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JPH0548467B2 - - Google Patents

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Publication number
JPH0548467B2
JPH0548467B2 JP59086767A JP8676784A JPH0548467B2 JP H0548467 B2 JPH0548467 B2 JP H0548467B2 JP 59086767 A JP59086767 A JP 59086767A JP 8676784 A JP8676784 A JP 8676784A JP H0548467 B2 JPH0548467 B2 JP H0548467B2
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JP
Japan
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molecular weight
toner
shoulder
fixing
resin
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP59086767A
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English (en)
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JPS60230666A (ja
Inventor
Sajiro Inoe
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP59086767A priority Critical patent/JPS60230666A/ja
Priority to US06/714,520 priority patent/US4626488A/en
Priority to GB08510000A priority patent/GB2159824B/en
Priority to DE3546817A priority patent/DE3546817C2/de
Priority to DE19853514835 priority patent/DE3514835C2/de
Priority to FR858506483A priority patent/FR2563640B1/fr
Publication of JPS60230666A publication Critical patent/JPS60230666A/ja
Priority to SG121/89A priority patent/SG12189G/en
Priority to HK398/90A priority patent/HK39890A/xx
Publication of JPH0548467B2 publication Critical patent/JPH0548467B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08702Binders for toner particles comprising macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
    • G03G9/08793Crosslinked polymers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S430/00Radiation imagery chemistry: process, composition, or product thereof
    • Y10S430/001Electric or magnetic imagery, e.g., xerography, electrography, magnetography, etc. Process, composition, or product
    • Y10S430/105Polymer in developer

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  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は電子写真法、静電記録法、磁気記録法
等に用いられる乾式現像剤、特にトナー用の結着
樹脂、及び該結着樹脂を含む電子写真用トナーに
関する。 背景技術 従来、電子写真法としては米国特許第2297691
号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43
−24748号公報等により、多数の方法が知られて
いるが、一般には、光導電性物質を利用して種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次
いで、該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応
じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加
熱、圧力あるいは溶剤蒸気などにより定着し複写
物を得るものである。またトナー画像を転写する
工程を有する場合には、通常残余のトナーを除去
するための工程が設けられる。 電気的潜像をトナーを用いて可視化する現像方
法は、例えば米国特許第2874063号明細書に記載
されている磁気ブラシ法、同2618552号明細書に
記載されているカスケード現像法及び同2221776
号明細書に記載されている粉末雲法、米国特許第
3909258号明細書に記載されている導電性の磁性
トナーを用いる方法等が知られている。 これらの現像法に適用するトナーとしては、従
来より、天然あるいは合成樹脂中に染料、顔料を
分散させた微粉末が使用されている。例えば、ポ
リスチレンなどの結着樹脂中に着色剤を分散させ
たものを1〜30μ程度に微粉砕した粒子がトナー
として用いられている。磁性トナーとしてはマグ
ネタイト等の磁性体粒子を含有せしめたものが用
いられている。いわゆる二成分現像剤を用いる方
式の場合には、トナーは通常ガラスビーズ、鉄粉
などのキヤリアー粒子と混合されて用いられてい
る。 これらのトナーは種々の物理的及び化学的特性
を要求されるが、既知のトナーの多くは下記に示
すようないくつかの欠陥を有している。すなわ
ち、加熱によつて容易に溶融するトナーの多くは
貯蔵中もしくは複写機内において固化するか凝集
しやすい。多くのトナーは環境の温度変化によつ
て、その摩擦電気的特性及び流動特性が不良にな
る。また多くのトナーでは、連続使用による繰り
返しの現像によるトナー粒子とキヤリアー粒子の
衝突及びそれらと感光板表面の接触によるトナー
キヤリアー粒子及び感光板の相互劣化によつて、
得られる画像の濃度が変化し、或いは背景濃度が
増大し、複写物の品質を低下させる。さらに多く
のトナーでは、潜像を有する感光板、表面へのト
ナーの付着量を増して、複写画像の濃度を増大さ
せようとすると、通常背景濃度が増大し、いわゆ
るカブリ現象が生じる。 これらの好ましくない諸現象のうち、トナー粒
子の脆さによつて発生する現象がある。トナーが
脆いことは、機械的な力によつて容易に粉砕され
やすいことを意味し、トナーの生産性からみれば
好ましいことである。 しかしながら、そのようなトナーは、現像器内
においてトナーに加えられる負荷によつても容易
に粉砕されて微粉化し、キヤリー粒子を汚染した
り現像スリーブを汚染したり、またトナー粒子自
身の荷電制御が不完全になつてカブリ等の好まし
くない現象をもたらす。このようにトナーの脆性
は現像剤の寿命に大きく係わつている。このよう
な劣化現象を回避するために、高分子量の重合体
を用いることが考えられるが、複写の最終工程で
通常行われる画像の熱定着を考慮すると、定着温
度が上昇し定着の際により多くの熱量を必要とす
るので省エネルギー上は好ましくない。さらにこ
の現象を解消する目的で、少量の可塑剤をトナー
中に添加することも提案されているが、トナーの
自由流動性を損なうこと及びキヤリアー等を汚染
することなどの問題があつて、必ずしも成功して
いない。また逆にトナーが硬すぎれば、機械的な
粉砕が不可能になつて実際上トナーを製造するこ
とが困難になつてしまう。 従来、以上のような理由によつて適当な硬さを
有する比較的低分子量のポリスチレンあるいはス
チレン−メタクリル酸ブチル共重合体などがトナ
ー用結着樹脂として用いられてきた。しかしなが
ら、最近になつて特に複写機の信頼性向上が極め
て強い要望として叫ばれている。また複写機メー
カーとしては、メインテナンスフリーの観点か
ら、より長寿命の複写機の開発、生産に努めてい
るのが現状である。このような情況下において、
トナーの諸特性を見直してみると比較的低分子量
のポリスチレンあるいはスチレン−メタクリル酸
ブチル共重合体ではその硬さが充分ではなく、さ
らに硬度の高い材料が必要であることがわかつ
た。又、この種の結着樹脂(バインダー)では、
現在定着方式に於て最も広範に採用されている熱
ロールによる熱定着に際して、その特性が不充分
で、熱によるトナーバインダーの溶融、圧接によ
る紙その他の転写材への密着性(定着力)が良好
なものは容易に得られるものの、ヒートローラー
へのトナーの付着によるローラーの汚れ、(いわ
ゆるオフセツト現象)を回避することがむずかし
い。このため、シリコーンオイル等をローラーに
塗布する等、複雑な機構を付加するなどの手段を
用いているが、完全ではなく、コスト的にも又、
メインテナンス上も不利でこの種の問題のないト
ナーバインダーの開発がせまられている。これま
でもバインダーの成分を種々に変化させたもの、
架橋その他の手段により主に分子量を調整したり
種々の工夫がなされてきたが、未だそのあるべき
バインダーの姿が鮮明にされているとは、はなは
だいい難い。 又、定着特性、特にこのオフセツト特性を改善
する目的で、低分子量のポリオレフイン類、その
他可塑剤等を添加する等の工夫もされてきたが、
バインダーとの分散性及びトナーの粉体としての
流動性を損なう、トナーの凝集を促進する等、
種々の問題があり、未だ良好なものは見い出され
ていない。 上述のように、助剤等による改善には限度があ
り、やはり主たる結着剤成分である樹脂成分の改
善が最も重要と考えられる。前述のように結着樹
脂の分子量を調整する試みは若干ながらなされて
いるが、架橋を施し分布をブロードにすると良い
という程度のもので、具体的にどの範囲のものが
良いかは明らかではない。これまでは概ね分子量
分布が単一ピークのもので、その平均値がどの範
囲のものか、又、その分布の巾を分散(ゲルパー
ミエーシヨンクロマトグラフイー(以下、しばし
ばGPCと云う)による重量平均分子量/個数平
均分子量、Mw/Mn)で表現した程度ものは示
されているが、この種の範ちゆうのバインダーで
は上述の如く複雑に絡んだ種々の性能を要求させ
る熱定着乾式トナーの総合性能、おもに定着総合
特性の満足させるものはない。また、バインダー
の分子量がある一定の関係にある分布をもつバイ
ンダーの提案がある。 例えば特開昭56−16144号及び特開昭58−82258
号各公報には、複数の分子量範囲のものを混合
し、トナーの定着性を改良する方法が提案されて
いる。特に、特開昭58−82258号公報(以下、本
発明との対比において、この公報の開示内容を
「先願発明」あるいは単に「先願」と称する)に
は三つの極大点を有するバインダーが開示され、
これにより定着特性の改善が得られることは事実
である。しかし、単に複数の極大点を与える分子
量成分の混在することだけでは不充分であり、熱
ロールによる熱定着時の定着力及びオフセツトの
両立性は充分には満足されておらず、耐久性の点
でも問題が残されている。 発明の目的 本発明の目的は、以上の様なトナーの欠点を克
服した優れた物理的及び科学的特性を有するトナ
ー用結着樹脂及びこれを含む電子写真用トナーを
提供することにある。 また、本発明の目的は、熱ローラー定着用に好
適なトナー用結着樹脂及びこれを含む電子写真用
トナーを提供することにある。熱ローラー定着で
の総合特性すなわち、比較的低容量の熱源で充分
定着し熱ローラーへのトナーのオフセツトが殆ど
なくかつ、ローラーよりの排紙が滑らかに行なわ
れる等の諸特性の優れたトナー用結着樹脂及び電
子写真用トナーを提供することにある。 更に、本発明の目的は耐衝撃性に優れており、
凝集を起さず流動性に優れて耐久性があるトナー
用結着樹脂及び電子写真用トナーを提供すること
にある。 更に、本発明の目的はキヤリア、トナー保持部
材、感光体表面、クリーニングブレードなどへの
付着が少なくかつ、それらを傷つけることの少な
いトナー用結着樹脂及び電子写真用トナーを提供
することにある。 更に、本発明の目的は常に安定した鮮明なカブ
リのない画像を得られるトナー用結着樹脂及び電
子写真用トナーを提供することにある。 発明の概要 本発明者の研究によれば、従来のものに比べ
て、分子量ならびに分子量分布が、一層特定な関
係にあるトナー用結着樹脂が、上述の目的の達成
に有効であることが見出された。特に、上記した
特開昭58−82258号公報(先願)に例示されてい
るように分子量分布において少なくとも三つの極
大点を有するだけでは不充分であり、極大点のう
ち最大と最小の分子量間に充分な差があることが
重要であることが見出された。また、そのような
トナー用結着樹脂は、従来より高い濃度で架橋性
単量体を含むビニル系単量体混合物の重合により
得られたビニル系共重合体からなることが好まし
いことが見出された。 すなわち、本発明のトナー用結着樹脂は100重
量部あたり0.8重量部以上の架橋性単量体を含む
ビニル系単量体混合物の重合により得られたビニ
ル系共重合体からなり、且つゲルパーミエーシヨ
ンクロマトグラフイーによつて測定されたクロマ
トグラムに少なくとも三つの極大点ないし肩を与
え、このうち分子量が最も低い極大点ないし肩に
対応する分子量をMa、分子量が最も高い極大点
ないし肩に対応する分子量をMc,MaとMcの間
に位置する極大点ないし肩に対応する分子量を
Mbとするときに、Ma,Mb及びMcが、それぞ
れ次の三つの分子量領域A,B,C 領域A:2×103〜8×104 領域B:3×105〜106 領域C:3×106以上 にあり、Mc/Ma≧150であり、三つの極大点な
いし肩の高さを、それぞれHa,Mb,Hcとする
ときに Ha:Hb:Hc=1:0.2〜1.0:0.1〜0.6 であることを特徴とするものである。 さらに本発明は、上記トナー用結着樹脂、磁性
粒子または/及び着色剤を含有する電子写真用ト
ナーに関する。 換言すれば、本発明は上記先願発明に対し、選
択発明として位置付けられるものであり、先願発
明に開示されるような分子量分布に三つの極大値
ないし肩を有する結着樹脂に対し、極大値ないし
肩のうち最大の分子量(Mc)と最小の分子量
(Ma)との比Ma/Mcを増大させ、Mcの値を3
×106以上とし、且つこれら条件を満たす結着樹
脂を先願に開示される濃度(先願実施例4でビニ
ル系単量体100重量部あたり0.6重量部)よりは高
い濃度(同0.8重量部以上)で架橋性単量体を含
むビニル系単量体混合物の重合によるビニル系共
重合体として構成したことを特徴とするものであ
る。これにより先願発明に比べて、著しく良好な
低温定着性と耐高温オフセツト性(従つて広い定
着可能温度)ならびに改善された現像耐久特性を
有し、更には定着特性の改善を通じて、高速電子
写真装置への適用性が著しく改善された電子写真
用トナーが実現可能となる。 このような本発明の特徴に関しては、以下に更
に詳細に説明する。 発明の具体的説明 前述した本発明の目的を有効に達成する為に重
要なことは、結着樹脂が、GPCクロマトグラム
による分子量分布に於て、少なくとも三つの極大
点乃至肩を与え、最も分子量の低い極大点乃至肩
に対応する分子量Maが2×103〜8×104の範囲
にあり、且つ最も分子量の高い極大点乃至肩に対
応する分子量Mcと、最も分子量の低い極大点乃
至肩に対応する分子量Maの比、Mc/Maが150
以上であることである。 更に本発明のバインダーにおいては、前記三つ
の極大点乃至肩が分子量2×103〜8×104(領域
A)、分子量3×105〜106(領域B)、分子量3×
106以上(領域C)のそれぞれの領域に少なくと
も一つ存在し、その高さをそれぞれHa,Hb,
Hcとする時に、これらの比が、Ha:Hb:Hc=
1:0.2〜1.0:0.1〜0.6とされる。これら分子量
領域A,B,Cを与える成分のうち、熱定着の乾
式トナーの諸特性を基本的に満足させるものが領
域Bのものである。これに対し領域Aのものは、
加熱圧接による転写材への定着力を良好にする為
に極めて重要であり、また領域Cの範囲のものは
熱ローラー定着時のローラーに対するトナーの耐
オフセツト性を極めて良くし、かつ定着済みの転
写材のローラーからの剥離性を良くするとともに
トナーの複写耐久性及び、環境依存性にも重要な
役割を果たしている。 更に、加熱圧接による定着力をより良くしまた
同時に熱ローラー定着時の耐オフセツト性をより
改善し、同時に複写耐久性、環境依存性を満足さ
せる為には領域Cの範囲の極大点乃至肩の分子量
Mcと領域Aの範囲の極大点乃至肩の分子量Ma
との比Mc/Ma及び三つの領域のそれぞれの極
大点乃至肩の高さHa,Hb,Hcの比が大変重要
な要素になつている。 ここで極大点乃至肩の高さHとは、GPCのク
ロマトグラムチヤートの各極大点乃至肩からベー
スラインへの垂線の長さであり、肩の場合の垂線
は、クロマトグラムカーブの変曲点を基準にとり
ベースラインに垂線を引くことにより得られる。 これまでも複数の分子量範囲のものを混合し、
トナーの定着性を改良するというものは知られて
いるがまだ不充分で、熱ロールによる熱定着時の
定着力及びオフセツトの問題は充分には満足され
ておらず、耐久性の点でも問題が残されている。 先にも述べたように特開昭58−82258号公報
(先願)には三つの極大点を有するバインダーの
例が開示されているが、単に三つの極大点を有す
ることだけでは不充分である。例えば、この公開
公報に示される三つの極大点を有するバインダー
のいくつかの例について、本発明の観点から
Mc/Maを計算してみると20〜90の範囲である。
つまりMaとMcの隔たりが小さい。これに対し
て本発明のバインダーの特徴とするところは
Mc/Maが150以上であり、MaとMcの隔たりが
大きい。前述の如くMaはトナーの転写材への定
着力あるいは定着可能最低温度に関係し、また、
Mcはトナーの熱ローラーへの高温耐オフセツト
性、あるいは高温オフセツト開始温度に関係す
る。 従つて、Maをより小さくしてより低い定着温
度を確保すると同時にMcを大きくして耐高温オ
フセツト性を損なわないこと、つまり定着可能温
度領域が広くなることが好ましい。この点から先
願発明のようにMc/Maが20〜90では定着可能
温度域がまだ広くなく、種々定着性に関して不充
分な点がある。これに対してMc/Maが150以上
になると定着可能温度域が広くなり、熱ロール定
着での良好な総合性すなわち比較的低容量の熱源
で充分定着し、熱ロールへのトナーのオフセツト
が殆どなくかつ、ローラーよりの排紙も滑らかで
ある等の諸特性が得られる。また、耐久性の点で
もMcを大きくとることで改善が得られる。 本発明の樹脂において、加熱圧接による定着力
すなわち、熱ローラーによる定着可能下限温度を
決定づける要素である領域Aの極大点乃至肩は、
より低分子量であるほど定着温度が低くなり、定
着力の点では好ましいが逆に定着時のローラーの
オフセツト、転写紙の剥離性が劣る。この極大点
乃至肩の分子量Maは2000〜80000が好ましいが、
さらには5000〜20000の範囲がより好ましい。 また、領域Cの高分子量部分の極大点乃至肩は
耐オフセツト性に重要であり、前述の領域Aとは
互いに補い合つてより好ましい特性を発揮する事
は前述のとおりである。つまり、領域Aと領域C
のバランスによつてより有効な定着力と良好な耐
オフセツト性が達成出来る。その為には、それぞ
れの極大点乃至肩の分子量の比、Mc/Maは150
以上が必要があり、さらにはMaとMcは次式を
満足することが好ましい。 −2.5×102Ma+5.5×106≦Mc≦−5×102Ma
+1.5×107 さらに従来の問題点の改善に対して、分子量領
域A,B,Cの各々の極大点乃至肩の高さの比
Ha/Hb/Hcが極めて有効に働くことも重要な
ことである。極大点乃至肩の分子量Ma,Mb,
Mcがバインダーの質的な要素とすれば、極大点
乃至肩の高さHa,Hb,Hcは量的な要素であり、
Ha,Hb,Hcのバランスはトナーの熱定着特性、
耐久性あるいは熱混練、粉砕等の製造作業性に重
要な点である。 Ha:Hb:Hcは1:0.2〜1.0:0.1〜0.6である
が、より好ましくは1:0.4〜0.8:0.15〜0.4であ
る。Hbに対しHaが大きすぎると定着時のローラ
ーへのオフセツト転写紙の剥離性が劣り、凝集性
が増加するとともにトナーの耐久劣化が起り易く
なる。反対に小さすぎるとトナーの定着性が不充
分となる。また、Hbに対しHcが大きすぎると、
加熱時のトナーのフロー性が劣り、充分な定着が
なされなくなり、トナーの製造時に於て、粉砕性
が極めて悪化しトアーとしての好ましい粒度に工
業的に有効に粉砕されなくなる。また、反対に小
さいと定着時に充分な非オフセツト性、剥離性を
確保出来なくなる。 なお、領域Cの分子量値、つまり分子量300万
以上の値は現状のGPC測定に於ては、精度のあ
る測定が難しいが、本願に於る範囲の値はすべ
て、精度よく測定される200万付近までの標準分
子量物による検量線を外挿して分子量値を求めた
値である。 本発明のトナー用結着樹脂は、以上のような分
子量分布をもつものを、ポリマーの合成の段階で
この関係をもつよう調製する。 本発明の樹脂は三つの分子量領域A,B,Cに
各々極大点乃至肩を有し、その極大点乃至肩の分
子量Ma,McがMa=2000〜80000、Mc/Ma≧
150の値を有するものであるが、分子量分布を示
すクロマトグラムは測定方法によつて若干の相違
がある。従つて本発明に於ては次の測定方法に基
づいて得られたクロマトグラム及び分子量数値で
各々の値を定義する。 即ち、カラムとして島津製作所のHSG60、
HSG40、HSG15を直列にセツトしたゲルパーミ
エーシヨンクロマトグラフLC−3Aに、オーブン
温度40℃で、溶媒としてテトラヒドロフラン
(THF)を流体圧力90Kg/cm2の条件で、毎分1.7
mlの流速で流し、濃度0.4g/dlのTHF試料溶液
を500μ注入する。試料はTHFに溶解後、メン
ブランフイルター(東洋紙KK製TM−
2PO.45μm)で過し、溶解1時間後に注入す
る。 試料の分子量測定はポリスチレン標準試料(プ
レツシヤーケミカル製)6点(200万、60万、
23.3万、5万、17500、2200)により検量線を作
成し分子量を求める。標準試料は前記6点のうち
200万、23.3万、17500の3点を等量混合して0.4
g/dlの濃度のTHF溶液とし、溶解後24時間後
に500μを注入した。また別に、60万、5万、
2200の3点も同様に等量混合して0.4g/dlの
THF溶液とし同様に注入した。検出器は島津示
差屈折計RID−2Aを用いた。 本発明の結着樹脂は、100重量部あたり0.8重量
部以上の架橋性単量体を含むビニル系単量体混合
物の重合によりビニル系共重合体として製造され
る。 一般的な重合法によれば通常は分子量分布が単
一ピークになる。従つて、少なくとも三つの極大
値ないし肩を有する樹脂を得るためには、例えば
重合体温度を断続的に変化させて重合する方法、
あるいは開始剤濃度や連鎖移動濃度の異なる単量
体混合物を断続添加し重合する方法、更には積極
的に架橋剤を単量体系混合物に加えておいて重合
する方法などを用い得る。本発明では、他の方法
と併用してもよいが、特に架橋剤を利用して重合
反応条件をコントロールする方法を採用する。 重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、
乳化重合法などが使用出来るが、分子量分布の制
御がより容易であるという点で、溶液重合法が好
ましい。 本発明の樹脂を得る一つの方法として、例えば
次の方法がある。 100重量部当り0.8重量部以上の架橋性単量体を
含有するビニル系単量体混合物をこのビニル系単
量体混合物の共重合物であるビニル系共重合体を
溶解し得る有機溶剤の存在下に、10時間半減温度
(すなわち、半減期10時間を与える温度)が100℃
以上の重合開始剤を使用するとともに、該重合開
始剤の10時間半減温度よりも0〜40℃高い重合反
応温度で溶液重合し、本発明の目的に適つた分子
量分布のビニル系共重合体を得る。 本発明に適用するビニル系単量体としては、例
えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロ
スチレンなどのスチレン及びその置換体;アクリ
ル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸フエニル、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド等のような二重結合を有するモノカルボン
酸もしくはその置換体;例えばマレイン酸、マレ
イン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジ
メチルなどのような二重結合を有するジカルボン
酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル
類;例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケ
トンなどのようなビニルケトン類;例えばビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソブチルエーテルなどのようなビニルエーテル
類等のビニル単量体が単独もしくは2以上用いら
れる。これらの中でもスチレン系共重合体が好ま
しかつた。 前述のクロマトグラムを有するこの様なビニル
系共重合体は、トナーの結着樹脂成分に対して重
量で少なくとも60%以上、好ましくは75%以上の
量でトナー中に含ませる。 本発明の樹脂を製造する時の開始剤、溶剤の種
類及び反応条件の選択は、本発明の目的とする樹
脂を得る為に重要な要素である。開始剤としては
例えば、1,1−(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル
−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレー
ト、ジクミルパーオキシド、α,α′−ビス(t−
ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t
−ブチルパーオキシクメン、ジ−t−ブチルパー
オキシド等の有機過酸化物、ジアゾアミノアゾベ
ンゼン等のアゾ及びジアゾ化合物などが利用出来
るが、なかでも、前述の様に10時間半減温度が
100℃以下の重合体開始剤が好ましく、特に、ジ
−t−ブチルパーオキシドは有効である。この場
合重合反応温度は、開始剤の10時間半減温度より
も0〜40℃高い温度を選択し、従つて溶剤もその
温度に適したものを選ぶ事が望ましい。一般に、
重合開始剤の量を多くすると分子量Maは小さく
なり、溶剤中のモノマーの濃度が低いと分子量
Maは小さくなり、さらに反応時間が長いと分子
量Maは小さくなる。さらに、架橋性単量体の濃
度を高くすると分子量Mcは大きくなるとともに
Hcが高くなる。 本発明の共重合体は、定着時の耐オフセツト性
の観点から架橋性単量体を含むビニル系単量体混
合物の重合により若干の架橋が施こされる。 架橋性単量体としては、主として2個以上の重
合体可能な二重結合を有する化合物が用いられ、
例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレ
ン、などの芳香族ジビニル化合物、例えばエチレ
ングリコールジアクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート、1,3ブタンジオールジメ
タクリレートなどの様な二重結合を二個有するカ
ルボン酸エステル、ジビニルアニリン、ジビニル
エーテル、ジビニルスルフイド、ジビニルスルフ
オンなどのジビニル化合物及び3個以上のビニル
基を有する化合物が、単独もしくは混合物として
用いられる。なかでもジビニルベンゼンが有効で
ある。 この様な架橋性単量体は、ビニル系単量体混合
物100重量部あたり、0.8重量部以上、好ましくは
0.8〜4.5重量部含ませる。 さらに、本発明の樹脂は成分として含まれる単
量体の種類や組成によつて、かなり異なつた値を
示しはするが、環球法による軟化点はおよそ100
〜150℃であることが好ましく、また、ガラス転
移点は40〜80℃の範囲のものが有効である。さら
に好ましくは、ガラス転移点は50〜65℃が好まし
い。軟化点が100℃よりも低いと、トナーのフイ
ルム化による感光体汚染やトナー耐久劣化が生じ
易く、また150℃を越えると定着可能温度の上昇
による定着効率低下が起り、粉砕効率も低下す
る。ガラス転移点が40℃よりも低くなると、トナ
ー保存中の熱凝集、ケーキングが非常に起き易く
なり、また複写機中でも凝集トラブルが発生し易
くなる。逆にガラス転移点が、80℃を越える場合
にはやはり熱定着効率が悪くなる。 本発明樹脂のMI(メルトインデツクス)は、
125℃、2160gの条件で0.25〜5の範囲にあるこ
とが好ましく、さらには、1.2〜4が好ましい。
MIが0.5より小さいとトナーの定着温度上昇、定
着効率低下につながり、5よりも大きいと逆に定
着時の高温ローラーオフセツトが発生し易くな
る。 なお、環球法による軟化点(SP)はJISK2531
により、またメルトンインデツクス(MI)はJIS
K7210により測定した。ガラス転移点(Tg)は
島津示差熱分析計DTA−30Mにより昇温速度毎
分15℃、試料10〜15mgで測定した。 本発明に係る樹脂を用いた現像剤のトナー中に
は上記結着樹脂成分の他に、該結着樹脂成分の含
有量より少ない割合で以下の化合物を含有させて
もよい。例えばシリコーン樹脂、ポリエステル、
ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリ
ビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペ
ン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族
石油樹脂、塩化パラフイン、パラフインワツクス
などである。 トナーを磁性トナーとするときには、トナー中
に磁性粒子を含有させる。磁性微粒子としては磁
性を示すか磁化可能な材料であればよく、例え
ば、鉄、マンガン、ニツケル、、コバルト、クロ
ムなどの金属、マグネタイト、ヘマタイト、各種
フエライト、マンガン合金、その他の強磁性合金
などがあり、これらを平均粒径約0.05〜5μ(より
好ましくは0.1〜2μ)の微粉末としたものが使用
できる。磁性トナー中に含有させる磁性粒子の量
は、トナー総重量の1.5〜70重量%(より好まし
くは25〜45%)が良い。 また本発明に係わるトナーには着色、荷電制御
等の目的で種々の物質を添加することができる。
例えば、カーボンブラツク、鉄黒、クラフアイ
ト、ニグロシン、モノアゾ染料の合金錯体、群
青、フタロシアニンブルー、ハンザイエロー、ベ
ンジジンイエロー、キナクリドン、各種レーキ顔
料などである。 疎水性コロイドシリカの如き流動性向上剤をト
ナー粒子の外部に混合しても良い。流動性向上剤
の添加量は0.05〜5重量%(トナー重量に対し)、
好ましくは0.1〜2重量%である。 上述した結着樹脂、磁性微粒子、着色剤、荷電
制御剤等から作製したトナーは現像器内でうける
負荷に対して強い耐性を有し、耐久試験において
破砕されて劣化することはない。ところが、トナ
ー粒子が硬いために、複写機に用いている材料、
例えば感光体表面、クリーニング部材、現像スリ
ーブ表面、キヤリアー粒子等が摩耗もしくは傷を
受け易くなる場合がある。このような場合には、
さらに、140℃における溶融粘度が10〜106CPS、
好ましくは102〜105CPSのオレフイン系単独重合
体もしくはオレフイン系共重合体を少量添加する
ことが好ましい。これを添加するときに、トナー
粒子の外に添加して使用すると、繰り返し使用中
にトナーとの重量比が変動して現像特性などが変
化するので、この添加物はトナー中に含有せしめ
るのがよい。上記粘度範囲のオレフイン系重合体
をトナー中に0.5〜5重量%含有させると、顔料
や磁性微粒子のトナーに対する分散性、相溶性が
改善され、感光体表面、クリーニング部材、等に
対する悪影響が少なくなる。ここでオレフイン系
単独単重合体もしくは共重合体として適用するも
のには、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、ポリエチレン骨格を有するアイオノマーなど
があり、上記共重合体においてはオレフインモノ
マーを50モル%以上(より好ましくは60モル以
上)含んでいるものが好ましい。 なお、溶融粘度の測定はBrookfield法を用い、
ここではB型粘度計に少量サンプルアダプターを
取付けたものを用いた。 次に、本発明のトナーを適用する電子写真法に
ついて説明する。 電気的潜像をトナーを用いて現像する工程には
前述の磁気ブラシ法、カスケード現像法、粉末雲
法、米国特許第3909258号明細書に記載されてい
る導電性の磁性トナーを用いる方法、特開昭53−
31136号公報に記載されている高抵抗の磁性トナ
を用いる方法などがある。本発明に係る樹脂を用
いた現像剤は、磁性粒子を含有させたいわゆる一
成分系現像剤を用いる現像方法にも適している。 本発明において使用する、現像画像を被転写部
に転写する工程には、コロナ転写方式、バイアス
転写方式、導電性ローラーを用いる方式などの静
電転写方式、磁場によつて転写する方式などが用
いられる。 さらに本発明において感光層もしくは絶縁層上
の残余のトナーを除去する工程には、ブレードク
リーニング方式、フアーブラシクリーニング方式
などが適用される。 また被複転写部材上の粉像は該部材上に定着さ
れる必要があるが、そのための方式としては、加
熱ロール定着法などを用いる。 発明の効果 以上、詳述したように、本発明によれば、少な
くとも三つの分子量部分を有し、且つこれらの最
大および最小分子量間に、所定の差を有するとと
もに、従来より高濃度の架橋性単量体を含むビニ
ル系単量体混合物の重合により得られたビニル系
共重合体とすることにより、特に、定着性、耐オ
フセツト性および耐久性の調和した乾式現像トナ
ー用樹脂が与えられる。 以下、実施例、比較例、参考例により、本発明
を更に具体的に説明する。 実施例 1
【表】 温度計、窒素導入管、攪拌棒、および水冷ジム
ロート型コンデンサーをつけた2−4つ口丸底
フラスコにキシレン420gを入れ、ヒーター付オ
イルバスでキシレン還流温度まで昇温した。これ
に上記混合物を、還流下で、3時間20分かけて滴
下した。滴下終了後、4時間重合反応を行い、そ
の後、通常の減圧蒸留により溶剤を除去し、重合
物を得た。この共重合体のゲルパーミエーシヨン
クロマトクラフによるクロマトグラムは、添付図
面に示す通りであり、13000、87万、450万に極大
点があり、Mc/Maが346、Ha/Hb/Hcは1/
0.5/0.2であつた。また、このもののTgは57℃、
MIは2.3であつた。 実施例 2 実施例1のアクリル酸ブチルをアクリル酸2−
エチルヘキシルに代え下記の配合にした以外は、
実施例1と同様に重合反応を行つた。
【表】 その結果得られた共重合体は、後記表1の様に
なつた。 実施例3〜5、参考例1〜2、比較例1〜3 配合、重合条件、結果を次表1に示す。操作は
基本的には実施例1と同様に行つた。参考例1〜
2は架橋剤濃度が本発明外のもの、比較例1〜3
は分子量分布が本発明外のものである。
【表】 参考例3〜6、比較例4〜6 次表2の如く複数種の樹脂を均一混合すること
により、分子量分布としては本発明の条件を満た
す樹脂(参考例3〜6)および分子量分布が本発
明外の樹脂(比較例4〜6)を得た。 つまりそれぞれの樹脂をトルエンに溶解し溶液
の状態で均一にブレンドし分子オーダーで均質に
混合される様に配慮し、溶剤を減圧蒸留すること
により樹脂混合物を得た。 得られた樹脂混合物についての測定結果を併せ
て、次表2に示す。
【表】
【表】 実施例 6 実施例1の樹脂(2mmメツシユパス程度に粉砕
したもの)100重量部、磁性粉(戸田工業製マグ
ネタイトEPT−1000)65重量部、有機金属錯体
(オリエント化学製E−81)2重量部、低分子量
ポリプロピレン(山洋化成工業製ビスコール
660P)4重量部をヘンシエルミキサーで混合し、
ロールミルにて溶解混練した。 冷却後ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いで
超音速ジエツト粉砕機にて微粉砕した。得られた
ものを風力分級機で分級し、およそ5〜35μの粒
子を集めてトナー分級品とした。このもの100重
量部に対し、疎水性コロイダルシリカ粉末0.4重
量部を加えて混合し、トナーとした。このトナー
を用いて画像出しを行つた。 画像出しに際しては、市販の普通紙複写機(キ
ヤノン製NP−500RE;複写速度50枚/分=約340
mm/秒)を用い、指定複写紙に対し、標準仕様の
熱ロール定着により定着した。 初期の複写画像はカブリのない良好な画像であ
り、2万枚ランニングテスト後に於ても充分な画
像濃度の良好な複写画像が得られた。また、感光
ドラム、クリーニングユニツト、現像スリーブ等
に傷及びトナーの融着は観測されていなかつた。 また、定着特性も非常に良好で、5万枚のラン
ニングテストに於て定着力は問題なく、オフセツ
ト量もわずかで排紙時のローラーへの紙のまきつ
きに起因するジヤムも殆どなく、総合的にみて満
足のいくものであつた。更に、10℃環境下始業時
連続複写テストに於ても定着力不足のトラブルは
発生しなかつた。 実施例7、参考例7〜10、比較例7〜11 次表3の通り、樹脂を変える以外は、実施例6
と同様の試験を行なつた。結果を実施例6のもの
とまとめて次表3に示す。
【表】
【表】 実施例8〜9、参考例11〜12及び比較例12〜15 実施例1および2で調製した結着樹脂を使用し
てトナーを実施例6と同様にして調製した(実施
例8〜9)。 参考例3および5で調製した結着樹脂(混合
法)を使用してトナーを実施例6と同様にして調
製した(参考例11〜12)。 一方、特開昭58−82258号公報(先願)の第5
頁右下欄9行目乃至第7行目に記載の実施例1乃
至4で使用されている結着樹脂を、該公報に記載
されている方法と同様にして調製して、比較用樹
脂A(先願実施例1の結着樹脂に相当)、B(先願
実施例2の結着樹脂に相当)、C(先願実施例3の
結着樹脂に相当)及びD(先願実施例4の結着樹
脂に相当)を得た。調製した比較用樹脂A,B,
C及びDを使用して実施例6と同様にしてトナー
を調製した(比較例12−15)。 上述の如く、調製した各トナーを使用し、キヤ
ノン製複写機NP−200J(複写速度20枚/分=約
140mm/秒)及びNP−500RE(複写速度50枚/分
=約340mm/秒)を使用して画出し試験をおこな
つて、現像特性及び定着性を評価した。 結果を後記表4に示す。
【表】 なお、上記表4に摘示した樹脂の性状比較を次
表5に示す。
【表】 上記実施例、比較例の結果、特に上記表3〜5
の結果を見れば、本発明の実施例に従う樹脂を用
いるトナーが、先願の実施例1〜4の樹脂を用い
るトナーに比べて特に高速画出および定着条件
(NP400REおよびNP500RE)における低温定着
性および耐高温オフセツト性で代表される定着特
性において著しく優れ、また現像耐久特性におい
ても顕著に優れることが理解できる。更に、本発
明の実施例に従い、比較的高い架橋剤濃度での重
合を経て得られた樹脂を用いるトナーは、参考例
による混合法により得られたトナー(参考例11お
よび12)に比べて各種環境条件での現像特性の変
化が少なく安定していることも理解できる。
【図面の簡単な説明】
図面は、実施例1で得られた樹脂のゲルパーミ
エイシヨン・クロマトグラムである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 100重量部あたり0.8重量部以上の架橋性単量
    体を含むビニル系単量体混合物の重合により得ら
    れたビニル系共重合体からなり、且つゲルパーミ
    エーシヨンクロマトグラフイーによつて測定され
    たクロマトグラムに少なくとも三つの極大点ない
    し肩を与え、このうち分子量が最も低い極大点な
    いし肩に対応する分子量をMa、分子量が最も高
    い極大点ないし肩に対応する分子量をMc,Ma
    とMcの間に位置する極大点ないし肩に対応する
    分子量をMbとするときに、Ma,Mb及びMcが、
    それぞれ次の三つの分子量領域A,B,C 領域A:2×103〜8×104 領域B:3×105〜106 領域C:3×106以上 にあり、Mc/Ma≧150であり、三つの極大点な
    いし肩の高さを、それぞれHa,Mb,Hcとする
    ときに Ha:Hb:Hc=1:0.2〜1.0:0.1〜0.6 であることを特徴とするトナー用結着樹脂。 2 結着樹脂、磁性粒子または/及び着色剤を含
    有する電子写真用トナーにおいて、 該結着樹脂が、100重量部あたり0.8重量部以上
    の架橋性単量体を含むビニル系単量体混合物の重
    合により得られたビニル系共重合体からなり、且
    つゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイーによ
    つて測定されたクロマトグラムに少なくとも三つ
    の極大点ないし肩を与え、このうち分子量が最も
    低い極大点ないし肩に対応する分子量をMa、分
    子量が最も高い極大点ないし肩に対応する分子量
    をMc,MaとMcの間に位置する極大点ないし肩
    に対応する分子量をMbとするときに、Ma,Mb
    及びMcが、それぞれ次の三つの分子量領域A,
    B,C 領域A:2×103〜8×104 領域B:3×105〜106 領域C:3×106以上 にあり、Mc/Ma≧150であり、三つの極大点な
    いし肩の高さを、それぞれHa,Mb,Hcとする
    ときに Ha:Hb:Hc=1:0.2〜1.0:0.1〜0.6 であることを特徴とする電子写真用トナー。
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