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JPH05105600A - α−SiCウイスカーの製造方法 - Google Patents

α−SiCウイスカーの製造方法

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Publication number
JPH05105600A
JPH05105600A JP29502891A JP29502891A JPH05105600A JP H05105600 A JPH05105600 A JP H05105600A JP 29502891 A JP29502891 A JP 29502891A JP 29502891 A JP29502891 A JP 29502891A JP H05105600 A JPH05105600 A JP H05105600A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
sic
sic whiskers
mixed
carbon black
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29502891A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeto Mori
繁人 森
Kenji Maniwa
健二 馬庭
Osamu Machida
修 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Carbon Co Ltd
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Carbon Co Ltd filed Critical Tokai Carbon Co Ltd
Priority to JP29502891A priority Critical patent/JPH05105600A/ja
Publication of JPH05105600A publication Critical patent/JPH05105600A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 稲科植物の灰化残渣を珪素源原料として、α
−SiCウイスカーを工業的に製造する方法を提供す
る。 【構成】 籾殻の灰化残渣にカーボンブラック炭材を 1
10〜400 重量%配合した原料系に、第3成分としてNa
2 CO3 を前記原料系に対し1〜30重量%の割合で添加
混合する。この混合原料をN2 雰囲気下1300〜1800℃の
温度域で加熱反応させてα結晶系主体のSiCウイスカ
ーを生成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、稲科植物の灰化残渣を
珪素源原料としてα型結晶系のSiCウイスカーを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属、プラスチックス、セラミックス等
の複合強化材料として有用されているSiCウイスカー
の製造技術には多様の方法が知られている。従来の製造
技術を原料系によって分類すると、珪素源にSiC
4 、SiHCl3 、(CH3)4 Siのような分解性珪
素化合物、炭材としてCH4 、C3 8 、CCl4 など
を用いて気相反応させる気相原料法と、SiO2 を含む
固形状の珪素源とカーボン粉末のような炭材を混合する
か、これら成分を複合的に含有する物質を加熱反応させ
る固相原料法とに大別することができる。このうち気相
原料を用いる方法は、ハロゲンや水素などの極めて取扱
いにくいガス状物質を用いるため、工程的および設備的
に工業生産に適さない欠点がある。これに対し、固相原
料法は安定な粉末原料を用いる関係で工業的に有利であ
り、現状では実用的な製造技術とされている。
【0003】これまで固相原料として用いられている珪
素源原料には、籾殻灰、珪砂、シリカゲル、シラス、カ
レット(ガラス廃粉)等があるが、このうちシリカゲル
のような合成物質を使用する場合には、通常、Fe、C
o、Niなどを含む遷移金属系の化合物を触媒成分とし
て添加することがSiCウイスカーの生成収率を高める
ための重要な要件とされている(例えば特公昭60−4428
0 号公報) 。しかし、籾殻灰のような天然物質を原料と
する場合には、それ自体に少量のFeなどが混在してい
るため特に第3成分として遷移金属化合物を添加しなく
ともSiCウイスカーの生成は円滑に進行する。
【0004】ところで、SiCウイスカーには結晶型と
してβ立方晶系とα晶系のものが存在するが、上記のよ
うに遷移金属の成分を含む珪素源原料を使用するとβ型
主体のSiCウイスカーが生成する。籾殻灰を用いる場
合にも同様で、これを原料とする特開昭56−93086 号公
報や特開昭56−109811号公報に記載のある方法でもβ型
SiCウイスカーが生成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】β−SiCウイスカー
は、金属や合金を対象とする強化物質として優れた複合
性能を示すことは実証されているが、近時の研究による
とセラミックス材料の複合強化に対してはβ型よりもα
結晶系において性能向上が顕著であることが解明されて
いる。
【0006】本発明は、このような技術背景に鑑み、従
来、固相原料系では工業的な製造が困難とされていたα
−SiCウイスカーの生成技術について研究を重ねた結
果、籾殻灰をベースとした原料系に特定量のNa2 CO
3を添加して加熱反応させるとα型主体のSiCウイス
カーが効率よく生成する事実を確認して開発に至ったも
のである。
【0007】したがって、本発明の目的は稲科植物の灰
化残渣を珪素源原料としてα−SiCウイスカーを工業
的に製造する方法を提供することにある。なお、本発明
が対象とするα−SiCウイスカーとは、生成したSi
Cウイスカーに占めるα−SiCの混在率が70%以上の
α結晶系主体の性状を指すものとする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるα−SiCウイスカーの製造方法は、
稲科植物の果実殻もしくは茎を焼却して得られる灰化残
渣にカーボンブラック炭材を配合した原料系に、第3成
分としてNa2 CO3 を前記原料系に対し1〜30重量%
の割合で添加混合し、非酸化雰囲気下1300〜1800℃の温
度域で加熱処理することを構成上の特徴とする。
【0009】本発明の珪素源原料には、稲、麦、粟など
の穀物類、そのほか葦、茅などを含む各種稲科植物の果
実殻もしくは茎を焼却灰化した粉末が使用される。灰化
処理は、前記の稲科植物を乾燥し、必要に応じて破砕、
裁断したのち電気炉のような加熱装置により600 ℃以上
の温度域で加熱焼却し、引き続き恒量となるまで加熱を
続行することによっておこなわれる。この焼却処理によ
り、稲科植物は約10〜20重量%の残留率でその90%以上
が無定形SiO2 からなる組成の灰化物に転化する。
【0010】炭材には、石油系あるいは石炭系の重質炭
化水素を熱分解して得られるカーボンブラックが用いら
れる。カーボンブラックの性状としては、特に窒素吸着
比表面積が40m2/g以上で、DBP吸着量が90ml/100g 以
上の微粒子・高ストラクチャー構造のものが有効に使用
される。
【0011】灰化残渣からなる珪素源原料とカーボンブ
ラック炭材は適宜な比率で配合して原料系とする。両成
分の配合比率は、灰化残渣に対してカーボンブラック炭
材を少なくとも110 重量%の割合に設定することが必要
で、これを下廻る炭材配合比率ではショット生成が増大
してSiCウイスカーの収率が減退する結果を招く。し
かし、400 重量%を越えるカーボンブラック炭材の配合
はもはや生成反応には関与せず、寧ろ残留炭材の増大に
伴う後処理を煩雑にするため好ましくない。したがっ
て、灰化残渣に対するカーボンブラック炭材の配合範囲
は、110 〜400 重量%の範囲に設定することが望まし
い。
【0012】上記の原料系には、第3成分となるNa2
CO3 が添加される。Na2 CO3 は生成するSiCウ
イスカーをα結晶系に転化させるために機能する成分
で、粉末状または水溶液状態で原料系に混合される。こ
の添加量は、原料系に対しNa2 CO3 として1〜30重
量%の範囲に設定する必要がある。添加量が1重量%未
満であるとSiCウイスカーの結晶系がα型主体となら
ず、また30重量%を越えると反応炉内にガラス生成物が
多く付着して操業性が悪化する。
【0013】原料系と第3成分のNa2 CO3 は十分に
均一分散する状態に混合したのち、黒鉛材で構成された
反応容器に軽く充填して加熱反応に供される。ついで反
応容器を、N2 、Ar等の非酸化性雰囲気に保持された
加熱炉に移し、反応温度域で加熱処理する。加熱炉とし
ては、通常の抵抗加熱炉、アチソン炉またはプッシャー
式管状炉などが適用される。反応温度は、1300〜1800
℃、好ましくは1500〜1700℃の範囲に設定する。
【0014】反応後、反応容器中の生成物に残留混在す
る未反応のカーボンブラック炭材を焼却、液相分離など
の手段によって分離除去する。このようにして生成する
SiCウイスカーは、格子欠陥のないα型主体のSiC
針状単結晶で、ショット含有量が少なく優れた伸直性を
呈するものである。
【0015】
【作用】本発明のプロセスによれば、稲科植物の灰化残
渣からなる珪素源原料を用いた原料系と第3成分として
添加するNa2 CO3 の組合せによってα−SiCウイ
スカーの効率的な生成が可能になる。したがって、例え
ばシリカゲル、珪砂のような珪素源原料を用いた場合に
は、本発明が対象とするα結晶系主体のSiCウイスカ
ーを生成することはできない。
【0016】上記に生成機構については未だ詳しく解明
するに至っていないが、稲科植物を灰化処理して得られ
る特殊性状のSiO2 とNa2 CO3 が反応過程におい
て比較的低温で一旦水ガラスに転化し、この液相からの
結晶成長時にα型の成長核が支配的になる作用に基づく
ものと推測される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0018】実施例1〜3、比較例1〜3 乾燥した籾殻を電気炉中で600 ℃の温度で加熱し、恒量
となるまで焼却灰化した。得られた灰化残渣は、淡灰色
を呈する微粉末で、残留率が20.5重量%、SiO2 含有
率は91.9重量%であった。この灰化残渣を珪素源原料と
し、炭材として窒素吸着比表面積99m2/g、DBP吸油量
129ml/100gのファーネスカーボンブラックを 143重量%
の割合で配合して原料系とした。
【0019】上記の原料系にNa2 CO3 粉末を添加量
を変えて加え、十分に均一分散するまで撹拌混合した。
該混合原料を黒鉛製の反応容器に軽く充填し、黒鉛蓋を
被せて密閉したのち、N2 ガス雰囲気の電気加熱炉中で
1700℃の温度に2時間保持した。加熱反応後、反応容器
から内容物を回収し、大気中 800℃の温度に1時間熱処
理して残留する炭材成分を焼却除去したのち、5%HF
水溶液で洗浄してSiO2 等の不純物を除去した。
【0020】このようにして得られた各SiCウイスカ
ーの性状を測定し、その結果を第3成分として使用した
Na2 CO3 の添加量と対比させて表1に示した。な
お、SiCウイスカーに占めるα−SiCの混在率は下
式によるα度として示した。 α度=(H1 ×2/H2)×100 但し、H1 はX線回折でCuKαを線源とたときの2θ
34.2deg(α−SiCの単独ピーク、比強度50) の回折線
強度、H2 は同35.6deg(β−SiCとα−SiCの混在
ピーク、比強度が共に100)の回折線強度とする。
【0021】比較例4 実施例1の珪素源原料をCoCl2 ・6H2 Oを触媒と
して7.0 重量%を含むシリカゲル粉末に変え、その他は
実施例1と同一条件でSiCウイスカーを製造した。得
られたSiCウイスカーの性状を測定し、結果を表1に
併載した。
【0022】
【表1】
【0023】表1の結果から、本発明の条件を満たす実
施例においてはいずれもα−SiC混在度が70%を越え
る結晶系を有しており、その他の性状も良好なSiCウ
イスカーが生成されることが認められる。
【0024】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば高品位の
α−SiCウイスカーを工業的に製造することができ
る。したがって、セラミックス材を対象とする複合強化
材の製造技術として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 稲科植物の果実殻もしくは茎を焼却して
    得られる灰化残渣にカーボンブラック炭材を配合した原
    料系に、第3成分としてNa2 CO3 を前記原料系に対
    し1〜30重量%の割合で添加混合し、非酸化性雰囲気下
    1300〜1800℃の温度域で加熱処理することを特徴とする
    α−SiCウイスカーの製造方法。
JP29502891A 1991-10-14 1991-10-14 α−SiCウイスカーの製造方法 Pending JPH05105600A (ja)

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