JPH0614319Y2 - ディスク搬送機構のトレイ移動時間調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この考案は、ビデオディスクあるいはデジタルオーディ
オディスクを演奏するディスクプレーヤのディスクプレ
ーヤのディスク搬送機構に係るものであり、特に、フロ
ントローディングディスクプレーヤのディスク搬送機構
に好適なトレイ移動時間調整装置に関するものである。

（ロ）従来技術 従来、この種のディスク搬送機構としては、例えば、第
４図および第５図に示すように構成したものがある。

この第４図、第５図のディスク搬送機構は、図示してい
ないが、ディスクを回転させる回転駆動手段を内部に有
し、かつフロントパネルに開口部が設けられたプレーヤ
ハウジング内へ納められている。

そして、このプレーヤハウジングには、自動的に開口部
から外部へ突出、および内部へ収納自在に構成したトレ
イ１が設けられている。

このトレイ１は、フロントパネルの開口部からプレーヤ
ハウジングの外部へ突出された突出位置と、プレーヤ
ハウジングの内部へ引き込まれた収納位置（ディスク演
奏位置）との間を自動的に移動するともに、突出位置
においてディスクを載置して、そしディスクを収納位
置まで引き込んだ後、回転駆動手段に対して相対的に
上下動して、回転駆動手段へディスク脱着を行うように
構成されている。

さらに、ディスクを回転駆動手段へ装着する手段として
は、回転駆動手段と対向するように配置され、かつその
回転駆動手段へディスクが装着された時に、ディスクを
回転駆動手段に対して相対的に押さえて、その回転駆動
手段との間で挟持する押え部材が設けられている。

なお、第４図において、２はトレイ１を上述したような
移動動作を行わせるための駆動モータ、３はトレイ１等
の制御を行うマイクロコンピュータ、４はトレイ１の収
納位置を検出するセンサースイッチ、５はトレイ１の
突出位置を検出するセンサースイッチである。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 しかし、上記した従来のディスク搬送機構においては、
トレイ１の駆動モータ２（ＤＣモータの場合）を通常一
定の直流電圧で駆動していた。したがって、ディスク搬
送機構を構成するメカニズムのばらつきや経時変化によ
って、トレイの移動速度が変化してしまうという欠点が
あった。特に、メカニズムの経時変化については、製造
時に調整を行つても避けることができない問題点であっ
た。

この考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、デ
ィスク搬送機構を構成するメカニズムのばらつきや経時
変化があっても、トレイの移動動作を繰り返すことによ
り自動的に所定のトレイ移動動作時間に調整され、初期
の性能を長時間にわたって維持することができるディス
ク搬送機構のトレイ移動時間調整装置を提供しようとす
るものである。

（ニ）問題を解決するための手段 第１図は、この考案の構成を示す機能ブロック図であ
り、上記目的を達成するために、この考案におけるディ
スク搬送機構のトレイ移動時間調整装置は、ディスクを
自動的に演奏位置に搬送するディスク搬送機構におい
て、トレイが突出位置と収納位置（演奏位置）との間を
移動するときに基準となる移動時間を予め設定する移動
基準時間設定手段Ａと、トレイが突出位置と収納位置と
の間を実際に移動するときに要する移動時間を計測する
計測手段Ｂと、この計測手段Ｂの計測したトレイの実移
動時間と予め設定された移動基準時間とを比較する比較
手段Ｃと、この比較手段Ｃの比較結果に基づき、トレイ
駆動モータ制御手段Ｅへトレイの移動時間データを補正
するための情報信号を出力する移動時間補正手段Ｄとか
らなるものである。

（ホ）作用 計測手段Ｂは、トレイが突出位置と収納位置との間を実
際に移動するのに要した時間を計測し、その計測した実
移動時間情報信号を比較手段Ｃへ送る。

比較手段Ｃは予め設定されたトレイの移動基準時間と比
較する。

移動時間補正手段Ｄは、比較手段Ｃの比較結果に基づ
き、トレイ駆動モータ制御手段Ｅへトレイの移動時間デ
ータを補正するための情報信号を出力する。

よって、トレイ駆動モータには、次に、トレイを移動さ
せる時から、補正された時間データに基づいて設定され
たドライブ電圧が印加される。

（ヘ）実施例 実施例について図面を参照して説明する。

第１図および第２図において、トレイ開閉スイッチ（図
示しない）が押されると、マイクロコンピュータ３はト
レイ開閉コマンドを受け取り（ステップＳ１）、トレイ
駆動モータ２に対してドライブ信号を出力する（ステッ
プＳ２）。

マイクロコンピュータ３は、ドライブ信号を出力すると
同時にカウンタをスタートさせる（ステップＳ３）。

一方、トレイ１は突出位置から収納位置（または、
この逆方向）へ移動し、収納位置検出スイッチ４（また
は突出位置検出スイッチ５）を押す（ステップＳ４）。

マイクロコンピュータ３は、検出スイッチ４（または
５）のセンサー信号を受けた時点でカウンタの値を読み
取る（ステップＳ５）。

そして、マイクロコンピュータ３は内部に予め設定され
たトレイ１の移動基準時間と読み取ったカウンタの値と
を比較する（ステップＳ６）。

この比較結果に基づき、トレイ１の突出位置と収納位
置との間の移動時間データを補正する（ステップＳ
７、またはＳ８）。

したがって、次に、トレイ１を移動する時には、この補
正された時間データに基づいて設定されたドライブ電圧
によってトレイ駆動モータ２を駆動することができ、ト
レイの移動速度を一定に保持することができる。

なお、トレイ駆動モータ２のドライブ電圧は、何らかの
方法で加減できるようにしておく。例えば、トレイ駆動
モータ２がＤＣモータの場合は、ＰＷＭ電源で駆動し、
そのパルスのデュティー比を変えることによってドライ
ブ電圧を変える方法などがある。

また、この考案は、その構成の大部分がソフトウェアに
依存しているため、外付部分が少なく、トレイの移動基
準時間値の変更等も容易に行うことができ、柔軟性に富
んでいて実施が容易である。

（ト）考案の効果 この考案は、上述のとおり構成されているので、ディス
ク搬送機構を構成するメカニズムのばらつきや経時変化
があっても、トレイの移動時間を一定に保持することが
できる。

また、この考案のディスク搬送装置のトレイ移動時間調
整機能は、ディスクプレーヤに内蔵されているマイクロ
コンピュータのソフトウェアに大きく依存しており、コ
ストを上げることなく機能を増やすことができるという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の構成を示す機能ブロック図、第２図
はこの考案の一実施例の概略構成を示すブロック図、第
３図はこの考案の一実施例のフローチャート図である。 第４図は従来例のブロック図、第５図は従来例のフロー
チャート図である。 主要部分の符号の説明 Ａ：トレイの移動基準時間設定手段 Ｂ：トレイの実移動時間計測手段 Ｃ：比較手段 Ｄ：トレイの移動時間補正手段 Ｅ：トレイ駆動モータ制御手段 １：トレイ ２：トレイ駆動モータ ３：マイクロコンピュータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクを回転させる回転駆動手段を内部
   に有し、かつフロントパネルに開口部が設けられたプレ
   ーヤハウジングと、 このフロントパネルの開口部からプレーヤハウジングの
   外部へ突出された突出位置とプレーヤハウジングの内部
   へ引き込まれた収納位置との間を移動するとともに、突
   出位置においてディスクを載置してそのディスクを収納
   位置まで引き込んだ後、回転駆動手段に対して相対的に
   上下動かし、回転駆動手段へディスクの脱着を行うトレ
   イと、 回転駆動手段と対向するように配置され、その回転駆動
   手段にディスクが装着された時、ディスクを回転駆動手
   段に対して相対的に押えて、その回転駆動手段との間で
   挟持する押え部材とを備えたフロントローディングディ
   スクプレーヤのディスクプレーヤのディスク搬送機構に
   おいて、 トレイの突出位置と、収納位置との間を移動するときの
   基準となる移動時間を設定する移動基準時間設定手段
   と、 トレイの突出位置と収納位置との間の実移動時間を計測
   する計測手段と、 この計測手段の計測したトレイの実移動時間と、予め設
   定された移動基準時間とを比較する比較手段と、 この比較手段の比較結果に基づき、トレイ駆動モータ制
   御手段へトレイの移動時間を補正するための情報信号を
   出力する移動時間補正手段と からなるディスク搬送機構のトレイ移動時間調整装置。