JPH0465798B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

(A) 産業上の利用分野 本発明はサーマルヘツド等での加熱により、薄
葉支持体の色材を、対向する被記録体に昇華転写
して記録を得る昇華型熱転写記録方式に用いるに
適した昇華型熱転写受像紙に関し、その発色特性
を向上した昇華型熱転写受像紙を提供するもので
ある。 (B) 従来の技術 従来この方式は、星華性色材を紙等の薄葉支持
体に塗布した色材シートを熱転写受像紙と対向
し、サーマルヘツド等での加熱転写、染色するこ
とによつて受像紙に画像記録を得るものである。 色材の色を、イエロー、マゼンタ、シアン及び
必要によりブラツクとし、順次加熱転写すること
によりフルカラーのハードコピーを得ることがで
きるもので、従来の技術としては、例えば、特開
昭57−107885号等に示されているように、受像紙
としては、飽和ポリエステルを含む塗層を設ける
ことが知られている。 (C) 発明が解決しようとする問題点 本システムは画質的には、階調性の良い高品質
の画像が得られるものであるが、昇華性色材を直
接昇華するため、その加熱エネルギーが大きく、
受像紙として、飽和ポリエステルを含む塗層を設
けるだけでは、色濃度の点で十分ではなかつた。 (D) 問題点を解決する手段 本発明は、受像紙として、飽和ポリエステルを
含む受理層に、高級脂肪酸アミドを含有させるこ
とによつて、色濃度の向上と、均一な画像を得る
ものである。 さらに詳細には、本発明での高級脂肪酸アミド
としては例えば、ステアリン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、オレイン酸アミド、メチロール化ス
テアロアミド、エチレンビスステアロアミド、メ
チレンビスステアロアミド等で２種以上併用して
も良く又その混合物でも良い。 量はあまり少いと、その効果がなく、多すぎる
と希釈効果で発色特性の低下をきたし、飽和ポリ
エステルに対して、50〜300重量％、好ましくは
80〜200重量％である。 本発明での飽和ポリエステルとしては、２塩基
酸と２価アルコールの縮重合により形成される線
状の高分子飽和ポリエステルで、テレフタル酸と
エチレングリコールの縮重合で得られるポリエチ
レンテレフタレートが代表的であるが、結晶性、
融点、溶解性等の改良のために２塩基酸と２価ア
ルコール成分に２種又はそれ以上の成分をランダ
ムに共重合させたものも多い。 この他にも、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リ１，４−シクロヘキサンジメチレンエチレンテ
レフタレート等がある。これらは有機溶剤溶液と
して使用しても良いが、工業的な生産性からは、
水分散系として使用した方が好ましい。あるいは
スルホン化フタール酸異性体との混合カルボン酸
とエチレングリコールとの共重合ポリエステルの
ような水溶性ポリエステルの使用が好ましい。 本発明において用いられる、昇華性色材として
は、昇華点70〜400℃の範囲のものが好ましく特
に150〜250℃のものがより好適である。 たとえば、デイスパーズブルー20（商品名
Duranol Blue 2G）、デイスパーズイエロー42
（商品名Resulin Yellow GR）、デイスパーズレ
ツド１（商品名Celiton Scarlet Ｂ）、等の分散染
料、その他キナリザリン染料、分散性モノアゾ染
料、分散性アントラキノン染料、分散ニトロジフ
エニルアミン染料、アンスラセン系染料等があげ
られ、昇華性色材の支持体としては、サーマルヘ
ツドの熱伝導の点からできるだけ熱伝導性の良い
薄葉体が望ましく、コンデンサー紙、グラシン紙
等の紙類、合成紙、合成樹脂フイルムが使用で
き、画質の均一性の点からは合成樹脂フイルムが
好適である。 その他、色材シートと受像紙の熱融着防止の点
から、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、コロイダルシリカ等の無機質微粒子を加えて
も良い。 色材シートの作成は、接着剤として、昇華を防
げないものを使用し、インキ化しグラビア印刷等
で染料シートを作成することができる。 受像層の支持体としては、サーマルヘツドとの
密着の関係上できるだけ表面平滑性が良く適度な
クツシヨン性が必要であり、普通紙、表面コート
紙、合成紙、合成樹脂フイルム等が使用可能であ
る。 熱転写受像紙の作成は、前記の飽和ポリエステ
ル樹脂、及び高級脂肪酸アミドの溶液又は分散液
と、必要に応じて、支持体に接着するバインダー
として、セルロース系、澱粉系、メラミン樹脂、
エポキシ樹脂等の高融点熱可ソ性高分子接着剤も
使用でき、熱融着等での走行安定性の点から、シ
リカ、カオリン、炭カル、クレー、コロイダルシ
リカ等を混合分散し、エアーナイフ、ロール、ブ
レード等の通常のコーターヘツドを有する塗工機
で前記の支持体に塗布、乾燥することによつて得
られる。 (E) 作用 本発明での高級脂肪酸アミドの作用としては、
良くわからないが、熱転写受像紙の受理層に高級
脂肪酸アミドを含有させることにより、サーマル
ヘツド等での加熱色材シートからの熱伝達性を向
上させることが考えられるが、パラフイン、ポリ
エチwaxでは効果が少く、単に熱伝達性の効果だ
けでなく、染料と飽和ポリエステルとの親和性を
向上させているものと考えられる。 (F) 実施例 次に実施例によつて本発明をさらに詳しく説明
するが、具体例に限定されるものではない。 実施例 １ 厚さ10ミクロンのコンデンサー紙に、分散性昇
華性色材として、カヤセツトブルー906（日本化
薬）、カヤセツトエローＡ−Ｇ（日本化薬）、カヤ
セツトレツドＢ（日本化薬）をそれぞれ10ｇ、バ
イロン＃200（東洋紡ポリエステル樹脂）３ｇ、ア
エロジルＲ−972（日本アエロジル疎水性シリカ）
２ｇとトルエン63ｇ、メチルエチルケトン17ｇを
ボールミルで24時間混合粉砕し、グラビア印刷で
塗工量２ｇ／m²になるように塗布、乾燥し、それ
ぞれの色材シートを得た。 熱転写受像紙として、ピーチコートWP−110
（日清紡、合成紙）に、バイロナールMD−1200
（東洋紡、ポリエステル樹脂水分散液）100ｇ（固
形分重量）と、スノーテツクスＣ（日産化学、コ
ロイダルシリカ）150ｇ（固形分重量）とハイド
リンＭ−７（中京油脂製、ステアリン酸アマイド
エマルジヨン）100ｇ（固形分重量）を混合分散
し、エアーナイフコーターで塗工量４ｇ／m²にな
るように塗抹、乾燥し熱転写受像紙を得た。 それぞれの色材シートと、熱転写受像紙の塗布
面を対向し、松下電器(株)製の薄膜式サーマルヘツ
ドでヘツド電圧16V、通電巾3.4msecの条件で色
材シートの裏面より印字し受像紙への転写の結
果、印字濃度の高い均一な画質が得られた（表−
１）。 実施例 ２ 実施例−１で、ハイドリンＭ−７の代りにＢ−
961（中京油脂製、エチレンビスステアロアマイド
エマルジヨン）を使用して同様に行つた結果を表
−１に示す。 実施例 ３ 実施例−１でハイドリンＭ−７の代りにＤ−
130（中京油脂、メチロールアマイドエマルジヨ
ン）を使用して同様に行つた結果を表−１に示
す。 実施例 ４ 実施例−２でＢ−961を250ｇにして同様に行つ
た結果を表−１に示す。 実施例 ５ 実施例−２でＢ−961を60ｇにして同様に行つ
た結果を表−１に示す。 比較例 １ 実施例−１でハイドリンＭ−７を抜いて同様に
行つた結果を表−１に示す。 比較例 ２ 実施例−１でハイドリンＭ−７の代りにセロゾ
ールＡ（中京油脂、パラフインエマルジヨン）に
代えて同様に行つた結果を表−１に示す。 比較例 ３ 実施例−１で、ハイドリンＭ−７の代りにパー
マリンPN（三洋化成、ポリエチエマルジヨン）
に代えて、同様に行つた結果を表−１に示す。 比較例 ４ 実施例−１で、ハイドリンＭ−７の代りにSZ
−611（互応化学、ステアリン酸亜鉛エマルジヨ
ン）に代え同様に行つた結果を表−１に示す。

【表】 (G) 発明の効果 表−１から明らかなように、ポリエチ、パラフ
イン系ワツクスでも若干の効果は見られるものの
実用的にはまだ不十分であり、本発明の脂肪酸ア
ミドのものは、明らかに色濃度の向上が認めら
れ、実用的に十分な濃度と均一な画像が得られる
ことがわかつた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱昇華性色材層を有する色材シートと、画像
   受理層を有する昇華型熱転写受像紙を組み合わ
   せ、加熱により該受像紙に画像記録を得る昇華型
   熱転写記録方式において、画像受理層に飽和ポリ
   エステルと高級脂肪酸アマイド類を含有すること
   を特徴とする昇華型熱転写受像紙。 ２ 高級脂肪酸アマイド類が、飽和ポリエステル
   に対して50〜300重量％である特許請求の範囲第
   １項記載の昇華型熱転写受像紙。