JPH0516450U - 表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜エレクトロルミネッセンス透明表示器を
車両のフロントガラスに設けた合わせガラス内部に設置
して、視界を損なうこと無く大型画像表示することがで
きる表示装置を提供する。 【構成】 薄膜エレクトロルミネッセンスの発光体４を
挟み込んだ透明の絶縁体３，５と、この絶縁体の上下に
設けた透明電導膜２，６で形成した電極とを備えた表示
器を合わせガラス１で形成したウインドガラス内部に封
止して設置し、ウインドガラスの一部を画像文字表示装
置として構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は画像及び文字を表示する大型の表示装置に係り、特に車両フロント ガラスなどに形成した車載用画像及び文字表示に好適な表示装置に関する。

【０００２】

【従来技術】

従来より、例えば車載用画像及び文字表示装置は図３及び図４に示すものが多 く提供されていた。図３は車両の運転席近傍を示した斜視図であり、21は車両内 部のコンソール22に設置した CRTディスプレイ又は液晶表示素子を搭載した表示 器で、一般には２〜３インチ程度のテレビなどのディスプレイと同様のものであ る。

【０００３】 図４は車両の座席を示した斜視図で、31は表示画面が２〜10インチ程度のテレ ビなどと同様の表示器であり、この表示器31は前座席と後座席との間に設けたセ ンターコンソール32に設置したものである。

【０００４】 この様に、従来の車載用画像又は文字表示装置は、テレビなどと同じ CRTや液 晶素子を使用したディスプレイの表示器を車両内部に備えて、例えば車両運行上 の情報やTV放送受信、又は VTR録画の再生などの画像又は文字表示を行なってい た。しかも上記表示装置は車両内部の制約されたスペースに専用の取付金具等を 使用して取り付けていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の車載用表示装置は前記のように CRTや液晶ディスプレイ表示器 を車両内部の制約されたスペースに設置していたので、表示画面サイズが小さく なって見難いという欠点があった。

【０００６】 また、 CRTや液晶ディスプレイ表示器を使用していたので車両からの振動の悪 影響等を受け易く、表示器の故障が発生したり、または表示器の寿命が短くなっ てしまうという欠点もあった。

【０００７】 この考案は上記した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは 従来例の欠点を解消し、薄膜エレクトロルミネッセンスを使用した透明の表示器 を車両などのフロントガラスに設けた合わせガラス内部に設置して大型画像表示 装置を提供するところにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案の表示装置は薄膜エレクトロルミネッセンス(Thin Film Electro Lum inescence.以下、単にTFELという）の発光体を挟み込んだ透明の絶縁体と、この 絶縁体の上下に設けた透明電導膜で形成した電極とを備えた表示器であって、上 記表示器を合わせガラスで形成したウインドガラス内部に封止して設置し、ウイ ンドガラスの一部を画像及び文字表示器として構成したものである。

【０００９】 また、上記透明電導膜で形成した電極を酸化錫インジュウム材で形成しても良 い。

【００１０】

【作用】

TFELの表示素子を用いた表示器は透明部材で形成した発光体を透明の第１の絶 縁体と第２の絶縁体で挟み込み、この第１及び第２の絶縁体の上部及び下部に透 明電導膜で形成した電極を備えた一般的な構造の表示器である。

【００１１】 このTFEL表示器は、例えば上記発光体の有効的な母体材料に硫化亜鉛(ZnS) 又 は硫化カドニュウム(CdS) 等を使用し、一方、第１及び第２の絶縁体には４窒化 圭素(Si₃N₄) などを使用し、電極として酸化錫インジュウム、ITO(InSnO)を使用 して薄膜技術の真空蒸着、スパッタリング及び CVD法などによって生成すること ができ、このTFEL表示器は画像及び文字表示動作をしていない時は透明度の良い 透明表示器であって、表示器の電極をドライブ駆動することにより画像及び文字 表示器として動作することができる。

【００１２】 この透明表示器を合わせガラスで形成したウインドガラス内部に封止すること により、任意の大型透明表示装置を形成することができる。しかも合せガラス内 部に封止して表示器の防湿を施し耐湿保護した画像及び文字表示装置を形成する ことができる。

【００１３】 また、上記合せガラスを車両のフロントガラス、又はリアガラス、又はサイド ガラスなどに形成することにより、任意の大きさの車載用画像及び文字表示装置 を形成することができ、車両運行上の必要情報やTV,VTRなどの画像及び文字情報 を大型表示装置で表示することができる。

【００１４】 また、上記合せガラスに設置した透明表示装置は、光の透過率が良いので車両 運転上の危険も無く、車載用大型画像表示装置を実現することができる。

【００１５】

【実施例】

この考案に係る表示装置の実施例を図１及び図２に基づいて説明する。図１は TFEL透明表示器を示した断面図、図２は車載用表示装置と車両の運転席の一部を 示した斜視図である。

【００１６】 図において、１はウインドガラスなどのガラスに合せガラス部1aを合わて形成 した合わせガラスであり、この合わせガラス１内部にTFELの発光体４を設け、こ の発光体４の両サイドに発光体４を挟み込んで第１及び第２の絶縁体3,5 を形成 し、更に、この第１及び第２の絶縁体3,5 の上下に上部透明電極２と下部透明電 極６を形成した透明表示器である。

【００１７】 上記TFELの発光体４の有効的な母体材料は硫化亜鉛(ZnS) 又は硫化カドニュウ ム(CdS) 等を使用して構成し、上記第１及び第２の絶縁体3,5 には４窒化圭素(S i₃N₄) などを使用し、また、上記上部及び下部透明電極2,6 には透明部材の酸化 錫インジュウム(InSnO) を使用して透明表示器を構成する。このTFEL表示器は一 般的な薄膜技術の真空蒸着、スパッタリング及び CVD法などによって生成するこ とができる。

【００１８】 この様にして生成したTFEL透明表示器は画像及び文字表示をすることができる が、画像及び文字表示動作をしていない時は透明度の良い透明表示器となり、ま たTFELドライブ回路によって画像及び文字表示駆動することにより任意の画像及 び文字表示することができる。

【００１９】 図２は上記透明表示器11を車両のフロントガラス10の一部に設置した表示装置 を示したものであり、12は車両内部のコンソール13に設けた画像及び文字表示器 11のドライブ駆動するコントローラである。

【００２０】 上記、TFEL表示器11の厚みは約１〜５μm 程度で形成することが可能なので、 図のように車両のフロントガラス10の任意の場所に設置するよう合せガラス１を 形成してTFEL表示器11を設置することができる。

【００２１】 この様に、車両のフロントガラス10に表示器11を設置する場合、車両の安全運 転のため、例えば走行の運転時は画像表示ができ無いようコントローラ12のドラ イブ回路を規制し、車両停止時に画像及び文字表示して各種の情報やTV放送など を受信して表示することができる。

【００２２】 この様に、車両のフロントガラス10にTFEL表示器11を設置することにより、画 像及び文字表示装置として任意の大きさの表示装置を実現することが可能であり 、車両内部の人がどこに居ても表示器11の表示内容を明確に見て確認することが できる。また、車両のフロントガラス10で無くリアウインドガラス又はサイドウ インドガラスに設置することもできる。

【００２３】 また、上記TFEL表示器11は透明材料で形成され透過率が約70% 以上確保できる ので、車両運転上の視界を損なうことも無く安全運転が保証される。

【００２４】 この車両フロントガラス10に設けたTFEL表示器11は車両の運行情報である、例 えばスピードメータや走行距離、車内の温度などを表示することも可能であり、 またナビゲーション・システム表示など行なうことができる。

【００２５】 更に、車両の特定の場所にカメラを設置することにより、バックミラー代用の 車両後方の状態を表示したり、交差点上でナビゲーション・システムの実際の風 景と重ね合わせて地域情報を確認し得るなど多種多様の表示機能を実現すること ができ、より広範囲の車両情報を表示させることが可能となる。

【００２６】 以上、車載用画像及び文字表示装置として説明したが、車両に限らず、この考 案の表示装置は情報表示を必要とするガラス面には全て応用することができ、例 えば航空機、船舶、電車又は商店のフロントガラスに表示する広告表示など、応 用範囲は非常に広範囲に使用可能である。

【００２７】

【考案の効果】

この考案に係る表示装置は前述のように、透明表示器を任意のフロントガラス に設置することができるので、取り付けスペースに制限されない大型の表示を行 なうことができ、多種多様の情報を画像及び文字で表示することができ、表示確 認が容易にできるという効果がある。

【００２８】 また、使用用途が広く応用することができるという効果があり、特に、車載用 画像及び文字表示装置として使用する場合は、表示素子がTFEL固体発光体になっ ているため振動や熱の影響を受けにくく安定した表示装置を実現することができ 、また合せガラスにTFEL表示器を封止して形成するので、耐湿保護を完全に行な うことができ、更に光透過率の高いオイルなどの吸湿しにくい材料を封止するこ とも可能であるなどの大きなメリットがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の表示装置の薄膜エレクトロルミネッ
センス表示器の構造を示した断面図である。

【図２】図１の表示器を車載用表示装置として実施した
場合の要部の車両内部の斜視図である。

【図３】従来例の車載用表示装置を示した車両内部の斜
視図である。

【図４】他の従来例の車載用表示装置を示した車両内部
の斜視図である。

【符号の説明】

１ 合せガラス 1a 合せガラスを生成した合せガラス部 ２ 上部透明電極 ３ 第１の絶縁体 ４ 発光体 ５ 第２の絶縁体 ６ 下部透明電極 10 車両のフロントガラス 11 TFEL表示器 12 TFEL表示器のコントローラ 13 車両のコンソール

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 薄膜エレクトロルミネッセンスの発光体
   を挟み込んだ透明の絶縁体と、この絶縁体の上下に設け
   た透明電導膜で形成した電極とを備えた表示器であっ
   て、 上記表示器を合わせガラスで形成したウインドガラス内
   部に封止して設置し、ウインドガラスの一部を画像及び
   文字表示器として構成したことを特徴とする表示装置。
2. 【請求項２】 上記透明電導膜で形成した電極が酸化錫
   インジュウム材で形成したことを特徴とする請求項１記
   載の表示装置。