JPH06209646A - 人工培土 - Google Patents
人工培土Info
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- JPH06209646A JPH06209646A JP50A JP2355993A JPH06209646A JP H06209646 A JPH06209646 A JP H06209646A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 2355993 A JP2355993 A JP 2355993A JP H06209646 A JPH06209646 A JP H06209646A
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- JP
- Japan
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- water
- binder
- hardness
- fibers
- weight
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い保水性と適当な硬さ、及び通気性を長期
間維持することができる人工培土を提供する。 【構成】 ロックウール等の無機繊維を粉砕して好まし
くは平均繊維長50〜200μmに調製し、結合剤を好
ましくは上記粉砕物100重量部に対して固形分換算で
1〜10重量部となるように添加し、粒状又は塊状に成
形して、結合剤を乾燥又は硬化し、木屋式測定法による
硬さが1〜10kg、重量当たりの吸水率が10〜30
0%である造粒物を得る。
間維持することができる人工培土を提供する。 【構成】 ロックウール等の無機繊維を粉砕して好まし
くは平均繊維長50〜200μmに調製し、結合剤を好
ましくは上記粉砕物100重量部に対して固形分換算で
1〜10重量部となるように添加し、粒状又は塊状に成
形して、結合剤を乾燥又は硬化し、木屋式測定法による
硬さが1〜10kg、重量当たりの吸水率が10〜30
0%である造粒物を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工培土に関し、特
に、高い保水性を必要とする砂地、乾燥地、切通し面、
屋上庭園あるいはゴルフ場などに用いられる人工培土に
関する。
に、高い保水性を必要とする砂地、乾燥地、切通し面、
屋上庭園あるいはゴルフ場などに用いられる人工培土に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、砂地、乾燥地、切通し面、屋上庭
園あるいはゴルフ場など、通気性が高く保水性が低い所
で植物を成育させるため、人工培土を用いることが行わ
れている。従来、人工培土の材料としては、保水性を高
めるために、バーク(木の皮)などの植物繊維や、珪藻
土、ゼオライトなどを造粒し焼成した無機の多孔質体が
用いられており、また、保水性の良い天然の土を混ぜる
ことも行われている。
園あるいはゴルフ場など、通気性が高く保水性が低い所
で植物を成育させるため、人工培土を用いることが行わ
れている。従来、人工培土の材料としては、保水性を高
めるために、バーク(木の皮)などの植物繊維や、珪藻
土、ゼオライトなどを造粒し焼成した無機の多孔質体が
用いられており、また、保水性の良い天然の土を混ぜる
ことも行われている。
【0003】また、特開昭60−251820号には、
無機繊維と無機粉末との混合物を製粒してなる人工培土
が開示されている。この公報によれば、無機繊維として
は、繊維長10mm以下、特には1mm以下のものが適
当であり、無機粉末としては、粒径200μm以下のも
のが適当であるとされている。
無機繊維と無機粉末との混合物を製粒してなる人工培土
が開示されている。この公報によれば、無機繊維として
は、繊維長10mm以下、特には1mm以下のものが適
当であり、無機粉末としては、粒径200μm以下のも
のが適当であるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、人工培土にお
いては、保水性に重点が置かれるが、単に保水性を高め
るだけでは植物の成育は安定せず、根を支えるに充分な
硬さと、根の近傍へ酸素を安定して供給するため、良好
な通気性が必要であり、しかも長期にわたってこれらの
性能が維持されることが必要である。
いては、保水性に重点が置かれるが、単に保水性を高め
るだけでは植物の成育は安定せず、根を支えるに充分な
硬さと、根の近傍へ酸素を安定して供給するため、良好
な通気性が必要であり、しかも長期にわたってこれらの
性能が維持されることが必要である。
【0005】しかしながら、従来より人工培土の材料と
されているものにおいて、植物繊維は、軽量で柔らかい
ため根を保持する力が少なく、かつ、数年で腐敗してし
まうため効果が持続しないという問題があった。また、
珪藻土などの無機の多孔質体は、価格が高いという問題
の他、保水性の高いものは柔らかく壊れやすく、硬いも
のは保水性が低いという問題を有していた。更に、保水
性の良い土を添加する方法では、添加した土が時間の経
過とともに微粒化し、通気性が悪化して、効果が持続し
ないという問題があった。
されているものにおいて、植物繊維は、軽量で柔らかい
ため根を保持する力が少なく、かつ、数年で腐敗してし
まうため効果が持続しないという問題があった。また、
珪藻土などの無機の多孔質体は、価格が高いという問題
の他、保水性の高いものは柔らかく壊れやすく、硬いも
のは保水性が低いという問題を有していた。更に、保水
性の良い土を添加する方法では、添加した土が時間の経
過とともに微粒化し、通気性が悪化して、効果が持続し
ないという問題があった。
【0006】また、特開昭60−251820号に開示
された人工培土では、無機繊維と無機粉末との混合物を
用いるため、無機繊維の隙間に無機粉末が充填されて、
造粒物の内部空隙が乏しくなり、保水性を十分に向上さ
せることができないという問題があった。
された人工培土では、無機繊維と無機粉末との混合物を
用いるため、無機繊維の隙間に無機粉末が充填されて、
造粒物の内部空隙が乏しくなり、保水性を十分に向上さ
せることができないという問題があった。
【0007】したがって、本発明の目的は、高い保水性
と適当な硬さ、及び通気性を長期間維持することができ
る人工培土を提供することにある。
と適当な硬さ、及び通気性を長期間維持することができ
る人工培土を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の人工培土は、無機繊維の粉砕物に結合剤を
添加して粒状又は塊状に成形したものであって、木屋式
測定法による硬さが1〜10kg、重量当たりの吸水率
が10〜300%であることを特徴とする。
め、本発明の人工培土は、無機繊維の粉砕物に結合剤を
添加して粒状又は塊状に成形したものであって、木屋式
測定法による硬さが1〜10kg、重量当たりの吸水率
が10〜300%であることを特徴とする。
【0009】ここで、木屋式測定法による硬さとは、一
般的に肥料粒の硬度測定に使用されている木屋式硬度計
(株式会社木屋製作所製)を用いて測定した20粒の硬
さの平均値を意味する。
般的に肥料粒の硬度測定に使用されている木屋式硬度計
(株式会社木屋製作所製)を用いて測定した20粒の硬
さの平均値を意味する。
【0010】また、吸水率は、110℃、3時間の条件
で乾燥した試料20gを、水を満たした300cc容の
ビーカーに入れ、24時間放置後、1分間水を切り、そ
の状態で重量を測定し、下記数1に基づいて算出したも
のである。
で乾燥した試料20gを、水を満たした300cc容の
ビーカーに入れ、24時間放置後、1分間水を切り、そ
の状態で重量を測定し、下記数1に基づいて算出したも
のである。
【0011】
【数1】吸水率(%)={(含水試料重量−乾燥試料重
量)÷乾燥試料重量}×100
量)÷乾燥試料重量}×100
【0012】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て更に詳細に説明する。まず、無機繊維の粉砕物として
は、平均繊維径3〜15μmのロックウール、ガラスウ
ール等を、ロールクラッシャー等で好ましくは平均繊維
長50〜200μmとなるように粉砕したものが使用さ
れる。平均繊維長が200μmを超えると、所望の硬さ
を出すのに結合剤を多く使うことになり、高価になると
ともに、結合剤が繊維の間隙を埋めることになり吸水率
を下げるので好ましくない。一方、平均繊維長が50μ
mより短いと、少ない結合剤で所望の硬さを出すことは
できるが、吸水率が下がるのでやはり好ましくない。
て更に詳細に説明する。まず、無機繊維の粉砕物として
は、平均繊維径3〜15μmのロックウール、ガラスウ
ール等を、ロールクラッシャー等で好ましくは平均繊維
長50〜200μmとなるように粉砕したものが使用さ
れる。平均繊維長が200μmを超えると、所望の硬さ
を出すのに結合剤を多く使うことになり、高価になると
ともに、結合剤が繊維の間隙を埋めることになり吸水率
を下げるので好ましくない。一方、平均繊維長が50μ
mより短いと、少ない結合剤で所望の硬さを出すことは
できるが、吸水率が下がるのでやはり好ましくない。
【0013】次に、結合剤としては、植物の成長を阻害
せず、水には溶けず、かつ耐久性のよいものが好まし
く、このような結合剤の例としては、水溶性オリゴマ
ー、保護コロイド、反応性乳化剤、生分解性乳化剤のう
ち少なくとも1つを乳化剤として使用したエマルジョン
ポリマーが挙げられる。
せず、水には溶けず、かつ耐久性のよいものが好まし
く、このような結合剤の例としては、水溶性オリゴマ
ー、保護コロイド、反応性乳化剤、生分解性乳化剤のう
ち少なくとも1つを乳化剤として使用したエマルジョン
ポリマーが挙げられる。
【0014】上記乳化剤の成分のうち、水溶性オリゴマ
ーとしては、水溶性アクリル、アルキド、ウレタン、ス
チレン−マレイン酸樹脂等のオリゴマーが用いられ、保
護コロイドとしては、ポリビニルアルコール、セルロー
スエーテル誘導体等が用いられ、反応性乳化剤として
は、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソー
ダ、ポリオキシエチレンメタアクリレート等が用いら
れ、生分解性乳化剤としては、シュガーエステル、脂肪
酸エステル誘導体等が用いられる。また、結合剤の基本
となるポリマー成分としては、酢ビ、エチレン−酢ビ、
酢ビ−アクリル、酢ビ−ベオバ、アクリル、スチレン、
アクリル−スチレン、ブタジエンコポリマー等が用いら
れ、これらのポリマー成分に、結合剤の付着性向上のた
め、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、グリシジル
基、シラノール基、メチロール基を持つモノマーを少量
共重合させたものを用いてもよい。
ーとしては、水溶性アクリル、アルキド、ウレタン、ス
チレン−マレイン酸樹脂等のオリゴマーが用いられ、保
護コロイドとしては、ポリビニルアルコール、セルロー
スエーテル誘導体等が用いられ、反応性乳化剤として
は、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソー
ダ、ポリオキシエチレンメタアクリレート等が用いら
れ、生分解性乳化剤としては、シュガーエステル、脂肪
酸エステル誘導体等が用いられる。また、結合剤の基本
となるポリマー成分としては、酢ビ、エチレン−酢ビ、
酢ビ−アクリル、酢ビ−ベオバ、アクリル、スチレン、
アクリル−スチレン、ブタジエンコポリマー等が用いら
れ、これらのポリマー成分に、結合剤の付着性向上のた
め、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、グリシジル
基、シラノール基、メチロール基を持つモノマーを少量
共重合させたものを用いてもよい。
【0015】上記結合剤の添加量は、結合剤中の固形分
換算で、無機繊維の粉砕物100重量部に対して、1〜
10重量部とすることが好ましい。結合剤の添加量が上
記よりも少ないと、十分な硬度を得ることができず、結
合剤の添加量が上記よりも多いと、十分な吸水率を得る
ことが困難となる。
換算で、無機繊維の粉砕物100重量部に対して、1〜
10重量部とすることが好ましい。結合剤の添加量が上
記よりも少ないと、十分な硬度を得ることができず、結
合剤の添加量が上記よりも多いと、十分な吸水率を得る
ことが困難となる。
【0016】本発明においては、特に種をまいて根がで
るまでを考慮して、より高い保水性を得るために、吸水
性ポリマーを添加してもよい。吸水性ポリマーとして
は、例えば、「バルガス」(商品名、ライオン株式会社
製)、「ビスコメート PX−130」(商品名、昭和
電工株式会社製)、「PQポリマー BL151」(商
品名、大阪有機化学工業株式会社製)などが挙げられ
る。吸水性ポリマーの添加量は0.01〜2重量%が好
ましく、0.1〜1重量%がより好ましい。吸水性ポリ
マーの添加量が0.01重量%未満だと、保水性の充分
な向上が得られず、また、2重量%を超えると、造粒物
中で吸水性ポリマーが吸水して数倍の大きさに膨張した
とき、造粒物の硬度が著しく低下して破壊されやすくな
る。
るまでを考慮して、より高い保水性を得るために、吸水
性ポリマーを添加してもよい。吸水性ポリマーとして
は、例えば、「バルガス」(商品名、ライオン株式会社
製)、「ビスコメート PX−130」(商品名、昭和
電工株式会社製)、「PQポリマー BL151」(商
品名、大阪有機化学工業株式会社製)などが挙げられ
る。吸水性ポリマーの添加量は0.01〜2重量%が好
ましく、0.1〜1重量%がより好ましい。吸水性ポリ
マーの添加量が0.01重量%未満だと、保水性の充分
な向上が得られず、また、2重量%を超えると、造粒物
中で吸水性ポリマーが吸水して数倍の大きさに膨張した
とき、造粒物の硬度が著しく低下して破壊されやすくな
る。
【0017】本発明の人工培土には、上記成分の他に、
必要に応じて、鉱酸や有機酸などのpH調製剤や、セル
ロース繊維、紙、綿、麻、藁などの有機繊維や、植物の
種、肥料、殺菌剤、殺虫剤などを適宜配合することがで
きる。なお、pH調製剤、肥料、殺菌剤、殺虫剤など
は、造粒前に添加してもよく、造粒した後に添加するこ
ともできる。
必要に応じて、鉱酸や有機酸などのpH調製剤や、セル
ロース繊維、紙、綿、麻、藁などの有機繊維や、植物の
種、肥料、殺菌剤、殺虫剤などを適宜配合することがで
きる。なお、pH調製剤、肥料、殺菌剤、殺虫剤など
は、造粒前に添加してもよく、造粒した後に添加するこ
ともできる。
【0018】上記において、肥料、殺菌剤、殺虫剤とし
ては、遅効性又は緩効性のものが好ましい。肥料として
は、N−P−K系、N−K系、N−P系、P−K系、N
−P−K+x系(ただしxは微量要素)のものが好まし
く用いられ、特にN−P−K+Mg系のものが好まし
い。また、殺菌剤としては、マンネブ系、TPN系、チ
ウラム系のものが好ましく用いられる。また、ガラス中
に銅や銀を析出させた殺菌剤も有用である。更に、殺虫
剤としては、MEP系、アセフェート系、CVMP系の
ものが好ましく用いられる。
ては、遅効性又は緩効性のものが好ましい。肥料として
は、N−P−K系、N−K系、N−P系、P−K系、N
−P−K+x系(ただしxは微量要素)のものが好まし
く用いられ、特にN−P−K+Mg系のものが好まし
い。また、殺菌剤としては、マンネブ系、TPN系、チ
ウラム系のものが好ましく用いられる。また、ガラス中
に銅や銀を析出させた殺菌剤も有用である。更に、殺虫
剤としては、MEP系、アセフェート系、CVMP系の
ものが好ましく用いられる。
【0019】本発明の人工培土は、上記原料を混合して
造粒し、結合剤を乾燥もしくは硬化させることにより作
ることができる。すなわち、上記方法で調製された無機
繊維の粉砕物に、予め粉体又は水で溶いた結合剤を適量
添加し、更に必要に応じて吸水性ポリマー等の他の成分
を添加した後、混合して造粒する。造粒方法は、通常の
方法でよく、例えば回転盤上で造粒する方法、回転ドラ
ム内で造粒する方法、あるいは押出機でペレット状にす
る方法等が挙げられる。この造粒物を、そのまま放置し
たり、熱風乾燥したり、加熱したりすることにより、結
合剤を乾燥もしくは硬化させることにより、本発明の人
工培土が得られる。
造粒し、結合剤を乾燥もしくは硬化させることにより作
ることができる。すなわち、上記方法で調製された無機
繊維の粉砕物に、予め粉体又は水で溶いた結合剤を適量
添加し、更に必要に応じて吸水性ポリマー等の他の成分
を添加した後、混合して造粒する。造粒方法は、通常の
方法でよく、例えば回転盤上で造粒する方法、回転ドラ
ム内で造粒する方法、あるいは押出機でペレット状にす
る方法等が挙げられる。この造粒物を、そのまま放置し
たり、熱風乾燥したり、加熱したりすることにより、結
合剤を乾燥もしくは硬化させることにより、本発明の人
工培土が得られる。
【0020】こうして得られた本発明の人工培土は、木
屋式測定法による硬さが1〜10kg、好ましくは2〜
5kgとされ、重量当たりの吸水率が10〜300%、
好ましくは50〜200%とされている。硬さが1kg
未満では、植物の根を支えるのに十分な強度が得られ
ず、10kgを超えると、十分な吸水率を得ることが困
難となる。また、吸水率が10%未満では、植物に十分
な水分を供給することができず、300%を超えると、
十分な硬さを得ることが困難となる。なお、硬さや吸水
率は、無機繊維の粉砕物の平均繊維長や、結合剤の添加
量などによって調整することができる。
屋式測定法による硬さが1〜10kg、好ましくは2〜
5kgとされ、重量当たりの吸水率が10〜300%、
好ましくは50〜200%とされている。硬さが1kg
未満では、植物の根を支えるのに十分な強度が得られ
ず、10kgを超えると、十分な吸水率を得ることが困
難となる。また、吸水率が10%未満では、植物に十分
な水分を供給することができず、300%を超えると、
十分な硬さを得ることが困難となる。なお、硬さや吸水
率は、無機繊維の粉砕物の平均繊維長や、結合剤の添加
量などによって調整することができる。
【0021】なお、本発明の人工培土の形状は、球状、
円柱状、不定形状など、いずれの形状でもよいが、平均
粒径は、1〜10mmとするのが好ましい。平均粒径が
1mm未満では、粒子が密に充填されて、粒子間隙が少
なくなるので、通気性が乏しくなり、平均粒径が10m
mを超えると、粒子間隙が大きくなり過ぎて、保水性が
低下する傾向がある。
円柱状、不定形状など、いずれの形状でもよいが、平均
粒径は、1〜10mmとするのが好ましい。平均粒径が
1mm未満では、粒子が密に充填されて、粒子間隙が少
なくなるので、通気性が乏しくなり、平均粒径が10m
mを超えると、粒子間隙が大きくなり過ぎて、保水性が
低下する傾向がある。
【0022】
【作用】本発明の人工培土は、無機繊維の粉砕物に結合
剤を添加して造粒したものであるから、細かい繊維と繊
維の間に隙間ができ、この隙間に水が保持されるため、
優れた保水性が得られる。また、保水性をただ高めるだ
けでなく、木屋式測定法による硬さが1〜10kg、重
量当たりの吸水率が10〜300%となる範囲にしたこ
とにより、植物の根を支えるのに十分な強度を付与し、
粒子の破壊を防止して、長期にわたって効果を持続させ
ることができる。また、本発明の人工培土は、粒状又は
塊状をなすことにより、粒子間に隙間ができて団粒構造
となり、通気性にも優れている。更に、無機繊維は、粘
土と同様にイオン交換能を有しているので、保肥性にも
優れている。
剤を添加して造粒したものであるから、細かい繊維と繊
維の間に隙間ができ、この隙間に水が保持されるため、
優れた保水性が得られる。また、保水性をただ高めるだ
けでなく、木屋式測定法による硬さが1〜10kg、重
量当たりの吸水率が10〜300%となる範囲にしたこ
とにより、植物の根を支えるのに十分な強度を付与し、
粒子の破壊を防止して、長期にわたって効果を持続させ
ることができる。また、本発明の人工培土は、粒状又は
塊状をなすことにより、粒子間に隙間ができて団粒構造
となり、通気性にも優れている。更に、無機繊維は、粘
土と同様にイオン交換能を有しているので、保肥性にも
優れている。
【0023】
実施例1 以下に示す方法で、ロックウールの造粒物を作り、その
特性を評価した。 (1) 原料 ロックウール有姿(見掛比重0.08) 結合剤 熱硬化Vacエマルジョン(商品名「ボンコ
ート2000」、大日本インキ化学工業株式会社製)、
固形分51%
特性を評価した。 (1) 原料 ロックウール有姿(見掛比重0.08) 結合剤 熱硬化Vacエマルジョン(商品名「ボンコ
ート2000」、大日本インキ化学工業株式会社製)、
固形分51%
【0024】(2) 使用機械 ニーダー(商品名「KDH−20型」、不二パウダル
株式会社製)、有効容量12リットル ディスクペレッター(商品名「PV−5型」、不二パ
ウダル株式会社製)、ダイス穴径8mm×板厚9mm、
平ロール、回転数120rpm
株式会社製)、有効容量12リットル ディスクペレッター(商品名「PV−5型」、不二パ
ウダル株式会社製)、ダイス穴径8mm×板厚9mm、
平ロール、回転数120rpm
【0025】(3) 試験方法 ロックウール0.5〜1kgと、結合剤を固形分換算
で3%、5%、又は10%とを、ニーダー(KDH−2
0型)に入れ、3分間混練する。なお、結合剤は、予め
所定量の水で希釈して添加する。 混練物を造粒機(PV−5型)に入れて造粒(押出
し)する。造粒機の回転数は、試料No.6のみが60
rpmで、他は120rpmとした。 造粒物(全量)を恒温乾燥機に入れ、110℃で3時
間乾燥する。 乾燥後、4メッシュの篩を通して得られたそれぞれの
造粒物について、硬度、吸水率(保水力)、保水量、崩
壊性を測定した。
で3%、5%、又は10%とを、ニーダー(KDH−2
0型)に入れ、3分間混練する。なお、結合剤は、予め
所定量の水で希釈して添加する。 混練物を造粒機(PV−5型)に入れて造粒(押出
し)する。造粒機の回転数は、試料No.6のみが60
rpmで、他は120rpmとした。 造粒物(全量)を恒温乾燥機に入れ、110℃で3時
間乾燥する。 乾燥後、4メッシュの篩を通して得られたそれぞれの
造粒物について、硬度、吸水率(保水力)、保水量、崩
壊性を測定した。
【0026】これらの結果を表1、表2に示す。表中、
硬度は、木屋式硬度計を用いて測定した20粒の平均値
を示し、測定値の下段の数値は、水に24時間浸漬し、
風乾した後の測定値を示す。吸水率は、乾燥した試料2
0gを、水を満たした300cc容のビーカーに入れ、
3時間及び24時間放置後、1分間水を切り、その状態
で重量を測定し、前記数1に基づいて算出したものであ
る。保水量は、試料20gを水に24時間浸漬して風乾
し、各風乾時間毎に試料中に含まれる水の重量を測定し
たものである。
硬度は、木屋式硬度計を用いて測定した20粒の平均値
を示し、測定値の下段の数値は、水に24時間浸漬し、
風乾した後の測定値を示す。吸水率は、乾燥した試料2
0gを、水を満たした300cc容のビーカーに入れ、
3時間及び24時間放置後、1分間水を切り、その状態
で重量を測定し、前記数1に基づいて算出したものであ
る。保水量は、試料20gを水に24時間浸漬して風乾
し、各風乾時間毎に試料中に含まれる水の重量を測定し
たものである。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】上記表1、表2の結果から、結合剤の添加
量を高めると、硬度は高くなるが、吸水率は低下するこ
とがわかる。また、造粒時の水分によっても吸水率は変
化するので、結合剤の添加量を多くしても造粒時の水分
を調整することにより、吸水率の低下をある程度防ぐこ
とができる。造粒時の水分の最適な範囲は、30〜35
%の範囲であることがわかる。
量を高めると、硬度は高くなるが、吸水率は低下するこ
とがわかる。また、造粒時の水分によっても吸水率は変
化するので、結合剤の添加量を多くしても造粒時の水分
を調整することにより、吸水率の低下をある程度防ぐこ
とができる。造粒時の水分の最適な範囲は、30〜35
%の範囲であることがわかる。
【0030】実施例2 ロックウール粒状綿を、ロールクラッシャーで粉砕し、
平均繊維長を50〜100μm前後に調整した。これを
パン型造粒機に入れ、水溶性アクリルオリゴマーを固形
分換算で3%となるように加えながら、8mmの大きさ
に造粒し、130℃の熱風乾燥機で乾燥して、木屋式測
定法による硬さが4kg、吸水率が112%の人工培土
を得た。
平均繊維長を50〜100μm前後に調整した。これを
パン型造粒機に入れ、水溶性アクリルオリゴマーを固形
分換算で3%となるように加えながら、8mmの大きさ
に造粒し、130℃の熱風乾燥機で乾燥して、木屋式測
定法による硬さが4kg、吸水率が112%の人工培土
を得た。
【0031】この人工培土と、6mmの赤玉土をそれぞ
れ5号鉢に入れ、トウモロコシの種を植えた後、日の当
たる室内で水と液肥を与えて育て、茎の高さが10cm
になったところで水を与えるのを止めて、葉の色の変化
を観察した。
れ5号鉢に入れ、トウモロコシの種を植えた後、日の当
たる室内で水と液肥を与えて育て、茎の高さが10cm
になったところで水を与えるのを止めて、葉の色の変化
を観察した。
【0032】その結果、赤玉土を使った方は10日目に
葉の色が黄色になったのに対し、上記人工培土を使った
ものは30日目まで色が変わらなかった。
葉の色が黄色になったのに対し、上記人工培土を使った
ものは30日目まで色が変わらなかった。
【0033】実施例3 ロックウールの板状品1Kgの上に、吸水性ポリマー
「バルガス500」(商品名、ライオン株式会社製)5
gを均一に撒き、これをロールクラッシャーで粉砕して
平均繊維長を50〜100μm前後に調整した。これを
パン型造粒機に入れ、水溶性アクリルオリゴマーを固形
分換算で3%となるように加えながら、6〜8mmの大
きさに造粒し、110℃の熱風乾燥機で乾燥して、木屋
式測定法による硬さが2kg、吸水率が153%の人工
培土を得た。
「バルガス500」(商品名、ライオン株式会社製)5
gを均一に撒き、これをロールクラッシャーで粉砕して
平均繊維長を50〜100μm前後に調整した。これを
パン型造粒機に入れ、水溶性アクリルオリゴマーを固形
分換算で3%となるように加えながら、6〜8mmの大
きさに造粒し、110℃の熱風乾燥機で乾燥して、木屋
式測定法による硬さが2kg、吸水率が153%の人工
培土を得た。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
無機繊維の粉砕物に結合剤を添加して造粒し、木屋式測
定法による硬さが1〜10kg、重量当たりの吸水率が
10〜300%となるようにしたことにより、優れた保
水性及び通気性を付与するとともに、植物の根を支える
のに十分な強度を有し、しかもそれらの効果を長期にわ
たって持続させることができる。
無機繊維の粉砕物に結合剤を添加して造粒し、木屋式測
定法による硬さが1〜10kg、重量当たりの吸水率が
10〜300%となるようにしたことにより、優れた保
水性及び通気性を付与するとともに、植物の根を支える
のに十分な強度を有し、しかもそれらの効果を長期にわ
たって持続させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川又 寧 千葉県市原市五井海岸10番地 日本合同肥 料株式会社千葉工場内 (72)発明者 山下 泰弘 千葉県市原市五井海岸10番地 日本合同肥 料株式会社千葉工場内 (72)発明者 二宮 善吾 千葉県千葉市稲毛区黒砂台3−9−7 (72)発明者 河合 功 千葉県市原市辰巳台東4−4 大日本イン キ化学工業株式会社東辰己社宅111号
Claims (3)
- 【請求項1】 無機繊維の粉砕物に結合剤を添加して粒
状又は塊状に成形したものであって、木屋式測定法によ
る硬さが1〜10kg、重量当たりの吸水率が10〜3
00%であることを特徴とする人工培土。 - 【請求項2】 前記結合剤が、水溶性オリゴマー、保護
コロイド、反応性乳化剤、生分解性乳化剤のうち少なく
とも1つを乳化剤として用いたエマルジョンポリマーで
ある請求項1記載の人工培土。 - 【請求項3】 吸水性ポリマーを0.01〜2重量%含
有する請求項1又は2記載の人工培土。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP50A JPH06209646A (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | 人工培土 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP50A JPH06209646A (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | 人工培土 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06209646A true JPH06209646A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=12113877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50A Pending JPH06209646A (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | 人工培土 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06209646A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002519003A (ja) * | 1998-06-29 | 2002-07-02 | ベントレ・プロダクツ・アー・ゲー | 種子または類似の植物の成長に適した部分を収容する発芽ユニットに用いるための担体および添加剤の混合物ならびにその混合物の製造方法 |
JP2002519001A (ja) * | 1998-06-29 | 2002-07-02 | ベントレ・プロダクツ・アー・ゲー | 発芽ユニットを有するテープおよびその包装、ならびにそれらを製造のための方法および装置 |
JP2020510421A (ja) * | 2017-03-01 | 2020-04-09 | ストラ エンソ オーワイジェイ | ミクロフィブリル化セルロースを含む培地 |
-
1993
- 1993-01-19 JP JP50A patent/JPH06209646A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002519003A (ja) * | 1998-06-29 | 2002-07-02 | ベントレ・プロダクツ・アー・ゲー | 種子または類似の植物の成長に適した部分を収容する発芽ユニットに用いるための担体および添加剤の混合物ならびにその混合物の製造方法 |
JP2002519001A (ja) * | 1998-06-29 | 2002-07-02 | ベントレ・プロダクツ・アー・ゲー | 発芽ユニットを有するテープおよびその包装、ならびにそれらを製造のための方法および装置 |
JP2010268802A (ja) * | 1998-06-29 | 2010-12-02 | Bentle Products Ag | 種子または類似の植物の成長に適した部分を収容する発芽ユニットに用いるための担体および添加剤の混合物ならびにその混合物の製造方法 |
JP2020510421A (ja) * | 2017-03-01 | 2020-04-09 | ストラ エンソ オーワイジェイ | ミクロフィブリル化セルロースを含む培地 |
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