JPH06220099A - 可溶性ldlリセプター - Google Patents
可溶性ldlリセプターInfo
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- JPH06220099A JPH06220099A JP5006944A JP694493A JPH06220099A JP H06220099 A JPH06220099 A JP H06220099A JP 5006944 A JP5006944 A JP 5006944A JP 694493 A JP694493 A JP 694493A JP H06220099 A JPH06220099 A JP H06220099A
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/52—Cytokines; Lymphokines; Interferons
- C07K14/555—Interferons [IFN]
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/12—Antivirals
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明はウイルス感染から哺乳動物を防御す
ることができる可溶性LDLリセプターに関し、このも
のはインターフェロンで処理した細胞または組換えDN
A法により単離される。 【構成】 ヒトWISH細胞をインターフェロンで処理
し、種々のクロマトグラフィー法(モノクローナル抗体
C7による親和性クロマトグラフィーを含む)により精
製することにより可溶性LDLリセプターが産生され
る。また、実質的に成熟LDLリセプターのアミノ酸残
基4から292に対応するアミノ酸配列を有する可溶性
LDLリセプターをコードするDNA分子よりなる発現
ベクターで形質転換される細胞株を培養することにり、
可溶性LDLリセプターを産生することができる。可溶
性LDLリセプター、そのムテイン、融合蛋白、それら
の塩、官能性誘導体および活性画分は、ウイルス感染か
ら哺乳動物を防御するための薬剤組成物の活性成分とし
て使用される。
ることができる可溶性LDLリセプターに関し、このも
のはインターフェロンで処理した細胞または組換えDN
A法により単離される。 【構成】 ヒトWISH細胞をインターフェロンで処理
し、種々のクロマトグラフィー法(モノクローナル抗体
C7による親和性クロマトグラフィーを含む)により精
製することにより可溶性LDLリセプターが産生され
る。また、実質的に成熟LDLリセプターのアミノ酸残
基4から292に対応するアミノ酸配列を有する可溶性
LDLリセプターをコードするDNA分子よりなる発現
ベクターで形質転換される細胞株を培養することにり、
可溶性LDLリセプターを産生することができる。可溶
性LDLリセプター、そのムテイン、融合蛋白、それら
の塩、官能性誘導体および活性画分は、ウイルス感染か
ら哺乳動物を防御するための薬剤組成物の活性成分とし
て使用される。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は可溶性低比重リポ蛋白(L
DL)リセプター、その産生方法およびそれを含む薬剤
組成物に関する。
DL)リセプター、その産生方法およびそれを含む薬剤
組成物に関する。
【0002】
【発明の背景】インターフェロン(INF)は種々の細
胞に産生される融合蛋白であり、動物細胞において抗ウ
イルス状態を誘導する。インターフェロンには抗原性に
より区別される3つの大きな型(α、βおよびガンマ)
がある。INF−αとINF−βはウイルスまたは核酸
により誘導される166または165個のアミノ酸残基
の関連する蛋白であり、種々の組織の細胞(免疫細胞を
含む)により産生される。INF−ガンマは130−1
43個のアミノ酸残基の蛋白であり、マイトジェン(分
裂促進因子)により活性化されたT細胞や大きい顆粒性
リンパ球により産生される。IFNの産生は普通一過性
であり、誘導物質が消失するとまもなく停止する。これ
らに関する最近の総説は、テイラーとグロスバーグ(Ta
ylor S.L.and Grossberg S.E.)、Virus Research, 15,
1-26を参照。
胞に産生される融合蛋白であり、動物細胞において抗ウ
イルス状態を誘導する。インターフェロンには抗原性に
より区別される3つの大きな型(α、βおよびガンマ)
がある。INF−αとINF−βはウイルスまたは核酸
により誘導される166または165個のアミノ酸残基
の関連する蛋白であり、種々の組織の細胞(免疫細胞を
含む)により産生される。INF−ガンマは130−1
43個のアミノ酸残基の蛋白であり、マイトジェン(分
裂促進因子)により活性化されたT細胞や大きい顆粒性
リンパ球により産生される。IFNの産生は普通一過性
であり、誘導物質が消失するとまもなく停止する。これ
らに関する最近の総説は、テイラーとグロスバーグ(Ta
ylor S.L.and Grossberg S.E.)、Virus Research, 15,
1-26を参照。
【0003】これらの3つの充分性状解析されたインタ
ーフェロンのほかに、部分的に性状解析されたインター
フェロン種がいくつか報告されている。1群のINF−
α様(INF−αl)遺伝子および偽遺伝子(pseudoge
nes )(クラスIIINF−αまたはIFN−オメガとし
ても知られている)が発見され報告されている(レベル
(Revel, M. )、「抗ウイルス薬剤とインターフェロ
ン:その活性の分子学的基礎」("Antiviral Drugs and
Interferon : The Molecular Basis of their Activit
y")、ベッカー(Y. Becker )編、マルチヌスメイジョ
フ出版(MartinusMeijhof Publ.)、ボストン、357-434
;キャポン(Capon, D.J. )ら、1985,Molec. Cell. B
iol., 5, 768-779 ;ハウプトマンとスワートリイ(Hau
ptmann,R. and Swertly, P. )、1985, Nuc. Acid. Re
s., 13, 4739-4749)。これらは、約172個のアミノ
酸残基を有するウイルスで誘導されるインターフェロン
であり、リンパ球に産生されるヒトINF−αの天然の
混合物中に存在する(アドルフ(Adolf, G.R. )、199
0, Virology, 175, 410-417)。
ーフェロンのほかに、部分的に性状解析されたインター
フェロン種がいくつか報告されている。1群のINF−
α様(INF−αl)遺伝子および偽遺伝子(pseudoge
nes )(クラスIIINF−αまたはIFN−オメガとし
ても知られている)が発見され報告されている(レベル
(Revel, M. )、「抗ウイルス薬剤とインターフェロ
ン:その活性の分子学的基礎」("Antiviral Drugs and
Interferon : The Molecular Basis of their Activit
y")、ベッカー(Y. Becker )編、マルチヌスメイジョ
フ出版(MartinusMeijhof Publ.)、ボストン、357-434
;キャポン(Capon, D.J. )ら、1985,Molec. Cell. B
iol., 5, 768-779 ;ハウプトマンとスワートリイ(Hau
ptmann,R. and Swertly, P. )、1985, Nuc. Acid. Re
s., 13, 4739-4749)。これらは、約172個のアミノ
酸残基を有するウイルスで誘導されるインターフェロン
であり、リンパ球に産生されるヒトINF−αの天然の
混合物中に存在する(アドルフ(Adolf, G.R. )、199
0, Virology, 175, 410-417)。
【0004】ヒト抹消血の単核球白血球をマイトジェン
で処理するとINF−ガンマとIFN−δという名前の
新規IFN−様物質(ウィルキンソンとモリス(Wilkin
sonM. and Morris, A. )、1983, Biochem. Biophys. R
es. Comm. 111, 498-503 )が産生された。IFN−δ
は耐酸性であり、染色体21のトリソミーを有するヒト
繊維芽細胞上でのみ活性がありWISH細胞上では活性
がなかった。これは上記の3つの既知のIFN型とは抗
原性が異なっていた。
で処理するとINF−ガンマとIFN−δという名前の
新規IFN−様物質(ウィルキンソンとモリス(Wilkin
sonM. and Morris, A. )、1983, Biochem. Biophys. R
es. Comm. 111, 498-503 )が産生された。IFN−δ
は耐酸性であり、染色体21のトリソミーを有するヒト
繊維芽細胞上でのみ活性がありWISH細胞上では活性
がなかった。これは上記の3つの既知のIFN型とは抗
原性が異なっていた。
【0005】酸に不安定なアルファインターフェロンは
いくつかの文献に記載された。酸に不安定なアルファイ
ンターフェロンは、最近インフルエンザワクチンを受け
たヒトのリンパ球、インフルエンザウイルスでインビト
ロで刺激されたリンパ球の培養物で誘導された(ブラッ
クウィル(Blackwill, F.R. )ら、1983, J. Exp. Me
d., 157, 1059-1063)。このタイプのIFNは抗INF
−α血清で中和され、マンディンダーバー(Mandin Dar
by)ウシ腎臓(MDBK)細胞上で活性であった。この
ような酸に不安定なアルファ型のIFNが全身性ループ
スエリトマドーデス患者の血清中に存在することが報告
された(クリペル(Klippel, J.H. )ら、1985, Annals
Rhem. Disease, 44, 104-108 )。酸に不安定なINF
−αは、ヒトの抹消血リンパ球のセンダイウイルス誘導
によりINF−αと同様に産生された(マツオカ(Mats
uoka, H )ら、1985, J. Gen. Virol., 66, 2491-2494
)。酸に不安定なINF−αは抹消血単核細胞の培養
により自発的に産生された(フィッシャーとルービンシ
ュタイン(Fischer, D.G. and Rubinsein, M. )、198
3, Cellular Immunology, 81, 426-434)。
いくつかの文献に記載された。酸に不安定なアルファイ
ンターフェロンは、最近インフルエンザワクチンを受け
たヒトのリンパ球、インフルエンザウイルスでインビト
ロで刺激されたリンパ球の培養物で誘導された(ブラッ
クウィル(Blackwill, F.R. )ら、1983, J. Exp. Me
d., 157, 1059-1063)。このタイプのIFNは抗INF
−α血清で中和され、マンディンダーバー(Mandin Dar
by)ウシ腎臓(MDBK)細胞上で活性であった。この
ような酸に不安定なアルファ型のIFNが全身性ループ
スエリトマドーデス患者の血清中に存在することが報告
された(クリペル(Klippel, J.H. )ら、1985, Annals
Rhem. Disease, 44, 104-108 )。酸に不安定なINF
−αは、ヒトの抹消血リンパ球のセンダイウイルス誘導
によりINF−αと同様に産生された(マツオカ(Mats
uoka, H )ら、1985, J. Gen. Virol., 66, 2491-2494
)。酸に不安定なINF−αは抹消血単核細胞の培養
により自発的に産生された(フィッシャーとルービンシ
ュタイン(Fischer, D.G. and Rubinsein, M. )、198
3, Cellular Immunology, 81, 426-434)。
【0006】IFN−イプシロンと呼ばれる別のタイプ
のインターフェロンが、ウイルスに接触した上皮細胞か
ら産生された。これはIFN−βと一緒に産生された
が、上皮細胞上で活性があり、他の細胞では活性がなか
った(ジャービスとコソウスキー(Jarvis, A.P. and K
osowsky, D.I. )、 1984、米国特許第4,614,651
号)。
のインターフェロンが、ウイルスに接触した上皮細胞か
ら産生された。これはIFN−βと一緒に産生された
が、上皮細胞上で活性があり、他の細胞では活性がなか
った(ジャービスとコソウスキー(Jarvis, A.P. and K
osowsky, D.I. )、 1984、米国特許第4,614,651
号)。
【0007】他のサイトカインの中で、TNF、IL−
6およびIL−1は抗ウイルス活性を示すと報告された
(メスタン(Mestan, J.)ら、1986, Nature, 323, 816
-819;ウォングとゲデル(Wong, G.H.W. and Goedell,
D.) 1986, Nature, 323, 819-822 ;ビリュー(Billia
u, A. )、 1987, Antiviral Research, 8, 55-70 )。
TNFは免疫細胞にのみ産生され、IL−1とTNFは
INF−βの産生を誘導することにより抗ウイルス活性
を示すことが示唆された(ビリュー(Billiau,A. )、
前述)。
6およびIL−1は抗ウイルス活性を示すと報告された
(メスタン(Mestan, J.)ら、1986, Nature, 323, 816
-819;ウォングとゲデル(Wong, G.H.W. and Goedell,
D.) 1986, Nature, 323, 819-822 ;ビリュー(Billia
u, A. )、 1987, Antiviral Research, 8, 55-70 )。
TNFは免疫細胞にのみ産生され、IL−1とTNFは
INF−βの産生を誘導することにより抗ウイルス活性
を示すことが示唆された(ビリュー(Billiau,A. )、
前述)。
【0008】インターフェロンで誘導される蛋白がいく
つか同定されており、そのあるものはIFNの抗ウイル
ス状態の誘導に有用であることが証明されている。最も
良く研究されているのは、(2’−5’)オリゴアデニ
レートシンセターゼである。これはATPを重合させて
ppp(A2’−5’p)nA(ここでnは好ましくは
2または3であるが、15までの長さでもよい)にする
酵素である(ケールとブラウン(Kerr, I.M. and Brow
n, R.E.)、1978, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75, 2
56-260 )。このようなオリゴマーは潜在型のリボヌク
レアーゼ(RNASE−F)(これはリボゾームRNA
やポリゾームを分解する)を活性化して、ウイルス合成
や細胞性蛋白合成を阻害する。別のIFNに誘導される
細胞外酵素は2’−5’ホスホジエステラーゼであり、
これはtRNAのCCA末端を除去して蛋白合成を阻害
する(シュミット(Schmidt, A. )ら、1979, Proc. Na
tl.Acad. Sci. USA, 76, 4788-4792 )。IFNに誘導
される第3の公知の細胞外酵素は70Kd蛋白キナーゼ
であり、これは開始因子(Initiaation Factor)eIF
−2をリン酸化することにより、mRNAの蛋白への翻
訳の開始を阻害する(オーツキ(Ohtsuki, K. )ら、19
80, Nature, 287, 65-67)。他のIFNに誘導される細
胞外蛋白には核IFN−応答性因子(nuclear IFN−
Responsive Factors)(IRF−1とIRF−2)(こ
れはIFN−応答性遺伝子を制御する);メタロチオネ
イン(metalothionein)(これは56Kd蛋白である
が、IFNに誘導される抗ウイルス状態での役割は不明
である);補体別経路のB因子そして齧歯類のMx遺伝
子生成物(これはインフルエンザに対する耐性に関係し
ている)がある(テイラーとグロスバーグ(Taylor, I.
L. and Grossberg, S.E.)の総説、1990, Virus Resear
ch, 15, 1-26)。他のIFNに誘導される細胞関連ポリ
ペプチドは、IFN処理と[35S]メチオニンパルス後
の2−Dゲル上で同定されたが、これらの蛋白の構造や
機能はそれ以上性状解析されなかった(ウェイル(Wei
l, J.)ら、1983, Nature, 301, 437-439)。クラスI
およびIIのMHC抗原、IgG、Fcリセプターおよび
細胞骨格成分などの、IFNに誘導されるいくつかの細
胞表面蛋白が同定された(レベル(Revel, M. )の総
説、1984、「抗ウイルス薬剤とインターフェロン:その
活性の分子学的基礎」("Antiviral Drugs and Interfe
ron : The Molecular Basis of their Activity")、ベ
ッカー(Y. Becker)編、357-434、マルチヌスメイジョ
フ出版(Martinus Meijhof Publ.)、ボストン)。
つか同定されており、そのあるものはIFNの抗ウイル
ス状態の誘導に有用であることが証明されている。最も
良く研究されているのは、(2’−5’)オリゴアデニ
レートシンセターゼである。これはATPを重合させて
ppp(A2’−5’p)nA(ここでnは好ましくは
2または3であるが、15までの長さでもよい)にする
酵素である(ケールとブラウン(Kerr, I.M. and Brow
n, R.E.)、1978, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75, 2
56-260 )。このようなオリゴマーは潜在型のリボヌク
レアーゼ(RNASE−F)(これはリボゾームRNA
やポリゾームを分解する)を活性化して、ウイルス合成
や細胞性蛋白合成を阻害する。別のIFNに誘導される
細胞外酵素は2’−5’ホスホジエステラーゼであり、
これはtRNAのCCA末端を除去して蛋白合成を阻害
する(シュミット(Schmidt, A. )ら、1979, Proc. Na
tl.Acad. Sci. USA, 76, 4788-4792 )。IFNに誘導
される第3の公知の細胞外酵素は70Kd蛋白キナーゼ
であり、これは開始因子(Initiaation Factor)eIF
−2をリン酸化することにより、mRNAの蛋白への翻
訳の開始を阻害する(オーツキ(Ohtsuki, K. )ら、19
80, Nature, 287, 65-67)。他のIFNに誘導される細
胞外蛋白には核IFN−応答性因子(nuclear IFN−
Responsive Factors)(IRF−1とIRF−2)(こ
れはIFN−応答性遺伝子を制御する);メタロチオネ
イン(metalothionein)(これは56Kd蛋白である
が、IFNに誘導される抗ウイルス状態での役割は不明
である);補体別経路のB因子そして齧歯類のMx遺伝
子生成物(これはインフルエンザに対する耐性に関係し
ている)がある(テイラーとグロスバーグ(Taylor, I.
L. and Grossberg, S.E.)の総説、1990, Virus Resear
ch, 15, 1-26)。他のIFNに誘導される細胞関連ポリ
ペプチドは、IFN処理と[35S]メチオニンパルス後
の2−Dゲル上で同定されたが、これらの蛋白の構造や
機能はそれ以上性状解析されなかった(ウェイル(Wei
l, J.)ら、1983, Nature, 301, 437-439)。クラスI
およびIIのMHC抗原、IgG、Fcリセプターおよび
細胞骨格成分などの、IFNに誘導されるいくつかの細
胞表面蛋白が同定された(レベル(Revel, M. )の総
説、1984、「抗ウイルス薬剤とインターフェロン:その
活性の分子学的基礎」("Antiviral Drugs and Interfe
ron : The Molecular Basis of their Activity")、ベ
ッカー(Y. Becker)編、357-434、マルチヌスメイジョ
フ出版(Martinus Meijhof Publ.)、ボストン)。
【0009】培地に分泌される、IFNに誘導される別
の蛋白が文献に開示されており、例えばβ2−ミクログ
ロブリン(細胞表面のクラスIMHC抗原)(ドレイ
(Dolei, A.F. )ら、Antiviral Res., 1, 367-373)、
プラスミノーゲンアクチベーターおよびリンホトキシン
(IFNによりリンパ球中に誘導された)がある(ジョ
ーンズ(Jones, C.M. )ら、1982, J. IFN. Res., 2, 3
77-386;ワラックとハーン(Wallach, D. and Hahn,
T.)、1983, Cellular Immunol., 76, 390-396)。IN
F−ガンマで処理された単球はTNFを放出し、これは
全体的な抗ウイルス作用を増強した(ゲラード(Gerrar
d, T. )ら、1989, J. IFN. Res., 2, 115-124)。IN
F−ガンマに誘導される分子量30,000(細胞外)
の蛋白と分子量25,000(細胞内)の蛋白が記載さ
れた(ルスター(Luster A.D. )ら、1988、J. Biol. C
hem. 263, 12036-12043 )が、その役割は求められなか
った。
の蛋白が文献に開示されており、例えばβ2−ミクログ
ロブリン(細胞表面のクラスIMHC抗原)(ドレイ
(Dolei, A.F. )ら、Antiviral Res., 1, 367-373)、
プラスミノーゲンアクチベーターおよびリンホトキシン
(IFNによりリンパ球中に誘導された)がある(ジョ
ーンズ(Jones, C.M. )ら、1982, J. IFN. Res., 2, 3
77-386;ワラックとハーン(Wallach, D. and Hahn,
T.)、1983, Cellular Immunol., 76, 390-396)。IN
F−ガンマで処理された単球はTNFを放出し、これは
全体的な抗ウイルス作用を増強した(ゲラード(Gerrar
d, T. )ら、1989, J. IFN. Res., 2, 115-124)。IN
F−ガンマに誘導される分子量30,000(細胞外)
の蛋白と分子量25,000(細胞内)の蛋白が記載さ
れた(ルスター(Luster A.D. )ら、1988、J. Biol. C
hem. 263, 12036-12043 )が、その役割は求められなか
った。
【0010】IFNに誘導される多くの蛋白が開示され
ているが、可溶性LDLリセプターに関連しているもの
は1つもない。これまでのところ別の蛋白としての可溶
性LDLリセプターの存在は開示されていない。全サイ
ズの低比重リポ蛋白リセプター(LDLR)は、膜貫通
型の糖蛋白であり、界面活性剤の非存在下では不溶性で
ある。これは822個のアミノ酸残基からなり、分子量
は164,000である。その知られている唯一の役割
はLDLとVLDLを内部化することである。その構造
は数個のドメインよりなり、そのいくつかは他の蛋白と
同じである。N−末端リガンド結合ドメインは292個
のアミノ酸残基よりなり、7つのシステインに富む不完
全リピート(cysteine-rich imperfect repeats )で配
置されている。このドメインの後には、EGF前駆体
(400個のアミノ酸残基)に相同性の領域、22個の
アミノ酸残基の単一の膜貫通型のドメインおよび50個
のアミノ酸残基の細胞質ドメインがある(シュナイダー
(Schneider, W. J.)ら、J.Biol. Chem. 257, 2664-26
73, 1982;ヤマモト(Yamamoto, T.)ら、Cell 39,27-
38, 1984)。しかしLDLリセプターの抗ウイルス性に
ついては全く言及されていない。
ているが、可溶性LDLリセプターに関連しているもの
は1つもない。これまでのところ別の蛋白としての可溶
性LDLリセプターの存在は開示されていない。全サイ
ズの低比重リポ蛋白リセプター(LDLR)は、膜貫通
型の糖蛋白であり、界面活性剤の非存在下では不溶性で
ある。これは822個のアミノ酸残基からなり、分子量
は164,000である。その知られている唯一の役割
はLDLとVLDLを内部化することである。その構造
は数個のドメインよりなり、そのいくつかは他の蛋白と
同じである。N−末端リガンド結合ドメインは292個
のアミノ酸残基よりなり、7つのシステインに富む不完
全リピート(cysteine-rich imperfect repeats )で配
置されている。このドメインの後には、EGF前駆体
(400個のアミノ酸残基)に相同性の領域、22個の
アミノ酸残基の単一の膜貫通型のドメインおよび50個
のアミノ酸残基の細胞質ドメインがある(シュナイダー
(Schneider, W. J.)ら、J.Biol. Chem. 257, 2664-26
73, 1982;ヤマモト(Yamamoto, T.)ら、Cell 39,27-
38, 1984)。しかしLDLリセプターの抗ウイルス性に
ついては全く言及されていない。
【0011】
【発明の要約】ヒト繊維芽細胞または上皮細胞をインタ
ーフェロンで処理すると、抗ウイルス活性を示す蛋白が
産生され、細胞培養液の上清中に蓄積することがわかっ
た。この蛋白は均一になるまで精製され、LDLリセプ
ターの可溶性細胞外領域として同定された。
ーフェロンで処理すると、抗ウイルス活性を示す蛋白が
産生され、細胞培養液の上清中に蓄積することがわかっ
た。この蛋白は均一になるまで精製され、LDLリセプ
ターの可溶性細胞外領域として同定された。
【0012】従って本発明は、可溶性LDLリセプタ
ー、そのムテインおよび融合蛋白、それらの塩、官能性
誘導体および活性画分を与える。リセプター蛋白の抗ウ
イルス活性は、例えばWISH羊膜細胞と投与抗原(ch
allenge )としての水泡性口内炎ウイルス(VSV)よ
りなる系で測定することが便利である。
ー、そのムテインおよび融合蛋白、それらの塩、官能性
誘導体および活性画分を与える。リセプター蛋白の抗ウ
イルス活性は、例えばWISH羊膜細胞と投与抗原(ch
allenge )としての水泡性口内炎ウイルス(VSV)よ
りなる系で測定することが便利である。
【0013】本発明はまた、蛋白性不純物に対して均一
になるまで精製されているLDLリセプターの細胞外部
分(750個のアミノ酸残基)に対応する可溶性LDL
リセプターを与える。
になるまで精製されているLDLリセプターの細胞外部
分(750個のアミノ酸残基)に対応する可溶性LDL
リセプターを与える。
【0014】本発明は特に、少なくとも成熟LDLリセ
プターのリガンド結合ドメインよりなる(しかしこれに
限定されない)可溶性LDLリセプター、そしてさらに
詳しくは成熟LDLリセプターの少なくとも4から約2
92個のアミノ酸残基に対応する可溶性LDLリセプタ
ーに関する。
プターのリガンド結合ドメインよりなる(しかしこれに
限定されない)可溶性LDLリセプター、そしてさらに
詳しくは成熟LDLリセプターの少なくとも4から約2
92個のアミノ酸残基に対応する可溶性LDLリセプタ
ーに関する。
【0015】本発明はまた、実質的に図10に示すアミ
ノ酸配列よりなる可溶性LDLリセプターに関する。
ノ酸配列よりなる可溶性LDLリセプターに関する。
【0016】別の面で本発明は、可溶性LDLリセプタ
ーの調製法、適当な細胞のインターフェロンによる処
理、上清からの可溶性LDLリセプターの単離およびそ
の精製に関する。
ーの調製法、適当な細胞のインターフェロンによる処
理、上清からの可溶性LDLリセプターの単離およびそ
の精製に関する。
【0017】さらに本発明は、上記蛋白またはその活性
ムテインまたは融合蛋白をコードする核酸配列よりなる
組換えDNA分子、それらを含む発現ベクターおよびこ
れで形質転換される宿主細胞、そして形質転換細胞を適
当な培地中で培養することよりなる、可溶性LDLリセ
プター、その活性ムテインまたは融合蛋白を産生するた
めの方法に関する。
ムテインまたは融合蛋白をコードする核酸配列よりなる
組換えDNA分子、それらを含む発現ベクターおよびこ
れで形質転換される宿主細胞、そして形質転換細胞を適
当な培地中で培養することよりなる、可溶性LDLリセ
プター、その活性ムテインまたは融合蛋白を産生するた
めの方法に関する。
【0018】可溶性LDLリセプター、そのムテイン、
融合蛋白、それらの塩、官能性誘導体および活性画分
は、ウイルス感染から哺乳動物を保護するための薬剤組
成物の活性成分として使用される。
融合蛋白、それらの塩、官能性誘導体および活性画分
は、ウイルス感染から哺乳動物を保護するための薬剤組
成物の活性成分として使用される。
【0019】
【図面の説明】図1は、添加されたインターフェロンで
はない抗ウイルス活性の存在の証拠を示す。ヒト羊膜W
ISH細胞への水泡性口内炎ウイルス(VSV)の細胞
変性作用に対する種々のインターフェロンの防御作用
は、種々の条件下で測定される。測定は96穴のプレー
ト中で行われ、各列はIFNの連続2倍希釈系列であ
る。左から最初のカラムのIFNの最終濃度は25IU
/mlである。上から列1:添加されたINF−αと2
4時間後に添加されたVSV;列2:添加されたINF
−α、24時間後に洗浄された細胞、添加された新鮮な
INF−αと添加されたVSV;列3:添加されたIN
F−α、24時間後に添加された中和性抗INF−α抗
体、次に添加したVSV;列4から6と7から9は最初
の3つの例と同じものであるが、それぞれINF−αと
抗INF−β抗体、およびINF−ガンマと抗INF−
ガンマ抗体を使用した。
はない抗ウイルス活性の存在の証拠を示す。ヒト羊膜W
ISH細胞への水泡性口内炎ウイルス(VSV)の細胞
変性作用に対する種々のインターフェロンの防御作用
は、種々の条件下で測定される。測定は96穴のプレー
ト中で行われ、各列はIFNの連続2倍希釈系列であ
る。左から最初のカラムのIFNの最終濃度は25IU
/mlである。上から列1:添加されたINF−αと2
4時間後に添加されたVSV;列2:添加されたINF
−α、24時間後に洗浄された細胞、添加された新鮮な
INF−αと添加されたVSV;列3:添加されたIN
F−α、24時間後に添加された中和性抗INF−α抗
体、次に添加したVSV;列4から6と7から9は最初
の3つの例と同じものであるが、それぞれINF−αと
抗INF−β抗体、およびINF−ガンマと抗INF−
ガンマ抗体を使用した。
【0020】図2は、TSK−DEAE陰イオン交換カ
ラムからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示
す。
ラムからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示
す。
【0021】図3は、ハイドロキシアパタイトバイオゲ
ルHTPカラムからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パタ
ーンを示す。
ルHTPカラムからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パタ
ーンを示す。
【0022】図4は、スーパーホーマンス(Superforma
nce )TMAE−65−S陰イオン交換HPLCカラム
からの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
nce )TMAE−65−S陰イオン交換HPLCカラム
からの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
【0023】図5は、フェニルセファロース疎水性相互
作用カラムからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターン
を示す。
作用カラムからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターン
を示す。
【0024】図6は、逆相アクアポア(Aquapore)RP
−300HPLCカラムからの蛋白と抗ウイルス活性の
溶出パターンを示す。
−300HPLCカラムからの蛋白と抗ウイルス活性の
溶出パターンを示す。
【0025】図7は、逆相HPLCカラムによる再クロ
マトグラフィーからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パタ
ーンを示す。
マトグラフィーからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パタ
ーンを示す。
【0026】図8は、精製操作の最後の工程で得られた
種々の画分のドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析を示す。1
3%のアクリルアミドゲルが使用され、銀で染色した。
レーンは:1−7、限外濾過で濃縮されたRP−300
クロマトグラフィー(図7)からの画分10−16の一
部(400μl);8、対照試料緩衝液;9、左側に示
した分子量マーカー。
種々の画分のドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析を示す。1
3%のアクリルアミドゲルが使用され、銀で染色した。
レーンは:1−7、限外濾過で濃縮されたRP−300
クロマトグラフィー(図7)からの画分10−16の一
部(400μl);8、対照試料緩衝液;9、左側に示
した分子量マーカー。
【0027】図9は、スーパーローズ(Superose)12
サイズ排除HPLCカラムからの抗ウイルス活性の溶出
パターンを示す。
サイズ排除HPLCカラムからの抗ウイルス活性の溶出
パターンを示す。
【0028】図10は、微量配列解析装置(microseque
ncer)の元々のアウトプットを示す。RP−HPLC
(図7)の画分10−12(各0.4ml)をプール
し、限外濾過により濃縮し、得られた試料(1μg)を
蛋白微量配列解析にかけた。
ncer)の元々のアウトプットを示す。RP−HPLC
(図7)の画分10−12(各0.4ml)をプール
し、限外濾過により濃縮し、得られた試料(1μg)を
蛋白微量配列解析にかけた。
【0029】図11は、図10に示す蛋白微量配列解析
装置により得られた配列の探索のアウトプットを示す。
装置により得られた配列の探索のアウトプットを示す。
【0030】図12は、モノクローナル抗体C7カラム
で部分的に精製した可溶性LDLリセプターの免疫親和
性クロマトグラフィーからの種々の画分の抗ウイルス活
性を示す。バーは:load−カラムにのせたもの;effl.
−溶出液(非結合画分);el.1-4−溶出1−4である。
で部分的に精製した可溶性LDLリセプターの免疫親和
性クロマトグラフィーからの種々の画分の抗ウイルス活
性を示す。バーは:load−カラムにのせたもの;effl.
−溶出液(非結合画分);el.1-4−溶出1−4である。
【0031】図13は、免疫親和性クロマトグラフィー
(図12に示されている)からの種々の画分のウェスタ
ンブロット解析を示す。蛋白はニトロセルロースに電気
ブロットされ、モノクローナル抗体C7および125I−
蛋白Aで可視化した。レーンは:1、分子量マーカー;
2、load;3、非結合;4、洗浄;5、溶出2;6、溶
出3;7、モノクローナル抗体C7である。
(図12に示されている)からの種々の画分のウェスタ
ンブロット解析を示す。蛋白はニトロセルロースに電気
ブロットされ、モノクローナル抗体C7および125I−
蛋白Aで可視化した。レーンは:1、分子量マーカー;
2、load;3、非結合;4、洗浄;5、溶出2;6、溶
出3;7、モノクローナル抗体C7である。
【0032】図14は、種々のインターフェロンによる
WISH細胞中の細胞表面LDLリセプターの投与量応
答誘導を示す。細胞は19 インターフェロンとインキ
ュベートされ、培地に2%胎児牛血清を含む培地、細胞
表面LDLリセプターのレベルはモノクローナル抗体C
7と 125I−蛋白Aにより測定した。
WISH細胞中の細胞表面LDLリセプターの投与量応
答誘導を示す。細胞は19 インターフェロンとインキ
ュベートされ、培地に2%胎児牛血清を含む培地、細胞
表面LDLリセプターのレベルはモノクローナル抗体C
7と 125I−蛋白Aにより測定した。
【0033】
【好適な実施態様の詳細な説明】インターフェロンで処
理した細胞は培地中に、インターフェロンではない抗ウ
イルス活性を有する蛋白を分泌することが明らかになっ
た。この蛋白はすべての3つの型のヒトインターフェロ
ンに対する抗体(いずれもNIH標準物質であり中和性
モノクローナル抗体である)によっては中和されない。
この蛋白はLDLリセプターの細胞外リガンド結合ドメ
インよりなることが同定された。
理した細胞は培地中に、インターフェロンではない抗ウ
イルス活性を有する蛋白を分泌することが明らかになっ
た。この蛋白はすべての3つの型のヒトインターフェロ
ンに対する抗体(いずれもNIH標準物質であり中和性
モノクローナル抗体である)によっては中和されない。
この蛋白はLDLリセプターの細胞外リガンド結合ドメ
インよりなることが同定された。
【0034】この可溶性LDLリセプターは、任意のイ
ンターフェロンに対して応答して抗ウイルス状態に入る
哺乳動物細胞により培地中に分泌される。例としては、
羊水から得られる繊維芽細胞または上皮細胞がある(例
えばU細胞、WISH細胞)。
ンターフェロンに対して応答して抗ウイルス状態に入る
哺乳動物細胞により培地中に分泌される。例としては、
羊水から得られる繊維芽細胞または上皮細胞がある(例
えばU細胞、WISH細胞)。
【0035】インターフェロンと異なり、可溶性LDL
リセプターは細胞中に抗ウイルス状態を誘導しないが、
それ自身が抗ウイルス性である。すなわち可溶性LDL
リセプターとウイルスで同時に処理された細胞は溶解し
ないが、ウイルスのみまたはウイルスとINF−ガンマ
で同時に処理した細胞は感染し12時間後に溶解する。
これはINF−ガンマで処理した細胞が抗ウイルス状態
が確立されるには約10時間かかるため、INF−ガン
マはウイルスに対する防御能を直ちには与えないことを
示している。これに対して可溶性LDLリセプターは細
胞に添加された時直ちに細胞を防御する。
リセプターは細胞中に抗ウイルス状態を誘導しないが、
それ自身が抗ウイルス性である。すなわち可溶性LDL
リセプターとウイルスで同時に処理された細胞は溶解し
ないが、ウイルスのみまたはウイルスとINF−ガンマ
で同時に処理した細胞は感染し12時間後に溶解する。
これはINF−ガンマで処理した細胞が抗ウイルス状態
が確立されるには約10時間かかるため、INF−ガン
マはウイルスに対する防御能を直ちには与えないことを
示している。これに対して可溶性LDLリセプターは細
胞に添加された時直ちに細胞を防御する。
【0036】サイズ排除クロマトグラフィーで試験する
と、可溶性LDLリセプターの見かけの分子量は約4
0,000である。
と、可溶性LDLリセプターの見かけの分子量は約4
0,000である。
【0037】可溶性LDLリセプターの産生のために
は、培養して増殖させた適当な細胞を適当な培地中でI
FNで処理して、37℃で数時間インキュベートする。
こうして産生された可溶性LDLリセプターは培地中に
分泌され、上清から単離される。適当な細胞とはインタ
ーフェロンに応答して抗ウイルス状態に入ることができ
る細胞である。INF−α、INF−βおよびINF−
ガンマでも同様の結果が得られたが、INF−ガンマは
可溶性LDLリセプターの抗ウイルス活性測定の条件下
(可溶性LDLリセプターの添加と培養細胞へのウイル
ス抗原投与を同時に行う)では抗ウイルス活性を示さな
いため、INF−ガンマが好ましい。
は、培養して増殖させた適当な細胞を適当な培地中でI
FNで処理して、37℃で数時間インキュベートする。
こうして産生された可溶性LDLリセプターは培地中に
分泌され、上清から単離される。適当な細胞とはインタ
ーフェロンに応答して抗ウイルス状態に入ることができ
る細胞である。INF−α、INF−βおよびINF−
ガンマでも同様の結果が得られたが、INF−ガンマは
可溶性LDLリセプターの抗ウイルス活性測定の条件下
(可溶性LDLリセプターの添加と培養細胞へのウイル
ス抗原投与を同時に行う)では抗ウイルス活性を示さな
いため、INF−ガンマが好ましい。
【0038】本発明の好適な実施態様において、ヒトW
ISH細胞は、血清代替物を補足したMEM中でINF
−ガンマとともに処理され、次に37℃でさらにインキ
ュベートされる。17時間後に可溶性LDLリセプター
の最も高い力価が得られた。次に可溶性LDLリセプタ
ーを含有する細胞の上清を採取し公知の方法で濃縮する
(例えば限外濾過または半固体性ポリエチレングリコー
ル20,000に対する透析)。次に濃縮した上清をク
ロマトグラフィー法で精製する。
ISH細胞は、血清代替物を補足したMEM中でINF
−ガンマとともに処理され、次に37℃でさらにインキ
ュベートされる。17時間後に可溶性LDLリセプター
の最も高い力価が得られた。次に可溶性LDLリセプタ
ーを含有する細胞の上清を採取し公知の方法で濃縮する
(例えば限外濾過または半固体性ポリエチレングリコー
ル20,000に対する透析)。次に濃縮した上清をク
ロマトグラフィー法で精製する。
【0039】好適な実施態様において、精製された可溶
性LDLリセプターは以下の工程よりなる方法により産
生される: a. WISH細胞をコンフルーエントになるまで培養
し、無血清培地中で30U/mlのINF−ガンマで細
胞を誘導し、17時間後に細胞上清を集める; b. 例えば分子量カットオフが約10,000の膜で
限外濾過して、上記上清を約30倍濃縮する; c. 工程(b)の濃縮した上清を陰イオン交換クロマ
トグラフィーにかけて抗ウイルス性因子の部分精製活性
画分を得る; d. 工程(c)の部分精製画分をハイドロキシアパタ
イトのクロマトグラフィーにかけて抗ウイルス性因子の
部分精製画分を得る; e. 工程(d)の部分精製画分を陰イオンHPLCに
かけて抗ウイルス性因子の部分精製画分を得る; f. 工程(e)の部分精製画分を疎水性相互作用クロ
マトグラフィーにかけて抗ウイルス性因子の部分精製画
分を得る;そして g. 工程(f)の部分精製画分を大体中性のpHで逆
相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけて部
分精製抗ウイルス性因子を得る。次にこの工程を繰り返
して均一な抗ウイルス性因子(ヒトWISH細胞に対す
る水泡性口内炎ウイルス(VSV)による細胞変性作用
を阻害する能力により規定される)を得る。
性LDLリセプターは以下の工程よりなる方法により産
生される: a. WISH細胞をコンフルーエントになるまで培養
し、無血清培地中で30U/mlのINF−ガンマで細
胞を誘導し、17時間後に細胞上清を集める; b. 例えば分子量カットオフが約10,000の膜で
限外濾過して、上記上清を約30倍濃縮する; c. 工程(b)の濃縮した上清を陰イオン交換クロマ
トグラフィーにかけて抗ウイルス性因子の部分精製活性
画分を得る; d. 工程(c)の部分精製画分をハイドロキシアパタ
イトのクロマトグラフィーにかけて抗ウイルス性因子の
部分精製画分を得る; e. 工程(d)の部分精製画分を陰イオンHPLCに
かけて抗ウイルス性因子の部分精製画分を得る; f. 工程(e)の部分精製画分を疎水性相互作用クロ
マトグラフィーにかけて抗ウイルス性因子の部分精製画
分を得る;そして g. 工程(f)の部分精製画分を大体中性のpHで逆
相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけて部
分精製抗ウイルス性因子を得る。次にこの工程を繰り返
して均一な抗ウイルス性因子(ヒトWISH細胞に対す
る水泡性口内炎ウイルス(VSV)による細胞変性作用
を阻害する能力により規定される)を得る。
【0040】工程(c)のイオン交換クロマトグラフィ
ーはpH約8でTSK−DEAEカラム上で行い、塩濃
度を上昇させて溶出する。ハイドロキシアパタイトクロ
マトグラフィーは好ましくはバイオゲルHTPカラム
(バイオラッド(BioRad)、米国)でpH6.8で行
い、リン酸緩衝液で溶出する。陰イオン交換HPLCは
好ましくは、スーパーホルマンス(Superformance )T
MAEカラムでTSK−DEAEと同様の方法で行う。
疎水性相互作用クロマトグラフィーは好ましくは、フェ
ニルセファロースカラムで塩濃度を減少させて溶出す
る。逆相HPLCは好ましくはアクアポア(Aquapore)
RP300カラムでpH7.5で、アセトニトリルの濃
度勾配で行う。
ーはpH約8でTSK−DEAEカラム上で行い、塩濃
度を上昇させて溶出する。ハイドロキシアパタイトクロ
マトグラフィーは好ましくはバイオゲルHTPカラム
(バイオラッド(BioRad)、米国)でpH6.8で行
い、リン酸緩衝液で溶出する。陰イオン交換HPLCは
好ましくは、スーパーホルマンス(Superformance )T
MAEカラムでTSK−DEAEと同様の方法で行う。
疎水性相互作用クロマトグラフィーは好ましくは、フェ
ニルセファロースカラムで塩濃度を減少させて溶出す
る。逆相HPLCは好ましくはアクアポア(Aquapore)
RP300カラムでpH7.5で、アセトニトリルの濃
度勾配で行う。
【0041】別の好適な実施態様において、可溶性LD
Lリセプターは上記実施態様の工程a、bおよびcより
なる方法で精製し、次に可溶性LDLリセプターに対す
るモノクローナル抗体のカラムで免疫親和性クロマトグ
ラフィーを行う。
Lリセプターは上記実施態様の工程a、bおよびcより
なる方法で精製し、次に可溶性LDLリセプターに対す
るモノクローナル抗体のカラムで免疫親和性クロマトグ
ラフィーを行う。
【0042】モノクローナル抗体は好ましくはハイブリ
ドーマC7(ATCC、CRL1691)より作成され
るものである。部分精製した可溶性LDLリセプターを
中性のpHでカラムにかけ、カラムを0.5MのNaC
lで中性で洗浄し50mMのNa2 CO3 (pH11)
により精製された状態で溶出され、直ちに中和される。
ドーマC7(ATCC、CRL1691)より作成され
るものである。部分精製した可溶性LDLリセプターを
中性のpHでカラムにかけ、カラムを0.5MのNaC
lで中性で洗浄し50mMのNa2 CO3 (pH11)
により精製された状態で溶出され、直ちに中和される。
【0043】好ましくはすべての精製操作においてクロ
マトグラフィーは蛋白濃度を追跡して行う(280nm
での吸光度、または代表的画分とフルオレスカミンとの
「オンライン」の反応の蛍光)。各画分の抗ウイルス活
性は、本明細書に記載の生物活性測定法に従ってWIS
H細胞中のVSV−誘導CPE(細胞変性作用)の阻害
により求められる。
マトグラフィーは蛋白濃度を追跡して行う(280nm
での吸光度、または代表的画分とフルオレスカミンとの
「オンライン」の反応の蛍光)。各画分の抗ウイルス活
性は、本明細書に記載の生物活性測定法に従ってWIS
H細胞中のVSV−誘導CPE(細胞変性作用)の阻害
により求められる。
【0044】本明細書において「ムテイン」("mutein
s" )という用語は、天然の可溶性LDLリセプターの
1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が異なるアミノ酸残
基により置換されているか、または1つまたはそれ以上
のアミノ酸残基が可溶性LDLリセプターの天然の配列
に添加されていて、得られる生成物の抗ウイルス活性を
大きく変えることのないものを意味する。これらのムテ
インは公知の合成法および/または部位特異的突然変異
誘発、または適当な任意の他の公知の方法により調製さ
れる。
s" )という用語は、天然の可溶性LDLリセプターの
1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が異なるアミノ酸残
基により置換されているか、または1つまたはそれ以上
のアミノ酸残基が可溶性LDLリセプターの天然の配列
に添加されていて、得られる生成物の抗ウイルス活性を
大きく変えることのないものを意味する。これらのムテ
インは公知の合成法および/または部位特異的突然変異
誘発、または適当な任意の他の公知の方法により調製さ
れる。
【0045】「融合蛋白」という用語は、可溶性LDL
リセプターまたはムテインに他の蛋白が融合しており、
体内での滞在時間がより長いポリペプチドを意味する。
すなわち可溶性LDLリセプターは他の蛋白、ポリペプ
チドなど(例えば免疫グロブリンまたはその断片)に融
合される。
リセプターまたはムテインに他の蛋白が融合しており、
体内での滞在時間がより長いポリペプチドを意味する。
すなわち可溶性LDLリセプターは他の蛋白、ポリペプ
チドなど(例えば免疫グロブリンまたはその断片)に融
合される。
【0046】本明細書において「塩」という用語は、可
溶性LDLリセプター、ムテインおよびこれらの融合蛋
白のカルボニル基の塩およびアミノ基の付加塩を意味す
る。カルボキシル基の塩は当該分野で公知の方法で作成
され、例えばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、
第三鉄または亜鉛などの無機塩、および例えばアミン
(トリエチルアミン)、アルギニンまたはリジン、ピペ
リジン、プロカインなどとの有機塩がある。酸付加塩と
しては、例えば塩酸または硫酸のような鉱酸との塩、お
よび例えば酢酸またはシュウ酸のような有機酸との塩が
ある。
溶性LDLリセプター、ムテインおよびこれらの融合蛋
白のカルボニル基の塩およびアミノ基の付加塩を意味す
る。カルボキシル基の塩は当該分野で公知の方法で作成
され、例えばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、
第三鉄または亜鉛などの無機塩、および例えばアミン
(トリエチルアミン)、アルギニンまたはリジン、ピペ
リジン、プロカインなどとの有機塩がある。酸付加塩と
しては、例えば塩酸または硫酸のような鉱酸との塩、お
よび例えば酢酸またはシュウ酸のような有機酸との塩が
ある。
【0047】本明細書において「官能性誘導体」とは、
可溶性LDLリセプターおよびその融合蛋白やムテイン
の誘導体(これらは当該分野で公知の方法により、N−
末端またはC−末端上の残基にある側鎖として存在する
官能基から調製される)を包含し、これらが薬剤として
許容されるものである限り、すなわち蛋白の活性を損な
わずこれらを含む組成物に有害な性質を与えることがな
い限り、これらは本発明に含まれる。これらの誘導体に
は例えばポリエチレングリコール側鎖があり、これは抗
原性部位を隠してしまい、体内での可溶性LDLリセプ
ターの滞在時間を延長する。他の誘導体としては、カル
ボキシル基の脂肪族エステル、アンモニウムまたは第1
級または第2級アミンとの反応によるカルボキシル基の
アミド、アシル部分(例えばアルカノイルまたはカルボ
キシルアロイル基)と形成されるアミノ酸残基の遊離ア
ミノ基のN−アシル誘導体、またはアシル部分と形成さ
れる遊離ヒドロキシ基(例えばセリンまたはスレオニン
残基)のO−アシル誘導体がある。「官能性誘導体」と
いう用語にはまた、決定された配列より長いかまたは短
いアミノ酸配列を有する蛋白(ただしこれらがウイルス
感染を阻害する能力を有する限り)が含まれる。
可溶性LDLリセプターおよびその融合蛋白やムテイン
の誘導体(これらは当該分野で公知の方法により、N−
末端またはC−末端上の残基にある側鎖として存在する
官能基から調製される)を包含し、これらが薬剤として
許容されるものである限り、すなわち蛋白の活性を損な
わずこれらを含む組成物に有害な性質を与えることがな
い限り、これらは本発明に含まれる。これらの誘導体に
は例えばポリエチレングリコール側鎖があり、これは抗
原性部位を隠してしまい、体内での可溶性LDLリセプ
ターの滞在時間を延長する。他の誘導体としては、カル
ボキシル基の脂肪族エステル、アンモニウムまたは第1
級または第2級アミンとの反応によるカルボキシル基の
アミド、アシル部分(例えばアルカノイルまたはカルボ
キシルアロイル基)と形成されるアミノ酸残基の遊離ア
ミノ基のN−アシル誘導体、またはアシル部分と形成さ
れる遊離ヒドロキシ基(例えばセリンまたはスレオニン
残基)のO−アシル誘導体がある。「官能性誘導体」と
いう用語にはまた、決定された配列より長いかまたは短
いアミノ酸配列を有する蛋白(ただしこれらがウイルス
感染を阻害する能力を有する限り)が含まれる。
【0048】可溶性LDLリセプター、その融合蛋白お
よびムテインの「活性画分」として、該蛋白分子自身ま
たは関連分子またはそこに結合した残基(例えば糖また
はリン酸塩残基、または蛋白分子または糖残基の凝集
物)のポリペプチド鎖の任意の断片または前駆体が、ウ
イルス感染を阻害する能力を有する限り、本発明に包含
される。
よびムテインの「活性画分」として、該蛋白分子自身ま
たは関連分子またはそこに結合した残基(例えば糖また
はリン酸塩残基、または蛋白分子または糖残基の凝集
物)のポリペプチド鎖の任意の断片または前駆体が、ウ
イルス感染を阻害する能力を有する限り、本発明に包含
される。
【0049】本発明はまた、可溶性LDLリセプター、
融合蛋白、ムテインまたはこれらの活性画分をコードす
るヌクレオチド配列よりなるDNA分子、該DNA分子
を有する複製可能な発現ビーイクル(vehicle )、これ
で形質転換した宿主およびこのような形質転換宿主によ
り産生された蛋白に関する。「DNA分子」という用語
は、ゲノムDNA、cDNA、合成DNAおよびこれら
の組合せを含む。
融合蛋白、ムテインまたはこれらの活性画分をコードす
るヌクレオチド配列よりなるDNA分子、該DNA分子
を有する複製可能な発現ビーイクル(vehicle )、これ
で形質転換した宿主およびこのような形質転換宿主によ
り産生された蛋白に関する。「DNA分子」という用語
は、ゲノムDNA、cDNA、合成DNAおよびこれら
の組合せを含む。
【0050】組換え可溶性LDLリセプターの産生は別
の方法により行われる。1つの方法では、プラスミッド
pLDLR−2(ヤマモト(Yamamoto)ら、前述)から
可溶性LDLリセプターの公知のcDNAを取る。この
DNAを適当なオリゴヌクレオチドで部位特異的突然変
異誘発をさせ、停止コドンとポリアデニル化コドンを成
熟LDLリセプターのコドン292の後ろに挿入する。
次にこの作成体を当該分野で公知の方法により適当に作
成された発現ベクターに挿入する(マニアチス(Maniat
is)らを参照、前述)。合成DNAリンカーまたは平滑
末端(blunt end )結合法を用いて、ホモポリマーテー
リング法または制限結合法により、2本鎖cDNAをプ
ラスミッドベクターに結合させる。DNAリガーゼを用
いてDNA分子を結合させ、アルカリ性ホスファターゼ
で処理して好ましくない結合を避ける。
の方法により行われる。1つの方法では、プラスミッド
pLDLR−2(ヤマモト(Yamamoto)ら、前述)から
可溶性LDLリセプターの公知のcDNAを取る。この
DNAを適当なオリゴヌクレオチドで部位特異的突然変
異誘発をさせ、停止コドンとポリアデニル化コドンを成
熟LDLリセプターのコドン292の後ろに挿入する。
次にこの作成体を当該分野で公知の方法により適当に作
成された発現ベクターに挿入する(マニアチス(Maniat
is)らを参照、前述)。合成DNAリンカーまたは平滑
末端(blunt end )結合法を用いて、ホモポリマーテー
リング法または制限結合法により、2本鎖cDNAをプ
ラスミッドベクターに結合させる。DNAリガーゼを用
いてDNA分子を結合させ、アルカリ性ホスファターゼ
で処理して好ましくない結合を避ける。
【0051】LDLリセプターのリガンド結合ドメイン
と、例えばIgG2 重鎖の定常領域よりなる融合蛋白の
産生は、以下のようにして行う:pLDLRのDNAを
部位特異的突然変異誘発により、成熟LDLリセプター
のコドン292のすぐ後ろにユニークな(唯一の)制限
部位を導入する。IgG2 重鎖の定常領域を有するプラ
スミッド(例えばpRKCO42 Fc2 (ビルン(Byrn
R.A. )ら、1990, Nature(ロンドン)344, 667-670)
を部位特異的突然変異誘発により、IgG2 重鎖のAs
p216のできるだけ近くに、融合蛋白の段階で翻訳が
可能であるように、同じユニークな制限部位を導入す
る。5’の非翻訳配列を含みリーダーとLDLリセプタ
ーの大体最初の295アミノ酸よりなるdsDNAを、
突然変異したpLDLリセプターのEcoRIとユニー
クな制限部位での消化により調製する。突然変異pRK
CO42 Fc2 は同様に消化されて、プラスミッドとI
gG1 を有する大きな断片を産生する。次にこの2つの
断片を結合して、LDLリセプターのN−末端の約29
5個のアミノ酸とIgG2 重鎖(ヒンジ領域とCH2お
よびCH3ドメイン)のC−末端の約227個のアミノ
酸よりなるポリペプチドをコードする新しいプラスミッ
ドを作成する。EcoRIによる消化によりプラスミッ
ドから、融合蛋白をコードするDNAを単離し、次に有
効な発現ベクターに挿入する。
と、例えばIgG2 重鎖の定常領域よりなる融合蛋白の
産生は、以下のようにして行う:pLDLRのDNAを
部位特異的突然変異誘発により、成熟LDLリセプター
のコドン292のすぐ後ろにユニークな(唯一の)制限
部位を導入する。IgG2 重鎖の定常領域を有するプラ
スミッド(例えばpRKCO42 Fc2 (ビルン(Byrn
R.A. )ら、1990, Nature(ロンドン)344, 667-670)
を部位特異的突然変異誘発により、IgG2 重鎖のAs
p216のできるだけ近くに、融合蛋白の段階で翻訳が
可能であるように、同じユニークな制限部位を導入す
る。5’の非翻訳配列を含みリーダーとLDLリセプタ
ーの大体最初の295アミノ酸よりなるdsDNAを、
突然変異したpLDLリセプターのEcoRIとユニー
クな制限部位での消化により調製する。突然変異pRK
CO42 Fc2 は同様に消化されて、プラスミッドとI
gG1 を有する大きな断片を産生する。次にこの2つの
断片を結合して、LDLリセプターのN−末端の約29
5個のアミノ酸とIgG2 重鎖(ヒンジ領域とCH2お
よびCH3ドメイン)のC−末端の約227個のアミノ
酸よりなるポリペプチドをコードする新しいプラスミッ
ドを作成する。EcoRIによる消化によりプラスミッ
ドから、融合蛋白をコードするDNAを単離し、次に有
効な発現ベクターに挿入する。
【0052】可溶性LDLリセプター、そのムテインま
たは融合蛋白を発現することを可能にするために、発現
ベクターは遺伝子発現と蛋白産生を可能にするように目
的の蛋白をコードするDNAに結合した転写および翻訳
制御情報を有する特異的ヌクレオチド配列を含むべきで
ある。まず遺伝子が転写されるために、遺伝子の前にR
NAポリメラーゼに認識されるプロモーターがなければ
ならない(ここにポリメラーゼが結合し転写過程が開始
される)。このようなプロモーターは種々使用されてお
り、これらは異なる効率で作用する(強いプロモーター
および弱いプロモーター)。これらは原核細胞および有
核細胞で異なる。
たは融合蛋白を発現することを可能にするために、発現
ベクターは遺伝子発現と蛋白産生を可能にするように目
的の蛋白をコードするDNAに結合した転写および翻訳
制御情報を有する特異的ヌクレオチド配列を含むべきで
ある。まず遺伝子が転写されるために、遺伝子の前にR
NAポリメラーゼに認識されるプロモーターがなければ
ならない(ここにポリメラーゼが結合し転写過程が開始
される)。このようなプロモーターは種々使用されてお
り、これらは異なる効率で作用する(強いプロモーター
および弱いプロモーター)。これらは原核細胞および有
核細胞で異なる。
【0053】本発明で使用されるプロモーターは構成性
(例えばバクテリオファージラムダのintプロモータ
ー、pBR322のβ−ラクタマーゼ遺伝子のbla遺
伝子、およびpPR325のクロラムフェニコールアセ
チルトランスフェラーゼ遺伝子のCATプロモーターな
ど)、または誘導性(例えばバクテリオファージラムダ
の主要な右プロモーターおよび左プロモーター(PL と
PR )を含む原核プロモーター、大腸菌のtrp、re
cA、lac2、ompFおよびgalプロモーター、
またはtrp−lacハイブリッドプロモーターなど)
でもよい(グリック(Glick, B.R. )、1987、J. Ind.
Microbiol. 1:277-282)。
(例えばバクテリオファージラムダのintプロモータ
ー、pBR322のβ−ラクタマーゼ遺伝子のbla遺
伝子、およびpPR325のクロラムフェニコールアセ
チルトランスフェラーゼ遺伝子のCATプロモーターな
ど)、または誘導性(例えばバクテリオファージラムダ
の主要な右プロモーターおよび左プロモーター(PL と
PR )を含む原核プロモーター、大腸菌のtrp、re
cA、lac2、ompFおよびgalプロモーター、
またはtrp−lacハイブリッドプロモーターなど)
でもよい(グリック(Glick, B.R. )、1987、J. Ind.
Microbiol. 1:277-282)。
【0054】原核細胞で高レベルの遺伝子発現を達成す
るためには、強いプロモーターを使用して多量のmRN
Aを産生させる以外に、リボゾーム結合部位を用いてm
RNAが有効に翻訳されていることを確保することが必
要である。1つの例は、開始コドンから適当に位置して
おり、16SRNAの3’末端配列に相補的なシャイン
ダルガルノ配列(SD配列)である。
るためには、強いプロモーターを使用して多量のmRN
Aを産生させる以外に、リボゾーム結合部位を用いてm
RNAが有効に翻訳されていることを確保することが必
要である。1つの例は、開始コドンから適当に位置して
おり、16SRNAの3’末端配列に相補的なシャイン
ダルガルノ配列(SD配列)である。
【0055】原核宿主には、宿主の性質により異なる転
写および翻訳制御配列が使用される。これらはウイルス
(例えばアデノウイルス、ウシパピローマウイルス、サ
ルウイルスなど)由来であり、ここでは高レベルの発現
をする特定の遺伝子に関連した制御シグナルがある。例
としてはヘルペスウイルスのTKプロモーター、SV4
0初期プロモーター、酵母gal4遺伝子プロモーター
などがある。抑制と活性化を可能にする転写開始制御シ
グナルが選択され、こうして遺伝子の発現が制御され
る。
写および翻訳制御配列が使用される。これらはウイルス
(例えばアデノウイルス、ウシパピローマウイルス、サ
ルウイルスなど)由来であり、ここでは高レベルの発現
をする特定の遺伝子に関連した制御シグナルがある。例
としてはヘルペスウイルスのTKプロモーター、SV4
0初期プロモーター、酵母gal4遺伝子プロモーター
などがある。抑制と活性化を可能にする転写開始制御シ
グナルが選択され、こうして遺伝子の発現が制御され
る。
【0056】本発明の可溶性LDLリセプターまたはそ
の断片またはムテインまたはこれらの融合蛋白をコード
するヌクレオチド配列、および機能的に結合した転写お
よび翻訳制御シグナルよりなるDNA分子は、目的の遺
伝子配列を宿主細胞染色体へ取り込むことができるベク
ターに挿入される。導入されたDNAを染色体中へ安定
的に取り込む細胞を選択することができるように、発現
ベクターを含む宿主細胞の選択を可能にする1つまたは
それ以上のマーカーを使用する。このマーカーは栄養素
要求性宿主(autotrophic host)に原栄養性(prototro
phy )、殺生物剤(biocide )耐性(例えば抗生物質、
銅などの重金属に対する耐性など)を与えることもでき
る。選択マーカーは発現されるDNA遺伝子配列に直接
結合しているかまたはコトランスフェクション(cotran
sfection)により細胞内へ導入される。1本鎖結合性蛋
白mRNAの最適な合成のためには追加の要素も必要で
あり、これらの要素にはスプライスシグナル、および転
写プロモーター、エンハンサー、そして停止シグナルが
ある。このような要素を導入しているcDNA発現ベク
ターには、オカヤマ(Okayama, H. ), 1983, Mol. Ce
l. Biol. 3:280 に記載されたものがある。
の断片またはムテインまたはこれらの融合蛋白をコード
するヌクレオチド配列、および機能的に結合した転写お
よび翻訳制御シグナルよりなるDNA分子は、目的の遺
伝子配列を宿主細胞染色体へ取り込むことができるベク
ターに挿入される。導入されたDNAを染色体中へ安定
的に取り込む細胞を選択することができるように、発現
ベクターを含む宿主細胞の選択を可能にする1つまたは
それ以上のマーカーを使用する。このマーカーは栄養素
要求性宿主(autotrophic host)に原栄養性(prototro
phy )、殺生物剤(biocide )耐性(例えば抗生物質、
銅などの重金属に対する耐性など)を与えることもでき
る。選択マーカーは発現されるDNA遺伝子配列に直接
結合しているかまたはコトランスフェクション(cotran
sfection)により細胞内へ導入される。1本鎖結合性蛋
白mRNAの最適な合成のためには追加の要素も必要で
あり、これらの要素にはスプライスシグナル、および転
写プロモーター、エンハンサー、そして停止シグナルが
ある。このような要素を導入しているcDNA発現ベク
ターには、オカヤマ(Okayama, H. ), 1983, Mol. Ce
l. Biol. 3:280 に記載されたものがある。
【0057】好適な実施態様において、導入されたDN
A分子は受容性宿主中で自律増殖が可能なプラスミッド
またはウイルスベクターに取り込まれる。特定のプラス
ミッドまたはウイルスベクターの選択に重要な因子は:
ベクターを含む受容性細胞が容易に認識され、ベクター
を含まない受容性細胞から容易に選択されること;特定
の宿主におけるベクターのコピー数が好ましいこと;そ
してベクターが異なる宿主細胞間を「往復」("shuttl
e)できることが好ましい。
A分子は受容性宿主中で自律増殖が可能なプラスミッド
またはウイルスベクターに取り込まれる。特定のプラス
ミッドまたはウイルスベクターの選択に重要な因子は:
ベクターを含む受容性細胞が容易に認識され、ベクター
を含まない受容性細胞から容易に選択されること;特定
の宿主におけるベクターのコピー数が好ましいこと;そ
してベクターが異なる宿主細胞間を「往復」("shuttl
e)できることが好ましい。
【0058】好適な原核性ベクターには、大腸菌中で複
製が可能なもの(例えばpBR322、ColE1、p
SC101、pACYC184など)(マニアチス(Ma
niatis)ら、前述);バシルス(Bacillus)のプラスミ
ッド(例えばpC194、pC221、pT127な
ど)(グリクザン(Gryczan, T. )、「バシルスの分子
生物学」("The Molecular Biology of the Bacill
i")、アカデミックプレス、ニューヨーク(1982)、307-
322 );pIJ101などのストレプトミセス(Strept
omyces)のプラスミッド(ケンダル(Kendall, K.J. )
ら、(1987) J. Bacteriol. 169:4177-4183):φC31
のようなストレプトミセス(Streptomyces)のバクテリ
オファージ(チャター(Chater, KF. )ら、「アクチノ
ミセターレス生物学に関する第6回国際シンポジウム」
("Sixth International Symposium onActinomycetales
Biology")、アカデミアイカイド(Akademiai Kaido
)、ブダペスト(Budapest)、ハンガリー、(1986) 4
3-54 )、およびシュードモナス(Pseudomonas )のプ
ラスミッド(ジョン(John, J.F.)ら、(1986) Rev. In
fect. Dis. 8:693-704、およびツザキ(Tzaki, K.)(19
78) Jpn. J. Bacteriol. 33:729-742)がある。
製が可能なもの(例えばpBR322、ColE1、p
SC101、pACYC184など)(マニアチス(Ma
niatis)ら、前述);バシルス(Bacillus)のプラスミ
ッド(例えばpC194、pC221、pT127な
ど)(グリクザン(Gryczan, T. )、「バシルスの分子
生物学」("The Molecular Biology of the Bacill
i")、アカデミックプレス、ニューヨーク(1982)、307-
322 );pIJ101などのストレプトミセス(Strept
omyces)のプラスミッド(ケンダル(Kendall, K.J. )
ら、(1987) J. Bacteriol. 169:4177-4183):φC31
のようなストレプトミセス(Streptomyces)のバクテリ
オファージ(チャター(Chater, KF. )ら、「アクチノ
ミセターレス生物学に関する第6回国際シンポジウム」
("Sixth International Symposium onActinomycetales
Biology")、アカデミアイカイド(Akademiai Kaido
)、ブダペスト(Budapest)、ハンガリー、(1986) 4
3-54 )、およびシュードモナス(Pseudomonas )のプ
ラスミッド(ジョン(John, J.F.)ら、(1986) Rev. In
fect. Dis. 8:693-704、およびツザキ(Tzaki, K.)(19
78) Jpn. J. Bacteriol. 33:729-742)がある。
【0059】好適な真核プラスミッドには、BPV、バ
クシニア(vaccinia)、SV40、2−ミクロンサーク
ル(2-micron circle )など、またはこれらの誘導体が
ある。このようなプラスミッドは当該分野で公知である
(ボツスタイン(Botstein,D.)ら、(1982) Miami Wint
Symp. 19:265-274;ブローチ(Broach, JR. )、「酵
母サッカロミセスの分子生物学:ライフサイクルと遺
伝」("The Molecular Biology of the Yeast Saccharo
myces:Life Cycle and Inheritance)、コールドスプリ
ングハーバーラボラトリー(Cold Spring Harbor Labor
aory)、コールドスプリングハーバー(Cold Spring Ha
rbor)、ニューヨーク、445-470 (1981);ブローチ(Br
oach, JR. )、(1982) Cell 28:203-204;ボロン(Boll
on, D.P.)ら、(1980) J. Clin. Hematol. Oncol. 10:
39-48;マニアチス(Maniatis T.)、「細胞生物学:総
合論文、第3巻:遺伝子発現」("Cell Biology: A Com
prehensive Treatise, Vol. 3: Gene Expression" )、
アカデミックプレス(Adademic Press)、ニューヨー
ク、563-608(1980) )。
クシニア(vaccinia)、SV40、2−ミクロンサーク
ル(2-micron circle )など、またはこれらの誘導体が
ある。このようなプラスミッドは当該分野で公知である
(ボツスタイン(Botstein,D.)ら、(1982) Miami Wint
Symp. 19:265-274;ブローチ(Broach, JR. )、「酵
母サッカロミセスの分子生物学:ライフサイクルと遺
伝」("The Molecular Biology of the Yeast Saccharo
myces:Life Cycle and Inheritance)、コールドスプリ
ングハーバーラボラトリー(Cold Spring Harbor Labor
aory)、コールドスプリングハーバー(Cold Spring Ha
rbor)、ニューヨーク、445-470 (1981);ブローチ(Br
oach, JR. )、(1982) Cell 28:203-204;ボロン(Boll
on, D.P.)ら、(1980) J. Clin. Hematol. Oncol. 10:
39-48;マニアチス(Maniatis T.)、「細胞生物学:総
合論文、第3巻:遺伝子発現」("Cell Biology: A Com
prehensive Treatise, Vol. 3: Gene Expression" )、
アカデミックプレス(Adademic Press)、ニューヨー
ク、563-608(1980) )。
【0060】作成体を含むベクターまたはDNA配列が
発現のためにいったん調製されると、保存ベクターは任
意の種々の適当な手段により適当な宿主細胞に導入され
る(例えば形質転換、トランスフェクション、リポフェ
クション、接合、プロトプラスト融合、エレクトロポレ
ーション(electroporation )、リン酸カルシウム沈澱
法、直接微量注入(microinjectiion )など)。
発現のためにいったん調製されると、保存ベクターは任
意の種々の適当な手段により適当な宿主細胞に導入され
る(例えば形質転換、トランスフェクション、リポフェ
クション、接合、プロトプラスト融合、エレクトロポレ
ーション(electroporation )、リン酸カルシウム沈澱
法、直接微量注入(microinjectiion )など)。
【0061】本発明で使用される宿主細胞は原核性でも
真核性でもよい。好適な原核宿主細胞は大腸菌(E.col
i)、バシルス(Bacillus)、ストレプトミセス(Strep
tomyces)、サルモネラ(Salmonella)、セラチア(Ser
ratia)などの細菌である。最も好適な原核宿主は大腸
菌である。特に関係がある細菌宿主は大腸菌K12株2
94(ATCC 31446)、大腸菌X1776(A
TCC 31537)、大腸菌W3110(F- 、ラム
ダ- 、原栄養性(ATCC 27325))、および他
の腸内細菌(サルモネラティフィムリウム(Salmonella
typhimurium)またはセラチアナルセサンス(Serratia
narcescens )、および種々のシュードモナス(Pseudo
monas )種である。このような条件下ではこの蛋白はグ
リコシル化されない。原核宿主はレプリコンや発現プラ
スミッド中の調節配列と融和性でなければならない。
真核性でもよい。好適な原核宿主細胞は大腸菌(E.col
i)、バシルス(Bacillus)、ストレプトミセス(Strep
tomyces)、サルモネラ(Salmonella)、セラチア(Ser
ratia)などの細菌である。最も好適な原核宿主は大腸
菌である。特に関係がある細菌宿主は大腸菌K12株2
94(ATCC 31446)、大腸菌X1776(A
TCC 31537)、大腸菌W3110(F- 、ラム
ダ- 、原栄養性(ATCC 27325))、および他
の腸内細菌(サルモネラティフィムリウム(Salmonella
typhimurium)またはセラチアナルセサンス(Serratia
narcescens )、および種々のシュードモナス(Pseudo
monas )種である。このような条件下ではこの蛋白はグ
リコシル化されない。原核宿主はレプリコンや発現プラ
スミッド中の調節配列と融和性でなければならない。
【0062】しかし可溶性LDLリセプターはシステイ
ンに富む蛋白であるため、原核宿主より真核宿主が好ま
しい。哺乳動物細胞は翻訳後に蛋白に対して正しい折り
畳み(folding )、正しいジスルフィド結合形成および
正しい部位でのグリコシル化などの修飾を可能にするた
め、好適な真核宿主は哺乳動物細胞(例えばヒト、サ
ル、マウスおよびチャイニーズハムスターオバリー(C
HO)細胞)である。また酵母細胞や昆虫細胞は翻訳後
のペプチド修飾(高マンノースグリコシル化を含む)が
可能である。酵母や昆虫細胞での目的の蛋白の産生に使
用される強いプロモーター配列や高コピー数のプラスミ
ッドを用いる、多くの組換えDNA戦略が存在する。酵
母細胞はクローン化哺乳動物遺伝子上のリーダー配列を
認識し、リーダー配列を有するペプチドを分泌する。
ンに富む蛋白であるため、原核宿主より真核宿主が好ま
しい。哺乳動物細胞は翻訳後に蛋白に対して正しい折り
畳み(folding )、正しいジスルフィド結合形成および
正しい部位でのグリコシル化などの修飾を可能にするた
め、好適な真核宿主は哺乳動物細胞(例えばヒト、サ
ル、マウスおよびチャイニーズハムスターオバリー(C
HO)細胞)である。また酵母細胞や昆虫細胞は翻訳後
のペプチド修飾(高マンノースグリコシル化を含む)が
可能である。酵母や昆虫細胞での目的の蛋白の産生に使
用される強いプロモーター配列や高コピー数のプラスミ
ッドを用いる、多くの組換えDNA戦略が存在する。酵
母細胞はクローン化哺乳動物遺伝子上のリーダー配列を
認識し、リーダー配列を有するペプチドを分泌する。
【0063】ベクターの導入の後には、宿主細胞はベク
ター含有細胞の増殖を選択する選択培地中で増殖され
る。クローン化遺伝子配列が発現されると、可溶性LD
Lリセプター、融合蛋白、またはムテインまたはこれら
の断片が産生される。次に発現された蛋白は単離され、
抽出、沈澱、クロマトグラフィー、電気泳動など、また
はカラム中のゲルマトリックスに固定化された抗可溶性
LDLリセプターモノクローナル抗体(例えばハイブリ
ドーマC7,ゲルシーゲル(Belsiege U. )ら、J. Bio
l. Chem., 256, 11923-11931, 1981)を用いる親和性ク
ロマトグラフィーなどの通常の方法などの任意の従来法
により精製される。上記組換え可溶性LDLリセプター
を含む粗調製物をカラムに通すと、可溶性LDLリセプ
ターは特異的抗体によりカラムに結合し、不純物はカラ
ムを通過する。洗浄後高pH(例えばpH11)でゲル
から蛋白を溶出する。
ター含有細胞の増殖を選択する選択培地中で増殖され
る。クローン化遺伝子配列が発現されると、可溶性LD
Lリセプター、融合蛋白、またはムテインまたはこれら
の断片が産生される。次に発現された蛋白は単離され、
抽出、沈澱、クロマトグラフィー、電気泳動など、また
はカラム中のゲルマトリックスに固定化された抗可溶性
LDLリセプターモノクローナル抗体(例えばハイブリ
ドーマC7,ゲルシーゲル(Belsiege U. )ら、J. Bio
l. Chem., 256, 11923-11931, 1981)を用いる親和性ク
ロマトグラフィーなどの通常の方法などの任意の従来法
により精製される。上記組換え可溶性LDLリセプター
を含む粗調製物をカラムに通すと、可溶性LDLリセプ
ターは特異的抗体によりカラムに結合し、不純物はカラ
ムを通過する。洗浄後高pH(例えばpH11)でゲル
から蛋白を溶出する。
【0064】可溶性LDLリセプター、そのムテイン、
融合蛋白およびこれらの塩、官能性誘導体、およびこれ
らの活性画分は、哺乳動物においてウイルス疾患の治療
に有効である。
融合蛋白およびこれらの塩、官能性誘導体、およびこれ
らの活性画分は、哺乳動物においてウイルス疾患の治療
に有効である。
【0065】本発明は、単独の活性成分としてまたは他
の抗ウイルス剤(例えばインターフェロン)とともに、
薬剤として許容される担体、本発明の可溶性LDLリセ
プター、その活性ムテイン、融合蛋白およびこれらの
塩、官能性誘導体、およびこれらの活性画分よりなる薬
剤組成物に関する。これらの組成物はウイルス疾患に対
して使用される。投与法は同様の薬剤に対して使用され
る任意の方法でよく、治療すべき症状に依存する(例え
ば全身性のウイルス血症の場合は静脈内または筋肉内ま
たは皮下、また局所感染の場合は局所注射または局所投
与、または連続的な注入など)。
の抗ウイルス剤(例えばインターフェロン)とともに、
薬剤として許容される担体、本発明の可溶性LDLリセ
プター、その活性ムテイン、融合蛋白およびこれらの
塩、官能性誘導体、およびこれらの活性画分よりなる薬
剤組成物に関する。これらの組成物はウイルス疾患に対
して使用される。投与法は同様の薬剤に対して使用され
る任意の方法でよく、治療すべき症状に依存する(例え
ば全身性のウイルス血症の場合は静脈内または筋肉内ま
たは皮下、また局所感染の場合は局所注射または局所投
与、または連続的な注入など)。
【0066】本発明の薬剤は、可溶性LDLリセプタ
ー、その誘導体を単独または他の抗ウイルス剤と組合せ
て、薬剤として許容される担体、安定剤および賦形剤を
混合し、投与型(例えば投与バイアル中で凍結乾燥)
で、投与用に調製される。投与すべき活性化合物の量
は、投与経路、治療すべき疾患および患者の状態に依存
する。例えば局所投与は、体重に対して全身性のウイル
ス血症の場合の静脈内注入より少量の蛋白でよい。
ー、その誘導体を単独または他の抗ウイルス剤と組合せ
て、薬剤として許容される担体、安定剤および賦形剤を
混合し、投与型(例えば投与バイアル中で凍結乾燥)
で、投与用に調製される。投与すべき活性化合物の量
は、投与経路、治療すべき疾患および患者の状態に依存
する。例えば局所投与は、体重に対して全身性のウイル
ス血症の場合の静脈内注入より少量の蛋白でよい。
【0067】以下の非限定例により本発明を例示する。
【0068】例 例1:可溶性LDLリセプターの抗ウイルス活性の予備
的同定 IFNで誘導した細胞の上清中の未知の抗ウイルス因子
の存在は種々の実験で証明された。
的同定 IFNで誘導した細胞の上清中の未知の抗ウイルス因子
の存在は種々の実験で証明された。
【0069】抗ウイルス作用は、ヒトWISH細胞と抗
原投与としてのVSVを用いるウイルス細胞変性作用
(CPE)測定法(ルービンスアイン(Rubinstein, S
)ら、(1981) J. Virol. 37:755-758 )により測定し
た。最初の試験はINF−α、INF−βおよびINF
−ガンマを用いて行い、3つのすべてのIFNに対して
同様の結果が得られた。
原投与としてのVSVを用いるウイルス細胞変性作用
(CPE)測定法(ルービンスアイン(Rubinstein, S
)ら、(1981) J. Virol. 37:755-758 )により測定し
た。最初の試験はINF−α、INF−βおよびINF
−ガンマを用いて行い、3つのすべてのIFNに対して
同様の結果が得られた。
【0070】図1に示した実験(表1に要約されてい
る)では、ヒト羊膜WISH細胞(ATC CCCL−
25)を96穴マイクロタイタープレートに接種した。
数時間後10%胎児牛血清を補足したMEM(最小基本
培地)中のINF−α、INF−βおよびINF−ガン
マの50U/mlから始まる連続2倍希釈系列を、(上
から)それぞれ1−3、4−6および7−9列の細胞の
モノレーヤーに添加し、細胞を37℃で一晩インキュベ
ートした。列1、5および9の培地は取らなかった。列
2、6および10の培地を吸引し、細胞モノレーヤーを
1回洗浄し、新鮮な培地を加えた。列3、7および11
では培地を各IFNの新鮮な希釈物で置換し、それぞれ
列4、8および12ではINF−α、INF−β(NI
H標準物質)に対する中和性抗体およびINF−ガンマ
に対する中和性抗体(モノクローナル抗体166.5、
ノビック(Novick)ら、(1983) EMBO 3(2), 1527)を加
えた。増殖培地中のVSVをすべてウェル(穴)に添加
した。感染した培養物をさらに一晩インキュベートし、
次にウイルス細胞変性作用の程度を目視により評価でき
るようにクリスタルバイオレットで染色した。
る)では、ヒト羊膜WISH細胞(ATC CCCL−
25)を96穴マイクロタイタープレートに接種した。
数時間後10%胎児牛血清を補足したMEM(最小基本
培地)中のINF−α、INF−βおよびINF−ガン
マの50U/mlから始まる連続2倍希釈系列を、(上
から)それぞれ1−3、4−6および7−9列の細胞の
モノレーヤーに添加し、細胞を37℃で一晩インキュベ
ートした。列1、5および9の培地は取らなかった。列
2、6および10の培地を吸引し、細胞モノレーヤーを
1回洗浄し、新鮮な培地を加えた。列3、7および11
では培地を各IFNの新鮮な希釈物で置換し、それぞれ
列4、8および12ではINF−α、INF−β(NI
H標準物質)に対する中和性抗体およびINF−ガンマ
に対する中和性抗体(モノクローナル抗体166.5、
ノビック(Novick)ら、(1983) EMBO 3(2), 1527)を加
えた。増殖培地中のVSVをすべてウェル(穴)に添加
した。感染した培養物をさらに一晩インキュベートし、
次にウイルス細胞変性作用の程度を目視により評価でき
るようにクリスタルバイオレットで染色した。
【表1】 表1:IFN作用における抗ウイルス因子の役割 図1 処理(1) 50%CPE 単位/ml(2) 活性% の列 の希釈倍率 ──────────────────────────────────── 1 INF−α 24 時間、標準測定法 400 1000 100 2 INF−α 24 時間 洗浄 100 250 25 3 INF−α 24 時間、IFNを置換 200 250 25 4 INF−α 24 時間、中和 300 375 37 5 INF−β 24 時間、標準測定法 400 1000 100 6 INF−β 24 時間、洗浄 200 500 50 7 INF−β 24 時間、IFNを置換 400 1000 100 8 INF−β 24 時間、中和 400 1000 100 9 INF−γ 24 時間、標準測定法 800 1000 100 10 INF−γ 24 時間、洗浄 200 250 25 11 INF−γ 24 時間、IFNを置換 400 500 50 12 INF−γ 24 時間、中和 800 1000 100 ──────────────────────────────────── (1) 標準測定法では、96穴マイクロタイタープレート
中のWISH細胞のモノレーヤーに、(列1、5および
9)IFNを連続2倍希釈系列で加えた(図1の右から
左)。24時間後にVSVを加え、18時間後細胞を固
定し染色した。他の場合は、VSVの抗原投与の直前
に、洗浄(列2、6および10)、新鮮な培地中のIF
Nで置換(列3、7および11)または抗IFN中和性
抗体の添加(列4、8および12)を行った。 (2) IFN標準物質(列1、5および9)の力価を10
00U/mlとした。
中のWISH細胞のモノレーヤーに、(列1、5および
9)IFNを連続2倍希釈系列で加えた(図1の右から
左)。24時間後にVSVを加え、18時間後細胞を固
定し染色した。他の場合は、VSVの抗原投与の直前
に、洗浄(列2、6および10)、新鮮な培地中のIF
Nで置換(列3、7および11)または抗IFN中和性
抗体の添加(列4、8および12)を行った。 (2) IFN標準物質(列1、5および9)の力価を10
00U/mlとした。
【0071】まず50%CPEを与えたNIH標準物質
IFN(列1、5および9)の希釈率を求めた。図1の
列2、6および10に示すように、24時間後とVSV
抗原投与の直前に洗浄すると、3つのすべてのIFNの
力価が有意に低下した。IFNの新鮮な希釈物で培地を
置換するとINF−α(列3)とINF−ガンマ(列
1)による防御のレベルが低下したが、INF−β(列
7)では低下しなかった。IFNに24時間接触させた
後に増殖培地に中和性抗IFN抗体を添加すると、IN
F−α(列4)の活性にはほんのわずかの影響した与え
ず、INF−βとINF−ガンマ(それぞれ列8と1
2)の活性には全く影響を与えなかった。
IFN(列1、5および9)の希釈率を求めた。図1の
列2、6および10に示すように、24時間後とVSV
抗原投与の直前に洗浄すると、3つのすべてのIFNの
力価が有意に低下した。IFNの新鮮な希釈物で培地を
置換するとINF−α(列3)とINF−ガンマ(列
1)による防御のレベルが低下したが、INF−β(列
7)では低下しなかった。IFNに24時間接触させた
後に増殖培地に中和性抗IFN抗体を添加すると、IN
F−α(列4)の活性にはほんのわずかの影響した与え
ず、INF−βとINF−ガンマ(それぞれ列8と1
2)の活性には全く影響を与えなかった。
【0072】IFNは特異的細胞表面リセプターとの相
互作用の後に細胞内に抗ウイルス状態を誘導するため、
抗ウイルス状態が確立したらこれらを除去しても細胞は
ウイルスに対して防御され続ける。従って抗ウイルス状
態の確立の後にIFNを除去しても見かけのIFNの力
価は変化しないと考えられる。しかし上記の実験ではウ
イルスを抗原投与(列2、6および10)する前に培地
を置換すると、特定のIFN試料の見かけの抗ウイルス
力価は、有意に低かった。培地を新鮮なIFNで置換し
た場合も、INF−α(列3)とINF−ガンマ(列1
1)では防御のレベルは、置換しない場合よりも低かっ
た。従って培地はウイルス感染から細胞を防御する非イ
ンターフェロン成分を有していた。
互作用の後に細胞内に抗ウイルス状態を誘導するため、
抗ウイルス状態が確立したらこれらを除去しても細胞は
ウイルスに対して防御され続ける。従って抗ウイルス状
態の確立の後にIFNを除去しても見かけのIFNの力
価は変化しないと考えられる。しかし上記の実験ではウ
イルスを抗原投与(列2、6および10)する前に培地
を置換すると、特定のIFN試料の見かけの抗ウイルス
力価は、有意に低かった。培地を新鮮なIFNで置換し
た場合も、INF−α(列3)とINF−ガンマ(列1
1)では防御のレベルは、置換しない場合よりも低かっ
た。従って培地はウイルス感染から細胞を防御する非イ
ンターフェロン成分を有していた。
【0073】IFNの添加後に細胞をインキュベート
し、増殖培地を置換することなくウイルス抗原投与の前
に抗IFN中和抗体を添加すると、INF−αの抗ウイ
ルス活性のみわずかに低下した(列4)がINF−βま
たはINF−ガンマ(それぞれ列8と12)の活性は低
下しなかった。これらの結果は、IFN含有培地を除去
した時観察された活性の低下はIFN分子の除去による
のではなく、むしろ充分な抗ウイルス防御能を与えるの
に必要な他の分子の除去によることを示唆している。
し、増殖培地を置換することなくウイルス抗原投与の前
に抗IFN中和抗体を添加すると、INF−αの抗ウイ
ルス活性のみわずかに低下した(列4)がINF−βま
たはINF−ガンマ(それぞれ列8と12)の活性は低
下しなかった。これらの結果は、IFN含有培地を除去
した時観察された活性の低下はIFN分子の除去による
のではなく、むしろ充分な抗ウイルス防御能を与えるの
に必要な他の分子の除去によることを示唆している。
【0074】IFNのCPE低下測定法においてインビ
トロで、培地中の抗ウイルス活性の増強が証明された。
IFN抗ウイルス活性においてインビボでも活性細胞外
成分がある役割を果たしている可能性がある。分泌され
た成分が連続的に除去されている全身性の疾患でIFN
を使用するとき、このような因子の投与はIFNの作用
を大いに増強するかも知れない。
トロで、培地中の抗ウイルス活性の増強が証明された。
IFN抗ウイルス活性においてインビボでも活性細胞外
成分がある役割を果たしている可能性がある。分泌され
た成分が連続的に除去されている全身性の疾患でIFN
を使用するとき、このような因子の投与はIFNの作用
を大いに増強するかも知れない。
【0075】例2:抗ウイルス蛋白の産生と精製
【0076】2.1 粗抗ウイルス蛋白の産生 スピナーフラスコ中のフィブラセルディスク(Fibracel
l discs )(ステリリン(Sterilin)、英国)上で、1
0%胎児牛血清(FCS)を補足したMEMよりなる培
地中で、コンフルーエントになるまでヒト羊膜細胞WI
SH(ATCCCCL−25)を増殖させた。コンフル
ーエントのところで培地を捨て、ディスクを無血清ME
Mで数回洗浄した。次に細胞を、蛋白を含まない血清代
替物ADC−1(1:50、バイオロジカルインダスト
リーズ(Biological Industries)、ベイトヘメック(B
eit Haemek )、イスラエル)、ヘペス20mM、イン
スリン0.2μg/mlおよびINF−ガンマ(30U
/ml)を補足したMEM(1.3リットル)中でイン
キュベートした。37℃で17時間インキュベートを続
けた。次に培地を集め、遠心分離し(5000×g、1
5分)、上清を集め、使用するまで短時間(24時間ま
で)4℃で無菌条件下で保存したか、または−20℃に
保存した。蛋白を含まない培地とINF−ガンマをさら
に加えることにより、培養細胞を産生のために連続的に
使用することができた。
l discs )(ステリリン(Sterilin)、英国)上で、1
0%胎児牛血清(FCS)を補足したMEMよりなる培
地中で、コンフルーエントになるまでヒト羊膜細胞WI
SH(ATCCCCL−25)を増殖させた。コンフル
ーエントのところで培地を捨て、ディスクを無血清ME
Mで数回洗浄した。次に細胞を、蛋白を含まない血清代
替物ADC−1(1:50、バイオロジカルインダスト
リーズ(Biological Industries)、ベイトヘメック(B
eit Haemek )、イスラエル)、ヘペス20mM、イン
スリン0.2μg/mlおよびINF−ガンマ(30U
/ml)を補足したMEM(1.3リットル)中でイン
キュベートした。37℃で17時間インキュベートを続
けた。次に培地を集め、遠心分離し(5000×g、1
5分)、上清を集め、使用するまで短時間(24時間ま
で)4℃で無菌条件下で保存したか、または−20℃に
保存した。蛋白を含まない培地とINF−ガンマをさら
に加えることにより、培養細胞を産生のために連続的に
使用することができた。
【0077】2.2 粗抗ウイルス因子の濃縮 抗ウイルス性因子はポリエチレングリコール20,00
0に対して透析するか、または限外濾過により濃縮する
ことができる。上記工程2.1の粗細胞上清(1.5リ
ットル)を分子量カットオフが10,000のポリスル
ホン膜(PTGCミニタンプレート)を用いてミニタン
(Minitan )装置(ミリポア(Millipore )、米国)中
で限外濾過して約30倍濃縮した。粗保持物(retentat
e )をホウ酸ナトリウム緩衝液、20mM、pH8(緩
衝液A)で洗浄し、容量を約50mlにした。この物質
を直ちに使用するかまたは使用するまで−20℃に保存
した。
0に対して透析するか、または限外濾過により濃縮する
ことができる。上記工程2.1の粗細胞上清(1.5リ
ットル)を分子量カットオフが10,000のポリスル
ホン膜(PTGCミニタンプレート)を用いてミニタン
(Minitan )装置(ミリポア(Millipore )、米国)中
で限外濾過して約30倍濃縮した。粗保持物(retentat
e )をホウ酸ナトリウム緩衝液、20mM、pH8(緩
衝液A)で洗浄し、容量を約50mlにした。この物質
を直ちに使用するかまたは使用するまで−20℃に保存
した。
【0078】 2.3 TSK−DEAEでのクロマトグラフィー TSK−DEAEカラム(2.5×33cm、トーソー
(Tosoh )、日本)を緩衝液Aで平衡化させた。上記の
ミニタン工程2.2からの濃縮抗ウイルス性因子を、流
速8ml/分でカラムにかけた。次にカラムを緩衝液A
で洗浄し、緩衝液A中の50、100、200および5
00mMのNaClで段階的に溶出した。12mlの画
分を集め生物測定法をで測定した。カラムを280nm
の吸光度により追跡した(図2)。200mMのNaC
lで溶出した蛋白のピークは、中和性の抗INF−ガン
マモノクローナル抗体No.166−5の存在下で試験
した時抗ウイルス活性を有していた。これを集め、YM
−10膜(分子量カットオフ10,000、アミコン
(Amicon)、米国)の限外濾過により約20mlの容量
に濃縮した。この物質を使用するまで−20℃に保存し
た。
(Tosoh )、日本)を緩衝液Aで平衡化させた。上記の
ミニタン工程2.2からの濃縮抗ウイルス性因子を、流
速8ml/分でカラムにかけた。次にカラムを緩衝液A
で洗浄し、緩衝液A中の50、100、200および5
00mMのNaClで段階的に溶出した。12mlの画
分を集め生物測定法をで測定した。カラムを280nm
の吸光度により追跡した(図2)。200mMのNaC
lで溶出した蛋白のピークは、中和性の抗INF−ガン
マモノクローナル抗体No.166−5の存在下で試験
した時抗ウイルス活性を有していた。これを集め、YM
−10膜(分子量カットオフ10,000、アミコン
(Amicon)、米国)の限外濾過により約20mlの容量
に濃縮した。この物質を使用するまで−20℃に保存し
た。
【0079】 2.4 ハイドロキシアパタイトのクロマトグラフィー ハイドロキシアパタイトバイオゲルTHPカラム(2.
5×4cm、バイオラッド(BioRad)、米国)を水で平
衡化させた。工程2.3の濃縮した0.2MのNaCl
の蛋白ピーク(166mg)を、流速2ml/分でバイ
オゲルHTPカラムにかけた。カラムを水で洗浄し、1
5mMのリン酸ナトリウム、pH6.8で溶出した。2
mlの画分を集め、抗ウイルス活性を試験した。カラム
を280nmの吸光度で追跡した(図3)。抗ウイルス
活性は15mMのリン酸ナトリウム溶出液中で見いださ
れ、これを集め限外濾過により濃縮した。
5×4cm、バイオラッド(BioRad)、米国)を水で平
衡化させた。工程2.3の濃縮した0.2MのNaCl
の蛋白ピーク(166mg)を、流速2ml/分でバイ
オゲルHTPカラムにかけた。カラムを水で洗浄し、1
5mMのリン酸ナトリウム、pH6.8で溶出した。2
mlの画分を集め、抗ウイルス活性を試験した。カラム
を280nmの吸光度で追跡した(図3)。抗ウイルス
活性は15mMのリン酸ナトリウム溶出液中で見いださ
れ、これを集め限外濾過により濃縮した。
【0080】2.5 陰イオン交換HPLC 陰イオン交換HPLCカラム(スーパーホルマンス(Su
performance )−TMAE−650S、イー・メルク
(E. Merck)、ドイツ)を緩衝液Aであらかじめ平衡化
させた。工程2.4からの73mgの蛋白を含有する濃
縮したプールを遠心分離(10,000×g、5分)
し、上清を流速1ml/分でカラムにかけた。カラムを
緩衝液Aで洗浄し、次に緩衝液A中の50、100、2
00および500mMのNaClで段階的に溶出した。
2.5mlの画分を集め、抗ウイルス活性を測定した。
カラムを280nmの吸光度で追跡した(図4)。活性
は200mMのNaCl画分で溶出した。この画分を集
め使用するまで−20℃で保存した。
performance )−TMAE−650S、イー・メルク
(E. Merck)、ドイツ)を緩衝液Aであらかじめ平衡化
させた。工程2.4からの73mgの蛋白を含有する濃
縮したプールを遠心分離(10,000×g、5分)
し、上清を流速1ml/分でカラムにかけた。カラムを
緩衝液Aで洗浄し、次に緩衝液A中の50、100、2
00および500mMのNaClで段階的に溶出した。
2.5mlの画分を集め、抗ウイルス活性を測定した。
カラムを280nmの吸光度で追跡した(図4)。活性
は200mMのNaCl画分で溶出した。この画分を集
め使用するまで−20℃で保存した。
【0081】 2.6 疎水性相互作用クロマトグラフィー フェニルセファロースカラム(1.5×6.5cm、フ
ァルマシア(Pharmacia )、スエーデン)を緩衝液A中
の1.5MのNaClで平衡化させた。工程2.5の2
00mMのリン酸ナトリウムの蛋白ピーク(10mg)
を1.5MのNaClにし、フェニルセファロースカラ
ムにかけた(1ml/分)。カラムを緩衝液A中1.5
MのNaClで洗浄し、非結合ピークを集めた。カラム
を緩衝液A中の1MのNaCl、緩衝液Aおよび CH
3 CN/50%緩衝液Aで段階的に溶出した。抗ウイル
ス活性は非結合画分(1.5MのNaCl)で得られ
た。カラムを280nmで追跡した(図5)。
ァルマシア(Pharmacia )、スエーデン)を緩衝液A中
の1.5MのNaClで平衡化させた。工程2.5の2
00mMのリン酸ナトリウムの蛋白ピーク(10mg)
を1.5MのNaClにし、フェニルセファロースカラ
ムにかけた(1ml/分)。カラムを緩衝液A中1.5
MのNaClで洗浄し、非結合ピークを集めた。カラム
を緩衝液A中の1MのNaCl、緩衝液Aおよび CH
3 CN/50%緩衝液Aで段階的に溶出した。抗ウイル
ス活性は非結合画分(1.5MのNaCl)で得られ
た。カラムを280nmで追跡した(図5)。
【0082】2.7 逆相HPLC 工程2.6の非結合のプールした画分(1.2mg)
を、20mMヘペス緩衝液pH7.5であらかじめ平衡
化したアクアポアRP300RP−HPLCカラム
(4.6×30mm)にかけた。カラムを洗浄し、同じ
緩衝液中のアセトニトリル勾配により流速0.5ml/
分で溶出した。1mlの画分を集め、抗ウイルス活性を
試験した。抗ウイルス活性は14%アセトニトリルで溶
出し、蛋白ピークに関連していた。しかしこのピークは
隣接するピークから完全に分離はしなかった(図6)。
カラムはフルオレスカミンを基礎とするカラム後の反応
系により追跡した(スタインとモシェラ(Stein S. and
Moschera J.)、1981, Methodsin Enzymology, 79:7-1
6)。
を、20mMヘペス緩衝液pH7.5であらかじめ平衡
化したアクアポアRP300RP−HPLCカラム
(4.6×30mm)にかけた。カラムを洗浄し、同じ
緩衝液中のアセトニトリル勾配により流速0.5ml/
分で溶出した。1mlの画分を集め、抗ウイルス活性を
試験した。抗ウイルス活性は14%アセトニトリルで溶
出し、蛋白ピークに関連していた。しかしこのピークは
隣接するピークから完全に分離はしなかった(図6)。
カラムはフルオレスカミンを基礎とするカラム後の反応
系により追跡した(スタインとモシェラ(Stein S. and
Moschera J.)、1981, Methodsin Enzymology, 79:7-1
6)。
【0083】活性画分(56μg)をプールし、20m
Mヘペス緩衝液pH7.5で2倍希釈し、アクアポアR
P300カラムで再クロマトグラフィーをした(図
7)。各画分の少量(400μl)を限外濾過により濃
縮し、ドデシル硫酸ナトリウムとβ−メルカプトエタノ
ールの存在下でポリアクリルアミド(13%)ゲル電気
泳動(SDS−PAGE)にかけた。蛋白バンドは銀染
色により目視できるようにした。レーンは:レーン1−
7、HPLCの10−16の画分;レーン8、対照試料
緩衝液;レーン9、左側に示した分子量マーカー(図
8)。
Mヘペス緩衝液pH7.5で2倍希釈し、アクアポアR
P300カラムで再クロマトグラフィーをした(図
7)。各画分の少量(400μl)を限外濾過により濃
縮し、ドデシル硫酸ナトリウムとβ−メルカプトエタノ
ールの存在下でポリアクリルアミド(13%)ゲル電気
泳動(SDS−PAGE)にかけた。蛋白バンドは銀染
色により目視できるようにした。レーンは:レーン1−
7、HPLCの10−16の画分;レーン8、対照試料
緩衝液;レーン9、左側に示した分子量マーカー(図
8)。
【0084】例3:抗ウイルス性因子の性状解析
【0085】3.1 抗ウイルス活性の生物測定法 この測定法は、IFN活性を測定するために使用される
細胞変性作用(CPE)阻害測定法に類似している(ル
ービンスタイン(Rubinstein S. )ら、(1981)J. Viro
l. 37:755-758 )。抗ウイルス活性はヒトINF−βの
NIH標準物質に対して較正されている。これはまたI
NF−α標準物質でも較正してあるが、INF−ガンマ
(これはこれらの測定条件下ではウイルスから細胞を防
御しない)では較正していない。以下の方法が使用され
る:
細胞変性作用(CPE)阻害測定法に類似している(ル
ービンスタイン(Rubinstein S. )ら、(1981)J. Viro
l. 37:755-758 )。抗ウイルス活性はヒトINF−βの
NIH標準物質に対して較正されている。これはまたI
NF−α標準物質でも較正してあるが、INF−ガンマ
(これはこれらの測定条件下ではウイルスから細胞を防
御しない)では較正していない。以下の方法が使用され
る:
【0086】96穴平底プレート中で10%FCSを補
足したMEMの100μl中で45,000細胞/ウェ
ルを接種して、コンフルーエントなモノレーヤーのWI
SH細胞を第1日目に調製する。プレートを5%CO2
中で37℃でインキュベートする。第2日目に抗ウイル
ス性因子の試料を別のプレート中で連続2倍希釈をする
(100μl)。1000U/mlのINF−ガンマを
中和するのに充分な中和性モノクローナル抗INF−ガ
ンマ抗体(166−5)を各ウェルに加え、溶液をWI
SH細胞とともにプレートに移し、次に直ちに適当な量
(下記)の保存VSV(50μl)で抗原投与する。プ
レートを37℃で一晩インキュベートした。測定は標準
物質INF−βで較正されている。第3日目に、ウイル
ス抗原投与の約20時間後に対照ウェル中の細胞変性作
用を顕微鏡で観察する。これが80%以上の場合、プレ
ートの水を切ってモノレーヤーをクリスタルバイオレッ
ト(70%メタノール水溶液中で0.5%)で染色し、
多量の水道水で洗浄し、顕微鏡下で観察して終点を求め
る。この測定のためのVSVの適当な量は、測定条件下
で標準INF−βの連続2倍希釈に加えられた場合、2
0−24時間のインキュベート後約3−6U/mlのI
NF−β希釈で50%CPEを与える、保存VSVの希
釈率である。
足したMEMの100μl中で45,000細胞/ウェ
ルを接種して、コンフルーエントなモノレーヤーのWI
SH細胞を第1日目に調製する。プレートを5%CO2
中で37℃でインキュベートする。第2日目に抗ウイル
ス性因子の試料を別のプレート中で連続2倍希釈をする
(100μl)。1000U/mlのINF−ガンマを
中和するのに充分な中和性モノクローナル抗INF−ガ
ンマ抗体(166−5)を各ウェルに加え、溶液をWI
SH細胞とともにプレートに移し、次に直ちに適当な量
(下記)の保存VSV(50μl)で抗原投与する。プ
レートを37℃で一晩インキュベートした。測定は標準
物質INF−βで較正されている。第3日目に、ウイル
ス抗原投与の約20時間後に対照ウェル中の細胞変性作
用を顕微鏡で観察する。これが80%以上の場合、プレ
ートの水を切ってモノレーヤーをクリスタルバイオレッ
ト(70%メタノール水溶液中で0.5%)で染色し、
多量の水道水で洗浄し、顕微鏡下で観察して終点を求め
る。この測定のためのVSVの適当な量は、測定条件下
で標準INF−βの連続2倍希釈に加えられた場合、2
0−24時間のインキュベート後約3−6U/mlのI
NF−β希釈で50%CPEを与える、保存VSVの希
釈率である。
【0087】3.2 抗ウイルス性因子は蛋白である 抗ウイルス性因子が蛋白であることを証明するために3
つの実験を行った。 a. 分子量>10,000。抗ウイルス活性はPEG
20,000に対する透析およびカットオフ10,00
0ダルトンの膜の限外濾過により濃縮できることは、こ
の抗ウイルス性因子が巨大分子であることを示してい
る。
つの実験を行った。 a. 分子量>10,000。抗ウイルス活性はPEG
20,000に対する透析およびカットオフ10,00
0ダルトンの膜の限外濾過により濃縮できることは、こ
の抗ウイルス性因子が巨大分子であることを示してい
る。
【0088】b. 熱に対する不安定性。モノ(Mono)
Q陰イオン交換工程(例2の工程2.5と同じ)からの
活性画分を、100℃の浴中で10分加熱し抗ウイルス
活性を試験した。この処理の後には活性は認められなか
った。表2を参照。
Q陰イオン交換工程(例2の工程2.5と同じ)からの
活性画分を、100℃の浴中で10分加熱し抗ウイルス
活性を試験した。この処理の後には活性は認められなか
った。表2を参照。
【0089】c. トリプシン感受性。モノ(Mono)Q
陰イオン交換工程からの活性画分を蛋白:酵素比5:1
で、TPCK−処理したトリプシン(ワーシントン(Wo
rthington ))で室温でインキュベートした。対照画分
はトリプシンなしで同様に保存し、対照トリプシンを同
様にして作成した。抗ウイルス活性の66%はトリプシ
ン処理により失われたため、抗ウイルス性因子はトリプ
シン感受性であると結論された。
陰イオン交換工程からの活性画分を蛋白:酵素比5:1
で、TPCK−処理したトリプシン(ワーシントン(Wo
rthington ))で室温でインキュベートした。対照画分
はトリプシンなしで同様に保存し、対照トリプシンを同
様にして作成した。抗ウイルス活性の66%はトリプシ
ン処理により失われたため、抗ウイルス性因子はトリプ
シン感受性であると結論された。
【0090】d. 抗ウイルス性因子はインターフェロ
ンではない。インターフェロンは細胞内に、インターフ
ェロンの除去後も続く抗ウイルス状態を誘導する蛋白で
あると規定される。細胞をモノQ工程からの抗ウイルス
性因子含有培地と24時間インキュベートし、培地を除
去し、細胞を洗浄してVSVで抗原投与した。従って抗
ウイルス性因子はインターフェロンではなく、その作用
機構はインターフェロンのものとは異なると結論され
た。
ンではない。インターフェロンは細胞内に、インターフ
ェロンの除去後も続く抗ウイルス状態を誘導する蛋白で
あると規定される。細胞をモノQ工程からの抗ウイルス
性因子含有培地と24時間インキュベートし、培地を除
去し、細胞を洗浄してVSVで抗原投与した。従って抗
ウイルス性因子はインターフェロンではなく、その作用
機構はインターフェロンのものとは異なると結論され
た。
【0091】e. 抗ウイルス性因子はおそらく分解性
酵素ではない。抗ウイルス性因子の作用部位と作用様式
はいまだに未知である。これらの問題を明らかにするた
めに、異なるウイルスでさらに試験が必要である。この
因子がウイルスを分解する酵素(例えば蛋白分解性酵
素)であるか否かを試験するために、1つの簡単な実験
を行った。この目的のためにVSVを、この因子の連続
2倍希釈系列と37℃で異なる時間インキュベートし
た。次にウシMDBK細胞をウェルに加え、CPEの程
度を求めた。VSVは抗ウイルス性因子の添加の直後に
細胞と混合された時、または抗ウイルス性因子と37℃
で5時間あらかじめインキュベートされた時、VSVは
同定度のCPEを与えることが見いだされた。従って抗
ウイルス性因子はおそらくウイルス分解性酵素ではない
と結論された。
酵素ではない。抗ウイルス性因子の作用部位と作用様式
はいまだに未知である。これらの問題を明らかにするた
めに、異なるウイルスでさらに試験が必要である。この
因子がウイルスを分解する酵素(例えば蛋白分解性酵
素)であるか否かを試験するために、1つの簡単な実験
を行った。この目的のためにVSVを、この因子の連続
2倍希釈系列と37℃で異なる時間インキュベートし
た。次にウシMDBK細胞をウェルに加え、CPEの程
度を求めた。VSVは抗ウイルス性因子の添加の直後に
細胞と混合された時、または抗ウイルス性因子と37℃
で5時間あらかじめインキュベートされた時、VSVは
同定度のCPEを与えることが見いだされた。従って抗
ウイルス性因子はおそらくウイルス分解性酵素ではない
と結論された。
【表2】 表2:抗ウイルス性因子の熱とトリプシンに対する感受性 試料 活性 U/ml % 保存(モノQ)抗ウイルス性因子、一晩、室温 75 100 保存抗ウイルス性因子+トリプシン、一晩、室温 25 33 保存抗ウイルス性因子(モノQ)、室温、10分 65 100 保存抗ウイルス性因子、100℃、10分 0 0
【0092】3.3 抗ウイルス性因子のサイズ排除ク
ロマトグラフィー TSK−DEAE工程からの抗ウイルス性因子(0.4
ml)を、ほとんど生理的条件下でリン酸緩衝化生理食
塩水中でサイズ排除カラム(スーパーローズ12、1×
30cm、ファルマシア(Pharmacia ))で分画した。
カラムをあらかじめ平衡化し、流速0.5ml/分でリ
ン酸緩衝化生理食塩水で溶出した。1mlの画分を集
め、各画分について抗ウイルス活性を測定した。カラム
を280nmで追跡した(図9)。カラムは分子量マー
カーとしてのウシ血清アルブミン(67K)とカルボニ
ックアンヒドラーゼ(carbonic anhydrase)(30K)
で較正した。抗ウイルス活性は見かけの分子量40,0
00のピークで溶出することが見いだされた。しかしこ
のピークは広めであった。
ロマトグラフィー TSK−DEAE工程からの抗ウイルス性因子(0.4
ml)を、ほとんど生理的条件下でリン酸緩衝化生理食
塩水中でサイズ排除カラム(スーパーローズ12、1×
30cm、ファルマシア(Pharmacia ))で分画した。
カラムをあらかじめ平衡化し、流速0.5ml/分でリ
ン酸緩衝化生理食塩水で溶出した。1mlの画分を集
め、各画分について抗ウイルス活性を測定した。カラム
を280nmで追跡した(図9)。カラムは分子量マー
カーとしてのウシ血清アルブミン(67K)とカルボニ
ックアンヒドラーゼ(carbonic anhydrase)(30K)
で較正した。抗ウイルス活性は見かけの分子量40,0
00のピークで溶出することが見いだされた。しかしこ
のピークは広めであった。
【0093】3.4 抗ウイルス性因子の種特異性 抗ウイルス性因子はヒトWISH細胞上で活性であるこ
とが見いだされた。これはまたウシMDBK細胞および
齧歯類L細胞上で活性があることが見いだされた。従っ
てこの因子は種特異性はないと結論された。
とが見いだされた。これはまたウシMDBK細胞および
齧歯類L細胞上で活性があることが見いだされた。従っ
てこの因子は種特異性はないと結論された。
【0094】 3.5 蛋白配列解析と抗ウイルス性因子の同定 最後のRP−HPLC工程(例2の2.7を参照)から
の画分10−12の少量(400μl)をプールし、限
外濾過で濃縮し、濃縮物(0.5μg)をモデル475
蛋白微量配列解析装置(アプライドバイオシルテムズ
(Applied Biosystems)、米国)で微量配列解析をし
た。この系で同定した得られたN−末端15個のアミノ
酸残基の配列を図10に示す。サイクル10のアミノ酸
は同定しなかったが、サイクル3のProはあまり自信
がなく同定した(ピコモル比で示されている)。
の画分10−12の少量(400μl)をプールし、限
外濾過で濃縮し、濃縮物(0.5μg)をモデル475
蛋白微量配列解析装置(アプライドバイオシルテムズ
(Applied Biosystems)、米国)で微量配列解析をし
た。この系で同定した得られたN−末端15個のアミノ
酸残基の配列を図10に示す。サイクル10のアミノ酸
は同定しなかったが、サイクル3のProはあまり自信
がなく同定した(ピコモル比で示されている)。
【0095】得られたアミノ酸配列をNBRF蛋白デー
タバンクと比較し、前駆体LDLリセプターの残基25
(成熟LDLリセプターの残基4)から始まるヒト低比
重リポ蛋白(LDL)リセプターのN−末端配列と10
0%同じであった。サイクル3、10および15のアミ
ノ酸は、予備的修飾なしには同定できないシステイン残
基であるため、配列解析装置では正しく同定されなかっ
た。単離されたリセプターと公知のLDLリセプターの
同一性を図11にしめす。
タバンクと比較し、前駆体LDLリセプターの残基25
(成熟LDLリセプターの残基4)から始まるヒト低比
重リポ蛋白(LDL)リセプターのN−末端配列と10
0%同じであった。サイクル3、10および15のアミ
ノ酸は、予備的修飾なしには同定できないシステイン残
基であるため、配列解析装置では正しく同定されなかっ
た。単離されたリセプターと公知のLDLリセプターの
同一性を図11にしめす。
【0096】分子量の推定のために用いた2つの方法に
よれば、本発明の可溶性抗ウイルス性蛋白の分子量は2
9,000または40,000である。従って抗ウイル
ス性蛋白はLDLリセプターのN−末端システインの豊
富なドメインに対応すると結論された。エッサー(Esse
r )(エッサー(Esser V.)ら、(1988), J. Biol. Che
m. 263, 13282-13290 )によれば、292個のアミノ酸
残基のシステインに富むN−末端ドメインは、LDLリ
セプターのリガンド結合ドメインであり、その計算され
た分子量はグリコシル化の程度により約33,000−
38,000である。
よれば、本発明の可溶性抗ウイルス性蛋白の分子量は2
9,000または40,000である。従って抗ウイル
ス性蛋白はLDLリセプターのN−末端システインの豊
富なドメインに対応すると結論された。エッサー(Esse
r )(エッサー(Esser V.)ら、(1988), J. Biol. Che
m. 263, 13282-13290 )によれば、292個のアミノ酸
残基のシステインに富むN−末端ドメインは、LDLリ
セプターのリガンド結合ドメインであり、その計算され
た分子量はグリコシル化の程度により約33,000−
38,000である。
【0097】例4:抗ウイルス性因子の免疫親和性クロ
マトグラフィー 抗ウイルス性因子とsLDLRの最も直接的な証明は、
モノクローナル抗体C7カラムでの粗抗ウイルス性蛋白
の親和性クロマトグラフィーにより得られた。この抗体
はウシおよびヒトLDLRのリガンド結合ドメインに対
するものである。(バイシーゲル(Beisiegel, U. )
ら、(1981) J. Biol. Chem., 256, 11923-11931 )。ハ
イブリドーマC7(ATCC、CRL1691)をマウ
スで腹水として増殖させ、硫酸アンモニウム分画法によ
り免疫グロブリンを単離した。C7免疫グロブリン(1
9mg)を1mlのアガロースに結合させた。TSK−
DEAE工程("load"(「のせた量」)、14ml、3
7.8mg蛋白、2800単位)の200mMのNaC
l画分からの部分精製したAVHを、このカラムにかけ
た。溶出液("effl." )を集め、カラムをリン酸緩衝化
生理食塩水(PBS)中の0.5Mの食塩70mlで洗
浄し("wash")、次にPBS(30ml)で洗浄した。
次にカラムを50mMのNa2CO3(pH11)で溶出
し(el.2およびel.3)、回収率は32%であった(図1
2)。溶出した画分の蛋白の量は0.15mgであり、
精製の程度は83であった。SDS−PAGEと銀染色
により多くのバンドが得られた。しかしモノクローナル
抗体C7のウェスタンブロット(ゲルは非還元条件下)
では(図13)、load画分、effluent画分そしてwash画
分にもリセプターは検出されなかった(それぞれレーン
2、3および4)。しかしel.2とel.3では(レーン5と
6)可溶性LDLリセプターの28Kのバンドが得られ
た。またel.2とel.3では弱い40Kバンドと100Kバ
ンド(これらはおそらくLDLリセプターの大きな細胞
外断片であろう)を含む高分子量バンドが見られた。2
00Kの近くの強いバンドはC7試料(レーン7)と同
一であったため、おそらくカラムから漏れたモノクロー
ナル抗体C7であり、蛋白Aと反応したのであろう。 例5:インターフェロンによる細胞表面LDLRの誘導 可溶性LDLリセプターも細胞表面リセプターも同じ遺
伝子を有するため、インターフェロンが可溶性LDLリ
セプターを誘導する能力は、これが細胞表面LDLリセ
プターも誘導することができることを示唆する。完全な
サイズのLDLリセプターを誘導することができるか否
かを試験するために、コンフルーエントにまで増殖させ
たWISH細胞を、2%胎児牛血清を含む培地中で種々
のインターフェロンと培養した。細胞を洗浄し、モノク
ローナル抗体C7と4℃で2時間インキュベートし、洗
浄し、 125I−蛋白A(約80,000dpm)と4℃
で2時間インキュベートし、トリプシンで集め計測し
た。経時変化の実験ではINF−ガンマ(100U/m
l)によるLDLリセプターの最大の誘導は5時間と2
3時間の間で起きた。次にWISH細胞を異なるインタ
ーフェロンと19時間培養して用量応答試験を行った。
その結果INF−ガンマはLDLリセプターの最も強力
な誘導体であり、最大の誘導は10−50U/mlで見
られた。INF−αはより弱い誘導体であり、INF−
βは全くLDLリセプターを誘導体しなかった(図1
4)。蛋白合成阻害剤シクロヘキシミドの存在下ではL
DLリセプターの誘導もその基礎レベルも消失してい
た。
マトグラフィー 抗ウイルス性因子とsLDLRの最も直接的な証明は、
モノクローナル抗体C7カラムでの粗抗ウイルス性蛋白
の親和性クロマトグラフィーにより得られた。この抗体
はウシおよびヒトLDLRのリガンド結合ドメインに対
するものである。(バイシーゲル(Beisiegel, U. )
ら、(1981) J. Biol. Chem., 256, 11923-11931 )。ハ
イブリドーマC7(ATCC、CRL1691)をマウ
スで腹水として増殖させ、硫酸アンモニウム分画法によ
り免疫グロブリンを単離した。C7免疫グロブリン(1
9mg)を1mlのアガロースに結合させた。TSK−
DEAE工程("load"(「のせた量」)、14ml、3
7.8mg蛋白、2800単位)の200mMのNaC
l画分からの部分精製したAVHを、このカラムにかけ
た。溶出液("effl." )を集め、カラムをリン酸緩衝化
生理食塩水(PBS)中の0.5Mの食塩70mlで洗
浄し("wash")、次にPBS(30ml)で洗浄した。
次にカラムを50mMのNa2CO3(pH11)で溶出
し(el.2およびel.3)、回収率は32%であった(図1
2)。溶出した画分の蛋白の量は0.15mgであり、
精製の程度は83であった。SDS−PAGEと銀染色
により多くのバンドが得られた。しかしモノクローナル
抗体C7のウェスタンブロット(ゲルは非還元条件下)
では(図13)、load画分、effluent画分そしてwash画
分にもリセプターは検出されなかった(それぞれレーン
2、3および4)。しかしel.2とel.3では(レーン5と
6)可溶性LDLリセプターの28Kのバンドが得られ
た。またel.2とel.3では弱い40Kバンドと100Kバ
ンド(これらはおそらくLDLリセプターの大きな細胞
外断片であろう)を含む高分子量バンドが見られた。2
00Kの近くの強いバンドはC7試料(レーン7)と同
一であったため、おそらくカラムから漏れたモノクロー
ナル抗体C7であり、蛋白Aと反応したのであろう。 例5:インターフェロンによる細胞表面LDLRの誘導 可溶性LDLリセプターも細胞表面リセプターも同じ遺
伝子を有するため、インターフェロンが可溶性LDLリ
セプターを誘導する能力は、これが細胞表面LDLリセ
プターも誘導することができることを示唆する。完全な
サイズのLDLリセプターを誘導することができるか否
かを試験するために、コンフルーエントにまで増殖させ
たWISH細胞を、2%胎児牛血清を含む培地中で種々
のインターフェロンと培養した。細胞を洗浄し、モノク
ローナル抗体C7と4℃で2時間インキュベートし、洗
浄し、 125I−蛋白A(約80,000dpm)と4℃
で2時間インキュベートし、トリプシンで集め計測し
た。経時変化の実験ではINF−ガンマ(100U/m
l)によるLDLリセプターの最大の誘導は5時間と2
3時間の間で起きた。次にWISH細胞を異なるインタ
ーフェロンと19時間培養して用量応答試験を行った。
その結果INF−ガンマはLDLリセプターの最も強力
な誘導体であり、最大の誘導は10−50U/mlで見
られた。INF−αはより弱い誘導体であり、INF−
βは全くLDLリセプターを誘導体しなかった(図1
4)。蛋白合成阻害剤シクロヘキシミドの存在下ではL
DLリセプターの誘導もその基礎レベルも消失してい
た。
【図1】添加されたインターフェロンではない抗ウイル
ス活性の存在の証拠を示す。
ス活性の存在の証拠を示す。
【図2】TSK−DEAE陰イオン交換カラムからの蛋
白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
【図3】ハイドロキシアパタイトバイオゲルHTPカラ
ムからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
ムからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
【図4】スーパーホーマンス(Superformance )TMA
E−65−S陰イオン交換HPLCカラムからの蛋白と
抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
E−65−S陰イオン交換HPLCカラムからの蛋白と
抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
【図5】フェニルセファロース疎水性相互作用カラムか
らの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
らの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
【図6】逆相アクアポア(Aquapore)RP−300HP
LCカラムからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターン
を示す。
LCカラムからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターン
を示す。
【図7】逆相HPLCカラムによる再クロマトグラフィ
ーからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
ーからの蛋白と抗ウイルス活性の溶出パターンを示す。
【図8】精製操作の最後の工程で得られた種々の画分の
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(SDS−PAGE)分析を示す。13%のアクリ
ルアミドゲルが使用され、銀で染色した。レーンは:1
−7、限外濾過で濃縮されたRP−300クロマトグラ
フィー(図7)からの画分10−16の一部(400μ
l);8、対照試料緩衝液;9、左側に示した分子量マ
ーカー。
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(SDS−PAGE)分析を示す。13%のアクリ
ルアミドゲルが使用され、銀で染色した。レーンは:1
−7、限外濾過で濃縮されたRP−300クロマトグラ
フィー(図7)からの画分10−16の一部(400μ
l);8、対照試料緩衝液;9、左側に示した分子量マ
ーカー。
【図9】スーパーローズ(Superose)12サイズ排除H
PLCカラムからの抗ウイルス活性の溶出パターンを示
す。
PLCカラムからの抗ウイルス活性の溶出パターンを示
す。
【図10】微量配列解析装置(microsequencer)の元々
のアウトプットを示す。RP−HPLC(図7)の画分
10−12(各0.4ml)をプールし、限外濾過によ
り濃縮し、得られた試料(1μg)を蛋白微量配列解析
にかけた。
のアウトプットを示す。RP−HPLC(図7)の画分
10−12(各0.4ml)をプールし、限外濾過によ
り濃縮し、得られた試料(1μg)を蛋白微量配列解析
にかけた。
【図11】図10に示す蛋白微量配列解析装置により得
られた配列の探索のアウトプットを示す。
られた配列の探索のアウトプットを示す。
【図12】モノクローナル抗体C7カラムで部分的に精
製した可溶性LDLリセプターの免疫親和性クロマトグ
ラフィーからの種々の画分の抗ウイルス活性を示す。バ
ーは:load−カラムにのせたもの;effl.−溶出液(非
結合画分);el.1-4−溶出1−4である。
製した可溶性LDLリセプターの免疫親和性クロマトグ
ラフィーからの種々の画分の抗ウイルス活性を示す。バ
ーは:load−カラムにのせたもの;effl.−溶出液(非
結合画分);el.1-4−溶出1−4である。
【図13】免疫親和性クロマトグラフィー(図12に示
されている)からの種々の画分のウェスタンブロット解
析を示す。蛋白はニトロセルロースに電気ブロットさ
れ、モノクローナル抗体C7および125I−蛋白Aで可
視化した。レーンは:1、分子量マーカー;2、load;
3、非結合;4、洗浄;5、溶出2;6、溶出3;7、
モノクローナル抗体C7である。
されている)からの種々の画分のウェスタンブロット解
析を示す。蛋白はニトロセルロースに電気ブロットさ
れ、モノクローナル抗体C7および125I−蛋白Aで可
視化した。レーンは:1、分子量マーカー;2、load;
3、非結合;4、洗浄;5、溶出2;6、溶出3;7、
モノクローナル抗体C7である。
【図14】種々のインターフェロンによるWISH細胞
中の細胞表面LDLリセプターの投与量応答誘導を示
す。細胞は19 インターフェロンとインキュベートさ
れ、培地に2%胎児牛血清を含む培地、細胞表面LDL
リセプターのレベルはモノクローナル抗体C7と 125I
−蛋白Aにより測定した。
中の細胞表面LDLリセプターの投与量応答誘導を示
す。細胞は19 インターフェロンとインキュベートさ
れ、培地に2%胎児牛血清を含む培地、細胞表面LDL
リセプターのレベルはモノクローナル抗体C7と 125I
−蛋白Aにより測定した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/12 C12P 21/02 ZNA A 8214−4B //(C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 ナサン タル イスラエル国レホボト,エイセンバーグ ストリート 31
Claims (23)
- 【請求項1】 可溶性LDLリセプター蛋白、そのムテ
インと融合蛋白、それらの塩、官能性誘導体および活性
画分。 - 【請求項2】 蛋白性不純物に対して均一になるまで精
製されている、請求項1に記載の可溶性LDLリセプタ
ー。 - 【請求項3】 実質的に成熟LDLリセプターの細胞外
ドメインよりなる、請求項1または2に記載の可溶性L
DLリセプター。 - 【請求項4】 実質的に成熟LDLリセプターのリガン
ド結合ドメインよりなる、請求項1または2に記載の可
溶性LDLリセプター。 - 【請求項5】 実質的に成熟LDLリセプターのアミノ
酸残基4から約292に対応するアミノ酸配列を有す
る、前記請求項のいずれか1項に記載の可溶性LDLリ
セプター。 - 【請求項6】 実質的に図10に示すアミノ酸配列を含
む、前記請求項のいずれか1項に記載の可溶性LDLリ
セプター。 - 【請求項7】 適当な細胞のインターフェロンによる処
理、その上清からの可溶性LDLリセプターの単離およ
びそれらの精製よりなる、前記請求項のいずれか1項に
記載の可溶性LDLリセプターの調製法。 - 【請求項8】 使用される細胞はインターフェロンに応
答して抗ウイルス状態に入ることができるものである、
請求項7に記載の方法。 - 【請求項9】 インターフェロンはインターフェロン−
ガンマである、請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】 以下の工程よりなる請求項7に記載の
方法: a) インターフェロンに応答して抗ウイルス状態に入
ることができる細胞をコンフルーエントになるまで増殖
させて; b) 細胞をインターフェロンで誘導し; c) 培養上清を採取し; d) 上清を濃縮し; e) 工程d)の濃縮した上清を陰イオン交換クロマト
グラフィーにかけて; f) 工程e)で得られた画分をハイドロキシアパタイ
トのクロマトグラフィーにかけて; g) 工程f)で得られた画分を陰イオンHPLCにか
けて; h) 工程g)で得られた画分を疎水性相互作用クロマ
トグラフィーにかけて; i) 工程h)で得られた画分を逆相HPLCにかけ
て; k) 工程i)を繰り返して均一になるまで精製された
可溶性LDLリセプターを得る。 - 【請求項11】 1つまたはそれ以上のクロマトグラフ
ィー工程は、抗LDLリセプターモノクローナル抗体カ
ラムの免疫親和性クロマトグラフィーで置換される、請
求項10に記載の方法。 - 【請求項12】 モノクローナル抗体はC7(ATC
C、CRL1691)であり、可溶性リセプターは高い
pHで溶出される、請求項11に記載の方法。 - 【請求項13】 ヒトWISH細胞が使用される請求項
10に記載の方法。 - 【請求項14】 実質的に成熟LDLリセプターのリガ
ンド結合ドメインのアミノ酸配列に対応するアミノ酸配
列を有する可溶性LDLリセプターをコードするDNA
分子。 - 【請求項15】 実質的に成熟LDLリセプターのアミ
ノ酸残基4から292に対応するアミノ酸配列を有する
可溶性LDLリセプターをコードする、請求項14に記
載のDNA分子。 - 【請求項16】 図10のアミノ酸配列を含む可溶性L
DLリセプターをコードする、請求項14に記載のDN
A分子。 - 【請求項17】 請求項11から13までのいずれか1
項に記載のDNA分子にハイブリダイズし、可溶性LD
LリセプターをコードするDNA分子。 - 【請求項18】 請求項14から17までのいずれか1
項に記載のDNA分子よりなる発現ベクター。 - 【請求項19】 請求項18に記載の発現ベクターで形
質転換される細胞株。 - 【請求項20】 請求項19に記載の形質転換細胞株を
培養し、培地から可溶性LDLリセプターを回収するこ
とよりなる、組換え可溶性LDLリセプターの産生方
法。 - 【請求項21】 随時薬剤として許容される担体を一緒
に含む、可溶性LDLリセプター、そのムテインおよび
融合蛋白、それらの塩、官能性誘導体および活性画分よ
りなる薬剤組成物。 - 【請求項22】 別の抗ウイルス剤をさらに含む、請求
項21に記載の薬剤組成物。 - 【請求項23】 別の抗ウイルス剤はインターフェロン
である、請求項22に記載の薬剤組成物。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
IL100696A IL100696A0 (en) | 1992-01-19 | 1992-01-19 | Antiviral protein and its preparation |
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