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JPH05227991A - 光学活性な3−ピロリジノール誘導体の製造法 - Google Patents

光学活性な3−ピロリジノール誘導体の製造法

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Publication number
JPH05227991A
JPH05227991A JP3227292A JP3227292A JPH05227991A JP H05227991 A JPH05227991 A JP H05227991A JP 3227292 A JP3227292 A JP 3227292A JP 3227292 A JP3227292 A JP 3227292A JP H05227991 A JPH05227991 A JP H05227991A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pyrrolidinol
compound
optically active
benzyl
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3227292A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Horiguchi
晃 堀口
Kenichi Mochida
顕一 持田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd filed Critical Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority to JP3227292A priority Critical patent/JPH05227991A/ja
Publication of JPH05227991A publication Critical patent/JPH05227991A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 β−ラクタム系抗生物質やジヒドロピリジン
系化合物など医薬品として有用な光学活性化合物の重要
中間体を提供する。 【構成】 式(III) および式(IV)で表わされる化合物を、式(III)
で表わされる化合物を立体選択的にアシル化する活性を
有する酵素源の存在下反応させ、 式(I)および式(II) で表わされる3−ピロリジノー
ル誘導体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、β−ラクタム系抗生物
質やジヒドロピリジン系化合物など医薬品として有用な
光学活性化合物の重要中間体である光学活性な3−ピロ
リジノール誘導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性な3−ピロリジノール誘
導体の製造法としては、大別して(1)キラルな化合物
を出発物質として合成する方法および(2)プロキラル
な化合物を出発物質として、不斉合成あるいは分割によ
って光学活性体を合成する方法の2つの方法が知られて
いる。(1)に関しては、ヒドロキシプロリンより合成
する方法(特開昭60-23328号公報) 、D−リンゴ酸か
ら合成する方法〔ヘテロサイクルズ(Heterocycles), 2
4, 1331 (1986)〕、グルタミン酸から合成する方法
〔シンセティック・コミュニケーションズ(Synth. Comm
un.),16,1815(1986) 〕、アスパラギン酸から合成す
る方法〔ヘテロサイクルズ(Heterocycles), 24 , 133
1 (1986)〕、グルタミンから合成する方法〔ブレティ
ン・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティー・オブ・ジャパ
ン(Bull. Chem. Sco. Jpn.),51 , 3296(1978) 〕な
どが知られている。(2)に関しては、4−ヒドロキシ
−2−ピロリドンから合成する方法(特開平1-207266号
公報) 、アミノブタノール誘導体から合成する方法
(特開平3-176462号公報) 、4−ハロ−3−ヒドロキシ
ブタンニトリルのスルホン酸エステルから合成する方法
(特開平3-176463号公報) などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、β−
ラクタム系抗生物質やジヒドロピリジン系化合物などの
合成における有用中間体となる光学活性3−ピロリジノ
ール誘導体の新規な製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、式(II
I)
【0005】
【化5】
【0006】(式中、R1 は、置換もしくは非置換のベ
ンジル基、アルカノイル基またはアロイル基を表わ
す。)で表わされる化合物〔以下、化合物(III)と略
す。〕と、式(IV)
【0007】
【化6】
【0008】(R2 は、アルキル基またはアリール基を
表わし、R3 は水素、アルキル基、アルケニル基、アル
カノイル基またはアロイル基を表わす。) で表わされ
る化合物〔以下、化合物(IV)と略す。〕とを、化合物
(III)を立体選択的にアシル化する活性を有する酵素
源の存在下反応させ、式(I)
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R1 およびR2 は前記と同義であ
る。また★はその炭素に関して光学活性であることを表
わす。)及び式(II)
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R1 は前記と同義である。また★
はその炭素に関して光学活性であることを表わす。)で
表わされる3−ピロリジノール誘導体の光学活性体を取
得することを特徴とする3−ピロリジノール誘導体の光
学活性体の製造法を提供することができる。以下、式
(I)で表わされる化合物を化合物(I)といい、式(I
I)で表わされる化合物を化合物(II)という。
【0013】式中の各基の定義は下記のとおりである。
置換ベンジルの置換基としては同一または異なって置換
数1〜3の塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、メ
チル、エチル、プロピルなど炭素数1〜3の低級アルキ
ル基、アルキル部分が炭素数1〜3の低級アルキルであ
るアルコキシ基などがあげられる。アルカノイル基とし
ては炭素数1〜8のホルミルまたはアルキル部分がメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
ヘプチルなど炭素数1〜7の直鎖状のアルキルである基
があげられる。アリール基またはアロイル基のアリール
部分としては、フェニル、ナフチルなどがあげられる。
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなど炭素数1〜7の
直鎖状のアルキルがあげられる。
【0014】アルケニル基としては、ビニル、イソプロ
ペニルなど炭素数2〜8の直鎖または分岐状のアルケニ
ルがあげられる。上記アシル化反応に用いられる酵素源
としては、化合物(III)を不斉アシル化する活性を有
する酵素もしくはその含有物であれば精製酵素でも粗酵
素でもいずれでも用いることができる。
【0015】酵素としては、トリアシルグリセロールリ
パーゼ(EC.3.1.1.3 別名リパーゼ)、リボプロテインリ
パーゼ(EC.3.1.1.34) 、カルボキシルエステラーゼ(E
C.3.1.1.1)などが用いられる。これらの酵素は微生
物、動物組織によって生産されるが、市販されていて容
易に入手することができる。市販酵素の具体例として
は、リボプロテインリパーゼ(シュードモナス属微生物
由来;協和メデックス社製)、リパーゼ Pアマノ(シ
ュードモナス属微生物由来;天野製薬社製)、ポリシン
パンクレアチックリパーゼ(豚膵臓由来;シグマ社
製)、リパーゼ(キャンディダ属微生物由来;シグマ社
製)、ビッグリバーエステラーゼ(豚肝臓由来;シグマ
社製)、ニューラーゼ Fアマノ (リゾブス属微生物
由来;天野製薬社製)、リパーゼ AP−4アマノ(ア
スペルギルス属微生物由来;天野製薬社製)、リパーゼ
MAP−10(ムコール属微生物由来;天野製薬社
製)、固定化酵素 リボザイム(ムコール属微生物由
来;ノボ社製)、固定化酵素 SP382(キャンディ
ダ属微生物由来;ノボ社製)などがあげられる。
【0016】酵素の含有物としては、化合物(III) を
不斉アシル化する活性を有する酵素を生産する能力を有
する微生物の菌体、培養液もしくはそれらの処理物があ
げられる。このような酵素を生産する能力を有する微生
物としては、例えばシュードモナス(Pseudomonas)
属、キャンディダ(Candida)属、ムコール(Mucor)
属、アスぺルギルス(Aspergillus) 属、リゾブス(Rhiz
opus)属、バチルス(Bacillus)属、アルスロバクター
(Arthrobacter)属、ピチア(Pichia)属、クロモバクテ
リウム(Chromobacterium) 属、フミコーラ(Humicol
a) 属、ペニシリウム(Penicillium) 属などの属に属
する微生物をあげることができる。
【0017】培養液の処理物としては、培養液の濃縮
物、乾燥物、界面活性剤および/または有機溶剤添加
物、溶菌酵素処理物などがあげられる。また、菌体処理
物としては、菌体の乾燥物、界面活性剤および/または
有機溶剤添加物、溶菌酵素処理物、固定化菌体あるいは
菌体からの抽出酵素標品などがあげられる。使用される
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、トルエン、
ベンゼンなどの芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、イソ
プロピルエーテルなどのエーテル系溶媒、クロロフォル
ムなどのハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルス
ルフォキシドなどの溶媒、またはそれらの水飽和液、混
合液を使用することができる。
【0018】なお、化合物(III) は、例えば、R1
ベンジル基の場合、ジャーナル・オブ・ザ・メディシナ
ル・ファーマシューティカル・ケミストリー〔(J. Med.
Pharm. Chem.), 1 , 73 (1959)〕に記載の方法で合
成することができる。基質である化合物(III) は、反
応液に対して、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜25重
量%で用いられ、化合物(IV)は、反応液に対して0.025
〜50重量%、好ましくは0.5〜25重量%で用いられ、
酵素類は、基質の重量に対して、0.1 〜50重量%で用い
られる。反応は、0 〜60℃、好ましくは20〜30℃の範囲
でおこなわれる。反応は、反応温度、基質濃度、酵素量
などによって異なるが、通常1時間〜1日間で完了す
る。
【0019】反応混合物からの化合物(I)および化合
物(II)の単離精製は、酵素のろ過、濃縮、カラムクロ
マトグラフィーなどによっておこなうことができる。ま
た、酵素源をカラムに充填し、化合物(III) および化
合物(IV)を溶解した液を通過させることによっても反
応をおこなうことができる。なお、上記製造法で得られ
る反応液は単離、精製することなく、濃縮して残渣に含
有される化合物(II)をスルホニル化することにより、
式(V)
【0020】
【化9】
【0021】(式中、R1 は前記と同義である。Xはア
ルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ
基を表わす。また、★はその炭素に関して光学活性であ
ることを表わす。)で表わされる化合物に変換後、式(V
I)
【0022】
【化10】
【0023】(式中、R2 は前記と同義である。) で
表わされるカルボン酸の金属塩と反応させることによ
り、立体配置の反転した化合物(I)を得ることができ
る。該処理により、所望の立体配置をもつ化合物(I)
を高収率で取得することができる。 なお、アルキルス
ルホニルオキシのアルキル部分としては、炭素数1〜7
の直鎖状のアルキル、たとえばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ぺンチル、ヘキシル、ヘプチルなどがあげ
られる。アリールスルホニルオキシのアリール部分とし
てはトリル、フェニル、ナフチル等があげられる。ま
た、化合物(VI)における金属塩としては、リチウム塩、
ナトリウム塩、カルシウム塩などがあげられる。
【0024】本発明で得られる光学活性な3−ピロリジ
ノール誘導体から光学活性なピロリジノールへの変換
は、例えばR1 がベンジル基の場合、パラジウム−炭素
を触媒としてメタノールや酢酸中、水素雰囲気下、接触
還元をおこなうことで達成される〔シンセティック・コ
ミュニケーションズ(Synth. Commun.), 15, 587(198
5) 〕。
【0025】このようにして得られる光学活性な3−ピ
ロリジノール誘導体は、(5R,6S)−2〔(S)−
1−(アセトイミドイル)ピロリジン−3−イルチオ〕
−6−〔(R)−1−ヒドロキシエチル〕カルバペン−
2−エム−3−カルボン酸などのβ−ラクタム系抗生物
質や、(3S)−1−ベンジル−3−ピロリジニルメチ
ル−(4S)−2,6−ジメチル−4−(m−ニトロフェ
ニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボキシ
レート〔化合物( VII); 特開昭60-19764号公報) など
のジヒドロピロリジン系化合物の合成中間体として有用
である。たとえば、化合物(VII) は、後述する実施例
1で得られる光学活性なN−ベンジル−3−ピロリジノ
ールからジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリ
ー〔(J. Med. Chem.), 29 , 2504(1986) 〕に記載
の方法に従うことにより製造することができる。
【0026】以下に本発明について、実施例により説明
する。
【0027】
【実施例】
実施例1 (3R)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの製造 ラセミ体のN−ベンジル−3−ピロリジノール、500
mgをイソプロピルエーテル40mlに溶解し、酢酸ビニル
0.6ml(2.3当量)、リパーゼアマノP(天野製薬社
製)160mgを添加した。この反応液を室温25℃で3
時間攪拌した。反応液をろ過、減圧濃縮し、残さをシリ
カゲルクロマトグラフィーで、n−ヘキサンに酢酸エチ
ルを0〜25%添加した溶媒で溶出し、精製をおこな
い、300mgの油状化合物を得た。このものは下の物性
を示し、N−ベンジル−3−アセトキシピロリジンと同
定した。収率49%。1 H-NMR(CDCl3 ; 100MHz) δppm, 1.7-3.1(6H,m),
2.03(3H,s), 3.71(1H,d,J=12Hz), 3.76(1H,d,J=12H
z), 5.05-5.33(1H,m), 7.22-7.48(5H,m) IR(KBr) νmax(cm-1) 3110(w), 3080(m), 3050
(m), 2990(s), 2940(m),2810(s), 1745(s), 1500
(m), 1485(w), 1460(m), 1450(m), 1380(s), 1260
(s), 1200(m), 1160(m), 1140(m), 1090(m), 1040
(m), 915(m), 900(w), 835(w), 755(s), 710(s)
【0028】さらに、同じカラムを酢酸エチルにn−ヘ
キサンを0〜20%、トリエチルアミン1%を添加した
溶媒で溶出を行うことにより油状物質184mgが得られ
た。このものは下の物性を示し、N−ベンジル−3−ピ
ロリジノールと同定した。1 H-NMR(CDCl3 ; 100MHz) δppm, 1.56-3.00(6H,m),
3.64(2H,s), 4.22-4.45(1H,s), 7.08-7.62(5H,m) IR(KBr) νmax(cm-1) 3375(s), 3100(s), 3080
(s), 3050(s), 2970(s),2800(s), 1500(m), 1485
(m), 1460(s), 1380(m), 1355(m), 1260(m), 1215
(m), 1140(m), 1100(m), 1040(m), 1050(m), 920
(w), 895(w), 750(m), 705(s)
【0029】この様にして得られたN−ベンジル−3−
アセトキシピロリジンの光学純度は、メタノール中、水
酸化ナトリウムでアセトキシ基を加水分解し、N−ベン
ジル−3−ピロリジノールとして下記の条件で高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)にて測定をおこなっ
た。またN−ベンジル−3−ピロリジノールの光学純度
については、そのままHPLCにて同様に測定をおこな
った。その結果、N−ベンジル−3−アセトキシピロリ
ジンはHPLCの検出限界内で100%ee、未反応のN
−ベンジル−3−ピロリジノールは、97%eeであり、
それぞれ互いに反対の立体配置を持つと決定した。 HPLC測定条件 カラム:ダイセル社製 キラルセルOD(4.6mmφ×2
50mm) 溶出:n−ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミ
ン=95/5/0.1 流速:1ml/min 検出:254nm UV吸収を測定
【0030】N−ベンジル−3−アセトキシピロリジン
および回収したN−ベンジル−3−ピロリジノールの絶
対立体配置については、次のように決定した。すなわち
上記反応で得たN−ベンジル−3−アセトキシピロリジ
ンを、メタノール中水酸化ナトリウムで加水分解し、N
−ベンジル−3−ピロリジノールとした。N−ベンジル
−3−ピロリジノールを水素雰囲気下、メタノール中、
触媒として10%パラジウム−炭素を用いて、脱N−ベ
ンジルをおこなった。得られた3−ピロリジノールは比
旋光度〔α〕D =−32.2゜(c=3.55、メタノー
ル)を示した。 文献値:(R)体、〔α〕D =−7.6゜(c=3.45、
メタノール)〔ケミストリー・レターズ ( Chemistry L
etters ), 893(1986) 〕。さらに、3−ピロリジノー
ルの窒素をベンジルオキシカルボニル化し、N−ベンジ
ルオキシカルボニル−3−ピロリジノールとした。この
化合物は比旋光度〔α〕D =−21.7゜(c=0.5、メ
タノール)を示した。 文献値:(R)体、〔α〕D =−18.2゜(c=0.5、
メタノール)〔アクタ・ケミカ・スカンジナヴィア(Act
a Chemica Scandinavia), 43 , 290(1989) 〕、
〔α〕D =−15.2゜(c=0.5、メタノール)〔ジャ
ーナル・オブ・ケミカル・ソサエティー・ケミカル・コ
ミュニケーションズ(J.Chem. Soc. Chem. Commun.),1
298(1980)〕。以上の結果より酵素反応でアセチル化さ
れて得られたN−ベンジル−3−アセトキシピロリジン
は絶対立体配置(R)を持つと決定した。従って回収さ
れたN−ベンジル−3−ピロリジノールは(S)の立体
配置を持つと決定した。
【0031】実施例2 (3R)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの製造
(2) ラセミ体のN−ベンジル−3−ピロリジノール、50mg
をイソプロピルエーテル5mlに溶解し、酢酸ビニル52
μl (2当量)、リポプロテインリパーゼ(協和メデッ
クス社製)20mgを添加した。この反応液を室温25℃
で31時間攪拌した。反応の進行状況は、HPLCで分
析をおこない、転換率47%でアセチル化が進行し(3
S)−N−ベンジル−3−アセトキシピロリジンが生成
した。
【0032】光学純度35.2%ee。未反応の(3R)−
N−ベンジル−3−ピロリジノールの光学純度は31.3
%eeであった(光学純度の測定は実施例1と同様におこ
なった。)。
【0033】実施例3 (3R)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの製造
(3) ラセミ体のN−ベンジル−3−ピロリジノール、60mg
をトルエン2mlに溶解し、酢酸ビニル109μl (3.5
当量)、リパーゼアマノP(天野製薬社製)20mgを添
加した。この反応液を室温25℃で6.5時間攪拌した。
反応の進行状況は、HPLCで分析をおこない、転換率
53%でアセチル化が進行し(3S)−N−ベンジル−
3−アセトキシピロリジンが生成した。光学純度8 9%
ee。未反応の(3R)−N−ベンジル−3−ピロリジノ
ールの光学純度は100%eeであった(光学純度の測定
は実施例1と同様におこなった。)。
【0034】実施例4 (3R)−N−ベンジル−3−ピロリジノールの製造
(カラムによる反応) 9mmφ×200mmのカラムにリパーゼアミノP2.4gを
セライト24gと混合した物をトルエンで懸濁しカラム
に充填した。そこにラセミ体のN−ベンジル−3−ピロ
リジノールをトルエンに溶解し、酢酸ビニルを添加した
溶液(基質濃度:50mg/ml、酢酸ビニル3.5当量)の
混合液を室温25℃で通した。カラムより溶出した反応
液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製を行い、低極性および高極性の2種の油状物質を得
た。これらの物質は、実施例1と同様の物性を示し、
(3R)−N−ベンジル−3−アセトキシピロリジンお
よび(3S)−N−ベンジル−3−ピロリジノールと同
定した。なお、この反応に於ける流速、転換率、光学純
度、カラム効率との関係を第1表および第2表に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】実施例5 反応液中の(R)体の反転を伴う(3S)−N−ベンジ
ル−3−ピロリジノールの製造 ラセミ体のN−ベンジル−3−ピロリジノール100mg
をt−ブチルメチルエーテル10mlに溶解し、酢酸ビニ
ル0.2mlを添加し、リパーゼアミノPを35mg加え、2
5℃で3時間40分攪拌した。反応液からろ過により、
リパーゼを除去した。ろ液にそのままテトラヒドロフラ
ン2mlを加え、塩化メタンスルホニルを90μl 、トリ
エチルアミンを170μl 添加して、20℃で20時間
攪拌をおこなった。反応液に飽和重曹水を加え、さらに
酢酸エチルで抽出をおこない、有機層を飽和重曹水、飽
和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ
過後、減圧濃縮を行った。残さに、ジメチルスルホキシ
ド2mlを加え、無水酢酸ナトリウム250mgを添加し
て、120℃で50分間攪拌した。反応液を冷却後、水
を加え、酢酸エチルで抽出を行い、有機層を飽和食塩水
で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過、減
圧濃縮をおこなった。残さをエーテルに溶解し、0.5mm
の厚さの薄層クロマトグラフィー(TLC)板にのせ、
ヘキサン/酢酸エチル=1/1展開を行い、目的物部分
をかきとり、酢酸エチルで抽出し、減圧濃縮をおこなっ
た。残さを、メタノール2mlに溶解し、2規定の水酸化
ナトリウム水溶液を0.5ml添加し25℃で1時間攪拌を
おこなった。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出をお
こなった。有機層は、飽和食塩水で洗浄を行い、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮を行い油状物質
83mgが得られた。収率83%。このものは実施例1の
N−ベンジル−3−ピロリジノールと同様の物性を示し
N−ベンジル−3−ピロリジノールと同定した。また、
実施例1と同様の方法により光学純度を測定した結果、
91%eeと決定した。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、β−ラクタム系抗生物
質やジヒドロピリジン系化合物など医薬品として有用な
光学活性化合物の重要中間体である光学活性な3−ピロ
リジノール誘導体を高収率で製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(III) 【化1】 (式中、R1 は、置換もしくは非置換のベンジル基、ア
    ルカノイル基またはアロイル基を表わす。)で表わされ
    る化合物〔以下、化合物(III)と略す。〕と、式(IV) 【化2】 (R2 は、アルキル基またはアリール基を表わし、R3
    は水素、アルキル基、アルケニル基、アルカノイル基ま
    たはアロイル基を表わす。)で表わされる化合物とを、
    化合物(III) を立体選択的にアシル化する活性を有す
    る酵素源の存在下反応させ、式(I) 【化3】 (式中、R1 およびR2 は前記と同義である。また★は
    その炭素に関して光学活性であることを表わす。)及び
    式(II) 【化4】 (式中、R1 は前記と同義である。また★はその炭素に
    関して光学活性であることを表わす。)で表わされる3
    −ピロリジノール誘導体の光学活性体を取得することを
    特徴とする3−ピロリジノール誘導体の光学活性体の製
    造法。
JP3227292A 1992-02-19 1992-02-19 光学活性な3−ピロリジノール誘導体の製造法 Withdrawn JPH05227991A (ja)

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