JPH05311104A - 転写層形成用インキ又は塗料組成物、転写シートの製造方法及び転写シート - Google Patents
転写層形成用インキ又は塗料組成物、転写シートの製造方法及び転写シートInfo
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- JPH05311104A JPH05311104A JP14356792A JP14356792A JPH05311104A JP H05311104 A JPH05311104 A JP H05311104A JP 14356792 A JP14356792 A JP 14356792A JP 14356792 A JP14356792 A JP 14356792A JP H05311104 A JPH05311104 A JP H05311104A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】乾燥時間が短時間で、形成された転写層や基材
シート等に熱劣化等を起こさず、転写シートどうしを積
層する際にブロッキング等の不具合のないものを提供す
る。 【構成】 蒸発速度が酢酸n−ブチルの4倍以上の速乾
溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチルの1倍以上4倍未満
の揮発性遅乾溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチルの0.
8倍以下であり且つ沸点が115℃以上の残留性遅乾溶
剤との3種類の混合溶剤からなり、上記残留性遅乾溶剤
を全溶剤中の2〜10重量%添加せしめた溶剤を用いた
転写層形成用インキ又は塗料組成物を用い、該組成物を
剥離性基材シート3に塗工した後115℃以下の温度で
乾燥して転写層2を形成して転写シート1を得る。
シート等に熱劣化等を起こさず、転写シートどうしを積
層する際にブロッキング等の不具合のないものを提供す
る。 【構成】 蒸発速度が酢酸n−ブチルの4倍以上の速乾
溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチルの1倍以上4倍未満
の揮発性遅乾溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチルの0.
8倍以下であり且つ沸点が115℃以上の残留性遅乾溶
剤との3種類の混合溶剤からなり、上記残留性遅乾溶剤
を全溶剤中の2〜10重量%添加せしめた溶剤を用いた
転写層形成用インキ又は塗料組成物を用い、該組成物を
剥離性基材シート3に塗工した後115℃以下の温度で
乾燥して転写層2を形成して転写シート1を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は転写シートの転写層を形
成するためのインキ又は塗料組成物、該組成物を用いて
転写シートを製造する方法、及び転写シートに関する。
成するためのインキ又は塗料組成物、該組成物を用いて
転写シートを製造する方法、及び転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来転写シートを製造する場合、転写層
を形成するインキ又は塗料として、結合剤樹脂(バイン
ダー)に顔料や染料等の着色剤を添加して溶剤で適当な
粘度に調整したものを用い、該組成物を塗工し乾燥して
転写層を形成し転写シートを製造する方法が用いられて
いる。
を形成するインキ又は塗料として、結合剤樹脂(バイン
ダー)に顔料や染料等の着色剤を添加して溶剤で適当な
粘度に調整したものを用い、該組成物を塗工し乾燥して
転写層を形成し転写シートを製造する方法が用いられて
いる。
【0003】転写層形成用インキ又は塗料組成物に用い
られる溶剤は、従来比較的低い沸点(115℃未満)で
蒸発速度が比較的速い(酢酸−nブチルの約80%以
上)溶剤(所謂低沸点、高揮発性溶剤)が用いられてい
た。また、上記の低沸点、高揮発性溶剤を用いたインキ
又は塗料組成物を用いて転写層を形成する場合、上記組
成物を塗工後115℃未満の比較的低い温度でゆっくり
乾燥すると、形成された転写層に溶剤の発泡による気泡
の混入や、塗工した層と下層との間に浮き等が発生せず
良好な転写層を形成可能なことが知られている。
られる溶剤は、従来比較的低い沸点(115℃未満)で
蒸発速度が比較的速い(酢酸−nブチルの約80%以
上)溶剤(所謂低沸点、高揮発性溶剤)が用いられてい
た。また、上記の低沸点、高揮発性溶剤を用いたインキ
又は塗料組成物を用いて転写層を形成する場合、上記組
成物を塗工後115℃未満の比較的低い温度でゆっくり
乾燥すると、形成された転写層に溶剤の発泡による気泡
の混入や、塗工した層と下層との間に浮き等が発生せず
良好な転写層を形成可能なことが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き低沸点、高揮発性溶剤を用い比較的低温で乾燥させ
た転写層は、乾燥が不十分で該層に溶剤が残留し易く、
転写シートどうしを積層した場合にブロッキングを起こ
し易いという問題があった。また、乾燥時間を長くとる
と、転写シート製造の作業性が低下するという問題があ
った。
如き低沸点、高揮発性溶剤を用い比較的低温で乾燥させ
た転写層は、乾燥が不十分で該層に溶剤が残留し易く、
転写シートどうしを積層した場合にブロッキングを起こ
し易いという問題があった。また、乾燥時間を長くとる
と、転写シート製造の作業性が低下するという問題があ
った。
【0005】そこで上記の問題を解決するために、ブロ
ッキングを起こさない程度の速乾性溶剤を使用して比較
的高温で乾燥するとブロッキングの問題は解決するもの
の、溶剤の突沸により転写層中や転写層と剥離性基材シ
ートとの界面で発泡したり、箔浮き等の問題が生じる。
一方上記の発泡を改良するために、沸点が115℃以上
の比較的高沸点で低揮発性溶剤を用いたインキ又は塗料
組成物を用い、乾燥温度を上げて転写層を形成すること
も試みられたたが、やはり溶剤の乾燥が不十分となり易
くブロッキッグの生じる虞れがある。また、あまり乾燥
温度を上げすぎると結合剤樹脂や転写シートを形成する
ための基材シート等が熱劣化し、更に残留溶剤の沸点以
上に加熱される場合は、発泡や箔浮き等の問題が残ると
いう欠点があった。
ッキングを起こさない程度の速乾性溶剤を使用して比較
的高温で乾燥するとブロッキングの問題は解決するもの
の、溶剤の突沸により転写層中や転写層と剥離性基材シ
ートとの界面で発泡したり、箔浮き等の問題が生じる。
一方上記の発泡を改良するために、沸点が115℃以上
の比較的高沸点で低揮発性溶剤を用いたインキ又は塗料
組成物を用い、乾燥温度を上げて転写層を形成すること
も試みられたたが、やはり溶剤の乾燥が不十分となり易
くブロッキッグの生じる虞れがある。また、あまり乾燥
温度を上げすぎると結合剤樹脂や転写シートを形成する
ための基材シート等が熱劣化し、更に残留溶剤の沸点以
上に加熱される場合は、発泡や箔浮き等の問題が残ると
いう欠点があった。
【0006】また、転写層を設ける面の凹凸が大きかっ
たり、ビーズ顔料や光輝性顔料のように比較的大きな粒
子が存在する場合は、一度の塗工である程度の厚みを有
する剥離層や絵柄層を形成する必要があり、その場合特
に上記の問題が顕著である。特に転写シートは剥離性基
材と接する転写層(通常は剥離層)との界面の密着強度
があまり高くないので、乾燥時の箔ウキが生じ易いとい
う問題がある。
たり、ビーズ顔料や光輝性顔料のように比較的大きな粒
子が存在する場合は、一度の塗工である程度の厚みを有
する剥離層や絵柄層を形成する必要があり、その場合特
に上記の問題が顕著である。特に転写シートは剥離性基
材と接する転写層(通常は剥離層)との界面の密着強度
があまり高くないので、乾燥時の箔ウキが生じ易いとい
う問題がある。
【0007】本発明は上記従来技術の欠点を解消するた
めになされたものであり、乾燥時間が短時間で、形成さ
れた転写層や基材シート等に熱劣化等を起こさず、転写
シートどうしを積層する際にブロッキング等の不具合の
ない、転写層形成用塗料又は、インキ組成物、転写シー
トの製造方法及び転写シートを提供することを目的とす
る。
めになされたものであり、乾燥時間が短時間で、形成さ
れた転写層や基材シート等に熱劣化等を起こさず、転写
シートどうしを積層する際にブロッキング等の不具合の
ない、転写層形成用塗料又は、インキ組成物、転写シー
トの製造方法及び転写シートを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明転写層形成用イン
キ又は塗料組成物は、少なくとも結合剤樹脂、着色剤及
び有機溶剤からなる転写層形成用インキ又は塗料組成物
において、上記有機溶剤が、蒸発速度が酢酸n−ブチル
の4倍以上の速乾溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチルの
1倍以上4倍未満の揮発性遅乾溶剤と、蒸発速度が酢酸
n−ブチルの0.8倍以下であり且つ沸点が115℃以
上の残留性遅乾溶剤との3種類の混合溶剤からなり、上
記残留性遅乾溶剤を全溶剤中の2〜10重量%含有せし
めたことを特徴とする。
キ又は塗料組成物は、少なくとも結合剤樹脂、着色剤及
び有機溶剤からなる転写層形成用インキ又は塗料組成物
において、上記有機溶剤が、蒸発速度が酢酸n−ブチル
の4倍以上の速乾溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチルの
1倍以上4倍未満の揮発性遅乾溶剤と、蒸発速度が酢酸
n−ブチルの0.8倍以下であり且つ沸点が115℃以
上の残留性遅乾溶剤との3種類の混合溶剤からなり、上
記残留性遅乾溶剤を全溶剤中の2〜10重量%含有せし
めたことを特徴とする。
【0009】また、本発明転写シートの製造方法は上記
の転写層形成用インキ又は塗料組成物を用い該組成物を
剥離性基材へ塗工し、115℃未満の温度で乾燥させて
転写層を形成することを特徴とする転写シートの製造方
法。
の転写層形成用インキ又は塗料組成物を用い該組成物を
剥離性基材へ塗工し、115℃未満の温度で乾燥させて
転写層を形成することを特徴とする転写シートの製造方
法。
【0010】本発明転写シートは、剥離性基材の表面に
インキ又は塗料の組成物を塗工し乾燥して転写層が形成
された転写シートにおいて、上記インキ又は塗料の組成
物が少なくとも結合剤樹脂、着色剤及び有機溶剤からな
り、該有機溶剤が蒸発速度が酢酸n−ブチルの4倍以上
の速乾溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチルの1倍以上4
倍未満の揮発性遅乾溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチル
の0.8倍以下であり且つ沸点が115℃以上の残留性
遅乾溶剤との3種類の混合溶剤であり、上記残留性遅乾
溶剤が全溶剤中の2〜10重量%であり、該塗料を剥離
性基材へ塗工した後115℃未満の温度で乾燥させて転
写層を形成してなることを特徴とするものである。
インキ又は塗料の組成物を塗工し乾燥して転写層が形成
された転写シートにおいて、上記インキ又は塗料の組成
物が少なくとも結合剤樹脂、着色剤及び有機溶剤からな
り、該有機溶剤が蒸発速度が酢酸n−ブチルの4倍以上
の速乾溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチルの1倍以上4
倍未満の揮発性遅乾溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチル
の0.8倍以下であり且つ沸点が115℃以上の残留性
遅乾溶剤との3種類の混合溶剤であり、上記残留性遅乾
溶剤が全溶剤中の2〜10重量%であり、該塗料を剥離
性基材へ塗工した後115℃未満の温度で乾燥させて転
写層を形成してなることを特徴とするものである。
【0011】本発明の転写層形成用インキ又は塗料組成
物に用いられる速乾溶剤は、蒸発速度を酢酸n−ブチル
の蒸発量を100(重量部)とした場合の該溶剤の蒸発
量(重量部)で表した際、蒸発速度が400以上の溶剤
が用いられ、具体的には表1に示すような溶剤が挙げら
れる。
物に用いられる速乾溶剤は、蒸発速度を酢酸n−ブチル
の蒸発量を100(重量部)とした場合の該溶剤の蒸発
量(重量部)で表した際、蒸発速度が400以上の溶剤
が用いられ、具体的には表1に示すような溶剤が挙げら
れる。
【0012】
【表1】 〔速乾溶剤〕 ─────────────────────────────────── 溶剤名 沸点(℃) 蒸発速度 ─────────────────────────────────── 酢酸メチル 59〜60 1040 アセトン 56.1 720 酢酸エチル 77.1 525 メチルエチルケトン 79.6 465 酢酸イソプロピル 89.0 435 ───────────────────────────────────
【0013】また蒸発速度が酢酸n−ブチルの1倍以上
4倍未満の揮発性遅乾溶剤は、表2に示すような溶剤が
挙げられる。
4倍未満の揮発性遅乾溶剤は、表2に示すような溶剤が
挙げられる。
【0014】
【表2】 〔揮発性遅乾溶剤〕 ─────────────────────────────────── 溶剤名 沸点(℃) 蒸発速度 ─────────────────────────────────── メタノール 64.5 370 イソプロパノール 82.5 205 エタノール 78.5 203 トルエン 111 195 酢酸イソブチル 118.3 152 酢酸n−ブチル 124〜125 100 ───────────────────────────────────
【0015】また、残留性遅乾溶剤は、例えば表3に示
す溶剤が挙げられる。
す溶剤が挙げられる。
【0016】
【表3】 〔残留性遅乾溶剤〕 ─────────────────────────────────── 溶剤名 沸点(℃) 蒸発速度 ─────────────────────────────────── キシレン 135〜145 68 エチレングリコールモノメチルエーテル 124.6 57 エチレングリコールモノエチルエーテル 124.5 55 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 218 52 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 119 30 酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル 246.8 0.1 イソアミルアルコール 132 36 ───────────────────────────────────
【0017】残留性遅乾溶剤は、前記2種類の溶剤より
も乾燥が遅く、使用樹脂との相容性が良く、転写層中に
残留しても該層の物性やブロッキング性に悪影響を及ぼ
さないものであればよい。例えば結合剤樹脂としてアク
リル+塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用した場
合、速乾溶剤に酢酸エチル/メチルエチルケトン、揮発
性遅乾溶剤にトルエンを使用した場合、残留性遅乾溶剤
はジエチレングリコールモノエーテル類を用いるのが好
ましい。この場合特に前記樹脂との相容性や乾燥性等が
良好なことからジエチレングリコールモノブチルエーテ
ルが好ましい。また、転写後の転写層の耐水性等を考慮
すると上記グリコールエーテル類を酢酸でエステル化し
たようなグリコールエーテル類のエステル化物が好まし
い。
も乾燥が遅く、使用樹脂との相容性が良く、転写層中に
残留しても該層の物性やブロッキング性に悪影響を及ぼ
さないものであればよい。例えば結合剤樹脂としてアク
リル+塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用した場
合、速乾溶剤に酢酸エチル/メチルエチルケトン、揮発
性遅乾溶剤にトルエンを使用した場合、残留性遅乾溶剤
はジエチレングリコールモノエーテル類を用いるのが好
ましい。この場合特に前記樹脂との相容性や乾燥性等が
良好なことからジエチレングリコールモノブチルエーテ
ルが好ましい。また、転写後の転写層の耐水性等を考慮
すると上記グリコールエーテル類を酢酸でエステル化し
たようなグリコールエーテル類のエステル化物が好まし
い。
【0018】溶剤の組成は、上記残留性遅乾溶剤を全溶
剤の2〜10重量%含有せしめるものであり、残留性遅
乾溶剤が2重量%未満となると、塗膜表面が乾燥速度が
速く皮張り防止効果が十分得られず、発泡や箔浮き等が
起こり易くなる。又、残留性遅乾溶剤が10重量%を越
えると、乾燥速度が遅くなり転写シート製造の作業性が
低下し、更に残留した溶剤が多くなると気化して気泡や
箔浮き等が起こり易くなり、ブロッキング性が低下す
る。より好ましい残留性遅乾溶剤の添加量は4〜8重量
%である。
剤の2〜10重量%含有せしめるものであり、残留性遅
乾溶剤が2重量%未満となると、塗膜表面が乾燥速度が
速く皮張り防止効果が十分得られず、発泡や箔浮き等が
起こり易くなる。又、残留性遅乾溶剤が10重量%を越
えると、乾燥速度が遅くなり転写シート製造の作業性が
低下し、更に残留した溶剤が多くなると気化して気泡や
箔浮き等が起こり易くなり、ブロッキング性が低下す
る。より好ましい残留性遅乾溶剤の添加量は4〜8重量
%である。
【0019】転写層形成用インキ又は塗料組成物に用い
られる結合剤樹脂は、転写層の用途等に応じて適宜選定
する。結合剤樹脂は熱可塑性樹脂としては例えば、エチ
ルセルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、エチ
ルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート
プロピオネート等セルロース誘導体、ポリスチレン、ポ
リα−メチルスチレン等のスチレン樹脂又はスチレン共
重合体、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エ
チル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体、ロジ
ン、ロジン変成マレイン酸樹脂、ロジン変成フェノール
樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹
脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミド樹脂等の天然又は
合成樹脂が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、
フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、
メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル系
樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン
−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が
ある。
られる結合剤樹脂は、転写層の用途等に応じて適宜選定
する。結合剤樹脂は熱可塑性樹脂としては例えば、エチ
ルセルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、エチ
ルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート
プロピオネート等セルロース誘導体、ポリスチレン、ポ
リα−メチルスチレン等のスチレン樹脂又はスチレン共
重合体、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エ
チル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体、ロジ
ン、ロジン変成マレイン酸樹脂、ロジン変成フェノール
樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹
脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミド樹脂等の天然又は
合成樹脂が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、
フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、
メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル系
樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン
−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が
ある。
【0020】また、その他の添加剤としては形成しよう
とする転写層に応じて適宜使用する。例えば絵柄層用の
組成物の場合には着色顔料または染料等の着色剤が用い
られ、また剥離層用の組成物であれば艶や表面の質感を
調節するための艶消し顔料やビーズ顔料等の艶調整剤、
光輝性顔料等が添加される。これらの具体的な材料を以
下に示す。
とする転写層に応じて適宜使用する。例えば絵柄層用の
組成物の場合には着色顔料または染料等の着色剤が用い
られ、また剥離層用の組成物であれば艶や表面の質感を
調節するための艶消し顔料やビーズ顔料等の艶調整剤、
光輝性顔料等が添加される。これらの具体的な材料を以
下に示す。
【0021】1)艶消し(マット)顔料としては、例え
ば粒径が0.1〜10μm程度の炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、シリカ、アルミナ、ガラスバルーン、ポリエ
チレン等の微粉末が用いられる。 2)ビーズ顔料は、樹脂の球体微粒子よりなる顔料であ
り必要に応じ内部に顔料、染料等の着色剤を含むもので
ある。特に艶消し効果、耐擦傷性に優れた形態のものと
しては、Fe2 O3 、TiO2 、CaCO3 、キナクリ
ドン等の常用の顔料微粉末を、ポリウレタン、エポキ
シ、アクリル、ポリエステル、ナイロン、フッ素樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の弾力性のある樹
脂、更に必要に応じ可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加
えた組成物中に分散したり、又は該組成物で被覆したり
して球又は球類似の粒子としたものである。粒径は、分
布範囲が5〜80μm、且つ分布の極大値が10〜35
μmの範囲のものが特に良好な艶消しを与える。
ば粒径が0.1〜10μm程度の炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、シリカ、アルミナ、ガラスバルーン、ポリエ
チレン等の微粉末が用いられる。 2)ビーズ顔料は、樹脂の球体微粒子よりなる顔料であ
り必要に応じ内部に顔料、染料等の着色剤を含むもので
ある。特に艶消し効果、耐擦傷性に優れた形態のものと
しては、Fe2 O3 、TiO2 、CaCO3 、キナクリ
ドン等の常用の顔料微粉末を、ポリウレタン、エポキ
シ、アクリル、ポリエステル、ナイロン、フッ素樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の弾力性のある樹
脂、更に必要に応じ可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加
えた組成物中に分散したり、又は該組成物で被覆したり
して球又は球類似の粒子としたものである。粒径は、分
布範囲が5〜80μm、且つ分布の極大値が10〜35
μmの範囲のものが特に良好な艶消しを与える。
【0022】3)光輝性顔料としては、アルミニウム
粉、銅粉、真鍮粉等の金属粉や金属薄片や金属蒸着合成
樹脂フィルムの裁断片等の金属光沢を有する顔料等の金
属粉顔料、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビ
スマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する真珠光沢顔料
(パール顔料)、ポリエステル樹脂層とアクリル樹脂
層のように屈折率の異なる2種以上の樹脂層を数μm以
下程度の厚みで多層積層して、光の干渉による光彩色を
生じさせたフィルム(例:マール社製のマールフィル
ム)を断裁した箔粉からなる顔料等が挙げられる。
粉、銅粉、真鍮粉等の金属粉や金属薄片や金属蒸着合成
樹脂フィルムの裁断片等の金属光沢を有する顔料等の金
属粉顔料、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビ
スマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する真珠光沢顔料
(パール顔料)、ポリエステル樹脂層とアクリル樹脂
層のように屈折率の異なる2種以上の樹脂層を数μm以
下程度の厚みで多層積層して、光の干渉による光彩色を
生じさせたフィルム(例:マール社製のマールフィル
ム)を断裁した箔粉からなる顔料等が挙げられる。
【0023】また絵柄層を形成する場合に用いる着色剤
としては、黄色顔料としてイソインドリノン、スレンイ
エローG、パーマネントイエローHR等の有機顔料、黄
色酸化鉄、ニッケルチタンイエロー等の無機顔料、赤色
顔料としてキナクリドンレッド、パーマネントレッドF
GR、パーマネントレッドF4RH等の有機顔料、弁
柄、硫化水銀カドミウム等の無機顔料、青色顔料とし
て、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS等
の有機顔料、群青、紺青等の無機顔料、黒色顔料として
カーボンブラック等、白色顔料としては、二酸化チタ
ン、三酸化二アンモニウム等が使用できる。顔料の粒径
は使用用途、物性等に応じ適宜選定するが、通常0.1
〜100μm程度が用いられる。
としては、黄色顔料としてイソインドリノン、スレンイ
エローG、パーマネントイエローHR等の有機顔料、黄
色酸化鉄、ニッケルチタンイエロー等の無機顔料、赤色
顔料としてキナクリドンレッド、パーマネントレッドF
GR、パーマネントレッドF4RH等の有機顔料、弁
柄、硫化水銀カドミウム等の無機顔料、青色顔料とし
て、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS等
の有機顔料、群青、紺青等の無機顔料、黒色顔料として
カーボンブラック等、白色顔料としては、二酸化チタ
ン、三酸化二アンモニウム等が使用できる。顔料の粒径
は使用用途、物性等に応じ適宜選定するが、通常0.1
〜100μm程度が用いられる。
【0024】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基き詳細に説明
する。図1は本発明転写シートの1例を示す要部断面図
である。本発明転写シートは図1に示すように、剥離性
の基材シート3の表面に転写層2が形成されてなり、該
転写層2は剥離層8、絵柄層7等の層の中から1層以上
設けられているものであればよい。また転写層2は必要
応じ接着剤層6を設けることもできる。また絵柄層7以
外にも金属蒸着層等の装飾層を設けることができる。
する。図1は本発明転写シートの1例を示す要部断面図
である。本発明転写シートは図1に示すように、剥離性
の基材シート3の表面に転写層2が形成されてなり、該
転写層2は剥離層8、絵柄層7等の層の中から1層以上
設けられているものであればよい。また転写層2は必要
応じ接着剤層6を設けることもできる。また絵柄層7以
外にも金属蒸着層等の装飾層を設けることができる。
【0025】本発明転写シート1の剥離性基材3は転写
層と離型性のよい5〜200μmのフィルムが用いら
れ、材質としてポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イ
ソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオ
レフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリ4フッ化エチレ
ン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ
化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリ
アミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロ
ン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等
のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリ
メタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリア
クリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成
樹脂フィルムまたはシートの単層又は複数の積層体、あ
るいは上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙が用
いられる。
層と離型性のよい5〜200μmのフィルムが用いら
れ、材質としてポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イ
ソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオ
レフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリ4フッ化エチレ
ン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ
化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリ
アミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロ
ン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等
のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリ
メタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリア
クリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成
樹脂フィルムまたはシートの単層又は複数の積層体、あ
るいは上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙が用
いられる。
【0026】剥離性基材3は上記の基材シート4のみか
ら構成してもよいが図1に示すように、必要に応じ転写
層2と剥離性基材3との間の離型性を促進するための離
型層5を設けてもよい。離型層5としては、フッ素系樹
脂、各種ワックス、シリコーン等の離型剤を公知のベヒ
クル、例えばアクリル樹脂、繊維素系樹脂、ビニル系樹
脂等の添加した塗料の塗膜を形成したり、離型性の樹
脂、例えばフッ素系樹脂、シリコーン系、メラミン系樹
脂、ポリオレフィン樹脂、電離放射線架橋型の多官能の
アクリレート、ポリエステル、エポキシ等の樹脂を塗
工、エクストルージョンコート等で製膜したものを用い
る。
ら構成してもよいが図1に示すように、必要に応じ転写
層2と剥離性基材3との間の離型性を促進するための離
型層5を設けてもよい。離型層5としては、フッ素系樹
脂、各種ワックス、シリコーン等の離型剤を公知のベヒ
クル、例えばアクリル樹脂、繊維素系樹脂、ビニル系樹
脂等の添加した塗料の塗膜を形成したり、離型性の樹
脂、例えばフッ素系樹脂、シリコーン系、メラミン系樹
脂、ポリオレフィン樹脂、電離放射線架橋型の多官能の
アクリレート、ポリエステル、エポキシ等の樹脂を塗
工、エクストルージョンコート等で製膜したものを用い
る。
【0027】上記剥離性基材3は転写シートの目的に応
じ適宜選定する。例えば平板状の被転写体に高寸法精度
の絵柄を転写する場合には、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアリレート、
ポリエーテルエーテルケトン、酢酸セルロース、上質紙
等のポリメチルペンテンを塗工したもの等の、熱や応力
で寸法変化し難い樹脂を用いるのが好ましい。また、イ
ンモールド転写(射出成型同時転写)等のように被転写
体表面が一般に曲面となる場合は、ナイロン6、ナイロ
ン6,6等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレ
ート−イソフタレート等共重合体なとの結晶性ポリエス
テル、ポリ塩化ビニル、ビニロン等の可塑性を有する熱
可塑性樹脂シート又はフィルム、或いはこれらの積層体
が好ましい。又、以上の各種剥離性基材3の厚みは用途
に応じて選定するが通常12〜100μm程度である。
又、以上の各種剥離性基材3の転写層側は所望の光沢度
とすると転写層の表面に完全光沢から完全艶消まで各種
の光沢度を付与することができる。
じ適宜選定する。例えば平板状の被転写体に高寸法精度
の絵柄を転写する場合には、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアリレート、
ポリエーテルエーテルケトン、酢酸セルロース、上質紙
等のポリメチルペンテンを塗工したもの等の、熱や応力
で寸法変化し難い樹脂を用いるのが好ましい。また、イ
ンモールド転写(射出成型同時転写)等のように被転写
体表面が一般に曲面となる場合は、ナイロン6、ナイロ
ン6,6等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレ
ート−イソフタレート等共重合体なとの結晶性ポリエス
テル、ポリ塩化ビニル、ビニロン等の可塑性を有する熱
可塑性樹脂シート又はフィルム、或いはこれらの積層体
が好ましい。又、以上の各種剥離性基材3の厚みは用途
に応じて選定するが通常12〜100μm程度である。
又、以上の各種剥離性基材3の転写層側は所望の光沢度
とすると転写層の表面に完全光沢から完全艶消まで各種
の光沢度を付与することができる。
【0028】剥離層8は剥離性基材と剥離性を有し、且
つ転写後は転写層の表面保護層として所望の物性を有す
る樹脂組成を選定する。特に表面に艶消しや光輝性等の
外観を付与する場合には前述したような添加剤が用いら
れる。剥離層の膜厚は特に限定されないが、本発明にお
いては特に乾燥時の膜厚が20〜100μm程度の層を
1回の塗工により形成する場合に最適である。特にビー
ズ顔料や光輝性顔料等の比較的大きな径の顔料(粗粒顔
料)を添加した場合等に乾燥が容易となる。
つ転写後は転写層の表面保護層として所望の物性を有す
る樹脂組成を選定する。特に表面に艶消しや光輝性等の
外観を付与する場合には前述したような添加剤が用いら
れる。剥離層の膜厚は特に限定されないが、本発明にお
いては特に乾燥時の膜厚が20〜100μm程度の層を
1回の塗工により形成する場合に最適である。特にビー
ズ顔料や光輝性顔料等の比較的大きな径の顔料(粗粒顔
料)を添加した場合等に乾燥が容易となる。
【0029】絵柄層7は全面に形成してもまた部分的に
形成してもよく、模様としては、木目、石目、布目等の
天然物の意匠、文字、図形、記号、各種抽象模様等のい
ずれでもよい。本発明転写シートは上記の絵柄層、剥離
層等の転写層の1層以上が前述した特定溶剤を使用した
転写層形成用インキ又は塗料を用いて形成されていれば
よい。
形成してもよく、模様としては、木目、石目、布目等の
天然物の意匠、文字、図形、記号、各種抽象模様等のい
ずれでもよい。本発明転写シートは上記の絵柄層、剥離
層等の転写層の1層以上が前述した特定溶剤を使用した
転写層形成用インキ又は塗料を用いて形成されていれば
よい。
【0030】本発明転写シートにおいて、接着剤層6は
転写層を被転写体と良好に転移、接着させるための層で
あり、感熱接着剤、溶剤活性型接着剤、電離放射線硬化
性接着剤等の中から用途に応じ選定する。尚、接着剤層
は絵柄層、剥離層等の接着剤層以外の層自身が十分な接
着性を有する場合には接着剤層を省略することができ
る。
転写層を被転写体と良好に転移、接着させるための層で
あり、感熱接着剤、溶剤活性型接着剤、電離放射線硬化
性接着剤等の中から用途に応じ選定する。尚、接着剤層
は絵柄層、剥離層等の接着剤層以外の層自身が十分な接
着性を有する場合には接着剤層を省略することができ
る。
【0031】本発明製造方法は、前述の転写層形成用イ
ンキ又は組成物を用い上記の剥離性基材2の表面に塗工
した後、乾燥温度を115℃未満の温度で乾燥させるこ
とである。乾燥温度が115℃以上の温度になると、基
材シートや転写層自体が熱劣化したり、溶剤の発泡が起
こり易くなる。また残留溶剤の沸点以上に加熱されると
結局発泡や箔浮き等が生じてしまう。又それに加えて、
転写箔の保管及び転写後の転写層のさらされる環境の温
度は通常115℃よりも十分低いこと、完全に揮発させ
る速乾性溶剤の殆どすべてのものが115℃未満の沸点
であり且つ残留を許容する残留性遅乾溶剤の多くが11
5℃を越える沸点を有することから、残留性遅乾溶剤の
沸点の上限を115℃以上とし、乾燥温度を115℃未
満とすることで、速乾性溶剤を完全に乾燥させること
と、残留性遅乾溶剤の発泡等を防止させることを両立さ
せることができ、又、転写箔の保管中及び転写製品に経
時的に発泡や箔浮き等が生ずることが防止される。
ンキ又は組成物を用い上記の剥離性基材2の表面に塗工
した後、乾燥温度を115℃未満の温度で乾燥させるこ
とである。乾燥温度が115℃以上の温度になると、基
材シートや転写層自体が熱劣化したり、溶剤の発泡が起
こり易くなる。また残留溶剤の沸点以上に加熱されると
結局発泡や箔浮き等が生じてしまう。又それに加えて、
転写箔の保管及び転写後の転写層のさらされる環境の温
度は通常115℃よりも十分低いこと、完全に揮発させ
る速乾性溶剤の殆どすべてのものが115℃未満の沸点
であり且つ残留を許容する残留性遅乾溶剤の多くが11
5℃を越える沸点を有することから、残留性遅乾溶剤の
沸点の上限を115℃以上とし、乾燥温度を115℃未
満とすることで、速乾性溶剤を完全に乾燥させること
と、残留性遅乾溶剤の発泡等を防止させることを両立さ
せることができ、又、転写箔の保管中及び転写製品に経
時的に発泡や箔浮き等が生ずることが防止される。
【0032】転写層を剥離性基材表面に形成する手段
は、公知の各種塗工手段を用いることができるが、特に
本発明では有機溶剤により低粘度に希釈する必要のある
グラビア方式で塗工する場合に効果的である。
は、公知の各種塗工手段を用いることができるが、特に
本発明では有機溶剤により低粘度に希釈する必要のある
グラビア方式で塗工する場合に効果的である。
【0033】以下、具体的実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。 実施例1 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートからなる賦
形フィルム〔 (株) きもと製:離型マット1017−
6〕の表面に、平均粒径25μmのビーズ顔料を含有す
るスウェード樹脂〔 (株) 昭和インク工業所製:スウェ
ードインキNo.2〕を塗布量が乾燥状態で28μmとなる
ようにファウンテンリバース方式にてコーティングして
スウェード層を形成した。更に、該スウェード層上に下
記の組成からなる接着剤〔 (株) 昭和インク工業所製:
HS−32グレー〕を用い、スウェード層も含めた塗布
量が乾燥状態で32μmとなるようにファウンテンリバ
ース方式にて接着剤層を設けて、転写シートを得た
詳細に説明する。 実施例1 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートからなる賦
形フィルム〔 (株) きもと製:離型マット1017−
6〕の表面に、平均粒径25μmのビーズ顔料を含有す
るスウェード樹脂〔 (株) 昭和インク工業所製:スウェ
ードインキNo.2〕を塗布量が乾燥状態で28μmとなる
ようにファウンテンリバース方式にてコーティングして
スウェード層を形成した。更に、該スウェード層上に下
記の組成からなる接着剤〔 (株) 昭和インク工業所製:
HS−32グレー〕を用い、スウェード層も含めた塗布
量が乾燥状態で32μmとなるようにファウンテンリバ
ース方式にて接着剤層を設けて、転写シートを得た
【0034】 〔接着剤組成〕 単位:重量% 固形分 (55) ・アクリル樹脂 22 ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 3 ・顔料 30 溶剤分 (45) ・トルエン 22 ・酢酸エチル 13 ・メチルエチルケトン 8 ・酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2
【0035】転写シート製造の際接着剤層は1回のコー
トで厚膜に形成しているにもかかわらず、発泡或いは箔
浮き等が発生せず、製造後のブロッキングも見られなか
った。又、得られた転写シートを用いてポリスチレン基
材に転写を行ったところ物性等良好な転写層が得られ
た。
トで厚膜に形成しているにもかかわらず、発泡或いは箔
浮き等が発生せず、製造後のブロッキングも見られなか
った。又、得られた転写シートを用いてポリスチレン基
材に転写を行ったところ物性等良好な転写層が得られ
た。
【0036】実施例2 厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートをベースと
する賦形フィルム〔 (株) きもと製:離型マット101
7−6〕の表面に、下記の組成からなるスウェードイン
キ〔 (株) 昭和インク工業所製:スウェードインキNo.2
−2〕を塗布量が乾燥状態で28μmとなるようにファ
ウンテンリバース方式にてコーティングしてスウェード
層を形成した。
する賦形フィルム〔 (株) きもと製:離型マット101
7−6〕の表面に、下記の組成からなるスウェードイン
キ〔 (株) 昭和インク工業所製:スウェードインキNo.2
−2〕を塗布量が乾燥状態で28μmとなるようにファ
ウンテンリバース方式にてコーティングしてスウェード
層を形成した。
【0037】 〔スウェードインキ組成〕 単位:重量% 固形分 (49) ・樹脂 14 ・ビーズ顔料 35 溶剤分 (51) ・トルエン 24 ・エタノール 24 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 3
【0038】形成したスウェード層は発泡や箔浮き等が
見られず、また実施例1において形成したスウェード層
と比較して、より平滑な表面が得られた。次にスウェー
ド層の上に実施例1と同様の組成の接着剤層を実施例1
と同様の方法にて接着材層を設けて転写シートを得た。
見られず、また実施例1において形成したスウェード層
と比較して、より平滑な表面が得られた。次にスウェー
ド層の上に実施例1と同様の組成の接着剤層を実施例1
と同様の方法にて接着材層を設けて転写シートを得た。
【0039】得られた転写シートは該転写シートどうし
を積層した際ブロッキングが見られず、又得られた転写
箔を用いて射出成形を行った場合物性面において何等問
題のない転写層が形成された成形品が得られた。
を積層した際ブロッキングが見られず、又得られた転写
箔を用いて射出成形を行った場合物性面において何等問
題のない転写層が形成された成形品が得られた。
【0040】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明転写層形成用
インキ又は塗料組成物は、速乾溶剤により、通常の乾燥
温度115℃以下で十分な乾燥性が得られる。また、揮
発性遅乾溶剤により、印刷中のグラビア版等への内部へ
のセル目詰り、インキ粘度増加が防止され、残留性遅乾
溶剤を添加したことにより、作用機構は不明ながら、相
対的に乾燥速度の速い揮発性遅乾溶剤の蒸発乾燥が促進
されて、残留性遅乾溶剤を添加しない場合に比較して揮
発性遅乾溶剤の蒸発乾燥が早まり、乾燥性が向上する。
更に残留性遅乾溶剤の沸点を印刷の乾燥温度よりも高く
(勿論室温よりも高く)設定し、添加量を全溶剤中の1
0重量%以下としたため、残留した残留性遅乾溶剤が気
化して気泡や箔浮きになることもない。
インキ又は塗料組成物は、速乾溶剤により、通常の乾燥
温度115℃以下で十分な乾燥性が得られる。また、揮
発性遅乾溶剤により、印刷中のグラビア版等への内部へ
のセル目詰り、インキ粘度増加が防止され、残留性遅乾
溶剤を添加したことにより、作用機構は不明ながら、相
対的に乾燥速度の速い揮発性遅乾溶剤の蒸発乾燥が促進
されて、残留性遅乾溶剤を添加しない場合に比較して揮
発性遅乾溶剤の蒸発乾燥が早まり、乾燥性が向上する。
更に残留性遅乾溶剤の沸点を印刷の乾燥温度よりも高く
(勿論室温よりも高く)設定し、添加量を全溶剤中の1
0重量%以下としたため、残留した残留性遅乾溶剤が気
化して気泡や箔浮きになることもない。
【0041】本発明転写シートの製造方法は、上記のイ
ンキ又は塗料組成物を用いて115℃以下の温度で乾燥
する方法を採用したことにより、乾燥温度が低いため結
合剤樹脂や基材シート等に熱により劣化する虞れがな
く、しかも乾燥性が向上しているため転写シート製造の
作業性を低下させることがない。
ンキ又は塗料組成物を用いて115℃以下の温度で乾燥
する方法を採用したことにより、乾燥温度が低いため結
合剤樹脂や基材シート等に熱により劣化する虞れがな
く、しかも乾燥性が向上しているため転写シート製造の
作業性を低下させることがない。
【0042】本発明転写シートは転写層中の発泡や箔浮
き等のない良好な転写層を有するものが得られる。
き等のない良好な転写層を有するものが得られる。
【図1】本発明転写シートの1例を示す要部断面図であ
る。
る。
1 転写シート 2 転写層 3 剥離性基材
Claims (3)
- 【請求項1】少なくとも結合剤樹脂、着色剤及び有機溶
剤からなる転写層形成用インキ又は塗料組成物におい
て、上記有機溶剤が、蒸発速度が酢酸n−ブチルの4倍
以上の速乾溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチルの1倍以
上4倍未満の揮発性遅乾溶剤と、蒸発速度が酢酸n−ブ
チルの0.8倍以下であり且つ沸点が115℃以上の残
留性遅乾溶剤との3種類の混合溶剤からなり、上記残留
性遅乾溶剤を全溶剤中の2〜10重量%含有せしめたこ
とを特徴とする転写層形成用インキ又は塗料組成物。 - 【請求項2】請求項1記載の転写層形成用インキ又は塗
料組成物を用い該組成物を剥離性基材へ塗工し、115
℃未満の温度で乾燥させて転写層を形成することを特徴
とする転写シートの製造方法。 - 【請求項3】剥離性基材の表面にインキ又は塗料の組成
物を塗工し乾燥して転写層が形成された転写シートにお
いて、上記インキ又は塗料の組成物が少なくとも結合剤
樹脂、着色剤及び有機溶剤からなり、該有機溶剤が蒸発
速度が酢酸n−ブチルの4倍以上の速乾溶剤と、蒸発速
度が酢酸n−ブチルの1倍以上4倍未満の揮発性遅乾溶
剤と、蒸発速度が酢酸n−ブチルの0.8倍以下であり
且つ沸点が115℃以上の残留性遅乾溶剤との3種類の
混合溶剤であり、上記残留性遅乾溶剤が全溶剤中の2〜
10重量%であり、該塗料を剥離性基材へ塗工した後1
15℃未満の温度で乾燥させて転写層を形成してなるこ
とを特徴とする転写シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14356792A JPH05311104A (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | 転写層形成用インキ又は塗料組成物、転写シートの製造方法及び転写シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14356792A JPH05311104A (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | 転写層形成用インキ又は塗料組成物、転写シートの製造方法及び転写シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05311104A true JPH05311104A (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=15341759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14356792A Pending JPH05311104A (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | 転写層形成用インキ又は塗料組成物、転写シートの製造方法及び転写シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05311104A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10183034A (ja) * | 1996-12-26 | 1998-07-07 | Pentel Kk | 高隠蔽性液状組成物 |
JP2000043425A (ja) * | 1999-08-09 | 2000-02-15 | Sony Chem Corp | 熱転写記録媒体 |
JP2001139852A (ja) * | 1999-11-15 | 2001-05-22 | Dainippon Toryo Co Ltd | 印刷物の作成方法 |
JP2002129138A (ja) * | 2000-10-30 | 2002-05-09 | Toppan Forms Co Ltd | 剥離層形成用インクおよびそれを用いたシート |
JP2005200655A (ja) * | 2000-09-29 | 2005-07-28 | Domino Printing Sciences Plc | インクジェット印刷の組成物および方法 |
KR101291407B1 (ko) * | 2010-08-19 | 2013-07-30 | 주식회사 넥스메카 | 박리가능 코팅제 조성물과 이를 이용한 박리가능 코팅제 제조방법 |
JP2018193495A (ja) * | 2017-05-18 | 2018-12-06 | 三菱ケミカル株式会社 | グラビアオフセット印刷用コート剤及びグラビアオフセット印刷方法 |
-
1992
- 1992-05-08 JP JP14356792A patent/JPH05311104A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10183034A (ja) * | 1996-12-26 | 1998-07-07 | Pentel Kk | 高隠蔽性液状組成物 |
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JP2018193495A (ja) * | 2017-05-18 | 2018-12-06 | 三菱ケミカル株式会社 | グラビアオフセット印刷用コート剤及びグラビアオフセット印刷方法 |
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