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JPH06199958A - スルホン酸型官能基を有するパーフルオロカーボン重合体の製造方法 - Google Patents

スルホン酸型官能基を有するパーフルオロカーボン重合体の製造方法

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JPH06199958A
JPH06199958A JP36051192A JP36051192A JPH06199958A JP H06199958 A JPH06199958 A JP H06199958A JP 36051192 A JP36051192 A JP 36051192A JP 36051192 A JP36051192 A JP 36051192A JP H06199958 A JPH06199958 A JP H06199958A
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JP
Japan
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sulfonic acid
functional group
hydrofluorocarbon
type functional
perfluorocarbon
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JP36051192A
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Masayuki Tamura
正之 田村
Takashi Saegi
孝志 三枝木
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】特定フロンを使用せず、オゾン破壊の恐れの少
ない媒体中でスルホン酸型官能基を有パーフルオロカー
ボン重合体を製造する方法を提供する。 【構成】CF2 =CFOCF2 CF(CF3 )OCF2
CF2 SO2 FとCF2=CF2 とを一般式Cnm
2n+2-m(n=3〜16、m/(2n+2−m)=60/
40〜5/95)の媒体中で重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スルホン酸型官能基を
有するパーフルオロカーボン重合体の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、CF2 =CFOCF2 CF(CF
3 )OCF2 CF2 SO2 Fの如きスルホン酸型官能基
を有するモノマーとCF2 =CF2 の如きフルオロオレ
フィンとの共重合により、高イオン交換容量のパーフル
オロカーボン重合体を得る方法として、塊状重合あるい
はフッ素系溶剤を媒体とする溶液重合が採用されてい
る。
【0003】特に製造時の除熱、撹拌混合の容易さなど
の点より溶液重合が好ましく採用されており、媒体とし
てトリクロロトリフロロエタン(特公昭46−2324
5)やパーフルオロジメチルシクロブタン(US 3,
282,875)を使用した実施例が記載されている。
また、CF2 =CFO(CF23 SC25 とCF2
=CF2 の共重合にもトリクロロトリフロロエタンなど
のパーフルオロ炭化水素媒体が使用できることが特開昭
55−160007などに記載されている。
【0004】しかしながら、従来の溶液重合で採用され
ていた、入手が容易で安価なトリクロロトリフルオロエ
タンの如き特定のフッ素溶剤は大気中のオゾンを破壊す
る恐れから、その使用が制限されることとなっており、
それに代わる重合溶剤の開発が要請されていた。一方、
パーフルオロ炭化水素媒体は、入手が容易でなかった
り、高価なものが多く、また生成ポリマーの分子量の調
節や炭化水素系の開始剤の溶解性が十分でないなど代替
え溶媒として十分なものといえなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決すべくなされたものであって、スルホン酸型官能基
を含有するパーフルオロカーボンモノマーとパーフルオ
ロオレフィンを共重合せしめる方法において、水素とフ
ッ素を含有する炭化水素である、ハイドロフルオロカー
ボンを媒体とすることを特徴とするパーフルオロカーボ
ン重合体の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の重合媒体として
用いられるハイドロフルオロカーボンとしては、好まし
くは一般式Cnm2n+2-m(但し、nは3〜16の整
数であり、m/2n+2−m=60/40〜5/95で
ある)が用いられ。炭素数がこれより少ないと沸点が低
すぎ、これより多いと高すぎる。より好ましくは、nは
4〜10の範囲であり、線状、分岐状、環状のいずれで
あってもよい。またハイドロフルオロカーボン中の炭素
原子へ結合する水素原子数が多すぎると、生成ポリマー
の分子量が小さくなり、一方少なすぎると分子量が大き
くなりすぎたり、開始剤の溶解性が不十分となる。好ま
しくはH/F(モル比)が60/40〜5/95の範囲
であり、より好ましくは50/50〜10/90であ
る。
【0007】このようなハイドロフルオロカーボンの具
体例を記載すれば、C2525 、CHF2 CF2
CF2 CHF2 、CH3 CF2 CFHCF3 、(CF
32CFC25 、CH3 CHFC2525
CH3 CF2 CF2 CF2 CF2 H、C492
5 、C252425 、(CF32 CFCH
FCHFCF3 、CH3 CF2 CF2 CF2 CF2 CF
2 CF2 H、C61325 、C25242
5 、C81725 などである。
【0008】本発明において、採用されるスルホン酸型
官能基含有パーフルオロカーボンモノマーとしては、従
来より公知乃至周知のものなどが広範囲にわたって例示
され得る。
【0009】好適なものとしては、一般式、CF2 =C
F(OCF2 CFX)p −(O)q−(CF2r
(CF2 CFX′)s −A (式中、pは0〜3、sは0〜3、rは0〜12、qは
0又は1であり、Xは−F又は−CF3 であり、X′は
−F又は−CF3 であり、Aはスルホン酸型官能基であ
る)で表わされるフルオロビニル化合物が例示される。
通常は入手容易性などの点から、X及びX′は−CF
3 、pは0又は1、sは0、rは0〜8、qは0又は1
であり、またAは共重合反応性などから−SO2 Fが好
ましい。
【0010】かかるフルオロビニル化合物の好ましい代
表例としては、 CF2 =CFO(CF2 )1-8SO2 F, CF2 =CFOCF2 CF(CF3 )O(CF2 )1-8
2 F, CF2 =CF(CF2 )0-8SO2 F, CF2 =CF(OCF2 CF(CF3 ))1-5 OCF2
2 SO2 F 等があげられる。
【0011】本発明においては、テトラフルオロエチレ
ンと上述の如きスルホン酸型官能基含有パーフルオロカ
ーボンモノマーとがハイドロフルオロカーボン中共重合
せしめられるが、スルホン酸型官能基含有パーフルオロ
カーボンモノマーを二種以上で使用できるだけでなく、
これらモノマーの他に、他の成分、例えばカルボン酸型
官能基含有パーフルオロカーボンモノマー、CF2 =C
FORf (Rf は炭素数1〜10のパーフルオロアルキ
ル基を示す)、あるいはCF2 =CF−CF=CF2
CF2 =CFO(CF21-4 OCF=CF2 の如きジ
ビニルモノマーなどの一種又は二種以上を併用すること
もできる。
【0012】しかして、本発明においては、ハイドロフ
ルオロカーボン中の共重合によりスルホン酸型官能基含
有パーフルオロカーボンモノマーが高割合で共重合した
パーフルオロカーボン重合体を目的としているので、通
常は該スルホン酸型官能基含有パーフルオロカーボンモ
ノマーの共重合割合が20重量%以上であるパーフルオ
ロカーボン重合体を生成せしめるべく、上記各種モノマ
ーの使用割合を選定するのが望ましい。特に、スルホン
酸型官能基含有パーフルオロカーボンモノマーの共重合
割合が25〜60重量%程度のパーフルオロカーボン重
合体を生成せしめるべく、選定されるのが好ましい。
【0013】本発明により得られるスルホン酸型パーフ
ルオロカーボン重合体をイオン交換膜として使用する場
合には、そのイオン交換容量は、0.5〜2.0ミリ当
量グラム乾燥樹脂という広い範囲から選択されるが、以
下に述べる如き条件を採用することにより、イオン交換
容量を大きくしても、生成共重合体の分子量を高くで
き、従って共重合体の機械的性質や耐久性は低下するこ
とがない。イオン交換容量は、上記の範囲でも、共重合
体の種類に応じて異なるが、好ましくは0.6ミリ当量
/グラム乾燥樹脂以上、特に0.7ミリ当量/グラム乾
燥樹脂以上の場合が、イオン交換膜としての機械的性質
及び電気化学的性能上好ましい。
【0014】また、本発明で得られるスルホン酸型パー
フルオロカーボン重合体の分子量は、イオン交換膜とし
ての機械的性能及び製膜性と関係するので重要であり、
Qの値で表示すると、150℃以上、 好ましくは17
0〜340℃、特に180〜280℃程度とするのが好
適である。
【0015】本明細書中において「TQ 」なる言葉は、
次のように定義されるものである。即ち、共重合体の分
子量に関係する容量流速100mm3 /秒を示す温度が
Qと定義される。ここにおいて容量流速は、共重合体
を30kg/cm2 加圧のもとに、一定温度に保持した
径1mm、長さ2mmのオリフィスから溶融流出せし
め、流出する共重合体量をmm3 /秒の単位で示したも
のである。
【0016】なお、「イオン交換容量」は、次のように
して求めた。即ち、H型の陽イオン交換樹脂膜を、1N
のHCl中で60℃、5時間放置し、完全にH型に転換
し、HClが残存しないように水で充分洗浄した。その
後、このH型の膜0.5gを、0.1NのNaOH 2
5mlに水を25ml加えてなる溶液中に、室温で2日
間静置した。次いで膜をとり出して、溶液中のNaOH
の量を0.1NのHClで逆滴定することにより求める
ものである。
【0017】本発明においては、スルホン酸型モノマー
など官能性単量体とパーフルオロオレフィンとの共重合
反応を、ハイドロフルオロカーボンの使用量をハイドロ
フルオロカーボン/官能性単量体を、重量比で20/1
以下にし、好ましくは10/1以下に制御して実施する
ことが好適である。ハイドロフルオロカーボン媒体の使
用量が多すぎる場合には、反応装置の大型化あるいは共
重合体分離回収など作業操作面の不利があげられる。
【0018】次に、本発明においては、1kg/cm2
以上の共重合反応圧力を採用することが好適である。共
重合反応圧力が低すぎる場合には、共重合反応速度を実
用上満足し得る高さに維持することが困難であり、高分
子量の共重合体の形成に難点が認められる。また、共重
合反応圧力が低すぎると、生成共重合体のイオン交換容
量が高くなり、含水量増大などによる機械的強度、イオ
ン交換性能の低下傾向が増大することになる。
【0019】なお、共重合反応圧力は、工業的実施にお
ける反応装置上又は作業操作上などを考慮して、50k
g/cm2 以下から選定されるのが望ましい。かかる範
囲よりも高い共重合反応圧力の採用は可能であるが、本
発明の目的を比例的に向上せしめ得るものではない。従
って、本発明においては、共重合反応圧力を2〜50k
g/cm2 、好ましくは2〜30kg/cm2 の範囲か
ら選定するのが最適である。
【0020】本発明の共重合反応に際しては、前記反応
条件の他の条件や操作は、特に限定されることなく広い
範囲にわたって採用され得る。例えば、共重合反応温度
は、重量開始源の種類や反応モル比などにより最適値が
選定され得るが、通常は余りに高温度や低温度は工業的
実施に対して不利となるので、20〜90℃、好ましく
は30〜80℃程度から選定される。
【0021】しかして、本発明において重合開始源とし
ては、前記の好適な反応温度において高い活性を示すも
のを選定するのが望ましい。例えば、室温以下でも高活
性の電離性放射線を採用することもできるが、通常はア
ゾ化合物やパーオキシ化合物を採用する方が工業的実施
に対して有利である。
【0022】本発明で好適に採用される重合開始源は前
記共重合反応条件下に20〜90℃程度で高活性を示す
ジコハク酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ジペンタフルオロプロ
ピオニルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、
4,4′−アゾビス(4−シアノワレリアン酸)、アゾ
ビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレ
ート等のパーオキシエステル類、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、ジイ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイド
ロパーオキサイド類である。
【0023】本発明においては、重合開始源濃度は、全
モノマーに対して0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001
〜2重量%程度である。開始源濃度を下げることによっ
て、生成共重合体の分子量を高めることが可能であり、
高イオン交換容量を保持することが可能である。開始源
濃度を余りに高くすると、分子量の低下傾向が増し、高
イオン交換容量で高分子量の共重合体の生成に対して不
利となる。その他通常の溶液重合において用いられる分
子量調整剤等を添加することもできる。また、本発明に
おける共重合反応を阻害しないもので、連鎖移動の少な
いものであれば、不活性有機溶媒を添加することもでき
る。
【0024】しかして、本発明においては、生成共重合
体濃度を40重量%以下、好ましくは30重量%以下に
制御して実施するのが好適である。余りに高濃度にする
と、共重合体組成の不均一性の増大、重合トルクの増大
などによる撹拌の停止などの難点が認められる。
【0025】本発明で製造されるスルホン酸型パーフル
オロカーボン重量体は、種々の分野で使用されるが、例
えばイオン交換膜として好適に使用される。イオン交換
膜に使用する場合、スルホン酸型パーフルオロカーボン
重量体は、適宜手段にて製膜され得る。例えば、必要に
より官能基を加水分解でスルホン酸基に転換するが、か
かる加水分解処理は製膜前でも製膜後でも可能である。
通常は製膜後に加水分解処理する方が望ましい。製膜手
段には種々のものが採用可能であり、例えば加熱熔融成
形、ラテックス成形、適当な溶液に溶解させての注型成
形など公知乃至周知の方法を適宜採用し得る。更に、異
なるイオン交換容量を有する膜或いはカルボン酸基等の
異なる官能基を有する膜と2層以上に積層することも可
能である。また、クロス、繊維、不織布等による補強を
加えることもできる。
【0026】本発明で製造されるスルホン酸型パーフル
オロカーボン重合体からのイオン交換膜は、種々の優れ
た性能を有するために、各種分野、目的、用途などに広
範囲に採用され得る。例えば、拡散透析、オゾン発生電
解、電解還元、燃料電池の隔膜、高分子触媒などとし
て、特に耐触性が要求される分野で好適に使用される。
なかでも、アルカリ電解用の陽イオン交換膜として使う
場合には、カルボン酸型膜との積層膜などにおいて高い
性能を発揮し得るものである。
【0027】例えば、上記のような陽イオン交換膜に
て、陽極と陰極とを区画して陽極室と陰極室とを構成
し、陽極室に塩化アルカリ水溶液を供給して電解し、陰
極室から水酸化アルカリを得る所謂二室型槽の場合で
も、2規定以上の濃度の塩化ナトリム水溶液を原料にし
て5〜50A/dm2 の電流密度で電解することによ
り、30%以上の高濃度の水酸化ナトリウムが高い電流
効率と低い槽電圧で長期にわたって安定して製造でき
る。
【0028】次に、本発明の実施例について、更に具体
的に説明するが、かかる説明によって本発明が限定され
るものでないことは勿論である。
【0029】
【実施例】
[実施例1]C81725 68g、アゾビスイソブ
チロニトリル 0.08g、及びCF2 =CFOCF2
CF(CF3 )OCF2 CF2 SO2 F 92.2gを
内容積0.2リットルのステンレス製オートクレーブに
仕込み、液体チッ素で十分脱気した後、温度を70℃と
し、テトラフルオロエチレンを導入し、圧力を一定に保
持した。8時間後に未反応のテトラフルオロエチレンを
パージして重合を終了させ、得られたポリマー溶液をメ
タノールで凝集し、洗浄、乾燥を行なって18gの共重
合体を得た。
【0030】該共重合体のイオン交換容量は1.1ミリ
当量/グラム乾燥樹脂であった。該共重合体を250℃
でプレス製膜すると強靭なフィルムが得られ、25%N
aOH水溶液で加水分解するとスルホン酸型イオン交換
膜が得られた。
【0031】[実施例2]C81725 に代えて、
4725 を用いる以外は、実施例1同様にして
重合を行い、イオン交換容量1.0ミリ当量/グラム乾
燥樹脂の共重合体を得た。
【0032】
【発明の効果】スルホン酸型官能基を有するパーフルオ
ロカーボン共重合体を容易に、かつ特定フロンを使用せ
ずオゾン破壊の恐れの少ない媒体中で製造できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルホン酸型官能基含有パーフルオロカー
    ボンモノマーとパーフルオロオレフィンを共重合せしめ
    る方法において、ハイドロフルオロカーボンを媒体とす
    ることを特徴とするパーフルオロカーボン重合体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】ハイドロフルオロカーボンが一般式、Cn
    m2n+2-m(但し、nは3〜16の整数、m/(2n
    +2−m)は60/40〜5/95である。)で示され
    る請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】ハイドロフルオロカーボンが、一般式、C
    2525 、Rf25 (但し、Rf はCj
    2j+1 であり、jは2〜8の整数である。)で示される
    請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】ハイドロフルオロカーボンが、C25
    25 、C4925 、C61325 又はC8
    1725 である請求項1の製造方法。
  5. 【請求項5】スルホン酸型官能基含有パーフルオロカー
    ボンモノマーが、CF2 =CFOCF2 CF(CF3
    OCF2 CF2 SO2 Fであって、これと共重合させる
    パーフルオロオレフィンがCF2 =CF2 であり、前者
    の共重合割合が20重量%以上である請求項1,2,3
    又は4の製造方法。
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