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JPH05244968A - α−ヒドロキシイソブチルアミドの製造法 - Google Patents

α−ヒドロキシイソブチルアミドの製造法

Info

Publication number
JPH05244968A
JPH05244968A JP4183699A JP18369992A JPH05244968A JP H05244968 A JPH05244968 A JP H05244968A JP 4183699 A JP4183699 A JP 4183699A JP 18369992 A JP18369992 A JP 18369992A JP H05244968 A JPH05244968 A JP H05244968A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxyisobutyramide
acetone cyanohydrin
genus
microorganism
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4183699A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Ishiwatari
健一 石渡
Masao Shimada
正雄 嶋田
Akira Hatamori
晃 畑森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Publication of JPH05244968A publication Critical patent/JPH05244968A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/62Carboxylic acid esters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C57/00Unsaturated compounds having carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C57/02Unsaturated compounds having carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms with only carbon-to-carbon double bonds as unsaturation
    • C07C57/03Monocarboxylic acids
    • C07C57/04Acrylic acid; Methacrylic acid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C231/00Preparation of carboxylic acid amides
    • C07C231/06Preparation of carboxylic acid amides from nitriles by transformation of cyano groups into carboxamide groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P13/00Preparation of nitrogen-containing organic compounds
    • C12P13/02Amides, e.g. chloramphenicol or polyamides; Imides or polyimides; Urethanes, i.e. compounds comprising N-C=O structural element or polyurethanes

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Abstract

(57)【要約】 【目的】アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロキシイ
ソブチルアミドを効率よく生産し、該アミドを用いて、
α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルま
たはα,β−不飽和カルボン酸を生産する。 【構成】アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロキシイ
ソブチルアミドを生成する能力を有する微生物の培養
液、菌体もしくは菌体処理物を水性媒体中にてアセトン
シアンヒドリンに作用させてα−ヒドロキシイソブチル
アミドを生産する。また、該アミドと水及び/または脂
肪族アルコールを固体酸触媒の存在下、150℃の温度で
気相または気液混合相で反応させてα,β−不飽和カル
ボン酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β−不飽和
カルボン酸を生産する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アセトンシアンヒドリ
ンからα−ヒドロキシイソブチルアミドを製造する方
法,並びに該アミドからα,β−不飽和カルボン酸脂肪
族アルコールエステルまたはα,β−不飽和カルボン酸
を製造する方法に関する。α−ヒドロキシイソブチルア
ミドは、メチルメタクリレートの中間原料として、また
メチルメタクリレートはアクリル樹脂の原料として工業
的に有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】従来、α−ヒドロキシイソブチルアミド
の代表的製法としては、マンガン酸化物を触媒として、
アセトンシアンヒドリンの水和反応により製造する方法
が知られている(例えば、DE 2527120)。一方、微生物
の産生する酵素であるニトリルヒドラタ−ゼの作用によ
り各種アミドを対応するニトリルより生産する方法が知
られており、アクリルアミド、アセトアミド、メタクリ
ルアミド、クロトンアミド、3−ヒドロキシプロピオン
アミド、ニコチンアミド、ベンズアミドなどがそれぞれ
対応するニトリルから酵素的に生産可能である(例え
ば、EP 307926)。しかしながら、アセトンシアンヒド
リンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成する微
生物や酵素は全く知られていない。更に、コリネバクテ
リウム・ニトリロフィラス(Corynebacteriumnitriloph
ilus)起源のニトリルヒドラタ−ゼにおいては、アセト
ンシアンヒドリンは基質とならないばかりか、ニトリル
ヒドラターゼの活性を強力に阻害する物質であることが
報告されている(Biotechnology and Applied Biochemi
stry,Vol.11 p.49-59 (1989))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアセトンシア
ンヒドリンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成
する能力を有する微生物を用いて、アセトンシアンヒド
リンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを効率よく生
産し、該アミドを用いてα,β−不飽和カルボン酸脂肪
族アルコールエステルまたはα,β−不飽和カルボン酸
を生産することを目的とするのもである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、α−ヒド
ロキシイソブチルアミドの新しい製造法について研究を
重ねた結果、アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロキ
シイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物を見
い出し、更に、これらの微生物の培養液、菌体もしくは
菌体処理物を酵素源として水性媒体中にてアセトンシア
ンヒドリンに作用させることにより、効率良くα−ヒド
ロキシイソブチルアミドが生成することさらには該アミ
ドを用いてメチルメタクリレートを生産するを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明はアセトンシアンヒドリンよ
りα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成する能力を有
する微生物の培養液、菌体もしくは菌体処理物を水性媒
体中にてアセトンシアンヒドリンに作用させてα−ヒド
ロキシイソブチルアミドを生成させることを特徴とする
α−ヒドロキシイソブチルアミドの製造方法、並びに該
アミドと水及び/または脂肪族アルコールを固体酸触媒
の存在下、150℃以上の温度で気相または気液混合相で
反応させることを特徴とする、α,β−不飽和カルボン
酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β−不飽和カル
ボン酸の製造方法を提供するものである。
【0006】本発明において使用する微生物は、アセト
ンシアンヒドリンよりα−ヒドロキシイソブチルアミド
を生成する能力を有するものであれば特に制限はなく、
自然界から分離されたものでも、突然変異、遺伝子操作
等の手段により創製されたものでも良い。これらの微生
物の例としては次のような菌株をあげることができる。
ロドコッカス・エリスロポリス (Rhodococcus erythro
polis) ATCC 4277、ATCC 11048、MT 20082 (FERM P-828
2)、ロドコッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT 2
0118 (FERM P-13015)、アースロバクター・パラフィネ
ウス (Arthrobacter paraffineus) ATCC 21003、アク
ロモバクター・キセロシス (Achromobacter xerosis)
IFO 12668、アシネトバクター・カルコセティカス (Ac
inetobacter calcoaceticus) IFO 12552、シュードモナ
ス・フルオレッセンス (Pseudomonas fluorescens) IF
O 3925 本発明において用いられる微生物を培養する培地は、目
的を達する限り何ら特別の制限はなく、使用菌株の利用
し得る炭素源、窒素源、無機塩類、更に微量の有機栄養
物などを適当に含有するものであれば合成培地、天然培
地のいずれも使用できる。また、培養に当たってはクロ
トンアミドなどのアミド類を培地に添加することによ
り、アセトンシアンヒドリンからのα−ヒドロキシイソ
ブチルアミド生成能力が高い微生物菌体を得ることがで
きることもある。その際、該アミド類の好ましい添加量
は0.1〜5.0%程度である。培養条件としては、菌株や培
地によっても異なるが、培養温度は20〜40℃、培地のpH
は、4〜9が望ましい。本発明においては、このようにし
て得られた培養液、培養液を遠心分離或は濾過等により
集菌した菌体または菌体処理物を酵素源として用いる。
菌体処理物としては、菌体を機械的破壊、超音波処理、
凍結融解処理、乾燥処理、溶媒処理、加圧減圧処理、浸
透圧処理、自己消化、界面活性剤処理、酸素処理したも
の、これらより得られる酵素画分、菌体および菌体抽出
物の固定化物などがある。また、酵素や菌体などの固定
化法としては従来の方法を用いることが出来(Method i
n Enzymology,vol.44,(1976)、同vol.135,vol.136,(198
7)、同vol.137,(1988))、例えば、 水不要性の担体
に物理的吸着、イオン結合、または共有結合により酵素
または菌体を結合させる担体結合法。2個またはそれ
以上の官能基を持った試薬で酵素または菌体を架橋する
架橋法。高分子ゲルの微細な格子の中に酵素または菌
体を取り込む格子型や半透膜の高分子皮膜によって酵素
または菌体を被覆するマイクロカプセル型の包括法等の
方法を適宜選択して用いればよい。菌体の添加量に特に
制限はないが、通常1〜100g-dry cell/l(反応溶液あた
りの乾燥菌体重量、以後断りのある場合以外は単にg/l
と記す)が適当である。反応は通常 0〜50℃、pH 5〜10
の範囲で、静置またはゆるやかな攪拌下に酵素源とアセ
トンシアンヒドリンを水性媒体中で接触させることによ
り行われる。水性媒体にアセトンを添加することにより
α−ヒドロキシイソブチルアミドの収量を高めることが
出来る。アセトンの添加量は4M以下が好ましく、該濃
度以上では酵素活性が阻害される恐れがある。アセトン
シアンヒドリンは反応媒体中ではアセトンおよび青酸と
解離平衡にあるのでアセトンシアンヒドリンの代わりに
アセトンと青酸(または青酸の塩)の混合物を基質とし
て用いることも出来る。反応時間は、酵素力価や基質濃
度等の反応条件により異なるが、通常は1〜50時間程度
である。基質であるアセトンシアンヒドリンの濃度には
特に制限はないが、通常は0.1 〜30重量%程度である。
また、アセトンシアンヒドリンは連続的または間欠的に
反応液に添加しても良い。このようにして反応を行うと
反応液中にはα−ヒドロキシイソブチルアミドが生成す
る。反応液からα−ヒドロキシイソブチルアミドを採取
する方法としては、濃縮晶析等公知の方法が用いられ
る。
【0007】以上の様にして得られるα−ヒドロキシイ
ソブチルアミドは、該アミドと水及び/または脂肪族ア
ルコールを固体酸触媒の存在下、150℃以上の温度で気
相または気液混合相で反応させることによりα,β−不
飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β
−不飽和カルボン酸の製造に用いることが出来る。該方
法としては、例えば特公昭63-10940号公報(米国特許:
第4464539号)に記載の方法が好適に使用できる。この
α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルま
たはα,β−不飽和カルボン酸の製造において固体酸触
媒とは、金属元素および元素周期律表のIIIa、IV
a、Va族の非金属元素から選ばれた少なくとも一種の
リン酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、酸化物及び硫化物の
うち少なくとも一種を含有する触媒、更に特殊な例とし
て、活性炭、カチオン交換樹脂、α−ほう素及びニッケ
ル金属である。脂肪族アルコールとしては、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
i−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール、エチ
レングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の種々
の脂肪族アルコール及び置換脂肪族アルコールが挙げら
れる。α−ヒドロキシイソブチルアミドからα,β−不
飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β
−不飽和カルボン酸を生成する反応は反応物質と固体酸
触媒を接触させる方法が好ましく、気相または気液混合
相で実施される。水の使用量は特に制限はないが、通常
α−ヒドロキシイソブチルアミド1モルに対して0〜200
モル好ましくは1〜50モルの範囲で用いればよい。アル
コールの使用量は特に制限はないが、α,β−不飽和カ
ルボン酸のみを得るためにはアルコールを使用する必要
はなく、α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエ
ステルを得るためには通常α−ヒドロキシイソブチルア
ミド1モルに対して0〜200モル好ましくは1〜50モルの
範囲で用いればよい。反応温度は150℃〜500℃、好まし
くは200℃〜450℃である。反応物質の接触時間は触媒、
反応温度等の反応条件によって異なるが、通常0.5〜360
秒の範囲であればよい。
【0008】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るがα−ヒドロキシイソブチルアミドの定量は、強酸性
カチオン交換樹脂充填カラムとUV吸光検出器を備えた
液体クロマトグラフィーにより行った。
【0009】実施例1 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにロド
コッカス・エリスロポリス (Rhodococcus erythropolis)
MT 20082 (FERM P-8282) を接種し、28℃で24時間振盪
培養した。培養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち
凍結乾燥した。反応は、アセトンシアンヒドリン 40 g/
l、凍結乾燥菌体 20 g/lを含む水溶液(pHは NaOH によ
り8.5 に調整)中で、8℃、10時間ゆるやかに攪拌しな
がら行った。反応終了後、反応液の一部を希釈して、液
体クロマトグラフィーにより分析したところ、30g/lの
α−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた(モル
収率 62%)。
【0010】実施例2 使用菌株のみ、表−1(表1)に示した各菌株に変更
し、実施例1と同様の方法で反応を行った。その結果、
それぞれの反応液中には表−1(表1)に示した濃度の
α−ヒドロキシイソブチルアミドが生成していた。
【0011】実施例3 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにアー
スロバクター・パラフィネウス (Arthrobacterparaffi
neus) ATCC 21003 を接種し、28℃で24時間振盪培養し
た。培養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち凍結乾
燥した。反応は、アセトンシアンヒドリン 40 g/l、凍
結乾燥菌体 20 g/lを含む水溶液(pHは NaOH により
8.5 に調整)中で、8℃、10時間ゆるやかに攪拌しなが
ら行った。反応終了後、反応液の一部を希釈して、液体
クロマトグラフィーにより分析したところ、27 g/lのα
−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた(モル収
率 57%)。
【0012】実施例4 使用菌株のみ、表−2(表2)に示した各菌株に変更
し、実施例3と同様の方法で反応を行った。その結果、
それぞれの反応液中には表−2(表2)に示した濃度の
α−ヒドロキシイソブチルアミドが生成していた。
【0013】実施例5 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT 20118 (FE
RM P-13015) を接種し、30℃で36時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち凍結した。反
応は、アセトンシアンヒドリン 20 g/l、凍結菌体 2 g/
lを含む水溶液(pHは NaOH により 8.5 に調整)中
で、8℃、8時間ゆるやかに攪拌しながら行った。反応終
了後、反応液の一部を希釈して、液体クロマトグラフィ
ーにより分析したところ、16 g/lのα−ヒドロキシイソ
ブチルアミドが蓄積していた(モル収率 66%)。
【0014】実施例6 反応液にアセトンを 58 g/l添加した以外は、実施例5
と同様の方法で反応を行った。反応終了後、反応液に
は、22.5 g/lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積
していた(モル収率 93%)。
【0015】実施例7 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlに表−
3(表3)に示した各菌株を接種し、28℃で40時間振盪
培養した。培養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち
凍結した。反応は、アセトンシアンヒドリン 20 g/l、
アセトン 0 または 58 g/l、凍結菌体 50 g/lを含む
水溶液(pHは NaOH により 7.5 に調整)中で、10℃、
12時間ゆるやかに攪拌しながら行った。その結果、それ
ぞれの反応液中には表−3(表3)に示した濃度のα−
ヒドロキシイソブチルアミドが生成していた。
【0016】実施例8 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT 20118 (FE
RM P-13015) を接種し、25℃で56時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち集菌した。反
応は、アセトン 58 g/l、湿菌体 150 g/l(乾燥菌体換
算で40g-dry cell/l )を含む水溶液100ml中に、ポンプ
を用いて青酸カリを2時間おきに 80 mgの量で断続的に
添加し、pHは H2SO4 により 8.8に調整しながら 5℃で
ゆるやかに攪拌して行った。20時間後、反応液の一部を
希釈して、液体クロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、10 g/lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積し
ていた(青酸カリに対するモル収率 78%)。
【0017】実施例9 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 6000mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT20118 (FER
M P-13015) を接種し、28℃で45時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち凍結乾燥し
た。反応は、アセトン 6 g/l、凍結乾燥菌体 25 g/lを
含む水溶液30ml中に、ポンプを用いてアセトンシアンヒ
ドリンを1時間あたり 0.45 gの量で連続的に添加し、p
Hは NaOH により 8.3 に調整しながら 6℃でゆるやかに
攪拌して行った。24時間後、反応液の一部を希釈して、
液体クロマトグラフィーにより分析したところ、303 g/
lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた
(モル収率 93%)。
【0018】実施例10 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 5000mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT20118 (FER
M P-13015) を接種し、28℃で50時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち集菌した。50
mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.8)75ml、アクリルアミ
ド8.4g、ジメチルアミノメチルメタクリレート塩化メチ
ル4級化物0.8g、メチレンビスアクリルアミド0.8gを均
一に混合した後、洗浄菌体100g(乾燥菌体重量として27
g)を懸濁した。これに10%ジメチルアミノプロピオニト
リル5ml、5%過硫酸カリウム10mlを均一に混合し氷水中
で重合ゲル化させた。この菌体含有ゲルをブレンダーに
て小片に破砕し、50mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.8)6
00ml、50%グルタルアルデヒド1mlと混合して氷水中で穏
やかに攪拌しながら30分間処理した。これを洗浄し固定
化菌体とした。反応は、アセトン 28 g/lを含む水溶液5
0ml中に固定化菌体 35 gを加え、ポンプを用いてアセト
ンシアンヒドリンを1時間あたり 0.15 g連続的に添加
し、pHは NaOH により 8.5 に調整しながら 6℃でゆる
やかに攪拌して行った。40 時間後、反応液中には 101
g/lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた
(モル収率 78%)。
【0019】
【表1】 表−1 --------------------------------------------------------------- 使用菌株 α−ヒドロキシイソブチルアミド(g/l) --------------------------------------------------------------- ロドコッカス・エリスロポリス (Rhodococcus erythropolis) ATCC 4277 4 ロドコッカス・エリスロポリス (Rhodococcus erythropolis) ATCC 11048 11 ---------------------------------------------------------------
【0020】
【表2】 表−2 --------------------------------------------------------------- 使用菌株 α−ヒドロキシイソブチルアミド(g/l) --------------------------------------------------------------- アクロモバクター・キセロシス (Achromobacter xerosis) IFO 12668 8 アシネトバクター・カルコセティカス (Acinetobacter calcoaceticus) IFO 12552 4 シュードモナス・フルオレッセンス (Pseudomonas fluorescens) IFO 3925 2 ---------------------------------------------------------------
【0021】
【表3】 表−3 ---------------------------------------------------------------------- 使用菌株 α−ヒドロキシイソブチルアミド(g/l) アセトン無添加 アセトン添加 ---------------------------------------------------------------------- アクロモバクター・キセロシス (Achromobacter xerosis) IFO 12668 9 14 アシネトバクター・カルコセティカス (Acinetobacter calcoaceticus) IFO 12552 5.5 13 アースロバクター・パラフィネウス (Arthrobacter paraffineus) IFO 12552 11 19 シュードモナス・フルオレッセンス (Pseudomonas fluorescens) IFO 3925 3 8 ----------------------------------------------------------------------
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、アセトンシアンヒドリ
ンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成する能力
を有する微生物の培養液、菌体もしくは菌体処理物を水
性媒体中にてアセトンシアンヒドリンに作用させること
により効率良くα−ヒドロキシイソブチルアミドが生産
出来る。また、該α−ヒドロキシイソブチルアミドと水
及び/または脂肪族アルコールを固体酸触媒の存在下、
150℃以上の温度で気相または気液混合相で反応させ
ることによりα,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコー
ルエステルまたはα,β−不飽和カルボン酸が生産でき
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項14
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 13/02 C12R 1:025) (C12P 13/02 C12R 1:39) (C12P 13/02 C12R 1:01)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
    キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物の
    培養液、菌体もしくは菌体処理物を水性媒体中にてアセ
    トンシアンヒドリンに作用させてα−ヒドロキシイソブ
    チルアミドを生成させることを特徴とするα−ヒドロキ
    シイソブチルアミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
    キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
    が、ロドコッカス(Rhodococcus)属に属する微生物で
    あることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
    キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
    が、アースロバクター(Arthrobacter)属に属する微生
    物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
    キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
    が、アクロモバクター(Achromobacter)属に属する微
    生物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
    キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
    が、アシネトバクター(Acinetobacter)属に属する微
    生物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
    キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
    が、シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物
    であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
    キシイソブチルアミドを生成する能力を有し、ロドコッ
    カス(Rhodococcus)属に属する微生物が、ロドコッカ
    ス・エリスロポリス (Rhodococcus erythropolis) ATC
    C 4277、ATCC11048またはMT 20082 (FERM P-8282)であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
    キシイソブチルアミドを生成する能力を有し、ロドコッ
    カス(Rhodococcus)属に属する微生物が、ロドコッカ
    ス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT 20118 (FERM P-1
    3015)であることを特徴とする請求項2に記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
    キシイソブチルアミドを生成する能力を有し、アースロ
    バクター(Arthrobacter)属に属する微生物が、アース
    ロバクター・パラフィネウス (Arthrobacter paraffin
    eus) ATCC 21003であることを特徴とする請求項3に記
    載の製造方法。
  10. 【請求項10】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒド
    ロキシイソブチルアミドを生成する能力を有し、アクロ
    モバクター(Achromobacter)属に属する微生物が、ア
    クロモバクター・キセロシス (Achromobacter xerosi
    s) IFO 12668であることを特徴とする請求項4に記載の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒド
    ロキシイソブチルアミドを生成する能力を有し、アシネ
    トバクター(Acinetobacter)属に属する微生物が、ア
    シネトバクター・カルコセティカス (Acinetobacter c
    alcoaceticus) IFO 12552であることを特徴とする請求
    項5に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒド
    ロキシイソブチルアミドを生成する能力を有し、シュー
    ドモナス(Pseudomonas)属に属する微生物が、シュー
    ドモナス・フルオレッセンス (Pseudomonas fluoresce
    ns) IFO 3925であることを特徴とする請求項6に記載の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒド
    ロキシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
    の培養液、菌体もしくは菌体処理物を水性媒体中にてア
    セトンシアンヒドリンに作用させてα−ヒドロキシイソ
    ブチルアミドを生成させ、該アミドと水及び/または脂
    肪族アルコールを固体酸触媒の存在下、150℃以上の温
    度で気相または気液混合相で反応させることを特徴とす
    る、α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステ
    ルまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  14. 【請求項14】 脂肪族アルコールがメタノールであ
    り、α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステ
    ルがメチルメタクリレートであり、α,β−不飽和カル
    ボン酸がメチルメタアクリル酸であることを特徴とする
    請求項15に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 水性媒体にアセトンを添加することを
    特徴とする請求項1から請求項14の何れか一項に記載
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 水性媒体に添加するアセトンの添加量
    が4M以下であることを特徴とする請求項15に記載の
    製造方法。
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