JPH06228173A - 有機リン化合物とその製造法 - Google Patents
有機リン化合物とその製造法Info
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- JPH06228173A JPH06228173A JP3481793A JP3481793A JPH06228173A JP H06228173 A JPH06228173 A JP H06228173A JP 3481793 A JP3481793 A JP 3481793A JP 3481793 A JP3481793 A JP 3481793A JP H06228173 A JPH06228173 A JP H06228173A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 下記構造式で表される有機リン化合物。
【化1】
(式中、R1 は炭素数10以下の2価の脂肪族基、R2 は
炭素数20以下の1価の脂肪族基又は芳香族基を表す。) 【効果】 合成が容易で、難燃性に優れたポリエステル
の製造原料あるいはポリエステル等に対する安定剤や難
燃剤等の添加剤として有用な新規な有機リン化合物が提
供される。
炭素数20以下の1価の脂肪族基又は芳香族基を表す。) 【効果】 合成が容易で、難燃性に優れたポリエステル
の製造原料あるいはポリエステル等に対する安定剤や難
燃剤等の添加剤として有用な新規な有機リン化合物が提
供される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性ポリエステルの
製造原料等として有用な新規な有機リン化合物とその製
造法に関するものである。
製造原料等として有用な新規な有機リン化合物とその製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、難燃性に優れた耐熱性ポリエステ
ルとして、各種の有機リン化合物を共重合したものが知
られている(例えば、特公昭55−41610 号、特開昭62−
175491号、特開平2−1730号、特公昭53−13479 号等)
。しかし、これらのリン化合物を共重合したポリエス
テルは、難燃性や耐熱性には優れているが、リン化合物
をポリエステルに十分な難燃性を付与するに足る量で共
重合するとポリエステルの物性が損なわれたり、コスト
高になったりするという問題があった。また、リン化合
物によっては、得られるポリエステルの溶融落下性が十
分でないという問題があったり、リン化合物の合成時に
非常に有毒な化合物を中間体として経由する必要があっ
たりするという問題があった。
ルとして、各種の有機リン化合物を共重合したものが知
られている(例えば、特公昭55−41610 号、特開昭62−
175491号、特開平2−1730号、特公昭53−13479 号等)
。しかし、これらのリン化合物を共重合したポリエス
テルは、難燃性や耐熱性には優れているが、リン化合物
をポリエステルに十分な難燃性を付与するに足る量で共
重合するとポリエステルの物性が損なわれたり、コスト
高になったりするという問題があった。また、リン化合
物によっては、得られるポリエステルの溶融落下性が十
分でないという問題があったり、リン化合物の合成時に
非常に有毒な化合物を中間体として経由する必要があっ
たりするという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、合成が容易
で、難燃性に優れたポリエステルの製造原料あるいはポ
リエステル等に対する安定剤や難燃剤等の添加剤として
有用な新規な有機リン化合物とその製造法を提供しよう
とするものである。
で、難燃性に優れたポリエステルの製造原料あるいはポ
リエステル等に対する安定剤や難燃剤等の添加剤として
有用な新規な有機リン化合物とその製造法を提供しよう
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その構成は次のとおりである。 (1) 次の構造式で表される有機リン化合物。
解決するもので、その構成は次のとおりである。 (1) 次の構造式で表される有機リン化合物。
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1 は炭素数10以下の2価の脂肪
族基、R2 は炭素数20以下の1価の脂肪族基又は芳香族
基を表す。) (2) 下記構造式で表されるリン化合物と下記構造式
で表される不飽和化合物とを反応させることを特徴とす
る構造式の有機リン化合物の製造法。
族基、R2 は炭素数20以下の1価の脂肪族基又は芳香族
基を表す。) (2) 下記構造式で表されるリン化合物と下記構造式
で表される不飽和化合物とを反応させることを特徴とす
る構造式の有機リン化合物の製造法。
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1 は式と同じ基、R3 〜R6
は水素原子、ハロゲン原子、炭素数20以下の1価の脂肪
族基又は芳香族基を表し、R4 とR5 は環を形成してい
てもよい。)
は水素原子、ハロゲン原子、炭素数20以下の1価の脂肪
族基又は芳香族基を表し、R4 とR5 は環を形成してい
てもよい。)
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の有機リン化合物において、R1 の具体例として
は、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、ブチレ
ン基、ペンタメチレン基、2−メチル−テトラメチレン
基、シクロヘキシレン基等 (水素原子がハロゲン原子で
置換されていてもよい) が挙げられる。
発明の有機リン化合物において、R1 の具体例として
は、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、ブチレ
ン基、ペンタメチレン基、2−メチル−テトラメチレン
基、シクロヘキシレン基等 (水素原子がハロゲン原子で
置換されていてもよい) が挙げられる。
【0010】また、R2 の具体例としては、メチル基、
エチル基、ブチル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチ
ル基等 (水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよ
い)が挙げられる。
エチル基、ブチル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチ
ル基等 (水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよ
い)が挙げられる。
【0011】本発明の有機リン化合物は、前記構造式
のリン化合物と前記構造式の不飽和化合物とを反応さ
せることより製造することができる。式のリン化合物
は、極めて毒性の小さい化合物を出発物質として、公知
の方法で容易に合成することができる。例えば米国特許
第2,648,695 号明細書に記載されているように、アリル
アルコール、β−メタリルアルコール、3−ブテン−1
−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、2−
メチル−3−ブテン−1−オールのような不飽和基含有
アルコールと次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウ
ムのような次亜リン酸塩を2,2−ビス(t−ブチルパー
オキシ)ブタンのような過酸化物を触媒として 130℃で
1時間反応させた後、塩酸で中和することにより合成す
ることができる。
のリン化合物と前記構造式の不飽和化合物とを反応さ
せることより製造することができる。式のリン化合物
は、極めて毒性の小さい化合物を出発物質として、公知
の方法で容易に合成することができる。例えば米国特許
第2,648,695 号明細書に記載されているように、アリル
アルコール、β−メタリルアルコール、3−ブテン−1
−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、2−
メチル−3−ブテン−1−オールのような不飽和基含有
アルコールと次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウ
ムのような次亜リン酸塩を2,2−ビス(t−ブチルパー
オキシ)ブタンのような過酸化物を触媒として 130℃で
1時間反応させた後、塩酸で中和することにより合成す
ることができる。
【0012】式の不飽和化合物として具体例として
は、エチレン、ジメチルエチレン、プロペン、1−ブテ
ン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘ
キセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、シクロヘキセ
ン、イソブチレン、スチレン、アリルベンゼン等が挙げ
られる。
は、エチレン、ジメチルエチレン、プロペン、1−ブテ
ン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘ
キセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、シクロヘキセ
ン、イソブチレン、スチレン、アリルベンゼン等が挙げ
られる。
【0013】本発明の有機リン化合物を製造するに際
し、式のリン化合物と式の不飽和化合物の仕込モル
比は、 0.8〜1.2 が適当であり、好ましくは 0.9〜1.1
、最適には 1.0とするのがよい。
し、式のリン化合物と式の不飽和化合物の仕込モル
比は、 0.8〜1.2 が適当であり、好ましくは 0.9〜1.1
、最適には 1.0とするのがよい。
【0014】本発明の有機リン化合物を短時間で得るた
めには、溶媒を用いることが望ましく、溶媒としては、
例えばメタノール、エタノール、プロパノール、クロロ
ホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ジオキサン及びメチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ペンチル
セロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ヘプチルセロソルブ
などのエチレングリコールエーテル等が挙げられる。溶
媒は、通常、式のリン化合物1モルに対し、1〜20モ
ル、最適には3〜6モルの割合で使用される。
めには、溶媒を用いることが望ましく、溶媒としては、
例えばメタノール、エタノール、プロパノール、クロロ
ホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ジオキサン及びメチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ペンチル
セロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ヘプチルセロソルブ
などのエチレングリコールエーテル等が挙げられる。溶
媒は、通常、式のリン化合物1モルに対し、1〜20モ
ル、最適には3〜6モルの割合で使用される。
【0015】また、反応は、溶媒の沸点以下で、5分〜
10時間、好ましくは2〜6時間行えばよい。
10時間、好ましくは2〜6時間行えばよい。
【0016】さらに、この反応を行うに際し、触媒を用
いることが望ましく、触媒としては、例えばナトリウム
メチラート、ナトリウムエチラート、トリエチルアミン
及び2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンのよう
な過酸化物が挙げられる。
いることが望ましく、触媒としては、例えばナトリウム
メチラート、ナトリウムエチラート、トリエチルアミン
及び2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンのよう
な過酸化物が挙げられる。
【0017】本発明の有機リン化合物は、難燃性ポリエ
ステルの製造原料として好ましく用いられる。例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸
をジカルボン酸成分とし、本発明のリン化合物をジオー
ル成分又はジオール成分の一部として常法によりポリエ
ステルを製造すると、難燃性の良好なポリエステルが容
易に得られる。
ステルの製造原料として好ましく用いられる。例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸
をジカルボン酸成分とし、本発明のリン化合物をジオー
ル成分又はジオール成分の一部として常法によりポリエ
ステルを製造すると、難燃性の良好なポリエステルが容
易に得られる。
【0018】なお、前記式のP−H結合を有する化合
物をそのままポリエステルのジオール成分として用いる
とポリエステルの重合度が上昇しないという問題がある
が、P−H結合を有しない本発明の有機リン化合物の形
にして用いるとこの問題がなく、容易に高重合度のポリ
エステルが得られる。
物をそのままポリエステルのジオール成分として用いる
とポリエステルの重合度が上昇しないという問題がある
が、P−H結合を有しない本発明の有機リン化合物の形
にして用いるとこの問題がなく、容易に高重合度のポリ
エステルが得られる。
【0019】また、本発明の有機リン化合物は、そのま
まあるいはエステル形成性誘導体、さらにはポリエステ
ルオリゴマーやポリマーにした形態で他の汎用ポリエス
テル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートに対する安定剤、難燃剤等の添加剤と
して使用することも可能である。
まあるいはエステル形成性誘導体、さらにはポリエステ
ルオリゴマーやポリマーにした形態で他の汎用ポリエス
テル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートに対する安定剤、難燃剤等の添加剤と
して使用することも可能である。
【0020】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、有機リン化合物の収率は、理論収量に対する
割合を示す。
る。なお、有機リン化合物の収率は、理論収量に対する
割合を示す。
【0021】参考例 アリルアルコール40.5g(0.75モル)、次亜リン酸ナト
リウム79.5g(0.75モル)メタノール150cm3及び2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン3.0cm3を容量500c
m3のオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下で 130℃で
1時間反応させた。これに12規定塩酸100cm3を徐々に滴
下し、滴下終了後、1時間撹拌した後、濃縮し、生じた
白色結晶を濾別し、無色透明の油状物92.5gを得た。濾
別した白色結晶は塩化ナトリウムであり、その量は29.2
gであった。得られた無色透明油状物を赤外線吸収スペ
クトル、13C−NMRスペクトル及び元素分析により分
析したところ、次に示す結果が得られ、式におけるR
1 がトリメチレン基のリン化合物であることが確認され
た。(このリン化合物をP3という。)すなわち、赤外
線吸収スペクトルにおいて、2940cm-1及び2870cm-1にC
H2 に基づく吸収が、2380cm-1にP−Hに基づく吸収
が、1160cm-1にP=0に基づく吸収が、2700cm-1付近に
P−OHに基づくブロートな吸収が、3300cm-1付近にO
Hに基づくブロートな吸収が認められた。また、13C−
NMRスペクトルからは3級炭素の存在は認められなか
った。元素分析の結果は、C=29.1%(理論値29.0
%)、H=7.35%(理論値7.31%)であった。また、上
記の方法に準じて、式におけるR1 がテトラメチレン
基のリン化合物(これをP4という。)及び式におけ
るR1 が2−メチル−テトラメチレン基のリン化合物
(これをP5という。)を製造した。
リウム79.5g(0.75モル)メタノール150cm3及び2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン3.0cm3を容量500c
m3のオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下で 130℃で
1時間反応させた。これに12規定塩酸100cm3を徐々に滴
下し、滴下終了後、1時間撹拌した後、濃縮し、生じた
白色結晶を濾別し、無色透明の油状物92.5gを得た。濾
別した白色結晶は塩化ナトリウムであり、その量は29.2
gであった。得られた無色透明油状物を赤外線吸収スペ
クトル、13C−NMRスペクトル及び元素分析により分
析したところ、次に示す結果が得られ、式におけるR
1 がトリメチレン基のリン化合物であることが確認され
た。(このリン化合物をP3という。)すなわち、赤外
線吸収スペクトルにおいて、2940cm-1及び2870cm-1にC
H2 に基づく吸収が、2380cm-1にP−Hに基づく吸収
が、1160cm-1にP=0に基づく吸収が、2700cm-1付近に
P−OHに基づくブロートな吸収が、3300cm-1付近にO
Hに基づくブロートな吸収が認められた。また、13C−
NMRスペクトルからは3級炭素の存在は認められなか
った。元素分析の結果は、C=29.1%(理論値29.0
%)、H=7.35%(理論値7.31%)であった。また、上
記の方法に準じて、式におけるR1 がテトラメチレン
基のリン化合物(これをP4という。)及び式におけ
るR1 が2−メチル−テトラメチレン基のリン化合物
(これをP5という。)を製造した。
【0022】実施例1 温度計、ガス吹き込み口、撹拌機及び径3cm、長さ30cm
のアリーン冷却管のついた内容積1000cm3 の四つ口フラ
スコにP3のリン化合物86.9gとスチレン72.9g及びエ
チルセロソルブ 315.4gを仕込んだ。ガス吹き込み口か
ら窒素ガスをゆっくり吹き込み、撹拌しながら内容物が
150℃で 120分間撹拌した後、昇温し、さらに 190℃で
8時間反応させた。その後放冷して室温にもどし、生じ
た結晶を濾別し、減圧乾燥して白色結晶を得た。さらに
この結晶をクロロホルム−エタノール混合溶媒から再結
晶した。収率は93.0%であった。この結晶を赤外線吸収
スペクトル及び元素分析により分析したところ、次に示
す結果が得られ、式におけるR1 がトリメチレン基
で、R2 がフェニルエチル基の有機リン化合物であるこ
とが確認された。すなわち、赤外線吸収スペクトルにお
いて、 696cm-1及び 775cm-1に一置換ベンゼンに基づく
吸収が、2940cm-1及び2870cm-1にCH2 に基づく吸収
が、1160cm-1にP=Oに基づく吸収が、2700cm-1付近に
P−OHに基づくブロートな吸収が、3300cm-1付近にO
Hに基づくブロートな吸収が認められた。また、原料の
P−Hに基づく2380cm-1付近の吸収、スチレンの二重結
合に基づく 910cm-1と 995cm-1の吸収は認められなかっ
た。元素分析の結果は、C=57.7%(理論値57.9%)、
H=7.5 %(理論値 7.5%)であった。
のアリーン冷却管のついた内容積1000cm3 の四つ口フラ
スコにP3のリン化合物86.9gとスチレン72.9g及びエ
チルセロソルブ 315.4gを仕込んだ。ガス吹き込み口か
ら窒素ガスをゆっくり吹き込み、撹拌しながら内容物が
150℃で 120分間撹拌した後、昇温し、さらに 190℃で
8時間反応させた。その後放冷して室温にもどし、生じ
た結晶を濾別し、減圧乾燥して白色結晶を得た。さらに
この結晶をクロロホルム−エタノール混合溶媒から再結
晶した。収率は93.0%であった。この結晶を赤外線吸収
スペクトル及び元素分析により分析したところ、次に示
す結果が得られ、式におけるR1 がトリメチレン基
で、R2 がフェニルエチル基の有機リン化合物であるこ
とが確認された。すなわち、赤外線吸収スペクトルにお
いて、 696cm-1及び 775cm-1に一置換ベンゼンに基づく
吸収が、2940cm-1及び2870cm-1にCH2 に基づく吸収
が、1160cm-1にP=Oに基づく吸収が、2700cm-1付近に
P−OHに基づくブロートな吸収が、3300cm-1付近にO
Hに基づくブロートな吸収が認められた。また、原料の
P−Hに基づく2380cm-1付近の吸収、スチレンの二重結
合に基づく 910cm-1と 995cm-1の吸収は認められなかっ
た。元素分析の結果は、C=57.7%(理論値57.9%)、
H=7.5 %(理論値 7.5%)であった。
【0023】実施例2〜7 表1に示したリン化合物と不飽和化合物とを使用し、実
施例1と同様にして本発明の有機リン化合物を製造し
た。得られた有機リン化合物は、目的とするものである
ことが、赤外線吸収スペクトル及び元素分析により確認
された。有機リン化合物の収率を表1に示す。
施例1と同様にして本発明の有機リン化合物を製造し
た。得られた有機リン化合物は、目的とするものである
ことが、赤外線吸収スペクトル及び元素分析により確認
された。有機リン化合物の収率を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】応用例 実施例1で得られた有機リン化合物のエチレングリコー
ル50重量%溶液 5.7kgとテレフタル酸とエチレングリコ
ールとから得られたビス (β−ヒドロキシエチル) テレ
フタレート及びその低重合体47.5kgとを重縮合反応器に
仕込み、触媒として酸成分1モルに対して2×10-4モル
の三酸化アンチモンを加え、 285℃、0.4 トルで3時間
重縮合した。得られたポリエステルは、固有粘度0.69、
融点 240℃、ガラス転移点72℃でポリマー中のリン含有
量は7900ppm であった。得られたポリエステルを紡糸温
度 295℃、紡糸速度1400m/分、吐出量30.7g/分の条
件で溶融紡糸し、引続き 150℃で 2.7倍に延伸・熱処理
した後巻取り、75 d/36fのフィラメント糸を得た。得
られた糸条は、強度4.43g/d、伸度34.5%で、接炎回
数は 5.0回であり、優れた耐炎性を有していた。
ル50重量%溶液 5.7kgとテレフタル酸とエチレングリコ
ールとから得られたビス (β−ヒドロキシエチル) テレ
フタレート及びその低重合体47.5kgとを重縮合反応器に
仕込み、触媒として酸成分1モルに対して2×10-4モル
の三酸化アンチモンを加え、 285℃、0.4 トルで3時間
重縮合した。得られたポリエステルは、固有粘度0.69、
融点 240℃、ガラス転移点72℃でポリマー中のリン含有
量は7900ppm であった。得られたポリエステルを紡糸温
度 295℃、紡糸速度1400m/分、吐出量30.7g/分の条
件で溶融紡糸し、引続き 150℃で 2.7倍に延伸・熱処理
した後巻取り、75 d/36fのフィラメント糸を得た。得
られた糸条は、強度4.43g/d、伸度34.5%で、接炎回
数は 5.0回であり、優れた耐炎性を有していた。
【0026】なお、応用例における特性値の測定法等は
次のとおりである。 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等量混合物を溶媒とし
て、20℃で測定した。リン含有量ケイ光X線法により定
量し、ポリエステルの構成単位に対するリン原子として
の重量割合で示した。 接炎回数 (耐炎性) 糸条を筒編地にし、その1gを長さ10.0cmに丸めて10.0
mm径の針金コイルの中に挿入し、45度の角度に保持し
て、下端からミクロバーナー(口径0.64mm)で点火し、
火源を遠ざけて消火した場合は再び点火を繰り返し、全
試料が燃焼しつくすまでに要する点火回数を求め、5 個
の試料についての点火回数(接炎回数)で表した。
次のとおりである。 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等量混合物を溶媒とし
て、20℃で測定した。リン含有量ケイ光X線法により定
量し、ポリエステルの構成単位に対するリン原子として
の重量割合で示した。 接炎回数 (耐炎性) 糸条を筒編地にし、その1gを長さ10.0cmに丸めて10.0
mm径の針金コイルの中に挿入し、45度の角度に保持し
て、下端からミクロバーナー(口径0.64mm)で点火し、
火源を遠ざけて消火した場合は再び点火を繰り返し、全
試料が燃焼しつくすまでに要する点火回数を求め、5 個
の試料についての点火回数(接炎回数)で表した。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、合成が容易で、難燃性
に優れたポリエステルの製造原料あるいはポリエステル
等に対する安定剤や難燃剤等の添加剤として有用な新規
な有機リン化合物とその製造法が提供される。
に優れたポリエステルの製造原料あるいはポリエステル
等に対する安定剤や難燃剤等の添加剤として有用な新規
な有機リン化合物とその製造法が提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】 次の構造式で表される有機リン化合
物。 【化1】 (式中、R1 は炭素数10以下の2価の脂肪族基、R2 は
炭素数20以下の1価の脂肪族基又は芳香族基を表す。) - 【請求項2】 下記構造式で表されるリン化合物と下
記構造式で表される不飽和化合物とを反応させること
を特徴とする請求項1記載の有機リン化合物の製造法。 【化2】 (式中、R1 は式と同じ基、R3 〜R6 は水素原子、
ハロゲン原子、炭素数20以下の1価の脂肪族基又は芳香
族基を表し、R4 とR5 は環を形成していてもよい。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3481793A JPH06228173A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 有機リン化合物とその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3481793A JPH06228173A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 有機リン化合物とその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06228173A true JPH06228173A (ja) | 1994-08-16 |
Family
ID=12424763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3481793A Pending JPH06228173A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 有機リン化合物とその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06228173A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012507476A (ja) * | 2008-11-05 | 2012-03-29 | クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド | アクロレイン類によるモノヒドロキシ官能化ジアルキルホスフィン酸、そのエステルおよび塩の製造方法ならびにその使用 |
JP2012507475A (ja) * | 2008-11-05 | 2012-03-29 | クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド | アリルアルコールによるモノヒドロキシ官能化ジアルキルホスフィン酸、そのエステルおよび塩の製造方法ならびにその使用 |
JP2012507480A (ja) * | 2008-11-06 | 2012-03-29 | クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド | モノヒドロキシ官能化ジアルキルホスフィン酸、そのエステルおよび塩の製造方法ならびにその使用 |
JP2012510480A (ja) * | 2008-12-02 | 2012-05-10 | クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド | カルボン酸ビニルエステルによるモノヒドロキシ官能化ジアルキルホスフィン酸、そのエステルおよび塩の製造方法ならびにその使用 |
JP2012512194A (ja) * | 2008-12-18 | 2012-05-31 | クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド | エチレンオキシドによるモノヒドロキシ官能化ジアルキルホスフィン酸、そのエステルおよび塩の製造方法ならびにその使用 |
WO2017047096A1 (ja) * | 2015-09-18 | 2017-03-23 | 片山化学工業株式会社 | 単純付加反応 |
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1993
- 1993-01-29 JP JP3481793A patent/JPH06228173A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012507476A (ja) * | 2008-11-05 | 2012-03-29 | クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド | アクロレイン類によるモノヒドロキシ官能化ジアルキルホスフィン酸、そのエステルおよび塩の製造方法ならびにその使用 |
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