JPH044187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 本考案は、フアラデーの電磁誘導の法則を利用
した電磁流量計、特に配管の上流側と下流側との
それぞれのフランジ間に配設される挟み込み形電
磁流量計に関する。

〔従来技術とその問題点〕

一般に、電磁流量計は、磁界中をその磁界の向
きに対して直角に動く導体中に誘起される電圧
が、その導体の動く速さに比例するというフアラ
デーの法則を基とする。被測定流体は磁界中を動
くひとつながりの流体状導体を形成し、流れが速
くなるほど電極間に生じる電圧の瞬時値が高くな
る。このような電磁流量計は、腐蝕性酸、汚水お
よびスラリーのような取扱いが困難な流体の流量
測定に適し、流れを妨害しないから圧力損失が少
なく長期間安定した測定が可能で、導電性を有す
るほとんどの液体の測定が可能である。特に、挟
み込み形電磁流量計は、３mmないし150mm程度の
小口径用として、小形軽量化され、配管フランジ
に挟み込み形に構成され、その取扱いが容易であ
る。第１図は従来の挟み込み形電磁流量計の概略
構成図、第２図は第１図の横断面図、第３図は同
じく縦断面図を示す。第１図ないし第３図におい
て挟み込み形電磁流量計１は、その上部に変換器
または端子箱２が設置され、配管６のフランジ３
間に挿入され、ボルト４およびナツト５によりフ
ランジ３間に挟み込まれる。また、第２図および
第３図に示すように電磁流量計１は、大別して心
臓部７、上部ケース部８および下部ケース部９の
３ユニツトからなる。心臓部７は管材１０、この
管材１０の内周面を被覆する絶縁材１１、この管
材１０に設置された１対の電極１２等を有する。
上部ケース部８は上部ケース１３、この上部ケー
ス１３に設置されたコア１４およびこのコア１４
を取巻くコイル１５等を有する。下部ケース部９
は下部ケース１６、この下部ケース１６に設置さ
れたコア１４Ａおよびこのコア１４Ａを取巻くコ
イル１５Ａ等を有する。２３は第１図に示す変換
器または端子台２の取付台である。ところで、こ
の電磁流量計１を組立てるには、心臓部７を上部
ケース部８および下部ケース部９にて上下より覆
い、上部ケース１３の合わせ面１７，１８と、下
部ケース１６の合わせ面１７Ａ，１８Ａとをそれ
ぞれ溶接個所Ａ，Ｂにて溶接接合し、かつ管材１
０の両側板１９，１９Ａと上部ケース１３の両側
面２０，２０Ａおよび下部ケース１６の両側面２
１，２１Ａとを溶接個所Ｃ，Ｄにて溶接接合する
ことが必要である。さらにまた、上部および下部
ケース１３，１６と管材１０との間の空間部２２
には、コイル１５，１５Ａを固定するエポキシ樹
脂等の絶縁材が充填される。このような溶接接合
個所は比較的長く、その構造上信頼性の低下を生
じ易く、かつ溶接前後の処理が必要となり、この
ために加工工数が増加する。樹脂充填作業もまた
繁雑で、製作費が高騰する等の問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上述の点に鑑み、従来技術の欠点を
除き、その目的とするところは、その構造が簡易
化され、その製作が容易で、その信頼性が向上す
る電磁流量計を提供することである。

〔考案の要点〕

このような目的を達成するために、本考案は、
円筒状中空部を有する本体ケースと、両端に側板
を形成し内周面に配管の内径に等しい絶縁材を有
する管材とこの管材の外周面に被測定流体の流通
方向に垂直な軸線上に対向して設けられた１対の
コアとこのコアを取巻く１対のコイルと前記被測
定流体の流通方向に垂直で、かつ前記コアと直角
な軸線上に対向して設けられた１対の電極とが一
体的に固定された管路部とを備え、前記管路部が
前記本体ケースの中空部に挿入され前記管路部の
両側板と本体ケースの両側端とを固定結合するこ
とを特徴とする。

〔考案の実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づき、詳細に
説明する。

第４図は本考案の一実施例の概略構成図、第５
図は第４図の縦断面図を示す。第４図および第５
図において第２図および第３図と同一の機能を有
する部分には、同一の符号が付されている。電磁
流量計２４は、本体ケース２５と管路部２６との
２ユニツトから構成される。本体ケース２５は、
円筒状に形成された中空部２７および取付台４０
とからなる。管路部２６は、管材２８、絶縁材２
９、１対の電極１２，１２Ａ、コア３０，３０Ａ
およびコイル３１，３１Ａ等からなる。ところ
で、この管材２８は、この両端に側板３２，３２
Ａを、外周面にコア３０，３０Ａをそれぞれ一体
的に形成し、内周面に絶縁材２９を、外周面にコ
ア３０，３０Ａに設けられる環状コイル３１，３
１Ａをそれぞれ固定する。このように構成された
管路部２６は、本体ケース２５の中空部２７に挿
入され、本体ケース２５の両側面３４，３４Ａ
と、管材２８の両側板３２，３２Ａとが溶接個所
Ｅ，Ｆにて溶接接合される。従つて、溶接個所は
Ｅ，Ｆ部の２個所となり、よつて、第２図および
第３図に示すような上部および下部ケース１３，
１６間の合わせ面１７，１７Ａ，１８，１８Ａに
おける溶接接合（合計４カ所の溶接部Ａ，Ｂ，
Ｃ，Ｄを必要としていた。）が不要となり、溶接
個所の低減による加工工数の軽減が可能である。
また、コア３０，３０Ａおよびコイル３１，３１
Ａは、それぞれ管材２８の外周面に設置されるか
ら、コイル３１，３１Ａをさらに固定するため
に、特に樹脂材を充填する必要を生じない。

次に、第６図は本考案の他の実施例の概略構成
図を示す。図において第４図および第５図と同一
の機能を有する部分には、同一の符号が付されて
いる。管材３５の両側板３６，３６Ａの外周面に
環状溝３７，３７Ａが設けられ、この環状溝３
７，３７ＡにはＯリング３８，３８Ａが挿入され
る。本体ケース２５に管材３５を挿入し、Ｏリン
グ３８，３８Ａにより気密を保持し、本体ケース
２５の側端に止めねじ３９を設けて、本体ケース
２５と管材３５とを固定する。このようなＯリン
グ３８，３８Ａおよび止めねじ３９により、溶接
接合が不要となり、加工工数が第４図および第５
図に比較してさらに軽減される。

〔考案の効果〕

以上に説明するように本考案によれば、円筒状
中空部を有する本体ケースと、両端に側板を形成
し内周面に配管の内径に等しい絶縁材を有する管
材とこの管材の外周面に流体の流通方向に垂直な
軸線上に対向する１対のコアと１対のコイルおよ
び前記コアと直角な他の軸線上に対向する１対の
電極とが一体的に固定された管路部とを設け、こ
の管路部を本体ケースの中空部に挿入し両側面を
本体ケースに固定することにより、その構造が簡
易化され、その製作が容易となり、加工工数が軽
減され、その信頼性が向上する等の利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の挟め込み形電磁流量計の概略構
成図、第２図は第１図の横断面図、第３図は同じ
く縦断面図、第４図は本考案の一実施例の概略構
成図、第５図は第４図の縦断面図、第６図は本考
案の他の実施例の概略構成図である。 ２４……挟め込み形電磁流量計、２５……本体
ケース、２６……管路部、２８……管材、２９…
…絶縁材、３０，３０Ａ……コア、３１，３１Ａ
……コイル、３７，３７Ａ……環状溝、３８，３
８Ａ……Ｏリング、３９……止めねじ、Ｅ，Ｆ…
…溶接個所。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被測定流体が流通される配管の上流側と下流側
   とのそれぞれのフランジ間に挟み込まれる電磁流
   量計において、円筒状に形成された中空部を有す
   る本体ケースと、両端に側板を有し内周面に前記
   配管の内径に等しい絶縁材を有する管材とこの管
   材の外周面に前記被測定流体の流通方向に垂直な
   軸線上に対向して設けられた１対のコアとこのコ
   アを取巻く１対のコイルと前記被測定流体の流通
   方向に垂直でかつ前記コアと直角な軸線上に対向
   して設けられた１対の電極とが一体的に固定され
   た管路部とを備え、前記管路部が前記本体ケース
   の中空部に挿入され前記管路部の両側板と本体ケ
   ースの両側端とを結合したことを特徴とする電磁
   流量計。