JPH0526605Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はインキ樹脂層と接着層からなり、誰に
でもワンタツチで貼れる転写マーキングシートに
関するものである。

（従来の技術） この種のものは転写紙、転写マーク、マーキン
グシートなどと呼ばれ、糊を塗布した薄葉紙また
は樹脂製シートを台紙に貼り、その上に画像をつ
くつたもので、基材（ステツカーシート）と、そ
れに重ねられた樹脂フイルムよりなるラミネート
材と、着色層及びその上面に重ねられたアプリケ
ーシヨンシート材とからなる貼合せ構造を有す
る。

（技術的課題） しかし前記の貼合構造では、マークの図柄以外
の部分や中抜きすべき部分など不要部分を除去す
るため、抜型を作り抜加工を実施することが必須
不可欠であり、工程が複雑なのでコスト高にな
り、抜加工で図柄とずれが生じる問題もあつた。

また着色層は使用されるインキの厚さに限度が
あるから全体の膜厚も薄く、それを設定すること
が困難であつた。その反面、マーキングシート全
体の柔軟性は基材やラミネート材によつて左右さ
れるため意外に低く、曲面、角面への貼付も容易
とは言えない欠点もあつた。

本考案は前記の問題点や欠点を解決するために
なされたもので、その目的は印刷手段によつて総
ての層を形成できることによつて、抜型の作製と
抜加工を行なわなくても不要部分が形成されず、
ずれもないシートを提供することができ、被膜層
と着色層の一部又は全部がUVインキによつて形
成されるので膜層の選択が可能でありかつ優れた
柔軟性をも具えた転写マーキングシートを提供す
ることにある。

（技術的手段） 前記目的は、インキの支持体であるベースフイ
ルムと、ベースフイルムに密着しないタイプの透
明性を有するUVインキよりなり、ベースフイル
ム上にスクリーン印刷によつて形成された被膜層
と、該被膜層に密着するタイプの着色インキより
なり、被膜層上にスクリーン印刷によつて形成さ
れた着色層と、該着色層上にスクリーン印刷によ
つて形成された接着層とを具えており、接着層
が、被膜層印刷用の版により被膜層と同寸に形成
されていることによつて達成される。

（実施例） 以下図面を参照して説明する。

第１図に示された本案シートは、未使用の状態
S′ではベースフイルム１と、その下面に非密着的
に貼合わされた被膜層２、着色層３、接着層４よ
りなる図柄部分５と、接着層に貼合わされた剥離
紙６とからなつている。着色層３は色彩の異なる
異色部分３₁，３₂，３₃を有する。また、第２図
に示されているのは被転写面Ｔに転写された使用
状態Ｓで、図示の通り図柄部分５のみからなり、
非着色部７は抜かれている。

第３図には本案シートの形成過程及び使用状態
が模式的に図示されている。同図ａに示されたベ
ースフイルム１はインキを印刷するための支持体
をなすもので、接触するインキから簡単に剥れ、
その際に僅かな断片でも残してこないように、被
膜層２のインキ素材と組合される。このようなフ
イルム素材としてはまずポリプロピレンを挙げる
ことができる。

このフイルム上にはスクリーン印刷によつて被
膜層２が形成される（同図ｂ）。被膜層２は前記
フイルム１に密着しないタイプの透明なUVイン
キが使用され、UVインキでも硬化型でなく柔軟
型のものを用いる。そのため乾燥しても或程度の
柔軟性を残しているので曲面等に沿つて貼合せる
のが容易でかつ膜厚の調整が行なえる利点が得ら
れる。この被膜層２の形成に用いた版は後工程で
も使用する。

着色層３は前記被膜層２の上にスクリーン印刷
によつて形成されるが（同図ｃ）、そのための版
は異色部分３₁，３₂，３₃に分れている場合は多
色刷り用の版が用いられる。着色インキはUVイ
ンキの被膜層に密着するものであれば、溶剤蒸発
タイプのものでもUVインキでも良いが、特に耐
光（候）性の優れたインキを用いるのが良い。こ
のようなインキを用いることにより単なる生活用
品のみならず、日射や風雨に晒されても色落ちし
ない屋外での使用にも十分耐えるマーキングシー
トが提供できる。

接着層４は最後にスクリーン印刷される層であ
る（同図ｄ）。この印刷には前記被膜層２の印刷
に用いられたのと同寸の刷版が使用される。この
ため、本案シートを構成する被膜層２、着色層
３、接着層４の３層は図柄以外の構造を持たな
い。接着層４の形成のために印刷するものは、合
成樹脂系、ゴム系或いは天然産物系のいずれでも
良いが感圧粘着剤が最適である。この接着層４は
剥離紙６で覆われ、使用時に被転写面Ｔに接着す
る際に剥す（同図ｆ）。

（作用） 以上のように構成された本考案の転写マーキン
グシートは、剥離紙６を剥すと図柄部分５がベー
スフイルム１に付着してくるので、接着層４を被
転写面Ｔに当てがう。次いで図柄部分５をベース
フイルム１上から強くこすりつけることにより接
着層４を接着させ、ベースフイルム１を端からゆ
つくりと浮上りがないように確認しながら剥す
と、３層のみからなるマーキングシートが被転写
面Ｔに残存し、転写が完了する。

（効果） 従つて本考案によればスクリーン印刷によつて
全ての層が形成されるので、従来のように抜型を
用いて抜加工を行なわなくても、不要部分のない
シートが得られ、被膜層と着色層の全部又は一部
がUVインキによつて形成されるので膜厚の選択
が可能であり、しかも柔軟性を具備し曲面にも良
く適合させることができるシートが提供される等
顕著な効果が発揮される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
斜視図、第２図は転写状態のシートの平面図、第
３図ａ〜ｆは本考案のシートの形成過程を示す工
程説明図である。 １……ベースフイルム、２……被膜層、３……
着色層、４……接着層、６……剥離紙、Ｔ……被
転写面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) インキの支持体であるベースフイルムと、ベ
   ースフイルムに密着しないタイプの透明性を有
   するUVインキよりなり、ベースフイルム上に
   スクリーン印刷によつて形成された被膜層と、
   該被膜層に密着するタイプの着色インキよりな
   り、被膜層上にスクリーン印刷によつて形成さ
   れた着色層と、該着色層上にスクリーン印刷に
   よつて形成された接着層とを具えており、接着
   層が、被膜層印刷用の版により被膜層と同寸に
   形成されていることを特徴とする転写マーキン
   グシート。 (2) ベースフイルムはポリプロピレン樹脂よりな
   り、これに柔軟型のUVインキよりなる被膜層
   が組合された請求項第１項記載の転写マーキン
   グシート。 (3) 着色層は、耐光性を有する溶剤蒸発タイプの
   インキ若しくは溶剤の含まれないUVインキよ
   りなる請求項第１項記載の転写マーキングシー
   ト。