JPH05260972A - 核酸増幅固相化アンカー及びその調整方法 - Google Patents
核酸増幅固相化アンカー及びその調整方法Info
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- JPH05260972A JPH05260972A JP4092435A JP9243592A JPH05260972A JP H05260972 A JPH05260972 A JP H05260972A JP 4092435 A JP4092435 A JP 4092435A JP 9243592 A JP9243592 A JP 9243592A JP H05260972 A JPH05260972 A JP H05260972A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 固相担体上の核酸プローブ量を増幅して、実
際のDNA結合タンパク質の分離、精製や遺伝子クロー
ニング等にも充分に使用することのできる核酸増幅固相
化アンカー及びその調整方法を得る。 【構成】 固相担体上に形成された結合部位に増幅基を
備え、該増幅基の分岐した末端の複数の結合基と、所望
の核酸プローブを結合させる核酸断片の一端に配された
官能基とを結合したものであるため、増幅基を種々選択
することにより、一つの結合部位から数百〜数千以上も
の多数の結合基が形成されることとなり、多数の核酸プ
ローブを搭載することが可能となる。
際のDNA結合タンパク質の分離、精製や遺伝子クロー
ニング等にも充分に使用することのできる核酸増幅固相
化アンカー及びその調整方法を得る。 【構成】 固相担体上に形成された結合部位に増幅基を
備え、該増幅基の分岐した末端の複数の結合基と、所望
の核酸プローブを結合させる核酸断片の一端に配された
官能基とを結合したものであるため、増幅基を種々選択
することにより、一つの結合部位から数百〜数千以上も
の多数の結合基が形成されることとなり、多数の核酸プ
ローブを搭載することが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DNA結合タンパク質
の分離、精製や遺伝子クローニング等で必要な多量のD
NAを固相化又は脱固相化することのできる核酸増幅固
相化アンカー及びその調整方法に関するものである。
の分離、精製や遺伝子クローニング等で必要な多量のD
NAを固相化又は脱固相化することのできる核酸増幅固
相化アンカー及びその調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年さかんに行われているcDNAクロ
ーニング法においては、まずmRNAを抽出、精製する
ことが必要となる。最近ではこの目的のために一本鎖の
オリゴdTを固相に結合したものが利用できるが、これ
に続くcDNAの合成過程の前にmRNAを一旦解離精
製しなければならない。この解離精製はある程度mRN
Aの分解を伴うと共に回収率を低下させる原因となり、
従来のプレートスクリーニングの域を脱していなかっ
た。
ーニング法においては、まずmRNAを抽出、精製する
ことが必要となる。最近ではこの目的のために一本鎖の
オリゴdTを固相に結合したものが利用できるが、これ
に続くcDNAの合成過程の前にmRNAを一旦解離精
製しなければならない。この解離精製はある程度mRN
Aの分解を伴うと共に回収率を低下させる原因となり、
従来のプレートスクリーニングの域を脱していなかっ
た。
【0003】また、特定の塩基配列を持つ二本鎖DNA
に結合するタンパク質を単離する場合や、核酸プローブ
により目的DNAを検出単離する場合に、効率よく、し
かも簡単に二本鎖DNAを固相担体に結合させることは
大変有用な技術であるにもかかわらず、未だこのような
技術方法はない。
に結合するタンパク質を単離する場合や、核酸プローブ
により目的DNAを検出単離する場合に、効率よく、し
かも簡単に二本鎖DNAを固相担体に結合させることは
大変有用な技術であるにもかかわらず、未だこのような
技術方法はない。
【0004】更に、固相担体に結合したオリゴdT(固
相化オリゴdT)を用いてmRNAを単離し、これを基
にして、cDNAを合成することは最近さかんに行われ
ているが、この場合、一旦mRNAを固相化オリゴdT
より解離して精製した後、cDNAを合成する。もし、
これを固相化状態で行えば、効率及び収率が格段に上昇
するわけであるが、従来の固相化オリゴdTでは、最終
産物である二本鎖cDNAを簡単に固相担体より単離で
きないという問題があった。
相化オリゴdT)を用いてmRNAを単離し、これを基
にして、cDNAを合成することは最近さかんに行われ
ているが、この場合、一旦mRNAを固相化オリゴdT
より解離して精製した後、cDNAを合成する。もし、
これを固相化状態で行えば、効率及び収率が格段に上昇
するわけであるが、従来の固相化オリゴdTでは、最終
産物である二本鎖cDNAを簡単に固相担体より単離で
きないという問題があった。
【0005】そこで、固相担体と核酸とを酵素的につな
ぐことのできる核酸固相化アンカー及びその調整方法が
提案された(特開平03−147800号)。
ぐことのできる核酸固相化アンカー及びその調整方法が
提案された(特開平03−147800号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
クローニングに固相法を実用化する場合には、使用する
核酸プローブ及び所望の遺伝子断片は常に2本鎖のDN
Aである。また、固相上の核酸プローブは固相担体上に
結合されており、対する所望の遺伝子断片は溶液中に懸
濁されている。
クローニングに固相法を実用化する場合には、使用する
核酸プローブ及び所望の遺伝子断片は常に2本鎖のDN
Aである。また、固相上の核酸プローブは固相担体上に
結合されており、対する所望の遺伝子断片は溶液中に懸
濁されている。
【0007】このため、例えば所望の遺伝子断片を固相
担体上の核酸プローブとハイブリダイズする場合には、
所望の遺伝子断片からの一本鎖DNAが固相担体上の核
酸プローブ(一本鎖)とハイブリダイズする前に、自分
自身の相補鎖DNAとアニーリングする確率の方が極め
て高いこととなる。
担体上の核酸プローブとハイブリダイズする場合には、
所望の遺伝子断片からの一本鎖DNAが固相担体上の核
酸プローブ(一本鎖)とハイブリダイズする前に、自分
自身の相補鎖DNAとアニーリングする確率の方が極め
て高いこととなる。
【0008】従って、固相担体上の核酸プローブにハイ
ブリダイズする量が圧倒的に少なく、例えばゲル電気泳
動では精度のよい検出機器を用いなければ検出不能であ
り、実際のDNA結合タンパク質の分離、精製や遺伝子
クローニング等には、ほとんど用いることができなかっ
た。
ブリダイズする量が圧倒的に少なく、例えばゲル電気泳
動では精度のよい検出機器を用いなければ検出不能であ
り、実際のDNA結合タンパク質の分離、精製や遺伝子
クローニング等には、ほとんど用いることができなかっ
た。
【0009】本発明は、固相担体上の核酸プローブ量を
増幅して、実際のDNA結合タンパク質の分離、精製や
遺伝子クローニング等にも充分に使用することのできる
核酸増幅固相化アンカー及びその調整方法を得ることを
目的とする。
増幅して、実際のDNA結合タンパク質の分離、精製や
遺伝子クローニング等にも充分に使用することのできる
核酸増幅固相化アンカー及びその調整方法を得ることを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本請求項1に記載の発明
に係る核酸増幅固相化アンカーでは、所望の核酸プロー
ブを結合させる核酸断片の一端に配された官能基と、所
望の固相担体上に形成され且つ前記官能基と結合する結
合基とを結合した核酸固相化アンカーにおいて、分岐し
た末端に複数の前記結合基を備えた増幅基を、前記固相
担体上に形成された結合部位に備えたものである。
に係る核酸増幅固相化アンカーでは、所望の核酸プロー
ブを結合させる核酸断片の一端に配された官能基と、所
望の固相担体上に形成され且つ前記官能基と結合する結
合基とを結合した核酸固相化アンカーにおいて、分岐し
た末端に複数の前記結合基を備えた増幅基を、前記固相
担体上に形成された結合部位に備えたものである。
【0011】本請求項2に記載の発明に係る核酸増幅固
相化アンカーでは、前記請求項1に記載の核酸固相化ア
ンカーにおいて、前記増幅基が、単量体中に前記官能基
と結合する結合基を有した重合物からなるものである。
相化アンカーでは、前記請求項1に記載の核酸固相化ア
ンカーにおいて、前記増幅基が、単量体中に前記官能基
と結合する結合基を有した重合物からなるものである。
【0012】本請求項3に記載の発明に係る核酸増幅固
相化アンカーでは、前記請求項1又は2に記載の核酸固
相化アンカーにおいて、前記増幅基が、ポリペプチド
系、セルロース系、ポリビニルアルコール系、アクリル
系、又はビニル系の何れかから選ばれた重合物からなる
ものである。
相化アンカーでは、前記請求項1又は2に記載の核酸固
相化アンカーにおいて、前記増幅基が、ポリペプチド
系、セルロース系、ポリビニルアルコール系、アクリル
系、又はビニル系の何れかから選ばれた重合物からなる
ものである。
【0013】本請求項4に記載の発明に係る核酸増幅固
相化アンカーでは、前記請求項1〜3の何れかに記載の
核酸固相化アンカーにおいて、前記増幅基がポリリジン
からなり、前記ポリリジンの−NH2 基より分岐した末
端に、前記核酸断片を結合させたものである。
相化アンカーでは、前記請求項1〜3の何れかに記載の
核酸固相化アンカーにおいて、前記増幅基がポリリジン
からなり、前記ポリリジンの−NH2 基より分岐した末
端に、前記核酸断片を結合させたものである。
【0014】更に、本請求項5に記載の発明に係る核酸
増幅固相化アンカーの調整方法では、所望の核酸プロー
ブを結合させる核酸断片の一端に官能基を配し、固相担
体上に前記官能基と結合する結合基を形成し、前記官能
基を固相担体上の結合基に結合させる核酸固相化アンカ
ーの調整方法において、前記固相担体を活性化して形成
された結合部位に、分岐した末端に複数の前記結合基を
形成する増幅基を配する方法である。
増幅固相化アンカーの調整方法では、所望の核酸プロー
ブを結合させる核酸断片の一端に官能基を配し、固相担
体上に前記官能基と結合する結合基を形成し、前記官能
基を固相担体上の結合基に結合させる核酸固相化アンカ
ーの調整方法において、前記固相担体を活性化して形成
された結合部位に、分岐した末端に複数の前記結合基を
形成する増幅基を配する方法である。
【0015】具体的な実施態様として、本請求項6に記
載の発明に係る核酸増幅固相化アンカーの調整方法で
は、前記請求項5に記載の核酸増幅固相化アンカーの調
整方法において、前記増幅基として、単量体中に前記官
能基と結合する結合基を有した重合物を配する方法であ
る。
載の発明に係る核酸増幅固相化アンカーの調整方法で
は、前記請求項5に記載の核酸増幅固相化アンカーの調
整方法において、前記増幅基として、単量体中に前記官
能基と結合する結合基を有した重合物を配する方法であ
る。
【0016】更に、本請求項7に記載の発明に係る核酸
増幅固相化アンカーの調整方法では、前記請求項5又は
6に記載の核酸増幅固相化アンカーの調整方法におい
て、前記増幅基として、ポリペプチド系、セルロース
系、ポリビニルアルコール系、アクリル系、又はビニル
系の何れかから選ばれた重合物を配する方法である。
増幅固相化アンカーの調整方法では、前記請求項5又は
6に記載の核酸増幅固相化アンカーの調整方法におい
て、前記増幅基として、ポリペプチド系、セルロース
系、ポリビニルアルコール系、アクリル系、又はビニル
系の何れかから選ばれた重合物を配する方法である。
【0017】また、本請求項8に記載の発明に係る核酸
増幅固相化アンカーの調整方法では、前記請求項5〜7
の何れかに記載の核酸増幅固相化アンカーの調整方法に
おいて、前記増幅基として、ポリリジンを配し、前記ポ
リリジンの−NH2 基より分岐した末端に、前記核酸断
片を結合する方法である。
増幅固相化アンカーの調整方法では、前記請求項5〜7
の何れかに記載の核酸増幅固相化アンカーの調整方法に
おいて、前記増幅基として、ポリリジンを配し、前記ポ
リリジンの−NH2 基より分岐した末端に、前記核酸断
片を結合する方法である。
【0018】
【作用】本発明においては、固相担体上に形成された結
合部位に増幅基を備え、該増幅基の分岐した末端の複数
の結合基と、所望の核酸プローブを結合させる核酸断片
の一端に配された官能基とを結合したものであるため、
増幅基を種々選択することにより、一つの結合部位から
数百〜数千以上もの多数の結合基が形成されることとな
り、多数の核酸プローブを搭載することが可能となる。
合部位に増幅基を備え、該増幅基の分岐した末端の複数
の結合基と、所望の核酸プローブを結合させる核酸断片
の一端に配された官能基とを結合したものであるため、
増幅基を種々選択することにより、一つの結合部位から
数百〜数千以上もの多数の結合基が形成されることとな
り、多数の核酸プローブを搭載することが可能となる。
【0019】即ち、本発明による核酸増幅固相化アンカ
ーは、後述するようにアンカー内の核酸断片や制限酵素
の種類を適当に選べば、如何なる二本鎖DNA、一本鎖
DNA,RNAプローブを、容易にしかも多量に固相化
できる。
ーは、後述するようにアンカー内の核酸断片や制限酵素
の種類を適当に選べば、如何なる二本鎖DNA、一本鎖
DNA,RNAプローブを、容易にしかも多量に固相化
できる。
【0020】従って、例えば2本鎖の遺伝子断片中から
所望の遺伝子をハイブリダイズして選択する場合にも、
固相担体上に結合される所望の核酸プローブにハイブリ
ダイズする量が多くなり、例えば通常のアガローズゲル
電気泳動による検出に充分となり、実際のDNA結合タ
ンパク質の分離、精製や遺伝子クローニング等にも充分
に使用することができる。
所望の遺伝子をハイブリダイズして選択する場合にも、
固相担体上に結合される所望の核酸プローブにハイブリ
ダイズする量が多くなり、例えば通常のアガローズゲル
電気泳動による検出に充分となり、実際のDNA結合タ
ンパク質の分離、精製や遺伝子クローニング等にも充分
に使用することができる。
【0021】固相担体上の増幅基は前記官能基を分子中
に複数個有するのであれば、種々のものが使用可能とな
る。また、所望の核酸プローブを結合させる核酸断片の
一端に備えた官能基を種々選択するならば、増幅基の分
岐した末端に形成される結合基は、例えば、−OH基,
−NH2 基,−COOH基,−CONH2 基,−OCH
3 基等のように種々の結合基を取り得る。
に複数個有するのであれば、種々のものが使用可能とな
る。また、所望の核酸プローブを結合させる核酸断片の
一端に備えた官能基を種々選択するならば、増幅基の分
岐した末端に形成される結合基は、例えば、−OH基,
−NH2 基,−COOH基,−CONH2 基,−OCH
3 基等のように種々の結合基を取り得る。
【0022】具体的な増幅基は、単量体中に前記官能基
と結合する結合基を有した重合物からなるものである。
更に具体的には、例えば、ポリグルタミン酸,ポリリジ
ン,セリシン,フォブロイン,ケラチン,コラーゲン等
の分子中に−NH2 基を有するポリペプチド系、カルボ
キシメチルセルロース,アルギン酸,キトサン等の分子
中に−OH基,−NH2 基,−COOH基を有するセル
ロース系はもとより、ポリビニルアルコール,エチレン
・ビニルアクロール共重合体等のポリビニルカルコール
系、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル,ポリアクリル
酸,ポリアクリルアミド等のアクリル系、及びポリ−N
−ビニルピロリドン,ポリビニルメチルエーテル等のビ
ニル系のものも使用することができる。
と結合する結合基を有した重合物からなるものである。
更に具体的には、例えば、ポリグルタミン酸,ポリリジ
ン,セリシン,フォブロイン,ケラチン,コラーゲン等
の分子中に−NH2 基を有するポリペプチド系、カルボ
キシメチルセルロース,アルギン酸,キトサン等の分子
中に−OH基,−NH2 基,−COOH基を有するセル
ロース系はもとより、ポリビニルアルコール,エチレン
・ビニルアクロール共重合体等のポリビニルカルコール
系、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル,ポリアクリル
酸,ポリアクリルアミド等のアクリル系、及びポリ−N
−ビニルピロリドン,ポリビニルメチルエーテル等のビ
ニル系のものも使用することができる。
【0023】また、所望の核酸プローブを結合させる核
酸断片の一端に備えた官能基は、具体的には、固相担体
上の結合基との結合が容易で、固相担体及び核酸との結
合時に核酸の変性を生じないものであればよい。
酸断片の一端に備えた官能基は、具体的には、固相担体
上の結合基との結合が容易で、固相担体及び核酸との結
合時に核酸の変性を生じないものであればよい。
【0024】また、本発明の核酸増幅固相化アンカー
は、固相担体を活性化して結合部位を形成し、この結合
部位に増幅基を配し、この増幅基の分岐した末端に複数
の結合基を形成し、更にこれら結合基に予め所望の核酸
プローブを結合させる核酸断片の一端に形成した官能基
を結合する調整方法によって簡便に得ることができ、所
望の核酸プローブを結合させる核酸断片であれば、如何
なるものでも核酸増幅固相化アンカーとして使用でき
る。更に、予め所望の核酸プローブを結合させた核酸断
片を用いてもよい。
は、固相担体を活性化して結合部位を形成し、この結合
部位に増幅基を配し、この増幅基の分岐した末端に複数
の結合基を形成し、更にこれら結合基に予め所望の核酸
プローブを結合させる核酸断片の一端に形成した官能基
を結合する調整方法によって簡便に得ることができ、所
望の核酸プローブを結合させる核酸断片であれば、如何
なるものでも核酸増幅固相化アンカーとして使用でき
る。更に、予め所望の核酸プローブを結合させた核酸断
片を用いてもよい。
【0025】尚、具体的な調整方法は、選択する固相担
体,結合部位の形成,増幅基,結合基,及び官能基の種
類によって細かに相違することは言うまでもないが、具
体的な実施例として、増幅基としてポリリジンを配し、
前記ポリリジンの−NH2 基より分岐した末端に、前記
核酸断片を結合する方法を後述する実施例で開示する。
体,結合部位の形成,増幅基,結合基,及び官能基の種
類によって細かに相違することは言うまでもないが、具
体的な実施例として、増幅基としてポリリジンを配し、
前記ポリリジンの−NH2 基より分岐した末端に、前記
核酸断片を結合する方法を後述する実施例で開示する。
【0026】ところで、この後述する実施例では、固相
担体として非多孔質性のビーズ状の樹脂担体を用い、こ
れをアルカリ条件下、ビスオキシラン(1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル、アルドリッチ社製)に
て、固相担体表面の−OH基を活性化し、この活性化−
OH基に増幅基としてポリリジンを配し、更にポリリジ
ンの−NH2 基末端の各々2−イミノチオランを配して
−SH基を結合基とした。この−SH基に結合する官能
基として、スルフォサクシニミジル4−(p−マレイミ
ドフェニル)−ブチレートのマレイミド基を用いた。即
ち、予め所望の核酸プローブを結合させる核酸断片の
5’末端の−NH2 基にスルフォサクシニミジル4−
(p−マレイミドフェニル)−ブチレートを結合させ
て、末端にマレイミド基を備えたものを前述の固相担体
の−SH基と結合させて核酸増幅固相化アンカーを得
た。
担体として非多孔質性のビーズ状の樹脂担体を用い、こ
れをアルカリ条件下、ビスオキシラン(1,4−ブタン
ジオールジグリシジルエーテル、アルドリッチ社製)に
て、固相担体表面の−OH基を活性化し、この活性化−
OH基に増幅基としてポリリジンを配し、更にポリリジ
ンの−NH2 基末端の各々2−イミノチオランを配して
−SH基を結合基とした。この−SH基に結合する官能
基として、スルフォサクシニミジル4−(p−マレイミ
ドフェニル)−ブチレートのマレイミド基を用いた。即
ち、予め所望の核酸プローブを結合させる核酸断片の
5’末端の−NH2 基にスルフォサクシニミジル4−
(p−マレイミドフェニル)−ブチレートを結合させ
て、末端にマレイミド基を備えたものを前述の固相担体
の−SH基と結合させて核酸増幅固相化アンカーを得
た。
【0027】尚、所望の核酸プローブを結合させる核酸
断片は、該核酸断片に所望の制限酵素切断部位が備わっ
ていれば、例えば、特定の制限酵素により切断後、生成
する末端構造と対向する末端を持つ二本鎖、一本鎖の所
望の核酸プローブを、リガーゼ等の酵素をもってつなぐ
ことができる。固相化された核酸プローブは、固相化さ
れなかった物質と分離が容易であり、使用目的に応じた
高収率、高効率が達成できる。
断片は、該核酸断片に所望の制限酵素切断部位が備わっ
ていれば、例えば、特定の制限酵素により切断後、生成
する末端構造と対向する末端を持つ二本鎖、一本鎖の所
望の核酸プローブを、リガーゼ等の酵素をもってつなぐ
ことができる。固相化された核酸プローブは、固相化さ
れなかった物質と分離が容易であり、使用目的に応じた
高収率、高効率が達成できる。
【0028】更に、核酸断片の他端にポリdT配列を備
わっていれば、mRNAのポリA鎖と容易に結合するこ
とから、逆転写酵素等の酵素により、直接cDNAライ
ブラリーを作製し、所望の核酸プローブとして用いるこ
とが容易となる。作製されたcDNAライブラリーは、
固相化されなかった物質と分離が容易であるため、容易
にベクター等に挿入を行うことができる。
わっていれば、mRNAのポリA鎖と容易に結合するこ
とから、逆転写酵素等の酵素により、直接cDNAライ
ブラリーを作製し、所望の核酸プローブとして用いるこ
とが容易となる。作製されたcDNAライブラリーは、
固相化されなかった物質と分離が容易であるため、容易
にベクター等に挿入を行うことができる。
【0029】尚、官能基と結合基との結合は、前述の他
にも官能基をジアゾ結合によって固相担体に結合する方
法、カルボジイミドを介してカプリングする方法、ビス
オキシランと直接カップリングする方法等がある。即
ち、前記官能基を容易に結合させ、固相担体及び核酸と
の結合時に核酸の変性を生じないものであればよい。
にも官能基をジアゾ結合によって固相担体に結合する方
法、カルボジイミドを介してカプリングする方法、ビス
オキシランと直接カップリングする方法等がある。即
ち、前記官能基を容易に結合させ、固相担体及び核酸と
の結合時に核酸の変性を生じないものであればよい。
【0030】
(実施例1.ポリリジン型核酸増幅固相化アンカーの概
略)図1は本発明の一実施例のポリリジン型核酸増幅固
相化アンカーの概略構成を模式的に示す説明図である。
図に示すように、ポリリジン型核酸増幅固相化アンカー
は、非多孔質性のビーズ状の樹脂製NPRの固相担体
(1) を以下のように、アルカリ条件下でビスオキシラン
にて、固相担体表面の−OH基を活性化し、この活性化
部位(2) にポリリジンの増幅基(3) を繋ぎ、更にポリリ
ジンの−NH2基末端の各々に2−イミノチオランを配
して形成した−SH基の結合基(4) と、予め所望の核酸
プローブを結合させる核酸断片(5) の5’末端の−NH
2 基にスルフォサクシニミジル4−(p−マレイミドフ
ェニル)−ブチレートを結合させて末端に形成されたマ
レイミド基の官能基(6) とを結合させたものである。
略)図1は本発明の一実施例のポリリジン型核酸増幅固
相化アンカーの概略構成を模式的に示す説明図である。
図に示すように、ポリリジン型核酸増幅固相化アンカー
は、非多孔質性のビーズ状の樹脂製NPRの固相担体
(1) を以下のように、アルカリ条件下でビスオキシラン
にて、固相担体表面の−OH基を活性化し、この活性化
部位(2) にポリリジンの増幅基(3) を繋ぎ、更にポリリ
ジンの−NH2基末端の各々に2−イミノチオランを配
して形成した−SH基の結合基(4) と、予め所望の核酸
プローブを結合させる核酸断片(5) の5’末端の−NH
2 基にスルフォサクシニミジル4−(p−マレイミドフ
ェニル)−ブチレートを結合させて末端に形成されたマ
レイミド基の官能基(6) とを結合させたものである。
【0031】このため、一つの結合部位(2) から数百〜
数千以上もの多数の結合基(4) が形成されることとな
り、多数の核酸プローブを搭載することが可能となり、
例えば2本鎖の遺伝子断片中から所望の遺伝子をハイブ
リダイズして選択する場合にも、固相担体にハイブリダ
イズする量が多くなり、例えば通常のアガローズゲル電
気泳動による検出に充分となり、実際のDNA結合タン
パク質の分離、精製や遺伝子クローニング等にも充分に
使用することができる。
数千以上もの多数の結合基(4) が形成されることとな
り、多数の核酸プローブを搭載することが可能となり、
例えば2本鎖の遺伝子断片中から所望の遺伝子をハイブ
リダイズして選択する場合にも、固相担体にハイブリダ
イズする量が多くなり、例えば通常のアガローズゲル電
気泳動による検出に充分となり、実際のDNA結合タン
パク質の分離、精製や遺伝子クローニング等にも充分に
使用することができる。
【0032】所望の核酸プローブを結合させる核酸断片
(5) は種々のものが取り得る。例えば、図2は図1の核
酸断片(5) の一実施例の塩基配列を示す説明図であり、
A図,B図,C図共に制限酵素切断部位(BamHI, Not
I,EcoRI)を有し、この切断部位に所望の核酸プロー
ブを挿入する。
(5) は種々のものが取り得る。例えば、図2は図1の核
酸断片(5) の一実施例の塩基配列を示す説明図であり、
A図,B図,C図共に制限酵素切断部位(BamHI, Not
I,EcoRI)を有し、この切断部位に所望の核酸プロー
ブを挿入する。
【0033】(実施例2.ポリリジン型核酸増幅固相化
アンカーの調整)以下に、ポリリジン型核酸増幅固相化
アンカーの調整の一実施例の方法を示す。図3は調整に
よる固相担体側の反応の状態を示す説明図である。図に
示すように、(1) 固相担体NPR(Non Porus Resin 東
ソー社製)1mlをA液(20%DMSO,0.25N
NaOH)で遠心洗浄した。
アンカーの調整)以下に、ポリリジン型核酸増幅固相化
アンカーの調整の一実施例の方法を示す。図3は調整に
よる固相担体側の反応の状態を示す説明図である。図に
示すように、(1) 固相担体NPR(Non Porus Resin 東
ソー社製)1mlをA液(20%DMSO,0.25N
NaOH)で遠心洗浄した。
【0034】(2) A液40ml、ビスオキシラン5ml
を、ローテーターで攪拌しながら、室温、12時間の反
応を行った。更にA液で3回、20%DMSOで2回、
蒸留水で1回遠心洗浄した。
を、ローテーターで攪拌しながら、室温、12時間の反
応を行った。更にA液で3回、20%DMSOで2回、
蒸留水で1回遠心洗浄した。
【0035】(3) 20mgのポリリジン(平均分子量1
00,000、和光純薬製)を40mlの0.5M炭酸
緩衝液(pH10)で溶解し、活性化NPRをこの溶液
中に懸濁した後、ローテーターで攪拌しながら、室温、
24時間の反応を行った。更に、2M食塩水で2回、2
0%DMSOで2回、蒸留水で数回、上清にアミノ基が
検出されなくなるまで洗浄した。
00,000、和光純薬製)を40mlの0.5M炭酸
緩衝液(pH10)で溶解し、活性化NPRをこの溶液
中に懸濁した後、ローテーターで攪拌しながら、室温、
24時間の反応を行った。更に、2M食塩水で2回、2
0%DMSOで2回、蒸留水で数回、上清にアミノ基が
検出されなくなるまで洗浄した。
【0036】(4) ポリリジン化NPRをB液(EDTA
を1mM含む0.1Mリン酸緩衝液−pH7.4)40
mlに懸濁し、2−イミノチオラン(シグマ社製)10
mgを加えて、ローテーターで攪拌しながら、室温、1
時間の反応を行った。
を1mM含む0.1Mリン酸緩衝液−pH7.4)40
mlに懸濁し、2−イミノチオラン(シグマ社製)10
mgを加えて、ローテーターで攪拌しながら、室温、1
時間の反応を行った。
【0037】図4は調整による核酸断片側の反応の状態
を示す説明図である。図に示すように、 (5) 所望の核酸プローブを挿入した核酸断片をB液中に
おいて、10倍過剰量のスルホSMPB(スルフォサク
シンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)−ブチレ
ート)と40℃、30分の反応を行い、未反応のスルホ
SMPBを除去して活性化核酸断片を得た。
を示す説明図である。図に示すように、 (5) 所望の核酸プローブを挿入した核酸断片をB液中に
おいて、10倍過剰量のスルホSMPB(スルフォサク
シンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)−ブチレ
ート)と40℃、30分の反応を行い、未反応のスルホ
SMPBを除去して活性化核酸断片を得た。
【0038】図5は固相担体と核酸断片との反応の状態
を示す説明図である。図に示すように、 (6) (4) で得られたポリリジン化NPRをB液で3回の
遠心洗浄後、40mlのB液に再懸濁し、(5) で得られ
た活性化した核酸断片約0.5mgを加え、ローテータ
ーで攪拌しながら、室温、4時間以上反応を行った。 (7) B液で3回、1×SSCで2回遠心洗浄し、0.7
5mgの相補鎖を加え、95℃10分間の熱処理の後、
68℃1時間ハイブリダイゼーション反応後、室温まで
徐々に冷却させ、1×SSCで数回遠心洗浄後、一部を
熱処理し、結合量を定量する。
を示す説明図である。図に示すように、 (6) (4) で得られたポリリジン化NPRをB液で3回の
遠心洗浄後、40mlのB液に再懸濁し、(5) で得られ
た活性化した核酸断片約0.5mgを加え、ローテータ
ーで攪拌しながら、室温、4時間以上反応を行った。 (7) B液で3回、1×SSCで2回遠心洗浄し、0.7
5mgの相補鎖を加え、95℃10分間の熱処理の後、
68℃1時間ハイブリダイゼーション反応後、室温まで
徐々に冷却させ、1×SSCで数回遠心洗浄後、一部を
熱処理し、結合量を定量する。
【0039】以上示したように、本実施例では、結合基
の搭載数を増幅するため、増幅基としてポリリジン(po
ly-Lysine )を結合し、単量体中の−NH2 基を利用
し、各々の−NH2 基に2−イミノチオランを配して−
SH基を結合基として増幅させる。
の搭載数を増幅するため、増幅基としてポリリジン(po
ly-Lysine )を結合し、単量体中の−NH2 基を利用
し、各々の−NH2 基に2−イミノチオランを配して−
SH基を結合基として増幅させる。
【0040】(実施例3.DNA断片の核酸増幅固相化
アンカーへの付加と回収)実施例2に示した方法で増幅
固相化アンカー NotI( NotI消化DNA断片をライゲ
ーション可能とする末端を持つアンカーDNAが結合し
た固相担体)を調整した。
アンカーへの付加と回収)実施例2に示した方法で増幅
固相化アンカー NotI( NotI消化DNA断片をライゲ
ーション可能とする末端を持つアンカーDNAが結合し
た固相担体)を調整した。
【0041】この増幅固相化アンカー NotI5μlを、
0.04%BSAを含む1×T4DNAリガーゼ反応液
で2回洗浄し、プラスミドB315(pBR322にA
d2ウイルスDNAの一部をクローニングした全長16
769塩基対よりなる)を NotIで完全に消化したDN
Aを、同反応液100μlに加え、先の固相担体を懸濁
した。T4DNAリガーゼ(以下、T4リガーゼと記
す)6,000ユニットを加え、15℃にて、ローテー
ターでゆっくりと攪拌しながら4時間反応した。5,0
00回転、2分間、遠心分離を行った。
0.04%BSAを含む1×T4DNAリガーゼ反応液
で2回洗浄し、プラスミドB315(pBR322にA
d2ウイルスDNAの一部をクローニングした全長16
769塩基対よりなる)を NotIで完全に消化したDN
Aを、同反応液100μlに加え、先の固相担体を懸濁
した。T4DNAリガーゼ(以下、T4リガーゼと記
す)6,000ユニットを加え、15℃にて、ローテー
ターでゆっくりと攪拌しながら4時間反応した。5,0
00回転、2分間、遠心分離を行った。
【0042】上清約100μlは電気泳動時まで保管し
た。沈殿は1×TES溶液(10mM Tris・HC
l,1mM EDTA,50mM NaCl)で1回、
0.04%BSAを含む1× NotI反応液で2回、丁寧
に洗浄し、100μlの1×NotI反応液に懸濁した。
NotI100ユニットを加え、37℃にてローテーター
でゆっくりと攪拌しながら3時間反応を行った。500
0回転、2分間遠心後、上清を、先に保管しておいた上
清と共に、0.8%アガロースゲル電気泳動を行い、 N
otIDNA断片の結合量を推定した。
た。沈殿は1×TES溶液(10mM Tris・HC
l,1mM EDTA,50mM NaCl)で1回、
0.04%BSAを含む1× NotI反応液で2回、丁寧
に洗浄し、100μlの1×NotI反応液に懸濁した。
NotI100ユニットを加え、37℃にてローテーター
でゆっくりと攪拌しながら3時間反応を行った。500
0回転、2分間遠心後、上清を、先に保管しておいた上
清と共に、0.8%アガロースゲル電気泳動を行い、 N
otIDNA断片の結合量を推定した。
【0043】図6はアガロースゲル電気泳動の結果を示
す図面代用写真である。図面代用写真において、レーン
1はλDNA/HindIII 消化物分子量マーカー、レーン
2はλDNA/ StyI消化物分子量マーカー、レーン3
は NPR-NotIアンカー(比較例;T4リガーゼ未添
加)、レーン4は NPR-NotIアンカー(比較例;T4リ
ガーゼ未添加, NotI消化)、レーン5は NPR-NotIア
ンカー(比較例;T4リガーゼ添加)、レーン6は NPR
-NotIアンカー(比較例;T4リガーゼ添加, NotI消
化)、レーン7はpoly-Lysinyl NPR-NotIアンカー(実
施例;T4リガーゼ未添加)、レーン8はpoly-Lysinyl
NPR-NotIアンカー(実施例;T4リガーゼ未添加, N
otI消化)、レーン9はpoly-Lysinyl NPR-NotIアンカ
ー(実施例;T4リガーゼ添加)、レーン10はpoly-L
ysinyl NPR-NotIアンカー(実施例;T4リガーゼ添
加, NotI消化)、レーン11はレーン2と同じ、レー
ン12はレーン1と同じである。
す図面代用写真である。図面代用写真において、レーン
1はλDNA/HindIII 消化物分子量マーカー、レーン
2はλDNA/ StyI消化物分子量マーカー、レーン3
は NPR-NotIアンカー(比較例;T4リガーゼ未添
加)、レーン4は NPR-NotIアンカー(比較例;T4リ
ガーゼ未添加, NotI消化)、レーン5は NPR-NotIア
ンカー(比較例;T4リガーゼ添加)、レーン6は NPR
-NotIアンカー(比較例;T4リガーゼ添加, NotI消
化)、レーン7はpoly-Lysinyl NPR-NotIアンカー(実
施例;T4リガーゼ未添加)、レーン8はpoly-Lysinyl
NPR-NotIアンカー(実施例;T4リガーゼ未添加, N
otI消化)、レーン9はpoly-Lysinyl NPR-NotIアンカ
ー(実施例;T4リガーゼ添加)、レーン10はpoly-L
ysinyl NPR-NotIアンカー(実施例;T4リガーゼ添
加, NotI消化)、レーン11はレーン2と同じ、レー
ン12はレーン1と同じである。
【0044】図面代用写真に示す通り、ポリリジンで増
幅されなかった比較例(従来例)では検出できず、ポリ
リジンでNPRを処理しT4リガーゼで反応した検体に
のみ、DNA断片が回収された(レーン10)。レーン
10に示された結果から、増幅固相化アンカーには約
0.8μg(/5μl resin)のDNAが結合したと考
えられ、T4リガーゼで容易に固相担体へ結合できるこ
とが判明した。
幅されなかった比較例(従来例)では検出できず、ポリ
リジンでNPRを処理しT4リガーゼで反応した検体に
のみ、DNA断片が回収された(レーン10)。レーン
10に示された結果から、増幅固相化アンカーには約
0.8μg(/5μl resin)のDNAが結合したと考
えられ、T4リガーゼで容易に固相担体へ結合できるこ
とが判明した。
【0045】以上のように、本発明の核酸増幅固相化ア
ンカー及びその調整方法によって得られた核酸増幅固相
化アンカーは、所望の核酸プローブを適切な支持体に末
端で固定することにより、目的の遺伝子を極めて選択的
且つ迅速に溶液中より濃縮・精製することができ、しか
も、簡単な酵素反応で固相化でき、更に、通常の遺伝子
クローニング技術で充分に検出可能に増幅されることと
なる。
ンカー及びその調整方法によって得られた核酸増幅固相
化アンカーは、所望の核酸プローブを適切な支持体に末
端で固定することにより、目的の遺伝子を極めて選択的
且つ迅速に溶液中より濃縮・精製することができ、しか
も、簡単な酵素反応で固相化でき、更に、通常の遺伝子
クローニング技術で充分に検出可能に増幅されることと
なる。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、固相担体
上に形成された結合部位に増幅基を備え、該増幅基の分
岐した末端に複数の結合基と、所望の核酸プローブを結
合させる核酸断片の一端に配された官能基とを結合した
ものであるため、増幅基を種々選択することにより、一
つの結合部位から数百〜数千以上もの多数の結合基が形
成されることとなり、多数の核酸プローブを搭載するこ
とが可能となる。即ち、核酸増幅固相化アンカー内の核
酸断片や制限酵素の種類を適当に選べば、如何なる二本
鎖DNA、一本鎖DNA,RNAプローブを、容易にし
かも多量に固相化できる。
上に形成された結合部位に増幅基を備え、該増幅基の分
岐した末端に複数の結合基と、所望の核酸プローブを結
合させる核酸断片の一端に配された官能基とを結合した
ものであるため、増幅基を種々選択することにより、一
つの結合部位から数百〜数千以上もの多数の結合基が形
成されることとなり、多数の核酸プローブを搭載するこ
とが可能となる。即ち、核酸増幅固相化アンカー内の核
酸断片や制限酵素の種類を適当に選べば、如何なる二本
鎖DNA、一本鎖DNA,RNAプローブを、容易にし
かも多量に固相化できる。
【0047】また、本発明の核酸増幅固相化アンカー
は、固相担体を活性化して結合部位を形成し、この結合
部位に増幅基を配し、この増幅基の分岐した末端に複数
の結合基を形成し、更にこれら結合基に予め所望の核酸
プローブを結合させた核酸断片の一端に形成した官能基
を結合する調整方法によって簡便に得ることができ、所
望の核酸プローブを結合させる核酸断片であれば、如何
なるものでも核酸増幅固相化アンカーとして使用できる
等の効果を有する。
は、固相担体を活性化して結合部位を形成し、この結合
部位に増幅基を配し、この増幅基の分岐した末端に複数
の結合基を形成し、更にこれら結合基に予め所望の核酸
プローブを結合させた核酸断片の一端に形成した官能基
を結合する調整方法によって簡便に得ることができ、所
望の核酸プローブを結合させる核酸断片であれば、如何
なるものでも核酸増幅固相化アンカーとして使用できる
等の効果を有する。
【図1】本発明の一実施例のポリリジン型核酸増幅固相
化アンカーの概略構成の模式的に示す説明図である。
化アンカーの概略構成の模式的に示す説明図である。
【図2】核酸断片の一実施例の塩基配列を示す説明図で
ある。
ある。
【図3】調整による固相担体側の反応の状態を示す説明
図である。
図である。
【図4】調整による核酸断片側の反応の状態を示す説明
図である。
図である。
【図5】固相担体と核酸断片との反応の状態を示す説明
図である。
図である。
【図6】アガロースゲル電気泳動の結果を示す図面代用
写真である。
写真である。
(1) …固相担体、 (2) …結合部位、 (3) …増幅基、 (4) …結合基、 (5) …核酸断片、 (6) …官能基、
Claims (8)
- 【請求項1】 所望の核酸プローブを結合させる核酸断
片の一端に配された官能基と、所望の固相担体上に形成
され且つ前記官能基と結合する結合基とを結合した核酸
固相化アンカーにおいて、 分岐した末端に複数の前記結合基を備えた増幅基を、前
記固相担体上に形成された結合部位に備えたことを特徴
とする核酸増幅固相化アンカー。 - 【請求項2】 前記請求項1に記載の核酸増幅固相化ア
ンカーにおいて、 前記増幅基が、単量体中に前記官能基と結合する結合基
を有した重合物からなることを特徴とする核酸増幅固相
化アンカー。 - 【請求項3】 前記請求項1又は2に記載の核酸増幅固
相化アンカーにおいて、 前記増幅基が、ポリペプチド系、セルロース系、ポリビ
ニルアルコール系、アクリル系、又はビニル系の何れか
から選ばれた重合物からなることを特徴とする核酸増幅
固相化アンカー。 - 【請求項4】 前記請求項1〜3の何れかに記載の核酸
増幅固相化アンカーにおいて、 前記増幅基がポリリジンからなり、 前記ポリリジンの−NH2 基より分岐した末端に、前記
核酸断片を結合させたことを特徴とする核酸増幅固相化
アンカー。 - 【請求項5】 所望の核酸プローブを結合させる核酸断
片の一端に官能基を配し、固相担体上に前記官能基と結
合する結合基を形成し、前記官能基を固相担体上の結合
基に結合させる核酸固相化アンカーの調整方法におい
て、 前記固相担体を活性化して形成された結合部位に、分岐
した末端に複数の前記結合基を形成する増幅基を配する
ことを特徴とする核酸増幅固相化アンカーの調整方法。 - 【請求項6】 前記請求項5に記載の核酸増幅固相化ア
ンカーの調整方法において、 前記増幅基として、単量体中に前記官能基と結合する結
合基を有した重合物を配することを特徴とする核酸増幅
固相化アンカーの調整方法。 - 【請求項7】 前記請求項5又は6に記載の核酸増幅固
相化アンカーの調整方法において、 前記増幅基として、ポリペプチド系、セルロース系、ポ
リビニルアルコール系、アクリル系、又はビニル系のい
ずれかから選ばれた重合物を配することを特徴とする核
酸増幅固相化アンカーの調整方法。 - 【請求項8】 前記請求項5〜7の何れかに記載の核酸
増幅固相化アンカーの調整方法において、 前記増幅基として、ポリリジンを配し、 前記ポリリジンの−NH2 基より分岐した末端に、前記
核酸断片を結合することを特徴とする核酸増幅固相化ア
ンカーの調整方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4092435A JPH05260972A (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | 核酸増幅固相化アンカー及びその調整方法 |
EP93906812A EP0647719A4 (en) | 1992-03-19 | 1993-03-22 | A SOLID-PHASE ANCHOR CARRYING A NUCLEIC ACID AND METHOD FOR ITS ADAPTATION. |
PCT/JP1993/000348 WO1994021819A1 (en) | 1992-03-19 | 1993-03-22 | Solid-phase anchor carrying nucleic acid and method of adjusting the same |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4092435A JPH05260972A (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | 核酸増幅固相化アンカー及びその調整方法 |
PCT/JP1993/000348 WO1994021819A1 (en) | 1992-03-19 | 1993-03-22 | Solid-phase anchor carrying nucleic acid and method of adjusting the same |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05260972A true JPH05260972A (ja) | 1993-10-12 |
Family
ID=26433857
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4092435A Pending JPH05260972A (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | 核酸増幅固相化アンカー及びその調整方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05260972A (ja) |
WO (1) | WO1994021819A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003083473A1 (fr) * | 2002-03-29 | 2003-10-09 | Riken | Substrats pour l'hybridation et son procede d'utilisation |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03147800A (ja) * | 1989-11-02 | 1991-06-24 | Toshihiko Kondo | 核酸固相化アンカー及びその調整方法 |
-
1992
- 1992-03-19 JP JP4092435A patent/JPH05260972A/ja active Pending
-
1993
- 1993-03-22 WO PCT/JP1993/000348 patent/WO1994021819A1/ja not_active Application Discontinuation
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003083473A1 (fr) * | 2002-03-29 | 2003-10-09 | Riken | Substrats pour l'hybridation et son procede d'utilisation |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO1994021819A1 (en) | 1994-09-29 |
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