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JPH0533158A - 耐糸錆性に優れたアルミニウム板 - Google Patents

耐糸錆性に優れたアルミニウム板

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Publication number
JPH0533158A
JPH0533158A JP29957091A JP29957091A JPH0533158A JP H0533158 A JPH0533158 A JP H0533158A JP 29957091 A JP29957091 A JP 29957091A JP 29957091 A JP29957091 A JP 29957091A JP H0533158 A JPH0533158 A JP H0533158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum sheet
aluminum
corrosion resistance
acid
alkali
Prior art date
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Granted
Application number
JP29957091A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0715149B2 (ja
Inventor
Tatsuya Kanamaru
辰也 金丸
Katsutoshi Arai
勝利 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP3299570A priority Critical patent/JPH0715149B2/ja
Publication of JPH0533158A publication Critical patent/JPH0533158A/ja
Publication of JPH0715149B2 publication Critical patent/JPH0715149B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐糸錆性に優れたアルミニウム板
に関するものである。 【構成】 アルミニウム板表面に0.5g/m2以上の
エッチングを施した耐糸錆性に優れたアルミニウム板に
ある。 【効果】 アルミニウム板の耐糸錆性を向上し、さらに
は塗装性、耐食性を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】自動車,運輸材料,建築材料,家
庭用電気機器材料などにアルミニウムおよびその合金が
塗装して使用される場合が多いが、本発明は塗装用途、
特に塗装の前処理としてリン酸塩処理を施して使用され
る分野において、糸状腐食の発生を抑制できるアルミニ
ウムおよびその合金の表面処理に関するものである。な
お、アルミニウムおよびその合金とは、例えば上記産業
分野に一般に使用されている。JIS Z 3263展伸
用アルミニウム合金に規定されている化学成分を有する
か、あるいはそれに近似の化学成分をもつアルミニウム
合金である。
【0002】
【従来の技術とその課題】アルミニウムまたはその合金
(以下単にアルミニウムという)は中性の一般使用環境
において耐食性が優れていることが特徴の一つである
が、塗装して使用される場合には塗膜下で糸状腐食を起
こしやすく、塗装外観を損ねることが欠点となってい
る。糸状腐食を抑制するには塗装前処理の寄与が大きい
ことが知られており、クロム酸クロメートやリン酸クロ
メート皮膜を形成させる方法が比較的良好な性能を示
し、実施されている。しかしながら、例えば自動車ボデ
ィの塗装ラインのように、アルミニウム系材料と鉄鋼材
料を組み立てて塗装前処理を行う場合には、クロメート
系の処理は鉄鋼材料には適用できず、リン酸塩処理のみ
が両材料に皮膜形成できる前処理方法である。しかる
に、リン酸塩処理されたアルミニウムの耐糸錆性は十分
な性能が得られず、鉄鋼材料より劣ることが問題であっ
た。アルミニウム上にはリン酸塩皮膜は完全に被覆し難
い。リン酸塩処理浴中でAlがエッチングされると、表
面にAlPO4が沈澱し、リン酸亜鉛結晶皮膜の形成を
阻害することが知られている。これを改善する方法とし
て、特開昭61−157693号公報にはアルミニウム
表面にZnまたはZn系めっき層を1〜5g/m2被覆
することが開示されている。該方法はリン酸塩皮膜が形
成し難いアルミニウム表面をリン酸塩皮膜が容易に形成
できるZn系めっき層で被覆することによって、アルミ
ニウム板表面にリン酸塩皮膜を全面均一に形成させる技
術である。しかしながら、リン酸塩皮膜が形成できて
も、耐糸錆性はそれほど改善されず、品質上大きな問題
となることがある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、アルミニウム板表面エッチング量を0.5g/m
2以上とした、耐糸錆性に優れたアルミニウム板に関す
るものである。
【0004】
【作用】糸状腐食は塗膜下の糸錆先端がアノード、その
後方がカソードとなる酸素濃淡電池作用で進行する腐食
であり、糸錆の成長は糸錆尾部のポーラスな錆層を通る
2の拡散速度に支配されると考えられている。Alの
場合には錆層が鉄鋼の場合ほどポーラスではないため、
カソードの一部は糸錆先端周辺の未だ錆びない部分が受
け持ち、糸錆先端周辺部はカソードの酸素還元反応で生
成するOHイオンによってアルカリ性になることが観察
されている。このアルカリによってAl素地およびリン
酸塩皮膜が溶解し、また塗膜の化学結合が破壊され、塗
膜の密着性が劣化して糸錆の成長が促進されると考えら
れる。本発明者らは糸錆の成長を抑制するにはリン酸塩
皮膜の性状が最も重要であると考えた。すなわち、良好
な性状のリン酸塩皮膜であれば、酸素還元反応を抑制
し、かつアルカリに対して高い抵抗をもち得る。
【0005】Alの上のリン酸塩皮膜形成反応はフッ素
イオン添加処理浴といえども核生成が遅く、粗大結晶や
未反応部が生じやすく、そのため耐糸錆性が劣ったもの
と理解される。しかしながら、生成したリン酸亜鉛結晶
の中には粒状で緻密な結晶が存在し、この結晶形態はZ
nの上に生成する針状あるいは葉状のリン酸亜鉛結晶と
は明らかに異なる。後者は結晶間に空隙が多く、酸素還
元反応を抑制し得るバリアーとはなり得ない。本発明者
らはAl上に特有の粒状結晶の粒径を揃えたリン酸塩皮
膜を形成させれば、結晶間空隙の少ない緻密な皮膜が得
られると考え、本発明に到ったのである。
【0006】Alの表面は大気中では10μm程度の極
薄い酸化膜で覆われている。リン酸塩処理の前処理とし
ては通常アルカリ性の脱脂液で洗浄し、Alの酸化物を
溶解する。Mgなどの酸化物はアルカリ中では溶解しな
いので、場合によっては酸洗いも行われている。酸化膜
を溶解除去するにはアルカリ洗浄およびあるいは酸洗浄
で、0.05g/m2程度のエッチングを施せば十分で
あるが、Al上の酸化膜を溶解除去したのみではリン酸
塩皮膜の被覆は十分ではなく、未反応部の残存は防ぎ得
ない。また生成したリン酸塩結晶は粗大となりやすい。
本発明者らは、アルカリ洗浄と酸洗浄で過剰のエッチン
グを施すことにより、アルミニウムおよびその合金(以
下単にアルミニウムという。)のリン酸塩処理性が向上
することを見出した。この理由は定かではないが、次の
ように考えている。
【0007】アルミニウム表面は酸化膜の下もAl,M
g,Siなどの易酸化性の金属成分が濃縮しており、こ
れらの濃化層をエッチング除去すると、Cu,Feなど
の貴金属成分が始めて表面に露出するようになる。C
u,Feなどはリン酸塩反応においてカソードとなり、
アノードからのAlの溶解を促進する。処理浴中のフッ
素イオンは水和AlイオンのHイオン離脱を抑え、素地
界面のPH上昇に補助的に働く。かくして界面のPHは
急上昇して、AlPO4生成域を通り越してリン酸亜鉛
結晶が析出する。アノードに析出するリン酸亜鉛結晶は
エッチングされたAl面とのエピタクシー関係で粒状結
晶になるものと推察される。アノードに生成した結晶核
は成長してカソードを被い尽くし、粒径が5μm程度に
揃った結晶間空隙の少ない緻密な結晶が得られる。C
u,Feなどの有効カソードがない場合には、リン酸塩
処理浴中でのAlの溶解速度は十分ではなく、素地界面
のPH上昇速度が遅い局部にはAlPO4が生成してリ
ン酸亜鉛結晶の析出が阻害される。核生成のサイトが少
ないまま結晶成長段階に入るので粗大結晶化し、カソー
ド部では耐食性の劣る針状のリン酸亜鉛の二次結晶が生
成するのである。
【0008】アルカリおよび酸中でのアルミニウムのエ
ッチング量は0.5g/m2以上が好ましい。それ以下
のエッチング量では効果が不十分である。上限は板厚に
より異なるが3.0g/m2で十分である。アルミニウ
ム板の表面成分を均一にするには、アルカリ洗浄と酸洗
浄を併用することが好ましい。アルカリ洗浄と酸洗浄の
順序は問わない。また、アルカリ洗浄→酸洗浄→アルカ
リ洗浄→酸洗浄のように複数の前処理工程をとることも
可能であるが、要はアルカリ洗浄と酸洗浄のエッチング
全量が0.5g/m2以上であれば良い。酸洗浄浴とし
ては5〜40%の硫酸,硝酸,塩酸などの強酸が使用で
き、浴温度を常温から60℃程度まで高めることも有効
である。アルカリ洗浄浴としては5〜20%のNaOH
水溶液のような強アルカリからNa2CO3やNa3PO4
のような弱アルカリの使用も可能である。
【0009】
【実施例】試験条件と結果について表1に示す。
【0010】
【表1A】
【0011】
【表1B】
【0012】注1:エッチング量の実施例は、アルカリ
水溶液と酸水溶液への浸漬によるエッチング量。 注2:リン酸処理はフッ素イオン添加浴で処理。 注3:耐糸錆性は、カチオン電着塗装20μm、中塗
り、上塗りして合計塗膜厚80μとし、塗膜に素地アル
ミニウム板に達するナイフ傷を入れ、塩水噴霧1日、8
5%の40℃湿潤5日、室内放置1日からなるサイクル
条件で8週間試験後の最大糸錆長さを測定した。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム材の耐糸
錆性を向上し、塗装性、耐食性を確実に向上でき工業的
に大きな効果を奏するものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 アルミニウム板表面に0.5g/m2
    上のエッチングを施したことを特徴とする耐糸錆性に優
    れたアルミニウム板。
JP3299570A 1991-10-21 1991-10-21 耐糸▲錆▼性に優れたアルミニウム板 Expired - Lifetime JPH0715149B2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP3299570A JPH0715149B2 (ja) 1991-10-21 1991-10-21 耐糸▲錆▼性に優れたアルミニウム板

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JP3299570A JPH0715149B2 (ja) 1991-10-21 1991-10-21 耐糸▲錆▼性に優れたアルミニウム板

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JP20870891A Division JPH06240467A (ja) 1991-07-26 1991-07-26 耐糸錆性に優れたアルミニウム板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0533158A true JPH0533158A (ja) 1993-02-09
JPH0715149B2 JPH0715149B2 (ja) 1995-02-22

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ID=17874342

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007107069A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Chuo Motor Wheel Co Ltd アルミニウム系基材の表面処理方法
US7813658B2 (en) 2007-01-31 2010-10-12 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6452091A (en) * 1987-08-21 1989-02-28 Sky Aluminium Degreased al alloy sheet for coating
JPH01279788A (ja) * 1988-05-02 1989-11-10 Sky Alum Co Ltd 耐系錆性に優れた自動車用A▲l▼合金塗装板の製造方法

Patent Citations (2)

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US7813658B2 (en) 2007-01-31 2010-10-12 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus

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Publication number Publication date
JPH0715149B2 (ja) 1995-02-22

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Date Code Title Description
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Effective date: 19971118