そしてRoche AmplitypeTMHLADQα
Forensic DNA Amplificuti
on and Typing Kitの製品カタログ中
に教示されている。具体的には、増幅された生成物を、
55℃にて約20分間の50〜90rpm での振とう水浴
中でのインキュベーションによりプローブストリップに
ハイブリダイズさせる。次に、発色液をプローブストリ
ップに適用して、プローブにハイブリダイズしている生
成物可視化を生じさせる。有用な発色溶液は、プローブ
ストリップ剤、 10ml クエン酸緩衝液(0.1Mクエン酸ナトリウ
ム、pH5.0) 10ml 3%過酸化水素、及び 0.5ml 色原体溶液、 を含んで成る。
【0058】クエン酸緩衝液は、800mlの脱イオン水
に18.4gのクエン酸三ナトリウム・二水和物を溶解
することにより調製する。約6gのクエン酸・一水和物
の添加によりpHを5.0に調製し、そして脱イオン水の
添加により緩衝液の最終体積を約1lに調整する。30
mlの室温の100%エタノールを60mgの室温の3,
3′,5,5′−テトラメチルベンジジン(TMB)粉
末に徐々に添加することにより、適当な色原体溶液を調
製する。次に、この混合物を30分間回転振とう機上で
振とうすることによりTMBを溶解せしめる。この溶液
を2〜8℃にて貯蔵し、そして溶解後4ケ月間安定であ
る。
【0059】以上の記載は、当業者が本発明を実施する
のに十分であると考えられる。ここに記載した態様に加
えて、当業者は種々の変更を行うことができよう。
【0060】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(genomic) 由来:ホモ・サピエンス 配列 CTGGAGAGCC ACAAGCTGAC 20
【0061】配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(genomic) 由来:ホモ・サピエンス 配列 TTGCTGTGGA CTGCCAAGAG 20
【0062】配列番号:3 配列の長さ:209 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(genomic) 由来:ホモ・サピエンス 配列 CTGGAGAGCC ACAAGCTGAC CAGCAAGGCA GAGAAGGCCA TTGAATGTGA TGAGTGTGGG 60 AAGCATTTTT CTCATGCAGG GGCTTTGTTT ACTCACAAAA TGGTGCATAA GGAAAAAGGG 120 GCCAACAAAA TGCACAAGTG TAAATTCTGT GAATATGAGA CAGCTGAACA GGGGTTATTG 180 AATCGCCACC TCTTGGCAGT CCACAGCAA 209
【0063】配列番号:4 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(genomic) 由来:ホモ・サピエンス 配列 AGAGAAGGCC ATTGAATGT 19
【0064】配列番号:5 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(genomic) 由来:ホモ・サピエンス 配列 GAAAAAGGAG CCAACAAAAT 20 配列番号:6 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(genomic) 由来:ホモ・サピエンス 配列 ATTTTGTTGG CCCCTTTTTC 20
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はZFX/ZFY生成物のHaeIII 消化
のアクリルアミドゲルの写真であり、電気泳動の結果を
示す図面に代る写真である。
【図2】図2は種々の混合されたDNA試料並びに混合
されていない雄性及び雌性DNA試料の逆ドットブロッ
ト図である。
【図3】図3は雄性及び雌性DNAの混合された試料の
HaeIII 消化のアクリルアミドゲルの写真であり、電
気泳動の結果を示す図面に代る写真である。
【図4】図4は雄性及び雌性DNAの混合された試料の
HaeIII 消化のアクリルアミドゲルの写真であり、電
気泳動の結果を示す図面に代る写真である。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト由来のDNA試料に基いてヒトの性
    を決定する方法であって、 (a)試料から生成物を次のプライマー: CTGGAGAGCCACAAGCTGAC (配列番号:1);及び TTGCTGTGGACTGCCAAGAG (配列番号:2); によるポリメラーゼ連鎖反応法を用いて増幅し; (b)前記生成物をHaeIII 制限酵素により消化し;
    そして (c)前記消化された生成物を可視化する; 段階を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 前記増幅された生成物が約209塩基対
    の生成物である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記増幅された生成物が次のヌクレオチ
    ド配列: CTGGAGAGCC ACAAGCTGAC CAGCAAGGCA GAGAAGGCCA TTGAATGTGA TGAGTGTGGG AAGCATTTTT CTCATGCAGG GGCTTTGTTT ACTCACAAAA TGGTGCATAA GGAAAAAGGG GCCAACAAAA TGCACAAGTG TAAATTCTGT GAATATGAGA CAGCTGAACA GGGGTTATTG AATCGCCACC TCTTGGCAGT CCACAGCAA (配列番号:3) を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記可視化をアクリルアミドゲル上で行
    う、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ゲルが約88塩基対及び84塩基対
    の二重バンドを示し、これによって雄性DNAの存在を
    示す、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記可視化をアガロースゲル上で行う、
    請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ゲルが約88〜84塩基対の単一バ
    ンドを示し、これにより雄性DNAの存在を示す、請求
    項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ヒト由来のDNA試料に基いてヒトの性
    を決定する方法であって、 (a)配列番号:3により示される209塩基対の生成
    物を試料から増幅し; (b)前記生成物をHaeIII 制限酵素により消化し;
    そして (c)前記消化された生成物を可視化する;段階を含ん
    で成る方法。
  9. 【請求項9】 前記増幅段階をリガーゼ連鎖反応法を用
    いて行う、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記増幅段階をポリメラーゼリガーゼ
    連鎖反応法を用いて行う、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記可視化をアクリルアミドゲル上で
    行う、請求項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記可視化をアガロースゲル上で行
    う、請求項8に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記ゲルが約88〜84塩基対の単一
    バンドを示し、これによって雄性DNAの存在を示す、
    請求項11又は12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 ヒトDNA試料の性を決定する方法で
    あって、 (a)配列番号:1及び配列番号:2で示される標識さ
    れたプライマーによるポリメラーゼ連鎖反応法を用いて
    試料から生成物を増幅し; (b)前記増幅された生成物を3種類のプローブに暴露
    し、ここで1つのプローブは雌性試料及び雄性試料に共
    通な生成物の領域に対して相補的であり、他の1つのプ
    ローブはX染色体上のみに見出される生成物の領域に対
    して相補的であり、そして他の1つのプローブはY染色
    体上のみに見出される生成物の領域に対して相補的であ
    り;そして (c)前記プローブとハイブリダイズする生成物を可視
    化する;段階を含んで成る方法。
  15. 【請求項15】 前記3種類のプローブがそれぞれ: AGAGAAGGCC ATTGAATGT (配列番号:4); GAAAAAGGAG CCAACAAAAT (配列番号:5);及び ATTTTGTTGG CCCCTTTTTC (配列番号:6); である、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記生成物が配列番号:3で表される
    請求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記プライマーがビオチンで標識され
    ており、そして前記可視化段階がアビジン・西洋ワサビ
    パーオキシダーゼ結合体、及び該西洋ワサビパーオキシ
    ダーゼにより着色沈澱物に転換される無色の色素への、
    ハイブリダイズした生成物の暴露を含んで成る、請求項
    14に記載の方法。
  18. 【請求項18】 配列番号:1で示されるオリゴヌクレ
    オチドプライマー。
  19. 【請求項19】 配列番号:2で示されるオリゴヌクレ
    オチドプライマー。
  20. 【請求項20】 プライマーが標識されている、請求項
    18又は19項に記載のオリゴヌクレオチドプライマ
    ー。
  21. 【請求項21】 前記標識がビオチンである、請求項2
    0に記載のプライマー。
  22. 【請求項22】 診断の道具としての請求項18〜20
    のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド。
  23. 【請求項23】 ヒト由来のDNA試料に基いてヒトの
    性を決定するための試験キットであって、請求項18〜
    20のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドプライ
    マーを含んで成るキット。
  24. 【請求項24】 増幅反応に必要な試薬をさらに含んで
    成る、請求項23に記載のキット。
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