JPH0621104B2 - メタクリル酸の抽出分離法 - Google Patents
メタクリル酸の抽出分離法Info
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- JPH0621104B2 JPH0621104B2 JP4280587A JP4280587A JPH0621104B2 JP H0621104 B2 JPH0621104 B2 JP H0621104B2 JP 4280587 A JP4280587 A JP 4280587A JP 4280587 A JP4280587 A JP 4280587A JP H0621104 B2 JPH0621104 B2 JP H0621104B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はイソブチレン、t−ブタノール、イソブチルア
ルデヒド又はメタクロレインから気相接触酸化によりメ
タクリル酸を製造する際に得られる反応生成物の水溶液
から、ポリマー生成促進物質及び不揮発性高沸点物質を
除去し、選択的にメタクリル酸を分離回収する方法に関
するものである。
ルデヒド又はメタクロレインから気相接触酸化によりメ
タクリル酸を製造する際に得られる反応生成物の水溶液
から、ポリマー生成促進物質及び不揮発性高沸点物質を
除去し、選択的にメタクリル酸を分離回収する方法に関
するものである。
(従来の技術) イソブチレン、t−ブタノール、イソブチルアルデヒド
又はメタクロルレインを気相接触酸化して得られるメタ
クリル酸は、通常気相接触酸化反応によって生成した反
応生成ガスをクエンチして又は水に接触させてメタクリ
ル酸の水溶液とし、次いで蒸留でアセトン、メタクロレ
イン等の低沸点物を分離した後、水に難溶性の有機溶媒
で抽出して大部分の水や酢酸を除いた後、蒸留によって
有機溶媒とメタクリル酸を分離している。この際、メタ
クリル酸の抽出溶媒としては、芳香族類(特公昭41−
21018)、脂肪族・脂環式炭化水素類(特公昭56
−52007)、エステル類と炭化水素類との混合用媒
(特公昭49−41413、特公昭55−27894、特公昭
58−29935)、ケトン類と炭化水素類との混合溶媒
(特公昭55−34784)等を使用する方法がある。
又はメタクロルレインを気相接触酸化して得られるメタ
クリル酸は、通常気相接触酸化反応によって生成した反
応生成ガスをクエンチして又は水に接触させてメタクリ
ル酸の水溶液とし、次いで蒸留でアセトン、メタクロレ
イン等の低沸点物を分離した後、水に難溶性の有機溶媒
で抽出して大部分の水や酢酸を除いた後、蒸留によって
有機溶媒とメタクリル酸を分離している。この際、メタ
クリル酸の抽出溶媒としては、芳香族類(特公昭41−
21018)、脂肪族・脂環式炭化水素類(特公昭56
−52007)、エステル類と炭化水素類との混合用媒
(特公昭49−41413、特公昭55−27894、特公昭
58−29935)、ケトン類と炭化水素類との混合溶媒
(特公昭55−34784)等を使用する方法がある。
(発明が解決しようとする問題点) 気相接触酸化反応生成ガスをクエンチして又は水に接触
させて得られるメタクリル酸を主成分とする酸化生成物
水溶液中には、ポリマー生成促進物質(以下ポリマー要
因物質と略称する)や、メタクロレインやメタクリル酸
由来の種々のポリマー及び高分子タール状の不揮発性高
沸点物質(これらをまとめて以下不揮発性物質と略称す
る)が溶存しており、これら物質が要因して、メタクリ
ル酸の抽出操作時にメタクリル酸抽出能の高い抽出溶媒
を用いると抽出塔内や界面制御部に多量の不溶解固形物
質(以下スカムと略称する)が蓄積してきて、安定した
長期運転を困難にしてしまう。またこれらの溶存ポリマ
ー要因物質や不揮発発生物質の問題は次の蒸留工程にお
いても悪影響を及ぼすものである。すなわち、メタクリ
ル酸と共に抽出された溶存ポリマー要因物質及び不揮発
性物質は、蒸留塔内においてメタクリル酸のポリマー化
を促進させるとともに、蒸留の進行に伴ってこれら不揮
発性物質は蒸留塔内及び/又はリボイラー内部に蓄積又
は沈着してきて、長期間においては蒸留塔の正常な運転
を妨げる結果になる。これらの問題解決の為の有効な方
法は未だ提案されていない。
させて得られるメタクリル酸を主成分とする酸化生成物
水溶液中には、ポリマー生成促進物質(以下ポリマー要
因物質と略称する)や、メタクロレインやメタクリル酸
由来の種々のポリマー及び高分子タール状の不揮発性高
沸点物質(これらをまとめて以下不揮発性物質と略称す
る)が溶存しており、これら物質が要因して、メタクリ
ル酸の抽出操作時にメタクリル酸抽出能の高い抽出溶媒
を用いると抽出塔内や界面制御部に多量の不溶解固形物
質(以下スカムと略称する)が蓄積してきて、安定した
長期運転を困難にしてしまう。またこれらの溶存ポリマ
ー要因物質や不揮発発生物質の問題は次の蒸留工程にお
いても悪影響を及ぼすものである。すなわち、メタクリ
ル酸と共に抽出された溶存ポリマー要因物質及び不揮発
性物質は、蒸留塔内においてメタクリル酸のポリマー化
を促進させるとともに、蒸留の進行に伴ってこれら不揮
発性物質は蒸留塔内及び/又はリボイラー内部に蓄積又
は沈着してきて、長期間においては蒸留塔の正常な運転
を妨げる結果になる。これらの問題解決の為の有効な方
法は未だ提案されていない。
(問題点を解決する為の手段) 本発明者らはかかる問題を解決するために鋭意検討した
結果、気相接触酸化反応生成ガスをクエンチして又は水
に接触させて得たメタクリル酸水溶液から、特定の芳香
族炭化水素と脂肪族炭化水素各溶媒を定められた割合で
混合した混合溶媒を用いてメタクリル酸を選択的に抽出
し他方ポリマー要因物質及び不揮発性物質を抽残水相に
残すことにより、抽出工程及び蒸留工程におけるスカム
や不揮発性物質の蓄積や沈着を防止しつつ、同時に経済
性にも優れたメタクリル酸の分離回収方法を完成した。
結果、気相接触酸化反応生成ガスをクエンチして又は水
に接触させて得たメタクリル酸水溶液から、特定の芳香
族炭化水素と脂肪族炭化水素各溶媒を定められた割合で
混合した混合溶媒を用いてメタクリル酸を選択的に抽出
し他方ポリマー要因物質及び不揮発性物質を抽残水相に
残すことにより、抽出工程及び蒸留工程におけるスカム
や不揮発性物質の蓄積や沈着を防止しつつ、同時に経済
性にも優れたメタクリル酸の分離回収方法を完成した。
即ち、本発明は、イソブチレン、t−ブタノール、イソ
ブチルアルデヒド又はメタクロレインを気相接触酸化
し、この生成ガスをクエンチして又は水に接触させて得
られる。メタクリル酸20〜45重量%、ポリマー生成
促進物質及び不揮発性高沸点物質0.5〜5重量%含有
するメタクリル酸水溶液から、ベンゼン、トルエン、キ
シレンから選ばれた芳香族炭化水素を20〜70重量%
含む、該芳香族炭化水素とn−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタンから選ばれた脂肪族炭化水素との混合
溶媒を用いて、メタクリル酸を選択的に抽出することを
特徴とするメタクリル酸の抽出分離法に関する。
ブチルアルデヒド又はメタクロレインを気相接触酸化
し、この生成ガスをクエンチして又は水に接触させて得
られる。メタクリル酸20〜45重量%、ポリマー生成
促進物質及び不揮発性高沸点物質0.5〜5重量%含有
するメタクリル酸水溶液から、ベンゼン、トルエン、キ
シレンから選ばれた芳香族炭化水素を20〜70重量%
含む、該芳香族炭化水素とn−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタンから選ばれた脂肪族炭化水素との混合
溶媒を用いて、メタクリル酸を選択的に抽出することを
特徴とするメタクリル酸の抽出分離法に関する。
イソブチレン、t−ブタノール、イソブチルアルデヒド
又はメタクロレインの気相接触化反応生成ガスをクエン
チして又は水に接触させて得られるメタクエン酸水溶液
は通常メタクリル酸20〜45重量%、酢酸1〜10重
量%、アクリル酸0.1〜1重量%、メタクロレイン1
〜6重量%、アセトン0.02〜5重量%、ポリマー要因物
質及び不揮発性物質0.5〜5重量%含有している。こ
のメタクリル酸水溶液はそのまま抽出工程に送ってもよ
いが、アセトン、メタクロレイン等の低沸点物を除去し
た後抽出工程に送ってもよい。
又はメタクロレインの気相接触化反応生成ガスをクエン
チして又は水に接触させて得られるメタクエン酸水溶液
は通常メタクリル酸20〜45重量%、酢酸1〜10重
量%、アクリル酸0.1〜1重量%、メタクロレイン1
〜6重量%、アセトン0.02〜5重量%、ポリマー要因物
質及び不揮発性物質0.5〜5重量%含有している。こ
のメタクリル酸水溶液はそのまま抽出工程に送ってもよ
いが、アセトン、メタクロレイン等の低沸点物を除去し
た後抽出工程に送ってもよい。
本発明においては、メタクリル酸の抽出溶液として芳香
族炭化水素と脂肪族炭化水素との混合溶媒を使用する。
この場合における芳香族炭化水素とは、ベンゼン、トル
エン、キシレンの三種から選ばれたものであり、一種だ
け用いても、又、二種以上併用してもよい。
族炭化水素と脂肪族炭化水素との混合溶媒を使用する。
この場合における芳香族炭化水素とは、ベンゼン、トル
エン、キシレンの三種から選ばれたものであり、一種だ
け用いても、又、二種以上併用してもよい。
又、脂肪族炭化水素とはn−ヘキサン、n−ヘプタン、
n−オクタンの三種から選ばれたものであり一種だけ用
いても、又、二種以上併用してもよい。
n−オクタンの三種から選ばれたものであり一種だけ用
いても、又、二種以上併用してもよい。
更に、これら芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素との混合
割合は、混合溶媒中の芳香族炭化水素の濃度が20〜7
0重量%となる割合であるが、特に芳香族炭化水素を4
0〜60重量%含む混合溶媒が好ましい。
割合は、混合溶媒中の芳香族炭化水素の濃度が20〜7
0重量%となる割合であるが、特に芳香族炭化水素を4
0〜60重量%含む混合溶媒が好ましい。
芳香族炭化水素を単独でメタクリル酸抽出溶媒に使用し
た場合には、メタクリル酸の抽出力は強く好ましいが、
同時にポリマー要因物質及び不揮発性物質の抽出力も比
較的強くなり不都合な結果となる。
た場合には、メタクリル酸の抽出力は強く好ましいが、
同時にポリマー要因物質及び不揮発性物質の抽出力も比
較的強くなり不都合な結果となる。
又、脂肪族炭化水素を単族で使用した場合にはメタクリ
ル酸の抽出力が極めて弱く、従つてプロセスの経済性が
すこぶる悪くなる。
ル酸の抽出力が極めて弱く、従つてプロセスの経済性が
すこぶる悪くなる。
しかるに本発明の如き混合溶媒を使用した場合、経済的
な溶媒使用量においてメタクリル酸の抽出率を充分高く
保つことができ、かつ種々なトラブルの原因となるポリ
マー要因物質及び不揮発性物質の抽出率を必要なまでに
低く抑えることが可能である。
な溶媒使用量においてメタクリル酸の抽出率を充分高く
保つことができ、かつ種々なトラブルの原因となるポリ
マー要因物質及び不揮発性物質の抽出率を必要なまでに
低く抑えることが可能である。
又、メタクリル酸の抽出率と抽出塔界面におけるスカム
発生量とは相関性がみられ、メタクリル酸の抽出率が高
すぎるとカラム発生量が多くなる。
発生量とは相関性がみられ、メタクリル酸の抽出率が高
すぎるとカラム発生量が多くなる。
この理由は、メタクリル酸抽出率が高すぎる場合には、
スカムを溶媒する成分の多くが抽出溶媒に抽出されてし
まう為に抽出塔の水相にスカムが溶解し切れずに析出
し、これが界面に蓄積してくるものと考える事ができ
る。
スカムを溶媒する成分の多くが抽出溶媒に抽出されてし
まう為に抽出塔の水相にスカムが溶解し切れずに析出
し、これが界面に蓄積してくるものと考える事ができ
る。
このスカム発生量についても、本発明の混合溶媒を使用
する事により、従来に比べて大幅に減少している。
する事により、従来に比べて大幅に減少している。
抽出法としては回分抽出、連続向流抽出等任意な方法を
採用できるが、工業的には連続向流抽出が有利である。
採用できるが、工業的には連続向流抽出が有利である。
抽出温度は通常10〜50℃であり、常温付近で何ら差
し支えない。
し支えない。
抽出装置としては充填塔、多孔板塔、回転円板抽出塔等
が使用できるが、これらの中では回転円板抽出塔が特に
適当と考えられる。
が使用できるが、これらの中では回転円板抽出塔が特に
適当と考えられる。
かくして得られたメタクリル酸抽出液は、ポリマー要因
物質及び不揮発性物質量が著るしく少ないものである。
物質及び不揮発性物質量が著るしく少ないものである。
この抽出液は通常次に溶剤分離塔に送られ、塔頂から溶
媒や酢酸その他の低沸点成分を分離し、塔底から粗メタ
クリル酸が得られる。溶剤分離塔は通常高温で操作され
るため、メタクリル酸の重合防止剤が添加されるが普通
である。前記した如く、本発明の場合抽出液中のリマー
要因物質及び不揮発性物質の含量が著しく少ない為、蒸
留塔内でのポリマー生成はほとんど見られず、従って粗
メタクリル酸中の不揮発性物質濃度を充分低く保つこと
ができることになり、蒸留塔内及び/又はリボイラー内
への不揮発性物質の蓄積又は沈着の防止を可能ならしめ
るものである。
媒や酢酸その他の低沸点成分を分離し、塔底から粗メタ
クリル酸が得られる。溶剤分離塔は通常高温で操作され
るため、メタクリル酸の重合防止剤が添加されるが普通
である。前記した如く、本発明の場合抽出液中のリマー
要因物質及び不揮発性物質の含量が著しく少ない為、蒸
留塔内でのポリマー生成はほとんど見られず、従って粗
メタクリル酸中の不揮発性物質濃度を充分低く保つこと
ができることになり、蒸留塔内及び/又はリボイラー内
への不揮発性物質の蓄積又は沈着の防止を可能ならしめ
るものである。
得られた粗メタクリル酸は通常さらに精製されて工業用
メタクリル酸となり、又はメタノールでエステル化され
てメタクリル酸メチルとなる。
メタクリル酸となり、又はメタノールでエステル化され
てメタクリル酸メチルとなる。
次に第1図により、本発明の一例を具体的に説明する。
イソブチレン、t−ブタノール等の気相接触酸化反応生
成ガスをクエンチして得られる、メタクロレイン等低沸
点成分を除去した後のメタクリル酸水溶液を管1にてメ
タクリル酸抽出塔2の上部に送入する。一方管3から、
本発明による混合溶媒を送入してメタクリル酸の抽出を
行なう。メタクリル酸は混合溶媒により抽出され、管4
を通り次の溶剤分離塔6に入る。
成ガスをクエンチして得られる、メタクロレイン等低沸
点成分を除去した後のメタクリル酸水溶液を管1にてメ
タクリル酸抽出塔2の上部に送入する。一方管3から、
本発明による混合溶媒を送入してメタクリル酸の抽出を
行なう。メタクリル酸は混合溶媒により抽出され、管4
を通り次の溶剤分離塔6に入る。
一方、ほとんど全部のポリマー要因物質及び不揮発性物
質は水と共に管5より排出される。塔6においては、溶
媒、水、酢酸等の低沸点成分が塔頂から分離された管7
を通ってデカンター8に入る。ここで水相と油相が分離
され、水相は管9を通り抜出される。油相は一部が管1
0を通り塔6の還流として使われ、他は管3を通り塔2
の塔底部に送られて溶媒として循環使用される。
質は水と共に管5より排出される。塔6においては、溶
媒、水、酢酸等の低沸点成分が塔頂から分離された管7
を通ってデカンター8に入る。ここで水相と油相が分離
され、水相は管9を通り抜出される。油相は一部が管1
0を通り塔6の還流として使われ、他は管3を通り塔2
の塔底部に送られて溶媒として循環使用される。
塔6の塔底からはポリマー等の不揮発性物質をほとんど
含まぬ粗メタクリル酸が管11を通って回収される。
含まぬ粗メタクリル酸が管11を通って回収される。
(実施例) 次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1 リン−モリブデン系の酸化触媒を用いてメタクロレイン
を空気、水蒸気の存在下で気相接触酸化し、得られた酸
化反応生成物をクエンチして回収した後、低沸点である
アルデヒド、ケトン類を蒸留で除去し、メタクリル酸3
0.0wt%、酢酸5.2wt%、アクリル酸0.4wt%、
ポリマー要因物質及び不揮発性物質2.2wt%、水6
0.5wt%、その他1.7wt%を含有するメタクリル酸
水溶液を得た。この水溶液を第1図のメタクリル酸抽出
塔に管1から3.0kg/HRの流量で送入した。メタクリ
ル酸抽出塔は内径50mm、円板86枚を有する回転円板
抽出塔であり、回転数700rpm室温で操作した。抽出
溶媒としては、トルエン50wt%、n−ヘプタン50wt
%の混合溶媒とし、流量3.0Kg/HRで管3より抽出塔
下部に送入した。定常運転における抽出液組成は、メタ
クリル酸22.5wt%、酢酸1.2wt%、アクリル酸
0.23wt%、ポリマー要因物質及び不揮発性物質0.
02wt%、その他76.05wt%でありその流量は3.
95Kg/HRであった。又、管5から排出される抽残液の
組成はメタクリル酸0.40wt%、酢酸5.2wt%、ア
クリル酸0.2wt%、ポリマー要因物質及び不揮発性物
質3.4wt%、その他90.8wt%でありその流量は
2.1Kg/HRであった。
を空気、水蒸気の存在下で気相接触酸化し、得られた酸
化反応生成物をクエンチして回収した後、低沸点である
アルデヒド、ケトン類を蒸留で除去し、メタクリル酸3
0.0wt%、酢酸5.2wt%、アクリル酸0.4wt%、
ポリマー要因物質及び不揮発性物質2.2wt%、水6
0.5wt%、その他1.7wt%を含有するメタクリル酸
水溶液を得た。この水溶液を第1図のメタクリル酸抽出
塔に管1から3.0kg/HRの流量で送入した。メタクリ
ル酸抽出塔は内径50mm、円板86枚を有する回転円板
抽出塔であり、回転数700rpm室温で操作した。抽出
溶媒としては、トルエン50wt%、n−ヘプタン50wt
%の混合溶媒とし、流量3.0Kg/HRで管3より抽出塔
下部に送入した。定常運転における抽出液組成は、メタ
クリル酸22.5wt%、酢酸1.2wt%、アクリル酸
0.23wt%、ポリマー要因物質及び不揮発性物質0.
02wt%、その他76.05wt%でありその流量は3.
95Kg/HRであった。又、管5から排出される抽残液の
組成はメタクリル酸0.40wt%、酢酸5.2wt%、ア
クリル酸0.2wt%、ポリマー要因物質及び不揮発性物
質3.4wt%、その他90.8wt%でありその流量は
2.1Kg/HRであった。
この場合メタクリル酸の抽出率は99.1%で、実用上
満足できる値であり、又、ポリマー要因物質及び不揮発
性物質の抽質率は1.1%と充分低い値が得られた。得
られた抽出液は管4を通り溶剤分離塔6に送られた。
満足できる値であり、又、ポリマー要因物質及び不揮発
性物質の抽質率は1.1%と充分低い値が得られた。得
られた抽出液は管4を通り溶剤分離塔6に送られた。
溶剤分離塔は内径72mで、グッドロールパツキング
2.4mの充填塔を使用した。操作圧力50toorで還流
比1.0で運転した。溶媒その他の低沸点成分は塔頂か
ら回収され管3にて超出塔2にリサイクルした。塔底か
らは粗メタクリル酸が管11から得られ、その組成はメ
タクリル酸98.75wt%、アクリル酸0.9wt%、ポリマ
ー要因物質及び不揮発性物質0.15wt%、その他0.
2wt%であった。
2.4mの充填塔を使用した。操作圧力50toorで還流
比1.0で運転した。溶媒その他の低沸点成分は塔頂か
ら回収され管3にて超出塔2にリサイクルした。塔底か
らは粗メタクリル酸が管11から得られ、その組成はメ
タクリル酸98.75wt%、アクリル酸0.9wt%、ポリマ
ー要因物質及び不揮発性物質0.15wt%、その他0.
2wt%であった。
この液は透明であり、ポリマー等の固形微粒子は全く見
られず、すこぶる良好な液性であった。抽出塔と蒸留塔
の組合せ運転は5日間実施したが、運転後における抽出
塔界面のスカムは2〜3mm厚さで少なく、又蒸留塔リボ
イラー内面へのポリマー等の固形物付着による汚れはみ
られなかった。
られず、すこぶる良好な液性であった。抽出塔と蒸留塔
の組合せ運転は5日間実施したが、運転後における抽出
塔界面のスカムは2〜3mm厚さで少なく、又蒸留塔リボ
イラー内面へのポリマー等の固形物付着による汚れはみ
られなかった。
実施例2 抽出溶媒としてベンゼン50wt%、n−ヘブタン50wt
%の混合溶媒を用い、その他は実施例1と全く同じ条件
で抽出塔と溶剤分離塔の運転を実施した。得られた抽出
液組成はメタクリル酸22.6wt%、酢酸1.3wt%、アク
リル酸0.25wt%、ポリマー要因物質及び不揮発性物
質0.03wt%、その他75.8wt%でありその流量は
3.95Kg/HRであった。油残液組成はメタクリル酸
0.35wt%、ポリマー要因物質及び不揮発性物質3.
4wt%、その他96.25wt%でありその流量は2.0
5Kg/HRであった。この場合メタクリル酸の抽出率は99.
2%、ポリマー要因物質及び不揮発性物質の抽出率は
1.7%で、各々充分満足できる値であった。
%の混合溶媒を用い、その他は実施例1と全く同じ条件
で抽出塔と溶剤分離塔の運転を実施した。得られた抽出
液組成はメタクリル酸22.6wt%、酢酸1.3wt%、アク
リル酸0.25wt%、ポリマー要因物質及び不揮発性物
質0.03wt%、その他75.8wt%でありその流量は
3.95Kg/HRであった。油残液組成はメタクリル酸
0.35wt%、ポリマー要因物質及び不揮発性物質3.
4wt%、その他96.25wt%でありその流量は2.0
5Kg/HRであった。この場合メタクリル酸の抽出率は99.
2%、ポリマー要因物質及び不揮発性物質の抽出率は
1.7%で、各々充分満足できる値であった。
抽出液は引続き溶剤分離塔に送られ、塔底からメタクリ
ル酸98.7wt%、アクリル酸0.9wt%、ポリマー要
因物質及び不揮発性物質0.2wt%、その他0.2wt%
の粗メタクリル酸が得られた。液性は実施例1と同様で
すこぶる良好であった。
ル酸98.7wt%、アクリル酸0.9wt%、ポリマー要
因物質及び不揮発性物質0.2wt%、その他0.2wt%
の粗メタクリル酸が得られた。液性は実施例1と同様で
すこぶる良好であった。
5日間運転後、抽出塔界面でのスカム厚さは2〜3mmで
あり何ら支障なく操作できた。
あり何ら支障なく操作できた。
又、蒸留塔リボイラー内面及び塔内にはポリマー等固形
物の付着はみられず満足した運転が実施できた。
物の付着はみられず満足した運転が実施できた。
実施例3 抽出溶媒としてキシレン50wt%、n−ヘキサン50wt
%の混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様にして運転
を実施したところ、実施例1の同様の満足した結果が得
られた。
%の混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様にして運転
を実施したところ、実施例1の同様の満足した結果が得
られた。
実施例4 抽出溶媒としてトルエン50wt%、n−オクタン50wt
%の混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様にして運転
を実施したところ、実施例1と同様の満足した結果が得
られた。
%の混合溶媒を用いた以外は実施例1と同様にして運転
を実施したところ、実施例1と同様の満足した結果が得
られた。
実施例5 メタクロレインの気相接触酸化生成ガスをクエンチして
得たメタクリル酸水溶液の代りにイソブチレン、t−ブ
タノール又はイソブチルアルデヒドの気相接触酸化をク
エンチして得たメタクリル酸水溶液を用い、その他は実
施例1と同様にして運転を実施したところ、いずれの場
合も実施例1と同様に満足した結果が得られた。
得たメタクリル酸水溶液の代りにイソブチレン、t−ブ
タノール又はイソブチルアルデヒドの気相接触酸化をク
エンチして得たメタクリル酸水溶液を用い、その他は実
施例1と同様にして運転を実施したところ、いずれの場
合も実施例1と同様に満足した結果が得られた。
比較例1 抽出溶媒としてトルエンを用い、その他は実施例1と全
く同じ条件で抽出塔と溶剤分離塔の運転を実施した。得
られた抽出液の組成はメタクリル酸22.6wt%、酢酸
1.5wt%、アクリル酸0.3wt%、ポリマー要因物質
及び不揮発性物執0.15wt%、その他75.45wt%
でありその流量は3.97Kg/HRであった。抽残液の組成は
メタクリル酸0.25wt%、ポリマー要因物質及び不揮
発性物質3.2wt%、その他96.55wt%であり、そ
の流量は2.0Kg/HRであった。
く同じ条件で抽出塔と溶剤分離塔の運転を実施した。得
られた抽出液の組成はメタクリル酸22.6wt%、酢酸
1.5wt%、アクリル酸0.3wt%、ポリマー要因物質
及び不揮発性物執0.15wt%、その他75.45wt%
でありその流量は3.97Kg/HRであった。抽残液の組成は
メタクリル酸0.25wt%、ポリマー要因物質及び不揮
発性物質3.2wt%、その他96.55wt%であり、そ
の流量は2.0Kg/HRであった。
この場合メタクリル酸の抽出率は99.5%と良好であ
ったが、ポリマー要因物質及び不揮発性物質の抽出率は
8.5%と高すぎる値を示した。抽出塔界面のスカムも
多く、小粒のスカムが時々抽出液に混って同伴すること
があった。この抽出液は引続いて溶剤分離塔に送られ、
塔底からメタクリル酸97.6wt%、アクリル酸1.
3wt%、ポリマー要因物質及び不揮発性物質0.85wt
%、その他0.25wt%の組成を有する粗メタクリル酸
を得た。
ったが、ポリマー要因物質及び不揮発性物質の抽出率は
8.5%と高すぎる値を示した。抽出塔界面のスカムも
多く、小粒のスカムが時々抽出液に混って同伴すること
があった。この抽出液は引続いて溶剤分離塔に送られ、
塔底からメタクリル酸97.6wt%、アクリル酸1.
3wt%、ポリマー要因物質及び不揮発性物質0.85wt
%、その他0.25wt%の組成を有する粗メタクリル酸
を得た。
この粗メタクリル酸中には微量の白色微粒子が存在して
いた。運転は5日間行ったが、抽出塔界面のスカム層の
厚さは5〜10mmであり、実施例1よりかなり多かっ
た。又蒸留塔リボイラー内面にはうすい膜状の白色付着
物(メタクリル酸のポリマーが主成分)がみられ、その
為に伝熱能力を低下させていた。
いた。運転は5日間行ったが、抽出塔界面のスカム層の
厚さは5〜10mmであり、実施例1よりかなり多かっ
た。又蒸留塔リボイラー内面にはうすい膜状の白色付着
物(メタクリル酸のポリマーが主成分)がみられ、その
為に伝熱能力を低下させていた。
比較例2 抽出溶媒としてn−ヘプタンを用い、その他は実施例1
と全く同じ条件で運転を実施した。
と全く同じ条件で運転を実施した。
得られた抽出液の組成はメタクリル酸22.1wt%、酢
酸0.8wt%、アクリル酸0.15wt%、ポリマー要因
物質及び不揮発性物質0.01wt%、その他76.94
wt%でありその流量は3.90Kg/HRであった。抽残液
の組成はメタクリル酸1.70wt%、ポリマー要因物質
及び不揮発性物質3.30wt%、その他95.0wt%で
ありその流量は2.15Kg/HRであった。この場合ポリ
マー要因物質及び不揮発性物質の抽出率は0.5%と低
く好ましかったが、主成分であるメタクリル酸の抽出率
が96.0%と非常に低すぎて、このままでは実用にな
らない事がわかった。
酸0.8wt%、アクリル酸0.15wt%、ポリマー要因
物質及び不揮発性物質0.01wt%、その他76.94
wt%でありその流量は3.90Kg/HRであった。抽残液
の組成はメタクリル酸1.70wt%、ポリマー要因物質
及び不揮発性物質3.30wt%、その他95.0wt%で
ありその流量は2.15Kg/HRであった。この場合ポリ
マー要因物質及び不揮発性物質の抽出率は0.5%と低
く好ましかったが、主成分であるメタクリル酸の抽出率
が96.0%と非常に低すぎて、このままでは実用にな
らない事がわかった。
次にメタクリル酸の抽出率向上の為、n−ヘプタンの流
量のみ6.0Kg/HRと2倍にし、他はそのままとして運
転した。得られた抽出液の組成はメタクリル酸12.8
wt%、酢酸0.56wt%、アクリル酸0.1wt%、ポリ
マー要因物質及び不揮発性物質0.01wt%、その他8
6.53wt%でありその流量は6.94Kg/HRであっ
た。
量のみ6.0Kg/HRと2倍にし、他はそのままとして運
転した。得られた抽出液の組成はメタクリル酸12.8
wt%、酢酸0.56wt%、アクリル酸0.1wt%、ポリ
マー要因物質及び不揮発性物質0.01wt%、その他8
6.53wt%でありその流量は6.94Kg/HRであっ
た。
抽残液の組成はメタクリル酸0.43wt%、ポリマー要
因物質及び不揮発性物質3.2wt%、その他96.37
%でありその流量は2.1Kg/Hであった。この場合メタ
クリル酸の抽出率は99.0%、ポリマー要因物質及び
不揮発性物質の抽出率は1.0%であり満足できるもの
であるが、抽出溶媒の使用量が2倍と多く、やはり実用
性に欠けることが証明された。
因物質及び不揮発性物質3.2wt%、その他96.37
%でありその流量は2.1Kg/Hであった。この場合メタ
クリル酸の抽出率は99.0%、ポリマー要因物質及び
不揮発性物質の抽出率は1.0%であり満足できるもの
であるが、抽出溶媒の使用量が2倍と多く、やはり実用
性に欠けることが証明された。
(発明の効果) 以上の如く、本発明による混合溶媒を用いてメタクリル
酸水溶液よりメタクリル酸の抽出を行なえば、メタクリ
ル酸を高選択的かつ経済的に抽出が可能になり、さらに
抽出、蒸留各工程においてポリマー等不揮発性物質の蓄
積や沈着を防止できて長期安定運転が可能となる。
酸水溶液よりメタクリル酸の抽出を行なえば、メタクリ
ル酸を高選択的かつ経済的に抽出が可能になり、さらに
抽出、蒸留各工程においてポリマー等不揮発性物質の蓄
積や沈着を防止できて長期安定運転が可能となる。
第1図は本発明方法の一実施態様を示すフローシートで
ある。 2……メタクリル酸抽出塔 6……溶剤分離塔 8……デカンター(相分離器)
ある。 2……メタクリル酸抽出塔 6……溶剤分離塔 8……デカンター(相分離器)
Claims (1)
- 【請求項1】イソブチレン、t−ブタノール、イソブチ
ルアルデヒド又はメタクロレインを気相接触酸化し、こ
の生成ガスをクエンチして又は水に接触させて得られ
る、メタクリル酸20〜45重量%、ポリマー生成促進
物質及び不揮発性高沸点物質から、0.5〜5重量%含
有するメタクリル酸水溶液から、ベンゼン、トルエン、
キシレンから選ばれた芳香族炭化水素を20〜70重量
%含む、該芳香族炭化水素とn−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタンから選ばれた脂肪族炭化水素との混合
溶媒を用いて、メタクリル酸を選択的に抽出することを
特徴とするメタクリル酸の抽出分離法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4280587A JPH0621104B2 (ja) | 1987-02-27 | 1987-02-27 | メタクリル酸の抽出分離法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4280587A JPH0621104B2 (ja) | 1987-02-27 | 1987-02-27 | メタクリル酸の抽出分離法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63211249A JPS63211249A (ja) | 1988-09-02 |
JPH0621104B2 true JPH0621104B2 (ja) | 1994-03-23 |
Family
ID=12646177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4280587A Expired - Lifetime JPH0621104B2 (ja) | 1987-02-27 | 1987-02-27 | メタクリル酸の抽出分離法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0621104B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007074827A1 (ja) | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | メタクリル酸の抽出方法 |
JP5386847B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2014-01-15 | 三菱化学株式会社 | アクリル酸の製造方法 |
JP5504668B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2014-05-28 | 三菱化学株式会社 | (メタ)アクリル酸の製造方法 |
-
1987
- 1987-02-27 JP JP4280587A patent/JPH0621104B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63211249A (ja) | 1988-09-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |