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JPH06107611A - ベタインの製造方法 - Google Patents

ベタインの製造方法

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Publication number
JPH06107611A
JPH06107611A JP2238191A JP2238191A JPH06107611A JP H06107611 A JPH06107611 A JP H06107611A JP 2238191 A JP2238191 A JP 2238191A JP 2238191 A JP2238191 A JP 2238191A JP H06107611 A JPH06107611 A JP H06107611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
betaine
waste liquid
waste liquor
raw material
purity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2238191A
Other languages
English (en)
Inventor
正幸 ▲塚▼田
Masayuki Tsukada
Yoshifumi Oikawa
善史 及川
Kazuyoshi Minoshima
和良 蓑島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HOKUREN FEDERATION OF AGRICULT COOP
Original Assignee
HOKUREN FEDERATION OF AGRICULT COOP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HOKUREN FEDERATION OF AGRICULT COOP filed Critical HOKUREN FEDERATION OF AGRICULT COOP
Priority to JP2238191A priority Critical patent/JPH06107611A/ja
Publication of JPH06107611A publication Critical patent/JPH06107611A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステッフェン廃液、またはクロマト廃液から
再生剤等の薬品を使用せずに、従来の方法より安価に、
効率良く、高純度のベタインを製造する方法を提供す
る。 【構成】 ステッフェン廃液、またはクロマト廃液を原
料液とし、この原料液を塩型強酸性陽イオン交換樹脂を
分離剤に用いて、流出区分を分別して高純度のベタイン
区分を得る。この区分を煎糖法により結晶させる。ベタ
インの含水結晶は煎糖温度を90℃以下にし、無水結晶
は煎糖から分離までの全工程を100℃以上で行なって
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、甜菜糖工業廃棄物から
ベタインを高純度に回収して、製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベタインは、従来から飼料添加物として
用いられている他、調味料及び風味改良剤などの用途も
開発されている有用物質である。ベタインは、動植物界
に広く存在する塩基性含窒素化合物であり、特に甜菜根
他のアカザ科植物及びタコ、イカ等の水産動物に多く含
まれる。また、化学的に安定な物質で、甜菜糖製造時の
石炭等による高アルカリ処理及び濃縮・晶出等の加熱処
理においても分解せず、糖蜜中に移行することが知られ
ている。
【0003】従来、工業的にベタインを回収するには、
甜菜糖工業副産物に分類される廃糖蜜からクロマト分離
法で回収する方法、および廃糖蜜から更に蔗糖を回収し
た後の、甜菜糖工業廃棄物に分類される、いわゆるステ
ッフェン廃液から化学的に回収する方法が、主として採
用されていた。またさらに、その他、ベタインの回収例
として報告されたものは、甜菜糖工業廃棄物に分類され
るイオン交換脱塩法使用樹脂の再生廃液から得た例、甜
菜糖醗酵残渣を原料として化学的処理により金属塩の除
去を行うか又はイオン交換樹脂への吸着を利用してベタ
インを得た例が、存在していた。
【0004】図1に従来の、化学的方法とイオン交換脱
塩法によるベタインの製造のフロー図を示す。図1に示
すように、化学的方法は、ステッフェン廃液を硫酸で処
理し、沈澱物と溶液とに分け、溶液をさらに精製してベ
タインを得るものである。イオン交換脱塩法は、糖蜜を
イオン交換脱塩処理したそのイオン交換樹脂をアンモニ
アで溶出処理し、その再生廃液を精製してベタインを得
ようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来お
こなわれていた、前記方法では塩酸、硫酸、有機溶媒、
アンモニア等の薬品を使用するため、精製コストが高く
つくという問題点があった。また、これらの方法からは
効率よく高純度のベタインを得ることはできなかった。
【0006】さらに、最近、甜菜糖工業副産物である廃
糖蜜からイオン交換樹脂を分離剤として蔗糖を回収して
いるが、この蔗糖を回収した残りの脱糖区分(以下、ク
ロマト廃液という。甜菜糖工業廃棄物に分類される。)
から高純度のベタインを回収した例は報告されていな
い。そこで本発明は、前記したこのような問題点を解決
するために、ステフッフェン廃液、または、クロマト廃
液から再生剤等の薬品を使用せずに、従来の方法より安
価に、効率よく、高純度のベタインを製造する方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した問題点
を解決するために、甜菜糖蜜から塩型強酸性陽イオン交
換樹脂を分離剤として蔗糖を回収したときに生じる廃液
(いわゆる、クロマト廃液)を原料液とするか、また
は、甜菜糖密からステッフェン法で蔗糖を回収したとき
に生じる廃液(いわゆる、ステッフェン廃液)を原料液
とし、この原料液を塩型強酸性陽イオン交換樹脂を分離
剤に用いて分別し、ベタインを回収して、ベタインの製
造方法としたものである。
【0008】本発明で用いるクロマト廃液またはステッ
フェン廃液の組成は、1例を示せば次のようなものがあ
る。
【0009】
【表1】
【0010】本発明において使用するイオン交換樹脂と
しては、ジビニルベンゼン含有量の低い、例えば、6%
程度の含有量の、即ち、架稿度の低いものが好ましく、
例えば、ダイヤイオンUBK530K(商品名)、ダウ
エックス99(商品名)等の樹脂が好適に用いられ、そ
の平均粒径は、320〜360μmのものが好ましい。
また、これと結合する塩としては、ナトリウム塩を使用
するのが良い。
【0011】次に、塩型強酸性陽イオン交換樹脂を用い
た本発明のベタインの製造方法を説明する。例えば、ク
ロマト廃液をダイヤイオンUBK530K、平均粒径3
60ミクロン、Na型にて処理した場合について説明す
ると、内径180mm、高さ1000mmの保温ジャケ
ット付ステンレス製カラムに、上記ダイヤイオンUBK
530K−Na型を24l充填し、80℃に調温する。
このカラムの上部から濾過器で前処理され、80℃に加
温されたクロマト廃液(ブリックス57.6、蔗糖1
0.9%(固形分当たり)、ベタイン10.1%(固形
分当たり))を1.2l(樹脂量の5%(V/V))供
給し、SV(空間速度:流出量l/樹脂量l/1時間)
0.55で樹脂中を流下させ、引き続き80℃の蒸留水
を同じSVで供給する。最初の流出液6.6lは廃棄
し、以降0.8lを1フラクションとして順次採取し、
表2の結果を得た。なお、蔗糖、ベタインの分析法につ
いては、蔗糖が液体クロマトグラフ法、ベタインは、ラ
イネッケ塩法で行なった。表2中の表示は無水ベースと
した。
【0012】
【表2】
【0013】表2に示すように、樹脂の分子篩効果によ
り、ベタインは二糖類である蔗糖およびその他の非糖分
より後に流出し、各フラクションのベタイン純度が異な
っている。従って、回収フラクションを任意に選択する
ことにより、即ち、カットポイントを変えることによ
り、ベタイン純度の高い回収液を得ることができる。こ
の回収液を濃縮し、煎糖法による結晶成長をおこなって
ベタイン1水和物結晶を容易に採取できる。また、煎糖
を高温度で行うことにより、無水ベタイン結晶を得るこ
ともできる。
【0014】前述の例においては、一つの条件について
説明したが、樹脂カラムに供給する各廃液の濃度範囲は
ブリックス10〜60であれば良く、供給量も樹脂に対
し2.5〜7.5%(V/V)まで良く、通液速度SV
は、0.25〜0.75の範囲においては、大差がな
い。本発明は、上記の如く、クロマト廃液およびステッ
フェン廃液を塩型強酸性陽イオン交換樹脂を分離剤に用
い、得られる流出液を適当な範囲で回収し、これを濃
縮、煎糖することにより、高純度ベタインを1水和結晶
または無水結晶として容易に製造することができるもの
である。特に、本発明においては、環境上問題となる薬
品類を全く使用することなく製造することができ、工業
的価値は極めて大きいものである。
【0015】即ち、含水結晶を作るときは煎糖温度を9
0℃以下にして行い、無水結晶を作るときは煎糖から分
離までの全工程を100℃以上に保ちながら、結晶成長
および分離を行い、かつ、結晶を洗浄しないようにして
行う。
【0016】
【実施例1】径180mm、高さ1000mmの保温ジ
ャケット付ステンレス製カラムにNa型に再生したダウ
エックス99の平均粒径330ミクロンを24l充填
し、ジャケットに80℃の温水を循環して保温しながら
カラム上部より80℃の温水を通水し、樹脂槽を80℃
に調温する。流出水が80℃に達した時点で温水の供給
を止める。次に、クロマト廃液(ブリックス49.2、
蔗糖17.25%onBX、ベタイン17.10%on
BX)1.2lを濾過し、80℃に加熱してSV0.5
5でイオン交換樹脂カラムを流下させ、引き続き80℃
の蒸留水を同じSVで供給する。
【0017】最初の流出液8lを廃棄し、0.8lを1
フラクションとし、No.11〜13の3フラクション
を回収する。これと同じ処理を8回反復し、ベタイン純
度88.30%の回収液を得た。この回収液をブリック
ス60まで濃縮して母液とし、ロータリーエバポレータ
ーを使用して煎糖法による結晶成長を行った。ウォータ
ーバス温度を90℃に保ち、フラスコ内真空度を120
Torr、液温を80℃として結晶成長を行ったとこ
ろ、ベタイン1水和物の結晶スラリー1217gを得
た。これを3000rpmで遠心分離し、同じ条件で3
9gの散水を行った後、恒温器により105℃、5時間
の静置乾燥を行い、純度98.0%、水分1.5%のベ
タイン518gを得た。含水ベタインを乾燥する前後の
写真を図2に示し、図2(a)は乾燥前、図2(b)は
乾燥後のものである。乾燥した結晶は内部から水分が抜
けるため乳白色となり、表面の光沢がなくなっている。
得られたベタインの純度は、市販試薬ベタインを基準と
し、ライネッケ塩による沈澱の迅速比色法により定量し
た。この粗結晶の回収率は、無水換算で供給クロマト廃
液中のベタインに対し50.5%であった。
【0018】
【実施例2】実施例1で使用した樹脂の入ったカラムと
同じカラムを実施例1と同様80℃に調温し、これにス
テッフェン廃液(ブリックス54.8、ベタイン15.
2%(固形分当たり))1.2lを濾過して80℃に加
熱し、SV0.55で樹脂槽を流下させ、引き続き80
℃の温水を同じSVで供給し、最初の流出液8lを廃棄
し、No.12〜14の3フラクションを回収する。こ
れと同じ走査を8回反復し、ベタイン純度89.7%の
回収液を得た。
【0019】この回収液を実施例1と同様ブリックス6
0まで濃縮して母液とし、オイルバスを高温の130℃
に保ち、フラスコ内真空度を300Torr、液温を1
10℃として結晶成長を行ったところ、無水ベタインの
結晶スラリー1036gを得た。これを3000rpm
で無散水による遠心分離を行い、恒温器により105
℃、2時間の静置乾燥を行い、純度99.0%、水分
0.27%の無水ベタイン結晶325gを得た。無水ベ
タインの乾燥前後の写真を図3に示し、図3(a)は乾
燥前、図3(b)は乾燥後のものである。無水結晶は表
面の水分が乾燥するのみで、乾燥後も透明で光沢が失わ
れていない。
【0020】この無水ベタインの回収率は、供給ステッ
フェン廃液中のベタインに対し、32.0%であった。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果が奏される。 (1)環境上問題となる薬品類を全く使用することなく
高純度ベタインを製造することができる。 (2)高純度ベタインを1水和結晶または無水結晶とし
て容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の、化学的方法とイオン交換脱塩法による
ベタインの製造のフロー図を示す。
【図2】含水ベタインを乾燥する前後の状態を示し、図
2(a)は乾燥前、図2(b)は乾燥後のものである。
【図3】無水ベタインを乾燥する前後の状態を示し、図
3(a)は乾燥前、図3(b)は乾燥後のものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月30日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 甜菜糖蜜から塩型強酸性陽イオン交換樹
    脂を分離剤として蔗糖を回収したときに生じる廃液を原
    料液とし、この原料液を塩型強酸性陽イオン交換樹脂を
    分離剤に用いて分別し、ベタインを回収することを特徴
    とするベタインの製造方法。
  2. 【請求項2】 甜菜糖密からステッフェン法で蔗糖を回
    収したときに生じる廃液を原料液とし、この原料液を塩
    型強酸性陽イオン交換樹脂を分離剤に用いて分別し、ベ
    タインを回収することを特徴とするベタインの製造方
    法。
JP2238191A 1991-02-15 1991-02-15 ベタインの製造方法 Pending JPH06107611A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999033784A1 (en) * 1997-12-25 1999-07-08 Organo Corporation Process for recovering betaine
JP2014217302A (ja) * 2013-05-07 2014-11-20 日本甜菜製糖株式会社 家畜尿石症予防及び/又は治療剤
US10047338B2 (en) 2014-04-17 2018-08-14 Euglena Co., Ltd. Algae cultivation method and production method for osmotic pressure regulator
US10214559B2 (en) 2014-07-03 2019-02-26 Heriot-Watt University Protein recovery

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19990826