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JPH0623260B2 - 微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物及びその製造方法 - Google Patents

微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物及びその製造方法

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JPH0623260B2
JPH0623260B2 JP2281317A JP28131790A JPH0623260B2 JP H0623260 B2 JPH0623260 B2 JP H0623260B2 JP 2281317 A JP2281317 A JP 2281317A JP 28131790 A JP28131790 A JP 28131790A JP H0623260 B2 JPH0623260 B2 JP H0623260B2
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JP
Japan
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resin
aliphatic polyester
polyester resin
viscosity
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豊 常盤
晃 岩本
潔 武田
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Agency of Industrial Science and Technology
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
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    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂から
なる微生物崩壊性を有する新規な樹脂成形物及びその製
造方法に関するものである。
(従来技術及びその問題点) 最近、欧米において廃棄物処理に関連して、プラスチッ
クの包装材料としての使用禁止や規制の動きが活発化し
ている中で、米国などではプラスチックに澱粉を混ぜた
崩壊性プラスチックが実用化されている。この場合の崩
壊は、プラスチック中の澱粉が微生物により分解される
ことによって起こる。しかし、この澱粉混入プラスチッ
クは澱粉の混入量が少ない場合には崩壊せず、一方、多
量に混入した場合では崩壊は起こるものの、プラスチッ
ク中の澱粉が粒子状で可塑性を有しないことから、得ら
れたシートの機械物性や、容器等への二次加工性は澱粉
末混入のプラスチックに比べて著しく劣るという問題が
あり、また用途的にも二次加工をあまり必要としない、
フィルム、袋に限られていた。
(発明の課題) 本発明は、微生物崩壊性にすぐれるとともに、機械的物
性及び二次加工性にもすぐれた樹脂成形物及びその製造
方法を提供することをその課題とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、脂肪族ポリエステル樹脂を
マトリックス樹脂とし、そのマトリックス樹脂中にそれ
とは異なる熱可塑性樹脂が全樹脂に対し40〜75重量%の
割合で混合分散していることを特徴とする微生物崩壊性
熱可塑性樹脂成形物が提供される。
また、本発明によれば、脂肪族ポリエステル樹脂25〜60
重量%とそれとは異なる熱可塑性樹脂75〜40重量%から
なる溶融混練物を、下記式(I)及び(II)を満足する
条件で押出機先端のダイスから押出すことを特徴とする
微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物の製造方法が提供され
る。
10>η/η≧1 (I) (好ましくは5>η/η≧1) η≧500 (II) (前記式中、ηは押出温度での脂肪族ポリエステル樹
脂の粘度(ポイズ)を示し、ηは押出温度での熱可塑
性樹脂の粘度(ポイズ)を示す) 本発明における脂肪族ポリエステル樹脂とは、二塩基酸
を含む多価カルボン酸とジオールを含む多価アルコール
の重縮合物、ヒドロキシ酸の重縮合物、ラクトンの開環
重合物等であって、リパーゼの作用により加水分解され
る。具体的には、ポリエチレンアジペート、ポリプロピ
オラクトン、ポリカプロラクトンなどがある。これら脂
肪族ポリエステルは澱粉とは異なり、熱可塑性を有して
はいるものの、それ単独でシートやフィルム等の成形体
として利用し得る程の物性は有しておらず、単独で使用
されることはほとんどない。
熱可塑性樹脂としては、樹脂成形物の製造に慣用されて
いる各種のものが用いられる。このようなものとして
は、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹
脂、アクリル系樹脂、アミド系樹脂等が挙げられる。ま
た、オレフィン系樹脂としては、高密度、中密度及び低
密度のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エ
チレン/プロピレン共重合体、プロピレン/ブテン共重
合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のオレフィンか
ら誘導される重合体及び共重合体が挙げられる。ポリス
チレン系樹脂としては、スチレンや、メチルスチレン等
のスチレンの核置換体から誘導される重合体及び共重合
体が挙げられる。また、ビニル系樹脂としては、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、あるいはポリビニルア
ルコールが挙げられる。アクリル系樹脂としては、ポリ
メチルメタクリレート、メチルメタクリレート/スチレ
ン共重合体、メチルメタクリレート/α−メチルスチレ
ン共重合体等が挙げられる。
本発明の樹脂成形物は、脂肪族ポリエステル樹脂がマト
リックス樹脂となり、その中に熱可塑性樹脂が混合分散
したものである。すなわち、熱可塑性樹脂が微生物崩壊
性の脂肪族ポリエステル樹脂によって覆われた構造を有
する。従って、このような樹脂成形物は、表面部が微生
物崩壊性の脂肪族ポリエステル樹脂からなり、また、表
面部が微生物崩壊した後に露出する新表面も同様に微生
物崩壊性の脂肪族ポリエステル樹脂であるので、微生物
崩壊性のないあるいは劣った熱可塑性樹脂を含むにもか
かわらず、全体としてすぐれた微生物崩壊性を示すもの
である。
前記の如き脂肪族ポリエステル樹脂をマトリックスとす
る成形物は、脂肪族ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂と
の溶融混練物を、前記した式(I)及び式(II)を満足
する条件で押出機先端のダイスから低圧帯域へ押出すこ
とによって得ることができる。成形装置としては、通常
の押出成形機を使用することができる。
前記式(I)及び(II)で表わされる押出条件は、脂肪
族ポリエステルや、熱可塑性樹脂の分子量を含む具体的
種類を選ぶことによって得ることができる他、複数の脂
肪族ポリエステル混合物の成分組成や、複数の熱可塑性
樹脂混合物の成分組成を適当に選定することによって得
ることができる。
本発明における樹脂成形物中、脂肪族ポリエステル樹脂
の割合は25〜60重量%、好ましくは30〜50重量%、熱可
塑性樹脂の割合は75〜40重量%、好ましくは70〜50重量
%である。本発明の成形物の崩壊は脂肪族ポリエステル
樹脂が微生物によって分解されることによって起こるた
めに、その配合量は多い方がより崩壊されやすい。しか
しその割合が前記範囲を超えると、成形物の機械物性が
悪化し、実用に耐えなくなる。一方、脂肪族ポリエステ
ル樹脂の割合が前記範囲より少ない場合は、η/η
を大きくしても、脂肪族ポリエステル樹脂をマトリック
スとする成形物が得られず、得られる成形物は微生物崩
壊性に劣ったものとなる。また、脂肪族ポリエステル樹
脂の押出温度での粘度が500ポイズ未満である時には、
押出しによる成形物の製造が困難になる。さらに、η
/η≧10と大きい場合には、脂肪族ポリエステル樹脂
と熱可塑性樹脂との粘度差が大きすぎて、両者の混合に
不都合を生じる。η/ηが1より小さい時には、脂
肪族ポリエステル樹脂をマトリックスとする成形物が得
られなくなる。
本発明の成形物は、他の補助成分を含むことができる。
例えば、機械的強度を高めるための無機充填剤や、脂肪
族ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂との相溶性を高める
ための相溶化剤を用いることができる。相溶化剤として
は、脂肪族ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂との共重合
体や、熱可塑性樹脂に官能基をグラフト重合させた如き
のものがある。このような高分子相溶化剤は、熱可塑性
樹脂と同等に取扱われ、その押出温度での粘度ηも、
10>η/η≧1の条件を満たす必要がある。また、
その配合割合は、熱可塑性樹脂の割合に算入される。
本発明の成形物は、上記の方法によりフィルム状、シー
ト状、板状、糸状、ネット状及びペレット状等の任意の
形状で得られる。また、押出機の先端に金型を取り付け
たいわゆる射出成形法を採用した場合には容器などの任
意の形状で成形体を得ることもできる。これ等成形物は
発泡体であっても非発泡体であっても構わない。発泡体
を採用するか非発泡体を採用するかは通常目的や用途に
応じて決定されるものである。本発明の成形物を発泡す
る場合には、上記成形物を製造する段階であるいはその
後の別の段階で発泡させる等の公知の方法が採用され
る。特に、上記成形物のうちペレット状のものは、その
後公知の方法により発泡粒子とすることができ、このよ
うな発泡粒子は型内においては緩衝材や容器等の種々な
形状に成形することができる等の利点を有する。また、
上記成形物のうちフィルム状、シート状あるいは板状の
ものはその後、袋、丼、トレー、折り箱の枠材や底板
材、緩衝材等の種々な形状に成形されても良い。
また、上記成形物のうちフィルム状のものは、フィルム
間に多数の独立した中空室を形成した緩衝材に成形する
ことができる。この様な緩衝材は、廃棄後微生物の存在
する環境において容易に中空室に穴が開き、これによっ
てその嵩を減少させることができる。特に、この様な緩
衝材が埋め立て地に搬入される場合等、速やかなる嵩の
減少により地盤の安定化に効果を発揮する。
(発明の効果) 本発明の微生物崩壊性樹脂成形物は、十分実用的な機械
物性、加工性を有し、廃棄後は微生物の存在する環境に
おいて容易に崩壊し、その嵩を減少させることができる
ため、廃棄物処理問題の解決に有効な手段と考えられ
る。また、この成形物は、廃棄後回収もれにより、自然
環境中に放置されても、微生物により崩壊されるため、
自然界の動植物の生命を危険にさらすことはない。
本発明の成形物は、シート状、フィルム状、糸状、板
状、容器状等の各種形状で使用される。
(実施例) 次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1〜3、比較例1〜3 押出温度165℃において、6,000〜12,000ポイズ(poise)
の粘度(η)を示す低密度ポリエチレン(B)と4,000ポ
イズの粘度(η)を示すポリカプロラクトン(A)を、
表-1に示した割合で溶融混合し、直径100mmのダイスを
持つインフレーションフィルム製造装置にて厚さ約100
μmのフィルムを得た。得られたフィルムについて、そ
の微生物崩解性と引張強度を測定した。この場合、微生
物崩解性の測定は次の方法で行った。
すなわち、オリーブ油から1分間に130μmoleの脂肪酸
を生成することができる力価をもつリパーゼ溶液0.3m
l、リン酸緩衝液(pH7)を2ml、界面活性剤(第一工業製
薬(株)製の商品名「プライサーフA210G」1ml、水16.7m
l及び試料(各配合比において、ポリカプロラクトンA
の量は常に100mg)を100ml三角フラスコに入れて、30℃
で16時間反応させ、反応後生成した有機物量を全有機炭
素計で測定した。測定に際し、対照実験として同じ方法
でリパーゼ溶液を使用しないものも実施し、測定値を補
正した。
また、引張強度の測定は、試料を100mm×10mmの短冊状
とし、引張強度試験機を用いてチャック間距離50mm、引
張速度50mm/minで行った。
尚、上記粘度(η,η)の測定は、島津フローテス
タCFT-500型A(島津製作所製)を使用して行なった。
以上の測定結果を表-1に示す。表-1に示した結果からわ
かるように、本発明のプラスチックはすぐれた微生物崩
解性と引張強度を有している。これに対して、脂肪族ポ
リエステル成分が少なすぎる場合(比較例2)は、引張
強度は優れるものの、微生物崩解性が低い。また脂肪族
ポリエステル成分が多い場合(比較例3)は、微生物崩
解性は高いものの引張強度は低く、実用性に欠ける。
比較例4〜6 実施例3と同じ配合比(但し、ポリエチレンとして、16
5℃の粘度(ηが44,000を示すものを使用)の原料を
用い、η/η>10とした押出条件で成形物を得る場
合(比較例4)は、混合成分の粘度差が大きすぎて、フ
ィルムに加工することができなかった。同様にη/η
<1とした場合(比較例5)は、得られるフィルム
は、引張強度は満足できるが、微生物崩解性に劣ったも
のになる。さらに押出温度を高くしてη<500ポイズ
(比較例6)とした場合、粘度が低すぎてフィルム加工
することができなかった。
実施例4〜5、比較例7〜8 押出温度200℃において、3,000及び14,000ポイズ(pois
e)の粘度(η)を示すポリスチレンを使用した以外は
実施例1〜3と同様にフィルムを製造し、得られたフィ
ルムについて、同様にその微生物崩壊性と引張強度を測
定した。その結果を表-1に併せて示す。これ等の結果か
らわかるように、本発明のプラスチックは優れた微生物
崩壊性と引張強度を有している。これに対し、脂肪族ポ
リエステル成分が少なすぎるる場合(比較例7)は、引
張強度は優れるものの微生物崩壊性が低い。また、η
/η>10とした押出条件で成形物を得る場合(比較例
8)は、フィルムに加工することができなかった。
実施例6,7、比較例9 実施例1で示した低密度ポリエチレン(B)と、ポリカプ
ロラクトン(A)を表-2に示す配合比で溶融混合し、表-2
に示した押出時粘度条件下でそれぞれ2つのTダイス
(幅700mm)より押出し、厚さ約50μmの2枚のフィル
ムを得た後、バルブフィルム製造装置ABM-600型(ハギ
ノ機工(株)製)を使用して、エンボス化および積層化
工程を行ない、高さ約4mm、直径10mmの中空の凸部を1m
2当り約8550個有する積層緩衝材を得た。得られた積層
緩衝材について微生物崩壊性を調べた。この場合、微生
物崩壊性は次の方法で行なった。
すなわち、先ず、同一の積層緩衝材から得た20個の試料
(100×100mm、有効凸数72個)を用意し、その20個の試
料を重ねて縦100mm、横100mm、高さ150mmの容器内に入
れ、その試料の上に2kgの板状重り(縦95mm、横95mm)
をのせ、その時の試料20個の高さT(A)を測定した。
次に、オリーブ油から1分間に130μmoleの脂肪酸を生
成することができる力価を持つリパーゼ溶液3ml、リン
酸緩衝液(pH7)20ml、界面活性剤(第一工業製薬(株)
製の商品名「プライサーフA210G」)10mlを入れた20個
のビーカーの各々に、前記20個の試料を各々を入れ、30
℃で48時間反応させた。
この反応後、各試料をビーカーから取り出し、乾燥後、
得られた20個の試料を前記と同様にして容器に入れ、そ
の試料の上に2kg板状重りをのせた時の高さT(B)を測定
した。
これらの測定結果から、次式によって微生物崩壊性Rを
算出し、その結果を表-2に示す。
R=(T(A)-T(B))/T(A)×100(%) 表-2に示した結果からわかるように、本発明の積層緩衝
材はすぐれた微生物崩壊性を有しており、崩壊により中
空部が破れて嵩がすみやかに減少する。これに対して、
脂肪族ポリエステル成分が少なすぎる場合の比較比9は
崩壊により中空部が破れないために嵩の減少は起こらな
い。
フロントページの続き 審査官 小林 正巳 (56)参考文献 特開 平2−32001(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族ポリエステル樹脂をマトリックス樹
    脂とし、そのマトリックス樹脂中にそれとは異なる熱可
    塑性樹脂が全樹脂に対し40〜75重量%の割合で混合分散
    していることを特徴とする微生物崩壊性熱可塑性樹脂成
    形物。
  2. 【請求項2】脂肪族ポリエステル樹脂25〜60重量%とそ
    れとは異なる熱可塑性樹脂75〜40重量%からなる溶融混
    練物を、式 10>η/η≧1 (I) η≧500 (II) (前記式中、ηは押出温度での脂肪族ポリエステル樹
    脂の粘度(ポイズ)を示し、ηは押出温度での熱可塑
    性樹脂の粘度(ポイズ)を示す) を満足する条件で押出機先端のダイスから押出すことを
    特徴とする微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物の製造方
    法。
JP2281317A 1989-11-08 1990-10-19 微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0623260B2 (ja)

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