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JPH0625992A - 印刷用塗工紙用原紙の製造方法 - Google Patents

印刷用塗工紙用原紙の製造方法

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Publication number
JPH0625992A
JPH0625992A JP19895992A JP19895992A JPH0625992A JP H0625992 A JPH0625992 A JP H0625992A JP 19895992 A JP19895992 A JP 19895992A JP 19895992 A JP19895992 A JP 19895992A JP H0625992 A JPH0625992 A JP H0625992A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
coated
base paper
coated paper
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19895992A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuji Ouchi
龍二 大内
Hisao Osogoshi
久男 獺越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Oji Paper Co Ltd filed Critical New Oji Paper Co Ltd
Priority to JP19895992A priority Critical patent/JPH0625992A/ja
Publication of JPH0625992A publication Critical patent/JPH0625992A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密度ムラがなく平滑性及び厚み方向のクッシ
ョン性に優れた印刷用塗工紙用原紙を製造する。 【構成】 金属ロールとショア硬度65〜98の範囲の
弾性ロールからなるカレンダー装置で水分5〜8重量%
の原紙を表面処理する。 【効果】 グラビア印刷インキ着肉性及びオフセット印
刷インキ受理性ともに優れた塗工紙を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷用塗工紙用原紙の製
造方法に関し、さらに詳しくはオフセット印刷に際して
の印刷適性及びグラビア印刷に際してのインキ着肉性に
優れた印刷用塗工紙を製造するための原紙の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、出版、広告、宣伝等の媒体として
印刷物の重要性が再認識され、印刷物のビジュアル化、
カラー化、高級化が進められて来ており、それに伴って
塗工紙、例えばコート紙(片面塗工量10〜20g/m
2 )、アート紙(片面塗工量20〜25g/m2 )、キ
ャストコート紙(片面塗工量25g/m2 以上)、中質
紙、微塗工紙(片面塗工量15g/m2 以下)等の顔料
塗工紙の需要は多く、その用途も多方面にわたってい
る。
【0003】最近の出版物には多色印刷などの印刷効果
が優れたオフセット印刷又はグラビア印刷が施される場
合が多い。オフセット印刷は版から直接紙に印刷せず、
一旦ブランケットと称するゴム面に転写し、ブランケッ
トから紙に印刷し、次いで高温で乾燥し印刷紙を製造す
るが、画像部にはインキが付着し、その他の部分には湿
(しめ)し水が付着することが大きな特徴である。
【0004】オフセット印刷はインキと湿し水が画像部
の色彩に従って順に塗工紙面に印刷されるが、この時塗
工紙面にインキ吸収ムラがあると印刷ムラ、即ち「モッ
トリング」が発生し著しく印刷紙の価値を低下させるこ
とが知られている。
【0005】塗工紙のモットリングを改良するため一般
に用いられる方法は、塗工紙の地合いを改良する方法及
び塗工量を増す方法であり、その他、各種塗工紙用印刷
適性向上剤を使用する方法(特開昭61−123633
号公報、特開昭60−185892号公報、特開昭61
−55286号公報、特開平3−199492号公
報)、塗工液を構成する顔料を特定する方法(特開平3
−197318号公報)が開示されている。
【0006】塗工紙の地合いは抄紙工程、特にウェット
パートでの操業条件を選択することによって及び地合い
改良剤(パルプ分散剤)の使用によってある程度改良で
きるが、満足のいく地合いレベルに達しないのが実状で
ある。
【0007】塗工紙の塗工量を増す方法はモットリッグ
を改良する効果が大きいものの、塗工紙の製造にかかる
コストが上昇し好ましい方法とは言い難い。また、塗工
紙の印刷適性の向上を図るために塗工液へ薬品を添加す
る方法及び塗工液を構成する顔料を特定する方法はある
程度コストの上昇を招くことはさけられず、さらに、近
年の塗工紙品質に求められる高度な要求に対して充分満
足できる製品を得ることが難かしい。
【0008】一方、グラビア印刷は写真製版で、版胴に
直接くぼみをつくり版全体にインキを与え、次にドクタ
ーで画線部分以外のインキを掻き取り、くぼみにあるイ
ンキを紙にスムーズにかつ均一に転移させる。そのため
紙表面が滑らかであることが必要で、紙全体に凹凸があ
りインキに接触する所もあれば、接触しない所もあると
いうのでは綺麗なグラビア印刷はできない。従ってグラ
ビア印刷用紙に要求される品質のうち平滑性が最も重要
である。
【0009】さらに、別の観点からも平滑性が要求され
ている。即ちグラビア印刷は他の印刷に比べ強印圧下で
行なわれるので圧縮された状態での平滑性が重要であ
る。紙面が厚味方向に均一な圧力を受けた時均一にへこ
まず、凹凸が発生すると綺麗なグラビア印刷ができな
い。
【0010】このためグラビア印刷用塗工紙には厚味方
向のクッション性を改良するために高灰分原紙の使用、
高歩留りパルプを使用する方法(特開昭63−2748
0号公報)、ラテックス、天然高分子バインダーの減
量、ラテックスのTgを下げて配合面から対応する方
法、塗工紙をソフトカレンダー処理する方法(特開平3
−234895号公報)、原紙に下塗り顔料塗工層を設
け、次いでソフトカレンダー処理を施す方法(特開平2
−234998号公報)等が提案されているが、いづれ
も満足のいくグラビア印刷適性を有する塗工紙の製造方
法とは言い難い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は塗工原紙をソ
フトカレンダーで表面処理することによって従来にもま
して密度ムラが少なく、紙の厚味方向のクッション性が
優れ、平滑性に優れた印刷用塗工紙用原紙の製造方法を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記した現状に鑑み、本
発明者等は塗工液を構成する顔料接着剤及び印刷適性向
上剤の種類、配合を変えた研究を実施し、さらに塗工紙
の物性を変えてオフセット印刷、グラビア印刷における
印刷適性を研究した結果、オフセット印刷用塗工紙に要
求される諸品質を維持したままモットリッグを改良する
ためには、塗工原紙の微少な平面方向の密度ムラを減少
させること、グラビア印刷用塗工紙のインキ着肉性に最
も影響を及ぼす塗工紙の厚味方向のクッション性を保ち
ながら平滑化するためには、塗工原紙を1本の金属ロー
ルと1本の弾性ロールからなるカレンダー装置で表面処
理することが不可欠であることを見い出し本発明を完成
するに到った。
【0013】本発明は顔料と接着剤を主成分とする塗工
液を塗工原紙に塗工してなる印刷用塗工紙において、1
本の金属ロールとショアーD硬度(ASTM規格D22
40)が65〜98度の範囲の1本の弾性ロールからな
るカレンダー装置で、水分5〜8重量%に調節された該
印刷用塗工紙の原紙を表面処理したものであることを特
徴とする印刷用塗工紙用原紙の製造方法に関するもので
ある。
【0014】印刷用塗工紙は平滑性を含めた印刷適性が
最も重要な品質であることはすでに良く知られている。
塗工原紙の平滑性が高ければ塗工紙の平滑性も高くなる
ので、塗工原紙は不透明度の低下による品質の低下が起
こらない程度まで表面処理され平滑性が高められる。
【0015】一般に用いられている平滑化装置はマシン
カレンダーである。マシンカレンダーは複数の鏡面仕上
げされた金属ロールから構成され、その線圧は1〜50
kg/cm、ロール面の温度は40〜90℃というのが
通常の平滑化処理条件である。このようなマシンカレン
ダー装置は従来から多くの文献に詳細に記載されてお
り、例えば、紙パルプ技術協会、平成3年3月25日発
行「紙の抄造」376〜427頁で詳細な説明がなされ
ている。マシンカレンダーで表面処理された紙は、一般
に、比較的高い平滑性を有する反面紙が厚味方向に圧縮
されて潰れ不透明度が低下しやすいことが知られてい
る。
【0016】本発明者は、いかなる塗工原紙においても
0.5mm前後の周期を有する小さな凹凸、5mm前後
の周期を有する波状の大きな凹凸、及び場合によっては
数cmの周期を有する波状の凹凸が発生していることを
見い出している。かような塗工原紙をマシンカレンダー
で平滑化処理すると、凹部の密度(g/cc)は大きく
変わらないが凸部の密度は極端に高くなり、紙の平面方
向の密度ムラが大きくなる。このような塗工原紙から製
造された塗工紙は印刷適性が劣り、特にモットリングが
発生しやすい。また厚味方向のクッション性のバラツキ
が大きいため、グラビア印刷インキ着肉性が悪くなる。
【0017】ソフトカレンダーは金属ロールと弾性ロー
ルを組み合わせ、1以上の小ニップ数で紙表面を加圧処
理する装置であって、紙の潰れが少ないばかりでなく平
滑性も向上しやすい。
【0018】本発明は塗工量が片面当り5〜20g/m
2 (絶乾)の範囲の塗工紙のモットリング及びグラビア
印刷インキ着肉性の改良に効果がある。塗工量が片面2
0g/m2 を越えると、塗工層の厚味が増すのでモット
リングの発生が極めて少なくなるとともにグラビア印刷
インキ着肉性が向上し、本発明の技術を用いる必要がな
くなる。また、片面当り塗工量が5g/m2 未満の塗工
紙は、一般のコーターでは塗工量が少なすぎて塗工が難
かしいばかりでなく、塗工紙のカテゴリーから外れるの
で本発明の主旨から外れる。本発明における片面当りの
塗工量は、好ましくは6〜18g/m2 である。
【0019】塗工紙の品質設計に応じて、塗工原紙をソ
フトカレンダーで処理して10〜120秒の範囲の任意
の平滑度(J.TAPPI No5)に調節する。10
秒未満ではマシンカレンダーを用いて塗工原紙を平滑化
処理しても達成できるばかりでなく、塗工紙の平滑度が
充分上がらず品質低下を引き起こす。120秒を越える
と塗工原紙の厚味方向の潰れが大きくなるので、より好
ましくは15〜110秒の範囲で調節される。
【0020】なお、マシンカレンダーで平滑化処理した
場合の塗工原紙の平滑度はせいぜい45秒程度であり、
塗工原紙を構成するパルプ中に脱墨古紙パルプや高歩留
りパルプの占める割合いが多いと30秒程度までしか上
がらない。
【0021】塗工原紙をソフトカレンダーで処理する前
の水分は5〜8重量%であり、5重量%未満では塗工原
紙の厚味方向の潰れが少なく不透明度の低下が少ないも
のの、平滑度が上がりづらく所望のレベルまで達しない
ことがあるので好ましくなく、8重量%を越えると平滑
度は上がりやすくなるが塗工原紙の不透明度の低下が大
きく塗工紙の品質低下を伴うため好ましくなく5.2〜
7.8重量%が好ましい。
【0022】塗工原紙の水分の調節方法は、塗工原紙を
抄紙後乾燥の度合を調節する方法と塗工原紙に蒸気を吹
きつける方法を組み合わせて行なう。
【0023】本発明のソフトカレンダーを構成する弾性
ロールはショアーD硬度が65〜98度である。65度
未満の弾性ロールでは充分な平滑性を得るために過大な
線圧を必要とし、操業に際して弾性体の寿命を著しく縮
めかねないし、98度を越える弾性ロールでは塗工原紙
の潰れが大きく、不透明度の低下が大きくなってさらに
平滑度も上がりづらくなるので、好ましくは70〜97
度の弾性ロールからなるソフトカレンダーである。塗工
紙の品質設計に応じて弾性ロールが任意に選択される。
【0024】ソフトカレンダーの弾性体と対をなす金属
ロールはチルドロール、合金チルドロール、鋼鉄製ロー
ル、さらにはロール表面の硬質クロムメッキした金属ロ
ール等が好適に使用される。
【0025】また、1本の金属ロールと弾性ロールから
なるソフトカレンダーに塗工原紙を通紙する際の加圧条
件は、使用される弾性ロールの硬度、塗工原紙の種類、
通紙スピード、ニップ数など条種の処理条件に応じて適
宜調節されるが、線圧が20kg/cmより低くなると
所望の効果が得難く、400kg/cmをこえると弾性
ロール自体の発熱が増大して安定操業が困難となるた
め、20〜400kg/cmの範囲で調節するのが好ま
しい。
【0026】また、金属ロールの表面温度は高ければ高
い程塗工原紙の平滑度は上昇するが、反面不透明度が著
しく低下する。従って、本発明には金属ロールの表面温
度が極めて重要であり、金属ロールの表面温度が90℃
より低くなると所望の効果が得難く、190℃を越える
と弾性ロールの寿命が短かくなるだけでなく、原紙の不
透明度が著しく低下するため90〜190℃、より好ま
しくは100〜180℃の範囲で調節される。
【0027】金属ロールの加熱は電気、蒸気、水、油な
どの媒体を使用する方法などが適宜選択使用される。
【0028】塗工原紙をソフトカレンダーに通紙する際
には原紙のワイヤー側、フェルト側を金属ロールに各1
回以上接触せしめる方法が好ましいが、接触回数は特に
限定されない。また、特に片面塗工紙用の塗工原紙は塗
工紙面側が金属ロールに接触して1回以上通紙すれば良
く、回数に関しては特に制限はない。
【0029】ソフトカレンダーの装置はオンマシンタイ
プ、オフマシンタイプのいづれも好適に用いることがで
きる。本発明に基づいてソフトカレンダー処理し塗工液
を塗工する場合、金属ロールに接して表面処理された面
に塗工すると一層平滑度が向上するので好ましい。紙面
両面に塗工する場合は両面が金属ロールと接してカレン
ダー処理されるよう2回通紙することによって塗工紙両
面の平滑度が一層向上するので好ましい。
【0030】本発明で用いられる塗工原紙は、原紙を構
成するパルプの種類に拘りなく、針葉樹晒クラフトパル
プ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)
よりなる原紙、NBKP、LBKP、脱墨古紙パルプ、
高歩留りパルプのいづれかを混合した原紙などいづれの
原紙であっても好適である。
【0031】本発明の塗工原紙の抄紙方法は特に限定さ
れることはなく、従来から慣用されている抄紙法を採用
することができる。例えば抄紙pHが4.5付近で行う
酸性抄紙や、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成
分として含み、抄紙pHが約6〜9といった弱酸性〜弱
アルカリ性で行う、いわゆる中性抄紙を採用してもよ
い。
【0032】本発明の塗工原紙は、その用途や目的に応
じて、米坪が20〜400g/m2程度となるように抄
造することができる。
【0033】また、本発明の塗工原紙の抄造に際して
は、必要に応じて従来から一般的に慣用されている内添
用填料を使用することができる。例えば、タルク、カオ
リン、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭
酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、硅酸マグネシ
ウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ホワイトカ
ーボン、アルミノ硅酸塩、シリカ、ベントナイト等の鉱
物質填料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン
樹脂微粒子、微小中空粒子等の有機合成填料(プラスチ
ックピクメント)の中から一種又は二種以上を適宜選択
して使用でき、さらに古紙やプローク等に含まれる填料
も有効に使用できる。
【0034】これらの他に、従来から使用されている各
種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性又は剛性の歩
留向上剤、ろ水性向上剤、紙力増強剤等の抄紙用内添助
剤を必要に応じてパルプスラリー中に適宜添加してもよ
い。抄紙用内添助剤としては、例えば硫酸バンド、塩化
アルミニウム、アルミン酸ソーダ及び塩基性塩化アルミ
ニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アル
ミニウム化合物や水に易分散性のアルミナゾル等の水溶
性アルミニウム化合物、或いはカチオン化デンプンなど
の各種澱粉類、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミ
ン、ポリアミン、ポリアミド・ポリアミン、ポリエチレ
ンオキサイド、植物ガム、尿素ホルマリン樹脂、メラミ
ンホルマリン樹脂、ポリビニルアルコール、ラテック
ス、ポリアミド樹脂、親水性架橋ポリマー粒子分散物等
及びこれらの誘導体又は変性物やベントナイト等の化合
物が挙げられる。さらにまた、染料、pH調整剤、ピッ
チコントロール剤、スライムコントロール剤、消泡剤等
を必要に応じて適宜添加することもできる。
【0035】印刷用塗工紙は、本発明の塗工原紙の片面
または両面に、顔料と接着剤を主成分とする塗工液を塗
工して製造される。この塗工液組成物は、一般に固形分
濃度が40〜75重量%、好ましくは45〜70重量%
程度の範囲に調整される。
【0036】塗工原紙上に塗工液を塗工して塗工層を形
成するに当たっては、塗工液を一度塗りした塗工層を形
成してもよく、或いは下塗り層及び上塗り層に分けて多
層構造として形成してもよい。多層構造の場合には、下
塗り層と上塗り層の塗工液組成が同一である必要はな
く、要求される品質レベルに応じて塗工液組成を適宜変
化させることもできる。
【0037】塗工層を形成する方法としては、従来から
慣用されている塗工装置、例えばブレードコーター、エ
アーナイフコーター、ロールコーター、リバースロール
コーター、パーコーター、カーテンコーター、ダイスロ
ットコーター、グラビアコーター、チャンブレックスコ
ーター、ブラシコーター、サイズプレスコーター等の各
種コーターを用いて塗工液を塗工原紙表面に塗工する。
これらの塗工装置はオンマシン或いはオフマシンコータ
ーのいずれの形式で使用してもよい。
【0038】塗工原紙への塗工液の塗工量は、通常乾燥
重量で片面当たり2〜50g/m2程度であるが、得ら
れる塗工紙の白紙品質、印刷適性等を考慮すると5〜3
0g/m2 程度の範囲で調節するのが望ましい。また、
このようにして得られた印刷用塗工紙は、水分が通常3
〜10重量%程度の範囲となるよう乾燥した後、オン又
はオフのスーパーカレンダー等に通紙して加圧仕上げが
行われる。
【0039】
【実施例】以下に比較例、実施例を挙げて本発明をより
具体的に説明するが、勿論本発明はこれによって限定さ
れるものではない。尚、以下において部及び%とあるの
は重量部及び重量%を示す。比較例、実施例の中性抄紙
法で抄紙した塗工原紙は55.0g/m2 の坪量でステ
キヒトサイズ度(JIS P 8122による)は1〜
4秒であった。またこの塗工原紙に使用したパルプの種
類はNBKP10部、LBKP90部であり、NBKP
は白色度84.7%(ハンター白色度、以下同じ)、フ
リーネス(C.S.F.以下同じ)430mlであり、
LBKPは白色度85.3%、フリーネス390mlで
あった。さらに填料として軽質炭酸カルシウムをパルプ
100部に対し10部加え、さらに以下に示す薬品を加
え(対パルプ絶乾重量)で紙料を製造した。
【0040】 アルケニル無水コハク酸系サイズ剤 : 0.02% (ファイブラソ−81、王子ナショナル(株)製) カチオン化デンプン : 0.5% (ケートF、王子ナショナル(株)製) アクリルアマイト系歩留向上剤 : 0.03% (ハイモロックNR11、ハイク(株)製) 硫酸バンド(自家製) : 0.5%
【0041】この紙料を用いて長網多筒ドライヤー式抄
紙機で塗工原紙を製造した。実施例及び比較例とも塗工
原紙に下記に示す組成の塗工液をブレードコーターで塗
工しスーパーカレンダーで表面処理を行ったスーパーカ
レンダーの線圧は200kg/cm一定とした。
【0042】 カオリン 平均粒径1.8μm : 55部 (HTカオリン、エンゲルハード社製) 重質炭酸カルシウム 平均粒径2.3μm : 45部 (エスカロン−2000、三共製粉社製) 酸化デンプン : 2部(対顔料) (王子エースA、王子コンスターチ(株)製) SBRラテックス : 10部(対顔料) (ラテックスL−1795、旭化成(株)製) アクリル酸系分散剤 :0.1部(対顔料) (アロンT−40、東亜合成(株)製) ソフトカレンダーの金属ロール面上温度は金属ロールへ
送気する蒸気流量を調節することにより調節した。
【0043】実施例1 塗工原紙の水分を抄紙条件を調節することによって5.
1重量%へ調節し、ソフトカレンダーに通紙して表面処
理した。ソフトカレンダーは、トップロールとして配置
した金属ロール(径800mm、商品名“ジャケットロ
ーラー”、トクデン社製)とボトムロールとして配置し
たショアーD硬度96度の弾性ロール(径530mm、
商品名“エラグラスZE”、耐熱性熱硬化性樹脂製弾性
膜、金陽社製)とから構成した。このソフトカレンダー
のロール間に塗工原紙のワイヤー面が金属ロールに接す
るようにして通紙し、通紙速度400m/分で1回通紙
し表面処理を行った。この時の温度は金属ロール面上で
181℃、線圧は250kg/cmとした。同じ条件で
塗工原紙のフエルト面が金属ロールに接するようにして
1回通紙し表面処理を行った。この表面処理後の塗工原
紙に片面6g/m2 (絶乾)づつ両面に塗工した。
【0044】実施例2 塗工原紙の水分を抄紙条件を調節することによって6.
8重量%へ調節し、次いでソフトカレンダーへ通紙する
直前で蒸気を原紙へ吹きつけ水分を7.8重量%に調節
した。ソフトカレンダーは、実施例1においてショアー
D硬度70度の弾性ロール(商品名“エラグラスK”ウ
レタンゴム製弾性膜、金陽社製)を使用したこと、金属
面上の温度を98℃としたこと、線圧を220kg/c
mとしたこと以外は実施例1と同様にして塗工紙を製造
した。
【0045】実施例3 実施例1と同様の表面処理後の塗工原紙を用いて、片面
19g/m2 (絶乾)づつ両面に塗工した以外は実施例
1と同様にして塗工紙を製造した。
【0046】実施例4 実施例2と同様の表面処理後の塗工紙を用いて、片面1
9g/m2 (絶乾)づつ両面に塗工した以外は実施例2
と同様にして塗工紙を製造した。
【0047】比較例1 実施例1において、抄紙条件を調節し塗工原紙の水分を
4.5%に調節し、実施例1と同様にして塗工紙を製造
した。
【0048】比較例2 実施例1において、抄紙条件を調節し塗工原紙の水分を
6.9%に調節し次いでソフトカレンダーへ通紙する直
前で蒸気を吹きつけ水分を8.7重量%に調節し、実施
例1と同様にして塗工紙を製造した。
【0049】比較例3 実施例2において、ショアーD硬度99度の弾性ロール
からなるソフトカレンダーを用いて、実施例2と同様に
して塗工紙を製造した。
【0050】比較例4 実施例2において、ショアーD硬度60度の弾性ロール
からなるソフトカレンダーを用いて実施例2と同様にし
て塗工紙を製造した。
【0051】比較例5 上段からスチームロール、チルドロール、チルドロー
ル、スチームロール、チルドロール及びクラウンコント
ロールロールの6段の金属ロールからなるマシンカレン
ダーで、実施例1における水分5.1重量%に調節し、
製造した塗工原紙の両面を表面処理した。この時の最下
段の線圧が50kg/cm、スチームロール表面温度が
80℃であった。このような条件で表面処理した原紙
に、片面6g/m2 (絶乾)づつ両面に塗工し塗工紙を
製造した。
【0052】比較例6 実施例3において、抄紙条件を調節して塗工原紙の水分
を4.5%に調節し、実施例3と同様にして塗工紙を製
造した。
【0053】比較例7 実施例3において、抄紙条件を調節して塗工原紙の水分
を6.9%に調節し、次いでソフトカレンダーへ通紙す
る直前で蒸気を吹きつけ水分を8.7重量%に調節し、
実施例3と同様にして塗工紙を製造した。
【0054】比較例8 実施例4において、ショアーD硬度99度の弾性ロール
からなるソフトカレンダーを用いて実施例4と同様にし
て塗工紙を製造した。
【0055】比較例9 実施例4において、ショアーD硬度60度の弾性ロール
からなるソフトカレンダーを用いて実施例2と同様にし
て塗工紙を製造した。
【0056】比較例10 比較例5において、マシンカレンダーで表面処理された
原紙に片面19g/m2 (絶乾)づつ両面に塗工し塗工
紙を製造した。
【0057】参考例1 比較例5と同様の表面処理後の塗工原紙を用いて、片面
22g/m2 (絶乾)づつ両面に塗工した以外は比較例
5と同様にして塗工紙を製造した。実施例1〜4、比較
例1〜10、参考例1で製造した塗工紙を次の方法で品
質評価した。
【0058】評価方法 ローランド ファボリットRZ F01型印刷機(ドイ
ツ製)にて、大日本インキ化学工業(株)製タックNo
90赤藍2色でオフセット印刷を行いその印刷適性を目
視判定する。 オフセット印刷におけるインキ受理性(モットリングの
発生の指標) ◎ : 特に優れている 〇 : 優れている △ : 普通 × : やや劣る ×× : 劣る
【0059】・ 平滑度 : J Tappi No5に基
づいて測定。
【0060】・ インキ着肉性は、グラビア印刷適性試
験方法(印刷局式)により印刷した印刷物の白ヌケの程
度を目視により下記の5段階で評価した。 ◎ : 特に優れている 〇 : 優れている △ : 普通 × : やや劣る ×× : 劣る
【0061】・ 不透明度 : JIS P 8138
に基づいて測定。
【0062】実施例1〜4、比較例1〜10、参考例1
で製造した塗工紙の品質評価結果を表1に示した。表1
からわかるように、参考例1の片面当りの塗工量が20
g/m2 (絶乾)を越えたものは本発明によらずとも印
刷適性が優れている。塗工量が同じ塗工紙を比較すると
本発明に基づいた実施例1、2、及び実施例3、4とモ
ットリング及びグラビア印刷インキ着肉性が優れている
ことは明らかであり、本発明の効果は明白である。
【0063】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属ロールとショアーD硬度(ASTM
    規格D2240)が65〜98度の範囲の弾性ロールか
    らなるカレンダー装置で、水分5〜8重量%に調節され
    た原紙を表面処理することを特徴とする印刷用塗工紙用
    原紙の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006132012A (ja) * 2004-11-02 2006-05-25 Daio Paper Corp 塗工紙の製造方法及び製造設備
JP2006297780A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Daio Paper Corp インクジェット記録用紙およびその製造方法

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JP2006132012A (ja) * 2004-11-02 2006-05-25 Daio Paper Corp 塗工紙の製造方法及び製造設備
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