JPH0618709U - タッピングねじ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ねじ締結部材に対するシャンク角度をねじ込
み作業の途中において修正しねじ締結部材の表面に対し
て垂直にねじ込むことができるタッピングねじを提供す
る。 【構成】 鋼板用タッピングねじ１０は、その先端に位
置した、ほぼ円錐形状であって不完全ねじ部を形成した
穿孔部１５と、完全ねじ部がほぼ全長に亘って形成され
たシャンク完全ねじ部１３と、シャンク完全ねじ部と穿
孔部との間に位置した、シャンク完全ねじ部のねじ谷径
とほぼ同一径の円柱として形成されたシャンクストレー
ト部１４とを備えて成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、タッピングねじに関し、特に、鋼板用タッピングねじに関する。

【０００２】

【従来技術およびその問題点】

図２に示されているように、厚さの薄いＣ形鋼のような鋼板に石膏ボードのよ うな上材をねじ締結するのに使用される従来の鋼板用タッピングねじは、シャン ク部１の先端部１ａでねじ山径およびねじ谷径が徐々に小さくなり、最先端部で ほぼ円錐状となっている。鋼板用タッピングねじが石膏ボードとＣ形鋼との組合 せから成るねじ締結材にねじ込まれる場合、操作者は、例えば、圧縮空気駆動型 ねじ込み機を用いて鋼板用タッピングねじを回転することにより、先端部１ａの 不完全ねじ部１ｂを石膏ボードに喰い付かせ、石膏ボードからＣ形鋼の側へ、ま ず、径の小さい雌ねじを形成し、該雌ねじの径を徐々に大きくし、最終的にシャ ンク部１の完全ねじ部１ｃの径に等しい雌ねじを石膏ボードおよびＣ形鋼に形成 する。その後、鋼板用タッピングねじは、拡径頭部２の上面が石膏ボードと面一 となるまで、ねじ締結材にねじ込まれる。

【０００３】 したがって、従来の鋼板用タッピングねじは、ねじ込みの最初に先端部１ａに よって形成される雌ねじの縦軸の角度によってシャンク部１のねじ込み角度（シ ャンク角）が決定され、その後、このシャンク角を修正出来ない欠点が存在する 。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、ねじ締結部材に対するシャンク角度をねじ込み作業の途中に おいて修正しねじ締結部材の表面に対して垂直にねじ込むことができるタッピン グねじを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、タッピングねじの先端に位置し、ほぼ円錐形状であって不完全ねじ 部を形成した穿孔部と、完全ねじ部がほぼ全長に亘って形成されたシャンク完全 ねじ部と、シャンク完全ねじ部と穿孔部との間に位置し、シャンク完全ねじ部の ねじ谷径とほぼ同一径の円柱として形成されたシャンクストレート部とを含む。

【０００６】

【考案の作用・効果】

ねじ締結機により、穿孔部をねじ締結材にねじ込み、まず、小径の雌ねじを形 成する。穿孔部がねじ締結材を完全に貫通した時、シャンクストレート部は、穿 孔部が形成したねじ締結材中の雌ねじ内で自由にシャンク角度を変えることがで きる。したがって、操作者は、穿孔部がねじ締結材の表面に対して垂直から外れ る姿勢でねじ締結材にねじ込まれたときは、シャンクストレート部のシャンク角 度を修正した後、再度、シャンク完全ねじ部をねじ締結材にねじ込むことができ る。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。図１に示 されているように、本考案の一実施例にかかる鋼板用タッピングねじ１０は、プ ラス溝１１が上面に形成された拡径頭部１２と、拡径頭部１２に連続するシャン ク完全ねじ部１３と、シャンク完全ねじ部１３に連続するシャンクストレート部 １４と、該シャンクストレート部１４に連続する穿孔部１５とから成る。

【０００８】 上記シャンク完全ねじ部１３には、ほぼ全長に亘って完全ねじ部１３ａが転造 により形成されている。厳密に言えば、シャンク完全ねじ部１３の先端部に半周 程度の不完全ねじ部１３ｂが転造により形成されている。また、シャンク完全ね じ部１３のねじ山径は、全長に亘って同一径であり、シャンク完全ねじ部１３の ねじ谷径も同一径である。シャンクストレート部１４は、滑らかな表面を有する 円柱として形成されている。シャンクストレート部１４の径は、シャンク完全ね じ部１３のねじ谷径とほぼ同一か、または、若干小さい。穿孔部１５は、ほぼ円 錐状に形成され、この円錐状の面に沿って転造により不完全ねじ部１６が形成さ れている。不完全ねじ部１６のねじ山は、穿孔部１５のねじ谷部１５ａの円錐形 と同軸の円錐筒に内接する高さを有する。シャンクストレート部１４に近接する 不完全ねじ山１６ｂの径は、シャンクストレート部１４の径より大きく、シャン ク完全ねじ部１３のねじ山径より小さい。不完全ねじ山１６ｂに隣接する不完全 ねじ山１６ｃの径は、シャンクストレート部１４の径とほぼ同一である。

【０００９】 操作者は、例えば、圧縮空気駆動型ねじ込み機を用いて上記鋼板用タッピング ねじ１０を石膏ボードと薄い板厚（例えば、０．５〜１．２ｍｍ）のＣ形鋼との 組合せから成るねじ締結材にねじ込むときは、鋼板用タッピングねじ１０を回転 させつつ、穿孔部１５を石膏ボードからＣ形鋼の側へねじ込み、下穴を形成する 。ついで、操作者は、シャンクストレート部１４をＣ形鋼の下穴に挿入する。石 膏ボードおよびＣ形鋼に形成された下穴の径は、シャンクストレート部１４の径 より若干大きく、シャンクストレート部１４にねじが形成されていないので、Ｃ 形鋼の上記下穴内でシャンクストレート部１４は、自由にシャンク角度を変える ことができる。したがって、鋼板用タッピングねじ１０が石膏ボードの表面に対 して垂直な姿勢で喰い付かなかったときは、操作者は、シャンク角度を修正した 後、再度、シャンク完全ねじ部１３のねじ部を石膏ボードのねじ孔およびＣ形鋼 の下穴内にねじ込み、下穴の径を若干拡大した後、Ｃ形鋼に完全ねじ孔を形成す る。このようにして、鋼板用タッピングねじ１０は、ねじ締結材に対して完全に 垂直な姿勢でねじ込まれる。本実施例の鋼板用タッピングねじ１０によれば、シ ャンク角度が石膏ボードの表面に対して垂直でない状態で打込まれることがない ために、拡径頭部１２がそのエッジで石膏ボードを破断することがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例にかかる鋼板用タッピングね
じの側面図である。

【図２】従来技術にかかる鋼板用タッピングねじの側面
図である。

【符号の説明】

１０ 鋼板用タッピングねじ １３ シャンク完全ねじ部 １４ シャンクストレート部 １５ 穿孔部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 金子 吉広 東京都中央区日本橋箱崎町６番６号 マッ クス株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 タッピングねじの先端に位置し、ほぼ円
   錐形状であって不完全ねじ部を形成した穿孔部と、完全
   ねじ部がほぼ全長に亘って形成されたシャンク完全ねじ
   部と、シャンク完全ねじ部と穿孔部との間に位置し、シ
   ャンク完全ねじ部のねじ谷径とほぼ同一径の円柱として
   形成されたシャンクストレート部とを含むタッピングね
   じ。