JPH0610112A - 無機質皮膜の強化方法 - Google Patents
無機質皮膜の強化方法Info
- Publication number
- JPH0610112A JPH0610112A JP17135692A JP17135692A JPH0610112A JP H0610112 A JPH0610112 A JP H0610112A JP 17135692 A JP17135692 A JP 17135692A JP 17135692 A JP17135692 A JP 17135692A JP H0610112 A JPH0610112 A JP H0610112A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating
- coating film
- strengthening
- film
- ceramics
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- Pending
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- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 基材表面の無機質皮膜の強化方法を提供す
る。 【構成】 溶融メッキ浴に使用するロールのような基材
表面に、セラミックス、サーメット等の溶射を行なって
多気孔の皮膜を形成し、その気孔部分に無機質液状コー
ティング剤を含浸、封孔処理し、必要により焼成処理を
施して生成するセラミックスで前記皮膜を緻密化し強化
する事を特徴とする、無機質皮膜の強化方法。 【効果】 多孔質溶射皮膜の強度が著しく改善され、高
密着性がえられる。
る。 【構成】 溶融メッキ浴に使用するロールのような基材
表面に、セラミックス、サーメット等の溶射を行なって
多気孔の皮膜を形成し、その気孔部分に無機質液状コー
ティング剤を含浸、封孔処理し、必要により焼成処理を
施して生成するセラミックスで前記皮膜を緻密化し強化
する事を特徴とする、無機質皮膜の強化方法。 【効果】 多孔質溶射皮膜の強度が著しく改善され、高
密着性がえられる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融メッキ浴に使用す
るロールのような耐磨耗、耐食、耐熱性機械部材や、各
種器具類に施されているセラミックス、サーメット等の
溶射皮膜を、使用に適するように改質強化する方法に関
する。
るロールのような耐磨耗、耐食、耐熱性機械部材や、各
種器具類に施されているセラミックス、サーメット等の
溶射皮膜を、使用に適するように改質強化する方法に関
する。
【０００２】
【従来の技術】従来、溶融メッキ浴に使用するロールの
ような耐磨耗、耐食、耐熱性機械部材等の表面部分には
これら部材の特性を発揮させるためセラミックスやサー
メットの溶射による皮膜形成が行なわれ、実用に供され
てきた。これら皮膜は緻密で気孔率の小さいものがよい
とされてきたため、溶射皮膜の緻密化、低気孔率化には
各種の技術開発が行なわれてきた。
ような耐磨耗、耐食、耐熱性機械部材等の表面部分には
これら部材の特性を発揮させるためセラミックスやサー
メットの溶射による皮膜形成が行なわれ、実用に供され
てきた。これら皮膜は緻密で気孔率の小さいものがよい
とされてきたため、溶射皮膜の緻密化、低気孔率化には
各種の技術開発が行なわれてきた。
【０００３】また表面コーティング剤として各種の無機
質コーティング剤が開発され、薄いセラミックス膜の形
成方法が提案されている。
質コーティング剤が開発され、薄いセラミックス膜の形
成方法が提案されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セラミ
ックスの溶射皮膜を緻密化しようとすると、皮膜の機能
が低下したり、また、コーティング剤の場合は密着性に
難点があって、厚手のセラミックス皮膜を得ることは困
難であり、適切な方法が知られていなかった。
ックスの溶射皮膜を緻密化しようとすると、皮膜の機能
が低下したり、また、コーティング剤の場合は密着性に
難点があって、厚手のセラミックス皮膜を得ることは困
難であり、適切な方法が知られていなかった。
【０００５】本発明は前記した問題点を解消し、密着力
が高く、しかも気孔率が小さい耐磨耗、耐食あるいは耐
熱性のセラミック皮膜を機械部材等の所定の表面に形成
する方法を提供することを目的としている。
が高く、しかも気孔率が小さい耐磨耗、耐食あるいは耐
熱性のセラミック皮膜を機械部材等の所定の表面に形成
する方法を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、気孔率が大きい
セラミックス溶射皮膜は、基材への密着処理が容易であ
ることに着目し、かかる皮膜にたいして封孔処理を施す
ことが効果的であることを知見して、本発明を完成する
に至った。
め、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、気孔率が大きい
セラミックス溶射皮膜は、基材への密着処理が容易であ
ることに着目し、かかる皮膜にたいして封孔処理を施す
ことが効果的であることを知見して、本発明を完成する
に至った。
【０００７】すなわち、本発明は、溶融メッキ浴に使用
するロールのような基材表面に、セラミックス、サーメ
ット等の溶射を行なって多気孔の皮膜を形成し、その気
孔部分に無機質液状コーティング剤を含浸、封孔処理
し、必要により焼成処理を施して生成するセラミックス
で前記皮膜を緻密化し強化する事を特徴とする、無機質
皮膜の強化方法を要旨としている。また溶射皮膜の表面
より微小孔を無数にあける加工を施し、該微小孔に無機
質液状コーティング剤を含浸、封孔処理し、必要により
焼成処理を施して生成するセラミックスで前記皮膜を緻
密化し強化する事を特徴とする、無機質皮膜の強化方法
をも要旨としている。
するロールのような基材表面に、セラミックス、サーメ
ット等の溶射を行なって多気孔の皮膜を形成し、その気
孔部分に無機質液状コーティング剤を含浸、封孔処理
し、必要により焼成処理を施して生成するセラミックス
で前記皮膜を緻密化し強化する事を特徴とする、無機質
皮膜の強化方法を要旨としている。また溶射皮膜の表面
より微小孔を無数にあける加工を施し、該微小孔に無機
質液状コーティング剤を含浸、封孔処理し、必要により
焼成処理を施して生成するセラミックスで前記皮膜を緻
密化し強化する事を特徴とする、無機質皮膜の強化方法
をも要旨としている。
【０００８】
【作用】本発明の構成と作用を説明する。本発明方法
は、溶射による基材上への皮膜生成と、該皮膜へのコー
ティング剤含浸の各工程から構成される。
は、溶射による基材上への皮膜生成と、該皮膜へのコー
ティング剤含浸の各工程から構成される。
【０００９】皮膜形成のための溶射工程は、後から含浸
させるコーティング剤を吸着するため、ある程度ポーラ
スである事が好ましい。しかし気孔率の大きい溶射皮膜
は概して密着力が低い。したがってこの場合の皮膜に
は、密着力の高いサーメット材料を、気孔を持つよう溶
射するのがよい。セラミックス溶射の場合には、気孔率
は大きいので適当な密着強度を持つように、溶射バウダ
ーの粒度、溶射条件を選定する。
させるコーティング剤を吸着するため、ある程度ポーラ
スである事が好ましい。しかし気孔率の大きい溶射皮膜
は概して密着力が低い。したがってこの場合の皮膜に
は、密着力の高いサーメット材料を、気孔を持つよう溶
射するのがよい。セラミックス溶射の場合には、気孔率
は大きいので適当な密着強度を持つように、溶射バウダ
ーの粒度、溶射条件を選定する。
【００１０】サーメット材料としては、基材への密着性
が必要なため、Ｎｉ，Ｃｏ等の金属成分を重量で１５％
以下含有する材料が好ましい。セラミックス材料として
はアルミナ、チタニア等で好結果が得られている。ま
た、皮膜のセラミックス量を増量した場合、皮膜強度が
下がり、破壊され易くなる。
が必要なため、Ｎｉ，Ｃｏ等の金属成分を重量で１５％
以下含有する材料が好ましい。セラミックス材料として
はアルミナ、チタニア等で好結果が得られている。ま
た、皮膜のセラミックス量を増量した場合、皮膜強度が
下がり、破壊され易くなる。
【００１１】一方、皮膜強度の高いセラミックスでも、
機能的には不十分な場合がある。これらの場合、含浸処
理により、別の有用なセラミックス皮膜を形成させるこ
とができる。したがって気孔率の範囲は一義的には定ま
らないが、高気孔率皮膜を含浸強化する場合、気孔率と
しては、５〜２０％の範囲が適当であることが確認され
ている。
機能的には不十分な場合がある。これらの場合、含浸処
理により、別の有用なセラミックス皮膜を形成させるこ
とができる。したがって気孔率の範囲は一義的には定ま
らないが、高気孔率皮膜を含浸強化する場合、気孔率と
しては、５〜２０％の範囲が適当であることが確認され
ている。
【００１２】含浸封孔剤は、目的とするセラミックスの
皮膜特性によって選定する。現在、各種の塗料やコーテ
ィング剤があるが、好結果が得られるのは、珪酸エチル
のような金属アルコキシドをアルコールに溶解したゾ
ル、ゲル法による薄膜形成、クロム酸塗布によるＣｒ2
Ｏ3薄膜形成などである。
皮膜特性によって選定する。現在、各種の塗料やコーテ
ィング剤があるが、好結果が得られるのは、珪酸エチル
のような金属アルコキシドをアルコールに溶解したゾ
ル、ゲル法による薄膜形成、クロム酸塗布によるＣｒ2
Ｏ3薄膜形成などである。
【００１３】また多成分系のアルコキシド・アルコール
溶液で、複合酸化物を充填することも可能である。また
これらの含浸剤は、多くの場合酸化物形成のために焼成
が必要となるが、その温度は数百℃以下で十分である。
溶液で、複合酸化物を充填することも可能である。また
これらの含浸剤は、多くの場合酸化物形成のために焼成
が必要となるが、その温度は数百℃以下で十分である。
【００１４】緻密な溶射皮膜であっても、溶射層表面よ
り微細孔加工を行なうことによって、気孔と同様の目的
を達しうる。微細孔加工の方法としては、放電加工、レ
ーザー加工等が可能である。
り微細孔加工を行なうことによって、気孔と同様の目的
を達しうる。微細孔加工の方法としては、放電加工、レ
ーザー加工等が可能である。
【００１５】溶射皮膜の厚さとしては、通常５０〜３０
０μｍの範囲がよく、含浸処理での皮膜への浸透深さは
溶射皮膜全厚でよいが、余盛厚は５０μｍ以下に押さえ
るのがよいようである。余盛皮膜が厚すぎるとセラミッ
クス皮膜のため剥離し易くなる。すなわち密着力の強い
溶射皮膜で、皮膜厚さを十分にとり、含浸コーティン
グ、焼成処理で皮膜気孔と連結した極薄の表面無機質皮
膜を１０μｍ程度付けるのがよいことが分かった。
０μｍの範囲がよく、含浸処理での皮膜への浸透深さは
溶射皮膜全厚でよいが、余盛厚は５０μｍ以下に押さえ
るのがよいようである。余盛皮膜が厚すぎるとセラミッ
クス皮膜のため剥離し易くなる。すなわち密着力の強い
溶射皮膜で、皮膜厚さを十分にとり、含浸コーティン
グ、焼成処理で皮膜気孔と連結した極薄の表面無機質皮
膜を１０μｍ程度付けるのがよいことが分かった。
【００１６】
【実施例】本発明の構成・効果を実施例により具体的に
説明するが、これにより本発明が限定されるものではな
い。本発明を溶融メッキ浴に使用するロールに適用した
実施例および比較例を、表１にまとめて示した。
説明するが、これにより本発明が限定されるものではな
い。本発明を溶融メッキ浴に使用するロールに適用した
実施例および比較例を、表１にまとめて示した。
【００１７】
【表１】
【００１８】表１において、比較材と対比してみるとＮ
ｏ．１，Ｎｏ．２はセラミック溶射の場合で、気孔率が
大きいため含浸処理で密着強度は改善され、溶融Ｚｎ侵
入による表面のＺｎ付着面積率は大きく改善されてい
る。また、Ｎｏ．３，Ｎｏ．４のサーメット溶射の場合
も同様で、サーメット皮膜のため密着強度が高く、溶融
Ｚｎ侵入によるＺｎの付着が非常に少なくなっている。
ｏ．１，Ｎｏ．２はセラミック溶射の場合で、気孔率が
大きいため含浸処理で密着強度は改善され、溶融Ｚｎ侵
入による表面のＺｎ付着面積率は大きく改善されてい
る。また、Ｎｏ．３，Ｎｏ．４のサーメット溶射の場合
も同様で、サーメット皮膜のため密着強度が高く、溶融
Ｚｎ侵入によるＺｎの付着が非常に少なくなっている。
【００１９】Ｎｏ．５は表面加工の場合で、表面加工の
みでは溶融Ｚｎの侵入があり、Ｚｎが付着するが、アル
ミニウム・アルコキシドアルコール液か、チタン・アル
コキシドアルコール液を塗布、焼成することにより、Ｚ
ｎ付着面積率は大きく低下した。しかし、比較材のよう
に研磨面に塗布したのみでは、形成セラミックス皮膜が
剥がれ易く、必ずしも良結果とはなっていない。すなわ
ち溶射皮膜の気孔が表層セラミックス皮膜のアンカー効
果を発揮していると考えられ、多孔質皮膜、含浸処理材
が溶融Ｚｎ付着が少ないことが分かる。
みでは溶融Ｚｎの侵入があり、Ｚｎが付着するが、アル
ミニウム・アルコキシドアルコール液か、チタン・アル
コキシドアルコール液を塗布、焼成することにより、Ｚ
ｎ付着面積率は大きく低下した。しかし、比較材のよう
に研磨面に塗布したのみでは、形成セラミックス皮膜が
剥がれ易く、必ずしも良結果とはなっていない。すなわ
ち溶射皮膜の気孔が表層セラミックス皮膜のアンカー効
果を発揮していると考えられ、多孔質皮膜、含浸処理材
が溶融Ｚｎ付着が少ないことが分かる。
【００２０】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているから、多孔質溶射皮膜の強度が著しく改善され、
高密着性という機能を付加する手段として極めて有用で
あり、産業上益するところ極めて大である。
ているから、多孔質溶射皮膜の強度が著しく改善され、
高密着性という機能を付加する手段として極めて有用で
あり、産業上益するところ極めて大である。
Claims (3)
- 【請求項１】基材表面に、セラミックス、サーメット等
の溶射を行なって多気孔の皮膜を形成し、その気孔部分
に無機質液状コーティング剤を含浸、封孔処理し、必要
により焼成処理を施して生成するセラミックスで前記皮
膜を緻密化し強化する事を特徴とする、無機質皮膜の強
化方法。 - 【請求項２】溶射皮膜の表面より微小孔を無数にあける
加工を施す請求項１記載の無機質皮膜の強化方法。 - 【請求項３】基材が溶融メッキ浴に使用するロールであ
る請求項１または２記載の無機質皮膜の強化方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17135692A JPH0610112A (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 無機質皮膜の強化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17135692A JPH0610112A (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 無機質皮膜の強化方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0610112A true JPH0610112A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=15921672
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17135692A Pending JPH0610112A (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 無機質皮膜の強化方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0610112A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997032053A1 (fr) * | 1996-02-28 | 1997-09-04 | Nippon Steel Hardfacing Co., Ltd. | Procede de formation d'un depot par pulverisation |
| AU682696B2 (en) * | 1993-05-28 | 1997-10-16 | Combitech Traffic Systems Ab | A method and a device for the registration of the movement of a vehicle |
| JP2012062511A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 耐高温部材及びガスタービン |
| JP2013129917A (ja) * | 2013-03-19 | 2013-07-04 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 耐高温部材及びガスタービン |
| JP2013136845A (ja) * | 2013-03-19 | 2013-07-11 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 耐高温部材及びガスタービン |
-
1992
- 1992-06-29 JP JP17135692A patent/JPH0610112A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AU682696B2 (en) * | 1993-05-28 | 1997-10-16 | Combitech Traffic Systems Ab | A method and a device for the registration of the movement of a vehicle |
| WO1997032053A1 (fr) * | 1996-02-28 | 1997-09-04 | Nippon Steel Hardfacing Co., Ltd. | Procede de formation d'un depot par pulverisation |
| US5952054A (en) * | 1996-02-28 | 1999-09-14 | Nippon Steel Hardfacing Co., Ltd. | Method of forming spray deposit and integrated sealer layer |
| JP2012062511A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 耐高温部材及びガスタービン |
| JP2013129917A (ja) * | 2013-03-19 | 2013-07-04 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 耐高温部材及びガスタービン |
| JP2013136845A (ja) * | 2013-03-19 | 2013-07-11 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 耐高温部材及びガスタービン |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20001031 |