Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JPH059666A - 方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

方向性電磁鋼板およびその製造方法

Info

Publication number
JPH059666A
JPH059666A JP3051367A JP5136791A JPH059666A JP H059666 A JPH059666 A JP H059666A JP 3051367 A JP3051367 A JP 3051367A JP 5136791 A JP5136791 A JP 5136791A JP H059666 A JPH059666 A JP H059666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annealing
steel sheet
less
atmosphere
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3051367A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2639226B2 (ja
Inventor
Hiroyoshi Yashiki
裕義 屋鋪
Teruo Kaneko
輝雄 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP3051367A priority Critical patent/JP2639226B2/ja
Priority to US07/850,857 priority patent/US5250123A/en
Priority to CA002063045A priority patent/CA2063045A1/en
Priority to EP92104522A priority patent/EP0503680B1/en
Priority to DE69222964T priority patent/DE69222964T2/de
Publication of JPH059666A publication Critical patent/JPH059666A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2639226B2 publication Critical patent/JP2639226B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/04Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing manganese
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/12Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/02Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing silicon

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】方向性電磁鋼板の鉄損を小さくし、そのような
鋼板を安価に製造する。 【構成】Si: 1.5〜3.0 %、Mn: 1.0〜3.0 %、酸可溶
性Al: 0.003〜0.015 %で、かつ Si(%) − 0.5×Mn
(%) ≦ 2.0で、残部はFeおよび不可避的不純物からな
り、不純物としてのCおよびNが合計で0.0020%以下、
Sが0.01%以下である方向性電磁鋼板。この鋼板はC:
0.01%以下、N: 0.001〜 0.010%(他の組成は上記と
同じ)のスラブを下記〜の工程で処理することによ
って製造できる。 熱間圧延を行う工程、 熱間圧
延のまま、または熱間圧延後に焼鈍してから、1回また
は中間焼鈍を挟んだ2回以上の冷間圧延を行う工程、
連続焼鈍により一次再結晶をおこさせる工程、 N2
を含む雰囲気中で 825〜925 ℃の温度域で4〜100 時間
保持し二次再結晶をおこさせる工程、 H2雰囲気中で
925℃を超え、1050℃までの温度域で4〜100 時間保持
し純化する工程。 【効果】図示のように、C+Nの量が0.0020%以下にな
ると鉄損が劇的に低下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は変圧器や発電機、電動
機の鉄心材料や磁気シールド材として広く用いられる方
向性電磁鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、ゴス方位と呼ばれる
{110}<001>方位を主方位とする結晶配向を持
ち、圧延方向に優れた励磁特性と鉄損特性を有する軟磁
性材料である。一般にはSiを 4.0%以下含有する鋼のス
ラブを熱間圧延し、そのままあるいは焼鈍 (熱延板焼
鈍) を行った後、1回または中間焼鈍を挟んで2回以上
の冷延を施して最終板厚とし、その後連続脱炭焼鈍を施
して一次再結晶させた後、焼き付き防止のための焼鈍分
離剤を塗布してコイルに巻取り、更に1100〜1200℃の超
高温の仕上げ焼鈍を行う。仕上げ焼鈍の目的は、二次再
結晶を発生させてゴス方位に集積した集合組織を形成す
ることと、そのあと二次再結晶を発生させるのに用いた
インヒビターと呼ばれる析出物を除去することにある。
この析出物の除去工程は純化焼鈍とも呼ばれ、二次再結
晶の発生と共に良好な磁気特性を得るためには必須の工
程と言える。
【0003】以上のような製造法により作られた方向性
電磁鋼板は、その製造過程で連続脱炭焼鈍や1100℃以上
の超高温の仕上げ焼鈍というような特殊な工程が必要で
あり、極めてコストの高いものになる。
【0004】このコストの問題を解決すべく、従来から
種々の研究開発が進められている。
【0005】例えば、本発明者らは先に、Si: 0.5〜2.
5 %、Mn: 1.0〜2.0 %、sol.Al:0.03〜0.015 %で
C:0.01%以下、N: 0.001〜0.010 %であることを主
な特徴とする方向性電磁鋼板と、脱炭焼鈍を必要とせ
ず、低温焼鈍が可能なその製造方法を発明した (特開平
1−119644号公報) 。この方法は、連続脱炭焼鈍の省略
と仕上げ焼鈍温度の低下によって、方向性電磁鋼板のコ
スト低減に大きく貢献し得るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、省エネルギーの
気運が一段と高まる趨勢の中で、方向性電磁鋼板に対し
てはその鉄損を小さくすることが強く要望されるように
なってきている。本発明は、上記の特開平1−119644号
公報に示した電磁鋼板およびその製造方法を更に改善す
ることを課題とし、鉄損が極めて低い方向性電磁鋼板と
その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は下記の
(1)の方向性電磁鋼板と (2)のその製造方法を要旨とす
る。
【0008】(1) 重量%で、Si: 1.5〜3.0 %、Mn:
1.0〜3.0 %、酸可溶性Al: 0.003〜0.015 %で、かつ
Si(%) − 0.5×Mn (%) ≦ 2.0で、残部はFeおよび不
可避的不純物からなり、不純物としてのCおよびNが合
計で0.0020%以下、Sが0.01%以下である方向性電磁鋼
板。
【0009】(2) 重量%で、C:0.01%以下、Si: 1.5
〜 3.0%、Mn: 1.0〜3.0 %、S:0.01%以下、酸可溶
性Al: 0.003〜0.015 %、N: 0.001〜0.010 %で、か
つSi (%) − 0.5×Mn (%) ≦ 2.0で、残部はFeおよび
不可避的不純物からなる組成のスラブを下記〜の工
程で処理する方向性電磁鋼板の製造方法。
【0010】 熱間圧延を行う工程、 熱間圧延の
まま、または熱間圧延後に焼鈍してから、1回または中
間焼鈍を挟んだ2回以上の冷間圧延を行う工程、 連
続焼鈍により一次再結晶をおこさせる工程、 N2を含
む雰囲気中で 825〜925 ℃の温度域で4〜100 時間保持
して二次再結晶をおこさせる工程、 H2雰囲気中で 9
25℃を超え、1050℃までの温度域で4〜100 時間保持し
て純化する工程。
【0011】
【作用】まず本発明の基礎となった実験結果について述
べる。以下、合金成分についての%は全て重量%を意味
する。
【0012】C:0.0033%、Si:2.35%、Mn:1.58%、
S: 0.002%、酸可溶性Al (以後、sol.Alと記す) :
0.006%、N:0.0045%で残部はFeおよび不可避的不純
物からなる鋼のスラブを 2.1mm厚に熱間圧延し、 880℃
で2分の熱延板焼鈍をした後、酸洗により脱スケールを
行い、更に0.35mm厚に冷間圧延した。その後、 880℃で
30秒均熱する非脱炭雰囲気での連続焼鈍を行い一次再結
晶させた。次に仕上げ焼鈍として75%N2+25%H2雰囲気
中で880℃で24時間の均熱を行い(第1の焼鈍)、引き
続きH2雰囲気中で 875〜1050℃の種々の温度で24時間の
均熱(第2の焼鈍)を行った。仕上げ焼鈍後半の第2の
焼鈍は、H2雰囲気中で炭窒化物を除去することを目的と
した純化焼鈍である。
【0013】図1に仕上げ焼鈍後の圧延方向の鉄損と鋼
中C+N量を純化焼鈍の温度との関係で示す。図示のと
おり、純化焼鈍温度が 925℃を超えると鉄損が急激に減
少している。一方、C+Nも鉄損の減少傾向と同じ傾向
を示している。即ち、鉄損は、C+Nの減少とともに減
少し、C+Nが0.0020%以下になる点と、鉄損が1.30W/
kg以下でほぼ一定となる点とが符合する。鋼中のCとN
の含有量の総量が0.0020%以下となれば、磁壁移動の障
害となる炭窒化物の析出量が急激に低減するため上記の
ような特異な現象が現れるものと考えられる。
【0014】これまでにも純化焼鈍により鋼中の析出物
を減少させることは鉄損低減に有効であることは知られ
ていたが、CとNの総量を0.0020%以下まで減少させる
と、鉄損が図1に示すように劇的に減少するということ
は明らかにされていなかった。本願の(1) の発明は、こ
のような新しい知見を基にしてなされたものである。
【0015】一方、上記のようにCとNの合計含有量が
極めて少ない製品を得るためには、仕上げ焼鈍の後半で
925℃を超える温度 (但し、1050℃までの温度) で、H2
雰囲気中での純化焼鈍を行うのが有効であることも確認
できた。但し、二次再結晶を発生させるためには仕上げ
焼鈍の前半に 825〜925 ℃の温度範囲で、N2含有雰囲気
中で保持する熱処理が必要である。本願の(2) の発明
は、このような製法上の新たな知見を基にしてなされた
ものである。
【0016】以下に、本発明の構成要件ごとに作用効果
を説明する。
【0017】I 製品電磁鋼板または素材となる鋼スラ
ブの組成 (a) CおよびN 前述したように製品中のC、N量は鉄損に悪影響を及ぼ
し、C+Nで0.0020%以下にすることが必要である。そ
の理由は、製品段階で残存したCおよびNは炭窒化物を
生成し、これが磁壁移動の障害物となり鉄損が増加する
からである。このようなCおよびNの悪影響が、先の図
1に示したように、C+Nで0.0020%以下に、特に、0.
0015%以下になると著しく小さくなる。
【0018】しかし、素材となる鋼スラブの段階ではC
含有量を0.01%以下にしておけば、最終冷間圧延後の焼
鈍を脱炭焼鈍としなくとも、仕上げ焼鈍での二次再結晶
の発生に悪影響はない。また仕上げ焼鈍の後半に実施さ
れる純化焼鈍時に所望の低いC量にまで低減できる。そ
こで鋼スラブの段階でのC含有量は0.01%以下とする。
【0019】Nはインヒビターとなる窒化物を形成する
のに必要で、二次再結晶が完了するまでは必要な元素で
ある。鋼スラブの段階で 0.001%未満では窒化物の析出
量が少なすぎて所望のインヒビター効果が得られず、
0.010%を超えて含有させてもその効果は飽和すること
から 0.001〜 0.010%の範囲が適当である。このNも純
化焼鈍時に所望の低い値にまで低減でき、C+Nで0.00
20%以下に抑えることができる。
【0020】(b) Si Siは磁気特性に大きな影響を与える元素であり、含有量
が増加するほど鋼板の電気抵抗は上昇し渦電流損が低下
し、結果として鉄損が低減する。しかし、3%を超える
含有量では二次再結晶が不安定になるとともに、加工性
が低下して冷間圧延が困難となる。一方、 1.5%未満の
含有量では鋼板の電気抵抗が低く、鉄損の低減ができな
い。従って、Si含有量は 1.5〜3.0 %の範囲が適当であ
る。
【0021】(c) Mn Mnは本発明鋼のような高Siの極低炭素鋼スラブにおいて
α−γ変態を生じさせるのに有効な元素であり、変態の
発生が熱間圧延中の熱延板の組織の微細化と均質化を促
進し、この結果として仕上げ焼鈍でゴス方位への集積度
の高い二次再結晶が安定して発生する。α−γ変態の発
生はフェライト形成元素であるSiとオーステナイト形成
元素であるMnの含有量のバランスで決まるから、SiとMn
の含有量は関連させて調整しなければならない。本発明
では、Si (%) −0.5 × Mn(%)≦ 2.0となるようにMn
を含有させる。こうすることが、熱延板の適当な変態発
生に必要である。本発明の上限Si量である3%の場合に
上式を満たすためには 2.0%以上のMnが必要になる。Si
量が 2.0%未満の材料でも 1.0%以上のMn含有が二次再
結晶の安定化に有効である。また、MnはSiと同様に鋼板
の電気抵抗を上昇させるのに有効であり、鉄損低減の目
的からも 1.0%以上のMnの含有が必要となる。しかし
3.0%を超えるMnは冷間加工性を劣化させるから、Mn含
有量の上限は 3.0%とする。即ち、Mn含有量は 1.0〜3.
0 %で、かつ Si(%) −0.5×Mn (%)≦ 2.0の条件を満
足させることが必要である。
【0022】(d) S SはMnとともにMnSを形成する。本発明では主要なイン
ヒビターとしてAlN、(Al、Si) NやMnを含む窒化物を
使っている。従って、一般の方向性電磁鋼板のようにMn
Sを主要なインヒビターとして使わないので、Sを多量
に添加する必要はない。製品段階で多量のMnS粒子が鋼
中に残存すると鉄損の劣化をきたす。更に、本発明では
仕上げ焼鈍が1050℃以下と低いため、純化焼鈍において
脱硫効果は期待できない。このため、S含有量は製品に
おいても、素材の鋼スラブにおいても 0.010%以下とす
る。なお、鉄損低減に望ましいのは 0.005%以下、最も
望ましいのは 0.002%以下である。
【0023】(e) sol.Al Alは、二次再結晶の発生に重要な役割を果たす主要なイ
ンヒビターであるAlNや (Al、Si) Nのような窒化物を
形成する重要な元素である。sol.Alで 0.003%未満では
十分なインヒビター効果が得らない。しかしsol.Alが
0.015%を超えるとインヒビター量が多くなりすぎると
ともにその分散状態も不適切になり安定した二次再結晶
が生じない。
【0024】II 製造工程 (a) 第1の工程(熱間圧延) 素材のスラブは前記の組成をもつものである。これは、
転炉、電気炉等で溶製し、必要があれば真空脱ガス等の
処理を施した溶鋼を、連続鋳造法でスラブにしたもの、
インゴットにして分塊圧延したもののいずれでもよい。
【0025】熱間圧延の条件については特に制約はない
が、望ましいのは、加熱温度1150〜1270℃、仕上げ温度
700〜90℃である。
【0026】(b) 第2の工程(冷間圧延) 熱延鋼板を1回または複数回の冷間圧延によって、所定
の製品板厚まで圧延する。このとき、冷間圧延開始前に
焼鈍(いわゆる熱延板焼鈍)を行ってもよい。
【0027】この熱延板焼鈍は、析出物の分散状態の適
正化と熱延板の再結晶によるミクロ組織の均質化を促進
し、二次再結晶の発生を安定化するのに有効である。
【0028】熱延板焼鈍を連続焼鈍で行う場合は、 750
〜1100℃10秒から5分の均熱、箱焼鈍で行う場合は、 6
50〜950 ℃で30分〜24時間の均熱とするのが望ましい。
【0029】また、複数回の冷間圧延を行う場合は中間
に焼鈍工程を挟む。この中間焼鈍は、700 〜950 ℃の温
度で行うのが望ましい。また、連続焼鈍で良好な一次再
結晶組織を得るためには、最終の冷間圧延の圧下率とし
て40〜90%が望ましく、更に言えば70〜90%が効果的で
ある。
【0030】(c) 第3の工程(仕上げ焼鈍前の連続焼
鈍、一次再結晶焼鈍) 後述の仕上げ焼鈍で安定した二次再結晶を発生させるた
めには、急速加熱による一次再結晶が必要であり、この
ために連続焼鈍が有効である。焼鈍温度としては、 700
〜950 ℃が望ましい。
【0031】(d) 第4の工程(仕上げ焼鈍の中の第1
の焼鈍、二次再結晶焼鈍) 仕上げ焼鈍は、二次再結晶の発生を目的とする前半の焼
鈍(第1の焼鈍)とその後の析出物の除去(純化)を目
的とする焼鈍(第2の焼鈍)とに分けられる。
【0032】二次再結晶を発生させるためには、N2含有
雰囲気で焼鈍する必要がある。その理由は、インヒビタ
ーである窒化物が脱窒により減少し二次再結晶が不安定
になるのを防止するためである。更に積極的な意味とし
ては、焼鈍雰囲気からの吸窒によりインヒビターとなる
窒化物の析出量を増加させて、ゴス方位への集積度の高
い二次再結晶を発生させるためである。このためには焼
鈍雰囲気中のN2含有量は10%以上 (N2 100%でもよい)
であることが望ましい。N2以外の雰囲気ガス成分として
はH2またはArが使用できるが、前者が一般的である。
【0033】二次再結晶の発生温度としては 825〜925
℃の範囲が有効で、 825℃未満ではインヒビターの粒成
長抑制力が強すぎて二次再結晶が発生しない。一方、 9
25℃を超える温度域ではインヒビター効果が弱いため、
ゴス方位の集積度の弱い二次再結晶が発生するか、正常
粒の成長により一次再結晶粒が粗大化するだけである。
825 〜 925℃の範囲での保持時間は少なくとも4時間は
必要であるが 100時間を超える保持は意味がなく経済的
にも不利である。これらの理由で、仕上げ焼鈍の前半
(第1の焼鈍)は、二次再結晶の発生を目的に、N2含有
雰囲気中において825 〜 925℃で4〜100 時間保持する
こととする。
【0034】(e) 第5の工程(仕上げ焼鈍の第2の焼
鈍、純化焼鈍) 二次再結晶が発生した後は、インヒビターの窒化物は磁
気特性上有害なものであり除去する必要がある。それを
目的とするのがこの工程、即ち、純化焼鈍工程である。
このためにはH2雰囲気中での焼鈍が有効で、このとき同
時に同じく磁気特性に有害なCも除去される。しかし、
本発明の電磁鋼板の大きな特徴であるC+Nを0.0020%
以下にすることは、 925℃以下の純化焼鈍では困難であ
る。脱窒、脱炭を短時間で行い、かつ純化焼鈍後のNと
Cのレベルを低くするのには 950℃以上で焼鈍するのが
望ましい。ただし、1050℃を超える温度にしてもC、N
の除去効果は飽和するので意味がない。純化焼鈍の保持
時間は少なくとも4時間が必要であるが、 100時間を超
える保持は不必要である。従って、仕上げ焼鈍の後半
(第2の焼鈍)は、H2雰囲気中において 925℃を超える
温度から1050℃までの温度域で4〜100 時間の純化焼鈍
を行うこととした。なお、仕上げ焼鈍の前に焼鈍時の焼
き付き防止のための焼鈍分離剤を塗布することは、通常
の方向性電磁鋼板の製造方法と同じである。仕上げ焼鈍
後の工程としては通常の方向性電磁鋼板と同様に、焼鈍
分離剤を除去した後、必要に応じて絶縁コーティングを
施したり平坦化焼鈍を行うことになる。
【0035】
【実施例1】転炉で溶製し、真空処理で成分調整をして
連続鋳造して得たC:0.0030%、Si:2.35%、Mn:1.53
%、S: 0.002%、sol.Al: 0.010%、N:0.0042%で
残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、加
熱温度1240℃、仕上温度 820℃で熱間圧延し 2.0mm厚に
仕上げた。
【0036】次に 880℃で40秒間均熱の熱延板焼鈍を行
った後、酸洗により脱スケールし、1回の冷間圧延で0.
30mm厚まで冷間圧延した。その冷延板を78%N2+22%H2
の非脱炭雰囲気中、 880℃で30秒間均熱する連続焼鈍に
付し、一次再結晶させた後、焼鈍分離剤を塗布して仕上
げ焼鈍を実施した。仕上げ焼鈍は、75%N2+25%H2雰囲
気中にて 885℃で24時間均熱する第1の焼鈍と、その
後、H2雰囲気に切り替えて、更に表1に示す種々の温度
で24時間均熱する第2の焼鈍(純化焼鈍)を行った。得
られた鋼板のC+N量と圧延方向の磁気特性も表1に示
す。
【0037】表1に示すとおり、適切な仕上げ焼鈍条件
によって処理され、C+N量が0.0020%以下になってい
る No.4〜7の鋼板(製品)では鉄損が極めて低くなっ
ており、また磁束密度 (B8)は高くなっている。
【0038】
【表1】
【0039】
【実施例2】表2に示すようなsol.Al以外の組成はほぼ
同一で、いずれも本発明で定める範囲内にあり、sol.Al
量を変化させた3鋼種の鋼を実施例1と同じ方法で溶製
して得たスラブを実施例1と同じ条件で熱間圧延して
2.3mm厚に仕上げた。この熱延板を酸洗して脱スケール
し、800 ℃で2時間均熱する箱焼鈍による熱延板焼鈍に
付し、次いで1回の冷間圧延で0.35mm厚とした。
【0040】上記の冷延板を25%N2+75%H2の非脱炭雰
囲気中 875℃で30秒保持均熱する連続焼鈍に付し一次再
結晶させた後、焼鈍分離剤を塗布して仕上げ焼鈍を行っ
た。
【0041】仕上げ焼鈍では、75%N2+25%H2雰囲気中
で 875℃で24時間均熱した後、H2雰囲気に切り替えてさ
らに 950℃で24時間均熱する純化焼鈍を行った。得られ
た鋼板のC+N量と圧延方向の磁気特性を表3に示す。
【0042】sol.Alが本発明で定める量よりも低い No.
1は、C+N量が0.0020%以下になっているが、インヒ
ビター効果が弱いためゴス方位に集積した二次再結晶が
得られず、磁束密度 (B8)が低く、良好な磁気特性を示
さない。また、sol.Alが本発明で定める量よりも多い N
o.3は、N含有量が高い上に、二次再結晶も発生してい
ないので鉄損および磁束密度の両面で非常に悪いものと
なっている。これらに対して、本発明の電磁鋼板の例に
相当する No.2は、極めて良好な磁気特性を示してい
る。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【実施例3】実施例1と同じ方法で溶製したC:0.0050
%、Si:2.62%、Mn:1.85%、S:0.0006%、sol.Al:
0.007%、N:0.0035%で残部はFeおよび不可避的不純
物からなる鋼スラブを実施例1と同じ条件で熱間圧延し
1.8mm厚に仕上げた。これに880 ℃で1分間均熱する熱
延板焼鈍を施し、酸洗により脱スケールしてから1回の
冷間圧延で0.27mm厚とした。
【0046】次に、冷延板を50%N2+50%H2の非脱炭雰
囲気中 875℃で30秒均熱する連続焼鈍に付し、一次再結
晶させた後、焼鈍分離剤を塗布して仕上げ焼鈍を実施し
た。
【0047】仕上げ焼鈍は表4に示す3種類の条件で実
施した。これらの条件は二次再結晶を目的とした50%N2
+50%H2雰囲気での第1の焼鈍と、純化焼鈍を目的とし
たH2雰囲気での第2の焼鈍の均熱温度の組合わせを変化
させたものである。得られた鋼板のC+N量と圧延方向
の磁気特性を表5に示す。
【0048】第1の焼鈍の均熱温度が本発明で定める範
囲から高めに外れた No.1は、インヒビター効果が弱く
正常粒成長が進行し二次再結晶が発生しなかったため、
C+N含有量は本発明で定める0.0020%以下となってい
るが良好な磁気特性は得られていない。また、第2の焼
鈍の均熱温度が本発明で定める範囲から低めに外れたN
o.3は、二次再結晶はしているもののC+N量が本発明
で定める値よりも高いため十分な磁気特性は得られてい
ない。これらに対し、本発明の実施例に相当する No.2
は鉄損が極めて低い上に磁束密度も高い。
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【発明の効果】実施例にも示したとおり、本発明の方向
性電磁鋼板は鉄損が極めて小さく、変圧器や発電機、電
動機の鉄心材料や磁気シールド材として用いるのに好適
である。この電磁鋼板は、本発明の製造方法によって容
易に製造できる。この製造方法は、長時間を要する脱炭
焼鈍工程や1150〜1200℃といって超高温での仕上げ焼鈍
工程を含まないから製造コストの低減という面でも有利
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁鋼板製造工程の仕上げ焼鈍の第2の焼鈍
(純化焼鈍)の温度と、鋼板中のC+N量の変化、およ
び鉄損の変化との関係を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Si: 1.5〜 3.0%、Mn: 1.0
    〜3.0 %、酸可溶性Al: 0.003〜0.015 %で、かつ Si
    (%) − 0.5×Mn (%) ≦ 2.0で、残部はFeおよび不可
    避的不純物からなり、不純物としてのCおよびNが合計
    で0.0020%以下、Sが0.01%以下である方向性電磁鋼
    板。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.01%以下、Si: 1.5〜
    3.0%、Mn: 1.0〜3.0 %、S:0.01%以下、酸可溶性
    Al: 0.003〜0.015 %、N: 0.001〜 0.010%で、かつ
    Si(%) − 0.5×Mn (%) ≦ 2.0で、残部はFeおよび不
    可避的不純物からなる組成のスラブを下記〜の工程
    で処理する方向性電磁鋼板の製造方法。 熱間圧延を行う工程、 熱間圧延のまま、または熱間圧延後に焼鈍してか
    ら、1回または中間焼鈍を挟んだ2回以上の冷間圧延を
    行う工程、 連続焼鈍により一次再結晶をおこさせる工程、 N2を含む雰囲気中で 825〜925 ℃の温度域で4〜10
    0 時間保持し二次再結晶をおこさせる工程、 H2雰囲気中で 925℃を超え、1050℃までの温度域で
    4〜100 時間保持し純化する工程。
JP3051367A 1991-03-15 1991-03-15 方向性電磁鋼板およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2639226B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3051367A JP2639226B2 (ja) 1991-03-15 1991-03-15 方向性電磁鋼板およびその製造方法
US07/850,857 US5250123A (en) 1991-03-15 1992-03-13 Oriented silicon steel sheets and production process therefor
CA002063045A CA2063045A1 (en) 1991-03-15 1992-03-13 Oriented silicon steel sheets and production process therefor
EP92104522A EP0503680B1 (en) 1991-03-15 1992-03-16 Oriented silicon steel sheets and production process therefor
DE69222964T DE69222964T2 (de) 1991-03-15 1992-03-16 Kornorientiertes Silizium-Stahlblech und dessen Herstellungsverfahren

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3051367A JP2639226B2 (ja) 1991-03-15 1991-03-15 方向性電磁鋼板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH059666A true JPH059666A (ja) 1993-01-19
JP2639226B2 JP2639226B2 (ja) 1997-08-06

Family

ID=12884973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3051367A Expired - Lifetime JP2639226B2 (ja) 1991-03-15 1991-03-15 方向性電磁鋼板およびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US5250123A (ja)
EP (1) EP0503680B1 (ja)
JP (1) JP2639226B2 (ja)
CA (1) CA2063045A1 (ja)
DE (1) DE69222964T2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH034027U (ja) * 1989-06-02 1991-01-16
JP2015052589A (ja) * 2013-08-07 2015-03-19 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の評価方法および方向性電磁鋼板の製造方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05186828A (ja) * 1992-01-10 1993-07-27 Sumitomo Metal Ind Ltd 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法
FR2696895B1 (fr) * 1992-10-09 1994-12-30 Electricite De France Dispositif de protection vis-à-vis des champs magnétiques.
US5643370A (en) * 1995-05-16 1997-07-01 Armco Inc. Grain oriented electrical steel having high volume resistivity and method for producing same
KR100837129B1 (ko) * 2001-01-19 2008-06-11 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 포스테라이트를 주체로 하는 하지피막을 갖지 않는,자기특성이 양호한 방향성 전자강판과 그 제조방법
US7155824B2 (en) * 2001-08-15 2007-01-02 American Axle & Manufacturing, Inc. Method of manufacturing an automotive differential having an input pinion
JP6226072B2 (ja) * 2014-06-26 2017-11-08 新日鐵住金株式会社 電磁鋼板
CN104805353A (zh) * 2015-05-07 2015-07-29 马钢(集团)控股有限公司 一种纵向磁性能优异电工钢及其生产方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1100771A (en) * 1966-01-13 1968-01-24 Steel Co Of Wales Ltd Improvements in or relating to iron-manganese alloys for magnetic purposes
JPS57207114A (en) * 1981-06-16 1982-12-18 Nippon Steel Corp Manufacture of anisotropic electric steel plate
US4595426A (en) * 1985-03-07 1986-06-17 Nippon Steel Corporation Grain-oriented silicon steel sheet and process for producing the same
JPS6283421A (ja) * 1985-10-04 1987-04-16 Sumitomo Metal Ind Ltd 方向性電磁鋼板の製造方法
JPH0625381B2 (ja) * 1987-10-30 1994-04-06 住友金属工業株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法
JPH01119644A (ja) * 1987-10-30 1989-05-11 Sumitomo Metal Ind Ltd 方向性電磁鋼板およびその製造方法
US4992114A (en) * 1988-03-18 1991-02-12 Nippon Steel Corporation Process for producing grain-oriented thin electrical steel sheet having high magnetic flux density by one-stage cold-rolling method
EP0392534B1 (en) * 1989-04-14 1998-07-08 Nippon Steel Corporation Method of producing oriented electrical steel sheet having superior magnetic properties
JPH03111516A (ja) * 1989-09-25 1991-05-13 Sumitomo Metal Ind Ltd 方向性電磁鋼板の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH034027U (ja) * 1989-06-02 1991-01-16
JP2015052589A (ja) * 2013-08-07 2015-03-19 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の評価方法および方向性電磁鋼板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE69222964T2 (de) 1998-05-14
JP2639226B2 (ja) 1997-08-06
EP0503680A3 (en) 1995-01-11
CA2063045A1 (en) 1992-09-16
US5250123A (en) 1993-10-05
DE69222964D1 (de) 1997-12-11
EP0503680B1 (en) 1997-11-05
EP0503680A2 (en) 1992-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3172439B2 (ja) 高い体積抵抗率を有する粒子方向性珪素鋼およびその製造法
US4938807A (en) Process for production of grain oriented electrical steel sheet having high flux density
KR20200076517A (ko) 방향성의 전기강판 및 그 제조 방법
JP2639226B2 (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
US5425820A (en) Oriented magnetic steel sheets and manufacturing process therefor
JPH0121851B2 (ja)
JP4259269B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2712913B2 (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2002030340A (ja) 磁気特性が優れた一方向性珪素鋼板の製造方法
JP2713028B2 (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2819994B2 (ja) 優れた磁気特性を有する電磁鋼板の製造方法
JP2671717B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
CN111566244A (zh) 取向电工钢板及其制造方法
EP4450669A1 (en) Grain-oriented electrical steel sheet and method for manufacturing same
JP2819993B2 (ja) 優れた磁気特性を有する電磁鋼板の製造方法
JPH10102145A (ja) 極薄けい素鋼板の製造方法及び極薄けい素鋼板
JP3474594B2 (ja) 磁気特性の優れた厚い板厚の一方向性電磁鋼板の製造方法
JP4267320B2 (ja) 一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH07258738A (ja) 高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH06184707A (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
JPH04362138A (ja) 磁気特性の優れた厚い板厚の一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH0649607A (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
JPH0995739A (ja) 磁気特性の優れた極薄けい素鋼板の製造方法及び磁気特 性の優れた極薄けい素鋼板
JPH06306474A (ja) 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3507232B2 (ja) 製品板厚の厚い一方向性電磁鋼板の製造方法