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JPH05173221A - 特殊撮影機能付カメラ - Google Patents

特殊撮影機能付カメラ

Info

Publication number
JPH05173221A
JPH05173221A JP3356784A JP35678491A JPH05173221A JP H05173221 A JPH05173221 A JP H05173221A JP 3356784 A JP3356784 A JP 3356784A JP 35678491 A JP35678491 A JP 35678491A JP H05173221 A JPH05173221 A JP H05173221A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photographing
exposure
focus
mode
special
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3356784A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Tokura
剛 戸倉
Akira Karasawa
明 柄沢
Etsuro Koto
悦朗 古都
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP3356784A priority Critical patent/JPH05173221A/ja
Priority to US07/935,831 priority patent/US5253007A/en
Publication of JPH05173221A publication Critical patent/JPH05173221A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Exposure Control For Cameras (AREA)
  • Focusing (AREA)
  • Shutter-Related Mechanisms (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 煩雑な操作を使用者に強要することなく、且
つシャッタチャンスを逃すことなく、特殊効果を得るた
めの撮影を容易に実現させる。 【構成】 モ−ド選択手段2にて特殊撮影モ−ドが選択
され、この状態でレリ−ズ操作がなされることにより、
焦点位置変更手段52,53,55及び露出制御手段3
3それぞれを制御し、同一の感光部位に、まず撮影用光
学系51の合焦位置における露出を、次いで撮影用光学
系の非合焦位置における少なくとも1回の露出を連続し
て多重露出する特殊撮影実行手段1を設け、特殊撮影モ
−ドが選択された撮影に際しては、同一の感光部位に、
最初に撮影用光学系の合焦位置における写し込み(露
出)を行い、次いで非合焦位置における少なくとも1回
の写し込みを、自動的に連続して行うようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同一の感光部位に、撮
影用光学系の合焦位置における露出と撮影用光学系の非
合焦位置における少なくとも1回の露出とを多重露出す
る特殊撮影を行うことのできる特殊撮影機能付カメラの
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な写真撮影は、撮影光学系の焦点
位置が合焦位置にある時、適正な露出制御値に基づいて
露出を行う事が普通である。しかし、写真表現の多様化
に伴い、様々な特殊撮影効果の手法が生れている。中で
も、ソフトフォ−カス撮影は、人物(ポ−トレ−ト)や
静物の写真でその効果を大きく発揮するものである。
【0003】このソフトフォ−カス撮影は大別すると、
ソフトフォ−カス撮影用のフィルタを利用する方法と、
ソフトフォ−カス撮影用レンズを利用する方法があり、
前者のソフトフォ−カス撮影用のフィルタを利用する方
法には、ワセリンなどの油脂分を塗布したスカイライト
フィルタを撮影レンズの直前に取り付けたり、微細な凹
凸加工を施したフィルタを撮影レンズの直前に取り付け
る方法が知られている。また、後者で用いられるソフト
フォ−カス撮影用レンズとは、高次の球面収差により被
写体像の周囲に淡いフレア−を発生させて、幻想的な効
果を出す撮影光学系である。
【0004】また、最近では、コンピュ−タを利用した
高度な設計技術により、通常の使用状態では一般のレン
ズと同じ収差のない光学系のレンズであるが、光学系内
の少なくとも一枚以上のレンズを光軸方向に移動させる
ことで、高次の球面収差を発生させるソフトフォ−カス
撮影光学系のレンズになるものも発明されている。
【0005】また、前述のソフトフォ−カス撮影方法の
他に、通常のカメラとレンズを用いてソフトフォ−カス
撮影を行う方法として、フィルムの同一駒に対して、合
焦している被写体像と非合焦状態の被写体像の両方を写
し込む多重露出による方法などが知られている。
【0006】前述のワセリンなどの油脂分を塗布したス
カイライトフィルタを撮影レンズの直前に取り付ける方
法では、フィルタの保管や持ち運びが不便であるうえ、
ソフトフォ−カス効果の有無に合せてフィルタの取付作
業をしなければならないという煩雑さがあり、屋外での
気軽なスナップ撮影などに利用するには不向きである。
また、微細な凹凸加工を施したフィルタを撮影レンズの
直前に取り付ける方法も、同様に、一般撮影とソフトフ
ォ−カス撮影を撮り分けるには不便な方法である。
【0007】その点で、前述の一般撮影用とソフトフォ
−カス撮影用とに切り換えられるレンズであれば、特別
に携帯する物もなく、煩雑な取付作業も無く、一般撮影
とソフトフォ−カス撮影とを瞬時に切り換えられるの
で、フィルタに較べればはるかに便利であるが、一眼レ
フカメラの持つ「レンズ交換ができる」という長所を著
しく損なっている。また、高次の球面収差を利用する為
に絞りが開放付近でのみ効果を発揮するため、屋外など
の被写体照度が高く、絞り込まなければならない場所で
は効果が発揮されないという欠点を合せ持っている。
【0008】以上の諸種の欠点を克服することのできる
ものが、先の多重露出によるソフトフォ−カス撮影であ
ると云える。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この多
重露出によるソフトフォ−カス撮影においても、以下の
ようなカメラ操作の煩雑さが問題となっていた。
【0010】先ず、カメラ操作の煩雑さが問題となる。
つまり、最初に多重露出モ−ドにセットし、その後、多
重露出効果が適正となるように測光値を基に多重撮影に
おける1回毎の露出値を決め、露出補正しなければなら
ない。しかも、最適なソフトフォ−カス効果を生み出す
ためには、非合焦撮影時における非合焦量や、合焦撮影
時と非合焦撮影時との露出配分、さらには非合焦撮影の
回数等、考慮しなければならない項目が多数ある。
【0011】以上の様に、この多重露出方法でソフトフ
ォ−カス効果のある写真を撮影するには、豊富な経験と
知識、感を必要とするため、初心者には困難な操作方法
であった。ましてや、主被写体のシャッタチャンスを狙
うことは極めて至難であった。
【0012】また、別の問題として、多重露出1回目の
露光終了後の操作は、被写体が動くことによるブレを防
止するために極めて迅速に行わなければならない。その
ためには、カメラの迅速な操作が必要であると共に、カ
メラの動作シ−ケンスを改めて見直し、他の一般撮影モ
−ドとは異なるような多重露出1回目以降の多重露出が
少しでも速く写し込める特殊な動作シ−ケンスが必要で
ある。これは、例えば通常は絞り開放状態にあり、通電
することにより所定の絞り状態になり、更に通電するこ
とにより元の絞り開放状態に戻る電磁駆動絞りを備えた
カメラにおいては、多重1回目の露出時の絞り込み動作
の為に絞り込み動作時間の待機と2回目の通電を要し、
多重露出2回目以降にも毎回絞り込み動作時間の待機と
2回の通電を要することになり、ここに絞り込み動作時
間の問題に加えて、電源電池の消耗がという問題も生じ
てしまうからである。
【0013】更に、別の問題として、多重露出1回目の
露光終了後の操作は、被写体が動くことによるブレを防
止するために極めて迅速に行わなければならず、そのた
めには、カメラの迅速な操作が必要であると共に、カメ
ラの動作シ−ケンスを改めて見直し、他の一般撮影モ−
ドとは異なるような多重露出1回目以降の多重露出が少
しでも速く写し込める特殊な動作シ−ケンスが必要であ
る。これは、例えばカメラ内に情報写し込み装置を内蔵
している場合、多重撮影中、毎回情報を写し込むと情報
の写し込み時間を毎回待機する必要があり、多重撮影の
露出間隔が長くなる恐れがある。また、多重露出結果が
適正となるように写し込み時間を多重露出の各回毎に制
御するための複雑な演算を必要とし、それに要する時間
と情報写し込み装置と該装置の制御回路との通信時間も
必要となる。
【0014】さらに、通常の情報写し込み装置では、フ
ィルム上の写し込み位置は1か所のみに固定されている
ので、日付や時刻等の情報を写し込む場合、多重撮影の
回数に合せて情報を写し込むと、異なる絵文字の情報が
重ねて写し込まれてしまう恐れもある。
【0015】更に、別の問題として、多重露出1回目の
露光終了後の操作は、被写体が動くことによるブレを防
止するために極めて迅速に行わなければならない。特に
閃光発光を行った撮影時には、閃光装置のメインコンデ
ンサへの充電時間が必要となるため、各回毎に閃光発光
を行ったので露出間隔が非常に長くなってしまう不都合
がある。
【0016】更に、別の問題として、多重露出1回目は
被写体に合焦している時に行う必要があるが、AFモ−
ドとして合焦信号よりもレリ−ズ信号を優先するAFモ
−ドが誤って設定されてしまった場合、合焦していなく
てもレリ−ズがなされればこれが優先となって撮影が実
行されるため、合焦状態での露出が1回も行われなくな
り、意図したソフトフォ−カス撮影ができないといった
恐れがあった。
【0017】本発明の第1の目的は、煩雑な操作を使用
者に強要することなく、且つシャッタチャンスを逃すこ
とのなく、特殊効果を得るための撮影を容易に実現させ
ることのできる特殊撮影機能付カメラを提供することで
ある。
【0018】本発明の第2の目的は、煩雑な操作を使用
者に強要することなく、容易に被写体のブレの少ない美
しいソフトフォ−カス効果を得るための撮影を実現させ
ると共に、電力消費を抑えることのできることのできる
特殊撮影機能付カメラを提供することである。
【0019】本発明の第3の目的は、煩雑な操作を使用
者に強要することなく、容易に被写体のブレの少ない美
しいソフトフォ−カス効果を得るための撮影を実現させ
ると共に、適正な情報の写し込みを行うことのできるこ
とのできる特殊撮影機能付カメラを提供することであ
る。
【0020】本発明の第4の目的は、煩雑な操作を使用
者に強要することなく、容易に被写体のブレの少ない美
しいソフトフォ−カス効果を得るための閃光撮影を実現
させることのできることのできる特殊撮影機能付カメラ
を提供することである。
【0021】本発明の第5の目的は、煩雑な操作を使用
者に強要することなく、容易に意図した焦点状態におけ
るソフトフォ−カス撮影を実現させることのできること
のできる特殊撮影機能付カメラを提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、モ−ド選択手
段にて特殊撮影モ−ドが選択され、この状態でレリ−ズ
操作がなされることにより、焦点位置変更手段及び露出
制御手段それぞれを制御し、同一の感光部位に、最初に
撮影用光学系の合焦位置における露出を、次いで撮影用
光学系の非合焦位置における少なくとも1回の露出を、
連続して多重露出する特殊撮影実行手段を設けている。
【0023】また、モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ド
が選択され、この状態でレリ−ズ操作がなされることに
より、焦点位置変更手段及び露出制御手段それぞれを制
御し、同一の感光部位に、撮影用光学系の合焦位置にお
ける露出と撮影用光学系の非合焦位置における少なくと
も1回の露出を連続して多重露出する特殊撮影実行手段
と、モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選択された際
には、多重露出1回目で設定した絞り値に該特殊撮影終
了まで固定する絞り制御手段とを設け、また、モ−ド選
択手段にて特殊撮影モ−ドが選択された際には、所定の
絞り状態とするために電磁駆動絞り手段へ通電し、その
後該特殊撮影終了がすることにより絞りを開放状態に戻
す為に再度前記電磁駆動絞り手段への通電を行う通電制
御手段とを設けている。
【0024】また、モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ド
が選択され、この状態でレリ−ズ操作がなされることに
より、焦点位置変更手段及び露出制御手段それぞれを制
御し、同一の感光部位に、撮影用光学系の合焦位置にお
ける露出と撮影用光学系の非合焦位置における少なくと
も1回の露出を連続して多重露出する特殊撮影実行手段
と、モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選択された際
には、多重露出中の1回のみ情報写し込み手段を動作さ
せる写し込み制御手段とを設けている。
【0025】また、モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ド
が選択され、この状態でレリ−ズ操作がなされることに
より、焦点位置変更手段及び露出制御手段それぞれを制
御し、同一の感光部位に、最初に撮影用光学系の合焦位
置における露出を、次いで撮影用光学系の非合焦位置に
おける少なくとも1回の露出を、連続して多重露出する
特殊撮影実行手段と、モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−
ドが選択された際には、撮影用光学系の合焦位置におけ
る露出時にのみ閃光装置を発光させる閃光発光制御手段
とを設けている。
【0026】また、モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ド
が選択され、この状態でレリ−ズ操作がなされることに
より、焦点位置変更手段及び露出制御手段それぞれを制
御し、同一の感光部位に、撮影用光学系の合焦位置にお
ける露出と撮影用光学系の非合焦位置における少なくと
も1回の露出を連続して多重露出する特殊撮影実行手段
と、モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選択された際
には、合焦位置における露出時は、前記焦点検出手段か
ら合焦信号が出力されるまで、露光を許可しない露光禁
止手段とを設けている。
【0027】
【作用】特殊撮影モ−ドが選択された撮影に際しては、
同一の感光部位に、最初に撮影用光学系の合焦位置にお
ける写し込み(露出)を行い、次いで非合焦位置におけ
る少なくとも1回の写し込みを、自動的に連続して行う
ようにしている。
【0028】また、特殊撮影モ−ドが選択された撮影に
際しては、同一の感光部位に、撮影用光学系の合焦位置
における写し込み(露出)と非合焦位置における少なく
とも1回の写し込みとを自動的に連続して行うと共に、
絞り制御手段、或は、通電制御手段により、露出1回目
で設定した絞り値のままでその後の多重撮影を続行する
ようにして、多重露出の間隔を短くしている。
【0029】また、特殊撮影モ−ドが選択された撮影に
際しては、同一の感光部位に、撮影用光学系の合焦位置
における写し込み(露出)と至非合焦位置における少な
くとも1回の写し込みとを自動的に連続して行うと共
に、多重露出中の1回のみ情報の写し込みを自動的に行
わせるようにして、多重露出の間隔を短くしている。
【0030】また、特殊撮影モ−ドが選択された撮影に
際しては、同一の感光部位に、最初に撮影用光学系の合
焦位置における写し込み(露出)を、次いで非合焦位置
における少なくとも1回の写し込みを、自動的に連続し
て行うと共に、主被写体が合焦している最初の多重露出
時のみ閃光発光させ、合焦していない時には閃光発光さ
せないようにして、多重露出の間隔を短くしている。
【0031】また、特殊撮影モ−ドが選択された撮影に
際しては、同一の感光部位に、最初に撮影用光学系の合
焦位置における写し込み(露出)を、次いで非合焦位置
における少なくとも1回の写し込みを、自動的に連続し
て行うと共に、撮影光学系が合焦位置に達すると、多重
露出の1回目が終了するまではこの合焦状態を保持し、
最初の多重露出が合焦位置にて確実になされるようにし
ている。
【0032】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例における特殊効
果撮影可能なカメラの概略構成を示す図である。
【0033】図1において、1はカメラの各処理を制御
するマイクロコンピュ−タ(以下、マイコンと記す)、
2は撮影モ−ドを入力する撮影モ−ドダイアル、3は被
写体輝度測定用の測光センサ23の出力信号をマイコン
1に取り込む為のA/D変換器、4はAFユニット60
内のラインセンサからの出力信号をマイコン1に取り込
むためのA/D変換器、SW1はレリ−ズボタンの押圧
に連動してその1段目でONする起動スイッチ、SW2
はレリ−ズボタンの押圧に連動してその2段目でONす
るレリ−ズ開始スイッチ、SW3はカメラの背蓋の開閉
を検出する背蓋開閉検出スイッチ、SW4はカメラのパ
トロ−ネ室にフィルムが装填されていることを検出する
フィルム装填検出スイッチ、23は前出の被写体輝度測
定用の測光センサ、30はシャッタユニット、40はミ
ラ−ユニット、50は撮影レンズユニット、51は焦点
位置調節可能な撮影レンズ、52は焦点調節用モ−タ、
53は焦点調節用モ−タ52の駆動量を検出するエンコ
−ダ、54はレンズの透過光量を調節する電磁駆動絞り
装置、55はレンズユニット制御回路、60は前出の焦
点位置検出用のAFユニットである。
【0034】71は内蔵型閃光装置の閃光撮影制御回
路、72は内蔵型受光レンズ、73は内蔵型受光セン
サ、74は内蔵型閃光装置の閃光放電管である。SWS
は前記閃光撮影制御回路71に閃光撮影指示を設定する
ためのスイッチであり、後述の外付け型閃光装置が該カ
メラに装着された際には該装置による閃光撮影指示を前
記閃光撮影制御回路71に行うものである。
【0035】80は外付け型閃光装置、81は外付け型
閃光装置80の閃光撮影制御回路、82は外付け型閃光
装置80の閃光放電管である。
【0036】91は撮影年月日等の情報をフィルム面に
写し込む際の制御を行う情報写し込み制御回路、92は
情報写し込み用発光ダイオ−ド、93は情報写し込み用
液晶表示器であり、これらでデ−タ写し込み装置が構成
される。
【0037】図2は、上記カメラの測光系及びAF系を
示す図である。
【0038】図2において、21はファインダ用ペンタ
プリズム、22は測光センサ23に像を結像させるため
の測光光学系、31はフォ−カルプレ−ンシャッタ駆動
装置、32はフォ−カルプレ−ンシャッタの先幕、33
はフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕、41は後述のメ
インミラ−の駆動(上昇,下降)やフィルム給送用、更
にはシャッタのチャ−ジを行う不図示のモ−タにより回
転せられるミラ−駆動軸、42はファインダ部分とAF
部分とに光路を分割するための半透過なメインミラ−、
43は前記光路を分割されたAF用の光束をAFユニッ
ト60に導く為のサブミラ−である。
【0039】上記の図2を用いてカメラの露光シ−ケン
スを説明すると、レリ−ズボタンの2段目までの押圧操
作がなされることにより、レリ−ズ開始スイッチSW2
がONとなり、レリ−ズシ−ケンスが開始される。
【0040】すなわち、マイコン1は不図示のモ−タを
駆動させてメインミラ−42をファインダ側へ上昇(ミ
ラ−駆動軸41を介して)させる。この時、メインミラ
−42の上昇と共にサブミラ−43はメインミラ−42
の裏側に折り畳まれ、撮影レンズ51とフィルム面との
間の光路を妨害することはない。メインミラ−42がフ
ァインダ側に上昇し終えると、マイコン1は次にフォ−
カルプレ−ンシャッタ駆動装置31にフォ−カルプレ−
ンシャッタの先幕32の走行を指示する。これにより、
多重1回目の露光が開始される。そして、露出演算に基
づいたシャッタ秒時経過後、マイコン1はフォ−カルプ
レ−ンシャッタ駆動装置31にフォ−カルプレ−ンシャ
ッタの後幕33の走行を指示する。これにより、フィル
ムへの多重1回目の露光が終了する。また、閃光撮影を
行う時はマイコン1は、フォ−カルプレ−ンシャッタの
先幕32の走行が完了し後幕33が走行する前に、閃光
撮影制御回路71へ閃光放電管74の発光開始の指示を
行う。
【0041】次に、マイコン1はモ−タを駆動させてフ
ァインダ側へ上昇していたメインミラ−42を下降させ
る。この時、メインミラ−42の裏側に折畳まれていた
サブミラ−43はメインミラ−42の下降と共に元の位
置に復帰する。また、前述のメインミラ−42の下降と
同時にシャッタ駆動用のバネのチャ−ジがなされる。そ
して撮影レンズ51を駆動させて焦点位置を所定量だけ
デフォ−カスさせて多重2駒目の露光の準備を行う。次
に、モ−タを駆動させてメインミラ−42をファインダ
側へ上昇させる。この時、処理時間の短縮が必要であれ
ば、撮影レンズ51の駆動とメインミラ−42の駆動を
同時に行う事も可能である。この後、撮影レンズ51の
駆動終了とメインミラ−42の上昇終了で、第1回目へ
の露光と同様に、シャッタ駆動装置31にフォ−カルプ
レ−ンシャッタの先幕32の走行を指示する。これによ
り、多重2回目の露光が開始される。そして、指定時間
の経過後、マイコン1はフォ−カルプレ−ンシャッタ駆
動装置31にフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕33の
走行を指示する。これにより、フィルムへの多重2回目
の露光が終了する。但し、閃光撮影状態であっても、多
重2回目の露光の時は閃光撮影は行わない。次に、モ−
タを駆動させてファインダ側へ上昇していたメインミラ
−42を下降させる。この時、メインミラ−42の裏側
に畳まれていたサブミラ−43はメインミラ−42の下
降と共に基の位置に復帰する。また、上記メインミラ−
42の下降と同時にシャッタ駆動用のバネをチャ−ジす
る。
【0042】以上で、1駒に対する多重1回目,2回目
の露光が完了し、その後フィルムを1駒給送して次の駒
の撮影に備える。
【0043】図3は、上述したソフトフォ−カス撮影時
における動作説明を助けるための図である。
【0044】図3(a)は、被写体を合焦状態にしてフ
ィルム面に写し込む際、つまり多重1回目の撮影状態を
示す図で、フィルム面には鮮鋭な被写体像が投影されて
いる。
【0045】図3(b)は、被写体を非合焦状態にして
フィルム面に写し込む際、つまり多重2回目の撮影状態
を示す図で、フィルム面にはボケた被写体像が投影され
ている。
【0046】図3(c)は、最終的にフィルムに露光さ
れる被写体像を説明するための図で、多重1回目の鮮鋭
な被写体像と多重2回目のボケた被写体像とが合成され
てソフトフォ−カス効果が出ている。
【0047】図4は上記のソフトフォ−カス撮影時にお
けるタイミングチャ−トである。
【0048】ここでは、モ−タの逆転でメインミラ−4
2の上昇とチャ−ジ,更には下降を、正転でフィルム給
送を行うカメラを例にして説明する。また、このカメラ
の絞り装置は、ステッピングモ−タに通電する事で絞り
が絞られ、その後、通電OFF状態ではその絞り状態を
保持したままであり、再度通電されて絞り開放となるよ
うな電磁駆動絞り装置である。また、フォ−カルプレ−
ンシャッタの先幕,後幕はカメラのスタンバイ状態では
機械的に保持されており、機械的保持が無くなる前にマ
グネットが通電されて吸着保持され、先幕,後幕共に、
走行開始タイミングに合せて通電をOFFするようなシ
ャッタ機構であるものとする。
【0049】更に、ここで用いられている情報写し込み
装置は、発光ダイオ−ド92の点灯により液晶表示器9
3を介してフィルム面を感光させることで日付などの情
報を写し込むもので、使用しているフィルム感度(IS
O感度)に対応して該発光ダイオ−ド92の点灯時間を
制御して適正な露光量を調整する。したがって、使用フ
ィルムのISO感度が低感度であった場合には、発光ダ
イオ−ド92の点灯時間が非常に長くなり、情報写し込
みに長い時間を要する。
【0050】以下に、図4のタイミングチャ−トに基づ
いて説明する。
【0051】レリ−ズボタンの押圧に連動して起動スイ
ッチSW1がONとなると、測光、測距動作が開始さ
れ、次いで測距演算結果に基づいた位置へのレンズ駆動
が開始される。合焦後、露光シ−ケンスに入るべくレリ
−ズ開始スイッチSW2がONとなると、モ−タの逆転
が開始され、メインミラ−43が上昇し始める。この
時、シャッタ先幕用マグネットと後幕マグネットへの通
電がなされアマ−チャの吸着保持がなされた後に、先幕
32,後幕33の走行を禁止していた機械的保持状態が
開放される。メインミラ−43の上昇が完了すると、ミ
ラ−アップ状態を示す信号MRUPがON(“L”)と
なり、絞り信号EMDが“H”となって前述の電磁駆動
絞りが作動する。
【0052】次に、シャッタ先幕用マグネットへの通電
がOFFされ、これにより先幕32が走行し、次いで露
出演算に基づいたシャッタ秒時経過後にシャッタ後幕用
マグネットへの通電がOFFされ、これにより後幕33
が走行する。この時、後幕用マグネットへの通電がOF
Fされるタイミングで前述の発光ダイオ−ド92(図4
ではDLEDで示している)の発光開始信号DONが発
生し(図4参照)、該発光ダイオ−ド92が点灯する。
そして、使用フィルムに対応した適正露光量となるよう
な該発光ダイオ−ド92の点灯時間経過後、発光ダイオ
−ド92に発光停止のタイミングを知らせる信号DOF
Fが発生し(図4参照)、該発光ダイオ−ドの発光が停
止する。すなわち、前記発光ダイオ−ド92の停止信号
DOFFが発生する前に、後幕33の走行完了を示す信
号CN2が“H”となると、モ−タが再度逆転され、メ
インミラ−43は下降し始め、上記信号MRUPはOF
F(“H”)となる。この時同時に、シャッタチャ−ジ
が行われ、その後、後幕走行完了を示す信号CN2は
“L”となる。上記モ−タの逆転は前記シャッタのチャ
−ジ完了信号SCHが発生(“H”)となるまで行われ
る。
【0053】上記のシャッタチャ−ジ中に、多重2回目
の非合焦撮影の為に所定駆動量だけ撮影レンズ51が駆
動され、該撮影レンズ51が所定の駆動を完了すると、
続けて再度モ−タの逆転が行われ、多重2回目の露光シ
−ケンスに入る。
【0054】なお、この時、シャッタのチャ−ジ完了信
号SCHの発生と撮影レンズ51の駆動完了のどちらか
が先になるかはレンズ駆動量や駆動速度によるので、そ
の状況によって異なる。ここではシャッタのチャ−ジ完
了信号SCHの発生よりもレンズ駆動完了の方が遅かっ
た場合のタイミングチャ−トとなっている為、撮影レン
ズ51の駆動完了を待って2回目の露光シ−ケンスに入
る。
【0055】2回目の露光シ−ケンスに入ると、先ずモ
−タの逆転が行われ、これによりメインミラ−43が上
昇し始め、ミラ−アップが完了するとミラ−アップ状態
を示す信号MRUPがONされる。次に、フォ−カルプ
レ−ンシャッタの先幕32が走行し、露出演算に基づい
たシャッタ秒時経過後に後幕33が走行する。そして、
この後幕33の走行完了を示す信号CN2が“H”ON
となると、モ−タが再度逆転され、メインミラ−43は
下降し始め、上記信号MRUPはOFFとなる。この
時、多重1回目の露光時に絞ったままの状態にある前述
の電磁駆動絞りに再度通電がなされ、絞りを開放にす
る。そしてミラ−ダウンと同時にシャッタのチャ−ジが
行われ、その後、後幕走行完了を示す信号CN2は
“L”となる。上記モ−タの逆転は前述と同様、前記シ
ャッタのチャ−ジ完了信号SCHが発生となるまで行わ
れる。
【0056】以上でソフトフォ−カス撮影のレリ−ズシ
−ケンスが終了し、モ−タが正転されてフィルムの1駒
給送が行われる。
【0057】なお、図4中のFLMVはフィルムが給送
されている時に発生するパルス信号で、所定回数カウン
ト後に上記モ−タへの通電がデュ−ティ制御されてブレ
−キがかけられ、該モ−タは停止し、次の撮影に備える
ことになる。
【0058】ここで、多重2回目の非合焦撮影の為のレ
ンズ駆動量について述べる。
【0059】レンズ駆動量算出式は、以下の通りであ
る。
【0060】P={(n×F×δ)/s}/d なお、Pはレンズ駆動量(レンズ駆動パルス数)、Fは
絞り値、δは最小錯乱円、sはレンズの敏感度、dはレ
ンズ送りピッチである。nは要求するデフォ−カス倍率
であり、このnの値により多重2回目の非合焦量が決定
され、ソフトフォ−カス効果の程度を左右する。本実施
例では後述するように「n=50」としている。
【0061】また、多重2回目の非合焦撮影の為のレン
ズ駆動方向については、まず至近側に駆動する。これは
主被写体よりも至近側に別の被写体が存在する確率が低
いからである。但し、レンズを駆動した結果、上記の式
により算出された所定駆動量を満たさなかった場合は、
至近端に突き当たった後に∞端側に所定駆動量分、レン
ズを再駆動する。この時、上記の式により算出された所
定駆動量と個々のレンズの持つ最大デフォ−カス量とを
比較し、場合によっては、レンズを駆動した結果が所定
駆動量を満たさなくても至近端で停止するようにしても
良い。
【0062】次に、多重1回目の合焦撮影時と多重2回
目の非合焦撮影時の露出配分について述べる。
【0063】通常の多重撮影は、一般に各回の露出は全
て均等であるため、露出比は「1:1」であるが、様々
な特殊効果を狙って露出比も「1:1」に限らずいろい
ろな露出比を選択する事でソフトフォ−カス効果の程度
を変えることができる。多重2回目の露出量を多重1回
目の露出量より大きくすれば、合焦像が薄くなり、全体
的にソフトソ−カス効果の程度が大きくなる傾向にある
が、撮影シ−ンに合せて単なるピントボケ写真にならな
いように適度な露出比を選択する必要があるが、本発明
においては直接関係ないので、これ以上については言及
しない。
【0064】また、上記の撮影要素をいろいろ組み合せ
ることにより、本実施例におけるソフトソ−カス撮影モ
−ドにセットした状態でソフトソ−カス効果の程度を任
意に選択可能としても良い。
【0065】図5及び図6は図1に示す本実施例におけ
るカメラのマイコン1の動作を示すフロ−チャ−トであ
り、以下これにしたがって説明する。 「ステップ1001」 I/O(マイコン周辺IC)の
リセットやメモリの初期化を行う。この時、不図示の動
作継続タイマもリセットされる。 「ステップ1002」 背蓋開閉スイッチSW3やフィ
ルム装填スイッチSW4等の状態より、背蓋が閉じてフ
ィルムが装填されている状態であり、且つプリワインド
前か否かを判別し、プリワインド前であればステップ1
003へ進み、プリワインド不要であればステップ10
05へ進む。 「ステップ1003」 フィルムの突っ張りを検出する
までフィルムをフィルム巻取りスプ−ルへ巻取る。即
ち、全てのフィルムを一旦フィルム巻取りスプ−ルに巻
取る。また、プリワインド動作中に前記フィルム移動手
段からの信号を計数してフィルムの撮影可能駒数(規定
駒数)を検出し、記憶する。ここで、上記のフィルムの
突っ張り検出は、フィルムのパ−フォレ−ションの移動
を検出する不図示のフィルム移動検出手段からの信号が
ある一定時間発生しないことで行っている。 「ステップ1004」 不図示のDXコ−ド読取手段に
よりフィルム感度情報を読み取り、記憶する。この時、
フィルムがDXコ−ドに対応していない場合には、フィ
ルム感度は撮影者により入力されるが、この値を記憶す
ることになる。 「ステップ1005」 撮影モ−ドダイアル2で選択さ
れている撮影モ−ドを読み取り、現在の撮影モ−ドを記
憶する。この時同時に、内蔵型閃光装置の閃光撮影制御
回路71を通じて閃光撮影指示スイッチSWSの状態を
読み取り、定常光による撮影であるかそれとも閃光撮影
の指示がなされているかの判別を行い、この結果を記憶
する。 「ステップ1006」 上記ステップ1005で定常光
による撮影であることが記憶されている場合にはステッ
プ1010へ進み、閃光撮影の指示がなされている場合
は、この時閃光装置のメインコンデンサの充電が完了し
ているか否かを判別し、充電が完了していなければステ
ップ1007へ進み、充電が完了していればステップ1
008へ進む。 「ステップ1007」 ここでは充電が完了していない
ので、閃光撮影制御回路71へ充電の指示を行い、ステ
ップ1006へ戻る。充電が完了するまではこのル−プ
が繰り返し行われる。 「ステップ1008」 閃光装置のメインコンデンサへ
の充電が完了したので、閃光撮影制御回路71へ充電の
停止指示を行う。 「ステップ1009」 充電完了フラグをセットする。 「ステップ1010」 レリ−ズボタンの1段までの押
圧操作がなされ、起動スイッチSW1がONしているか
否かを判別する。この結果、ONしていればステップ1
011へ進み、OFFであればステップ1017へ進
む。 「ステップ1011」 動作継続タイマをリセットし、
動作時間を延長する。 「ステップ1012」 撮影レンズ51でファインダに
結像される像の一部はペンタプリズム21を透過した
後、測光光学系22で測光センサ23に導かれるが、こ
こではマイコン1は前記測光センサ23の出力を取り込
んでA/D変換した後、測光値として記憶する。 「ステップ1013」 上記ステップ1012で記憶し
た測光値と前記ステップ1004で記憶したフィルム感
度情報と前記ステップ1005で記憶した撮影モ−ドと
により、シャッタ速度と絞り値とを算出し、記憶する。
また、撮影モ−ドが閃光撮影モ−ドであり、シャッタ速
度が閃光同調速度より高速度である場合には、シャッタ
速度を強制的に閃光同調速度に設定し直し、これを記憶
する 「ステップ1014」 撮影レンズ51を通過した像は
メインミラ−42を透過し、サブミラ−43でAFユニ
ット60に導かれ、ここで瞳分割手段によって1対の像
に分割されてラインセンサ61で電気信号に変換される
が、マイコン1はこのラインセンサ61の出力信号を取
り込んでA/D変換し、AF用の信号として記憶する。
この後、マイコン1はこのAF信号に対して相関演算な
どを施してデフォ−カス量を算出する。 「ステップ1015」 上記ステップ1010にて算出
したデフォ−カス量から合焦か否かを判別し、合焦であ
った場合にはステップ1019へ進み、そうでない場合
はステップ1016へ進む。 「ステップ1016」 前記ステップ1014でのデフ
ォ−カス量からレンズ駆動量を算出し、撮影レンズユニ
ット50内の制御回路55にこれに従った焦点調節動作
を行わせる。制御回路55は、送られてくるレンズ駆動
量にしたがって焦点調節用モ−タ52を駆動し、エンコ
−ダ53からの出力信号に基づいて撮影レンズ51の位
置決め制御を行う。そしてステップ1002へ戻る。
【0066】上記ステップ1010において起動スイッ
チSW1がOFFと判別した場合には、前述したように
ステップ1017へ進む。 「ステップ1017」 動作継続タイマの状態を判別
し、該タイマが所定カウントに達していればステップ1
018へ進み、所定カウントに達していなければステッ
プ1002へ戻る。 「ステップ1018」 不図示のDC/DCコンバ−タ
等を停止させたり、各アクチュエ−タの通電を停止させ
てカメラシステムを停止させる。
【0067】上記ステップ1015において合焦と判別
した場合は、前述したようにステップ1019へ進む。 「ステップ1019」 ここではレリ−ズ開始スイッチ
SW2がONされているか否かを判別し、ONされてい
れば図6に示すステップ1020へ進んでレリ−ズシ−
ケンスへ入り、OFFであればステップ1002へ戻
る。 「ステップ1020」 上記ステップ1013において
記憶したシャッタ速度と絞り値とを基にフォ−カルプレ
−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行開始タイミン
グを設定し、同様に、撮影レンズユニット50内の電磁
駆動絞り装置54の駆動量を設定する。 「ステップ1021」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を回転させ、メインミラ−42をファイ
ンダ側へ上昇させる。この時、サブミラ−43はメイン
ミラ−42に連動して上昇し、最終的にはメインミラ−
42側に折り畳まれる。 「ステップ1022」 ファインダで被写体像を観察す
るために開放状態にあった電磁駆動絞り装置54をステ
ップ1020で設定した絞り駆動量だけ駆動させ、撮影
用の所定の絞り状態にする。 「ステップ1023」 ステップ1020で設定したフ
ォ−カルプレ−ンシャッタの先幕32の走行開始タイミ
ングによりシャッタ駆動制御を行ってフィルムへの露光
を開始させる。 「ステップ1024」 充電完了フラグがセットされて
いるか否かを判別し、セットされていればステップ10
25へ進み、セットされていなければステップ1026
へ進む。 「ステップ1025」 充電完了フラグをリセットし、
先幕32の走行完了に同期して閃光撮影制御回路71へ
発光開始を指示する。
【0068】この信号を受ける閃光撮影制御回路71
は、外付け型閃光装置80が装着されていない時は、閃
光放電管74を発光させ、その後受光レンズ72と受光
センサ73で検出される被写体からの反射光が所定量に
達すると、発光を停止させる。また、外付け型閃光装置
80が装着されている時には、外付け型閃光撮影制御回
路81に発光指示信号を出力して閃光放電管82を発光
させ、その後受光レンズ72と受光センサ73で検出さ
れる被写体からの反射光が所定量に達すると、発光を停
止させるように前記閃光撮影制御回路81へ発光停止信
号を出力して発光を停止させる。 「ステップ1026」 上記ステップ1020で設定し
たフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕33の走行開始タ
イミングによりシャッタ駆動制御を行ってフィルムに被
写体像の写し込みを終了する。また、通常撮影モ−ド、
或はソフトフォ−カス撮影モ−ドでの多重1回目の時
は、後幕33の走行開始時点で情報写し込み制御回路9
1へ情報の写し込み指示を行う。 「ステップ1027」 前記ステップ1005において
記憶した撮影モ−ドを判別し、ソフトフォ−カス撮影モ
−ドであった場合にはステップ1034へ進み、そうで
なかった場合にはステップ1028へ進む。 「ステップ1028」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を前述とは逆方向に回転させ、メインミ
ラ−42を元の位置に下降させる。この時、メインミラ
−42に折り畳まれていたサブミラ−43は該メインミ
ラ−42に連動して元の位置に戻る。また、メインミラ
−42の下降によりシャッタのチャ−ジが行われる。 「ステップ1029」 上記ステップ1022で絞り込
んだ電磁駆動絞り装置54を開放状態になる様に該電磁
駆動絞り装置54を駆動させる。 「ステップ1030」 フィルムが装填されている時
(フィルムが有る時)はステップ1031へ進み、フィ
ルムが装填されていない時(フィルムが無い時)はステ
ップ1002へ戻る。 「ステップ1031」 フィルムのパ−フォレ−ション
の移動を検出する不図示のフィルム移動検出手段からの
信号が1駒分になるまで不図示のフィルム給送装置を駆
動してフィルムを1駒分だけ給送する。 「ステップ1032」 前記ステップ1003において
記憶したフィルムの規定駒数と現在の駒数を比較し、フ
ィルム終了したか否かを判別する。この結果、フィルム
終了でなかった場合にはステップ1002へ戻り、フィ
ルム終了であった場合にはステップ1033へ進む。 「ステップ1033」 撮影者にフィルムの終了警告を
発して、フィルムの交換の操作以外は禁止し、ステップ
1002へ戻る。
【0069】上記ステップ1027においてソフトフォ
−カス撮影モ−ドであった場合には、前述したようにス
テップ1034へ進む。 「ステップ1034」 ここではデフォ−カス量が所定
量になるようなレンズ駆動量(レンズ駆動パルス数)を
算出する。例えば、要求するデフォ−カス倍率nを「5
0」,絞り値Fを「2.8 」,最小錯乱円δを「0.035 m
m」,レンズ送りピッチdを「0.005 mm」,レンズの敏
感度sを「1.0 」として、最小錯乱円δが「0.035 m
m」,絞り値Fが「2.8 」の状態で合焦位置で多重1回
目を、そして多重2回目を所定量(50・F・δ)だけ
デフォ−カスして露光したい場合は、 P={(n×F×δ)/s}/d ={(50×2.8 ×0.035 )/1.0 }/0.005 =875[パルス] という計算を実行してレンズ駆動量を算出する。 「ステップ1035」 上記ステップ1027で算出し
た撮影レンズ51のフォ−カス駆動量を撮影レンズユニ
ット50内の制御回路に指示する。 「ステップ1036」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を回転させ、メインミラ−42を元の位
置に下降させる。この時、メインミラ−42に折り畳ま
れていたサブミラ−43は該メインミラ−42に連動し
て元の位置に戻る。また、メインミラ−42の下降によ
りシャッタのチャ−ジが行われる。 「ステップ1037」 不図示のモ−タを逆転させて上
記のステップ1029とは逆方向にミラ−駆動軸41を
回転させ、メインミラ−42をファインダ側へ上昇させ
る。この時、サブミラ−43はメインミラ−42に連動
して上昇し、最終的にはメインミラ−42側に折り畳ま
れる。 「ステップ1038」 上記ステップ1035で駆動さ
せた撮影レンズ51が停止したか否かを判別し、停止し
ていなければこのステップに留まり、その後停止したこ
とを確認するとステップ1039へ進む。 「ステップ1039」 ステップ1035で駆動させた
撮影レンズ51がステップ1034で算出した所定量
(所定のデフォ−カス量)だけ駆動できたか否かを判別
し、所定量だけ駆動できなかった場合は至近端に突き当
たったとみなしてステップ1040へ進み、所定量分の
駆動が行われた場合はステップ1045へ進む。 「ステップ1040」 上記ステップ1034で算出し
たレンズ駆動量(所定量)をP,撮影レンズ51が実際
に駆動できた駆動量をPr,撮影レンズ51の最大デフ
ォ−カス量をDとして、以下の2条件のどちらかを満た
していれば、撮影レンズ51の反転駆動の必要がないと
判断する。
【0070】(1)Pr>0.70×P (2)Pr>0.35×D/d すなわち、実際のレンズ駆動量Prが所定量Pの「70
%」以上か、実際のレンズ駆動量PrがD/dの「35
%」以上(D/dは最大駆動パルス数を表す)であれ
ば、撮影レンズ51の反転駆動の必要がないと判断す
る。(1)の条件は、PrがPの「70%」に達してい
ればソフトフォ−カス撮影の効果が得られることを意味
し、(2)の条件は、Prが最大駆動パルス数の「35
%」に達していれば、反転駆動しても所望のデフォ−カ
ス量が得られる確率が低いことを意味する。 「ステップ1041」 撮影レンズ51の反転駆動が不
要か否かを判別し、不要な場合はステップ1045へ進
み、反転駆動が必要な場合はステップ1042へ進む。 「ステップ1042」 上記ステップ1034で算出し
たレンズ駆動量Pと撮影レンズ51が実際に駆動した駆
動量Prとから、反転駆動量Pxを「Px=−(P+P
r)」なる計算により求める。 「ステップ1043」 上記ステップ1042で計算し
た撮影レンズ51の反転駆動量Pxを撮影レンズユニッ
ト50内の制御回路55へ指示し、撮影レンズ51の反
転駆動を開始させる。 「ステップ1044」 上記ステップ1043で駆動さ
せた撮影レンズが停止したか否かを判別し、停止してい
なければこのステップに留まり、その後停止したことを
確認するとステップ1045へ進む。 「ステップ1045」 ここでは上記ステップ1013
において記憶したシャッタ速度と絞り値とに基づいてフ
ォ−カスプレ−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行
開始タイミングを設定し、同時に、撮影レンズユニット
50内の電磁駆動絞り装置54の駆動量を設定する。こ
の後、一時的にソフトフォ−カス撮影モ−ドを解除して
ステップ1022へ戻る。
【0071】以上が一連の動作説明であるが、ここで、
上記のステップ1013の露光量の算出について更に詳
述する。
【0072】適正露光量の定義については多くの意見が
あるが、フィルム感度が100のフィルムに対して「0.
075 〜0.1 [lux・sec ]」とするのが一般的である。
今、「0.08[lux・sec ]」を適正露出量と考えると、露
出量Hとフィルム感度Sの積は H×S=8.0 で、露出量Hは像面照度Iと有効露出時間Tの積で与え
られるので、Bを被写体輝度、Fを絞り値、kをレンズ
の透過率等の係数として、 H=I×T=k×(B×T/F2 ) という関係式がある。上記露出量Hの関係式と、EV値
の定義式から、 EV=log2 (F2 /T) =log2 {(k×B×s)/8.0 としてEV値が算出できる。なお、被写体輝度Bは測光
センサ23により測光値として得られる。この後、前述
の計算で得られたEV値から、撮影モ−ドが通常の撮影
モ−ドであれば所定のプログラム線図にしたがってシャ
ッタ速度と絞り値との組み合せを設定し、ソフトフォ−
カス撮影モ−ドであれば、これ専用のプログラム線図に
したがってシャッタ速度と絞り値との組み合せを設定す
る。また、ソフトフォ−カス撮影モ−ドの時は、複数の
露出で適正露出となるようにソフトフォ−カス効果に合
せて多重1回目と多重2回目のシャッタ速度と絞り値と
を設定する。
【0073】さらに、閃光撮影指示であれば、ステップ
1025にて決定した絞り値とフィルム感度から露出量
が「0.1 lux・sec」となるように閃光撮影制御回
路71を介して閃光放電管74の発光を制御する。ま
た、図2では受光レンズ72と受光センサ73はカメラ
外に付加されているが、撮影レンズ50を通して受光セ
ンサ73に閃光を導く場合には、フィルム感度のみから
露出量が「0.1 [lux・sec ]」となるように閃光撮影制
御回路71を介して閃光放電管74の発光を制御する。
【0074】なお、この実施例では、多重撮影回数とし
て2回の場合を例にしているが、合焦状態での多重1回
目の後、非合焦状態で2回以上の写し込みを行うように
しても良い。また、この場合、非合焦状態のデフォ−カ
ス量を各回毎に変化させても良い。
【0075】この第1の実施例によれば、カメラの撮影
モ−ドをソフトフォ−カス撮影モ−ドに設定することの
みで、自動的に多重露出機能にセットされると共に、多
重露出効果が適正となるように測光値を基に多重撮影回
毎の露出値が決められて自動的に露出補正がかかり、し
かも、最適なソフォトフォ−カス効果を生み出すための
非合焦撮影時における非合焦量も自動的にセットされる
ため、豊富な経験や知識、感を必要とせず、初心者にも
簡単にソフトフォ−カス効果のある写真撮影を可能とす
ることができる。
【0076】さらに、上記のソフトフォ−カス撮影時に
おいて、多重1回目は合焦位置において行われる為、主
被写体のシャッタチャンスを逃さず撮影することができ
る。非合焦時における撮影は、主たる被写体には少なく
ともピントがあっていない状態なので、シャッタチャン
スから多少ずれた状態であっても、ソフトフォ−カス効
果には殆ど影響を与えることはない。
【0077】(第2の実施例)図7は本発明の第2の実
施例における特殊効果撮影可能なカメラの概略構成を示
す図である。
【0078】図7において、1はカメラの各処理を制御
するマイクロコンピュ−タ(以下、マイコンと記す)、
2は撮影モ−ドを入力する撮影モ−ドダイアル、3は被
写体輝度測定用の測光センサ23の出力信号をマイコン
1に取り込む為のA/D変換器、4はAFユニット60
内のラインセンサからの出力信号をマイコン1に取り込
むためのA/D変換器、SW1はレリ−ズボタンの押圧
に連動してその1段目でONする起動スイッチ、SW2
はレリ−ズボタンの押圧に連動してその2段目でONす
るレリ−ズ開始スイッチ、SW3はカメラの背蓋の開閉
を検出する背蓋開閉検出スイッチ、SW4はカメラのパ
トロ−ネ室にフィルムが装填されていることを検出する
フィルム装填検出スイッチ、23は前出の被写体輝度測
定用の測光センサ、30はシャッタユニット、40はミ
ラ−ユニット、50は撮影レンズユニット、51は焦点
位置調節可能な撮影レンズ、52は焦点調節用モ−タ、
53は焦点調節用モ−タ52の駆動量を検出するエンコ
−ダ、54はレンズの透過光量を調節する電磁駆動絞り
装置、55はレンズユニット制御回路、60は前出の焦
点位置検出用のAFユニットである。
【0079】図8は、上記カメラの測光系及びAF系を
示す図である。
【0080】図8において、21はファインダ用ペンタ
プリズム、22は測光センサ23に像を結像させるため
の測光光学系、31はフォ−カルプレ−ンシャッタ駆動
装置、32はフォ−カルプレ−ンシャッタの先幕、33
はフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕、41は後述のメ
インミラ−の駆動(上昇,下降)やフィルム給送用、更
にはシャッタのチャ−ジを行う不図示のモ−タにより回
転せられるミラ−駆動軸、42はファインダ部分とAF
部分とに光路を分割するための半透過なメインミラ−、
43は前記光路を分割されたAF用の光束をAFユニッ
ト60に導く為のサブミラ−である。
【0081】上記の図8を用いてカメラの露光シ−ケン
スを説明すると、レリ−ズボタンの2段目までの押圧操
作がなされることにより、レリ−ズ開始スイッチSW2
がONとなり、レリ−ズシ−ケンスが開始される。
【0082】すなわち、マイコン1は不図示のモ−タを
駆動させてメインミラ−42をファインダ側へ上昇(ミ
ラ−駆動軸41を介して)させる。この時、メインミラ
−42の上昇と共にサブミラ−43はメインミラ−42
の裏側に折り畳まれ、撮影レンズ51とフィルム面との
間の光路を妨害することはない。メインミラ−42がフ
ァインダ側に上昇し終えると、マイコン1は次にフォ−
カルプレ−ンシャッタ駆動装置31にフォ−カルプレ−
ンシャッタの先幕32の走行を指示する。これにより、
多重1回目の露光が開始される。そして、露出演算に基
づいたシャッタ秒時経過後、マイコン1はフォ−カルプ
レ−ンシャッタ駆動装置31にフォ−カルプレ−ンシャ
ッタの後幕33の走行を指示する。これにより、フィル
ムへの多重1回目の露光が終了する。
【0083】次に、マイコン1はモ−タを駆動させてフ
ァインダ側へ上昇していたメインミラ−42を下降させ
る。この時、メインミラ−42の裏側に折畳まれていた
サブミラ−43はメインミラ−42の下降と共に元の位
置に復帰する。また、前述のメインミラ−42の下降と
同時にシャッタ駆動用のバネのチャ−ジがなされる。そ
して撮影レンズ51を駆動させて焦点位置を所定量だけ
デフォ−カスさせて多重2駒目の露光の準備を行う。次
に、モ−タを駆動させてメインミラ−42をファインダ
側へ上昇させる。この時、処理時間の短縮が必要であれ
ば、撮影レンズ51の駆動とメインミラ−42の駆動を
同時に行う事も可能である。この後、撮影レンズ51の
駆動終了とメインミラ−42の上昇終了で、第1回目へ
の露光と同様に、シャッタ駆動装置31にフォ−カルプ
レ−ンシャッタの先幕32の走行を指示する。これによ
り、多重2回目の露光が開始される。そして、指定時間
の経過後、マイコン1はフォ−カルプレ−ンシャッタ駆
動装置31にフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕33の
走行を指示する。これにより、フィルムへの多重2回目
の露光が終了する。次に、モ−タを駆動させてファイン
ダ側へ上昇していたメインミラ−42を下降させる。こ
の時、メインミラ−42の裏側に畳まれていたサブミラ
−43はメインミラ−42の下降と共に基の位置に復帰
する。また、上記メインミラ−42の下降と同時にシャ
ッタ駆動用のバネをチャ−ジする。
【0084】以上で、1駒に対する多重1回目,2回目
の露光が完了し、その後フィルムを1駒給送して次の駒
の撮影に備える。
【0085】図9は、上述したソフトフォ−カス撮影時
における動作説明を助けるための図である。
【0086】図9(a)は、被写体を合焦状態にしてフ
ィルム面に写し込む際、つまり多重1回目の撮影状態を
示す図で、フィルム面には鮮鋭な被写体像が投影されて
いる。
【0087】図9(b)は、被写体を非合焦状態にして
フィルム面に写し込む際、つまり多重2回目の撮影状態
を示す図で、フィルム面にはボケた被写体像が投影され
ている。
【0088】図9(c)は、最終的にフィルムに露光さ
れる被写体像を説明するための図で、多重1回目の鮮鋭
な被写体像と多重2回目のボケた被写体像とが合成され
てソフトフォ−カス効果が出ている。
【0089】図10は上記のソフトフォ−カス撮影時に
おけるタイミングチャ−トである。
【0090】ここでは、モ−タの逆転でメインミラ−4
2の上昇とチャ−ジ,更には下降を、正転でフィルム給
送を行うカメラを例にして説明する。また、このカメラ
の絞り装置は、ステッピングモ−タに通電する事で絞り
が絞られ、その後、通電OFF状態ではその絞り状態を
保持したままであり、再度通電されて絞り開放となるよ
うな電磁駆動絞り装置である。また、フォ−カルプレ−
ンシャッタの先幕,後幕はカメラのスタンバイ状態では
機械的に保持されており、機械的保持が無くなる前にマ
グネットが通電されて吸着保持され、先幕,後幕共に、
走行開始タイミングに合せて通電をOFFするようなシ
ャッタ機構であるものとする。
【0091】以下に、図10のタイミングチャ−トに基
づいて説明する。
【0092】レリ−ズボタンの押圧に連動して起動スイ
ッチSW1がONとなると、測光、測距動作が開始さ
れ、次いで測距演算結果に基づいた位置へのレンズ駆動
が開始される。合焦後、露光シ−ケンスに入るべくレリ
−ズ開始スイッチSW2がONとなると、モ−タの逆転
が開始され、メインミラ−43が上昇し始める。この
時、シャッタ先幕用マグネットと後幕マグネットへの通
電がなされアマ−チャの吸着保持がなされた後に、先幕
32,後幕33の走行を禁止していた機械的保持状態が
開放される。メインミラ−43の上昇が完了すると、ミ
ラ−アップ状態を示す信号MRUPがON(“L”)と
なり、絞り信号EMDが“H”となって前述の電磁駆動
絞りが作動する。
【0093】次に、シャッタ先幕用マグネットへの通電
がOFFされ、これにより先幕32が走行し、次いで露
出演算に基づいたシャッタ秒時経過後にシャッタ後幕用
マグネットへの通電がOFFされ、これにより後幕33
が走行する。そして、この後幕33の走行完了を示す信
号CN2が“H”となると、モ−タが再度逆転され、メ
インミラ−43は下降し始め、上記信号MRUPはOF
F(“H”)となる。この時同時に、シャッタチャ−ジ
が行われ、その後、後幕走行完了を示す信号CN2は
“L”となる。上記モ−タの逆転は前記シャッタのチャ
−ジ完了信号SCHが発生(“H”)となるまで行われ
る。
【0094】上記のシャッタチャ−ジ中に、多重2回目
の非合焦撮影の為に所定駆動量だけ撮影レンズ51が駆
動され、該撮影レンズ51が所定の駆動を完了すると、
続けて再度モ−タの逆転が行われ、多重2回目の露光シ
−ケンスに入る。
【0095】なお、この時、シャッタのチャ−ジ完了信
号SCHの発生と撮影レンズ51の駆動完了のどちらか
が先になるかはレンズ駆動量や駆動速度によるので、そ
の状況によって異なる。ここではシャッタのチャ−ジ完
了信号SCHの発生よりもレンズ駆動完了の方が遅かっ
た場合のタイミングチャ−トとなっている為、撮影レン
ズ51の駆動完了を待って2回目の露光シ−ケンスに入
る。
【0096】2回目の露光シ−ケンスに入ると、先ずモ
−タの逆転が行われ、これによりメインミラ−43が上
昇し始め、ミラ−アップが完了するとミラ−アップ状態
を示す信号MRUPがONされる。次に、フォ−カルプ
レ−ンシャッタの先幕32が走行し、露出演算に基づい
たシャッタ秒時経過後に後幕33が走行する。そして、
この後幕33の走行完了を示す信号CN2が“H”ON
となると、モ−タが再度逆転され、メインミラ−43は
下降し始め、上記信号MRUPはOFFとなる。この
時、多重1回目の露光時に絞ったままの状態にある前述
の電磁駆動絞りに再度通電がなされ、絞りを開放にす
る。そしてミラ−ダウンと同時にシャッタのチャ−ジが
行われ、その後、後幕走行完了を示す信号CN2は
“L”となる。上記モ−タの逆転は前述と同様、前記シ
ャッタのチャ−ジ完了信号SCHが発生となるまで行わ
れる。
【0097】以上でソフトフォ−カス撮影のレリ−ズシ
−ケンスが終了し、モ−タが正転されてフィルムの1駒
給送が行われる。
【0098】なお、図10中のFLMVはフィルムが給
送されている時に発生するパルス信号で、所定回数カウ
ント後に上記モ−タへの通電がデュ−ティ制御されてブ
レ−キがかけられ、該モ−タは停止し、次の撮影に備え
ることになる。
【0099】ここで、多重2回目の非合焦撮影の為のレ
ンズ駆動量について述べる。
【0100】レンズ駆動量算出式は、以下の通りであ
る。
【0101】P={(n×F×δ)/s}/d なお、Pはレンズ駆動量(レンズ駆動パルス数)、Fは
絞り値、δは最小錯乱円、sはレンズの敏感度、dはレ
ンズ送りピッチである。nは要求するデフォ−カス倍率
であり、このnの値により多重2回目の非合焦量が決定
され、ソフトフォ−カス効果の程度を左右する。本実施
例では後述するように「n=50」としている。
【0102】また、多重2回目の非合焦撮影の為のレン
ズ駆動方向については、まず至近側に駆動する。これは
主被写体よりも至近側に別の被写体が存在する確率が低
いからである。但し、レンズを駆動した結果、上記の式
により算出された所定駆動量を満たさなかった場合は、
至近端に突き当たった後に∞端側に所定駆動量分、レン
ズを再駆動する。この時、上記の式により算出された所
定駆動量と個々のレンズの持つ最大デフォ−カス量とを
比較し、場合によっては、レンズを駆動した結果が所定
駆動量を満たさなくても至近端で停止するようにしても
良い。
【0103】次に、多重1回目の合焦撮影時と多重2回
目の非合焦撮影時の露出配分について述べる。
【0104】通常の多重撮影は、一般に各回の露出は全
て均等であるため、露出比は「1:1」であるが、様々
な特殊効果を狙って露出比も「1:1」に限らずいろい
ろな露出比を選択する事でソフトフォ−カス効果の程度
を変えることができる。多重2回目の露出量を多重1回
目の露出量より大きくすれば、合焦像が薄くなり、全体
的にソフトソ−カス効果の程度が大きくなる傾向にある
が、撮影シ−ンに合せて単なるピントボケ写真にならな
いように適度な露出比を選択する必要があるが、本発明
においては直接関係ないので、これ以上については言及
しない。
【0105】また、上記の撮影要素をいろいろ組み合せ
ることにより、本実施例におけるソフトソ−カス撮影モ
−ドにセットした状態でソフトソ−カス効果の程度を任
意に選択可能としても良い。
【0106】図11は図7に示す本実施例におけるカメ
ラのマイコン1の動作を示すフロ−チャ−トであり、以
下これにしたがって説明する。 「ステップ1001」 I/O(マイコン周辺IC)の
リセットやメモリの初期化を行う。この時、不図示の動
作継続タイマもリセットされる。 「ステップ1002」 背蓋開閉スイッチSW3やフィ
ルム装填スイッチSW4等の状態より、背蓋が閉じてフ
ィルムが装填されている状態であり、且つプリワインド
前か否かを判別し、プリワインド前であればステップ1
003へ進み、プリワインド不要であればステップ10
05へ進む。 「ステップ1003」 フィルムの突っ張りを検出する
までフィルムをフィルム巻取りスプ−ルへ巻取る。即
ち、全てのフィルムを一旦フィルム巻取りスプ−ルに巻
取る。また、プリワインド動作中に前記フィルム移動手
段からの信号を計数してフィルムの撮影可能駒数(規定
駒数)を検出し、記憶する。ここで、上記のフィルムの
突っ張り検出は、フィルムのパ−フォレ−ションの移動
を検出する不図示のフィルム移動検出手段からの信号が
ある一定時間発生しないことで行っている。 「ステップ1004」 不図示のDXコ−ド読取手段に
よりフィルム感度情報を読み取り、記憶する。この時、
フィルムがDXコ−ドに対応していない場合には、フィ
ルム感度は撮影者により入力されるが、この値を記憶す
ることになる。 「ステップ1005」 撮影モ−ドダイアル2で選択さ
れている撮影モ−ドを読み取り、現在の撮影モ−ドを記
憶する。 「ステップ1006」 レリ−ズボタンの1段までの押
圧操作がなされ、起動スイッチSW1がONしているか
否かを判別する。この結果、ONしていればステップ1
007へ進み、OFFのままであればステップ1013
へ進む。 「ステップ1007」 動作継続タイマをリセットし、
動作時間を延長する。 「ステップ1008」 撮影レンズ51でファインダに
結像される像の一部はペンタプリズム21を透過した
後、測光光学系22で測光センサ23に導かれるが、こ
こではマイコン1は前記測光センサ23の出力を取り込
んでA/D変換した後、測光値として記憶する。 「ステップ1009」 上記ステップ1008で記憶し
た測光値と前記ステップ1004で記憶したフィルム感
度情報と前記ステップ1005で記憶した撮影モ−ドと
により、シャッタ速度と絞り値とを算出し、記憶する。 「ステップ1010」 撮影レンズ51を通過した像は
メインミラ−42を透過し、サブミラ−43でAFユニ
ット60に導かれ、ここで瞳分割手段によって1対の像
に分割されてラインセンサ61で電気信号に変換される
が、マイコン1はこのラインセンサ61の出力信号を取
り込んでA/D変換し、AF用の信号として記憶する。
この後、マイコン1はこのAF信号に対して相関演算な
どを施してデフォ−カス量を算出する。 「ステップ1011」 上記ステップ1010にて算出
したデフォ−カス量から合焦か否かを判別し、合焦であ
った場合にはステップ1015へ進み、そうでない場合
はステップ1012へ進む。 「ステップ1012」 前記ステップ1010でのデフ
ォ−カス量からレンズ駆動量を算出し、撮影レンズユニ
ット50内の制御回路55にこれに従った焦点調節動作
を行わせる。制御回路55は、送られてくるレンズ駆動
量にしたがって焦点調節用モ−タ52を駆動し、エンコ
−ダ53からの出力信号に基づいて撮影レンズ51の位
置決め制御を行う。そしてステップ1002へ戻る。
【0107】上記ステップ1006において起動スイッ
チSW1がOFFと判別した場合には、前述したように
ステップ1013へ進む。 「ステップ1013」 動作継続タイマの状態を判別
し、該タイマが所定カウントに達していればステップ1
014へ進み、所定カウントに達していなければステッ
プ1002へ戻る。 「ステップ1014」 不図示のDC/DCコンバ−タ
等を停止させたり、各アクチュエ−タの通電を停止させ
てカメラシステムを停止させる。
【0108】上記ステップ1011において合焦と判別
した場合は、前述したようにステップ1015へ進む。 「ステップ1015」 ここではレリ−ズ開始スイッチ
SW2がONされているか否かを判別し、ONされてい
ればステップ1016へ進んでレリ−ズシ−ケンスへ入
り、OFFであればステップ1002へ戻る。 「ステップ1016」 上記ステップ1009において
記憶したシャッタ速度と絞り値都を基にフォ−カルプレ
−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行開始タイミン
グを設定し、同様に、撮影レンズユニット50内の電磁
駆動絞り装置54の駆動量を設定する。 「ステップ1017」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を回転させ、メインミラ−42をファイ
ンダ側へ上昇させる。この時、サブミラ−43はメイン
ミラ−42に連動して上昇し、最終的にはメインミラ−
42側に折り畳まれる。 「ステップ1018」 ファインダで被写体像を観察す
るために開放状態にあった電磁駆動絞り装置54をステ
ップ1016で設定した絞り駆動量だけ駆動させ、撮影
用の所定の絞り状態にする。 「ステップ1019」 上記ステップ16で設定したフ
ォ−カルプレ−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行
開始タイミングによりシャッタ駆動制御を行ってフィル
ムに被写体像の写し込みを行う。 「ステップ1020」 前記ステップ1005において
記憶した撮影モ−ドを判別し、ソフトフォ−カス撮影モ
−ドであった場合にはステップ1027へ進み、通常の
撮影モ−ドであった場合にはステップ1021へ進む。 「ステップ1021」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を前述とは逆方向に回転させ、メインミ
ラ−42を元の位置に下降させる。この時、メインミラ
−42に折り畳まれていたサブミラ−43は該メインミ
ラ−42に連動して元の位置に戻る。また、メインミラ
−42の下降によりシャッタのチャ−ジが行われる。 「ステップ1022」 上記ステップ1018で絞り込
んだ電磁駆動絞り装置54を開放状態になる様に該電磁
駆動絞り装置54を駆動させる。 「ステップ1023」 フィルムが装填されている時
(フィルムが有る時)はステップ1024へ進み、フィ
ルムが装填されていない時(フィルムが無い時)はステ
ップ1002へ戻る。 「ステップ1024」 フィルムのパ−フォレ−ション
の移動を検出する不図示のフィルム移動検出手段からの
信号が1駒分になるまで不図示のフィルム給送装置を駆
動してフィルムを1駒分だけ給送する。 「ステップ1025」 前記ステップ1003において
記憶したフィルムの規定駒数と現在の駒数を比較し、フ
ィルム終了したか否かを判別する。この結果、フィルム
終了でなかった場合にはステップ1002へ戻り、フィ
ルム終了であった場合にはステップ1026へ進む。 「ステップ1026」 撮影者にフィルムの終了警告を
発して、フィルムの交換の操作以外は禁止し、ステップ
1002へ戻る。
【0109】上記ステップ1020においてソフトフォ
−カス撮影モ−ドであった場合には、前述したようにス
テッ1027へ進む。 「ステップ1027」 ここではデフォ−カス量が所定
量になるようなレンズ駆動量(レンズ駆動パルス数)を
算出する。例えば、要求するデフォ−カス倍率nを「5
0」,絞り値Fを「2.8 」,最小錯乱円δを「0.035 m
m」,レンズ送りピッチdを「0.005 mm」,レンズの敏
感度sを「1.0 」として、最小錯乱円δが「0.035 m
m」,絞り値Fが「2.8 」の状態で合焦位置で多重1回
目を、そして多重2回目を所定量(50・F・δ)だけ
デフォ−カスして露光したい場合は、 P={(n×F×δ)/s}/d ={(50×2.8 ×0.035 )/1.0 }/0.005 =875[パルス] という計算を実行してレンズ駆動量を算出する。 「ステップ1028」 上記ステップ1027で算出し
た撮影レンズ51のフォ−カス駆動量を撮影レンズユニ
ット50内の制御回路に指示する。 「ステップ1029」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を回転させ、メインミラ−42を元の位
置に下降させる。この時、メインミラ−42に折り畳ま
れていたサブミラ−43は該メインミラ−42に連動し
て元の位置に戻る。また、メインミラ−42の下降によ
りシャッタのチャ−ジが行われる。 「ステップ1030」 不図示のモ−タを逆転させて上
記のステップ1029とは逆方向にミラ−駆動軸41を
回転させ、メインミラ−42をファインダ側へ上昇させ
る。この時、サブミラ−43はメインミラ−42に連動
して上昇し、最終的にはメインミラ−42側に折り畳ま
れる。 「ステップ1031」 上記ステップ1028で駆動さ
せた撮影レンズ51が停止したか否かを判別し、停止し
ていなければこのステップに留まり、その後停止したこ
とを確認するとステップ1032へ進む。 「ステップ1032」 ステップ1028で駆動させた
撮影レンズ51がステップ1027で算出した所定量
(所定のデフォ−カス量)だけ駆動できたか否かを判別
し、所定量だけ駆動できなかった場合は至近端に突き当
たったとみなしてステップ1033へ進み、所定量分の
駆動が行われた場合はステップ1038へ進む。 「ステップ1033」 上記ステップ1027で算出し
たレンズ駆動量(所定量)をP,撮影レンズ51が実際
に駆動できた駆動量をPr,撮影レンズ51の最大デフ
ォ−カス量をDとして、以下の2条件のどちらかを満た
していれば、撮影レンズ51の反転駆動の必要がないと
判断する。
【0110】(1)Pr>0.70×P (2)Pr>0.35×D/d すなわち、実際のレンズ駆動量Prが所定量Pの「70
%」以上か、実際のレンズ駆動量PrがD/dの「35
%」以上(D/dは最大駆動パルス数を表す)であれ
ば、撮影レンズ51の反転駆動の必要がないと判断す
る。(1)の条件は、PrがPの「70%」に達してい
ればソフトフォ−カス撮影の効果が得られることを意味
し、(2)の条件は、Prが最大駆動パルス数の「35
%」に達していれば、反転駆動しても所望のデフォ−カ
ス量が得られる確率が低いことを意味する。 「ステップ1034」 撮影レンズ51の反転駆動が不
要か否かを判別し、不要な場合はステップ1038へ進
み、反転駆動が必要な場合はステップ1035へ進む。 「ステップ1035」 上記ステップ1027で算出し
たレンズ駆動量Pと撮影レンズ51が実際に駆動した駆
動量Prとから、反転駆動量Pxを「Px=−(P+P
r)」なる計算により求める。 「ステップ1036」 上記ステップ1035で計算し
た撮影レンズ51の反転駆動量Pxを撮影レンズユニッ
ト50内の制御回路55へ指示し、撮影レンズ51の反
転駆動を開始させる。 「ステップ1037」 上記ステップ1036で駆動さ
せた撮影レンズが停止したか否かを判別し、停止してい
なければこのステップに留まり、その後停止したことを
確認するとステップ1038へ進む。 「ステップ1038」 ここでは上記ステップ1009
において記憶したシャッタ速度と絞り値とに基づいてフ
ォ−カスプレ−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行
開始タイミングを設定し、同時に、撮影レンズユニット
50内の電磁駆動絞り装置54の駆動量を設定する。こ
の後、一時的にソフトフォ−カス撮影モ−ドを解除して
ステップ1018へ戻る。
【0111】以上が一連の動作説明であるが、ここで、
上記のステップ1009の露光量の算出について更に詳
述する。
【0112】適正露光量の定義については多くの意見が
あるが、フィルム感度が100のフィルムに対して「0.
075 〜0.1 [lux・sec ]」とするのが一般的である。
今、「0.08[lux・sec ]」を適正露出量と考えると、露
出量Hとフィルム感度Sの積は H×S=8.0 で、露出量Hは像面照度Iと有効露出時間Tの積で与え
られるので、Bを被写体輝度、Fを絞り値、kをレンズ
の透過率等の係数として、 H=I×T=k×(B×T/F2 ) という関係式がある。上記露出量Hの関係式と、EV値
の定義式から、 EV=log2 (F2 /T) =log2 {(k×B×s)/8.0 としてEV値が算出できる。なお、被写体輝度Bは測光
センサ23により測光値として得られる。この後、前述
の計算で得られたEV値から、撮影モ−ドが通常の撮影
モ−ドであれば所定のプログラム線図にしたがってシャ
ッタ速度と絞り値との組み合せを設定し、ソフトフォ−
カス撮影モ−ドであれば、これ専用のプログラム線図に
したがってシャッタ速度と絞り値との組み合せを設定す
る。また、ソフトフォ−カス撮影モ−ドの時は、複数の
露出で適正露出となるようにソフトソ−カス効果に合せ
て多重1回目と多重2回目のシャッタ速度と絞り値とを
設定する。
【0113】なお、この実施例では、多重撮影回数とし
て2回の場合を例にしているが、合焦状態での多重1回
目の後、非合焦状態で2回以上の写し込みを行うように
しても良い。また、この場合、非合焦状態のデフォ−カ
ス量を各回毎に変化させても良い。
【0114】この第2の実施例によれば、カメラの撮影
モ−ドをソフトフォ−カス撮影モ−ドに設定することの
みで、自動的に多重露出機能にセットされると共に、多
重露出効果が適正となるように測光値を基に多重撮影回
毎の露出値が決められて自動的に露出補正がかかり、し
かも、最適なソフォトフォ−カス効果を生み出すための
非合焦撮影時における非合焦量も自動的にセットされる
ため、豊富な経験や知識、感を必要とせず、初心者にも
簡単にソフトフォ−カス効果のある写真撮影を可能とす
ることができる。
【0115】さらに、多重露出1回目と多重露出2回目
以降の絞り値を固定としたため(図10のEMD参
照)、多重撮影中の露出値の決定が容易であり、また撮
影操作の煩雑さを軽減し、多重撮影中の各回の露出間に
おける撮影操作が迅速に行える為、多重露出撮影中の露
出時間を短くすることができ、手ブレや被写体の画面内
での動きによるブレを防止することができ、美しいフォ
−カス効果のある写真撮影が可能となる。
【0116】また、通常は絞り開放状態にあり、通電す
ることにより所定の絞り状態になり、更に通電する事に
より元の絞り開放状態に戻る電磁駆動絞りを備えたカメ
ラにおいて、多重露出1回目で前記電磁駆動絞りに通電
し所定の絞り状態に設定し、その後、該撮影モ−ドの多
重露出最終回撮影終了まではこの所定の絞り状態に固定
したままとしている為、多重撮影中の各回毎の絞り込み
動作時間が短縮され、多重撮影中の露出間隔をより短く
する事ができる。
【0117】又、多重1回目で前記電磁駆動絞りに通電
した後、該撮影モ−ドの多重露出最終回撮影終了まで前
記電磁駆動絞りに通電しないようにしたため、電力消費
を防ぐことができる効果もある。
【0118】(第3の実施例)図1は本発明の第3の実
施例における特殊効果撮影可能なカメラの概略構成を示
す図である。
【0119】図1において、1はカメラの各処理を制御
するマイクロコンピュ−タ(以下、マイコンと記す)、
2は撮影モ−ドを入力する撮影モ−ドダイアル、3は被
写体輝度測定用の測光センサ23の出力信号をマイコン
1に取り込む為のA/D変換器、4はAFユニット60
内のラインセンサからの出力信号をマイコン1に取り込
むためのA/D変換器、SW1はレリ−ズボタンの押圧
に連動してその1段目でONする起動スイッチ、SW2
はレリ−ズボタンの押圧に連動してその2段目でONす
るレリ−ズ開始スイッチ、SW3はカメラの背蓋の開閉
を検出する背蓋開閉検出スイッチ、SW4はカメラのパ
トロ−ネ室にフィルムが装填されていることを検出する
フィルム装填検出スイッチ、23は前出の被写体輝度測
定用の測光センサ、30はシャッタユニット、40はミ
ラ−ユニット、50は撮影レンズユニット、51は焦点
位置調節可能な撮影レンズ、52は焦点調節用モ−タ、
53は焦点調節用モ−タ52の駆動量を検出するエンコ
−ダ、54はレンズの透過光量を調節する電磁駆動絞り
装置、55はレンズユニット制御回路、60は前出の焦
点位置検出用のAFユニットである。
【0120】71は内蔵型閃光装置の閃光撮影制御回
路、72は内蔵型受光レンズ、73は内蔵型受光セン
サ、74は内蔵型閃光装置の閃光放電管である。SWS
は前記閃光撮影制御回路71に閃光撮影指示を設定する
ためのスイッチであり、後述の外付け型閃光装置が該カ
メラに装着された際には該装置による閃光撮影指示を前
記閃光撮影制御回路71に行うものである。
【0121】80は外付け型閃光装置、81は外付け型
閃光装置80の閃光撮影制御回路、82は外付け型閃光
装置80の閃光放電管である。
【0122】91は撮影年月日等の情報をフィルム面に
写し込む際の制御を行う情報写し込み制御回路、92は
情報写し込み用発光ダイオ−ド、93は情報写し込み用
液晶表示器であり、これらでデ−タ写し込み装置が構成
される。
【0123】図2は、上記カメラの測光系及びAF系を
示す図である。
【0124】図2において、21はファインダ用ペンタ
プリズム、22は測光センサ23に像を結像させるため
の測光光学系、31はフォ−カルプレ−ンシャッタ駆動
装置、32はフォ−カルプレ−ンシャッタの先幕、33
はフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕、41は後述のメ
インミラ−の駆動(上昇,下降)やフィルム給送用、更
にはシャッタのチャ−ジを行う不図示のモ−タにより回
転せられるミラ−駆動軸、42はファインダ部分とAF
部分とに光路を分割するための半透過なメインミラ−、
43は前記光路を分割されたAF用の光束をAFユニッ
ト60に導く為のサブミラ−である。
【0125】上記の図2を用いてカメラの露光シ−ケン
スを説明すると、レリ−ズボタンの2段目までの押圧操
作がなされることにより、レリ−ズ開始スイッチSW2
がONとなり、レリ−ズシ−ケンスが開始される。
【0126】すなわち、マイコン1は不図示のモ−タを
駆動させてメインミラ−42をファインダ側へ上昇(ミ
ラ−駆動軸41を介して)させる。この時、メインミラ
−42の上昇と共にサブミラ−43はメインミラ−42
の裏側に折り畳まれ、撮影レンズ51とフィルム面との
間の光路を妨害することはない。メインミラ−42がフ
ァインダ側に上昇し終えると、マイコン1は次にフォ−
カルプレ−ンシャッタ駆動装置31にフォ−カルプレ−
ンシャッタの先幕32の走行を指示する。これにより、
多重1回目の露光が開始される。そして、露出演算に基
づいたシャッタ秒時経過後、マイコン1はフォ−カルプ
レ−ンシャッタ駆動装置31にフォ−カルプレ−ンシャ
ッタの後幕33の走行を指示する。これにより、フィル
ムへの多重1回目の露光が終了する。また、閃光撮影を
行う時はマイコン1は、フォ−カルプレ−ンシャッタの
先幕32の走行が完了し後幕33が走行する前に、閃光
撮影制御回路71へ閃光放電管74の発光開始の指示を
行う。
【0127】次に、マイコン1はモ−タを駆動させてフ
ァインダ側へ上昇していたメインミラ−42を下降させ
る。この時、メインミラ−42の裏側に折畳まれていた
サブミラ−43はメインミラ−42の下降と共に元の位
置に復帰する。また、前述のメインミラ−42の下降と
同時にシャッタ駆動用のバネのチャ−ジがなされる。そ
して撮影レンズ51を駆動させて焦点位置を所定量だけ
デフォ−カスさせて多重2駒目の露光の準備を行う。次
に、モ−タを駆動させてメインミラ−42をファインダ
側へ上昇させる。この時、処理時間の短縮が必要であれ
ば、撮影レンズ51の駆動とメインミラ−42の駆動を
同時に行う事も可能である。この後、撮影レンズ51の
駆動終了とメインミラ−42の上昇終了で、第1回目へ
の露光と同様に、シャッタ駆動装置31にフォ−カルプ
レ−ンシャッタの先幕32の走行を指示する。これによ
り、多重2回目の露光が開始される。そして、指定時間
の経過後、マイコン1はフォ−カルプレ−ンシャッタ駆
動装置31にフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕33の
走行を指示する。これにより、フィルムへの多重2回目
の露光が終了する。但し、閃光撮影状態であっても、多
重2回目の露光の時は閃光撮影は行わない。次に、モ−
タを駆動させてファインダ側へ上昇していたメインミラ
−42を下降させる。この時、メインミラ−42の裏側
に畳まれていたサブミラ−43はメインミラ−42の下
降と共に基の位置に復帰する。また、上記メインミラ−
42の下降と同時にシャッタ駆動用のバネをチャ−ジす
る。
【0128】以上で、1駒に対する多重1回目,2回目
の露光が完了し、その後フィルムを1駒給送して次の駒
の撮影に備える。
【0129】図3は、上述したソフトフォ−カス撮影時
における動作説明を助けるための図である。
【0130】図3(a)は、被写体を合焦状態にしてフ
ィルム面に写し込む際、つまり多重1回目の撮影状態を
示す図で、フィルム面には鮮鋭な被写体像が投影されて
いる。
【0131】図3(b)は、被写体を非合焦状態にして
フィルム面に写し込む際、つまり多重2回目の撮影状態
を示す図で、フィルム面にはボケた被写体像が投影され
ている。
【0132】図3(c)は、最終的にフィルムに露光さ
れる被写体像を説明するための図で、多重1回目の鮮鋭
な被写体像と多重2回目のボケた被写体像とが合成され
てソフトフォ−カス効果が出ている。
【0133】図4は上記のソフトフォ−カス撮影時にお
けるタイミングチャ−トである。
【0134】ここでは、モ−タの逆転でメインミラ−4
2の上昇とチャ−ジ,更には下降を、正転でフィルム給
送を行うカメラを例にして説明する。また、このカメラ
の絞り装置は、ステッピングモ−タに通電する事で絞り
が絞られ、その後、通電OFF状態ではその絞り状態を
保持したままであり、再度通電されて絞り開放となるよ
うな電磁駆動絞り装置である。また、フォ−カルプレ−
ンシャッタの先幕,後幕はカメラのスタンバイ状態では
機械的に保持されており、機械的保持が無くなる前にマ
グネットが通電されて吸着保持され、先幕,後幕共に、
走行開始タイミングに合せて通電をOFFするようなシ
ャッタ機構であるものとする。
【0135】更に、ここで用いられている情報写し込み
装置は、発光ダイオ−ド92の点灯により液晶表示器9
3を介してフィルム面を感光させることで日付などの情
報を写し込むもので、使用しているフィルム感度(IS
O感度)に対応して該発光ダイオ−ド92の点灯時間を
制御して適正な露光量を調整する。したがって、使用フ
ィルムのISO感度が低感度であった場合には、発光ダ
イオ−ド92の点灯時間が非常に長くなり、情報写し込
みに長い時間を要する。
【0136】以下に、図4のタイミングチャ−トに基づ
いて説明する。
【0137】レリ−ズボタンの押圧に連動して起動スイ
ッチSW1がONとなると、測光、測距動作が開始さ
れ、次いで測距演算結果に基づいた位置へのレンズ駆動
が開始される。合焦後、露光シ−ケンスに入るべくレリ
−ズ開始スイッチSW2がONとなると、モ−タの逆転
が開始され、メインミラ−43が上昇し始める。この
時、シャッタ先幕用マグネットと後幕マグネットへの通
電がなされアマ−チャの吸着保持がなされた後に、先幕
32,後幕33の走行を禁止していた機械的保持状態が
開放される。メインミラ−43の上昇が完了すると、ミ
ラ−アップ状態を示す信号MRUPがON(“L”)と
なり、絞り信号EMDが“H”となって前述の電磁駆動
絞りが作動する。
【0138】次に、シャッタ先幕用マグネットへの通電
がOFFされ、これにより先幕32が走行し、次いで露
出演算に基づいたシャッタ秒時経過後にシャッタ後幕用
マグネットへの通電がOFFされ、これにより後幕33
が走行する。この時、後幕用マグネットへの通電がOF
Fされるタイミングで前述の発光ダイオ−ド92(図4
ではDLEDで示している)の発光開始信号DONが発
生し(図4参照)、該発光ダイオ−ド92が点灯する。
そして、使用フィルムに対応した適正露光量となるよう
な該発光ダイオ−ド92の点灯時間経過後、発光ダイオ
−ド92に発光停止のタイミングを知らせる信号DOF
Fが発生し(図4参照)、該発光ダイオ−ドの発光が停
止する。すなわち、前記発光ダイオ−ド92の停止信号
DOFFが発生する前に、後幕33の走行完了を示す信
号CN2が“H”となると、モ−タが再度逆転され、メ
インミラ−43は下降し始め、上記信号MRUPはOF
F(“H”)となる。この時同時に、シャッタチャ−ジ
が行われ、その後、後幕走行完了を示す信号CN2は
“L”となる。上記モ−タの逆転は前記シャッタのチャ
−ジ完了信号SCHが発生(“H”)となるまで行われ
る。
【0139】上記のシャッタチャ−ジ中に、多重2回目
の非合焦撮影の為に所定駆動量だけ撮影レンズ51が駆
動され、該撮影レンズ51が所定の駆動を完了すると、
続けて再度モ−タの逆転が行われ、多重2回目の露光シ
−ケンスに入る。
【0140】なお、この時、シャッタのチャ−ジ完了信
号SCHの発生と撮影レンズ51の駆動完了のどちらか
が先になるかはレンズ駆動量や駆動速度によるので、そ
の状況によって異なる。ここではシャッタのチャ−ジ完
了信号SCHの発生よりもレンズ駆動完了の方が遅かっ
た場合のタイミングチャ−トとなっている為、撮影レン
ズ51の駆動完了を待って2回目の露光シ−ケンスに入
る。
【0141】2回目の露光シ−ケンスに入ると、先ずモ
−タの逆転が行われ、これによりメインミラ−43が上
昇し始め、ミラ−アップが完了するとミラ−アップ状態
を示す信号MRUPがONされる。次に、フォ−カルプ
レ−ンシャッタの先幕32が走行し、露出演算に基づい
たシャッタ秒時経過後に後幕33が走行する。そして、
この後幕33の走行完了を示す信号CN2が“H”ON
となると、モ−タが再度逆転され、メインミラ−43は
下降し始め、上記信号MRUPはOFFとなる。この
時、多重1回目の露光時に絞ったままの状態にある前述
の電磁駆動絞りに再度通電がなされ、絞りを開放にす
る。そしてミラ−ダウンと同時にシャッタのチャ−ジが
行われ、その後、後幕走行完了を示す信号CN2は
“L”となる。上記モ−タの逆転は前述と同様、前記シ
ャッタのチャ−ジ完了信号SCHが発生となるまで行わ
れる。
【0142】以上でソフトフォ−カス撮影のレリ−ズシ
−ケンスが終了し、モ−タが正転されてフィルムの1駒
給送が行われる。
【0143】なお、図4中のFLMVはフィルムが給送
されている時に発生するパルス信号で、所定回数カウン
ト後に上記モ−タへの通電がデュ−ティ制御されてブレ
−キがかけられ、該モ−タは停止し、次の撮影に備える
ことになる。
【0144】ここで、多重2回目の非合焦撮影の為のレ
ンズ駆動量について述べる。
【0145】レンズ駆動量算出式は、以下の通りであ
る。
【0146】P={(n×F×δ)/s}/d なお、Pはレンズ駆動量(レンズ駆動パルス数)、Fは
絞り値、δは最小錯乱円、sはレンズの敏感度、dはレ
ンズ送りピッチである。nは要求するデフォ−カス倍率
であり、このnの値により多重2回目の非合焦量が決定
され、ソフトフォ−カス効果の程度を左右する。本実施
例では後述するように「n=50」としている。
【0147】また、多重2回目の非合焦撮影の為のレン
ズ駆動方向については、まず至近側に駆動する。これは
主被写体よりも至近側に別の被写体が存在する確率が低
いからである。但し、レンズを駆動した結果、上記の式
により算出された所定駆動量を満たさなかった場合は、
至近端に突き当たった後に∞端側に所定駆動量分、レン
ズを再駆動する。この時、上記の式により算出された所
定駆動量と個々のレンズの持つ最大デフォ−カス量とを
比較し、場合によっては、レンズを駆動した結果が所定
駆動量を満たさなくても至近端で停止するようにしても
良い。
【0148】次に、多重1回目の合焦撮影時と多重2回
目の非合焦撮影時の露出配分について述べる。
【0149】通常の多重撮影は、一般に各回の露出は全
て均等であるため、露出比は「1:1」であるが、様々
な特殊効果を狙って露出比も「1:1」に限らずいろい
ろな露出比を選択する事でソフトフォ−カス効果の程度
を変えることができる。多重2回目の露出量を多重1回
目の露出量より大きくすれば、合焦像が薄くなり、全体
的にソフトソ−カス効果の程度が大きくなる傾向にある
が、撮影シ−ンに合せて単なるピントボケ写真にならな
いように適度な露出比を選択する必要があるが、本発明
においては直接関係ないので、これ以上については言及
しない。
【0150】また、上記の撮影要素をいろいろ組み合せ
ることにより、本実施例におけるソフトソ−カス撮影モ
−ドにセットした状態でソフトソ−カス効果の程度を任
意に選択可能としても良い。
【0151】図5及び図6は図1に示す本実施例におけ
るカメラのマイコン1の動作を示すフロ−チャ−トであ
り、以下これにしたがって説明する。 「ステップ1001」 I/O(マイコン周辺IC)の
リセットやメモリの初期化を行う。この時、不図示の動
作継続タイマもリセットされる。 「ステップ1002」 背蓋開閉スイッチSW3やフィ
ルム装填スイッチSW4等の状態より、背蓋が閉じてフ
ィルムが装填されている状態であり、且つプリワインド
前か否かを判別し、プリワインド前であればステップ1
003へ進み、プリワインド不要であればステップ10
05へ進む。 「ステップ1003」 フィルムの突っ張りを検出する
までフィルムをフィルム巻取りスプ−ルへ巻取る。即
ち、全てのフィルムを一旦フィルム巻取りスプ−ルに巻
取る。また、プリワインド動作中に前記フィルム移動手
段からの信号を計数してフィルムの撮影可能駒数(規定
駒数)を検出し、記憶する。ここで、上記のフィルムの
突っ張り検出は、フィルムのパ−フォレ−ションの移動
を検出する不図示のフィルム移動検出手段からの信号が
ある一定時間発生しないことで行っている。 「ステップ1004」 不図示のDXコ−ド読取手段に
よりフィルム感度情報を読み取り、記憶する。この時、
フィルムがDXコ−ドに対応していない場合には、フィ
ルム感度は撮影者により入力されるが、この値を記憶す
ることになる。 「ステップ1005」 撮影モ−ドダイアル2で選択さ
れている撮影モ−ドを読み取り、現在の撮影モ−ドを記
憶する。この時同時に、内蔵型閃光装置の閃光撮影制御
回路71を通じて閃光撮影指示スイッチSWSの状態を
読み取り、定常光による撮影であるかそれとも閃光撮影
の指示がなされているかの判別を行い、この結果を記憶
する。 「ステップ1006」 上記ステップ1005で定常光
による撮影であることが記憶されている場合にはステッ
プ1010へ進み、閃光撮影の指示がなされている場合
は、この時閃光装置のメインコンデンサの充電が完了し
ているか否かを判別し、充電が完了していなければステ
ップ1007へ進み、充電が完了していればステップ1
008へ進む。 「ステップ1007」 ここでは充電が完了していない
ので、閃光撮影制御回路71へ充電の指示を行い、ステ
ップ1006へ戻る。充電が完了するまではこのル−プ
が繰り返し行われる。 「ステップ1008」 閃光装置のメインコンデンサへ
の充電が完了したので、閃光撮影制御回路71へ充電の
停止指示を行う。 「ステップ1009」 充電完了フラグをセットする。 「ステップ1010」 レリ−ズボタンの1段までの押
圧操作がなされ、起動スイッチSW1がONしているか
否かを判別する。この結果、ONしていればステップ1
011へ進み、OFFであればステップ1017へ進
む。 「ステップ1011」 動作継続タイマをリセットし、
動作時間を延長する。 「ステップ1012」 撮影レンズ51でファインダに
結像される像の一部はペンタプリズム21を透過した
後、測光光学系22で測光センサ23に導かれるが、こ
こではマイコン1は前記測光センサ23の出力を取り込
んでA/D変換した後、測光値として記憶する。 「ステップ1013」 上記ステップ1012で記憶し
た測光値と前記ステップ1004で記憶したフィルム感
度情報と前記ステップ1005で記憶した撮影モ−ドと
により、シャッタ速度と絞り値とを算出し、記憶する。
また、撮影モ−ドが閃光撮影モ−ドであり、シャッタ速
度が閃光同調速度より高速度である場合には、シャッタ
速度を強制的に閃光同調速度に設定し直し、これを記憶
する 「ステップ1014」 撮影レンズ51を通過した像は
メインミラ−42を透過し、サブミラ−43でAFユニ
ット60に導かれ、ここで瞳分割手段によって1対の像
に分割されてラインセンサ61で電気信号に変換される
が、マイコン1はこのラインセンサ61の出力信号を取
り込んでA/D変換し、AF用の信号として記憶する。
この後、マイコン1はこのAF信号に対して相関演算な
どを施してデフォ−カス量を算出する。 「ステップ1015」 上記ステップ1010にて算出
したデフォ−カス量から合焦か否かを判別し、合焦であ
った場合にはステップ1019へ進み、そうでない場合
はステップ1016へ進む。 「ステップ1016」 前記ステップ1014でのデフ
ォ−カス量からレンズ駆動量を算出し、撮影レンズユニ
ット50内の制御回路55にこれに従った焦点調節動作
を行わせる。制御回路55は、送られてくるレンズ駆動
量にしたがって焦点調節用モ−タ52を駆動し、エンコ
−ダ53からの出力信号に基づいて撮影レンズ51の位
置決め制御を行う。そしてステップ1002へ戻る。
【0152】上記ステップ1010において起動スイッ
チSW1がOFFと判別した場合には、前述したように
ステップ1017へ進む。 「ステップ1017」 動作継続タイマの状態を判別
し、該タイマが所定カウントに達していればステップ1
018へ進み、所定カウントに達していなければステッ
プ1002へ戻る。 「ステップ1018」 不図示のDC/DCコンバ−タ
等を停止させたり、各アクチュエ−タの通電を停止させ
てカメラシステムを停止させる。
【0153】上記ステップ1015において合焦と判別
した場合は、前述したようにステップ1019へ進む。 「ステップ1019」 ここではレリ−ズ開始スイッチ
SW2がONされているか否かを判別し、ONされてい
れば図6に示すステップ1020へ進んでレリ−ズシ−
ケンスへ入り、OFFであればステップ1002へ戻
る。 「ステップ1020」 上記ステップ1013において
記憶したシャッタ速度と絞り値とを基にフォ−カルプレ
−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行開始タイミン
グを設定し、同様に、撮影レンズユニット50内の電磁
駆動絞り装置54の駆動量を設定する。 「ステップ1021」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を回転させ、メインミラ−42をファイ
ンダ側へ上昇させる。この時、サブミラ−43はメイン
ミラ−42に連動して上昇し、最終的にはメインミラ−
42側に折り畳まれる。 「ステップ1022」 ファインダで被写体像を観察す
るために開放状態にあった電磁駆動絞り装置54をステ
ップ1020で設定した絞り駆動量だけ駆動させ、撮影
用の所定の絞り状態にする。 「ステップ1023」 ステップ1020で設定したフ
ォ−カルプレ−ンシャッタの先幕32の走行開始タイミ
ングによりシャッタ駆動制御を行ってフィルムへの露光
を開始させる。 「ステップ1024」 充電完了フラグがセットされて
いるか否かを判別し、セットされていればステップ10
25へ進み、セットされていなければステップ1026
へ進む。 「ステップ1025」 充電完了フラグをリセットし、
先幕32の走行完了に同期して閃光撮影制御回路71へ
発光開始を指示する。
【0154】この信号を受ける閃光撮影制御回路71
は、外付け型閃光装置80が装着されていない時は、閃
光放電管74を発光させ、その後受光レンズ72と受光
センサ73で検出される被写体からの反射光が所定量に
達すると、発光を停止させる。また、外付け型閃光装置
80が装着されている時には、外付け型閃光撮影制御回
路81に発光指示信号を出力して閃光放電管82を発光
させ、その後受光レンズ72と受光センサ73で検出さ
れる被写体からの反射光が所定量に達すると、発光を停
止させるように前記閃光撮影制御回路81へ発光停止信
号を出力して発光を停止させる。 「ステップ1026」 上記ステップ1020で設定し
たフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕33の走行開始タ
イミングによりシャッタ駆動制御を行ってフィルムに被
写体像の写し込みを終了する。また、通常撮影モ−ド、
或はソフトフォ−カス撮影モ−ドでの多重1回目の時
は、後幕33の走行開始時点で情報写し込み制御回路9
1へ情報の写し込み指示を行う。 「ステップ1027」 前記ステップ1005において
記憶した撮影モ−ドを判別し、ソフトフォ−カス撮影モ
−ドであった場合にはステップ1034へ進み、そうで
なかった場合にはステップ1028へ進む。 「ステップ1028」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を前述とは逆方向に回転させ、メインミ
ラ−42を元の位置に下降させる。この時、メインミラ
−42に折り畳まれていたサブミラ−43は該メインミ
ラ−42に連動して元の位置に戻る。また、メインミラ
−42の下降によりシャッタのチャ−ジが行われる。 「ステップ1029」 上記ステップ1022で絞り込
んだ電磁駆動絞り装置54を開放状態になる様に該電磁
駆動絞り装置54を駆動させる。 「ステップ1030」 フィルムが装填されている時
(フィルムが有る時)はステップ1031へ進み、フィ
ルムが装填されていない時(フィルムが無い時)はステ
ップ1002へ戻る。 「ステップ1031」 フィルムのパ−フォレ−ション
の移動を検出する不図示のフィルム移動検出手段からの
信号が1駒分になるまで不図示のフィルム給送装置を駆
動してフィルムを1駒分だけ給送する。 「ステップ1032」 前記ステップ1003において
記憶したフィルムの規定駒数と現在の駒数を比較し、フ
ィルム終了したか否かを判別する。この結果、フィルム
終了でなかった場合にはステップ1002へ戻り、フィ
ルム終了であった場合にはステップ1033へ進む。 「ステップ1033」 撮影者にフィルムの終了警告を
発して、フィルムの交換の操作以外は禁止し、ステップ
1002へ戻る。
【0155】上記ステップ1027においてソフトフォ
−カス撮影モ−ドであった場合には、前述したようにス
テップ1034へ進む。 「ステップ1034」 ここではデフォ−カス量が所定
量になるようなレンズ駆動量(レンズ駆動パルス数)を
算出する。例えば、要求するデフォ−カス倍率nを「5
0」,絞り値Fを「2.8 」,最小錯乱円δを「0.035 m
m」,レンズ送りピッチdを「0.005 mm」,レンズの敏
感度sを「1.0 」として、最小錯乱円δが「0.035 m
m」,絞り値Fが「2.8 」の状態で合焦位置で多重1回
目を、そして多重2回目を所定量(50・F・δ)だけ
デフォ−カスして露光したい場合は、 P={(n×F×δ)/s}/d ={(50×2.8 ×0.035 )/1.0 }/0.005 =875[パルス] という計算を実行してレンズ駆動量を算出する。 「ステップ1035」 上記ステップ1027で算出し
た撮影レンズ51のフォ−カス駆動量を撮影レンズユニ
ット50内の制御回路に指示する。 「ステップ1036」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を回転させ、メインミラ−42を元の位
置に下降させる。この時、メインミラ−42に折り畳ま
れていたサブミラ−43は該メインミラ−42に連動し
て元の位置に戻る。また、メインミラ−42の下降によ
りシャッタのチャ−ジが行われる。 「ステップ1037」 不図示のモ−タを逆転させて上
記のステップ1029とは逆方向にミラ−駆動軸41を
回転させ、メインミラ−42をファインダ側へ上昇させ
る。この時、サブミラ−43はメインミラ−42に連動
して上昇し、最終的にはメインミラ−42側に折り畳ま
れる。 「ステップ1038」 上記ステップ1035で駆動さ
せた撮影レンズ51が停止したか否かを判別し、停止し
ていなければこのステップに留まり、その後停止したこ
とを確認するとステップ1039へ進む。 「ステップ1039」 ステップ1035で駆動させた
撮影レンズ51がステップ1034で算出した所定量
(所定のデフォ−カス量)だけ駆動できたか否かを判別
し、所定量だけ駆動できなかった場合は至近端に突き当
たったとみなしてステップ1040へ進み、所定量分の
駆動が行われた場合はステップ1045へ進む。 「ステップ1040」 上記ステップ1034で算出し
たレンズ駆動量(所定量)をP,撮影レンズ51が実際
に駆動できた駆動量をPr,撮影レンズ51の最大デフ
ォ−カス量をDとして、以下の2条件のどちらかを満た
していれば、撮影レンズ51の反転駆動の必要がないと
判断する。
【0156】(1)Pr>0.70×P (2)Pr>0.35×D/d すなわち、実際のレンズ駆動量Prが所定量Pの「70
%」以上か、実際のレンズ駆動量PrがD/dの「35
%」以上(D/dは最大駆動パルス数を表す)であれ
ば、撮影レンズ51の反転駆動の必要がないと判断す
る。(1)の条件は、PrがPの「70%」に達してい
ればソフトフォ−カス撮影の効果が得られることを意味
し、(2)の条件は、Prが最大駆動パルス数の「35
%」に達していれば、反転駆動しても所望のデフォ−カ
ス量が得られる確率が低いことを意味する。 「ステップ1041」 撮影レンズ51の反転駆動が不
要か否かを判別し、不要な場合はステップ1045へ進
み、反転駆動が必要な場合はステップ1042へ進む。 「ステップ1042」 上記ステップ1034で算出し
たレンズ駆動量Pと撮影レンズ51が実際に駆動した駆
動量Prとから、反転駆動量Pxを「Px=−(P+P
r)」なる計算により求める。 「ステップ1043」 上記ステップ1042で計算し
た撮影レンズ51の反転駆動量Pxを撮影レンズユニッ
ト50内の制御回路55へ指示し、撮影レンズ51の反
転駆動を開始させる。 「ステップ1044」 上記ステップ1043で駆動さ
せた撮影レンズが停止したか否かを判別し、停止してい
なければこのステップに留まり、その後停止したことを
確認するとステップ1045へ進む。 「ステップ1045」 ここでは上記ステップ1013
において記憶したシャッタ速度と絞り値とに基づいてフ
ォ−カスプレ−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行
開始タイミングを設定し、同時に、撮影レンズユニット
50内の電磁駆動絞り装置54の駆動量を設定する。こ
の後、一時的にソフトフォ−カス撮影モ−ドを解除して
ステップ1022へ戻る。
【0157】以上が一連の動作説明であるが、ここで、
上記のステップ1009の露光量の算出について更に詳
述する。
【0158】適正露光量の定義については多くの意見が
あるが、フィルム感度が100のフィルムに対して「0.
075 〜0.1 [lux・sec ]」とするのが一般的である。
今、「0.08[lux・sec ]」を適正露出量と考えると、露
出量Hとフィルム感度Sの積は H×S=8.0 で、露出量Hは像面照度Iと有効露出時間Tの積で与え
られるので、Bを被写体輝度、Fを絞り値、kをレンズ
の透過率等の係数として、 H=I×T=k×(B×T/F2 ) という関係式がある。上記露出量Hの関係式と、EV値
の定義式から、 EV=log2 (F2 /T) =log2 {(k×B×s)/8.0 としてEV値が算出できる。なお、被写体輝度Bは測光
センサ23により測光値として得られる。この後、前述
の計算で得られたEV値から、撮影モ−ドが通常の撮影
モ−ドであれば所定のプログラム線図にしたがってシャ
ッタ速度と絞り値との組み合せを設定し、ソフトフォ−
カス撮影モ−ドであれば、これ専用のプログラム線図に
したがってシャッタ速度と絞り値との組み合せを設定す
る。また、ソフトフォ−カス撮影モ−ドの時は、複数の
露出で適正露出となるようにソフトソ−カス効果に合せ
て多重1回目と多重2回目のシャッタ速度と絞り値とを
設定する。
【0159】なお、この実施例では、多重撮影回数とし
て2回の場合を例にしているが、合焦状態での多重1回
目の後、非合焦状態で2回以上の写し込みを行うように
しても良い。また、この場合、非合焦状態のデフォ−カ
ス量を各回毎に変化させても良い。
【0160】この第3の実施例によれば、カメラの撮影
モ−ドをソフトフォ−カス撮影モ−ドに設定することの
みで、自動的に多重露出機能にセットされると共に、多
重露出効果が適正となるように測光値を基に多重撮影回
毎の露出値が決められて自動的に露出補正がかかり、し
かも、最適なソフォトフォ−カス効果を生み出すための
非合焦撮影時における非合焦量も自動的にセットされる
ため、豊富な経験や知識、感を必要とせず、初心者にも
簡単にソフトフォ−カス効果のある写真撮影を可能とす
ることができる。
【0161】さらに、多重露出中の1回のみ日付等の情
報をフィルム面に自動的に写し込むようにしている為、
多重撮影中、情報の写し込み時間を毎回待機する必要が
なく、又多重露出結果が適正となるように写し込み時間
を多重露出の各回毎に制御するための演算を必要としな
いため、それに要する時間と情報写し込み装置とマイコ
ンとの通信時間も無くなり、多重撮影中の露出間隔を短
くすることができる。この結果、手ブレや被写体の画面
内における動きによるブレを防止することができ、美し
いソフトフォ−カス効果のある写真撮影が可能となる。
また、情報の写し込みが終了する前に多重露出2回目の
撮影シ−ケンスへ進行するようにしている為、前記の効
果はより顕著である。
【0162】また、情報の写し込みは、通常の撮影モ−
ド時と同様、主被写体が合焦位置における露出時に行う
構成となっている為、主被写体に対応した見易い情報の
写し込みを行うことが可能となる。
【0163】(第4の実施例)図1は本発明の第4の実
施例における特殊効果撮影可能なカメラの概略構成を示
す図である。
【0164】図1において、1はカメラの各処理を制御
するマイクロコンピュ−タ(以下、マイコンと記す)、
2は撮影モ−ドを入力する撮影モ−ドダイアル、3は被
写体輝度測定用の測光センサ23の出力信号をマイコン
1に取り込む為のA/D変換器、4はAFユニット60
内のラインセンサからの出力信号をマイコン1に取り込
むためのA/D変換器、SW1はレリ−ズボタンの押圧
に連動してその1段目でONする起動スイッチ、SW2
はレリ−ズボタンの押圧に連動してその2段目でONす
るレリ−ズ開始スイッチ、SW3はカメラの背蓋の開閉
を検出する背蓋開閉検出スイッチ、SW4はカメラのパ
トロ−ネ室にフィルムが装填されていることを検出する
フィルム装填検出スイッチ、23は前出の被写体輝度測
定用の測光センサ、30はシャッタユニット、40はミ
ラ−ユニット、50は撮影レンズユニット、51は焦点
位置調節可能な撮影レンズ、52は焦点調節用モ−タ、
53は焦点調節用モ−タ52の駆動量を検出するエンコ
−ダ、54はレンズの透過光量を調節する電磁駆動絞り
装置、55はレンズユニット制御回路、60は前出の焦
点位置検出用のAFユニットである。
【0165】71は内蔵型閃光装置の閃光撮影制御回
路、72は内蔵型受光レンズ、73は内蔵型受光セン
サ、74は内蔵型閃光装置の閃光放電管である。SWS
は前記閃光撮影制御回路71に閃光撮影指示を設定する
ためのスイッチであり、後述の外付け型閃光装置が該カ
メラに装着された際には該装置による閃光撮影指示を前
記閃光撮影制御回路71に行うものである。
【0166】80は外付け型閃光装置、81は外付け型
閃光装置80の閃光撮影制御回路、82は外付け型閃光
装置80の閃光放電管である。
【0167】91は撮影年月日等の情報をフィルム面に
写し込む際の制御を行う情報写し込み制御回路、92は
情報写し込み用発光ダイオ−ド、93は情報写し込み用
液晶表示器であり、これらでデ−タ写し込み装置が構成
される。
【0168】図2は、上記カメラの測光系及びAF系を
示す図である。
【0169】図2において、21はファインダ用ペンタ
プリズム、22は測光センサ23に像を結像させるため
の測光光学系、31はフォ−カルプレ−ンシャッタ駆動
装置、32はフォ−カルプレ−ンシャッタの先幕、33
はフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕、41は後述のメ
インミラ−の駆動(上昇,下降)やフィルム給送用、更
にはシャッタのチャ−ジを行う不図示のモ−タにより回
転せられるミラ−駆動軸、42はファインダ部分とAF
部分とに光路を分割するための半透過なメインミラ−、
43は前記光路を分割されたAF用の光束をAFユニッ
ト60に導く為のサブミラ−である。
【0170】上記の図2を用いてカメラの露光シ−ケン
スを説明すると、レリ−ズボタンの2段目までの押圧操
作がなされることにより、レリ−ズ開始スイッチSW2
がONとなり、レリ−ズシ−ケンスが開始される。
【0171】すなわち、マイコン1は不図示のモ−タを
駆動させてメインミラ−42をファインダ側へ上昇(ミ
ラ−駆動軸41を介して)させる。この時、メインミラ
−42の上昇と共にサブミラ−43はメインミラ−42
の裏側に折り畳まれ、撮影レンズ51とフィルム面との
間の光路を妨害することはない。メインミラ−42がフ
ァインダ側に上昇し終えると、マイコン1は次にフォ−
カルプレ−ンシャッタ駆動装置31にフォ−カルプレ−
ンシャッタの先幕32の走行を指示する。これにより、
多重1回目の露光が開始される。そして、露出演算に基
づいたシャッタ秒時経過後、マイコン1はフォ−カルプ
レ−ンシャッタ駆動装置31にフォ−カルプレ−ンシャ
ッタの後幕33の走行を指示する。これにより、フィル
ムへの多重1回目の露光が終了する。また、閃光撮影を
行う時はマイコン1は、フォ−カルプレ−ンシャッタの
先幕32の走行が完了し後幕33が走行する前に、閃光
撮影制御回路71へ閃光放電管74の発光開始の指示を
行う。
【0172】次に、マイコン1はモ−タを駆動させてフ
ァインダ側へ上昇していたメインミラ−42を下降させ
る。この時、メインミラ−42の裏側に折畳まれていた
サブミラ−43はメインミラ−42の下降と共に元の位
置に復帰する。また、前述のメインミラ−42の下降と
同時にシャッタ駆動用のバネのチャ−ジがなされる。そ
して撮影レンズ51を駆動させて焦点位置を所定量だけ
デフォ−カスさせて多重2駒目の露光の準備を行う。次
に、モ−タを駆動させてメインミラ−42をファインダ
側へ上昇させる。この時、処理時間の短縮が必要であれ
ば、撮影レンズ51の駆動とメインミラ−42の駆動を
同時に行う事も可能である。この後、撮影レンズ51の
駆動終了とメインミラ−42の上昇終了で、第1回目へ
の露光と同様に、シャッタ駆動装置31にフォ−カルプ
レ−ンシャッタの先幕32の走行を指示する。これによ
り、多重2回目の露光が開始される。そして、指定時間
の経過後、マイコン1はフォ−カルプレ−ンシャッタ駆
動装置31にフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕33の
走行を指示する。これにより、フィルムへの多重2回目
の露光が終了する。但し、閃光撮影状態であっても、多
重2回目の露光の時は閃光撮影は行わない。次に、モ−
タを駆動させてファインダ側へ上昇していたメインミラ
−42を下降させる。この時、メインミラ−42の裏側
に畳まれていたサブミラ−43はメインミラ−42の下
降と共に基の位置に復帰する。また、上記メインミラ−
42の下降と同時にシャッタ駆動用のバネをチャ−ジす
る。
【0173】以上で、1駒に対する多重1回目,2回目
の露光が完了し、その後フィルムを1駒給送して次の駒
の撮影に備える。
【0174】図3は、上述したソフトフォ−カス撮影時
における動作説明を助けるための図である。
【0175】図3(a)は、被写体を合焦状態にしてフ
ィルム面に写し込む際、つまり多重1回目の撮影状態を
示す図で、フィルム面には鮮鋭な被写体像が投影されて
いる。
【0176】図3(b)は、被写体を非合焦状態にして
フィルム面に写し込む際、つまり多重2回目の撮影状態
を示す図で、フィルム面にはボケた被写体像が投影され
ている。
【0177】図3(c)は、最終的にフィルムに露光さ
れる被写体像を説明するための図で、多重1回目の鮮鋭
な被写体像と多重2回目のボケた被写体像とが合成され
てソフトフォ−カス効果が出ている。
【0178】図4は上記のソフトフォ−カス撮影時にお
けるタイミングチャ−トである。
【0179】ここでは、モ−タの逆転でメインミラ−4
2の上昇とチャ−ジ,更には下降を、正転でフィルム給
送を行うカメラを例にして説明する。また、このカメラ
の絞り装置は、ステッピングモ−タに通電する事で絞り
が絞られ、その後、通電OFF状態ではその絞り状態を
保持したままであり、再度通電されて絞り開放となるよ
うな電磁駆動絞り装置である。また、フォ−カルプレ−
ンシャッタの先幕,後幕はカメラのスタンバイ状態では
機械的に保持されており、機械的保持が無くなる前にマ
グネットが通電されて吸着保持され、先幕,後幕共に、
走行開始タイミングに合せて通電をOFFするようなシ
ャッタ機構であるものとする。
【0180】更に、ここで用いられる閃光装置は、カメ
ラ本体に内蔵されたものであっても良いし、外付けされ
た閃光装置80であっても良い。
【0181】以下に、図4のタイミングチャ−トに基づ
いて説明する。
【0182】レリ−ズボタンの押圧に連動して起動スイ
ッチSW1がONとなると、測光、測距動作が開始さ
れ、次いで測距演算結果に基づいた位置へのレンズ駆動
が開始される。合焦後、露光シ−ケンスに入るべくレリ
−ズ開始スイッチSW2がONとなると、モ−タの逆転
が開始され、メインミラ−43が上昇し始める。この
時、シャッタ先幕用マグネットと後幕マグネットへの通
電がなされアマ−チャの吸着保持がなされた後に、先幕
32,後幕33の走行を禁止していた機械的保持状態が
開放される。メインミラ−43の上昇が完了すると、ミ
ラ−アップ状態を示す信号MRUPがON(“L”)と
なり、絞り信号EMDが“H”となって前述の電磁駆動
絞りが作動する。
【0183】次に、シャッタ先幕用マグネットへの通電
がOFFされ先幕32が走行し、この先幕32の走行完
了後、閃光発光開始の信号STON(図4参照)が発生
し、閃光撮影制御回路71に発光開始指示を行う。そし
て、所定の発光量に達すると、閃光発光停止の信号ST
OFFが発生し、閃光撮影制御回路71に発光停止の指
示を行う。その後、所定のシャッタ病時経過後、後幕用
マグネットへの通電がOFFされて後幕33が走行す
る。この後幕33の走行完了を示す信号CN2が“H”
となると、モ−タが再度逆転され、メインミラ−43は
下降し始め、上記信号MRUPはOFF(“H”)とな
る。この時同時に、シャッタチャ−ジが行われ、その
後、後幕走行完了を示す信号CN2は“L”となる。上
記モ−タの逆転は前記シャッタのチャ−ジ完了信号SC
Hが発生(“H”)となるまで行われる。
【0184】上記のシャッタチャ−ジ中に、多重2回目
の非合焦撮影の為に所定駆動量だけ撮影レンズ51が駆
動され、該撮影レンズ51が所定の駆動を完了すると、
続けて再度モ−タの逆転が行われ、多重2回目の露光シ
−ケンスに入る。
【0185】なお、この時、シャッタのチャ−ジ完了信
号SCHの発生と撮影レンズ51の駆動完了のどちらか
が先になるかはレンズ駆動量や駆動速度によるので、そ
の状況によって異なる。ここではシャッタのチャ−ジ完
了信号SCHの発生よりもレンズ駆動完了の方が遅かっ
た場合のタイミングチャ−トとなっている為、撮影レン
ズ51の駆動完了を待って2回目の露光シ−ケンスに入
る。
【0186】2回目の露光シ−ケンスに入ると、先ずモ
−タの逆転が行われ、これによりメインミラ−43が上
昇し始め、ミラ−アップが完了するとミラ−アップ状態
を示す信号MRUPがONされる。次に、フォ−カルプ
レ−ンシャッタの先幕32が走行し、露出演算に基づい
たシャッタ秒時経過後に後幕33が走行する。そして、
この後幕33の走行完了を示す信号CN2が“H”ON
となると、モ−タが再度逆転され、メインミラ−43は
下降し始め、上記信号MRUPはOFFとなる。この
時、多重1回目の露光時に絞ったままの状態にある前述
の電磁駆動絞りに再度通電がなされ、絞りを開放にす
る。そしてミラ−ダウンと同時にシャッタのチャ−ジが
行われ、その後、後幕走行完了を示す信号CN2は
“L”となる。上記モ−タの逆転は前述と同様、前記シ
ャッタのチャ−ジ完了信号SCHが発生となるまで行わ
れる。
【0187】以上でソフトフォ−カス撮影のレリ−ズシ
−ケンスが終了し、モ−タが正転されてフィルムの1駒
給送が行われる。
【0188】なお、図4中のFLMVはフィルムが給送
されている時に発生するパルス信号で、所定回数カウン
ト後に上記モ−タへの通電がデュ−ティ制御されてブレ
−キがかけられ、該モ−タは停止し、次の撮影に備える
ことになる。
【0189】ここで、多重2回目の非合焦撮影の為のレ
ンズ駆動量について述べる。
【0190】レンズ駆動量算出式は、以下の通りであ
る。
【0191】P={(n×F×δ)/s}/d なお、Pはレンズ駆動量(レンズ駆動パルス数)、Fは
絞り値、δは最小錯乱円、sはレンズの敏感度、dはレ
ンズ送りピッチである。nは要求するデフォ−カス倍率
であり、このnの値により多重2回目の非合焦量が決定
され、ソフトフォ−カス効果の程度を左右する。本実施
例では後述するように「n=50」としている。
【0192】また、多重2回目の非合焦撮影の為のレン
ズ駆動方向については、まず至近側に駆動する。これは
主被写体よりも至近側に別の被写体が存在する確率が低
いからである。但し、レンズを駆動した結果、上記の式
により算出された所定駆動量を満たさなかった場合は、
至近端に突き当たった後に∞端側に所定駆動量分、レン
ズを再駆動する。この時、上記の式により算出された所
定駆動量と個々のレンズの持つ最大デフォ−カス量とを
比較し、場合によっては、レンズを駆動した結果が所定
駆動量を満たさなくても至近端で停止するようにしても
良い。
【0193】次に、多重1回目の合焦撮影時と多重2回
目の非合焦撮影時の露出配分について述べる。
【0194】通常の多重撮影は、一般に各回の露出は全
て均等であるため、露出比は「1:1」であるが、様々
な特殊効果を狙って露出比も「1:1」に限らずいろい
ろな露出比を選択する事でソフトフォ−カス効果の程度
を変えることができる。多重2回目の露出量を多重1回
目の露出量より大きくすれば、合焦像が薄くなり、全体
的にソフトソ−カス効果の程度が大きくなる傾向にある
が、撮影シ−ンに合せて単なるピントボケ写真にならな
いように適度な露出比を選択する必要があるが、本発明
においては直接関係ないので、これ以上については言及
しない。
【0195】また、上記の撮影要素をいろいろ組み合せ
ることにより、本実施例におけるソフトソ−カス撮影モ
−ドにセットした状態でソフトソ−カス効果の程度を任
意に選択可能としても良い。
【0196】図5及び図6は図1に示す本実施例におけ
るカメラのマイコン1の動作を示すフロ−チャ−トであ
り、以下これにしたがって説明する。 「ステップ1001」 I/O(マイコン周辺IC)の
リセットやメモリの初期化を行う。この時、不図示の動
作継続タイマもリセットされる。 「ステップ1002」 背蓋開閉スイッチSW3やフィ
ルム装填スイッチSW4等の状態より、背蓋が閉じてフ
ィルムが装填されている状態であり、且つプリワインド
前か否かを判別し、プリワインド前であればステップ1
003へ進み、プリワインド不要であればステップ10
05へ進む。 「ステップ1003」 フィルムの突っ張りを検出する
までフィルムをフィルム巻取りスプ−ルへ巻取る。即
ち、全てのフィルムを一旦フィルム巻取りスプ−ルに巻
取る。また、プリワインド動作中に前記フィルム移動手
段からの信号を計数してフィルムの撮影可能駒数(規定
駒数)を検出し、記憶する。ここで、上記のフィルムの
突っ張り検出は、フィルムのパ−フォレ−ションの移動
を検出する不図示のフィルム移動検出手段からの信号が
ある一定時間発生しないことで行っている。 「ステップ1004」 不図示のDXコ−ド読取手段に
よりフィルム感度情報を読み取り、記憶する。この時、
フィルムがDXコ−ドに対応していない場合には、フィ
ルム感度は撮影者により入力されるが、この値を記憶す
ることになる。 「ステップ1005」 撮影モ−ドダイアル2で選択さ
れている撮影モ−ドを読み取り、現在の撮影モ−ドを記
憶する。この時同時に、内蔵型閃光装置の閃光撮影制御
回路71を通じて閃光撮影指示スイッチSWSの状態を
読み取り、定常光による撮影であるかそれとも閃光撮影
の指示がなされているかの判別を行い、この結果を記憶
する。 「ステップ1006」 上記ステップ1005で定常光
による撮影であることが記憶されている場合にはステッ
プ1010へ進み、閃光撮影の指示がなされている場合
は、この時閃光装置のメインコンデンサの充電が完了し
ているか否かを判別し、充電が完了していなければステ
ップ1007へ進み、充電が完了していればステップ1
008へ進む。 「ステップ1007」 ここでは充電が完了していない
ので、閃光撮影制御回路71へ充電の指示を行い、ステ
ップ1006へ戻る。充電が完了するまではこのル−プ
が繰り返し行われる。 「ステップ1008」 閃光装置のメインコンデンサへ
の充電が完了したので、閃光撮影制御回路71へ充電の
停止指示を行う。 「ステップ1009」 充電完了フラグをセットする。 「ステップ1010」 レリ−ズボタンの1段までの押
圧操作がなされ、起動スイッチSW1がONしているか
否かを判別する。この結果、ONしていればステップ1
011へ進み、OFFであればステップ1017へ進
む。 「ステップ1011」 動作継続タイマをリセットし、
動作時間を延長する。 「ステップ1012」 撮影レンズ51でファインダに
結像される像の一部はペンタプリズム21を透過した
後、測光光学系22で測光センサ23に導かれるが、こ
こではマイコン1は前記測光センサ23の出力を取り込
んでA/D変換した後、測光値として記憶する。 「ステップ1013」 上記ステップ1012で記憶し
た測光値と前記ステップ1004で記憶したフィルム感
度情報と前記ステップ1005で記憶した撮影モ−ドと
により、シャッタ速度と絞り値とを算出し、記憶する。
また、撮影モ−ドが閃光撮影モ−ドであり、シャッタ速
度が閃光同調速度より高速度である場合には、シャッタ
速度を強制的に閃光同調速度に設定し直し、これを記憶
する 「ステップ1014」 撮影レンズ51を通過した像は
メインミラ−42を透過し、サブミラ−43でAFユニ
ット60に導かれ、ここで瞳分割手段によって1対の像
に分割されてラインセンサ61で電気信号に変換される
が、マイコン1はこのラインセンサ61の出力信号を取
り込んでA/D変換し、AF用の信号として記憶する。
この後、マイコン1はこのAF信号に対して相関演算な
どを施してデフォ−カス量を算出する。 「ステップ1015」 上記ステップ1010にて算出
したデフォ−カス量から合焦か否かを判別し、合焦であ
った場合にはステップ1019へ進み、そうでない場合
はステップ1016へ進む。 「ステップ1016」 前記ステップ1014でのデフ
ォ−カス量からレンズ駆動量を算出し、撮影レンズユニ
ット50内の制御回路55にこれに従った焦点調節動作
を行わせる。制御回路55は、送られてくるレンズ駆動
量にしたがって焦点調節用モ−タ52を駆動し、エンコ
−ダ53からの出力信号に基づいて撮影レンズ51の位
置決め制御を行う。そしてステップ1002へ戻る。
【0197】上記ステップ1010において起動スイッ
チSW1がOFFと判別した場合には、前述したように
ステップ1017へ進む。 「ステップ1017」 動作継続タイマの状態を判別
し、該タイマが所定カウントに達していればステップ1
018へ進み、所定カウントに達していなければステッ
プ1002へ戻る。 「ステップ1018」 不図示のDC/DCコンバ−タ
等を停止させたり、各アクチュエ−タの通電を停止させ
てカメラシステムを停止させる。
【0198】上記ステップ1015において合焦と判別
した場合は、前述したようにステップ1019へ進む。 「ステップ1019」 ここではレリ−ズ開始スイッチ
SW2がONされているか否かを判別し、ONされてい
れば図6に示すステップ1020へ進んでレリ−ズシ−
ケンスへ入り、OFFであればステップ1002へ戻
る。 「ステップ1020」 上記ステップ1013において
記憶したシャッタ速度と絞り値とを基にフォ−カルプレ
−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行開始タイミン
グを設定し、同様に、撮影レンズユニット50内の電磁
駆動絞り装置54の駆動量を設定する。 「ステップ1021」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を回転させ、メインミラ−42をファイ
ンダ側へ上昇させる。この時、サブミラ−43はメイン
ミラ−42に連動して上昇し、最終的にはメインミラ−
42側に折り畳まれる。 「ステップ1022」 ファインダで被写体像を観察す
るために開放状態にあった電磁駆動絞り装置54をステ
ップ1020で設定した絞り駆動量だけ駆動させ、撮影
用の所定の絞り状態にする。 「ステップ1023」 ステップ1020で設定したフ
ォ−カルプレ−ンシャッタの先幕32の走行開始タイミ
ングによりシャッタ駆動制御を行ってフィルムへの露光
を開始させる。 「ステップ1024」 充電完了フラグがセットされて
いるか否かを判別し、セットされていればステップ10
25へ進み、セットされていなければステップ1026
へ進む。 「ステップ1025」 充電完了フラグをリセットし、
先幕32の走行完了に同期して閃光撮影制御回路71へ
発光開始を指示する。
【0199】この信号を受ける閃光撮影制御回路71
は、外付け型閃光装置80が装着されていない時は、閃
光放電管74を発光させ、その後受光レンズ72と受光
センサ73で検出される被写体からの反射光が所定量に
達すると、発光を停止させる。また、外付け型閃光装置
80が装着されている時には、外付け型閃光撮影制御回
路81に発光指示信号を出力して閃光放電管82を発光
させ、その後受光レンズ72と受光センサ73で検出さ
れる被写体からの反射光が所定量に達すると、発光を停
止させるように前記閃光撮影制御回路81へ発光停止信
号を出力して発光を停止させる。 「ステップ1026」 上記ステップ1020で設定し
たフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕33の走行開始タ
イミングによりシャッタ駆動制御を行ってフィルムに被
写体像の写し込みを終了する。また、通常撮影モ−ド、
或はソフトフォ−カス撮影モ−ドでの多重1回目の時
は、後幕33の走行開始時点で情報写し込み制御回路9
1へ情報の写し込み指示を行う。 「ステップ1027」 前記ステップ1005において
記憶した撮影モ−ドを判別し、ソフトフォ−カス撮影モ
−ドであった場合にはステップ1034へ進み、そうで
なかった場合にはステップ1028へ進む。 「ステップ1028」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を前述とは逆方向に回転させ、メインミ
ラ−42を元の位置に下降させる。この時、メインミラ
−42に折り畳まれていたサブミラ−43は該メインミ
ラ−42に連動して元の位置に戻る。また、メインミラ
−42の下降によりシャッタのチャ−ジが行われる。 「ステップ1029」 上記ステップ1022で絞り込
んだ電磁駆動絞り装置54を開放状態になる様に該電磁
駆動絞り装置54を駆動させる。 「ステップ1030」 フィルムが装填されている時
(フィルムが有る時)はステップ1031へ進み、フィ
ルムが装填されていない時(フィルムが無い時)はステ
ップ1002へ戻る。 「ステップ1031」 フィルムのパ−フォレ−ション
の移動を検出する不図示のフィルム移動検出手段からの
信号が1駒分になるまで不図示のフィルム給送装置を駆
動してフィルムを1駒分だけ給送する。 「ステップ1032」 前記ステップ1003において
記憶したフィルムの規定駒数と現在の駒数を比較し、フ
ィルム終了したか否かを判別する。この結果、フィルム
終了でなかった場合にはステップ1002へ戻り、フィ
ルム終了であった場合にはステップ1033へ進む。 「ステップ1033」 撮影者にフィルムの終了警告を
発して、フィルムの交換の操作以外は禁止し、ステップ
1002へ戻る。
【0200】上記ステップ1027においてソフトフォ
−カス撮影モ−ドであった場合には、前述したようにス
テップ1034へ進む。 「ステップ1034」 ここではデフォ−カス量が所定
量になるようなレンズ駆動量(レンズ駆動パルス数)を
算出する。例えば、要求するデフォ−カス倍率nを「5
0」,絞り値Fを「2.8 」,最小錯乱円δを「0.035 m
m」,レンズ送りピッチdを「0.005 mm」,レンズの敏
感度sを「1.0 」として、最小錯乱円δが「0.035 m
m」,絞り値Fが「2.8 」の状態で合焦位置で多重1回
目を、そして多重2回目を所定量(50・F・δ)だけ
デフォ−カスして露光したい場合は、 P={(n×F×δ)/s}/d ={(50×2.8 ×0.035 )/1.0 }/0.005 =875[パルス] という計算を実行してレンズ駆動量を算出する。 「ステップ1035」 上記ステップ1027で算出し
た撮影レンズ51のフォ−カス駆動量を撮影レンズユニ
ット50内の制御回路に指示する。 「ステップ1036」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を回転させ、メインミラ−42を元の位
置に下降させる。この時、メインミラ−42に折り畳ま
れていたサブミラ−43は該メインミラ−42に連動し
て元の位置に戻る。また、メインミラ−42の下降によ
りシャッタのチャ−ジが行われる。 「ステップ1037」 不図示のモ−タを逆転させて上
記のステップ1029とは逆方向にミラ−駆動軸41を
回転させ、メインミラ−42をファインダ側へ上昇させ
る。この時、サブミラ−43はメインミラ−42に連動
して上昇し、最終的にはメインミラ−42側に折り畳ま
れる。 「ステップ1038」 上記ステップ1035で駆動さ
せた撮影レンズ51が停止したか否かを判別し、停止し
ていなければこのステップに留まり、その後停止したこ
とを確認するとステップ1039へ進む。 「ステップ1039」 ステップ1035で駆動させた
撮影レンズ51がステップ1034で算出した所定量
(所定のデフォ−カス量)だけ駆動できたか否かを判別
し、所定量だけ駆動できなかった場合は至近端に突き当
たったとみなしてステップ1040へ進み、所定量分の
駆動が行われた場合はステップ1045へ進む。 「ステップ1040」 上記ステップ1034で算出し
たレンズ駆動量(所定量)をP,撮影レンズ51が実際
に駆動できた駆動量をPr,撮影レンズ51の最大デフ
ォ−カス量をDとして、以下の2条件のどちらかを満た
していれば、撮影レンズ51の反転駆動の必要がないと
判断する。
【0201】(1)Pr>0.70×P (2)Pr>0.35×D/d すなわち、実際のレンズ駆動量Prが所定量Pの「70
%」以上か、実際のレンズ駆動量PrがD/dの「35
%」以上(D/dは最大駆動パルス数を表す)であれ
ば、撮影レンズ51の反転駆動の必要がないと判断す
る。(1)の条件は、PrがPの「70%」に達してい
ればソフトフォ−カス撮影の効果が得られることを意味
し、(2)の条件は、Prが最大駆動パルス数の「35
%」に達していれば、反転駆動しても所望のデフォ−カ
ス量が得られる確率が低いことを意味する。 「ステップ1041」 撮影レンズ51の反転駆動が不
要か否かを判別し、不要な場合はステップ1045へ進
み、反転駆動が必要な場合はステップ1042へ進む。 「ステップ1042」 上記ステップ1034で算出し
たレンズ駆動量Pと撮影レンズ51が実際に駆動した駆
動量Prとから、反転駆動量Pxを「Px=−(P+P
r)」なる計算により求める。 「ステップ1043」 上記ステップ1042で計算し
た撮影レンズ51の反転駆動量Pxを撮影レンズユニッ
ト50内の制御回路55へ指示し、撮影レンズ51の反
転駆動を開始させる。 「ステップ1044」 上記ステップ1043で駆動さ
せた撮影レンズが停止したか否かを判別し、停止してい
なければこのステップに留まり、その後停止したことを
確認するとステップ1045へ進む。 「ステップ1045」 ここでは上記ステップ1013
において記憶したシャッタ速度と絞り値とに基づいてフ
ォ−カスプレ−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行
開始タイミングを設定し、同時に、撮影レンズユニット
50内の電磁駆動絞り装置54の駆動量を設定する。こ
の後、一時的にソフトフォ−カス撮影モ−ドを解除して
ステップ1022へ戻る。
【0202】以上が一連の動作説明であるが、ここで、
上記のステップ1009の露光量の算出について更に詳
述する。
【0203】適正露光量の定義については多くの意見が
あるが、フィルム感度が100のフィルムに対して「0.
075 〜0.1 [lux・sec ]」とするのが一般的である。
今、「0.08[lux・sec ]」を適正露出量と考えると、露
出量Hとフィルム感度Sの積は H×S=8.0 で、露出量Hは像面照度Iと有効露出時間Tの積で与え
られるので、Bを被写体輝度、Fを絞り値、kをレンズ
の透過率等の係数として、 H=I×T=k×(B×T/F2 ) という関係式がある。上記露出量Hの関係式と、EV値
の定義式から、 EV=log2 (F2 /T) =log2 {(k×B×s)/8.0 としてEV値が算出できる。なお、被写体輝度Bは測光
センサ23により測光値として得られる。この後、前述
の計算で得られたEV値から、撮影モ−ドが通常の撮影
モ−ドであれば所定のプログラム線図にしたがってシャ
ッタ速度と絞り値との組み合せを設定し、ソフトフォ−
カス撮影モ−ドであれば、これ専用のプログラム線図に
したがってシャッタ速度と絞り値との組み合せを設定す
る。また、ソフトフォ−カス撮影モ−ドの時は、複数の
露出で適正露出となるようにソフトソ−カス効果に合せ
て多重1回目と多重2回目のシャッタ速度と絞り値とを
設定する。
【0204】なお、この実施例では、多重撮影回数とし
て2回の場合を例にしているが、合焦状態での多重1回
目の後、非合焦状態で2回以上の写し込みを行うように
しても良い。また、この場合、非合焦状態のデフォ−カ
ス量を各回毎に変化させても良い。
【0205】この第4の実施例によれば、カメラの撮影
モ−ドをソフトフォ−カス撮影モ−ドに設定することの
みで、自動的に多重露出機能にセットされると共に、多
重露出効果が適正となるように測光値を基に多重撮影回
毎の露出値が決められて自動的に露出補正がかかり、し
かも、最適なソフォトフォ−カス効果を生み出すための
非合焦撮影時における非合焦量も自動的にセットされる
ため、豊富な経験や知識、感を必要とせず、初心者にも
簡単にソフトフォ−カス効果のある写真撮影を可能とす
ることができる。
【0206】さらに、多重露出の合焦位置における露出
時のみ閃光発光を行うようにしている為、次の多重露出
時に閃光発光させるためにメインコンデンサへの充電時
間を待つといった必要がなくなるため、その後の多重露
出の間隔を短くすることができる。この結果、手ブレや
被写体の画面内における動きによるブレを防止すること
ができ、美しいソフトフォ−カス効果のある撮影(夜間
のみならず、日中シンクロ時にも)が可能となる。
【0207】また、夜間撮影においては、上記の様な制
御を行うことにより、主被写体のみがはっきりと写し出
され、背景がソフトフォ−カス効果を持つという特殊効
果撮影がより顕著となる。この時、露出制御が絞り優先
であれば、夜間の暗闇での撮影ではスロ−シンクロに自
動的に設定されるので、閃光発光しても主被写体と背景
は適正な露光が行われる。よって、撮影者は簡単に上記
特殊効果を得る写真撮影が可能となる。
【0208】(第5の実施例)図7は本発明の第5の実
施例における特殊効果撮影可能なカメラの概略構成を示
す図である。
【0209】図7において、1はカメラの各処理を制御
するマイクロコンピュ−タ(以下、マイコンと記す)、
2は撮影モ−ドを入力する撮影モ−ドダイアル、3は被
写体輝度測定用の測光センサ23の出力信号をマイコン
1に取り込む為のA/D変換器、4はAFユニット60
内のラインセンサからの出力信号をマイコン1に取り込
むためのA/D変換器、SW1はレリ−ズボタンの押圧
に連動してその1段目でONする起動スイッチ、SW2
はレリ−ズボタンの押圧に連動してその2段目でONす
るレリ−ズ開始スイッチ、SW3はカメラの背蓋の開閉
を検出する背蓋開閉検出スイッチ、SW4はカメラのパ
トロ−ネ室にフィルムが装填されていることを検出する
フィルム装填検出スイッチ、23は前出の被写体輝度測
定用の測光センサ、30はシャッタユニット、40はミ
ラ−ユニット、50は撮影レンズユニット、51は焦点
位置調節可能な撮影レンズ、52は焦点調節用モ−タ、
53は焦点調節用モ−タ52の駆動量を検出するエンコ
−ダ、54はレンズの透過光量を調節する電磁駆動絞り
装置、55はレンズユニット制御回路、60は前出の焦
点位置検出用のAFユニットである。
【0210】図8は、上記カメラの測光系及びAF系を
示す図である。
【0211】図8において、21はファインダ用ペンタ
プリズム、22は測光センサ23に像を結像させるため
の測光光学系、31はフォ−カルプレ−ンシャッタ駆動
装置、32はフォ−カルプレ−ンシャッタの先幕、33
はフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕、41は後述のメ
インミラ−の駆動(上昇,下降)やフィルム給送用、更
にはシャッタのチャ−ジを行う不図示のモ−タにより回
転せられるミラ−駆動軸、42はファインダ部分とAF
部分とに光路を分割するための半透過なメインミラ−、
43は前記光路を分割されたAF用の光束をAFユニッ
ト60に導く為のサブミラ−である。
【0212】上記の図8を用いてカメラの露光シ−ケン
スを説明すると、レリ−ズボタンの2段目までの押圧操
作がなされることにより、レリ−ズ開始スイッチSW2
がONとなり、レリ−ズシ−ケンスが開始される。
【0213】すなわち、マイコン1は不図示のモ−タを
駆動させてメインミラ−42をファインダ側へ上昇(ミ
ラ−駆動軸41を介して)させる。この時、メインミラ
−42の上昇と共にサブミラ−43はメインミラ−42
の裏側に折り畳まれ、撮影レンズ51とフィルム面との
間の光路を妨害することはない。メインミラ−42がフ
ァインダ側に上昇し終えると、マイコン1は次にフォ−
カルプレ−ンシャッタ駆動装置31にフォ−カルプレ−
ンシャッタの先幕32の走行を指示する。これにより、
多重1回目の露光が開始される。そして、露出演算に基
づいたシャッタ秒時経過後、マイコン1はフォ−カルプ
レ−ンシャッタ駆動装置31にフォ−カルプレ−ンシャ
ッタの後幕33の走行を指示する。これにより、フィル
ムへの多重1回目の露光が終了する。
【0214】次に、マイコン1はモ−タを駆動させてフ
ァインダ側へ上昇していたメインミラ−42を下降させ
る。この時、メインミラ−42の裏側に折畳まれていた
サブミラ−43はメインミラ−42の下降と共に元の位
置に復帰する。また、前述のメインミラ−42の下降と
同時にシャッタ駆動用のバネのチャ−ジがなされる。そ
して撮影レンズ51を駆動させて焦点位置を所定量だけ
デフォ−カスさせて多重2駒目の露光の準備を行う。次
に、モ−タを駆動させてメインミラ−42をファインダ
側へ上昇させる。この時、処理時間の短縮が必要であれ
ば、撮影レンズ51の駆動とメインミラ−42の駆動を
同時に行う事も可能である。この後、撮影レンズ51の
駆動終了とメインミラ−42の上昇終了で、第1回目へ
の露光と同様に、シャッタ駆動装置31にフォ−カルプ
レ−ンシャッタの先幕32の走行を指示する。これによ
り、多重2回目の露光が開始される。そして、指定時間
の経過後、マイコン1はフォ−カルプレ−ンシャッタ駆
動装置31にフォ−カルプレ−ンシャッタの後幕33の
走行を指示する。これにより、フィルムへの多重2回目
の露光が終了する。次に、モ−タを駆動させてファイン
ダ側へ上昇していたメインミラ−42を下降させる。こ
の時、メインミラ−42の裏側に畳まれていたサブミラ
−43はメインミラ−42の下降と共に基の位置に復帰
する。また、上記メインミラ−42の下降と同時にシャ
ッタ駆動用のバネをチャ−ジする。
【0215】以上で、1駒に対する多重1回目,2回目
の露光が完了し、その後フィルムを1駒給送して次の駒
の撮影に備える。
【0216】図9は、上述したソフトフォ−カス撮影時
における動作説明を助けるための図である。
【0217】図9(a)は、被写体を合焦状態にしてフ
ィルム面に写し込む際、つまり多重1回目の撮影状態を
示す図で、フィルム面には鮮鋭な被写体像が投影されて
いる。
【0218】図9(b)は、被写体を非合焦状態にして
フィルム面に写し込む際、つまり多重2回目の撮影状態
を示す図で、フィルム面にはボケた被写体像が投影され
ている。
【0219】図9(c)は、最終的にフィルムに露光さ
れる被写体像を説明するための図で、多重1回目の鮮鋭
な被写体像と多重2回目のボケた被写体像とが合成され
てソフトフォ−カス効果が出ている。
【0220】図10は上記のソフトフォ−カス撮影時に
おけるタイミングチャ−トである。
【0221】ここでは、モ−タの逆転でメインミラ−4
2の上昇とチャ−ジ,更には下降を、正転でフィルム給
送を行うカメラを例にして説明する。また、このカメラ
の絞り装置は、ステッピングモ−タに通電する事で絞り
が絞られ、その後、通電OFF状態ではその絞り状態を
保持したままであり、再度通電されて絞り開放となるよ
うな電磁駆動絞り装置である。また、フォ−カルプレ−
ンシャッタの先幕,後幕はカメラのスタンバイ状態では
機械的に保持されており、機械的保持が無くなる前にマ
グネットが通電されて吸着保持され、先幕,後幕共に、
走行開始タイミングに合せて通電をOFFするようなシ
ャッタ機構であるものとする。
【0222】以下に、図10のタイミングチャ−トに基
づいて説明する。
【0223】レリ−ズボタンの押圧に連動して起動スイ
ッチSW1がONとなると、測光、測距動作が開始さ
れ、次いで測距演算結果に基づいた位置へのレンズ駆動
が開始される。合焦後、露光シ−ケンスに入るべくレリ
−ズ開始スイッチSW2がONとなると、モ−タの逆転
が開始され、メインミラ−43が上昇し始める。この
時、シャッタ先幕用マグネットと後幕マグネットへの通
電がなされアマ−チャの吸着保持がなされた後に、先幕
32,後幕33の走行を禁止していた機械的保持状態が
開放される。メインミラ−43の上昇が完了すると、ミ
ラ−アップ状態を示す信号MRUPがON(“L”)と
なり、絞り信号EMDが“H”となって前述の電磁駆動
絞りが作動する。
【0224】次に、シャッタ先幕用マグネットへの通電
がOFFされ、これにより先幕32が走行し、次いで露
出演算に基づいたシャッタ秒時経過後にシャッタ後幕用
マグネットへの通電がOFFされ、これにより後幕33
が走行する。そして、この後幕33の走行完了を示す信
号CN2が“H”となると、モ−タが再度逆転され、メ
インミラ−43は下降し始め、上記信号MRUPはOF
F(“H”)となる。この時同時に、シャッタチャ−ジ
が行われ、その後、後幕走行完了を示す信号CN2は
“L”となる。上記モ−タの逆転は前記シャッタのチャ
−ジ完了信号SCHが発生(“H”)となるまで行われ
る。
【0225】上記のシャッタチャ−ジ中に、多重2回目
の非合焦撮影の為に所定駆動量だけ撮影レンズ51が駆
動され、該撮影レンズ51が所定の駆動を完了すると、
続けて再度モ−タの逆転が行われ、多重2回目の露光シ
−ケンスに入る。
【0226】なお、この時、シャッタのチャ−ジ完了信
号SCHの発生と撮影レンズ51の駆動完了のどちらか
が先になるかはレンズ駆動量や駆動速度によるので、そ
の状況によって異なる。ここではシャッタのチャ−ジ完
了信号SCHの発生よりもレンズ駆動完了の方が遅かっ
た場合のタイミングチャ−トとなっている為、撮影レン
ズ51の駆動完了を待って2回目の露光シ−ケンスに入
る。
【0227】2回目の露光シ−ケンスに入ると、先ずモ
−タの逆転が行われ、これによりメインミラ−43が上
昇し始め、ミラ−アップが完了するとミラ−アップ状態
を示す信号MRUPがONされる。次に、フォ−カルプ
レ−ンシャッタの先幕32が走行し、露出演算に基づい
たシャッタ秒時経過後に後幕33が走行する。そして、
この後幕33の走行完了を示す信号CN2が“H”ON
となると、モ−タが再度逆転され、メインミラ−43は
下降し始め、上記信号MRUPはOFFとなる。この
時、多重1回目の露光時に絞ったままの状態にある前述
の電磁駆動絞りに再度通電がなされ、絞りを開放にす
る。そしてミラ−ダウンと同時にシャッタのチャ−ジが
行われ、その後、後幕走行完了を示す信号CN2は
“L”となる。上記モ−タの逆転は前述と同様、前記シ
ャッタのチャ−ジ完了信号SCHが発生となるまで行わ
れる。
【0228】以上でソフトフォ−カス撮影のレリ−ズシ
−ケンスが終了し、モ−タが正転されてフィルムの1駒
給送が行われる。
【0229】なお、図10中のFLMVはフィルムが給
送されている時に発生するパルス信号で、所定回数カウ
ント後に上記モ−タへの通電がデュ−ティ制御されてブ
レ−キがかけられ、該モ−タは停止し、次の撮影に備え
ることになる。
【0230】ここで、多重2回目の非合焦撮影の為のレ
ンズ駆動量について述べる。
【0231】レンズ駆動量算出式は、以下の通りであ
る。
【0232】P={(n×F×δ)/s}/d なお、Pはレンズ駆動量(レンズ駆動パルス数)、Fは
絞り値、δは最小錯乱円、sはレンズの敏感度、dはレ
ンズ送りピッチである。nは要求するデフォ−カス倍率
であり、このnの値により多重2回目の非合焦量が決定
され、ソフトフォ−カス効果の程度を左右する。本実施
例では後述するように「n=50」としている。
【0233】また、多重2回目の非合焦撮影の為のレン
ズ駆動方向については、まず至近側に駆動する。これは
主被写体よりも至近側に別の被写体が存在する確率が低
いからである。但し、レンズを駆動した結果、上記の式
により算出された所定駆動量を満たさなかった場合は、
至近端に突き当たった後に∞端側に所定駆動量分、レン
ズを再駆動する。この時、上記の式により算出された所
定駆動量と個々のレンズの持つ最大デフォ−カス量とを
比較し、場合によっては、レンズを駆動した結果が所定
駆動量を満たさなくても至近端で停止するようにしても
良い。
【0234】次に、多重1回目の合焦撮影時と多重2回
目の非合焦撮影時の露出配分について述べる。
【0235】通常の多重撮影は、一般に各回の露出は全
て均等であるため、露出比は「1:1」であるが、様々
な特殊効果を狙って露出比も「1:1」に限らずいろい
ろな露出比を選択する事でソフトフォ−カス効果の程度
を変えることができる。多重2回目の露出量を多重1回
目の露出量より大きくすれば、合焦像が薄くなり、全体
的にソフトソ−カス効果の程度が大きくなる傾向にある
が、撮影シ−ンに合せて単なるピントボケ写真にならな
いように適度な露出比を選択する必要があるが、本発明
においては直接関係ないので、これ以上については言及
しない。
【0236】また、上記の撮影要素をいろいろ組み合せ
ることにより、本実施例におけるソフトソ−カス撮影モ
−ドにセットした状態でソフトソ−カス効果の程度を任
意に選択可能としても良い。
【0237】図11は図7に示す本実施例におけるカメ
ラのマイコン1の動作を示すフロ−チャ−トであり、以
下これにしたがって説明する。 「ステップ1001」 I/O(マイコン周辺IC)の
リセットやメモリの初期化を行う。この時、不図示の動
作継続タイマもリセットされる。 「ステップ1002」 背蓋開閉スイッチSW3やフィ
ルム装填スイッチSW4等の状態より、背蓋が閉じてフ
ィルムが装填されている状態であり、且つプリワインド
前か否かを判別し、プリワインド前であればステップ1
003へ進み、プリワインド不要であればステップ10
05へ進む。 「ステップ1003」 フィルムの突っ張りを検出する
までフィルムをフィルム巻取りスプ−ルへ巻取る。即
ち、全てのフィルムを一旦フィルム巻取りスプ−ルに巻
取る。また、プリワインド動作中に前記フィルム移動手
段からの信号を計数してフィルムの撮影可能駒数(規定
駒数)を検出し、記憶する。ここで、上記のフィルムの
突っ張り検出は、フィルムのパ−フォレ−ションの移動
を検出する不図示のフィルム移動検出手段からの信号が
ある一定時間発生しないことで行っている。 「ステップ1004」 不図示のDXコ−ド読取手段に
よりフィルム感度情報を読み取り、記憶する。この時、
フィルムがDXコ−ドに対応していない場合には、フィ
ルム感度は撮影者により入力されるが、この値を記憶す
ることになる。 「ステップ1005」 撮影モ−ドダイアル2で選択さ
れている撮影モ−ドを読み取り、現在の撮影モ−ドを記
憶する。
【0238】ここで、設定可能な撮影モ−ドとしては、
特殊撮影モ−ドであるところのソフトフォ−カスモ−ド
の他に、スポ−ツモ−ド、シャッタ優先モ−ド、絞り優
先モ−ド等がある。また、該カメラにおいては、ソフト
フォ−カスモ−ドが選択される事により、AFモ−ドと
してワンショットAFが自動的に設定され、スポ−ツモ
−ド等が選択されることによりサ−ボAFが自動的に設
定される構成となっている。これは、云うまでもなくそ
れぞれの撮影モ−ドが選択された場合に、最もその撮影
効果(意図する撮影効果)を発揮することが可能となる
ことからである。 「ステップ1006」 レリ−ズボタンの1段までの押
圧操作がなされ、起動スイッチSW1がONしているか
否かを判別する。この結果、ONしていればステップ1
007へ進み、OFFのままであればステップ1013
へ進む。 「ステップ1007」 動作継続タイマをリセットし、
動作時間を延長する。 「ステップ1008」 撮影レンズ51でファインダに
結像される像の一部はペンタプリズム21を透過した
後、測光光学系22で測光センサ23に導かれるが、こ
こではマイコン1は前記測光センサ23の出力を取り込
んでA/D変換した後、測光値として記憶する。 「ステップ1009」 上記ステップ1008で記憶し
た測光値と前記ステップ1004で記憶したフィルム感
度情報と前記ステップ1005で記憶した撮影モ−ドと
により、シャッタ速度と絞り値とを算出し、記憶する。 「ステップ1010」 撮影レンズ51を通過した像は
メインミラ−42を透過し、サブミラ−43でAFユニ
ット60に導かれ、ここで瞳分割手段によって1対の像
に分割されてラインセンサ61で電気信号に変換される
が、マイコン1はこのラインセンサ61の出力信号を取
り込んでA/D変換し、AF用の信号として記憶する。
この後、マイコン1はこのAF信号に対して相関演算な
どを施してデフォ−カス量を算出する。 「ステップ1011」 上記ステップ1010にて算出
したデフォ−カス量から合焦か否かを判別し、合焦であ
った場合にはステップ1015へ進み、そうでない場合
はステップ1012へ進む。 「ステップ1012」 前記ステップ1010でのデフ
ォ−カス量からレンズ駆動量を算出し、撮影レンズユニ
ット50内の制御回路55にこれに従った焦点調節動作
を行わせる。制御回路55は、送られてくるレンズ駆動
量にしたがって焦点調節用モ−タ52を駆動し、エンコ
−ダ53からの出力信号に基づいて撮影レンズ51の位
置決め制御を行う。そしてステップ1002へ戻る。
【0239】上記ステップ1006において起動スイッ
チSW1がOFFと判別した場合には、前述したように
ステップ1013へ進む。 「ステップ1013」 動作継続タイマの状態を判別
し、該タイマが所定カウントに達していればステップ1
014へ進み、所定カウントに達していなければステッ
プ1002へ戻る。 「ステップ1014」 不図示のDC/DCコンバ−タ
等を停止させたり、各アクチュエ−タの通電を停止させ
てカメラシステムを停止させる。
【0240】上記ステップ1011において合焦と判別
した場合は、前述したようにステップ1015へ進む。 「ステップ1015」 ここではレリ−ズ開始スイッチ
SW2がONされているか否かを判別し、ONされてい
ればステップ1016へ進んでレリ−ズシ−ケンスへ入
り、OFFであればステップ1002へ戻る。
【0241】なお、この時の撮影モ−ドがサ−ボAFが
設定されるべきスポ−ツモ−ド等であった場合には、こ
のステップ1015からステップ1016へ移行する間
に、ステップ1011において行った「合焦判別」を行
い、合焦でなかったらステップ1012において行った
「レンズAF駆動」を行い、合焦後にステップ1016
へと進むといったステップが入ることになるが、本件で
は直接関係ないので図11では省略している。 「ステップ1016」 上記ステップ1009において
記憶したシャッタ速度と絞り値都を基にフォ−カルプレ
−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行開始タイミン
グを設定し、同様に、撮影レンズユニット50内の電磁
駆動絞り装置54の駆動量を設定する。 「ステップ1017」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を回転させ、メインミラ−42をファイ
ンダ側へ上昇させる。この時、サブミラ−43はメイン
ミラ−42に連動して上昇し、最終的にはメインミラ−
42側に折り畳まれる。 「ステップ1018」 ファインダで被写体像を観察す
るために開放状態にあった電磁駆動絞り装置54をステ
ップ1016で設定した絞り駆動量だけ駆動させ、撮影
用の所定の絞り状態にする。 「ステップ1019」 上記ステップ16で設定したフ
ォ−カルプレ−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行
開始タイミングによりシャッタ駆動制御を行ってフィル
ムに被写体像の写し込みを行う。 「ステップ1020」 前記ステップ1005において
記憶した撮影モ−ドを判別し、ソフトフォ−カス撮影モ
−ドであった場合にはステップ1027へ進み、その他
の撮影モ−ドであった場合にはステップ1021へ進
む。 「ステップ1021」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を前述とは逆方向に回転させ、メインミ
ラ−42を元の位置に下降させる。この時、メインミラ
−42に折り畳まれていたサブミラ−43は該メインミ
ラ−42に連動して元の位置に戻る。また、メインミラ
−42の下降によりシャッタのチャ−ジが行われる。 「ステップ1022」 上記ステップ1018で絞り込
んだ電磁駆動絞り装置54を開放状態になる様に該電磁
駆動絞り装置54を駆動させる。 「ステップ1023」 フィルムが装填されている時
(フィルムが有る時)はステップ1024へ進み、フィ
ルムが装填されていない時(フィルムが無い時)はステ
ップ1002へ戻る。 「ステップ1024」 フィルムのパ−フォレ−ション
の移動を検出する不図示のフィルム移動検出手段からの
信号が1駒分になるまで不図示のフィルム給送装置を駆
動してフィルムを1駒分だけ給送する。 「ステップ1025」 前記ステップ1003において
記憶したフィルムの規定駒数と現在の駒数を比較し、フ
ィルム終了したか否かを判別する。この結果、フィルム
終了でなかった場合にはステップ1002へ戻り、フィ
ルム終了であった場合にはステップ1026へ進む。 「ステップ1026」 撮影者にフィルムの終了警告を
発して、フィルムの交換の操作以外は禁止し、ステップ
1002へ戻る。
【0242】上記ステップ1020においてソフトフォ
−カス撮影モ−ドであった場合には、前述したようにス
テッ1027へ進む。 「ステップ1027」 ここではデフォ−カス量が所定
量になるようなレンズ駆動量(レンズ駆動パルス数)を
算出する。例えば、要求するデフォ−カス倍率nを「5
0」,絞り値Fを「2.8 」,最小錯乱円δを「0.035 m
m」,レンズ送りピッチdを「0.005 mm」,レンズの敏
感度sを「1.0 」として、最小錯乱円δが「0.035 m
m」,絞り値Fが「2.8 」の状態で合焦位置で多重1回
目を、そして多重2回目を所定量(50・F・δ)だけ
デフォ−カスして露光したい場合は、 P={(n×F×δ)/s}/d ={(50×2.8 ×0.035 )/1.0 }/0.005 =875[パルス] という計算を実行してレンズ駆動量を算出する。 「ステップ1028」 上記ステップ1027で算出し
た撮影レンズ51のフォ−カス駆動量を撮影レンズユニ
ット50内の制御回路に指示する。 「ステップ1029」 不図示のモ−タを逆転させてミ
ラ−駆動軸41を回転させ、メインミラ−42を元の位
置に下降させる。この時、メインミラ−42に折り畳ま
れていたサブミラ−43は該メインミラ−42に連動し
て元の位置に戻る。また、メインミラ−42の下降によ
りシャッタのチャ−ジが行われる。 「ステップ1030」 不図示のモ−タを逆転させて上
記のステップ1029とは逆方向にミラ−駆動軸41を
回転させ、メインミラ−42をファインダ側へ上昇させ
る。この時、サブミラ−43はメインミラ−42に連動
して上昇し、最終的にはメインミラ−42側に折り畳ま
れる。 「ステップ1031」 上記ステップ1028で駆動さ
せた撮影レンズ51が停止したか否かを判別し、停止し
ていなければこのステップに留まり、その後停止したこ
とを確認するとステップ1032へ進む。 「ステップ1032」 ステップ1028で駆動させた
撮影レンズ51がステップ1027で算出した所定量
(所定のデフォ−カス量)だけ駆動できたか否かを判別
し、所定量だけ駆動できなかった場合は至近端に突き当
たったとみなしてステップ1033へ進み、所定量分の
駆動が行われた場合はステップ1038へ進む。 「ステップ1033」 上記ステップ1027で算出し
たレンズ駆動量(所定量)をP,撮影レンズ51が実際
に駆動できた駆動量をPr,撮影レンズ51の最大デフ
ォ−カス量をDとして、以下の2条件のどちらかを満た
していれば、撮影レンズ51の反転駆動の必要がないと
判断する。
【0243】(1)Pr>0.70×P (2)Pr>0.35×D/d すなわち、実際のレンズ駆動量Prが所定量Pの「70
%」以上か、実際のレンズ駆動量PrがD/dの「35
%」以上(D/dは最大駆動パルス数を表す)であれ
ば、撮影レンズ51の反転駆動の必要がないと判断す
る。(1)の条件は、PrがPの「70%」に達してい
ればソフトフォ−カス撮影の効果が得られることを意味
し、(2)の条件は、Prが最大駆動パルス数の「35
%」に達していれば、反転駆動しても所望のデフォ−カ
ス量が得られる確率が低いことを意味する。 「ステップ1034」 撮影レンズ51の反転駆動が不
要か否かを判別し、不要な場合はステップ1038へ進
み、反転駆動が必要な場合はステップ1035へ進む。 「ステップ1035」 上記ステップ1027で算出し
たレンズ駆動量Pと撮影レンズ51が実際に駆動した駆
動量Prとから、反転駆動量Pxを「Px=−(P+P
r)」なる計算により求める。 「ステップ1036」 上記ステップ1035で計算し
た撮影レンズ51の反転駆動量Pxを撮影レンズユニッ
ト50内の制御回路55へ指示し、撮影レンズ51の反
転駆動を開始させる。 「ステップ1037」 上記ステップ1036で駆動さ
せた撮影レンズが停止したか否かを判別し、停止してい
なければこのステップに留まり、その後停止したことを
確認するとステップ1038へ進む。 「ステップ1038」 ここでは上記ステップ1009
において記憶したシャッタ速度と絞り値とに基づいてフ
ォ−カスプレ−ンシャッタの先幕32と後幕33の走行
開始タイミングを設定し、同時に、撮影レンズユニット
50内の電磁駆動絞り装置54の駆動量を設定する。こ
の後、一時的にソフトフォ−カス撮影モ−ドを解除して
ステップ1018へ戻る。
【0244】以上が一連の動作説明であるが、ここで、
上記のステップ1009の露光量の算出について更に詳
述する。
【0245】適正露光量の定義については多くの意見が
あるが、フィルム感度が100のフィルムに対して「0.
075 〜0.1 [lux・sec ]」とするのが一般的である。
今、「0.08[lux・sec ]」を適正露出量と考えると、露
出量Hとフィルム感度Sの積は H×S=8.0 で、露出量Hは像面照度Iと有効露出時間Tの積で与え
られるので、Bを被写体輝度、Fを絞り値、kをレンズ
の透過率等の係数として、 H=I×T=k×(B×T/F2 ) という関係式がある。上記露出量Hの関係式と、EV値
の定義式から、 EV=log2 (F2 /T) =log2 {(k×B×s)/8.0 としてEV値が算出できる。なお、被写体輝度Bは測光
センサ23により測光値として得られる。この後、前述
の計算で得られたEV値から、撮影モ−ドが通常の撮影
モ−ドであれば所定のプログラム線図にしたがってシャ
ッタ速度と絞り値との組み合せを設定し、ソフトフォ−
カス撮影モ−ドであれば、これ専用のプログラム線図に
したがってシャッタ速度と絞り値との組み合せを設定す
る。また、ソフトフォ−カス撮影モ−ドの時は、複数の
露出で適正露出となるようにソフトソ−カス効果に合せ
て多重1回目と多重2回目のシャッタ速度と絞り値とを
設定する。
【0246】なお、この実施例では、多重撮影回数とし
て2回の場合を例にしているが、合焦状態での多重1回
目の後、非合焦状態で2回以上の写し込みを行うように
しても良い。また、この場合、非合焦状態のデフォ−カ
ス量を各回毎に変化させても良い。
【0247】この第5の実施例によれば、カメラの撮影
モ−ドをソフトフォ−カス撮影モ−ドに設定することの
みで、自動的に多重露出機能にセットされると共に、多
重露出効果が適正となるように測光値を基に多重撮影回
毎の露出値が決められて自動的に露出補正がかかり、し
かも、最適なソフォトフォ−カス効果を生み出すための
非合焦撮影時における非合焦量も自動的にセットされる
ため、豊富な経験や知識、感を必要とせず、初心者にも
簡単にソフトフォ−カス効果のある写真撮影を可能とす
ることができる。
【0248】また、ソフトフォ−カスモ−ドが撮影モ−
ドとして選択された場合には、この時の被写体は静止し
ていることが殆どである事と、サ−ボAFではレリ−ズ
優先となる場合があり合焦時における撮影ができないこ
とがある事から、一旦合焦した後はその状態を保持(A
Fロック)するワンショットAFに固定するようにして
いる為、合焦時における多重露出が1回も行われず、意
図した特殊効果が得られないといったことを防ぐことが
できる。
【0249】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本
発明によれば、モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選
択され、この状態でレリ−ズ操作がなされることによ
り、焦点位置変更手段及び露出制御手段それぞれを制御
し、同一の感光部位に、まず撮影用光学系の合焦位置に
おける露出を、次いで撮影用光学系の非合焦位置におけ
る少なくとも1回の露出を連続して多重露出する特殊撮
影実行手段を設け、特殊撮影モ−ドが選択された撮影に
際しては、同一の感光部位に、最初に撮影用光学系の合
焦位置における写し込み(露出)を行い、次いで非合焦
位置における少なくとも1回の写し込みを、自動的に連
続して行うようにしている。
【0250】よって、煩雑な操作を使用者に強要するこ
となく、且つシャッタチャンスを逃すことなく、特殊効
果を得るための撮影を容易に実現させることができる。
【0251】また、請求項2及び3記載の本発明によれ
ば、モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選択され、こ
の状態でレリ−ズ操作がなされることにより、焦点位置
変更手段及び露出制御手段それぞれを制御し、同一の感
光部位に、撮影用光学系の合焦位置における露出と撮影
用光学系の非合焦位置における少なくとも1回の露出を
連続して多重露出する特殊撮影実行手段と、モ−ド選択
手段にて特殊撮影モ−ドが選択された際には、多重露出
1回目で設定した絞り値に該特殊撮影終了まで固定する
絞り制御手段とを設け、また、モ−ド選択手段にて特殊
撮影モ−ドが選択された際には、所定の絞り状態とする
ために電磁駆動絞り手段へ通電し、その後該特殊撮影終
了がすることにより絞りを開放状態に戻す為に再度前記
電磁駆動絞り手段への通電を行う通電制御手段とを設
け、特殊撮影モ−ドが選択された撮影に際しては、同一
の感光部位に、撮影用光学系の合焦位置における写し込
み(露出)と非合焦位置における少なくとも1回の写し
込みとを自動的に連続して行うと共に、絞り制御手段、
或は、通電制御手段により、露出1回目で設定した絞り
値のままでその後の多重撮影を続行するようにして、多
重露出の間隔を短くするようにしている。
【0252】よって、煩雑な操作を使用者に強要するこ
となく、容易に被写体のブレの少ない美しいソフトフォ
−カス効果を得るための撮影を実現させると共に、電力
消費を抑えることが可能となる。
【0253】また、請求項4乃至6記載の本発明によれ
ば、モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選択され、こ
の状態でレリ−ズ操作がなされることにより、焦点位置
変更手段及び露出制御手段それぞれを制御し、同一の感
光部位に、撮影用光学系の合焦位置における露出と撮影
用光学系の非合焦位置における少なくとも1回の露出を
連続して多重露出する特殊撮影実行手段と、モ−ド選択
手段にて特殊撮影モ−ドが選択された際には、多重露出
中の1回のみ情報写し込み手段を動作させる写し込み制
御手段とを設け、特殊撮影モ−ドが選択された撮影に際
しては、同一の感光部位に、撮影用光学系の合焦位置に
おける写し込み(露出)と非合焦位置における少なくと
も1回の写し込みとを自動的に連続して行うと共に、多
重露出中の1回のみ情報の写し込みを自動的に行わせる
ようにして、多重露出の間隔を短くするようにしてい
る。
【0254】よって、煩雑な操作を使用者に強要するこ
となく、容易に被写体のブレの少ない美しいソフトフォ
−カス効果を得るための撮影を実現させると共に、適正
な情報の写し込みを行うことが可能となる。
【0255】また、請求項7記載の本発明によれば、モ
−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選択され、この状態
でレリ−ズ操作がなされることにより、焦点位置変更手
段及び露出制御手段それぞれを制御し、同一の感光部位
に、最初に撮影用光学系の合焦位置における露出を、次
いで撮影用光学系の非合焦位置における少なくとも1回
の露出を、連続して多重露出する特殊撮影実行手段と、
モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選択された際に
は、撮影用光学系の合焦位置における露出時にのみ閃光
装置を発光させる閃光発光制御手段とを設け、特殊撮影
モ−ドが選択された撮影に際しては、同一の感光部位
に、最初に撮影用光学系の合焦位置における写し込み
(露出)を、次いで非合焦位置における少なくとも1回
の写し込みを、自動的に連続して行うと共に、主被写体
が合焦している最初の多重露出時のみ閃光発光させ、合
焦していない時には閃光発光させないようにして、多重
露出の間隔を短くするようにしている。
【0256】よって、煩雑な操作を使用者に強要するこ
となく、容易に被写体のブレの少ない美しいソフトフォ
−カス効果を得るための閃光撮影を実現させることが可
能となる。
【0257】また、請求項8記載の本発明によれば、モ
−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選択され、この状態
でレリ−ズ操作がなされることにより、焦点位置変更手
段及び露出制御手段それぞれを制御し、同一の感光部位
に、撮影用光学系の合焦位置における露出と撮影用光学
系の非合焦位置における少なくとも1回の露出を連続し
て多重露出する特殊撮影実行手段と、モ−ド選択手段に
て特殊撮影モ−ドが選択された際には、合焦位置におけ
る露出時は、焦点検出手段から合焦信号が出力されるま
で、露光を許可しない露光禁止手段とを設け、特殊撮影
モ−ドが選択された撮影に際しては、同一の感光部位
に、最初に撮影用光学系の合焦位置における写し込み
(露出)を、次いで非合焦位置における少なくとも1回
の写し込みを、自動的に連続して行うと共に、撮影光学
系が合焦位置に達すると、多重露出の1回目が終了する
まではこの合焦状態を保持し、最初の多重露出が合焦位
置にて確実になされるようにしている。
【0258】よって、煩雑な操作を使用者に強要するこ
となく、容易に意図した焦点状態におけるソフトフォ−
カス撮影を実現させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1,3,4の実施例におけるカメラ
の概略構成を示す図である。
【図2】図1のカメラの測光系及びAF系を示す図であ
る。
【図3】本発明の第1,3,4の実施例におけるソフト
フォ−カス撮影時の動作説明を助ける為の図である。
【図4】本発明の第1,3,4の実施例におけるソフト
フォ−カス撮影時のタイミングチャ−トである。
【図5】本発明の第1,3,4の実施例におけるマイコ
ンの動作の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図6】図5の動作の続きを示すフロ−チャ−トであ
る。
【図7】本発明の第2,5の実施例におけるカメラの概
略構成を示す図である。
【図8】図7のカメラの測光系及びAF系を示す図であ
る。
【図9】本発明の第2,5の実施例におけるソフトフォ
−カス撮影時の動作説明を助ける為の図である。
【図10】本発明の第2,5の実施例におけるソフトフ
ォ−カス撮影時のタイミングチャ−トである。
【図11】本発明の第2,5の実施例におけるマイコン
の動作を示すフロ−チャ−トである。
【符合の説明】
1 マイコン 2 撮影モ−ドダイアル 23 測光センサ 30 シャッタユニット 31 フォ−カルプレ−ンシャッタ駆動装置 32 フォ−カルプレ−ンシャッタの先幕 33 フォ−カルプレ−ンシャッタの後幕 42 メインミラ− 51 撮影レンズ 52 焦点調節用モ−タ 53 エンコ−ダ 54 電磁駆動絞り装置 55 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03B 7/16 9224−2K 9/68 C 8807−2K 15/00 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体の焦点状態を検出する焦点検出手
    段と、該焦点検出手段からの信号に基づいて撮影光学系
    の焦点位置を変更する焦点位置変更手段と、被写体輝度
    を測定する測光手段と、該測光手段からの測光値に基づ
    いて露出制御を行う露出制御手段と、撮影モ−ドを選択
    するモ−ド選択手段とを備えた特殊撮影機能付カメラに
    おいて、前記モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選択
    され、この状態でレリ−ズ操作がなされることにより、
    前記焦点位置変更手段及び露出制御手段それぞれを制御
    し、同一の感光部位に、最初前記撮影用光学系の合焦位
    置における露出を、次いで前記撮影用光学系の非合焦位
    置における少なくとも1回の露出を、連続して多重露出
    する特殊撮影実行手段を設けたことを特徴とする特殊撮
    影機能付カメラ。
  2. 【請求項2】 被写体の焦点状態を検出する焦点検出手
    段と、該焦点検出手段からの信号に基づいて撮影光学系
    の焦点位置を変更する焦点位置変更手段と、被写体輝度
    を測定する測光手段と、該測光手段からの測光値に基づ
    いて露出制御を行う露出制御手段と、撮影モ−ドを選択
    するモ−ド選択手段とを備えた特殊撮影機能付カメラに
    おいて、前記モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選択
    され、この状態でレリ−ズ操作がなされることにより、
    前記焦点位置変更手段及び露出制御手段それぞれを制御
    し、同一の感光部位に、前記撮影用光学系の合焦位置に
    おける露出と前記撮影用光学系の非合焦位置における少
    なくとも1回の露出を連続して多重露出する特殊撮影実
    行手段と、前記モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選
    択された際には、多重露出1回目で設定した絞り値に該
    特殊撮影終了まで固定する絞り制御手段とを設けたこと
    を特徴とする特殊撮影機能付カメラ。
  3. 【請求項3】 被写体の焦点状態を検出する焦点検出手
    段と、該焦点検出手段からの信号に基づいて撮影光学系
    の焦点位置を変更する焦点位置変更手段と、被写体輝度
    を測定する測光手段と、該測光手段からの測光値に基づ
    いて露出制御を行う露出制御手段と、撮影モ−ドを選択
    するモ−ド選択手段と、通常は絞り開放状態にあり、通
    電されることによって、指示される絞り状態となった
    り、元の絞り開放状態に戻る電磁駆動絞り手段とを備え
    た特殊撮影機能付カメラにおいて、前記モ−ド選択手段
    にて特殊撮影モ−ドが選択され、この状態でレリ−ズ操
    作がなされることにより、前記焦点位置変更手段及び露
    出制御手段それぞれを制御し、同一の感光部位に、前記
    撮影用光学系の合焦位置における露出と前記撮影用光学
    系の非合焦位置における少なくとも1回の露出を連続し
    て多重露出する特殊撮影実行手段と、前記モ−ド選択手
    段にて特殊撮影モ−ドが選択された際には、所定の絞り
    状態とするために前記電磁駆動絞り手段へ通電し、その
    後該特殊撮影終了がすることにより絞りを開放状態に戻
    す為に再度前記電磁駆動絞り手段への通電を行う通電制
    御手段とを設けたことを特徴とする特殊撮影機能付カメ
    ラ。
  4. 【請求項4】 被写体の焦点状態を検出する焦点検出手
    段と、該焦点検出手段からの信号に基づいて撮影光学系
    の焦点位置を変更する焦点位置変更手段と、被写体輝度
    を測定する測光手段と、該測光手段からの測光値に基づ
    いて露出制御を行う露出制御手段と、撮影モ−ドを選択
    するモ−ド選択手段と、フィルム面へ情報の写し込みを
    行う情報写し込み手段とを備えた特殊撮影機能付カメラ
    において、前記モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選
    択され、この状態でレリ−ズ操作がなされることによ
    り、前記焦点位置変更手段及び露出制御手段それぞれを
    制御し、同一の感光部位に、前記撮影用光学系の合焦位
    置における露出と前記撮影用光学系の非合焦位置におけ
    る少なくとも1回の露出を連続して多重露出する特殊撮
    影実行手段と、前記モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ド
    が選択された際には、多重露出中の1回のみ前記情報写
    し込み手段を動作させる写し込み制御手段とを設けたこ
    とを特徴とする特殊撮影機能付カメラ。
  5. 【請求項5】 写し込み制御手段は、撮影用光学系の合
    焦位置における露出時に情報写し込み手段を動作させる
    手段であることを特徴とする請求項4記載の特殊撮影機
    能付カメラ。
  6. 【請求項6】 情報写し込み手段によるフィルム面への
    情報の写し込みの完了を待たずに次の多重露出の撮影動
    作へ進行させる動作制御手段を具備した請求項4又は5
    記載の特殊撮影機能付カメラ。
  7. 【請求項7】 被写体の焦点状態を検出する焦点検出手
    段と、該焦点検出手段からの信号に基づいて撮影光学系
    の焦点位置を変更する焦点位置変更手段と、被写体輝度
    を測定する測光手段と、該測光手段からの測光値に基づ
    いて露出制御を行う露出制御手段と、撮影モ−ドを選択
    するモ−ド選択手段と、フィルム面へ情報の写し込みを
    行う情報写し込み手段とを備えた特殊撮影機能付カメラ
    において、前記モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選
    択され、この状態でレリ−ズ操作がなされることによ
    り、前記焦点位置変更手段及び露出制御手段それぞれを
    制御し、同一の感光部位に、最初は前記撮影用光学系の
    合焦位置における露出を、次いで前記撮影用光学系の非
    合焦位置における少なくとも1回の露出を、連続して多
    重露出する特殊撮影実行手段と、前記モ−ド選択手段に
    て特殊撮影モ−ドが選択された際には、前記撮影用光学
    系の合焦位置における露出時にのみ閃光装置を発光させ
    る閃光発光制御手段とを設けたことを特徴とする特殊撮
    影機能付カメラ。
  8. 【請求項8】 被写体の焦点状態を検出する焦点検出手
    段と、該焦点検出手段からの信号に基づいて撮影光学系
    の焦点位置を変更する焦点位置変更手段と、被写体輝度
    を測定する測光手段と、該測光手段からの測光値に基づ
    いて露出制御を行う露出制御手段と、撮影モ−ドを選択
    するモ−ド選択手段とを備えた特殊撮影機能付カメラに
    おいて、前記モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選択
    され、この状態でレリ−ズ操作がなされることにより、
    前記焦点位置変更手段及び露出制御手段それぞれを制御
    し、同一の感光部位に、前記撮影用光学系の合焦位置に
    おける露出と前記撮影用光学系の非合焦位置における少
    なくとも1回の露出を連続して多重露出する特殊撮影実
    行手段と、前記モ−ド選択手段にて特殊撮影モ−ドが選
    択された際には、合焦位置における露出時は、前記焦点
    検出手段から合焦信号が出力されるまで、露光を許可し
    ない露光禁止手段とを設けたことを特徴とする特殊撮影
    機能付カメラ。
JP3356784A 1991-08-30 1991-12-26 特殊撮影機能付カメラ Pending JPH05173221A (ja)

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JP3356784A JPH05173221A (ja) 1991-12-26 1991-12-26 特殊撮影機能付カメラ
US07/935,831 US5253007A (en) 1991-08-30 1992-08-26 Camera having special photography function

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8159559B2 (en) 2008-03-11 2012-04-17 Fujifilm Corporation Image pick-up apparatus with synchronization, image pick-up method and recording medium

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8159559B2 (en) 2008-03-11 2012-04-17 Fujifilm Corporation Image pick-up apparatus with synchronization, image pick-up method and recording medium

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